JP2002222518A - 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置

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JP2002222518A JP2001017112A JP2001017112A JP2002222518A JP 2002222518 A JP2002222518 A JP 2002222518A JP 2001017112 A JP2001017112 A JP 2001017112A JP 2001017112 A JP2001017112 A JP 2001017112A JP 2002222518 A JP2002222518 A JP 2002222518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保磁力を発現可能であって、かつ良好なS
/N比を有する磁気記録媒体、およびその製造方法、並
びに磁気記録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 非磁性基板と、該非磁性基板上に直接ま
たは間接的に形成された核生成層と、金属下地層と、磁
気情報を記録するための強磁性金属層とを備える磁気記
録媒体において、前記核生成層が、少なくともNbを含
む合金、あるいはV、Mo、Wから選ばれる少なくとも
1種以上元素を含む合金からなる構成とした。さらに、
前記核生成層が、Ni、Co、Fe、Cuから選ばれる
少なくとも1種以上の元素と合金化されてなることが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、そ
の製造方法および磁気記録装置に係り、より詳細には、
優れた特性を有するシード層を備えることによりS/N
比などの記録再生特性の向上を実現した磁気記録媒体、
その製造法と、この磁気記録媒体を備えた磁気記録装置
に関するもので、本発明に係る磁気記録媒体は、ハード
ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テー
プなどに好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、高密度で大容量
な記録媒体としてハードディスク装置等で多用されてい
るが、更なる高密度化を図るためにその記録再生特性の
向上が求められている。図10と図11は、磁気記録媒
体の一例であるハードディスクを示す概略図である。図
10は、円盤型の磁気記録媒体の斜視図であり、図11
は図10に示すA−A線に沿う断面構造図である。図1
0に示す磁気記録媒体90は、円盤型の非磁性体からな
る基板92と、この基板92上に形成されたシード層9
3と、金属下地層94と強磁性金属層95と保護層96
とを備えて構成されている。
【0003】この例の磁気記録媒体90では、例えばガ
ラスからなる非磁性の基板92の表面上にNi−Al等
からなるシード層93を設けてなるものが用いられてい
る。そして、この基板92上には、例えばCrやCr合
金からなる金属下地層94,CoCrTaPtあるいは
CoCrPtBからなる磁性膜の強磁性金属層95、カ
ーボンなどからなる保護層96が順次積層されている。
典型的な各層の厚さは、シード層93が25nm〜10
0nm、金属下地層(Cr)94が10nm〜30n
m、強磁性金属層(Co基強磁性合金)95が15nm
〜50nm、保護層96が3nm〜40nmである。
尚、保護層96上には、図示されないが、パーフルオロ
ポリエーテルなどのフッ素系の潤滑剤などが被覆される
こともある。
【0004】上記のようにガラス基板92を用いた磁気
記録媒体においては、その金属下地層94や強磁性金属
層95の結晶配向が、NiP−Al基板上に成膜された
金属下地層や強磁性金属層とは大きく異なるものであ
る。具体的には、NiP−Al基板上に高温で成膜され
たCrあるいはCr合金の金属下地層は通常(100)
配向となり、この配向面上に形成されたCo基強磁性合
金からなる強磁性金属層はc軸が基板面内方向と平行に
なる(110)配向となるが、この磁気記録媒体と同様
の条件でガラス基板上に金属下地層、強磁性金属層を成
膜すると上記NiP−Al基板に成膜したものとは異な
る結晶配向を示すものとなり、結果として記録再生特性
に劣るものとなる。このために、上記ガラス基板91を
用いた磁気記録媒体においては、結晶配向と結晶粒径を
制御するためのシード層93が設けられている。
【0005】上記磁気記録媒体は、金属下地層94と基
板92との間に、NiAlシード層93を有する材料の
層を設けることにより、記録層である強磁性金属層95
の結晶粒を微細化して磁気記録媒体の低ノイズ化を図る
ものである。このような構成の磁気記録媒体によれば、
Co基強磁性合金からなる強磁性金属層において、hc
p構造のc軸が基板92とほぼ平行となるように配向さ
せることができるとされている。(「The Control and
Characterization of the Crystallographic Texture o
f Longitudinal Thin Film Recording Media」,IEEE Tr
ans. Magnetic.32(5), 1996, 3632)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁気記録媒
