JP2010153404A - 圧電/電歪膜型素子 - Google Patents

圧電/電歪膜型素子 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックス焼成基体に形成されるものにおいて、圧電/電歪特性をより高めた圧電/電歪膜型素子を提供する。
【解決手段】アクチュエータ10は、セラミックス焼成基体12(例えば酸化ジルコニウム)の上面に形成された第1電極22と、第1電極22状に形成され電力の入出力に伴い体積変化する圧電/電歪体30と、圧電/電歪体30の上方に形成された第2電極24と、を備えている。圧電/電歪体30は、ABO3を主成分とし、AサイトがPbであり、BサイトにはM(MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上)が圧電/電歪体を作製した後に過剰となる所定の過剰量含まれ、粒界が凹凸のうねりを有する曲線により構成されたうねり構造を有する結晶体を複数含んでいる。この圧電/電歪体30は、基体の配向性などにかかわらず電界方向に沿って結晶体が配向している。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電/電歪膜型素子に関する。
従来、圧電/電歪膜型素子としては、セラミックス焼成基体としての酸化ジルコニウム上に形成され、例えばPb(Zr,Ti)O3を主成分とし、任意の厚み方向の断面において観察される多数の結晶に占める、厚み方向の粒子径に対して幅方向の粒子径の方が長い結晶の個数割合が70%以上であり、優れた圧電特性や電歪特性を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、任意の厚み方向の断面において観察される多数の結晶粒子に占める、厚み方向の少なくともいずれかの外部との界面にその一部が露出している結晶粒子の個数割合が80%以上であり、さらに、厚み方向の外部との両界面にその一部が露出している結晶粒子の個数割合が50%以上であり、優れた圧電特性や電歪特性を有するとともに、屈曲変位が多数回繰り返されるような場合であっても十分な耐久性を発揮するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、主としてペロブスカイト構造を有する圧電磁器から形成されているとともに、圧電磁器の、積層方向から見た平均結晶粒径が、圧電磁器層の一層の厚みよりも大きく、結晶粒の方位が配向した構造とすることで、良好な特性を有する圧電素子が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−185940号公報 特開2006−185950号公報 特開2005−183701号公報
このように、この特許文献1及び、特許文献2に記載された、酸化ジルコニウム上に圧電/電歪体が形成された圧電/電歪膜型素子は、粒子のアスペクト比を所定の方向に揃えることにより圧電特性や電歪特性を高めることができるものであるが、それでもまだ十分でなく、更なる圧電特性や電歪特性を向上することが望まれていた。また、特許文献3に記載された圧電/電歪膜型素子では、積層方向からみた平均結晶粒径が層の厚みよりも大きく配向しているものでは、原因は明らかではないが、ショートや絶縁破壊などが起こりやすいことがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、セラミックス焼成基体に形成されるものにおいて、圧電/電歪特性をより高めることができる圧電/電歪膜型素子を提供することを目的とする。また、圧電/電歪特性をより高めると共に、ショートの発生をより抑制することができる圧電/電歪膜型素子を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbであり、BサイトにはM(MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上)が焼成後に所定の過剰量含まれる工程を経て作製され、結晶体の粒界が凹凸のうねり構造を有していると、含まれる複数の結晶体が特定の結晶面を揃えた状態で配向しており、圧電/電歪特性をより高めることができ、ショートや絶縁破壊などをより抑制することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の圧電/電歪膜型素子は、
セラミックス焼成基体と、
電極と、
前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上に形成されており、断面視したときに粒界が凹凸のうねりを有する曲線により構成され、隣接する結晶体の凸部の曲線が該凹部に入り込み、隣接する結晶体の凹部の曲線が該凸部に入り込むうねり構造を有する結晶体を複数含む圧電/電歪体と、
を備えたものである。
あるいは、本発明の圧電/電歪膜型素子は、
セラミックス焼成基体と、
電極と、
結晶体を複数含み、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上に形成されており、一般式がABO3であり次式(1)により表される酸化物を主成分とし0.002≦z≦0.42となる第1無機粒子を配合する原料調製工程と、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上へ前記第1無機粒子を形成し平板状の成形体に成形する第1成形工程と、該成形体を焼成して前記結晶体を生成する第1焼成工程と、を含む圧電/電歪体形成工程によって作製されている圧電/電歪体と、
を備えたものである。
a×Pb(M1/3,Nb2/3)O3+b×PbTiO3+c×PbZrO3+z×MO(a+b+c=1、MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上) …式(1)
また、圧電/電歪膜型素子の製造方法は、
セラミックス焼成基体と電極とを備えた圧電/電歪膜型素子の製造方法であって、
一般式がABO3であり次式(1)により表される酸化物を主成分とし0.002≦z≦0.42となる第1無機粒子を配合する原料調製工程と、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上へ前記第1無機粒子を形成し平板状の成形体に成形する第1成形工程と、該成形体よりも揮発成分の揮発が進む組成であり且つ所定の揮発量を超えない範囲の揮発程度を有する共存材料と共に焼成する所定の難揮発状態で該成形体を焼成して前記結晶体を生成する第1焼成工程と、を含む圧電/電歪体形成工程、
を含むものである。
a×Pb(M1/3,Nb2/3)O3+b×PbTiO3+c×PbZrO3+z×MO(a+b+c=1、MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上) …式(1)
この圧電/電歪膜型素子では、圧電/電歪特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbであり、BサイトにはM(MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上)が焼成後に所定の過剰量となる量が含まれていると、この過剰成分が主成分を置換し、欠陥などが生じそれを介して元素の拡散が促進され、粒界の界面エネルギーが低下するなどして、粒界が凹凸のうねり構造を有する結晶体に粒成長し、結晶体の結晶面が容易に所定方向に配向するものと考えられる。このとき、このM成分は主成分の構成元素としても用いられるものであるから、圧電特性を劣化しにくい。そして、結晶体が配向していない場合では、結晶の方向によっては圧電効果や電歪効果を十分に発揮できない結晶が含まれるなどして効率が低い状態であるのに対し、複数の結晶が特定の結晶面を揃えた状態で配向しており、複数の結晶を含む結晶体が効率よく機能を発揮するためであると推測される。
また、積層方向からみた平均結晶粒径が層の厚みよりも大きく配向しているものでは、原因は明らかではないが、ショートや絶縁破壊などが起こりやすいことがあった。この理由は定かではないが、以下のように推測される。例えば、一般に、粒界は界面エネルギーを最小にすべく直線(平面)になろうとするし、その表面は、表面エネルギーを最小にすべく、球面をとろうとする。また、通常、表面エネルギーが界面エネルギーより小さいことが多い。このため、粒径に比べて厚み方向が小さい場合、例えば、厚み方向に結晶粒子が1つになるような構成では、粒界をつくらずに表面をつくりやすい、即ち、膜欠陥を形成しやすくなるものと推察される。この膜欠陥によりショートや絶縁破壊などが起きると考えられる。これに対し、本発明の圧電/電歪膜型素子では、焼成の際に、例えばMgOなどの成分が粒界拡散で移動することにより粒界の界面エネルギーが低下し、直線的になろうとする力が弱まる。また、表面エネルギーと粒界の界面エネルギーとの差が縮まる。このため、粒界がうねり構造となり、上述のように、粒径に比べて厚み方向が小さい場合であっても焼成時に発生しやすかった膜欠陥の発生が抑制され、ショートや絶縁破壊が減少すると考えられる。あわせて、配向度も向上することにより、圧電/電歪特性も向上すると考えられる。
