JP2010150850A - 開閉体制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開閉体制御装置1は、負荷処理部11により開閉体を駆動するモータ3の負荷を算出し、速度マップ選択部151が、算出された負荷に応じて、異なる目標速度を記憶している通常ドア速度マップ部152と傾斜時ドア速度マップ部153とのいずれか一方を選択して、選択したマップ部に記憶されている閾値により開閉体の開動作及び閉動作の速度を制御する。
【選択図】図1
Description
例えば、閉動作におけるスライドドアの位置に応じて閾値を設けて、モータの負荷に応じて挟み込みを検出する技術がある(特許文献1)。
しかし、挟み込み検出に用いる閾値を高く設定すると、急勾配の坂道でスライドドアが傾斜(重力)により容易に閉まる方向に傾いている場合、一般にモータに対する負荷は低いので、物体が閉まるドアに挟まり、スライドドアを閉めるための負荷が増加しても、モータの負荷が高く設定された閾値を超えず、適切な挟み込み判定が行えない可能性がある。
開閉体を駆動するモータに掛かる負荷により、開閉体に対する開閉動作における目標速度を記憶する通常ドア速度マップ部と傾斜時ドア速度マップ部とのいずれかを選択し、選択したマップ部に記憶された目標速度にて移動させることにより、傾斜時において開閉体の目標速度を小さくして挟み込み判定の精度を高める。
開動作におけるモータの負荷から開閉体の移動方向が傾斜の影響を受けているか否かを判定することができ、判定結果に応じて閾値が記憶された通常ドア速度マップ部と傾斜時ドア速度マップ部との切り替えを行うことにより、挟み込み判定の精度を改善することができる。
閉動作におけるモータの負荷から開閉体の移動方向が傾斜の影響を受けているか否かを判定することができ、判定結果に応じて閾値が記憶された通常ドア速度マップ部と傾斜時ドア速度マップ部との切り替えを行うことにより、挟み込み判定の精度を改善することができる。
閉動作と開動作との負荷の差により、傾斜により生じる負荷を算出することで、精度よく閾値が記憶された通常負荷閾値マップ部と傾斜時負荷閾値マップ部との切り替えを行うことができる。
温度を検出し、検出した温度に応じて閾値を変えることにより、温度に応じて変化する摩擦力を考慮した挟み込み判定を行うことができる。
モータに掛かる負荷が安定する区間を予め定めることにより、閾値が記憶された通常負荷閾値マップ部と傾斜時負荷閾値マップ部との切り替えを精度よく行うことができる。
開閉体を駆動するモータに掛かる負荷により、挟み込み判定に用いる閾値が記憶された通常負荷閾値マップ部と傾斜時負荷閾値マップ部とのいずれかを選択し、選択したマップ部に記憶された閾値を用いて挟み込み判定を行うことにより、挟み込み判定を適切に行うことができる。
開閉体の目標速度を傾斜時ドア速度マップ部に切り替えると共に、挟み込み判定の閾値を傾斜時負荷閾値マップに切り替えることにより、傾斜地における挟み込み検出の精度を改善することができる。
負荷処理部11は、負荷算出部111と、負荷平均値算出部112とを備える。負荷算出部111は、電流検出回路4が検出するドライバ2とモータ3との間に流れる電流値と、駆動制御部14がPWM制御によりモータ3に印加する実効電圧値とからモータ3の負荷の推定値を負荷推定値として算出し、算出した負荷推定値を負荷平均値算出部112と挟込処理部12に出力する。負荷平均値算出部112は、スライドドアの位置が開動作により予め定められた区間を移動するとき、負荷算出部111が出力する負荷推定値の平均値を算出し、算出した負荷推定値の平均値を挟込処理部12に出力する。ここで、予め定められた区間とは、スライドドアが安定して移動する区間であり、例えば、スライドドアが移動するレールが直線になっている区間などの構造上モータ3の負荷が一定となる区間、あるいは、そのような区間のうちの一部の区間であり、以下、平均値算出区間という。
なお、通常ドア速度マップ部152及び傾斜時ドア速度マップ部153には、目標速度ではなく、目標速度を達成するためにモータ3に印加する電圧が記載されていてもよい。
まず、開閉体制御装置1において、速度マップ選択部151は、操作スイッチ5から入力された開動作の指示に応じて、通常ドア速度マップ部152を選択する(ステップS101)。
速度マップ選択部151は、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置が全閉状態であるか否かを判定する(ステップS102)。
一方、スライドドアの位置が全閉状態である場合(ステップS102:Yes)、負荷平均値算出部112は、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、平均値算出区間における負荷推定値の平均を算出する(ステップS103)。