体は、シード層93が設けられていない磁気記録媒体と
比較して大幅な記録再生特性の向上を実現したが、依然
として磁気記録媒体の高記録密度化にはノイズ特性の向
上が不可欠であり、媒体ノイズを低減するためには、強
磁性金属層95の結晶粒を微細化することが必要であ
る。しかしながら、上記磁気記録媒体のようにNiAl
をシード層93として用いる場合には、図9のグラフに
示すようにNiAlシード層93の膜厚を大きくしなけ
れば高保磁力が得られない。尚、図9は、NiAlシー
ド層93の膜厚に対する磁気記録媒体の保磁力を示すグ
ラフである。これは、NiAlのシード層93の配向面
の均一性が必ずしも良好ではないために、金属下地層9
4における配向面が不均一になり、高保磁力を発現しう
る配向面を有する結晶粒の成長が阻害されるためである
と考えられる。このように高保磁力を得るために大きな
膜厚を必要とするNiAlシード層93では、その上に
形成される金属下地層94の結晶粒が大きくなるため
に、強磁性金属層95の結晶粒を微細化することができ
ず、この点における低ノイズ化を達成できていなかっ
た。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、薄いシード層厚でも高保磁力を発現可能であ
って、かつ良好なS/N比を有する磁気記録媒体、およ
びその製造方法、並びに磁気記録装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明に係る磁
気記録媒体は、非磁性基板と、該非磁性基板上に直接ま
たは間接的に形成された核生成層と、金属下地層と、磁
気情報を記録するための強磁性金属層とを備える磁気記
録媒体において、前記核生成層が、少なくともNbを含
む合金からなることを特徴とする。
【0009】本発明に係る磁気記録媒体は、前記核生成
層のNb含有量が20at%以上80at%以下であること
が好ましい。本発明に係る磁気記録媒体は、前記核生成
層のNb含有量が30at%以上50at%以下であること
が好ましい。
【0010】次に、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁
性基板と、該非磁性基板上に直接または間接的に形成さ
れた核生成層と、金属下地層と、磁気情報を記録するた
めの強磁性金属層とを備える磁気記録媒体において、前
記核生成層が、少なくともV、Mo、Wから選ばれる1
種以上の元素を含む合金からなることを特徴とする。
【0011】本発明に係る磁気記録媒体は、前記核生成
層に含まれるV、Mo、Wの含有量がそれぞれ20at%
以上80at%以下であることが好ましい。本発明に係る
磁気記録媒体は、前記核生成層に含まれるV、Mo、W
の含有量がそれぞれ30at%以上50at%以下であるこ
とが好ましい。
【0012】次に、本発明に係る磁気記録媒体は、前記
核生成層が、Ni、Co、Fe、Cuから選ばれる1種
以上の材料を含むことを特徴とする。
【0013】次に、本発明に係る磁気記録媒体は、前記
核生成層の膜厚が、2.5nm以上500nm以下であ
ることを特徴とする。
【0014】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性基板上に、少なくとも核生成層と、金属下
地層と、強磁性金属層を成膜法により積層形成する磁気
記録媒体の製造方法において、前記核生成層が、少なく
ともNbを含む合金を成膜してなる層であり、該核生成
層の少なくとも表面に酸素および/または窒素を、物理
的に吸着させる工程を含むことを特徴とする。
【0015】次に、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁
性基板上に、少なくとも核生成層と、金属下地層と、強
磁性金属層を成膜法により積層形成する磁気記録媒体の
製造方法において、前記核生成層が、少なくともV、M
o、Wから選ばれる1種以上の元素を含む合金を成膜し
てなる層であり、該核生成層の少なくとも表面に酸素お
よび/または窒素を、物理的に吸着させる工程を含むこ
とを特徴とする。
【0016】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、前記核生成層の成膜に用いるガスが、Arまたは
それ以外の希ガスに、酸素または窒素を混合してなる混
合ガスであることを特徴とする。
【0017】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、前記核生成層の少なくとも表面に酸素および/ま
たは窒素を、物理的に吸着させる工程が、酸素および/
または窒素を含む雰囲気に、前記核生成層表面を曝露す
る工程であることを特徴とする。
【0018】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、前記核生成層表面の酸素暴露量を、25ラングミ
ュア以上とすることを特徴とする。
【0019】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、前記核生成層、金属下地層、強磁性金属層のうち
少なくとも1層以上を、到達真空度3×10-9Torr
(=2.4×10-7Pa)以下の成膜室において、不純
物濃度が1ppb以下の成膜用ガスを用いて成膜するこ
とを特徴とする。
【0020】次に、本発明に係る磁気記録装置は、先に
記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を駆動するため