なお、上述した式(1)において、Mが2以上の成分であるときには、それぞれの成分は、a×Pb(Mx,Nby)O3側にもz×MO側にも入りうる。
本発明の圧電/電歪膜型素子を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の圧電/電歪膜型素子20を備えたアクチュエータ10の一例を表す説明図であり、図1(a)が平面図、図1(b)が図1(a)のA−A断面図である。本実施形態のアクチュエータ10は、下方に向かって開口した空間部14が形成されたセラミックス焼成基体12と、空間部14の上方側のセラミックス焼成基体12の上面に形成された第1電極22と、第1電極22上に形成され電力の入出力に伴い体積変化する圧電/電歪体30と、圧電/電歪体30の上方に形成された第2電極24と、を備えている。このアクチュエータ10は、電圧を印加して圧電/電歪体30を駆動し、セラミックス焼成基体12の空間部14に収容された流体(例えば液体など)へ圧力を付与するものである。
セラミックス焼成基体12は、配向していない複数の結晶により構成された材料である無配向多結晶基材により形成されていることが好ましい。この無配向多結晶基材は、例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム及び窒化珪素からなる群より選択される少なくとも一種を含むセラミックスからなることが好ましく、中でも、機械的強度が大きく、靭性に優れる点から安定化された酸化ジルコニウムからなることがより好ましい。なお、本発明にいう「安定化された酸化ジルコニウム」とは、安定化剤の添加により結晶の相転移を抑制した酸化ジルコニウムをいい、安定化酸化ジルコニウムの他、部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。安定化された酸化ジルコニウムとしては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有するものを挙げることができる。中でも、振動部の機械的強度が特に高くなる点で、酸化イットリウムを安定化剤として含有させたものが好ましく、この際、酸化イットリウムは、1.5〜6モル%含有させることが好ましく、2〜4モル%含有させることが更に好ましい。また、更に酸化アルミニウムを0.1〜5モル%含有させたものが好ましい。安定化された酸化ジルコニウムの結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよいが、主たる結晶相が正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相であるものが、強度、靭性、及び耐久性の観点から好ましい。
第1電極22は、矩形状に形成された部材であり、その一端に外部に接続される矩形状のタブ22aが設けられている。第1電極22の材質としては、白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を挙げることができる。中でも、焼成に際しての耐熱性が高い点で、白金、又は白金を主成分とする合金が好ましい。なお、第2電極24についても、タブ22aと対向する側にタブ24aが形成される以外は第1電極22と同様に形成されている。この第1電極22は、サンドイッチ構造、櫛形構造、タイガースキン構造などの形状とすることができる。セラミックス焼成基体12と平行な面内に分極軸が含まれる様に圧電/電歪体30を配向させる場合は、タイガースキン(虎柄)や櫛形構造とすることが、電界方向がセラミックス焼成基体12と平行な面内となり、好ましい。こうすれば、配向していない圧電/電歪体と比較して高い圧電/電歪特性を得ることができる。一方、セラミックス焼成基体12に垂直な方向に分極軸を配向させる場合は、図1に示すようなサンドイッチ素子構造とすることで、電界方向と分極軸方向が一致し、より好ましい。ここで、分極軸とは、イオンが変位し自発分極が発生する方向をいい、その方向で高い圧電特性を示す。例えば、分極軸は、ペロブスカイト化合物ではc軸方向にあり、Bi4Ti312などの層状化合物では面内方向にある。なお、第2電極24についても、第1電極22と同様である。
圧電/電歪体30は、外形を矩形状とし、第1電極22及び第2電極24に挟持された状態で第1電極22を介して間接的にセラミックス焼成基体12上に配設されている。図2は、圧電/電歪体30の一例の説明図であり、図3は、図2のB−B断面図である。この圧電/電歪体30は、図2、3に示すように、断面視したときに粒界31が凹凸のうねりを有する曲線により構成され、隣接する結晶体の凸部の曲線がこの凹部に入り込み、隣接する配向結晶32の凹部の曲線がこの凸部に入り込むうねり構造を有する配向結晶32を複数含んでいる。例えば、図2において、配向結晶32aでは、隣接する配向結晶32bの粒界31である凸部34の曲線がこの配向結晶32aの粒界31である凹部33の曲線に入り込み、配向結晶32bでは、隣接する配向結晶32aの粒界31である凹部33の曲線にこの配向結晶32bの粒界31である凸部34の曲線が入り込む構造を有している。なお、「断面視したときに」とは、実際に断面視しなければならないことを意味するものではなく、例えば、電子顕微鏡(SEM)写真で圧電/電歪体30を3次元的に観察すると、上面が球面状になっている結晶が重なってみえるような場合に、曲線(曲面)が連なっているように観察されるときがあるがこれとは異なる趣旨であり、複数の配向結晶32同士の粒界31が曲線により構成されていることが確認できればよい趣旨である。
この圧電/電歪体30のうねり構造は、湾曲度が0.1以上であることが好ましく、0.9以下であることが好ましく、0.3以上0.8以下であることがより好ましい。湾曲度が0.1以上の範囲では、圧電/電歪素子20において、ショートや絶縁破壊の発生をより抑制することができる。ここで、湾曲度の計算方法を図3を用いて説明する。まず、粒子が20〜40個含まれる視野を電子顕微鏡(SEM)で観察しその写真を撮影し、平均粒径を求める。この平均粒径は、粒子全体が視野に含まれている(視野で切れていない)すべての結晶粒子について、その結晶面の最長の長さを求めてそれを粒径とし、この平均値を計算して求めるものとする。次に、平均粒径よりも大きな粒子を任意に5個選択する。次に、選択した粒子において、隣接する粒界の3重点を任意に選択し(図3のC,D点参照)、これらを直線で結びこの結んだ直線に平行な直線を引き(図3の点線参照)粒界と接する点(図3のE点参照)から、先の直線までの垂線の長さを求める。3重点の距離と垂線の距離とを用い、(垂線の距離)/(3重点の距離)を計算する。この計算をすべての粒界について行い、そのうちの最大値をこの結晶粒子の湾曲度とする。任意に選択した5個の結晶粒子の湾曲度の平均値を求め、これをこの圧電/電歪体30の湾曲度とする。
この圧電/電歪体30は、厚さが1μm以上20μm以下(ここでは5μm)のセラミックス膜として形成されており、特定の方向に結晶体の特定の結晶面が配向した複数の配向結晶32を含んでいる。ここで、「セラミックス膜」とは、熱処理により結晶化させた程度のものではなく、熱処理により結晶化させた結晶粒子を更に粒成長させた膜をいうものとする。この圧電/電歪体30は、1層により形成されていてもよいし、複数の層状に形成されていてもよい。層状であるかについては、圧電/電歪膜型素子20の断面を視認して確認することができる。1層に形成されているときには、圧電/電歪体30は、厚さ方向の配向結晶32が実質的に1個であるものとしてもよい。ここで、「厚さ方向に結晶粒子が実質的に1個」とは、一部で配向結晶32が重なり合う部分があっても、他の大部分では配向結晶32が重なり合わずに、厚さ方向に配向結晶32を1個だけ含むことをいう。また、中心部分などセラミックス膜の大部分が2個以上の配向結晶32が重なり合う状態であり、端部のみ厚さ方向に1個であるようなものは含まない趣旨である。この圧電/電歪体30は、粒成長時に、配向結晶32の粒成長が膜の厚さまで達しないものや、結晶面の向く方向が異なるものが存在することがあるため、配向結晶32が重なり合う部分や配向結晶32の結晶面の向いている方向が異なるものなどが局所的に存在するが、概して厚さ方向に配向結晶32を1個だけ含むのである。この圧電/電歪体30は、結晶粒子を1個だけ含む部分が、圧電/電歪体30の面積割合で70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。
