JP2010153030A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造法、並びに磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造法、並びに磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性結晶粒子の粒径を微細化および粒径の分散を低減させて、良好なSNR特性を有し、高密度記録が可能な磁気記録媒体を得る。
【解決手段】基板上に下地層、磁気記録層および保護層を設けた磁気記録媒体の下地層としてCu層とこのCu層に窒素を堆積させた窒素堆積層とを備え、この下地層上に磁気記録層を形成することにより、磁気記録層の磁性結晶粒子の粒径を微細化するとともに粒径の分散を低減させ、良好なSNR特性を有し、高密度記録に適した磁気記録媒体を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法、並びにこの磁気記録媒体を使用した磁気記録再生装置に関し、特に高密度記録に適した磁気記録媒体およびその製造方法、並びにこの磁気記録媒体を使用したハードティスク装置などの磁気記録再生装置に関する。
ハードディスク装置(HDD)は、情報の記録再生を行う磁気記憶装置として大容量の記録ができ低コストであることに加え、データのアクセスが速く、データ保持の信頼性が高いなどの多くの利点を有することから、コンピュータを中心とした利用から、徐々にその利用範囲が広がっており、家庭用ビデオデッキ、オーディオ機器や車載ナビゲーションシステムなど、様々な分野でも利用されるようになってきた。HDDの利用範囲がこうして広がるにつれ、HDDの記憶容量の大容量化への要求が高まり、これに応えて磁気記録媒体の記録密度を高密度化することによる大容量化が急激に進められた。
HDDににおける磁気記録媒体の記録密度を高めたことにより、記録ビットサイズの微細化が進み、磁性層の磁化反転単位の径は非常に小さくなった。この結果、情報記録された磁化の熱ゆらぎ効果により熱的に消去され、記録再生特性が劣化する現象が顕著にみられるようになった。このため、記録磁化の熱的な安定性の確保が重要な課題となってきた。また他方で高記録密度化により磁気記録媒体における記録ビットサイズの微細化が進められた結果、記録ビット間の境界領域で発生するノイズが、信号対雑音比に大きな影響を及ぼすようになってきた。このため、高記録密度化のためには、磁気記録媒体における記録磁化の熱的な安定性を確保する一方で、高記録密度における磁気記録媒体の低ノイズ化を図ることが必要となっている。
磁気記録媒体のノイズを低減する方法として、従来は磁気記録媒体の記録層を構成する磁性層の磁性結晶粒子の微細化が一般に行なわれてきた。磁気記録媒体の記録層として現在広く用いられているCoCr系の磁性層を例にとると、この磁性層にTaやBを微量添加する方法(特許文献1,2)や、あるいは適当な温度で熱処理して粒界に非磁性Crを析出させる方法(特許文献3,4)により、磁性層の磁性結晶粒子の微細化がなされてきた。このほか、近年では記録層にSiOなどの酸化物を添加し、これらの化合物を結晶粒界に析出させることにより、磁性結晶粒子が結晶粒界領域によって取り囲まれた、いわゆるグラニュラ構造を持つ磁気記録層を形成する方法(特許文献5,6)も用いられてきた。
しかし、これらの方法は、主に材料の組み合わせやその組成、成膜条件のみによって磁性層の磁性結晶粒子の平均結晶粒子径や粒界領域を制御するものであるため、磁性層や下地層の結晶粒子生成の際の核生成過程までさかのぼって制御することは困難である。このため、これらの方法を用いて下地層の結晶粒子をこれまでよりもさらに微細化した場合には、下地層結晶粒子の結晶性や配向性が低下し、これが磁性結晶粒子の形成に影響を及ぼし、この方法で磁性層の磁性結晶粒子を微細化したものは、結晶粒径や粒界領域幅に広い分布が生じるという問題を有することがわかった。実際に平均結晶粒径を5nm以下に微細化させた磁気記録媒体を作製してみると、微細で熱揺らぎに対して不安定な粒径の粒子の割合が多いため、熱揺らぎ耐性が著しく低下したものとなり、こうして作製した磁気記録媒体では、記録磁化の熱的な安定性を確保し、高記録密度化を達成することはできないことがわかった。
特開平11−154321号公報 特開2003−338029号公報 特開平3−235218号公報 特開平6−259764号公報 特開平10−92637号公報 特開2001−56922号公報