の駆動部と、磁気情報の記録再生を行うための磁気ヘッ
ドとを備え、移動する前記磁気記録媒体に対して前記磁
気ヘッドにより磁気情報の記録再生を行うことを特徴と
する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る磁気記録媒
体をコンピュータのハードディスクに適用した一実施形
態の断面構造を模式的に示すもので、この図において磁
気記録媒体は、円盤状の非磁性体からなる基板1上に、
シード層(核生成層)2、金属下地層3、強磁性金属層
4、保護層5を順次積層してなる構造とされている。そ
して、シード層2と金属下地層3との界面6には酸素が
物理的に吸着されて構成されている。
【0022】尚、図1に示す本実施形態の磁気記録媒体
の積層構造は、本発明に係る磁気記録媒体の基本的な構
造であるので、基板1と保護層5との間に他の中間層を
必要に応じて設けた構成としても、金属下地層3を2層
以上の複数の層からなる構成としても良い。また、保護
層5上にフッ素系の潤滑剤からなる潤滑層を設けても良
いのはもちろんである。
【0023】以下、本発明に係る磁気記録媒体をさらに
詳細に説明する。 (基板)本発明に係る基板1としては、例えば、アルミ
ニウムとその合金或いは酸化物、チタンとその合金或い
は酸化物、またはシリコン、ガラス、カーボン、セラミ
ック、プラスチック、樹脂およびそれらを複合体化した
ものを用いることができる。または、上記に挙げた基板
の表面に、異種材質の非磁性層をスパッタ法、蒸着法、
メッキ法等の成膜法により表面コーティング処理を行っ
たものを例示することができる。基板1表面に非磁性層
を設ける場合には、高温で磁化せず、導電性を有し、機
械加工などが施しやすい反面、適度な表面硬度を有して
いることが好ましい。このような条件を満たす非磁性層
の材料としては、特にメッキ法により作製されたNi−
P膜を挙げることができる。特に、極めて平滑な表面形
状を低コストで得られ、高温プロセスが可能なガラス基
板を本発明に係る磁気記録媒体に好適なものとして挙げ
ることができる。
【0024】基板1の形状としては、磁気ディスク用途
の場合、ドーナツ円盤状のものが使われる。後述する強
磁性金属層等を設けた基板、すなわち磁気記録媒体は、
磁気記録および再生時、円盤の中心を軸として、例えば
3600rpm〜15000rpmの速度で回転させて
使用する。このとき、磁気記録媒体の表面又は裏面の上
空を磁気ヘッドが0.1μm程度の高さ、あるいは数1
0nmの高さを持って浮上走行する。また、さらに低浮
上量の数nm程度の高さで浮上走行する磁気ヘッドの開
発もなされている。従って、基板1としては表面又は裏
面の平坦性、表裏両面の平行性、基板円周方向のうね
り、および表裏面の粗さが適切に制御されたものが望ま
しい。
【0025】(シード層(核生成層))本発明に係るシ
ード層2は、金属下地層3や強磁性金属層4の結晶配向
および結晶粒径を制御するために設けられている層であ
る。特に、基板1としてガラス基板などNiP−Al基
板以外の基板を用いる場合には、磁気記録媒体の記録再
生特性を向上させる上で重要な構成要素である。本発明
に係る核生成層であるシード層2としては、少なくとも
Nbを含む合金、または少なくともV、Mo、Wから選
ばれる1種以上の材料を含む合金を材料として用いるこ
とができる。具体的には、特に限定されるものではない
が、Nb、V、W、Mo、NiNb、NiNbB、Ni
NbGe、CoMoCu、BCo、CoHf、CoSi
Mo、NiW、NiWB、NiW、NiWSi、Ni
V、NiVB等の材料を挙げることができる。
【0026】上記Nb、V、Mo、Wと他の金属元素を
合金化して用いる場合には、いずれの元素もその含有量
は20at%〜80at%とすることが好ましい。それぞれ
の含有量が上記範囲を越えると、シード層2上に形成さ
れる金属下地層3との格子整合性が悪化することによる
保磁力の低下や、強磁性金属層4の結晶粒の肥大化によ
り磁気記録媒体の記録再生特性が劣化するためである。
また、上記元素の含有量は、30at%〜50at%とする
ことがより好ましい。このような構成とするならば、金
属下地層3との格子整合性を最適なものとすることがで
きるので、高保磁力の磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0027】あるいは、上記に挙げた材料と、Ni、C
o、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種以上の材料
を合金化した材料を用いることができる。例えば、Ni
Nb、NiW、NiV、NiMo、CoNb、CoW、
CoV、CoMo、FeNb、FeW、FeV、FeM
o、FeCu、CuNb等の合金を用いることができ
る。このように、Ni、Co、Fe、Cuのうち少なく
とも1種以上を含む構成とするならば、アモルファスな
いし微結晶の金属を容易に作成でき、この金属膜をシー
ド層として用いる場合、シード層の上に成膜された下地
層および磁性層の結晶粒径を微細化することができる。
【0028】本発明に係るシード層2として複数の金属
元素を合金化した材料を用いる場合には、より好適な材
料を選択するために合金化される金属元素の酸素との親
和力を基準とすることができる。具体的には、組み合わ
せる金属元素どうしの酸化物標準生成自由エネルギーの
差が70kcal/molO2より小さくなるように元
素を選択することが好ましい。より具体的な例を図2を
