JPS6345335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は本体内の弁座に穿たれた弁孔を常時閉
孔する様摺動自在に弾発した弁体の先端部にペン
先末端部を当接せしめ、ペン先を本体内に摺動す
ることにより弁孔を開孔し、インクをインク筒よ
りペン先へ導出する様構成された筆記具の改良に
関する。

詳しくはペン先を本体内に摺動する時ペン先が
曲つたりはずれたりすることなく確実に弁体に当
接して摺動し、しかもイクがぼた洩れする恐れが
ないと共にかすれることなく良好に筆記できる特
に細径のペン先を使用するに適する筆記具を得る
ことを目的とする。

以下実施例について説明する。

Ａは軸筒を兼るインク筒１と端部筒２よりなる
筆記具本体である。

端部筒２は先端より軸方向にペン先３の突出孔
４、中径孔５、螺子部６を形成した大径孔７が連
設された先細り状となつている。

８は底部にインク筒１と連通する通孔９を有す
る弁箱であり、インク筒１の開口部１′に鍔８′を
当接して嵌合されている。

１０は内筒であつて中間部に外側に環状外突縁
１１、内側に弁孔１２を有する環状内突縁となつ
た弁座１３、末端部に嵌合筒部１４、先端部に先
端筒部１５が形成されている。

又、先端筒部１５には軸方向に弁孔１２と突出
孔４に連通する摺動孔１６が貫設されており、且
つ該孔１６の周壁面１７には該孔１６に開口して
連通する複数のインク保持孔１８，１８……が放
射状に形成されている。そして内筒１０は嵌合筒
部１４が環状外突縁１１を鍔８′に当接して弁箱
８に密嵌されると共に端部筒２とインク筒１が螺
合されて鍔８′と外突縁１１がインク筒１開口端
１′と端部筒２の段２′間に挾着されて水密に固定
されている。

１９は弁箱８内に装着された弁体である。

弁体１９は常時傾斜部２１を弁座１３に当接し
て弁孔１２を閉孔する様摺動自在に弾発されてい
る。そして摺動孔１６のの内径より僅かに小さな
外径に形成された先端部２２が弁孔１２より突出
し摺動孔１６内に位置している。

３は繊維の集束体を樹脂加工したものやプラス
チツクの焼結体等よりなる毛細管間隙を有するペ
ン先である。

ペン先３は外径が摺動孔１６の内径と等しいか
ほぼ等しく形成されており、弁孔１２が閉孔した
状態で先端３′を突出孔４より突出させ、末端
３″を弁体１９の先端部２２に当接せしめて摺動
孔１６内に摺動自在に装着されている。

２３はスポンジやフエルトよりなる環状毛管体
であり、中心孔２３′にはペン先３が弾性的に嵌
合されてペン先３と共に摺動する様中径孔５の先
端部に装着されている。

毛管体２３はペン先３が端部筒２よりの抜け落
ちを防止するストツパーとなると共にインク保持
体としての役目をなす。

従つて使用に際しては第２図の如く本体Ａを把
持しペン先３先端を筆記面等に当接してペン先を
本体Ａ内に摺動させるとペン先３末端３″が弁体
１９先端に当接されているので弁体１９も同時に
スプリング２０の弾発力に抗して摺動し弁孔１２
が開孔し、インク筒１よりインクが摺動孔１６及
びインク保持溝１８，１８……を経てペン先３先
端へ吸引導出される。しかる後、筆記面等よりペ
ン先３を離すとスプリング２０の作用により第１
図の状態に戻つて弁孔１２が閉孔しペン先へのイ
ンクの供給が停止されて筆記し得る訳であるが摺
動孔１６内に摺動孔の内径と等しいかほぼ等しい
外径のペン先末端部を摺動自在に挿通しているの
で、ペン先摺動時に揺動したり細径のペン先を使
用した場合にもペン先がはずれたり曲つたりする
ことなく確実に弁体１９先端部に当接され円滑に
摺動して確実に弁孔の開閉作用ができる。しかも
摺動孔１６に連通するインク保持溝１８，１８…
…を形成しているのでインク筒１よりインクが過
剰に供給された場合には該溝１８，１８……で毛
細管作用によりインクが保持され、ぼた洩れする
恐れがないと共に筆記によりペン先３に含浸され
たインクが消費されるに伴つてインク保持溝１
８，１８……に保持されたインクがペン先３へ補
給されるのでカスレることなく良好に筆記出来、
頻繁に弁孔１２を開孔してインク筒よりインクを
補給しなくても良い。

尚、図示省略するがインク保持溝は摺動孔周壁
に開口する螺旋状に形成しても良い。

又先端部筒１５は第１図に於て環状毛管体２３
の末端にその先端が当接する様にしても良いし、
環状毛管体２３をを省略しても良い。又毛管体２
３を省略して先端部筒１５を中径孔５の先端に当
接するまで延設してもよく、同様に本考案の目的
を達成することができる。

なおこの場合、先端筒部１５を省略して摺動孔
および摺動孔に連通するインク保持溝を直接端部
筒に合成樹脂の一体成型により形成するのが有利
である。

本考案は以上の様に構成したので、ペン先に細
径のものを使用した場合でもペン先摺動時に曲つ
たりすることなく円滑に摺動し、確実に弁孔の開
閉作用ができる。

又インク保持溝を形成したので過剰にインクが
供給された場合でもぼた洩れする恐れがないと共
にかすれることなく良好に筆記できるものであり
特に細径のペン先を使用する細字用の筆記具に適
する。

【図面の簡単な説明】

第１図本考案実施例の半截縦断面図、第２図本
考案実施例インク供給時を示す半截縦断面図、第
３図第１図のＡ−Ａ断面図。 Ａ……筆記具本体、３……ペン先、１６…摺動
孔、４……突出孔、１７……周壁面、１９……弁
体、１８……インク保持溝、１２……弁孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 本体内に弁孔を常時閉孔する弁体が摺動自在
   に弾発されており、弁座と本体先端に開口する
   ペン先突出孔間には弁孔とペン先突出孔間に連
   通するペン先摺動孔が貫設され且つ摺動孔周壁
   面には摺動孔に連通するインク保持溝が形成さ
   れていると共に該摺動孔には摺動孔の内径と等
   しいかほぼ等しい外径のペン先が摺動自在に挿
   通されていることを特徴とする筆記具。 (2) インク保持溝が摺動孔周壁面に開口する軸方
   向の複数の放射状に形成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項の筆記具。 (3) インク保持溝が摺動孔周壁面に開口する螺旋
   状に形成されている実用新案登録請求の範囲第
   １項の筆記具。