その後、速度マップ選択部151は、操作スイッチ5から入力された閉動作の指示に応じて、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置からスライドドアが全開状態の位置にあるか否かを判定する(ステップS105)。
スライドドアが全開状態の位置にない場合(ステップS105:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
一方、スライドドアが全開状態の位置にある場合(ステップS105:Yes)、速度マップ選択部151は、負荷平均値算出部112がステップS104において算出した負荷推定値の平均値が、予め定められた判定値以上か否かを判定する(ステップS106)。
また、負荷推定値の平均値が予め定められた判定値以上の場合(ステップS106:Yes)、速度マップ選択部151は、スライドドアが傾斜により閉まる方向に加速すると判定(推定)し、通常ドア速度マップ部152に替えて傾斜時ドア速度マップ部153を選択する(ステップS107)。また、速度マップ選択部151は、スライドドアの開閉操作において、傾斜時ドア速度マップ部153に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
速度マップ選択部151は、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置が全閉状態の位置になるのを待ち(ステップS108)、スライドドアの位置が全閉状態の位置になると、スライドドアの移動速度の設定処理を終了する。
まず、挟込判定部121は、ドア移動方向検出部132がスライドドアの移動方向を示す信号が出力されるか、あるいは、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置を示す信号に変化があると、スライドドアが閉まる方向への移動(閉動作)か否かを判定する(ステップS201)。
閉動作でない場合(ステップS201:No)、挟込判定部121は、挟み込み判定処理を終了する。
閉動作である場合(ステップS201:Yes)、挟込判定部121は、負荷算出部111が出力する負荷推定値の変化量が、負荷閾値マップ部122から読み出したスライドドアの位置に対応した閾値以上か否かを判定する(ステップS202)。
負荷推定値の変化量が、閾値より小さい場合(ステップS202:No)、挟込判定部121は、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置により全閉状態か否かを判定する(ステップS204)。
全閉状態である場合(ステップS204:Yes)、挟込判定部121は、挟み込み判定の処理を終了する。
全閉状態でない場合(ステップS204:No)、挟込判定部121は、ステップS202〜ステップS204の動作を繰り返して行う。
また、図4(b)に図示するように、車体の前方が低い方向に傾斜している場合、速度マップ選択部151が、負荷推定値から傾斜を検出して、傾斜時ドア速度マップ部153を選択することにより、目標速度を変化させる。
第2実施形態は、第1実施形態とは異なり、速度マップ選択部151が、通常ドア速度マップ部152と傾斜時ドア速度マップ部153とのいずれか一方を選択する場合において、スライドドアの開動作における負荷推定値を用いずに、スライドドアの閉動作における負荷推定値を用いる構成である。開閉体制御装置1の構成は、第1実施形態と同じ構成であるが、負荷平均値算出部112の動作と、速度マップ選択部151が行うスライドドアの移動速度の設定処理が異なる。以下、異なる点について説明する。
まず、開閉体制御装置1において、速度マップ選択部151は、操作スイッチ5から入力された開動作の指示に応じて、通常ドア速度マップ部152を選択する(ステップS301)。
スライドドアの位置が全開状態でない場合(ステップS302:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
一方、スライドドアの位置が全開状態である場合(ステップS302:Yes)、負荷平均値算出部112は、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、平均値算出区間における負荷推定値の平均を算出する(ステップS303)。
負荷推定値の平均が判定値より大きい場合(ステップS304:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
一方、負荷推定値の平均が判定値以下の場合(ステップS304:Yes)、速度マップ選択部151は、スライドドアが傾斜により閉まる方向に加速すると判定(推定)し、通常ドア速度マップ部152に替わり、傾斜時ドア速度マップ部153を選択する(ステップS305)。また、速度マップ選択部151は、スライドドアの開閉操作において、傾斜時ドア速度マップ部153に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