この圧電/電歪体30は、一般式がABO3であり次式(1)により表される酸化物を主成分とし0.002≦z≦0.42となる第1無機粒子を配合する原料調製工程と、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上へ前記第1無機粒子を形成し平板状の成形体に成形する第1成形工程と、該成形体を焼成して前記結晶体を生成する第1焼成工程と、を含む圧電/電歪体形成工程によって作製されている。即ち、この圧電/電歪体30は、焼成後の成形体に含まれるM成分が所定の過剰量となるように第1無機粒子を配合して作製されている。この組成は、0.06≦z≦0.1であることがより好ましい。こうすれば、より高い圧電/電歪特性を得ることができる。なお、この圧電/電歪体30は、一般式がABO3であり次式、{a×Pb(Mx+z,Nby)O3+z+b×PbTiO3+c×PbZrO3}(a+b+c=1、x+y=1,MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上)により表される酸化物を主成分とし焼成後の組成が0.01≦z≦2.67となる第1無機粒子を配合する原料調製工程と、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上へ前記第1無機粒子を塗布し平板状の成形体に成形する第1成形工程と、該成形体を焼成して前記結晶体を生成する第1焼成工程と、を含む圧電/電歪体形成工程によって作製されているものと同様である。この組成は、0.17≦z≦1.67であることがより好ましい。こうすれば、より高い圧電/電歪特性を得ることができる。また、圧電/電歪体30は、第1焼成工程のあと更にPb、M、Nb、Zr及びTiを含む第2無機粒子をこの焼成後の成形体上へ塗布する塗布工程と、この塗布した第2無機粒子を所定温度で焼成して結晶体を生成する第2焼成工程とを含む処理を1回以上実行する圧電/電歪体形成工程によって作製されていることが好ましい。こうすれば、1層目の焼成時に過剰量として結晶を成長させたあとに、第2無機粒子の組成を調整することにより、最終的に得られる圧電/電歪体30の組成を望みの組成とすることができる。この一般式ABO3で表される酸化物は、ペロブスカイト構造を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは、式(1)の一般式ABO3で表される三成分固溶系組成物の含有割合が、70重量%以上であることをいい、好ましくは90重量%以上であることをいう。
圧電/電歪体30は、特定方向として、電界方向に沿って、即ち第1電極22及び第2電極24の電極面に対して直交する方向に結晶面が配向していることが好ましい。圧電/電歪体30において、特定の結晶面の配向度は、ロットゲーリング法で25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが一層好ましく、80%以上であることが最も好ましい。配向度が25%以上であると、より高い圧電/電歪特性を得ることができる。この特定の結晶面は、圧電/電歪体の面内にある擬立方(100)面としてもよい。この擬立方(100)とは、等方性ペロブスカイト型の酸化物は正方晶、斜方晶及び三方晶など、立方晶からわずかに歪んだ構造をとるがその歪みがわずかであるため立方晶とみなしてミラー指数により表示することを意味する。ここで、ロットゲーリング法による配向度は、圧電/電歪体30の配向した面に対しXRD回折パターンを測定し、次式(2)により求めるものとした。この数式(2)において、ΣI(hkl)が圧電/電歪体30で測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI0(hkl)が圧電/電歪体30と同一組成であり無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、Σ’I(HKL)が圧電/電歪体30で測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(例えば(100)面)のX線回折強度の総和であり、Σ’I0(HKL)が圧電/電歪体30と同一組成であり無配向のものについて測定された特定の結晶面のX線回折強度の総和である。
この圧電/電歪体30は、結晶配向していない圧電/電歪体に対して屈曲変位が10%以上を示すことが好ましく、20%以上を示すことがより好ましい。屈曲変位が10%以上であれば、圧電/電歪特性がより好ましい。
次に、圧電/電歪膜型素子20の製造方法について説明する。図4は、圧電/電歪膜型素子20の製造方法の一例を示す説明図であり、上段から順に、第1層の成形工程、第1層の焼成工程、第2層の塗布工程、第3層の塗布工程、圧電/電歪体30の形成完了、第2電極24の形成の図である。圧電/電歪膜型素子20の製造方法は、図4に示すように、(1)セラミックス焼成基体12上へ第1電極22を形成する第1電極形成工程と、(2)原料の無機粒子を配合する原料調製工程、第1電極22上に圧電/電歪体30の第1層36aを形成する第1成形工程及びそれを焼成して配向結晶化する第1焼成工程を含む第1形成工程と、第1形成工程で配向結晶化した層の上に更に無機粒子の層を塗布する塗布工程及び塗布工程後に焼成して配向結晶化させる第2焼成工程を含む処理を望みの厚さとなるまで繰り返し行う積層工程とを含む圧電/電歪体形成工程と、(3)形成した圧電/電歪体30上へ第2電極24を形成する第2電極形成工程と、を含むものとしてもよい。
(1)第1電極形成工程
第1電極22を配設するセラミックス焼成基体12としては、以下説明する工程での熱処理温度よりも高い温度で焼成され、以下の工程による熱処理で変形及び変質しないセラミックとすることが好ましく、無配向多結晶基材としてもよいし、配向多結晶基材としてもよいが、無配向多結晶基材とすることが好ましい。この圧電/電歪膜型素子20の製造方法では、圧電/電歪膜型素子20を形成する基板の材質や配向性などにかかわらず、圧電/電歪体30の配向度を高めることが可能であり、圧電/電歪膜型素子20の形成時の熱処理に耐えうる材料であれば問題なく用いることができる。このセラミックス焼成基体12としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム及び窒化珪素からなる群より選択される少なくとも一種を含むセラミックスからなることが好ましく、このうち、酸化ジルコニウムを主成分とするものがより好ましく、安定化された酸化ジルコニウムを主成分とするものが一層好ましい。このセラミックス焼成基体12は、所望の形状に成形して焼成することにより得られる。第1電極22は、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属により形成することが好ましい。第1電極22の形成方法としては、例えば、上記金属のペーストを調製し、このペーストをセラミックス焼成基体12上へドクターブレード法やスクリーン印刷法などにより塗布し、焼成することにより形成することができる。第1電極22の厚さは、圧電/電歪体30の形成厚さにもよるが、圧電/電歪体30の変位の付与・抑制などの観点より、0.1μm以上20μm以下程度に成形することが好ましい。
(2)圧電/電歪体形成工程