このように、磁気記録媒体の高記録密度化のためには、磁気記録媒体における記録磁化の熱的な安定性を確保するとともに、高記録密度における磁気記録媒体の低ノイズ化を図ることが必要となっている。従って磁気記録媒体の記録層を構成する磁性層の平均結晶粒径を微細化して磁気記録媒体を低ノイズ化するとともに、結晶粒径をよく揃えることにより、結晶粒径の分散を小さくし、熱揺らぎを生じる微小粒子を含まないようにすることよって熱的な安定性を得ることが、高記録密度化を進めるために解決すべき課題である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、磁性結晶粒子の平均粒径を微細化すると共に、磁性結晶粒子の粒径の分散を小さくすることにより、良好な信号対ノイズ比(SNR)特性を有し、熱的に安定で高密度記録が可能な磁気記録媒体およびその製造方法、並びにこの磁気記録媒体を用いた磁気記録装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題に対しその解決を得るために種々検討を重ねた結果、Cuからなる金属膜の上に薄く窒素堆積層を形成させた下地層を用いると、磁気記録層の平均結晶粒径を微細化でき、その分散を低減できることを見出し、さらに研究を進めた結果、上記解決手段を得ることができ、本発明に到達することができた。
本発明の磁気記録媒体は、基板と、この基板上に形成された軟磁気特性を示す軟磁性下地層と、この軟磁性下地層上に形成され、Cuからなる結晶性の粒径制御下地層と、この粒径制御下地層の表面に形成された窒素堆積層とを備えた下地層と、下地層上に形成された磁気記録層と、磁気記録層上に形成された保護層とを具備し、粒径制御下地層が、平均結晶粒径が50nm以上の粒径制御層結晶粒子を有し、窒素堆積層が平均の面密度で1×1017個/m(1×1013個/cm)以上、1×1019個/m(1×1015個/cm)以下の窒素原子を有していることを特徴とする。
また本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板上に軟磁気特性を示す軟磁性下地層を形成する軟磁性下地層形成工程と、この軟磁性下地層上に平均粒径50nm以上の結晶粒子を備えたCuからなる粒径制御下地層を形成する粒径制御下地層形成工程と、この粒径制御下地層の表面に平均の面密度で1×1017個/m(1×1013個/cm)以上、1×1019個/m(1×1015個/cm)以下の窒素原子の窒素堆積層を形成する窒素堆積工程と、窒素堆積層が形成された粒径制御下地層を有する基板に磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程とを備えたことを特徴とする。
さらに本発明の磁気記録再生装置は、上記した磁気記録媒体と、磁気記録媒体を駆動する記録媒体駆動機構と、情報を磁気記録媒体に記録し再生する記録再生ヘッドと、記録再生ヘッド駆動するヘッド駆動機構と、記録信号および再生信号を処理する記録再生信号処理システムとを具備することを特徴とする。
本発明では、磁性微粒子を微細化する際に、下地層に用いるCuからなる金属膜の結晶粒子を微細化することを必要としていない。このため、本発明では、磁性微粒子を微細化する際に下地層の結晶性が低下するという従来の磁性微粒子の微細化方法における問題点を回避することができ、その結果、磁気記録媒体の記録・再生特性を向上させることができることがわかった。なお本発明において、Cuからなる粒径制御下地層には、その作用効果の得られる範囲内て、他の元素を含有させることができる。
このようにして、Cuからなる金属膜に窒素を堆積させた下地層を用いることにより、磁気記録層の結晶粒径が微細化される本発明の機構についてはまだ明らかになっていないが、その機構を検討する手掛かりとして、2件の論文を取り上げ、これらと本発明とのとの比較について簡単に触れておく。
Surface Science Vol.523 pp.189-198の論文には、バルクの単結晶Cuの表面を10−9Paの超高真空中で清浄化処理をした後、窒素原子を吸着させると、その表面には窒素吸着領域と、窒素が吸着していないCuからなる金属膜領域とが交互に規則的に配列した配列表面構造が生じることが示されている。
またMaterials Science and Engineering Vol.B96 pp.169-177には、バルク単結晶Cuの清浄表面に現れる応力の相互作用により自己組織化された構造として、このような単結晶Cu表面の窒素原子の規則配列が説明されている。
これらの論文と本発明とを比較してみると、本発明の磁気記録媒体では、Cuはバルクの単結晶でなく薄膜を用いているため、バルクの単結晶のCuとは表面の応力状態などが全く異っている。このため、本発明の場合には、必ずしもこれらの論文に示されているような再配列表面構造の形成が期待できるものではない。従って現在のところ、結晶粒径微細化効果の原因はまだ明らかになってはおらず、その機構の解明は今後の課題である。
本発明によれば、磁気記録層の磁性結晶粒子の粒径が微細化され、良好な信号対雑音比を示す磁気記録媒体が得られ、高密度記録が可能となる。
