JP2010153637A - 貼り合わせウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してイオン注入層を形成し、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接あるいは酸化膜を介して貼り合わせた後、イオン注入層でボンドウェーハを剥離させることにより、ベースウェーハ上にシリコン薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製し、貼り合わせウェーハに水素もしくは塩化水素を含む雰囲気で平坦化熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、平坦化熱処理の雰囲気中に、シリコン薄膜に含まれるドーパントと同一の導電型のドーパントガスを添加して熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法。
【選択図】図1
Description
まず、研削・研磨で行う方法であるが、これは、2枚のシリコンウェーハを直接あるいは酸化膜を介して接着剤を用いることなく結合し、熱処理(1000〜1200℃)により結合強度を高めた後、片方のウェーハを研削・研磨により薄膜化する方法である。本手法の利点は、薄膜化されたシリコンの結晶性や埋め込み酸化膜等の信頼性が通常のシリコンウェーハと同等であることであり、欠点は薄膜化されたシリコンの膜厚均一性に限界(高々±0.3μm程度)があること、および1枚の貼り合わせウェーハの製造には2枚のシリコンウェーハが使用されるため材料コストが高い点である。
しかし、この熱処理の処理条件によっては、SOI層が予期しないドーパント濃度プロファイルとなり、デバイスの電気特性に影響を及ぼす欠点があった。また、このようなことは、イオン注入剥離法により作製される貼り合わせウェーハのシリコン薄膜全般に言えることであった。
以上より、本発明の製造方法であれば、所望のドーパント濃度であって、膜厚均一性が高く、平坦なシリコン薄膜を有する貼り合わせウェーハを効率的に製造することができる。
このような、シリコン薄膜に比較的高濃度でドーパントが含まれている場合に、ドーパント濃度の変化を抑制できる本発明の製造方法は特に好適である。
このように、本発明の製造方法の平坦化熱処理時に添加するドーパントガスは、適宜選択することができる。
このように、本発明の平坦化熱処理を行った貼り合わせウェーハのシリコン薄膜は高い膜厚均一性と所望のドーパント濃度を保持しながら表面が平坦にされているため、その表面上には欠陥の少ない高平坦度のエピタキシャル層を成長させることができ、さらには設計値どおりのドーパント濃度とすることができるため、高品質の厚膜のシリコン層を有する貼り合わせウェーハを製造することができる。
シリコン薄膜と同一の導電型のエピタキシャル層を形成する場合には、平坦化熱処理とシリコンエピタキシャル成長を同一の反応装置で連続的に行うことで、より効率的に厚膜の貼り合わせウェーハを製造することができる。
シリコン薄膜と異なる導電型のエピタキシャル層を形成する場合には、平坦化熱処理後ウェーハを一旦反応装置から取り出して、別の反応装置でエピタキシャル成長させることで、シリコンエピタキシャル層中に目的とするドーパント以外の不純物がより確実に混ざらないようにすることができるため、より高品質の厚膜のシリコン層を有する貼り合わせウェーハを得ることができる。
本発明者らは、このような問題に対し鋭意検討した結果、以下のようなことを見出した。
図2は、貼り合わせウェーハの製造工程のウェーハ中のドーパント濃度プロファイルを示す図である。
次に、図2(B)に示すように、酸化膜41が形成されたボンドウェーハ40にイオン注入してイオン注入層43を形成してからベースウェーハ42と貼り合わせるが、室温貼り合わせなのでこの時点でもボロン濃度分布は変化しない。
次に、図2(D)に示すように、剥離後のSOI層44表面のラフネスを改善するために、従来の方法で、高温の水素雰囲気あるいは塩化水素雰囲気で平坦化熱処理を行うと、平坦化のための熱処理は1000℃以上を要するので、SOI層44中のボロンは外方拡散して、濃度プロファイルが変化してしまう。
図1は、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
次に、図1(c)に示すように、ボンドウェーハ10のイオン注入した表面とベースウェーハ20の表面とを酸化膜12を介して貼り合わせる。このとき、酸化膜が形成されていない場合には、直接貼り合わせることもできる。
次に、図1(d)に示すように、イオン注入層11でボンドウェーハ10を剥離させることにより、ベースウェーハ20上にシリコン薄膜(SOI層)31を有する貼り合わせウェーハ30を作製する。剥離させる方法としては、特に限定されないが、例えば不活性ガス雰囲気下約500℃以上の温度で剥離熱処理を加えれば、結晶の再配列と気泡の凝集によってイオン注入層で剥離される。
このような、シリコン薄膜に比較的高濃度でドーパントが含まれている場合に、ドーパント濃度変化を抑制できる本発明の製造方法は特に好適である。前工程で準備するボンドウェーハに含まれるドーパント濃度が上記値以上であれば、剥離されてシリコン薄膜となった状態でのドーパント濃度もほぼ上記値以上となる。