次に、原料調製工程、第1成形工程、第1焼成工程を含む第1形成工程と、塗布工程、第2焼成工程を1以上繰り返し行う積層工程と、を含む圧電/電歪体形成工程を行う。第1形成工程では、第1電極22を介してセラミックス焼成基体12上へ無機粒子を15μm以下の膜体に形成して焼成することにより、結晶粒子を膜面に沿って粒成長させる工程である。このように、厚さが15μm以下の膜体に成形して焼成し粒成長させたセラミックス膜とするので、膜の厚さ方向への粒成長は限られており、膜面方向に、より粒成長が促進されるから、特定の結晶面を揃えた状態(配向した状態)で、アスペクト比のより大きな結晶粒子に成長させることができる。ここで、一般式ABO3で表される酸化物のAサイトにPbを含み、BサイトにZr,Ti,Nb,Mg,Ni及びZnより選ばれる2種以上を含むペロブスカイト構造の酸化物では、例えば、その配合比を調整し、極薄の膜形状として粒成長させると、粒界が曲線で構成されるうねり構造を有する粒子に成長することがある。このとき、膜面内に(100)面が成長することにより膜面の垂直方向に結晶面(100)が配向しやすくなることがある。即ち、このような酸化物では、膜面に平行な表面を持った粒子は、その2面を除く他の面が成長面として成形体内の全方位に含まれるから膜内で粒成長し、膜表面に存在する残りの2面が無理なく拡がるため、アスペクト比の大きな粒子が得られやすい。この結晶粒子のアスペクト比は、2以上とすることが好ましく、3以上とすることがより好ましい。アスペクト比が2以上では、結晶粒子を配向させやすい。また、この結晶粒子は、膜面方向の結晶粒子の長さが結晶粒子の厚さ方向の長さ以上であることが好ましい。こうすれば、結晶粒子を配向させやすい。このように、Pb,Zr,Tiを含む酸化物の結晶面を配向させるものとすれば、例えば、配向したシリコン単結晶上へ化学蒸着などによりエピタキシャル成長させるようなものに比して、処理の簡素化及び材料費の低減を図ることができるし、結晶を配向させるため不要な元素を添加して圧電/電歪体を作製する方法に比して、配向度を高めつつ、その純度の低下を抑制することができる。なお、「不要な元素を添加することなく」とは、圧電/電歪特性に大きく影響しない範囲で、配向度や機械的強度などを高める添加剤を加えることを排除する趣旨ではない。この結晶粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行い膜の厚さを求め、膜面を観察し、結晶粒子が20〜40個程度含まれる視野において、{(視野の面積)/(粒子の個数)}から粒子1個あたりの面積Sを算出し、更に粒子形態を円と仮定し、次式(3)によって粒径を算出し、この粒径を膜の厚さで除算した値をアスペクト比とするものとする。
原料調製工程では、無機粒子の原料を粉砕混合したものを用いてもよいが、混合した粉体を仮焼し、得られた無機粒子を更に粉砕することが好ましい。この無機粒子としては、ペロブスカイト構造を有する酸化物となるものが好ましく、一般式ABO3で表される酸化物のAサイトとしてPbを含むものとし、Bサイトとして、Zr、Ti、Nb、Mg、Ni及びZnから選ばれる1種以上を含むものとするのが好ましい。このとき、一般式ABO3で表される酸化物が上記式(1)の組成であり、且つ、M成分の過剰量としてのzが0.002≦z≦0.42であるものとしてもよい。また、このM成分を過剰量とするに際して、配合するM成分は、Mg,Ni,Znから選ばれる1以上とするのが好ましく、例えばMgO,NiO,ZnOなどの酸化物として配合することがより好ましい。こうすれば、M成分が過剰量含まれている際に発現する効果を奏しやすい。無機粒子の粉砕では、膜体の厚さに応じた粒径とすることが好ましく、無機粒子のメディアン径(D50)を膜体の厚さの2%以上60%以下とすることが好ましい。メディアン径が膜体の厚さの2%以上であれば粉砕処理が容易であり、60%以下であれば膜体の厚さを調整しやすい。この粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて分散媒(有機溶剤や水など)に分散させて測定した値を用いるものとする。無機粒子の粉砕は、湿式粉砕することが好ましく、例えばボールミルやビーズミル、トロンメル、アトライターなどを用いてもよい。
第1成形工程では、図4の上段に示すように、無機粒子を厚さが15μm以下の膜体となるよう、第1電極22上に形成する。ここでは、例えば、無機粒子を含むペーストなどを用いたドクターブレード法やスクリーン印刷法などを用いてこの無機粒子を第1電極22上へ塗布することにより形成することができる。塗布前にペーストなどを調製するときには、無機粒子を適当な分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤などを適宜加えてもよい。また、ペーストは、粘度が50000〜500000cPとなるように調製するのが好ましく、減圧下で脱泡するのが好ましい。膜体の厚さとしては、15μm以下とすることが好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が一層好ましく、2μm以下とすることが更に一層好ましい。10μm以下ではより高い配向度を得ることができ、5μm以下であればより一層高い配向度を得ることができる。また、膜体の厚さは、0.1μm以上とするのが好ましい。膜体の厚さが0.1μm以上であれば、塗布しやすい。
第1焼成工程では、成形工程で無機粒子を塗布したものを所定の焼成温度で焼成することにより、特定の方向に特定の結晶面が配向した配向結晶32を粒成長させると共に、第1電極22上に配向結晶32を固着させることができる。ここで、「固着」とは、有機系、無機系の接着剤を用いることなく、セラミックス焼成基体12との反応又は第1電極22との固相反応により、圧電/電歪体30を直接又は第1電極22を介して一体化することをいう。この特定の結晶面としては例えば、圧電/電歪体の面内にある擬立方(100)面とすることができ、特定の方向としては、例えば、電界方向に沿って、即ち第1電極22及び第2電極24の電極面に対して直交する方向とすることが好ましい。この第1焼成工程の焼成条件について、焼成により平衡形の結晶が得られる焼成温度、例えばバルクを焼成することにより緻密化、粒成長する焼成温度に比べて1割以上高い温度で、この膜を形成したものを焼成することが好ましい。1割以上高い温度では、極薄の膜体に含まれる結晶の粒成長を十分進めることができる。なお、成形体の材料が分解しない程度に高い温度で焼成することが好ましい。特に、膜体の厚さがより薄くなると、粒成長がしにくくなるため、焼成温度をより高くする傾向とすることが好ましい。例えば、無機粒子として、主成分がPb(Zr1-xTix)O3のBサイトにMg,Nbなどを添加したものの第1焼成工程では、成形体の焼成温度を900℃以上1400℃以下とすることが好ましく、1000℃以上1350℃以下とすることがより好ましい。焼成温度が900℃以上では、粒子の結晶の成長が促されるため好ましく、1400℃以下では、含まれる成分などの揮発を少なく抑えることができ、材料が分解してしまうのを抑制することができる。こうして、含まれる無機粒子が特定の結晶面の配向した結晶粒子に粒成長したものを得ることができる。なお、バインダーなどを含む成形体の場合は、焼成を行う前に脱脂を主目的とする熱処理を行ってもよい。このとき、脱脂の温度は、少なくともバインダーなどの有機物を熱分解させるに十分な温度(例えば400〜600℃)とする。また、脱脂を行ったあと、焼成を行う前に静水圧処理(CIP)を行うのが好ましい。脱脂後の膜体に対して更に静水圧処理を行うと、脱脂に伴う配向度の低下、あるいは、膜体の体積膨張に起因する焼結体密度の低下などを抑制することができる。また、この第1焼成工程では、成形体に含まれる特定成分(例えば鉛など)の揮発を抑制する揮発抑制状態で成形体を焼成することが好ましい。こうすれば、成形体からの特定の元素が揮発してしまうのを抑制することにより、焼成後の組成がずれてしまうのを抑制することができる。例えば、揮発抑制状態としては、成形体とは別の無機粒子を共存させた状態や、蓋付きの鞘などに入れた密閉状態などが挙げられる。更に、第1焼成工程では、この成形体よりも揮発成分の揮発が進む組成であり且つ所定の揮発量を超えない範囲の揮発程度を有する共存材料と共に焼成する所定の難揮発状態でこの成形体を焼成するのが好ましい。難揮発状態とは、成形体に比して揮発成分が多く含まれる組成で且つセラミックス焼成基体12などを汚染しないような揮発程度を有する組成の材料(例えば無機粒子)を共存させて焼成する状態が含まれる。特に、共存させる無機粒子として、成形体の組成よりも揮発成分(鉛など)が揮発しやすい組成を用いると、配向度が向上し好ましい。この共存材料は、成形体よりもPb(Mx,Nby)O3の配合量が小さく且つPbZrO3の配合量が大きいものとすることが好ましい。また、この共存材料は、成形体よりもPbTiO3の配合量が大きいものとしてもよい。また、成形体よりも過剰なMO量が少ないものとしてもよい。このとき、共存させる無機粒子の量や組成、鞘内部での設置場所、鞘の容積、成形体の設置方法、数量など、焼成時の条件を適切な状態に経験的に設定することが重要である。特に、共存させる無機粒子の組成については、揮発性が高すぎると、セラミックス焼成基体12を汚染するとともに、圧電/電歪体30の膜中に過剰な鉛成分が吸収され、特性を下げる点で好ましくなく、また、揮発性が低すぎると、膜の配向度が下がるため好ましくない。なお、面内の粒成長を促進する観点から、ホットプレスなど加重焼成してもよい。このようにして、第1電極22上に所定方向へ配向した配向結晶32を含む圧電/電歪体30の一部となる膜体を形成するのである(図4の2段目)。