本発明の一実施形態における磁気記録媒体の断面を模式的に示した図である。 基板と粒径制御下地層の間にCu結晶粒子の配向性を向上させる配向制御用下地層を設けた磁気記録媒体の膜面内構造を模式的に示した図である。 磁性結晶粒子が正方格子状に配列した本発明の磁気記録媒体の一実施形態における磁気記録層の膜面内構造を示した模式図である。 正方格子の逆格子リングパターンの一例を示す模式図である。 中間下地層を設けた本発明の一実施形態における磁気記録媒体の断面を模式的に示した図である。 軟磁性層を設けた本発明の一実施形態における磁気記録媒体の断面を模式的に示した図である。 軟磁性層にバイアス付与層を設けた本発明の一実施形態における磁気記録媒体の断面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態の磁気記録再生装置を一部分解してその構成を示した斜視図である。 実施例1の窒素堆積量と磁気記録層粒径の関係を示すグラフである。 実施例1のCuの平均粒径と磁気記録層の平均粒径の関係を示すグラフである。 実施例1の磁気記録層の単位面積あたりの粒子数とSNRの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照し、その詳細を述べる。
図1は本発明の一実施形態の磁気記録媒体について、その断面を模式的に示した図である。図1において、基板11には、下地層12としてCu薄膜による粒径制御下地層12aが形成され、この粒径制御下地層12aの上に窒素堆積層12bが形成されている。この窒素堆積層12bの上に磁気記録層14が形成され、この上に保護潤滑層15が形成されている。
下地層12の粒径制御下地層12a表面の窒素堆積層12bに堆積させる窒素原子の数は、平均の面密度で1×1017個/m(1×1013個/cm)以上、1×1019個/m(1×1015個/cm)以下であることが好ましい。1×1017個/m(1×1013個/cm)未満では磁気記録層の平均結晶粒径の著しい微細化効果が見られず、1×1019個/m(1×1015個/cm)を超えると、磁気記録層の結晶配向性が低下することが実験により明らかになった。窒素堆積層12bに堆積させる窒素原子の数は、5×1017個/m(5×1013個/cm)以上、5×1018個/m(5×1014個/cm)以下であることがより好ましい。
窒素堆積層12bの窒素原子数は、二次イオン質量分析(SIMS)を用いて評価することができる。このほか、例えばSurface Science Vol.490 pp.336-350に報告されているような、H+や12Cを用いた核反応解析(NRA)や、ラザフォード後方散乱(RBS)、X線光電子分光(XPS),オージェ電子分光(AES)などの分析手段で評価することができる。このほか、Applied Physics Letters Vol.69 pp.3095-3097に報告されているようなアトムプローブ法を用いて評価することもできる。
粒径制御下地層12aの表面に窒素を堆積させる手段としては、粒径制御下地層12aを成膜後、粒径制御下地層の表面を窒素イオンや、窒素ラジカル中に曝露させる方法を用いることができる。この他、イオン銃を用いて窒素イオンを粒径制御下地層の表面に照射する方法や、窒素雰囲気中でCu表面をスパッタリングする方法を用いることもできる。このほか、NH4雰囲気中に表面を曝露した後、Hを脱離させる方法を用いてもよい。
また、粒径制御下地層12aのCu結晶は、原子レベルで平坦な領域の面積が広いほど、磁気記録層の結晶性が向上するので好ましい。従って、平均結晶粒径が大きいほうが好ましく、具体的には、Cu結晶粒子の平均粒径が50nm以上であれば好ましく、100nm以上であればより好ましい。結晶粒界が存在しない単結晶膜であれば、さらに好ましい。ただし、ある程度の凹凸があっても、テラスの部分、即ち膜面を形成する部分の面積が広ければよい。
粒径制御下地層12aのCu粒子は、結晶面が互いに同じ面に揃うように配向していると磁気記録層の磁性結晶粒子の配向性を向上させることができるので好ましい。粒径制御下地層のCu粒子の結晶面が(100)面で揃っていると、磁気記録層の結晶粒径微細化の効果が著しいので、特に好ましい。
図2に示したように、基板11と粒径制御下地層12aの間に、粒径制御下地層12aのCu結晶粒子の(100)面配向性を向上させるための配向制御用下地層12cを設けることができる。このような配向制御用下地層として、NiAl,MnAl,MgO,NiO,TiN,Si,およびGeなどが挙げられる。これらの配向制御用下地層は、Cu下地層に直接に接する層でなく、他の層を介するものであってもよい。
磁気記録層14の磁性結晶粒子は、粒径制御下地層12aのCu粒子1個に対し、2個以上形成され、かつ面密度で平均1×1016個/m(1×1012個/cm)以上、8×1016個/m(8×1012個/cm)以下の範囲で存在すると、記録・再生特性における信号強度が高まるので好ましい。磁性結晶粒子が面密度で平均1×1016個/m(1×1012個/cm)未満になるとSNRが低下し、また8×1016個/m(8×1012個/cm)を超える場合にもSNRが低下することがわかった。
