JP4036297B2 - ボールペンレフィール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペンの軸筒内に収容されるレフィールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボールペンの軸筒に収容されるレフィールは、ボールを回転自由に抱持したチップが継手に取り付けられ、この継手がインキ収容管の先端開口に嵌着されてなる。そして、インキ収容管内には、静的には粘度が高く、ボールの回転による剪断力により粘度が低下する所謂ゲルインキが充填され、インキの尾端にグリース状の逆流防止剤が配置されたものが多い。そして、インキの消費につれて逆流防止剤が前進するが、軸筒およびインキ収容管を透明な合成樹脂で成形し、インキの残量を目視で確認できるようにしている。そして、インキの残量がなくなると新しいレフィールと交換する。
【0003】
ボールの大きさは、一般事務用のボールペンにおいては、径がφ0.5mmのものが標準的であるが、ボールペンの用途の多様化により、φ0.5mmよりも大きなボールや、逆にこれよりも小さなボールを使用したボールペンが実用化されている。また、インキ収容管は透明なPPパイプを所定の長さに切断したものが安価であり製造も簡単なのため使用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボールの径が異なるボールペンであっても、軸筒を共通化し、したがって、インキ収容管の外径や長さも共通化されるが、ボールの径が例えば0.3〜0.4mmφ程度の小さいボールペンは所定の筆跡長さを筆記するのに消費するインキ量が少ない。一方、ボールを回転自由に抱持したチップの耐久性は限られているので、ボールの径が小さいにもかかわらず、インキ収容管を共通化してボール径の大きいボールペンの場合と同量のインキをインキ収容管に充填すると、チップの耐久性と充填されたインキ量のバランスがとれず、チップの耐久性が尽きて筆記不能となったときにもインキが残ることが起こり得る。したがって、インキが存在するにもかかわらずレフィールを交換する必要があり、ユーザへに与える印象が悪くなる。
また、インキ収容管をボール径の大きなボールペンと共通化して、つまり内径の大きなインキ収容管を使用してインキの充填量を少なくすると、インキ収容管の尾端側に長い空白空間ができ、この場合も、購入時においてユーザに与える印象が悪くなる不都合がある。
【0005】
このため、ボール径の小さなボールペンにおいては、インキ収容管の内径を小さくする必要があるが、インキ収容管の先端開口には、ボール径の大きなボールペンと共通化された継手が嵌着されるので、インキ収容管の先端開口に、内径よりも大径の継手被嵌着部を形成する必要がある。このため、組立て時において、インキ収容管の前後を識別して組立てる必要が生じる。また、インキ充填ノズルをインキ収容管の尾端開口から挿入してインキを充填するが、インキ収容管の尾端開口の内径が小さいと、インキ充填ノズルを挿入しにくい不具合がある。
【0006】
そこで本発明は、組立て時において、インキ収容管の前後を識別する必要がなく、また、インキ収容管の尾端開口にインキ充填ノズルを挿入し易くて組立てが容易なボールペンレフィールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、インキ収容管の外径や長さ、継手を共通化したボール径の異なるボールペンレフィール群における、ボール径が小さくてもインキ収容管の尾端側に長い空白空間が出来ないようにインキ収容管の内径を小さくしたボールペンレフィールであって、ボールを回転自由に抱持したチップが継手に取り付において、インキ収容管の両端に、インキ収容管の内径よりも大径の継手被嵌着部を形成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1において、ステンレスにて砲弾型に成形されたチップ1は、その先端のボールハウスにおいてボール11を回転自由に抱持している。ボール11は、超硬合金からなる外径が例えば0.38mmφの球体であり、標準的なボールよりも径が小さい。このボール11はスプリング12により、チップ1先端の内向き片に押圧されており、ボール11とチップ1先端の内向き片とで弁機構を構成している。このチップ1が継手2の先端開口に嵌着されている。継手2は中央部に鍔部21が形成され、鍔部21の尾端側が嵌着部22であるが、この継手2はボール径の異なるボールペンと共通化されたものである。
【0009】
インキ収容管3は、図2に示すように、合成樹脂にて円筒状に成形されたものであり、両端に継手2の嵌着部22が嵌着される継手被嵌着部31、31が形成されている。継手被嵌着部31の内周面には、低い円環状の突起32が形成されており、継手2の嵌着部22を嵌着したときに、突起32が嵌着部22の外周面に圧接して強固に嵌着できるとともにインキが洩れないようになっている。インキ収容管3の外径は、例えば6mmφ、内径は2.5mmφ、継手被嵌着部31の開口部の内径は4.5mmφであるが、全長と外径はボール径の異なるボールペンと同一になっている。
【0010】
インキ収容管3からチップ1の内部にかけて、静的には粘度が高く、ボールの回転による剪断力により粘度が低下する所謂ゲルインキIが充填され、インキIの尾端にグリース状の逆流防止剤4が配置されている。そして、筆記によってインキIが消費するにつれて逆流防止剤4が前進する。
【0011】
このように、インキ収容管3の両端に継手被嵌着部31、31が形成されているので、インキ収容管3の前後に方向性がなく、継手2の嵌着部22を継手被嵌着部31に嵌着する際に、組立装置がインキ収容管3の前後を識別する必要がなく、それだけ組立装置を簡略化できる。また、インキ充填ノズルをインキ収容管3の尾端開口から挿入してインキをインキ収容管3に充填するが、インキ収容管3の尾端部にも継手被嵌着部31が形成されて内径が大きくなっているので、インキ収容管3の内径が小さいにもかかわらず、インキ充填ノズルをインキ収容管3の尾端開口から挿入し易い利点を有する。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、インキ収容管の外径や長さ、継手を共通化したボール径の異なるボールペンレフィール群における、ボール径が小さくてもインキ収容管の尾端側に長い空白空間が出来ないようにインキ収容管の内径を小さくしたボールペンレフィールにおいて、継手にボールを回転自由に抱持したチップが取り付けられ、この継手が合成樹脂製のインキ収容管の先端開口に嵌着されたボールペンレフィールであって、インキ収容管の両端に、インキ収容管の内径よりも大径の継手被嵌着部を形成したので、ボール径の小さなボールペン用のレフィールであって、組立て時において、インキ収容管の前後を識別する必要がなく、また、インキ収容管の尾端開口にインキ充填ノズルを挿入し易くて組立てが容易なボールペンレフィールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の断面図である。
【図2】インキ収容管の断面図である。
【符号の説明】
1 チップ
11 ボール
12 スプリング
2 継手
21 鍔部
22 嵌着部
3 インキ収容管
31 継手被嵌着部
32 環状突起
4 逆流防止剤
I インキ
Claims (1)
- インキ収容管の外径や長さ、継手を共通化したボール径の異なるボールペンレフィール群における、ボール径が小さくてもインキ収容管の尾端側に長い空白空間が出来ないようにインキ収容管の内径を小さくしたボールペンレフィールにおいて、
ボールを回転自由に抱持したチップが継手に取り付けられ、該継手が合成樹脂製のインキ収容管の先端開口に嵌着されたボールペンレフィールであって、
前記インキ収容管は、その両端に、該インキ収容管の内径よりも大径の継手被嵌着部が形成されたことを特徴とするボールペンレフィール。
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Publications (2)
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2003
- 2003-04-25 JP JP2003120827A patent/JP4036297B2/ja not_active Expired - Fee Related
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