ここで、ステップS304において用いた判定値は、速度マップ選択部151が、スライドドアの目標速度が設定されている通常ドア速度マップ部152、あるいは、傾斜時ドア速度マップ部153のいずれから目標速度を読み出すかを切り替えるための値であり、スライドドアの動作実験又はシミュレーションにより定められたスライドドアが重力により加速して閉まる方向に傾斜しているか否かを判定する値である。速度マップ選択部151は、負荷推定値の平均値が当該判定値以下の場合、スライドドアが重力により加速して閉まる方向に傾斜している、すなわち、車両の前方が低い方に向かって傾斜していると判定する。
図示するように、平均値算出区間において、平地における負荷推定値より、閉動作における負荷推定値が低い場合、すなわち、車体の前方が低い方向に傾斜し、スライドドアを閉めるためのモータ3の負荷が低い場合、速度マップ選択部151は、傾斜時ドア速度マップ部153を選択する。
また、同実施形態における開閉体制御装置1は、挟み込み閾値の設定の処理を、スライドドアの閉動作のみにて行うので、挟み込み閾値の設定の処理が第1実施形態の開閉体制御装置1に比べ、処理を削減できる。
図7は、第3実施形態におけるモータ装置300、及び開閉体制御装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。モータ装置300は、開閉体制御装置1A、ドライバ2、モータ3、電流検出回路4、操作スイッチ5、ドア位置センサ6、及び、クラッチ7を具備する。モータ装置300は、図1に示す第1実施形態のモータ装置100と比べ、開閉体制御装置1A以外同じ構成であり、対応する構成には同じ符号(2〜7)を付してその説明を省略する。
開時負荷平均値記憶部113は、負荷平均値算出部112により算出されるスライドドアが開動作により平均値算出区間を移動するときの負荷推定値の平均値を記憶する。閉時負荷平均値記憶部114は、負荷平均値算出部112により算出されるスライドドアが閉動作により平均値算出区間を移動するときの負荷推定値の平均値を記憶する。
ここで、負荷Fopと負荷Fclとの差は、
(Fop−Fcl)=mg(sinθ+μcosθ)−mg(−sinθ+μcosθ)=2mg・sinθ
となり、負荷Fopと負荷Fclとの差を1/2倍することにより、傾斜により生じる負荷を算出することができる。
傾斜判定部163は、傾斜負荷算出部161が算出した傾斜負荷と、傾斜判定閾値記憶部162に記憶されている傾斜閾値とを比較し、車両の前方が低い方向に傾斜しているか否かを判定し、判定した結果を速度マップ選択部151に出力する。
まず、開閉体制御装置1Aにおいて、速度マップ選択部151は、操作スイッチ5から入力された開動作の指示に応じて、通常ドア速度マップ部152を選択する(ステップS401)。
スライドドアの位置が全閉状態でない場合(ステップS402:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
一方、スライドドアの位置が全閉状態である場合(ステップS402:Yes)、負荷平均値算出部112は、ドア移動方向検出部132が出力する移動方向が開方向であるとき、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、開動作における平均値算出区間での負荷推定値の平均値を算出し、算出した負荷推定値の平均値を開時負荷平均値記憶部113に出力して記憶させる(ステップS403)。
その後、速度マップ選択部151は、操作スイッチ5から入力された閉動作の指示に応じて、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置からスライドドアが全開状態の位置にあるか否かを判定する(ステップS405)。
スライドドアの位置が全開状態でない場合(ステップS405:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
一方、スライドドアの位置が全開状態である場合(ステップS405:Yes)、負荷平均値算出部112は、ドア移動方向検出部132が出力する移動方向が閉方向であるとき、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、閉動作における平均値算出区間での負荷推定値の平均値を算出し、算出した負荷推定値の平均値を閉時負荷平均値記憶部114に出力して記憶させる(ステップS406)。