また、磁性結晶粒子の配列が実質的に正方格子状に規則的配列をとれば、不規則な配列の場合と比較して記録・再生特性におけるノイズを低減することができ、より好ましいことが、実験の結果により明らかになった。
図3は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態における磁気記録層の膜面の構造を模式に示した図であり、磁性結晶粒子1は白い部分で表現されている。下地層12上に磁性結晶粒子1が正方格子状に配列しているか否かは、例えば磁気記録層14の膜平面に対する透過型電子顕微鏡(TEM)像を画像解析することによって評価することができる。
画像解析ソフトを用い、磁性結晶粒子部分と粒界領域のコントラストを強調して二値化し、高速フーリエ変換(FFT)で得られたスペクトルに、図4に模式的に示したような正方格子の逆格子に相当するパターンが認められれば、磁性結晶粒子が実質的に正方格子状に配列しているとみなすことができる。具体的には、中心からの距離が1:1/√2の関係にある二種類の周期的なスポットあるいはリング(図4のR1およびとR1/√2)が確認できればよい。また磁気記録層に対し、低エネルギー電子線回折を行ない、その回折像によっても同様な評価ができる。
本発明の磁気記録媒体の磁気記録層14には、グラニュラ構造をとるものを用いることが好ましい。磁気記録層14の磁性結晶粒界に非磁性の粒界領域を形成させてグラニュラ構造を持たせることによって、磁性結晶粒子間の交換相互作用を低減させることができ、また記録・再生特性における遷移性ノイズを低減できることがわかった。
磁気記録層14の材料としては、例えばCo−CrやCo−Pt系の不規則合金や、Fe−PtやCo−Pt,Fe−Pd系などの規則合金、Co/PtやCo/Pd多層膜系の材料が好ましく用いられる。これらの合金または多層膜系材料は、結晶磁気異方性エネルギーが大きく、熱揺らぎ耐性が高いことから好ましい。これらの合金または多層膜系材料には、必要に応じてTaやCu,B,Crといった添加元素を加えることによって、それらの磁気特性を改善することができる。磁気記録層14の材料としてより好ましくは、CoCrPt,CoCrPtB,CoCrPtTa,CoCrPtNd,CoCrPtCu,FePtCuなどを用いることができる。
上記グラニュラー構造の粒界領域を構成する材料としては、酸化物、炭化物などの化合物を好ましく使用することができる。これらの化合物は上述の磁性結晶粒子材料とほとんど固溶せず、析出しやすいので、粒界領域を構成する材料として好ましいものである。このような材料として、SiO,TiO,CrO,AlO,MgO,TaO,SiC,TiC,TaCなどが具体的に挙げられる。
磁気記録層14は、必要に応じて二層以上の多層構造にしてもよい。その場合には、少なくとも一層が上記の構成の層であればよい。
図5に示したように、上述の基板11と磁気記録層14の間の下地層12の一部として、窒素堆積層12bを設けた粒径制御下地層12a、粒径制御下地層12aの下地層12cのほかに、磁気記録層14の特性を調整するための中間下地層12dをさらに設けることができる。
このようにして下地層12のうちの少なくとも一層に、中間下地層12dとしてグラニュラ構造をとるものを用い、磁気記録層結晶粒径の微細化・均一化を維持するとともに結晶配向性を向上させることによって、磁気記録媒体の記録・再生特性をさらに向上させることができることがわかった。
中間下地層12dを構成するためのグラニュラ構造をとる非磁性結晶材料としては、例えばPt,Pd,Ir,Ag,Cu,Ru,Rhを用いることができる。これらの金属は、前述の磁気記録層を形成する磁性結晶粒子との格子整合性が高く、磁気記録層の結晶配向性を向上させることができることから、好ましいものである。
中間下地層12dの粒界領域を構成する材料としては、酸化物、炭化物といった化合物が好ましく使用しうる。これらの化合物は、上述の非磁性結晶粒子材料とほとんど固溶しないため析出しやすく、粒界領域を構成する材料として好ましいものである。このような化合物として具体的には、SiO,TiO,CrO,AlO,MgO,TaO,SiC,TiC,TaCなどが挙げられる。なお、下地層を構成する材料は、下地層全体として非磁性となる組成であれば、磁性元素を含んでいても差し支えない。
こうしたグラニュラ構造をもつ中間下地層12dは、二層以上の多層で構成してもよく、また磁気記録層14に直接に接する層として構成されなくてもよい。
本発明の磁気記録媒体を垂直磁気記録媒体として用いる場合には、図6に示したように、下地層12と基板11との間に軟磁性層16を設けることができる。
このように、上記の磁気記録媒体の構成に軟磁性層12を設けることにより、軟磁性層上に垂直磁気記録層として磁気記録層14が配置された、いわゆる垂直二層媒体が構成される。この垂直二層媒体においては、軟磁性層12は磁磁気記録層14を磁化するための磁気ヘッド、例えば単磁極ヘッドからの記録磁界によって誘起された磁束を磁気記録媒体の内側にて水平方向に通過させ、磁気ヘッド側へ還流させるという、磁気ヘッドの機能の一部を担っている。このため、磁気記録媒体に設けられた軟磁性層16は、単磁極ヘッドから記録層に急峻で充分な垂直磁界を発生させ、その記録再生効率を向上させるという役割を果す。