続いて、第1形成工程で配向結晶化した層の上に更に圧電/電歪体30の層を望みの厚さとなるまで積層させる積層工程を行う。この工程は、生成した配向結晶32上に更に圧電/電歪体30となる無機粒子を塗布する塗布工程と、所定温度で焼成して結晶体を生成する第2焼成工程とを1回含むものとすればよいが、更に、生成した結晶体上に圧電/電歪体30となる無機粒子を塗布する塗布工程と、所定温度で焼成して結晶体を生成する焼成工程とを複数回、繰り返し含むものとしてもよい。この膜体を積層させる回数は、所望の圧電/電歪体30の厚さとなるように、例えば圧電/電歪体30が1μm以上20μm以下の厚さとなるように、1回以上の回数で適宜設定すればよい。ここでの、膜体の厚さや、焼成温度などの焼成条件は、上述した第1形成工程と同じ条件に設定してもよいし、第1形成工程と異なる条件に設定してもよい。また、第1形成工程と同様に、脱脂を行ってもよいし、静水圧処理を行ってもよいし、揮発抑制状態、難揮発状態で焼成してもよいし、これらの処理のいずれか1以上を適宜省略してもよい。この圧電/電歪体形成工程では、図4に示すように、配向結晶32を含む第1層36aの上に、更に無機粒子を含む第2層36bを形成し(図4の3段目)、これを焼成して配向結晶32を含む第2層36bとし、この第2層36bの上に更に無機粒子を含む第3層36cを形成する(図4の4段目)。これらの工程を所望の厚さとなるまで繰り返すことにより、圧電/電歪体30を第1電極22上に形成する(図4の5段目)。この圧電/電歪体30では、各層が確実に膜面に結晶が成長するため、より確実に所定方向に配向した配向結晶32を含むものを生成することができる。ここで、この工程において、第1形成工程で配向結晶化した層(1層目)の原料と、この上に形成する層(2層目以上の層)の原料とは、同じものとしてもよいし、異なるものとしてもよい。例えば、原料の無機粒子としてPbを含むものを用いる場合は、1層目をM成分が過剰量含まれた組成として配向結晶32を粒成長させれば、2層目についても1層目に沿って粒成長することができる。このため、2層目以降はM成分が過剰量含まれない組成とするなど、1層目と2層目以降との組成を異なるものとすることができる。この第2層目以降の無機粒子(原料粉体)は、焼成により含まれている元素が減少する点を踏まえて、目的とする最終成分の組成に到達するよう、適宜配合量を調整することが好ましい。
(3)第2電極形成工程
次に、形成した圧電/電歪体30上に第2電極24を形成する処理を行う。ここでは、圧電/電歪体30の一方の面に第1電極22を形成し、第1電極22を形成した面の裏側の他方の面に第2電極24を形成するものとした。この第2電極24の形成は、上述した第1電極形成工程と同様の条件で行う工程とすることもできるし、第1電極形成工程と異なる条件で行う工程とすることもできる。このように、第1電極22と第2電極24とに挟み込まれた圧電/電歪体30を備えた圧電/電歪膜型素子20が第1電極22側でセラミックス焼成基体12上に配設されたアクチュエータ10を作製することができる(図4の最下段)。
以上詳述した本実施形態の圧電/電歪膜型素子20によれば、圧電/電歪体30の配向度を高めることにより、圧電/電歪特性をより高めることができる。また、圧電/電歪体30は、特定の結晶面が電界方向に沿って配向しているため、より一層圧電/電歪特性をより高めることができる。更に、無機粒子を膜体に形成して焼成するため、比較的簡便な方法で配向度を高めることができるし、セラミックス焼成基体12の配向性にかかわらず配向度の高い圧電/電歪体30を作製することができる。更にまた、セラミックス膜に形成することにより、例えば、主成分をPb(Zr1-xTix)O3とする材料であっても、粒界が曲線で構成されるうねり構造に成長する結晶粒子に粒成長させ、結晶の配向性を高めることができる。そして、15μm程度のセラミックス膜を順次積層可能であるため、比較的容易に1μm以上(例えば20μmなど)の膜厚の圧電/電歪体30を作製することができる。そしてまた、1層ごとに結晶の配向性を高めるため、より確実に配向度を高めて圧電/電歪特性を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、無機粒子の1層を塗布し焼成して結晶面を所定方向に配向させる処理を繰り返して実行することにより圧電/電歪体30を作製するものとしたが、図5に示すように、無機粒子を結晶化したテンプレートとしての結晶粒子と配向していない無機粒子とを含むスラリーやペーストなどを作製し、これを結晶粒子が所定方向に揃うよう且つ圧電/電歪体30の厚さとなるように塗布して焼成することにより結晶粒子の配向した圧電/電歪膜型素子20を作製するものとしてもよい。例えば、この製造方法は、(1)第1電極形成工程、(2)電極を介して間接的に又は直接的にセラミックス焼成基体上へ圧電/電歪体となる結晶粒子を含む圧電/電歪体となる原料を塗布する塗布工程と、塗布工程のあと所定温度で焼成して結晶体を生成する焼成工程とを含む、圧電/電歪体形成工程、(3)第2電極形成工程とを含むものとしてもよい。図5は、圧電/電歪膜型素子20の他の製造方法の一例を表す説明図であり、上段から順に圧電/電歪体30の原料の塗布工程、焼成工程後に得られる配向した圧電/電歪体30、第2電極形成工程の図である。この製造方法において、第1及び第2電極形成工程は、上述した実施形態と同様の工程を行うものとしてもよい。説明の便宜より、(2)圧電/電歪体形成工程について具体的に説明する。この圧電/電歪体形成工程の塗布工程では、予め特定の結晶面が所定方向に配向した結晶粒子38を作製しておき、この結晶粒子38と配向していない無機粒子とを混合したペースト状の塗布原料を調製する。ここで、結晶粒子38は、例えば、上述したように、原料調製工程において、M成分が、圧電/電歪体を作製した後に過剰となる所定の過剰量含まれている原料粉体(無機粒子)を配合し、成形工程において、厚さを15μm以下とする自立したシート形状にこの無機粒子を成形し、焼成工程において、この成形したシートを焼成して粒成長させたセラミックスシートとし、解砕工程において、この焼成後のシートをアスペクト比が2以下、より好ましくは3以下にならない程度に解砕して得ることができる。この場合、結晶面が配向するメカニズムは、上述した基体上に形成された膜体と同様である。ここで、「自立したシート」とは、シート厚さを15μm以下に成形したシート状の成形体を焼成して得たものをいい、他のシートに積層して焼成された状態であるものや、なんらかの基板に貼り付けて焼成された状態であるもの、スパッタ、ゾルゲル、エアロゾルデポジション法、印刷法などによりなんらかの基板に成膜され支持された状態のものを含まない趣旨である。なお、「自立したシート」は、なんらかの基板に貼り付けたり成膜したりして、焼成前、又は焼成後に、この基板から剥離したものをも含む。図5上段に示すように、こうして得た結晶粒子38を、その他の原料粉体(例えば配向していない無機粒子など)と適宜バインダーや可塑剤などと混合して塗布原料とし、第1電極22上へこの結晶粒子33が一定方向を向いた成形膜39を形成するような塗布処理を行う。この塗布処理は、スクリーン印刷法やドクターブレード法などにより行うことができる。また、塗布処理での成形膜39の厚さは、圧電/電歪体30として必要とする所望の厚さに塗布原料を塗布すればよい。続いて、成形膜39を形成したセラミックス焼成基体12を所定温度で焼成し、結晶粒子33が配向している方向に他の無機粒子を配向させる焼成工程を行い圧電/電歪体30を得る(図5の2段目)。この焼成工程は、上述した実施形態と同様の条件や処理を行うものとしてもよい。そして、第2電極形成工程により、第2電極24を圧電/電歪体30上に形成し、圧電/電歪膜型素子20を得ることができる。こうしても、圧電/電歪体30の配向度を高めることにより、圧電/電歪特性をより高めることができる。また、塗布工程及び焼成工程の繰り返し数を低減可能であり、より簡潔な処理とすることができる。更に、焼成工程の繰り返しを抑制することにより、結晶を配向させるのに必要なエネルギ量を低減することができる。
上述した実施形態では、圧電/電歪体形成工程での第1成形工程や積層工程での塗布工程などにおいて、塗布することにより、第1電極22上や第1層36aなどの各層上へ圧電/電歪体30となる原料を形成するものとしたが、特に塗布するものに限られず、例えば、ゾルゲル法や化学気相成長法、スパッタリング方などを用いてセラミックス焼成基体12上や第1電極22上や各層上のいずれかへ圧電/電歪体30となる原料を形成するものとしてもよい。こうすれば、粒径が小さく、表面粗さの小さな緻密な膜体を形成することができる。また、これらの方法のいずれかを用いれば、均質性の優れたものが作製できるため、薄くても耐電圧が高いものを作製でき、高電界を印加した際に絶縁破壊してしまうのを抑制し、高い変位を得ることができる。なお、この場合、上述した実施形態の積層工程での塗布工程は、成形工程としてもよい。