傾斜判定部163は、傾斜負荷算出部161が算出した傾斜負荷が、傾斜判定閾値記憶部162から読み出した閾値(第3の判定値)以上か否か、すなわち、スライドドアが閉まる方向に加速するか否かを判定(推定)する(ステップS408)。
傾斜負荷が閾値より小さい場合(ステップS408:No)、速度マップ選択部151は、スライドドアの移動速度の設定処理を終了し、スライドドアの開閉操作において、通常ドア速度マップ部152に記憶されている目標速度を読み出して、駆動制御部14に出力する。
傾斜負荷が閾値以上の場合(ステップS408:Yes)、温度判定部171は、傾斜負荷算出部161が算出した傾斜負荷、開時負荷平均値記憶部113及び閉時負荷平均値記憶部114それぞれに記憶されている負荷推定値の平均値より摩擦係数μを算出し、算出した摩擦係数μが、温度判定閾値記憶部172から読み出した閾値以上か否かを判定する(ステップS409)。
算出した摩擦係数μが閾値より小さい場合(ステップS409:No)、速度マップ選択部151は、通常ドア速度マップ部152に替わり、常温・高温用の傾斜時ドア速度マップ部154aを選択し(ステップS411)、スライドドアの開閉操作において、常温・高温用の傾斜時ドア速度マップ部154aから目標速度を読み出す。
速度マップ選択部151は、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置を判定し、スライドドアが全閉状態の位置に移動するのを待ち(ステップS412)、スライドドアの位置が全閉状態の位置になると、挟み込み判定閾値の設定の処理を終了する。
上述の動作により、開閉体制御装置1Aにおいて、速度マップ選択部151が、挟み込み判定に用いる閾値が記憶された通常ドア速度マップ部152、常温・高温用の傾斜時ドア速度マップ部154a、及び、低温用の傾斜時ドア速度マップ部154bのうちいずれか1つを選択して、駆動制御部14が、速度マップ選択部151が選択したマップ部に記憶されている目標速度により、モータ3の駆動制御を行う。
これにより、車両の前方が低い方に向かって傾斜している場合、すなわち、閉動作において傾斜によりドアの移動速度が上がりやすくなる場合、速度マップ選択部151は、開閉動作に用いる目標速度が通常より小さい常温・高温用の傾斜時ドア速度マップ部154a、又は、低温用の傾斜時ドア速度マップ部154bを選択して、スライドドアの運動エネルギーが傾斜により増加することを防ぎ、物体がスライドドアに挟まった際のモータ3に生じる負荷の変化を検出しやすくすることで、挟み込み判定の精度を高めて、挟み込み判定を適切に行うことが可能になる。
図9は、第4実施形態におけるモータ装置400、及び、開閉体制御装置1Bの構成を示す概略ブロック図である。モータ装置400は、開閉体制御装置1B、ドライバ2、モータ3、電流検出回路4、操作スイッチ5、ドア位置センサ6、及び、クラッチ7を具備する。モータ装置400は、図1に示す第1実施形態のモータ装置100と比べ、開閉体制御装置1B以外同じ構成であり、対応する構成には同じ符号(2〜7)を付してその説明を省略する。
まず、開閉体制御装置1Bにおいて、負荷閾値選択部123は、操作スイッチ5から入力された開動作の指示に応じて、通常負荷閾値マップ部124を選択する。(ステップS501)。
スライドドアの位置が全閉状態でない場合(ステップS502:No)、負荷閾値選択部123は、挟み込み閾値の設定の処理を終了し、挟み込み判定において、通常負荷閾値マップ部124に記憶されている閾値を読み出す。
一方、スライドドアの位置が全閉状態である場合(ステップS502:Yes)、負荷平均値算出部112は、ドア移動方向検出部132が出力する移動方向が開方向であるとき、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、開動作における平均値算出区間での負荷推定値の平均値を算出し、算出した負荷推定値の平均値を開時負荷平均値記憶部113に出力して記憶させる(ステップS503)。
その後、負荷閾値選択部123は、操作スイッチ5から入力された閉動作の指示に応じて、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置からスライドドアが全開状態の位置にあるか否かを判定する(ステップS505)。
スライドドアの位置が全開状態でない場合(ステップS505:No)、負荷閾値選択部123は、挟み込み閾値の設定の処理を終了し、挟み込み判定において、通常負荷閾値マップ部124に記憶されている閾値を読み出す。
一方、スライドドアの位置が全開状態である場合(ステップS505:Yes)、負荷平均値算出部112は、ドア移動方向検出部132が出力する移動方向が閉方向であるとき、負荷算出部111が算出するモータ3の負荷推定値から、閉動作における平均値算出区間での負荷推定値の平均値を算出し、算出した負荷推定値の平均値を閉時負荷平均値記憶部114に出力して記憶させる(ステップS506)。