このような軟磁性層16として、例えばCoZrNb,FeSiAl,FeTaC,CoTaC,NiFe,Fe,FeCoB,FeCoN,FeTaNが挙げられる。
また、図7に示したように、軟磁性層16と基板11との間に、例えば面内硬磁性膜及び反強磁性膜などのバイアス付与層17を設けることができる。軟磁性層16は磁区を形成しやすく、磁区が形成されると、この磁区によってスパイク状のノイズが誘起される。そこでバイアス付与層17の半径方向の一方向に磁界を印加し、その上に形成された軟磁性層16にバイアス磁界を印加し、磁壁の発生を防ぐことができる。バイアス付与層17を積層構造とし、異方性を細かく分散させることにより、大きな磁区を形成しにくくすることもできる。
このようなバイアス付与層17を形成する材料としては、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtTaNd、CoSm、CoPt、FePt、CoPtO、CoPtCrO、CoPt−SiO、CoCrPt−SiO、およびCoCrPtO−SiOが挙げられる。
また図6および図7に示されているように、軟磁性層16と粒径制御下地層12aの間には、すでに述べた配向制御用下地層12cを設け、粒径制御下地層12aのCu結晶粒子の(100)面配向性向上に用いることができる。
基板11としては、ガラス基板、Al系の合金基板あるいは表面が酸化したSi単結晶基板,セラミックス,及びプラスチックなどを使用することができる。さらに,これら非磁性の基板11の表面にNiP合金などのメッキが施されている場合でも同様の効果が期待される。
磁気記録層14上には、保護層15を設けることができる。保護層15としては、例えばカーボンC、ダイアモンドライクカーボン(DLC)のほか、SiN、SiO、CNがあげられる。
上記各層の成膜法としては、真空蒸着法、各種スパッタ法、分子線エピタキシー法、イオンビーム蒸着法、レーザーアブレーション法及び化学気相蒸着法を用いることができる。
図8は、本発明の一実施形態の磁気記録再生装置の構成を、一部を分解した斜視図により模式的に示した図である。
図8において、情報を記録するための本発明に係る磁気ディスク81は、剛構成にてスピンドル82に装着され、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク81にアクセスして情報の記録を行う記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー83は、薄板状の板ばねからなるサスペンション84の先端に取付けられている。サスペンション84は図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアーム85の一端側に接続されている。
アーム85の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ86が設けられている。ボイスコイルモータ86は、アーム85のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
アーム85は、固定軸87の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ86によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク81上におけるスライダー83の位置は、ボイスコイルモータ86によって制御される。また図8中、88は蓋体を示している。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板を、ANELVA社製のc−3010型スパッタリング装置の真空チャンバー内に導入した。
スパッタリング装置の真空チャンバー内を1×10−6Pa以下に排気した後、赤外線ヒーターを用いて基板を約300℃に加熱した状態で、軟磁性下地層としてCoZrNb膜を200nm成膜した上に、Cu膜を30nm成膜した。Cu膜を成膜した後、基板温度を500℃に加熱した状態で、0.1Paの窒素雰囲気中にてイオン銃を用い、200eVのエネルギーでCu膜表面への窒素イオン照射を行った。この窒素イオン照射の後、磁気記録層としてFe50Pt50膜を5nm成膜した。
その後保護層としてカーボンC膜を5nm成膜した。CoZrNb膜,Cu膜,Fe50Pt50膜,およびC膜の成膜時のAr圧力はそれぞれ0.7Pa,0,7Pa,5Pa,および0.7Paとし、ターゲットとしてそれぞれCoZrNb,Cu,Fe50Pt50,Cのターゲット材を用い、DCスパッタリング法で成膜した。