上述した実施形態では、液体を吐出させるアクチュエータ10として説明したが、圧電/電歪特性を用いるものであれば特にこれに限られず用いることができる。例えば、この圧電/電歪膜型素子20は、誘電体材料、焦電体材料、強誘電体材料、磁性材料、イオン伝導材料、電子伝導性材料、熱伝導材料、熱電材料、超伝導材料、耐摩耗性材料等の機能や特性が結晶方位依存性を有する物質よりなる多結晶材料へ用いることができる。具体的には、加速度センサ、焦電センサ、超音波センサ、電界センサ、温度センサ、ガスセンサ、ノッキングセンサ、ヨーレートセンサ、エアバックセンサ、圧電ジャイロセンサ等の各種センサ、圧電トランス等のエネルギー変換素子、超音波モータ、レゾネータ等の低損失アクチュエータ又は低損失レゾネータ、キャパシタ、バイモルフ圧電素子、振動ピックアップ、圧電マイクロホン、圧電点火素子、ソナー、圧電ブザー、圧電スピーカ、発振子、フィルタ、誘電素子、マイクロ波誘電素子、熱電変換素子、焦電素子、磁気抵抗素子、磁性素子、超伝導素子、抵抗素子、電子伝導素子、イオン伝導素子、PTC素子、NTC素子等に応用すれば、高い性能を有する各種素子を得ることができる。このとき、圧電/電歪体30の厚さや配向度は、用途に合わせた値を適宜設定するものとする。
上述した実施形態では、セラミックス焼成基体12に空間部14を1つ備えたものとしたが、空間部14と圧電/電歪体30とを複数配列したものとしてもよい。あるいは、空間部14の形成されていないセラミックス焼成基体を用いてもよい。
上述した実施形態では、圧電/電歪体30を矩形板状の形状としたが、特にこれに限定されず、任意の形状としてもよい。また、第1電極22や第2電極24、セラミックス焼成基体12についても同様である。例えば、図6に示すように、複数の電極22,24,26を備え、ドーム形状に形成された圧電/電歪体30Bと、圧電/電歪体30Bの下面側に配置された第1電極22と、圧電/電歪体30B内部に配置された第2電極24と、圧電/電歪体30Bの上部に設けられた第3電極26とを備えた圧電/電歪膜型素子20Bとしてもよい。
上述した実施形態では、第1電極22を介して圧電/電歪体30をセラミックス焼成基体12上に形成するものとしたが、圧電/電歪体をセラミックス焼成基体に直接形成するものとしてもよい。こうしても、圧電/電歪体の配向度を高めることにより、圧電/電歪特性をより高めることができる。
以下には、圧電/電歪膜型素子を具体的に製造した例を実験例として説明する。
[実験例1]
(原料調製工程)
圧電/電歪体の組成が0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3(基本組成1とも称する)に0.002molのMgOを添加した組成比となる合成粉末とジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とをポリポットに入れ、ボールミルで16h、湿式混合を行った。得られたスラリーを乾燥機で乾燥したあと、1000℃、2hの条件下で仮焼した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで16h湿式粉砕し、乾燥機によって乾燥し、第1無機粒子の粉体を得た。この粉体をHORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用い、水を分散媒として平均粒径を測定したところ、メディアン径(D50)は、0.4μmであった。また圧電/電歪体の組成が0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成比となる合成粉末とジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とをポリポットに入れ、ボールミルで16h、湿式混合を行った。得られたスラリーを乾燥機で乾燥したあと、1000℃、2hの条件下で仮焼した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで16h湿式粉砕し、乾燥機によって乾燥し、第2無機粒子の粉体を得た。
(第1電極形成工程)
23で安定化された、薄肉部が平坦なZrO2基体(薄肉部の寸法:1.6×1.1mm、厚さ7μm)上に、Ptからなる第1電極(寸法:1.2×0.8mm、厚さ3μm)をスクリーン印刷法により形成し、1300℃、2時間の熱処理により基体と一体化させた。
(圧電/電歪体形成工程)
形成した第1電極の上に、0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3に0.002molのMgOを添加した組成物を分散媒や可塑剤、分散剤を加えてペースト状とし、このペーストをスクリーン印刷法により、乾燥後のサイズが1.3mm×0.9mm、厚さ2μmで形成した膜体を得る第1形成工程を行った。この膜体をマグネシアからなる鞘(寸法90mm角、高さ50mm)に0.12Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.38PbTiO3+0.50PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成粉末(共存材料)を20g共存させた難揮発状態(焼成雰囲気Aとも称する)で1280℃、3時間、熱処理(焼成)した。熱処理後のセラミックス膜(圧電/電歪体)の厚さは、1.3μm、ロットゲーリング法による配向度は20%であった。なお、配向度の算出方法は後述する。また次に、塗布工程と第2焼成工程とを1回行う積層工程を行った。具体的には、得られたセラミックス膜の上に、第2無機粒子からなる組成物を分散媒や可塑剤、分散剤を加えてペースト状とし、このペーストをスクリーン印刷法により、乾燥後のサイズが1.3mm×0.9mm、厚さ8μmとなるように塗布する塗布工程と、得られたものを1280℃、3時間熱処理(焼成)する第2焼成工程とを行った。なお、第2焼成工程も第1焼成工程と同様の共存材料を共存させて焼成を行った。熱処理後のセラミックス膜(圧電/電歪体)は、厚さが5.1μm、ロットゲーリング法による配向度が18%であった。
(第2電極形成工程)
次に、圧電/電歪体の上面にAuからなる第2電極(寸法:1.2mm×0.8mm、厚さ0.5μm)をスクリーン印刷法により形成したあと、熱処理して膜状の圧電駆動部を有する、実験例1の圧電膜型アクチュエータを作製した。なお、一般式がABO3であり次式a×Pb(Mx,Nby)O3+b×PbZrO3+c×PbTiO3}+zMO(a+b+c=1、x+y=1,MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上)のうち添加組成(zMO)を除いた部分の基本組成と、焼成時に共存させる共存材料の組成とをまとめて表1に示した。なお、この表1では、後述する実験例2〜25の基本組成及び共存材料組成についても示した。
[実験例2〜9]
実験例1では圧電/電歪体の組成が0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3にMgOを0.002mol添加した組成比としたこの添加組成比を、NiOを0.020mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例2とした。また、この添加組成比を、MgOが0.01mol、NiOが0.02mol、全体で0.030mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例3とした。また、この添加組成比を、MgOが0.04mol、NiOが0.02mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例4とした。また、この添加組成比を、MgOが0.08mol、NiOが0.02mol、全体で0.100mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例5とした。また、この添加組成比を、MgOが0.4mol、NiOが0.02mol、全体で0.42mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例6とした。また、この添加組成比を、MgOが1mol、NiOが0.02mol、全体で1.020mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例7とした。また、この添加組成比を、MgOが0mol、NiOが0.06mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例8とした。また、この添加組成比を、MgOが0mol、NiOが0.02mol、ZnOが0.04mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例9とした。なお、実験例2〜9の原料調製工程での無機粒子の平均粒径を測定したところ、メディアン径(D50)が、おおよそ0.4μmであった。なお、後述する実験例2〜25の原料調製工程での無機粒子の平均粒径も、メディアン径(D50)で、おおよそ0.4μmであった。