参照して説明する。図2は、複数の元素についての酸化
物標準生成自由エネルギーの温度特性を示す図である。
この図に示すように、例えば、一方の元素としてNbを
選択するならば、他方の合金としてNi、W、V、Co
などを選択すればよい。
【0029】あるいはまた、上記に挙げた材料に、その
特性を損ねない範囲でCr、Ta、Al、Zr、B、T
i、Si、Mn、Hf、Pr、Ag、Sm、C等の元素
を0.3at%〜10at%程度添加しても良い。このよう
な構成とするならば、シード層の上に形成される金属下
地層3および強磁性金属層4の結晶粒径の微細化を促進
することができる。
【0030】シード層2の膜厚は、2.5nm以上50
0nm以下とすることが好ましい。膜厚が2.5nm未
満であると磁気記録媒体の保磁力が不足するので、高密
度記録には不適である。また、膜厚が500nmを越え
ると、シード層2の結晶粒径が大きくなりすぎるために
所望の記録再生特性が得られなくなることと、成膜時間
が極めて長くなることから実用的ではない。
【0031】図1に示す本実施形態の磁気記録媒体にお
いては、シード層2と金属下地層3との界面6におい
て、シード層2の表面に酸素が物理的に吸着されて構成
されている。これは、シード層2を成膜した後、酸素を
含む雰囲気にシード層2の表面を曝すことにより形成さ
れたもので、シード層2上に形成される金属下地層3の
結晶粒径を小さくするとともに、金属下地層3の結晶粒
径のばらつきを抑える効果を奏するものである。この結
果、金属下地層3上に形成される強磁性金属層4の結晶
粒を微細化して媒体ノイズを低減することができる。ま
た、上記と同様の効果が得られる構成として、成膜用の
ガスに酸素または窒素を添加してシード層2を形成して
も良い。あるいはまた、シード層2の表面に窒素または
空気を物理的に吸着させた構成とすることもできる。あ
るいはまた、シード層に酸化物または窒化物を添加する
こともできる。
【0032】(金属下地層)本実施形態の磁気記録媒体
の金属下地層3としては、CrまたはCr合金を用いる
ことが好ましい。Cr合金を用いる場合には、例えば、
Mo、W、Ti、V、Nb、Nb、Ta等との組み合わ
せを適用することができる。金属下地層2としてCrあ
るいはCr合金を用いることにより、金属下地層3上に
形成される強磁性金属層4に対して偏析作用を起こさせ
ることができる。これにより、強磁性金属層4の結晶粒
間の磁気的な相互作用を抑えて規格化保磁力を高めるこ
とができる。また、金属下地層3上の強磁性金属層4の
磁化容易軸(c軸)が基板面内方向を取るようにするこ
とができる、すなわち、基板面内方向の保磁力を高める
方向に強磁性金属層4の結晶成長を促すものである。
【0033】(強磁性金属層)本発明で用いられる強磁
性金属層4は、hcp構造を有する強磁性金属からなる
層である。強磁性金属層4を構成する材料としては、C
oを主成分とするCo基強磁性合金を用いることが好ま
しい。その具体的な材料としては、例えばCoCrN
i、CoCrTa、CoCrPt、CoNiCrTa、
CoCrPtTa等を挙げることができる。また、これ
らの合金にB、N、O、Nb、Zr、Cu、Ge、Si
等から選ばれる1種または2種以上の元素を添加した合
金を用いることもできる。本発明では、従来の成膜条件
より超清浄な雰囲気下(すなわち超清浄プロセス)にお
いて、シード層2、金属下地層3、および強磁性金属層
4を成膜することにより、次の2つの特徴が得られる。 (1)強磁性金属層の飽和磁化Msと異方性磁界Hk
grainが、4πMs/Hkg rain≦1という関係にある材
料にある媒体では、強磁性金属層の結晶粒径に依存せ
ず、高い規格化保磁力(Hc/Hkgrain)が安定して
得られる。 (2)上記(1)の特徴において、強磁性金属層を構成
する個々の結晶粒子の粒径が10nm以下の領域にある
媒体では、媒体のS/N比を向上させることができると
ともに、媒体の表面粗さも低減することができる。尚、
上記の規格化保磁力とは、磁気記録媒体の保磁力Hc
を、異方性磁界Hk grainで割った値であり、磁性結晶
粒の磁気的孤立性が高まる度合いを表すものであ
る。("Magnetization Reversal Mechanism Eva1uated
by Rotational Hysteresis Loss Ana1ysis for the Thi
n Film Media"Migaku Takahashi,T.Shimatsu, M.Sueka
ne,M.Miyamura,K.Yamaguchi and H.Yamasaki: IEEE T
RANSACTI0NS0N MAGUNETICS,V0L.28,1992,pp.3285)
【0034】以下に、上記のような構成の磁気記録媒体
をスパッタ法により製造する場合について説明する。 (スパッタ法)本発明に係る磁気記録媒体を製造する方
法の一例であるスパッタ法として、例えば、基板がター
ゲットの前を移動しながら薄膜が形成される搬送型スパ
ッタ法と、基板をターゲットの前に固定して薄膜が形成
される静止型スパッタ法を例示することができる。前者
の搬送型スパッタ法は、量産性が高いため低コストな磁
気記録媒体の製造に有利であり、後者の静止型スパッタ
法は、基板に対するスパッタ粒子の入射角度が安定なた
めに記録再生特性に優れる磁気記録媒体の製造が可能と
される。本発明に係る磁気記録媒体を製造する際には、
搬送型あるいは静止型のいずれかに限定されるものでは
ない。