このように、前工程の剥離の際に荒れてしまったシリコン薄膜表面について、水素もしくは塩化水素を含む雰囲気で平坦化熱処理を行うことにより、イオン注入法により得られたシリコン薄膜の高い膜厚均一性を保持しながら、シリコン原子のエッチングとマイグレーションの作用により表面粗さを改善することができる。そして、平坦化熱処理の雰囲気中に、シリコン薄膜に含まれるドーパントと同一の導電型のドーパントガスを添加して熱処理を行うことにより、シリコン薄膜中のドーパントが高温熱処理時に外方拡散することを抑制することができるため、シリコン薄膜中のドーパント濃度の変化を防止することができる。
このように、本発明の製造方法の平坦化熱処理時に添加するドーパントガスは、適宜選択することができる。
また、平坦化熱処理の後にCMP(化学的機械研磨)で研磨して、シリコン薄膜表面をより平坦にすることもできる。この場合は、前工程の平坦化熱処理によりある程度平坦にされているため、少ない研磨代で十分に平坦化されるため、研磨により膜厚均一性をそれほど悪化させることもない。
このように、本発明の平坦化熱処理を行った貼り合わせウェーハのシリコン薄膜は高い膜厚均一性と所望のドーパント濃度を保持しながら表面が平坦にされているため、その上には欠陥の少ないエピタキシャル層を成長させることができ、さらには設計値どおりのドーパント濃度とすることができるため、高品質の厚膜シリコン層を有する貼り合わせウェーハを製造することができる。
同一の反応装置で連続的に行えば、さらに効率良く製造することができ、導電型が異なる場合には別々の反応装置の方が、異なる導電型の不純物汚染等によるコンペンセイトの心配も少なく、より高品質の貼り合わせウェーハを製造することができる。
(実施例、比較例)
ボンドウェーハおよびベースウェーハとして、直径300mm、結晶方位<100>のシリコン単結晶ウェーハ(B濃度:5×1018/cm3)を用意し、ボンドウェーハの表面に150nmのシリコン酸化膜を形成した。次にそのシリコン酸化膜を介してH+イオン注入(50keV、5×1016/cm2)を行い、ベースウェーハと室温で貼り合せた後、剥離温度500℃で剥離し、SOIウェーハを作製した。
1.圧力:常圧(1013hPa(760torr))
2.温度:1050℃
3.H2:80slm、HCl:400sccm、B2H6(100ppm):150sccm(有り(実施例)、無し(比較例))
4.時間:10分間
1.圧力:減圧(107hPa(80torr))
2.温度:1080℃
3.H2:40slm、SiH2Cl2:450sccm
尚、エピタキシャル層のB濃度が漸減しているのは、シリコンエピタキシャル成長においてボロンをドープしなかったためである。
12、41…酸化膜、 20、42…ベースウェーハ、
30…貼り合わせウェーハ、 31、44…シリコン薄膜(SOI層)、
32…シリコンエピタキシャル層、 33…厚膜SOI層。
Claims (6)
- ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接あるいは酸化膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層でボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上にシリコン薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製し、該貼り合わせウェーハに水素もしくは塩化水素を含む雰囲気で平坦化熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、
前記平坦化熱処理の雰囲気中に、前記シリコン薄膜に含まれるドーパントと同一の導電型のドーパントガスを添加して熱処理を行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。 - 前記シリコン薄膜に含まれるドーパント濃度を、1×1018/cm3以上とすることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記シリコン薄膜がp型の場合には、前記ドーパントガスとしてB2H6又はBCl3を含むガスを添加し、前記シリコン薄膜がn型の場合には、前記ドーパントガスとしてPH3を含むガスを添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記平坦化熱処理を行った貼り合わせウェーハのシリコン薄膜上に、シリコンエピタキシャル層を成長させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記平坦化熱処理及び前記シリコンエピタキシャル層の成長を、同一の反応装置で連続的に行うことを特徴とする請求項4に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記平坦化熱処理及び前記シリコンエピタキシャル層の成長を、別々の反応装置で行うことを特徴とする請求項4に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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