[実験例10〜11]
原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3(基本組成1)に0.02molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合した。また、焼成工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気Bとも称する)で焼成した。これ以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例10とした。また、原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3(基本組成1)に0.08molのMgO及び0.02molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合した。また、焼成工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.35PbTiO3+0.45PbZrO3に0.02molのNiO及び0.08molのMgOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気C)で焼成した。これ以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例11とした。
[実験例12〜20]
原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3(基本組成2)に0.002molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合した。また、焼成工程で0.12Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.45PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気D)で焼成した。これ以外は実験例1と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例12とした。また、この添加組成比を、NiOが0.02mol(全体で0.02mol)添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例13とした。また、この添加組成比を、MgOが0.01mol、NiOが0.02mol、全体で0.030mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例14とした。また、この添加組成比を、MgOが0.04mol、NiOが0.02mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例15とした。また、この添加組成比を、MgOが0.08mol、NiOが0.02mol、全体で0.100mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例16とした。また、この添加組成比を、MgOが0.4mol、NiOが0.02mol、全体で0.42mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例17とした。また、この添加組成比を、MgOが1mol、NiOが0.02mol、全体で1.020mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例18とした。また、この添加組成比を、MgOが0mol、NiOが0.06mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例19とした。また、この添加組成比を、MgOが0mol、NiOが0.02mol、ZnOが0.04mol、全体で0.060mol添加した組成比とした以外は実験例12と同様の処理を行い作製した圧電膜型アクチュエータを実験例20とした。
[実験例21〜22]
原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3(基本組成2)に0.02molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合し、焼成工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気E)で焼成した以外は実験例1と同様の処理を行い、作製した圧電膜型アクチュエータを実験例21とした。また、原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3(基本組成2)に0.08molのMgO及び0.02molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合し、焼成工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3に0.08molのMgO及び0.02molのNiOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気F)で焼成した以外は実験例1と同様の処理を行い、作製した圧電膜型アクチュエータを実験例22とした。
[実験例23〜25]
原料調製工程で0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.37PbZrO3(基本組成2)に0.08molのMgOを添加した組成比となるよう原料を配合し、焼成工程で0.12Pb(Mg0.33Nb0.67)O3+0.43PbTiO3+0.45PbZrO3に0.02molのNiOを添加した組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気D)で焼成した以外は実験例1と同様の処理を行い、作製した圧電膜型アクチュエータを実験例23とした。また、原料調製工程で0.25Pb(Ni0.33Nb0.67)O3+0.40PbTiO3+0.35PbZrO3(基本組成3)に0.06molのNiOを添加した組成比となるよう原料を配合し、焼成工程で0.18Pb(Ni0.33Nb0.67)O3+0.40PbTiO3+0.42PbZrO3の組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気G)で焼成した以外は実験例1と同様の処理を行い、作製した圧電膜型アクチュエータを実験例24とした。また、原料調製工程で0.15Pb(Zn0.33N0.67)O3+0.425PbTiO3+0.425PbZrO3(基本組成4)に0.04molのZnOを添加した組成比となるよう原料を配合し、焼成工程で0.12Pb(Zn0.33Nb0.67)O3+0.38PbTiO3+0.50PbZrO3の組成粉末を20g共存させた状態(焼成雰囲気H)で焼成した以外は実験例1と同様の処理を行い、作製した圧電膜型アクチュエータを実験例25とした。
[X線回折測定、配向度の算出]
実験例1〜25について、XRD回折装置(リガク社製RINT TTRIII)を用い、セラミックス膜(圧電/電歪体)の結晶面に対してX線を照射したときのXRD回折パターンを測定した。この測定結果を用い、ロットゲーリング法によって擬立方(100)面の配向度を、擬立方(100),(110),(111)のピークを使用して上述の式(2)を用いて計算した。
[電子顕微鏡写真撮影、元素分析]