【0035】(シード層表面への酸素および/または窒
素の物理的な吸着)本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法においては、シード層の少なくとも表面に酸素および
/または窒素を物理的に吸着させる処理を行うことが好
ましい。この処理について以下に詳細に説明する。
【0036】シード層の表面のみに酸素および/または
窒素を物理的に吸着させる場合には、シード層を成膜
後、酸素および/または窒素を含む雰囲気にシード層の
表面を曝露することで表面に所定量の酸素や窒素を吸着
させることができる。この曝露処理では、酸素や窒素の
分圧、および曝露時間によりシード層表面への吸着量を
制御することが可能である。先に記載の材料をシード層
として用いる場合には25L(ラングミュア:Langmui
r)以上とすることが好ましい。ここで、1Lとは、1
×10-6Torrで1秒間曝露するか、1×10-7To
rrで10秒間曝露することを意味し、25Lとは1×
10-6Torrで25秒間曝露するか、1×10-7To
rrで250秒間曝露することを意味する。尚、実際の
製造における酸素や窒素の分圧、曝露時間は、シード層
を構成する材料の酸素との親和力に応じて適宜最適な圧
力や時間に設定すればよい。また、酸素や窒素を希ガス
で希釈化してもよい。
【0037】あるいは、シード層の成膜に用いるガスと
して、Arまたはこれ以外の希ガスに、酸素および/ま
たは窒素を添加して成膜することにより、シード層の表
面に酸素や窒素からなるガス成分を物理的に吸着させる
ことができる。この方法では、シード層内部に酸素や窒
素が取り込まれるために、過剰な酸素、窒素添加を行う
とシード層を構成する材料によっては結晶性の低下や、
酸化物、窒化物の生成が起こる場合がある。したがっ
て、酸素や窒素の添加量は、Arまたは希ガスとの混合
ガスにおける流量比で0.2以下とすることが好まし
い。
【0038】(シード層、金属下地層、強磁性金属層を
形成する際の成膜室の到達真空度)従来、成膜室の到達
真空度は、記録層である強磁性金属層の材料によって
は、保磁力の値を左右する成膜因子の1つとして位置づ
けられている。特に、強磁性金属層の中にTaを含む、
Co基の磁性材料では、上記の到達真空度が低い場合
(例えば、10-6〜10-7Torr台の場合)には影響
が大きいと考えられてきた。よって本発明では到達真空
度3×10-9Torr以下の高真空において成膜する超
清浄プロセスにより、シード層、金属下地層、強磁性金
属層を成膜することが好ましい。このような超清浄プロ
セスによって、上記各層を成膜するならば、シード層あ
るいは金属下地層を極めて薄くした場合であっても高い
保磁力が得られるとともに、シード層、金属下地層の薄
膜化によって強磁性金属層の結晶粒が微細化されて、磁
気記録媒体の記録再生特性を向上させることができる。
【0039】また、本発明における成膜におけるArガ
スの不純物としては、例えば、H2O、O2、CO2
2、N2、Cxy、H、C、O、CO等が挙げられる。
特に、膜中に取り込まれる酸素量に影響する不純物は、
2O、O2、CO2、O、COと推定される。従って、
本発明の不純物濃度は、成膜に用いるArガス中に含ま
れているH2O、O2、CO2、O、COの和で表すこと
とする。つまり、Arガスの不純物が1ppb以下とい
う場合は、これらH2O、O2、CO2、O、COの和が
1ppb以下であるということである。
【0040】ただし、本発明に係る磁気記録媒体の構成
において上記超清浄プロセスは必須とされるものではな
く、目的とする磁気記録媒体の特性に応じて選択すれば
よい。成膜室の到達真空度を10-7Torr台とする従
来のプロセスを用いた場合でも、本発明によれば、記録
再生特性に優れる磁気記録媒体を得ることができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0042】(実施例1)本例では、図1に示すよう
に、シード層2および金属下地層3、強磁性金属層4を
備える構成の磁気記録媒体を作製した。成膜法としては
直流マグネトロンスパッタ法を用い、成膜室の到達真空
度を10-7Torr台、プロセスガス中の不純物濃度を
1ppm以下とする従来のプロセスを用いて成膜を行っ
た。その際、基板温度は 250℃とし、基板加熱後A
r流量100sccmとしてシード層2を成膜した。続
いて、酸素曝露量を0L〜2500L(ラングミュア)
まで変化させてシード層2表面を酸素雰囲気下に曝露
し、その後、Ar流量100sccmとして金属下地
層、強磁性金属層、保護層の順に成膜した。
【0043】本実施例では、基板として表面粗さ0.3
nm未満のディスク状のガラス基板を用い、シード層用
のターゲットとしてNi−40at%Nbターゲットを用
い、金属下地層用ターゲットとしてCr−10at%Mo
ターゲットを用い、強磁性金属層4用ターゲットとして
Co−24at%Cr−8at%Pt−4at%Bターゲット
を用い、保護層用ターゲットとしてカーボンターゲット
を用いた。尚、本実施例では上記各層の成膜法として直
流マグネトロンスパッタ法を用いたが、RFスパッタ
法、レーザ蒸着法、イオンビーム成膜などの他の成膜法
を実施しても良いのはもちろんである。以下の表1は本
実施例に係る磁気記録媒体の作製条件である。
【0044】
【表1】
【0045】(比較例)次に、比較のために膜厚25n
mのシード層2をNi−50at%Alターゲットを用い
て成膜し、シード層表面の酸素曝露を行わない条件で磁