各ターゲットへの投入電力は、CoZrNb,Fe50Pt50およびCの場合には、1,000Wに固定し,Cuの場合には100から1,000Wの範囲内で変化させた。
次に磁気記録層としてFe50Pt50膜の代わりにCo50Pt50膜、Fe50Pd50膜、およびCo70Cr10Pt20膜を用いた媒体もそれぞれ同様の方法で作製した。Cu膜表面への窒素堆積量は、イオン照射時間を変化させることによって制御した。Cu膜の結晶粒径は、Cuターゲットへの投入電力を変えることにより変化させた。
成膜後、保護層表面にディップ法によりパーフルオロポリエーテル(PFPE)潤滑剤を13Åの厚さに塗布し、各々の磁気記録媒体を得た。
比較例として、従来の垂直磁気記録媒体を以下の要領で作製した。即ち、2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板をスパッタリング装置の真空チャンバー内に導入し、スパッタリング装置の真空チャンバー内を2×10−6Pa以下に排気した。赤外線ヒーターを用いて基板を約300℃に加熱した後、軟磁性下地層としてCoZrNb膜を200nm、シード層としてTa膜を10nm,下地層としてRu膜を20nm,磁気記録層としてCo65−Cr20−Pt14−Ta1層を15nm,さらにC保護層を5nm順次成膜した後、本発明の実施例の媒体と同様に潤滑材を塗布した。CoZrNb膜,Ta膜,Ru膜,およびCoCrPtTa膜の成膜時のAr圧力はそれぞれ0.7Pa,0.7Pa,0.7Pa,5Pa,および0.7Paで、ターゲットとしてそれぞれCoZrNb,Ta,Ru,Co65−Cr20−Pt14−Ta1,およびCターゲットを用いたDCスパッタリング法で成膜を行った。各ターゲットへの投入電力はすべて1,000Wとした。
得られた各磁気記録媒体の微細構造及び結晶粒径とその分散は、加速電圧400kVの透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて評価した。Cu上の窒素堆積量は、Surface Science Vol.490 pp.336-350の報告と同様の方法で、Hを用いたNRAおよびCsを用いたSIMSにより確認した。
各磁気記録媒体について、スピンスタンドを用いてR/W特性(記録再生特性)を評価した。この評価の際の磁気ヘッドとしては、記録トラック幅0.3μmの単磁極ヘッドと、再生トラック幅0.2μmのMRヘッドを組み合わせたものを用いた。
測定条件として、磁気ディスク上の半径位置を20mmの一定の位置に揃えるとともに、ディスクの回転速度を4,200rpmとした同条件のもとで測定を行った。
媒体のSNRとして微分回路を通した後の微分波形の信号対ノイズ比(SNR)(但し、信号Sは線記録密度119kfciの出力、ノイズNは716kfciでのrms(root mean square)値)の値を評価し、また記録分解能の指標として微分波形の半値幅(dPW50)を評価した。
表1に、各磁気記録媒体の磁気記録層の平均結晶粒径dMag及びその標準偏差σを示した。
Figure 2010153030
表1において、磁気記録層の平均結晶粒径dMagおよび結晶粒径の標準偏差σについて実施例1の各媒体と比較例1の従来媒体とを比較すると、実施例1の各媒体は比較例1の媒体に比べ、磁気記録層の平均結晶粒径dMagが顕著に減少し、結晶粒径の標準偏差σとして低い値が得られていることがわかった。
図9には、記録層がFe50Pt50の場合について、核反応解析NRAによって得られた窒素堆積量θと磁性結晶粒径dMagとの関係を示す。このグラフからわかるように、θが1×1017個/mから1×1019個/mの範囲(1×1013個/cmから1×1015個/cmの範囲)のとき、結晶粒径が微細化され、好ましいことがわかった。磁気記録層がCo50Pt50,Fe50Pd50およびCo70Cr10Pt20の場合についても、同様の結果が得られた。また、本実施例におけるすべての磁気記録媒体について、窒素はいずれの場合もCu下地層上に堆積していることを、SIMSを用いた深さ方向元素分布分析によって確認することができた。
次に、磁気記録層がFe50Pt50で、窒素堆積量が2×1014個/cm2の場合について、Cu層のCuの平均結晶粒径dCuと磁性結晶の平均粒径dMagとの関係を求めた結果を図10に示した。図10により、Cu平均結晶粒径が50nm以上のとき、磁気記録層の平均結晶粒径の微細化が顕著てあることがわかる。
さらに、dCuが100nmの場合について、各磁気記録媒体のSNRと、TEM観察によって得られた各磁気記録層における磁性結晶粒子数の面密度nとの関係を図11に示した。図11にみられるように、nの値が1×1016個/m(1×1012個/cm) から8×1016個/m(8×1012個/cm)の範囲のときに、SNRが向上し、好ましいことがわかった。またnの値が1×1016個/m(1×1012個/cm)から8×1016個/m(8×1012個/cm)の範囲のときには、平均においてCu結晶粒子1個の上に磁気記録層の磁性結晶粒子が複数個存在していることが確認された。