傾斜判定部163は、傾斜負荷算出部161が算出した傾斜負荷が、傾斜判定閾値記憶部162から読み出した閾値(第3の判定値)以上か否かを判定する(ステップS508)。
傾斜負荷が閾値より小さい場合(ステップS508:No)、負荷閾値選択部123は、挟み込み判定閾値の設定の処理を終了し、挟み込み判定において、通常負荷閾値マップ部124に記憶されている閾値を読み出す。
傾斜負荷が閾値以上の場合(ステップS508:Yes)、温度判定部171は、傾斜負荷算出部161が算出した傾斜負荷、開時負荷平均値記憶部113及び閉時負荷平均値記憶部114それぞれに記憶されている負荷推定値の平均値より摩擦係数μを算出し、算出した摩擦係数μが、温度判定閾値記憶部172から読み出した閾値以上か否かを判定する(ステップS509)。
算出した摩擦係数μが閾値より小さい場合(ステップS509:No)、負荷閾値選択部123は、通常負荷閾値マップ部124に替わり、常温・高温用の傾斜時負荷閾値マップ部125aを選択し(ステップS511)、挟み込み判定において、常温・高温用の傾斜時負荷閾値マップ部125aから閾値を読み出す。
負荷閾値選択部123は、ドア位置検出部131が出力するスライドドアの位置を判定し、スライドドアが全閉状態の位置に移動するのを待ち(ステップS512)、スライドドアの位置が全閉状態の位置になると、挟み込み判定閾値の設定の処理を終了する。
上述の動作により、開閉体制御装置1Bは、負荷閾値選択部123が、挟み込み判定に用いる閾値が記憶された通常負荷閾値マップ部124、常温・高温用の傾斜時負荷閾値マップ部125a、及び、低温用の傾斜時負荷閾値マップ部125bのどちらか1つを選択して、挟込判定部121が、負荷閾値選択部123が選択したマップ部に記憶されている閾値により挟み込み判定を行う。これにより、車両の前方が低い方に向かって傾斜している場合、すなわち、閉動作においてモータ3に掛かる負荷が小さくなる場合、開閉体制御装置1Bは、第3実施形態の開閉体制御装置1Aに比べ、負荷閾値選択部123が、挟み込み判定に用いる閾値が通常負荷閾値マップ部124より小さい閾値が記録されている常温・高温用の傾斜時負荷閾値マップ部125a、又は、低温用の傾斜時負荷閾値マップ部125bを選択して、挟み込み判定の精度を高めるので、挟み込み判定を適切に行うことが可能になる。また、温度判定部171が摩擦係数を算出して、著しい温度変化を検出することにより、摩擦係数の変化に対応することで挟み込み判定の精度を高めることができる。
1、1A、1B…開閉体制御装置、2…ドライバ、3…モータ、4…電流検出回路、5…操作スイッチ、6…ドア位置センサ、7…クラッチ
11、11A…負荷処理部、111…負荷算出部、112…負荷平均値算出部、113…開時負荷平均値記憶部、114…閉時負荷平均値記憶部
12、12A…挟込処理部、121…挟込判定部、122…負荷閾値マップ部、123…負荷閾値選択部、124…通常負荷閾値マップ部、125、125a、125b…傾斜時負荷閾値マップ部
13…ドア情報処理部、131…ドア位置検出部、132…ドア移動方向検出部、14…駆動制御部
15、15A…速度マップ処理部、151…速度マップ選択部、152…通常ドア速度マップ部、153、154、154a、154b…傾斜時ドア速度マップ部
16…傾斜処理部、161…傾斜負荷算出部、162…傾斜判定閾値記憶部、163…傾斜判定部
17…温度処理部、171…温度判定部、172…温度判定閾値記憶部
Claims (11)
- 開閉体の開閉動作を行うモータに電圧及び電流を印加して駆動させる駆動制御部と、
前記モータに印加する電圧及び電流から該モータの負荷を算出する負荷処理部と、
前記開閉体を閉める場合、前記負荷処理部が算出する負荷の変化量に応じて前記開閉体の挟み込み判定を行う挟込処理部と、
前記開閉体が閉じる速度の目標値である第1の目標速度が記憶された通常ドア速度マップ部と、
前記開閉体が閉じる速度の目標値である前記第1の目標速度より遅い第2の目標速度が記憶された傾斜時ドア速度マップ部と、
前記負荷処理部が算出した負荷に応じて、前記通常ドア速度マップ部と前記傾斜時ドア速度マップ部とのいずれか一方を選択する速度マップ選択部と
を備え、
前記駆動制御部は、
前記速度マップ選択部が前記通常ドア速度マップ部を選択した場合、前記通常ドア速度マップ部から読み出した前記第1の目標速度となるように前記開閉体を移動させる電圧を前記モータに印加し、前記速度マップ選択部が前記傾斜時ドア速度マップ部を選択した場合、前記傾斜時ドア速度マップ部から読み出した前記第2の目標速度となるように前記開閉体を移動させる電圧を前記モータに印加する
ことを特徴とする開閉体制御装置。 - 前記速度マップ選択部は、