気記録媒体を作製した。尚、シード層の構成と酸素曝露
の条件以外は上記実施例1と同様とした。
【0046】上記実施例1および比較例にて作製された
磁気記録媒体の保磁力を、VSM(振動試料型磁力計:
理研電子社製BHV−35)を用いて測定した。また、
上記磁気記録媒体の記録再生特性を、再生素子として巨
大磁気抵抗素子を備えた磁気ヘッドを用いて測定した。
尚、記録再生特性の測定は、線記録密度420kFCI
(トラック密度が40KTPIとした場合、記録密度1
6.8Gb/in2に相当する)にて行った。測定結果
を図3および図4に示す。図3は、上記実施例1および
比較例の磁気特性を示すグラフであり、横軸は酸素曝露
量(L:ラングミュア)を示し、縦軸は保磁力(Oe)
を示している。また、図4は、上記実施例1および比較
例の記録再生特性を示すグラフであり、横軸は酸素曝露
量(L)を示し、縦軸はS/N比(dB)および媒体ノ
イズ(μV)を示している。そして、図4上側の曲線は
実施例1の磁気記録媒体のS/N比の酸素曝露量依存性
を示し、図4下側の曲線は実施例1の磁気記録媒体の媒
体ノイズの酸素曝露量依存性を示している。これらの図
に示すように、シード層2としてNi−40at%Nbを
用いた実施例1の磁気記録媒体は、保磁力、S/N比と
も、シード層2としてNiAlを用いた比較例の磁気記
録媒体よりも優れていることが確認された。また、シー
ド層2の表面に酸素を物理的に吸着させるならば、高い
保磁力と優れたS/N比を有する磁気記録媒体が得られ
ることが確認された。
【0047】(実施例2)次に、シード層2の成膜用に
Ni−40at%Nbターゲットを用い、このシード層2
の成膜用ガスとしてArに酸素を混合した混合ガスを用
いて成膜した磁気記録媒体を作製した。本例において
は、シード層2の膜厚は25nmとし、混合ガスの酸素
流量を0sccm〜10sccmの範囲で変化させた。
シード層2表面の酸素曝露は行わず、上記以外の金属下
地層3、強磁性金属層4などの成膜条件は上記実施例1
と同様とした。表2に本例の磁気記録媒体の成膜条件を
示す。
【0048】
【表2】
【0049】本実施例で作製された磁気記録媒体につい
て、上記実施例1と同様の方法で磁気特性および記録再
生特性を測定した。測定結果を図5および図6に示す。
図5は、上記実施例2および比較例の磁気特性を示すグ
ラフであり、横軸は酸素流量(sccm)を示し、縦軸
は保磁力(Oe)を示している。また、図6は、上記実
施例2および比較例の記録再生特性を示すグラフであ
り、横軸は酸素流量(sccm)を示し、縦軸はS/N
比(dB)および媒体ノイズ(μV)を示している。そ
して、図6上側の曲線は実施例2の磁気記録媒体のS/
N比の酸素流量依存性を示し、図6下側の曲線は実施例
2の磁気記録媒体の媒体ノイズの酸素流量依存性を示し
ている。これらの図に示すように、成膜ガスへ 酸素を
添加すると媒体ノイズが低減し、その結果、S/N比が
向上することが確認された。これは、成膜用ガスへの酸
素添加によりシード層の結晶粒の微細化が促進され、そ
の結果金属下地層および強磁性金属層の結晶粒が微細化
されたためであると考えられる。
【0050】以上の実施例1および実施例2において
は、表1、表2に示すように、成膜プロセスとして成膜
室の到達真空度を10-7Torr台とし、Arガスの不
純物濃度を1ppm程度とした従来の成膜プロセスを用
いてシード層2、金属下地層3、強磁性金属層4を成膜
したが、先に記載の通り優れた記録再生特性を有する磁
気記録媒体が得られており、到達真空度が比較的低い成
膜室においても優れた特性を有する磁気記録媒体が製造
可能であることが確認された。
【0051】(磁気記録装置)次に、本発明に係る磁気
記録装置を図面を参照して以下に説明する。図7は、本
発明に係る磁気記録装置であるハードディスク装置の一
例を示す側断面図であり、図8は、図7に示す磁気記録
層の平断面図である。図7および図8において、50は
磁気ヘッド、70はハードディスク装置、71は筐体、
72は磁気記録媒体、73はスペーサ、79はスイング
アーム、78はサスペンションである。本実施形態に係
るハードディスク装置70は、先に記載の本発明の磁気
記録媒体を搭載している。
【0052】ハードディスク装置70は、円盤状の磁気
記録媒体72や、磁気ヘッド50などを収納する内部空
間を備えた直方体形状の筐体71が外形を成しており、
この筐体71の内部には複数枚の磁気記録媒体72がス
ペーサ73と交互にスピンドル74に挿通されて設けら
れている。また、筐体71にはスピンドル74の軸受け
(図示せず)が設けられ、筐体71の外部にはスピンド
ル74を回転させるためのモータ75が配設されてい
る。この構成により、全ての磁気記録媒体72は、スペ
ーサ73によって磁気ヘッド50が入るための間隔を空
けて複数枚重ねた状態で、スピンドル74の周回りに回
転自在とされている。
【0053】筐体71の内部であって磁気記録媒体72
の側方位置には、軸受け76によってスピンドル74と
平行に支持されたロータリ・アクチュエータと呼ばれる
回転軸77が配置されている。この回転軸77には複数
個のスイングアーム79が各磁気記録媒体72の間の空
間に延出するように取り付けられている。各スイングア
ーム79の先端には、その上下位置にある各磁気記録媒
体72の表面と傾斜して向かう方向に固定された、細長
い三角板状のサスペンション78を介して磁気ヘッド5
0が取り付けられている。この磁気ヘッド50は、図示