次に、各磁気記録層の平面TEM像に対し、米国Media Cybernetics社製画像解析ソフトImage-Pro Plusを用い、磁性結晶粒子部分とそれ以外の領域のコントラストを強調して二値化し、FFTを行って磁気記録層の磁性結晶粒子の規則的な配列について調べた。その結果、従来媒体では磁気記録層の磁性結晶粒子の規則的な配列を見出すことができなかった。一方、nが1×1016個/m(1×1012個/cm)から8×1016個/m(8×1012個/cm)の範囲の媒体では、磁気記録層の磁性結晶粒子がいずれも正方格子状に規則配列をしていることが見出された。
2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板を用意し、これをスパッタリング装置内に導入し、スパッタリング装置の真空チャンバー内を2×10−6Pa以下に排気した後、CoZrNb軟磁性下地層成膜、Cu成膜及び窒素堆積工程を実施例1と同様の方法で行った。磁気記録層は、(Fe50−Pt50)−10mol%SiOコンポジット・ターゲットを用意し、Fe50Pt50−SiOを5nm成膜した。この他、Fe50Pt50の代わりにCo50Pt50,Fe50Pd50およびCo70Cr10Pt20を、またSiOの代わりにTiO,Al,TiCおよびTaCとしたものについて、それぞれターゲットを用意し、成膜した。この後、実施例1と同様の方法でC保護層の成膜及び潤滑材塗布を行い、種々の磁気記録媒体を得た。
表2に、各磁気記録媒体のSNRとdPW50の値を示す。磁気記録層を、化合物とのコンポジット膜にすると、SNRが向上し、好ましいことがわかった。また、化合物とのコンポジット膜は、いずれも磁気記録層がグラニュラ構造をとっていて、磁性結晶粒子は実質的に正方格子状に配列していることがTEM観察によって明らかになった。
Figure 2010153030
2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板を用意し、実施例1と同様の方法で窒素堆積処理までを行った後、さらに下地層として、Pt−10mol%SiOコンポジット・ターゲットを用いて、Pt−SiOを10nm成膜し、その上に実施例2と同様の方法で種々の磁気記録層を成膜し、C保護層の成膜及び潤滑材の塗布を行って種々の磁気記録媒体を得た。この他、下地層のPtの代わりにPd,Ir,Ag,Cu,Ru,Rh、SiOの代わりにTiO,Al,MgO,TiC,TaCとしたものについてもそれぞれコンポジット・ターゲットを用意し、成膜した。
表3に、記録層がCoCrPt−SiOの場合について、それぞれの下地を用いた磁気記録媒体の、SNRとdPW50の値を示す。
Figure 2010153030
磁気記録層の下に下地層として化合物とのコンポジット膜を設けると、SNRが向上することがわかった。他の磁気記録層を用いた場合も同様の傾向が見られた。また、各磁気記録層及び下地層はグラニュラ構造をとっており、磁性結晶粒子は実質的に正方格子状に配列していることがTEM観察により明らかとなった。
2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板を用意し、軟磁性下地層と粒径制御下地層との間に配向制御用下地層を1層設けるほかは、実施例3と同様の方法で種々の磁気記録媒体を得た。配向制御用下地層として、NiAlターゲットを用意し、NiAl層を0.7PaのAr雰囲気中で5nm成膜した。NiAlの代わりにMgO,NiO,MnAl,Ge,Si,TiNを用いたものもそれぞれ作製した。
表4に、下地層がPt−SiO,磁気記録層がCoCrPt−SiOの場合の、各磁気記録媒体の電磁変換特性を示す。
Figure 2010153030
表4にみられるように、配向制御用下地層を設けるとSNRがさらに向上することがわかった。同様の傾向は、他の下地層、磁気記録層の組み合わせにおいても見られた。
11…基板、12…下地層、12a…粒径制御下地層、12b…窒素堆積層、12c…配向制御用下地層、12d…中間下地層、14…磁気記録層、15…保護潤滑層、16…軟磁性層、17…バイアス付与層、81…磁気ディスク、82…スピンドル、83…スライダー、84…サスペンション、85…アーム、86…ボイスコイルモータ、87…固定軸、88…蓋体。

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された軟磁気特性を示す軟磁性下地層と、
    前記軟磁性下地層上に形成され、Cuからなる結晶性の粒径制御下地層と、この粒径制御下地層の表面に形成された窒素堆積層とを備えた下地層と、
    前記下地層上に形成された磁気記録層と、
    前記磁気記録層上に形成された保護層と
    を具備し、
    前記粒径制御下地層が、平均結晶粒径が50nm以上の粒径制御層結晶粒子を有し、