実験例1〜25について、第1形成工程を行い第1電極上に膜状の第1層目を形成して粒成長させた状態のものを、走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−6390)を用いてSEM写真を撮影した(図7〜9参照)。また、この走査型電子顕微鏡により第1層目の圧電/電歪体の表面又は断面を観測し、電子プローブマイクロ測定(日本電子製JXA−8800)を用いて各元素を検出し、最終的な組成を求めた。
[湾曲度の計算]
実験例1〜25について、電子顕微鏡写真を用いて、湾曲度を計算した。この湾曲度は、まず、粒子が20〜40個含まれる視野を電子顕微鏡(SEM)で観察しその写真を撮影し、粒子全体が視野に含まれている(視野で切れていない)すべての結晶粒子について、その結晶面の最長の長さを求めてそれを粒径とし、この平均値を計算して平均粒径を求めた。次に、平均粒径よりも大きな粒子を任意に5個選択し、選択した粒子において、隣接する粒界の3重点を任意に選択し、これらを直線で結びこの結んだ直線に平行な直線を引き、粒界と接する点から先の直線までの垂線の長さを求めた。3重点の距離と垂線の距離とを用い、(垂線の距離)/(3重点の距離)を計算し、この計算をすべての粒界について行い、そのうちの最大値をこの結晶粒子の湾曲度とした。任意に選択した5個の結晶粒子の湾曲度の平均値を求め、これをこの圧電/電歪体の湾曲度とした。
[屈曲変位]
実験例1〜25について、圧電/電歪膜型アクチュエータ10の電極間に、電界が3kV/mmとなるように電圧を印加し、生じた屈曲変位(μm)をレーザドップラー振動計(グラフテック製センサAT0022、復調器AT3500)により測定した。
[絶縁性評価]
実験例1〜25について、圧電/電歪膜型アクチュエータ10の電極間に、電界が20kV/mmとなるように電界を100個の素子に印加し、ショートする個数を測定した。
[測定結果]
測定結果として、各試料の基本組成、式(1)におけるM成分の添加種及び添加量、焼成雰囲気、湾曲度、ロットゲーリング法による1層目及び全体の配向度、屈曲変位、絶縁試験結果をまとめて表2に示す。なお、焼成雰囲気A,D,G,Hは、成形体と異なる組成の共存材料を共存させて焼成する雰囲気(所定の難揮発状態)であり、焼成雰囲気B,C,E,Fは、成形体と同じ組成の共存材料を共存させて焼成する雰囲気である。図7は、実験例5のSEM写真であり、図8は、実験例8のSEM写真であり、図9は、実験例4のSEM写真(断面CP研磨SEM像、表面反射電子像及び表面二次電子像)であり、図10は、通常結晶を含む実験例10のSEM写真である。また、図11は、実験例1〜10のMg,Ni及びZnの添加割合(式(1)のz値)に対するロットゲーリング法による配向度及び屈曲変位の関係を表す図であり、図12は、実験例1〜10のMg,Ni及びZnの添加割合(式(1)のz値)に対する湾曲度及び絶縁性試験での100個あたりのショート数の関係を表す図である。図7〜10に示すように、実験例4、5及び8は、第1電極上において、第1層目の圧電/電歪体が、断面視したときに粒界が凹凸のうねりを有する曲線により構成され、隣接する結晶体の凸部の曲線がこの凹部に入り込み、隣接する結晶体の凹部の曲線がこの凸部に入り込むうねり構造を有する結晶体を複数含んでおり、アスペクト比の高い平板状に粒成長していた。実験例5では、圧電/電歪体のロットゲーリング法による配向度が73%であり、実験例8では、同配向度が55%であり、結晶の配向性が高かった。これに対して、実験例10,11,21,22のように、M成分(Mg.Ni及びZn)を過剰に入れ、成形体と同様の組成の材料を共存させて焼成しても、うねり構造は生成しないし、配向もしないことがわかった。また、共存材料を、成形体よりもPb(Mx,Nby)O3の配合量が小さく且つPbTiO3の配合量が大きいものを用いて焼成した実験例1〜6,8,9や、実験例12〜17,19,20では、湾曲度が比較的高く、配向度が高く、屈曲変位も大きく、絶縁性試験のショート数も少なく良好な結果であった。この結果より、M成分の添加量zが0.002以上1.020未満で、成形体よりも揮発成分の揮発が進む組成であり且つ例えば基体などを汚染しない程度の揮発量を有する共存材料と共に焼成するとうねり構造が生じ、良好な配向性、屈曲変位、絶縁性試験結果が得られるものと推察された。また、実験例23〜25に示すように、M成分を変更しても、同様の結果が得られることがわかった。また、セラミックス焼成基体の配向性などにかかわらず、圧電/電歪体の配向度を高めることができることがわかった。また、結晶を配向させるに際して、圧電/電歪体の成分を過剰に添加すれば結晶が配向することから、圧電/電歪体以外の成分を添加して配向度を高めるものに比して、配向度を高める有効な方法であることが明らかとなった。
本発明は、圧電体・電歪体の技術分野に利用可能である。
本実施形態の圧電/電歪膜型素子20を備えたアクチュエータ10の一例を表す説明図であり、図1(a)が平面図、図1(b)が図1(a)のA−A断面図である。 圧電/電歪体30の一例の説明図である。 図2のB−B断面図である。 圧電/電歪膜型素子20の製造方法の一例を示す説明図である。 圧電/電歪膜型素子20の他の製造方法の一例を表す説明図である。 他の圧電/電歪膜型素子20Bの説明図である。 実験例5のSEM写真である。 実験例8のSEM写真である。 実験例4のSEM写真である。 実験例10のSEM写真である。 実験例1〜10のMg,Ni及びZnの添加割合に対するロットゲーリング法による配向度及び屈曲変位の関係を表す図である。 実験例1〜10のMg,Ni及びZnの添加割合に対する湾曲度及び絶縁性試験での100個あたりのショート数の関係を表す図である。
符号の説明
10 アクチュエータ、12 セラミックス焼成基体、14 空間部、20,20B 圧電/電歪膜型素子、22 第1電極、22a,24a タブ、24 第2電極、26 第3電極、30,30B 圧電/電歪体、31 粒界、32,32a,32b 配向結晶、33 凹部、34 凸部、36a 第1層、36b 第2層、36c 第3層、38 結晶粒子、39 成形膜。

Claims (8)

  1. セラミックス焼成基体と、
    電極と、
    前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上に形成されており、断面視したときに粒界が凹凸のうねりを有する曲線により構成され、隣接する結晶体の凸部の曲線が該凹部に入り込み、隣接する結晶体の凹部の曲線が該凸部に入り込むうねり構造を有する結晶体を複数含む圧電/電歪体と、
    を備えた圧電/電歪膜型素子。
  2. 前記圧電/電歪体は、隣接する粒界の3重点を結ぶ第1直線の距離と、該第1直線からの前記粒界までの垂線の距離とにより計算される湾曲度が0.1以上である結晶体を含んでいる、請求項1に記載の圧電/電歪膜型素子。
  3. 前記圧電/電歪体は、一般式がABO3であり次式(1)により表される酸化物を主成分とし0.002≦z≦0.42となる第1無機粒子を配合する原料調製工程と、前記電極を介して間接的に又は直接的に前記セラミックス焼成基体上へ前記第1無機粒子を形成し平板状の成形体に成形する第1成形工程と、該成形体を焼成して前記結晶体を生成する第1焼成工程と、を含む圧電/電歪体形成工程によって作製されている、請求項1又は2に記載の圧電/電歪膜型素子。
    a×Pb(M1/3,Nb2/3)O3+b×PbTiO3+c×PbZrO3+z×MO(a+b+c=1、MはMg,Ni,Znより選ばれる1以上) …式(1)
  4. 前記圧電/電歪体は、前記第1焼成工程のあと更にPb、M、Nb、Zr及びTiを含む第2無機粒子を該焼成後の成形体上へ形成する成形工程と該形成した第2無機粒子を所定温度で焼成して結晶体を生成する第2焼成工程とを含む処理を1回以上実行する積層工程、を更に含む前記圧電/電歪体形成工程によって作製されている、請求項3に記載の圧電/電歪膜型素子。
  5. 前記圧電/電歪体は、厚さ方向の前記結晶体が実質的に1個である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  6. 前記圧電/電歪体は、厚さが20μm以下に形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  7. 前記圧電/電歪体は、所定の電界方向に配向している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  8. 前記圧電/電歪体は、結晶配向していない圧電/電歪体に対して屈曲変位が10%以上を示す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電/電歪膜型素子。
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