されていないが、磁気記録媒体72に対して情報を書き
込むための記録素子と、磁気記録媒体72から情報を読
み出すための再生素子を備えるものである。
【0054】そして、磁気記録媒体72は、先に記載の
ように、非磁性基板とこの基板上に形成されたシード層
(核生成層)と、金属下地層と、強磁性金属層を備える
ものであり、シード層が、Nb、V、Mo、Wから選ば
れる1種以上の元素を含む構成である。従って、係る磁
気記録媒体は先述の通り、高い保磁力と優れたS/N比
を有するものである。
【0055】上記構成によれば、磁気記録媒体72を回
転させ、磁気ヘッド50をスイングアーム79の移動に
より磁気記録媒体72の半径方向に移動させることがで
きるので、磁気ヘッド50は磁気記録媒体72上の任意
の位置に移動可能となっている。上述した構成のハード
ディスク装置70では、磁気記録媒体72を回転させる
とともに、スイングアーム79を移動させて磁気ヘッド
50を磁気記録媒体72を構成している強磁性金属層に
磁気ヘッド50が発生した磁界を作用させることにより
磁気記録媒体72に所望の磁気情報を書き込むことがで
きる。また、スイングアーム79を移動させて磁気ヘッ
ド50を磁気記録媒体72上の任意の位置に移動させ、
磁気記録媒体72を構成している強磁性金属層からの漏
れ磁界を磁気ヘッドの再生素子で検出することにより磁
気情報を読み出すことができる。
【0056】このように磁気情報の読み出しと書き込み
を行う場合において、磁気記録媒体72が、先に説明し
た如く高い保磁力と優れた記録再生特性を有しているな
らば、高記録密度での磁気情報の記録再生を安定して行
うことができるハードディスク装置70を提供すること
ができる。
【0057】尚、図6、7を基に先に説明したハードデ
ィスク装置70は、磁気記録装置の一例を示すものであ
るので、磁気記録装置に搭載する磁気記録媒体の枚数
は、1枚以上の任意の枚数で良く、搭載する磁気ヘッド
の数も1個以上であれば任意の数設けてもよい。また、
スイングアーム77の形状や駆動方式も図面に示すもの
に限らず、リニア駆動方式、その他の方式でも良いのは
もちろんである。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、該非磁性基板上に直接または間接的に形成され
た核生成層と、金属下地層と、磁気情報を記録するため
の強磁性金属層とを備える磁気記録媒体において、核生
成層を、少なくともNbを含む合金、あるいは、V、M
o、Wから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む合
金からなるものとすることにより、高い保磁力と優れた
S/N比を備える磁気記録媒体を提供することができ
る。
【0059】次に、本発明によれば、非磁性基板上に、
少なくとも核生成層と、金属下地層と、強磁性金属層を
成膜法により積層形成する磁気記録媒体の製造方法にお
いて、前記核生成層が、少なくともNb、V、Mo、W
から選ばれる1種以上の元素を含む合金を成膜してなる
層であり、該核生成層の少なくとも表面に酸素および/
または窒素を、物理的に吸着させる工程を含む構成とし
たので、前記核生成層上に形成される金属下地層の結晶
粒を微細化、均一化することができる。これにより、金
属下地層上に形成される記録層である強磁性金属層の結
晶粒を微細化、均一化することができるので、S/N比
に優れる磁気記録媒体を安定して製造する方法を提供す
ることができる。
【0060】次に、先の優れた磁気特性を有する磁気記
録媒体を備えた磁気記録装置であるならば、S/N比が
高く、記録再生特性に優れた磁気記録装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態である磁気記
録媒体の断面構造を模式的に示す図である。
【図2】 図2は、酸化物標準生成自由エネルギーの温
度特性を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1の磁気特性を示す
図である。
【図4】 図4は、本発明の実施例1の記録再生特性を
示す図である。
【図5】 図5は、本発明の実施例2の磁気特性を示す
図である。
【図6】 図6は、本発明の実施例2の記録再生特性を
示す図である。
【図7】 図7は、本発明に係る磁気記録装置の一例を
示す側断面図である。
【図8】 図8は、図7に示す磁気記録装置の平断面図
である。
【図9】 図9は、磁気記録媒体の一例である従来のハ
ードディスクの磁気特性を示す図である。
【図10】 図10は、磁気記録媒体の一例である従来
のハードディスクを示す斜視図である。
【図11】 図11は、磁気記録媒体の一例である従来
のハードディスクの断面構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 (非磁性)基板 2 シード層(核生成層) 3 金属下地層 4 強磁性金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000005968 三菱化学株式会社 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 (74)上記3名の代理人 100086379 弁理士 高柴 忠夫 (外1名) (72)発明者 ダビッド ジャヤプラウィラ 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉05 東北大 学大学院工学研究科電子工学専攻内 (72)発明者 三上 正樹 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉05 東北大 学大学院工学研究科電子工学専攻内 (72)発明者 高橋 研 宮城県仙台市太白区人来田2丁目20−2 Fターム(参考) 4K029 AA09 BA21 BB02 BC06 BD11 CA05 DC04 EA01 EA03 5D006 CA01 CA05 CA06 EA03 FA09 5D112 AA03 AA11 BD01 FA04 FB20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、該非磁性基板上に直接ま