    前記窒素堆積層が平均の面密度で1×1017個/m(1×1013個/cm)以上、1×1019個/m(1×1015個/cm)以下の窒素原子を有していることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記粒径制御下地層はCuからなる粒径制御層結晶粒子を有し、前記磁気記録層は前記粒径制御層結晶粒子1個に対し複数個の磁性結晶粒子を平均の面密度1×1016個/m(1×1012個/cm)以上、8×1016個/m(8×1012個/cm)以下の範囲で有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記磁気記録層は、膜面内で実質的に正方格子状に配列した磁性結晶粒子を有している
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁気記録層は、磁性結晶粒子とこの磁性結晶粒子を取り囲む粒界領域とを備えたグラニュラ構造を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記
    録媒体。
  5. 前記磁気記録層は、Co−Cr,Co−Pt,Fe−PtおよびFe−Pdから選ばれる少なくとも一種の合金を主成分とする磁性結晶粒子と、酸化物および炭化物から選ばれる少なくとも一種の化合物を主成分とする粒界領域とを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記磁気記録層と前記窒素堆積層を備えた前記粒径制御下地層との間に、少なくとも一層の中間下地層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記中間下地層のうち少なくとも一層は、非磁性結晶粒子と、この非磁性結晶粒子を取り囲む粒界領域とを備えたグラニュラ構造を有することを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 前記グラニュラ構造を持つ中間下地層中の前記非磁性結晶粒子が、Pt,Pd,Ir,Ag,Cu,RuおよびRhのうち少なくとも一種の元素を有し、前記粒界領域が酸化物、炭化物のうち少なくとも一種の化合物を有することを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。
  9. 前記粒径制御下地層と前記軟磁性下地層との間に、NiAl,MnAl,MgO,NiO,TiN,SiおよびGeから選ばれる少なくとも一種を含む配向制御用下地層を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 基板上に軟磁気特性を示す軟磁性下地層を形成する軟磁性下地層形成工程と、
    前記軟磁性下地層上に平均粒径50nm以上の結晶粒子を備えたCuからなる粒径制御下地層を形成する粒径制御下地層形成工程と、
    前記粒径制御下地層の表面に平均の面密度で1×1017個/m(1×1013個/cm)以上、1×1019個/m(1×1015個/cm)以下の窒素原子の窒素堆積層を形成する窒素堆積工程と、
    前記窒素堆積層が形成された前記粒径制御下地層を有する前記基板に磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程と
    を備えたことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  11. 前記窒素堆積工程は、前記粒径制御下地層の表面を窒素イオン、窒素ラジカルまたはNH雰囲気中に曝露することで前記窒素原子を堆積させることを特徴とする請求項10に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記磁気記録層形成工程は、前記磁気記録層の膜面内で実質的に正方格子状に配列した磁性結晶粒子を有する磁気記録層を形成することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 前記磁気記録層形成工程は、前記磁気記録層中に磁性結晶粒子を平均の面密度で1×1016個/m(1×1012個/cm)以上、8×1016個/m(8×1012個/cm)以下の範囲で形成することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆動する記録媒体駆動機構と、情報を前記磁気記録媒体に記録し再生する記録再生ヘッドと、前記記録再生ヘッド駆動するヘッド駆動機構と、記録信号および再生信号を処理する記録再生信号処理システムとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
  15. 前記記録再生ヘッドが単磁極構造を有することを特徴とする請求項14に記載の磁気記録再生装置。
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