前記開閉体の開動作における前記負荷処理部の算出した前記モータの負荷の平均値が、予め定められた第1の判定値より大きい場合、前記傾斜時ドア速度マップ部を選択し、前記負荷処理部の算出した前記モータの付加が予め定められた前記第1の判定値以下の場合、前記通常ドア速度マップ部を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。 - 前記第1の判定値は、前記開閉体が傾斜により加速して閉まる方向に移動するか否かを判定する値であり、前記負荷処理部が算出した前記平均値が、該第1の判定値より大きい場合、前記速度マップ処理部は、前記開閉体が傾斜により閉まる方向に加速すると推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の開閉体制御装置。 - 前記速度マップ選択部は、
前記開閉体の閉動作における前記負荷処理部の算出した前記モータの負荷の平均値が、予め定められた第2の判定値より小さい場合、前記傾斜時ドア速度マップ部を選択し、前記負荷処理部の算出した前記モータの負荷が前記第2の判定値より大きい場合、前記通常ドア速度マップ部を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。 - 前記第2の判定値は、前記開閉体が傾斜により加速して閉まる方向に移動するか否かを判定する値であり、前記負荷処理部が算出した前記平均値が、該第2の判定値より小さい場合、前記速度マップ処理部は、前記開閉体が傾斜により閉まる方向に加速すると推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の開閉体制御装置。 - 前記速度マップ選択部は、
前記開閉体の開動作における前記負荷処理部が算出した前記モータの負荷の平均値と、前記開閉体の閉動作における前記負荷処理部が算出した前記モータの負荷の平均値との差が予め定められた第3の判定値以上の場合、前記傾斜時ドア速度マップ部を選択し、前記開閉体の開動作における前記モータの負荷の平均値と、前記開閉体の閉動作における前記モータの負荷の平均値との差が前記第3の判定値より小さい場合、前記通常ドア速度マップ部を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。 - 前記第3の判定値は、前記開閉体が傾斜により加速して閉まる方向に移動するか否かを判定する値であり、前記平均値の差が、該第3の判定値より小さい場合、前記傾斜処理部は、前記開閉体が傾斜により閉まる方向に加速すると推定する
ことを特徴とする請求項6に記載の開閉体制御装置。 - 前記負荷処理部の算出した開動作及び閉動作における前記モータの負荷の平均値の差と、前記負荷処理部の算出した閉動作における前記モータの負荷とから、前記開閉体の開閉動作における摩擦係数を算出し、算出した前記摩擦係数から前記開閉体の近傍の温度を判定する温度判定部、を備え、
前記第2の目標速度は、更に、温度に対応付けられて、前記傾斜時ドア速度マップ部に記憶される
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の開閉体制御装置。 - 前記負荷処理部が算出する前記モータの負荷の平均値は、予め定められた区間を前記開閉体が移動する際に算出された負荷の平均値である
ことを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の開閉体制御装置。 - 前記開閉体が閉動作において物体を挟み込んだか否かを判定する基準値である第1の閾値が前記開閉体の位置ごとに対応付けて記憶された通常負荷閾値マップ部と、
前記通常負荷閾値マップ部が記憶する前記第1の閾値より小さい第2の閾値が前記開閉体の位置ごとに対応付けて記憶された傾斜時負荷閾値マップ部と、
を備え、
前記挟込処理部は、
前記負荷処理部により算出された前記モータの負荷に応じて前記通常負荷閾値マップ部と前記傾斜時負荷閾値マップ部とのいずれか一方を選択し、前記通常負荷閾値マップ部を選択した場合、前記通常負荷閾値マップ部から読み出した前記第1の閾値と、前記負荷処理部が算出した負荷の変化量とを比較し、前記傾斜時負荷閾値マップ部を選択した場合、前記傾斜時負荷閾値マップ部から読み出した前記第2の閾値と、前記負荷処理部が算出した負荷の変化量とを比較して前記開閉体の挟み込み判定を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の開閉体制御装置。 - 前記挟込処理部は、
前記速度マップ選択部が通常ドア速度マップ部を選択する場合、通常負荷閾値マップ部を選択し、前記速度マップ選択部が傾斜時ドア速度マップ部を選択する場合、傾斜時負荷閾値マップ部を選択する
ことを特徴とする請求項10に記載の開閉体制御装置。
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