    たは間接的に形成された核生成層と、金属下地層と、磁
    気情報を記録するための強磁性金属層とを備える磁気記
    録媒体において、 前記核生成層が、少なくともNbを含む合金からなるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記核生成層のNb含有量が、20at%
    以上80at%以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記核生成層のNb含有量が、30at%
    以上50at%以下であることを特徴とする請求項2に記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板と、該非磁性基板上に直接ま
    たは間接的に形成された核生成層と、金属下地層と、磁
    気情報を記録するための強磁性金属層とを備える磁気記
    録媒体において、 前記核生成層が、少なくともV、Mo、Wから選ばれる
    1種以上の元素を含む合金からなることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記核生成層に含まれるV、Mo、Wの
    含有量が、それぞれ20at%以上80at%以下であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記核生成層に含まれるV、Mo、Wの
    含有量が、それぞれ30at%以上50at%以下であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記核生成層が、Ni、Co、Fe、C
    uから選ばれる1種以上の元素を含むことを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 前記核生成層の膜厚が、2.5nm以上
    500nm以下であることを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 非磁性基板上に、少なくとも核生成層
    と、金属下地層と、強磁性金属層を成膜法により積層形
    成する磁気記録媒体の製造方法において、 前記核生成層が、少なくともNbを含む合金を成膜して
    なる層であり、 該核生成層の少なくとも表面に酸素および/または窒素
    を、物理的に吸着させる工程を含むことを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 非磁性基板上に、少なくとも核生成層
    と、金属下地層と、強磁性金属層を成膜法により積層形
    成する磁気記録媒体の製造方法において、 前記核生成層が、少なくともV、Mo、Wから選ばれる
    1種以上の元素を含む合金を成膜してなる層であり、 該核生成層の少なくとも表面に酸素および/または窒素
    を、物理的に吸着させる工程を含むことを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記核生成層の成膜に用いるガスが、
    Arまたはそれ以外の希ガスに、酸素または窒素を混合
    してなる混合ガスであることを特徴とする請求項9また
    は10に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記核生成層の少なくとも表面に酸素
    および/または窒素を、物理的に吸着させる工程が、 酸素および/または窒素を含む雰囲気に、前記核生成層
    表面を曝露する工程であることを特徴とする請求項9な
    いし11のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記核生成層表面の酸素暴露量を、2
    5ラングミュア以上とすることを特徴とする請求項12
    に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記核生成層、金属下地層、強磁性金
    属層のうち少なくとも1層以上を、到達真空度3×10
    -9Torr以下の成膜室において、不純物濃度が1pp
    b以下の成膜用ガスを用いて成膜することを特徴とする
    請求項9ないし13のいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を駆動するための
    駆動部と、磁気情報の記録再生を行うための磁気ヘッド
    とを備え、移動する前記磁気記録媒体に対して前記磁気
    ヘッドにより磁気情報の記録再生を行うことを特徴とす
    る磁気記録装置。
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