JP2005104678A - エレベータドア制御装置 - Google Patents

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JP2005104678A JP2003342016A JP2003342016A JP2005104678A JP 2005104678 A JP2005104678 A JP 2005104678A JP 2003342016 A JP2003342016 A JP 2003342016A JP 2003342016 A JP2003342016 A JP 2003342016A JP 2005104678 A JP2005104678 A JP 2005104678A
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Abstract

【課題】 遮煙用ドアを考慮した補償タイミングも含む適切なトルク補償値を印加し、過負荷検出の余裕度を確保し、過負荷検出性能の向上を図ることにある。
【解決手段】 ドアモータ1の駆動により開閉するかごドア4及びこのかごドアに係合してドア開閉を行う遮煙用パッキン15を施したホールドア14を有するドア機構と、速度指令とドアモータの実速度との偏差信号に基づいてドアモータのトルク指令を出力する速度制御系24〜28と、この速度制御系の出力によりドアモータを制御し、当該速度制御系の出力と予め定める所定のリミット値とを比較し、過負荷状態を検出する過負荷検出系Bと、当該かごドアとホールドアとの係合による印加タイミング信号を出力するトルク補償タイミング出力手段41及びこの印加タイミング信号に基づいて予め定めたトルク補償値を速度制御系の出力に印加するトルク補償印加手段42を有するトルク補償制御系Aとを備えたエレベータドア制御装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレベータのドアを制御するエレベータドア制御装置に関する。
従来のかごドア機構は、図7に示すようにドア駆動用モータ1の他、所定の位置関係で複数のプーリ2,…が配置され、ドア駆動用モータ1の回転軸とプーリ2,…とに無端ベルト3が掛け渡され、この無端ベルト3には左右2枚のかごドア4,4が開閉摺動可能に吊下げ連結され、ドア駆動用モータ1の駆動によってベルト3が所要の方向に移動し、2枚のかごドア4,4が開閉動作する構成となっている。
図8はホールドア機構を示す図であって、かごドア4が10mm程度開いたときに遮煙機能をもったホールドアが係合し、両ホールドアが開放する構成となっている。すなわち、遮煙機能をもったホールドア機構は、2つのプーリ11と12との間に無端ベルト13が掛け渡され、この無端ベルト13に左右2枚のホールドア14,14が開閉摺動可能に吊下げ連結されている。これらホールドア14,14の上下又は上下左右にはそれぞれ遮煙用パッキン15が取り付けられている。さらに、両ホールドア14,14の遮煙用パッキン15の摩擦力に打ち勝って両ホールドア14,14の自閉力を確保するために、無端ベルト13と一方のホールドア14との連結部にワイヤ16が接続され、そのワイヤ端部にはクローザー17が吊り下げられている。18は所定位置にクローザー17を吊下げるためのワイヤ中継用プーリである。
図9は従来のエレベタドア制御装置の構成図である。同図において、21はエレベータの運転状況に応じてドア開閉制御指令及び遮煙ドア信号を出力するエレベータシーケンス制御器、22はエレベータシーケンス制御器21からのドア制御指令などに基づいてドア開、ドア閉、リオープンといったドア制御指令を出力するドアシーケンス制御器、23は速度指令発生器であって、ドア制御指令と前述するドア駆動用モータ1に取り付けられたパルスエンコーダ24のパルス計数値から算出されるドア位置演算器25がドア位置Xdとから速度指令Vrefを決定し、偏差演算要素26に送出する。この偏差演算要素26は、速度指令Vrefとパルスエンコーダ24のパルス計数値から算出するモータ速度演算器27からのモータ実速度Vmとの偏差を演算し、速度偏差信号を速度制御器28に送出する。
この速度制御器28は、偏差演算要素26から出力される速度偏差信号が零となるようなトルク指令値Tpiを算出し、この算出されたトルク指令値Tpiとトルク補償印加手段29から出力されるトルク補償値Tcmpとを加算してなるトルク指令値Tref,すなわち電流指令値Irefを取り出し、電流制御器30に送出する。この電流制御器30は、電力変換器31の出力部に接続される電流検出器32の出力であるモータ電流Imと電流指令値Irefとの電流偏差信号とに基づき、電力変換器31に対する電流制御信号を出力する。この電力変換器31は、電流制御信号のもとに商用交流電源33からの交流電力を所要の電力に変換してドア駆動用モータ1に供給し、ドアの開閉制御に用いられる。
34は過負荷検出リミッタ、35は過負荷検出手段である。この過負荷検出手段35は、トルク指令値Tpiと過負荷検出リミッタ34の過負荷リミッタ値OLlimとを比較し、トルク指令値Tpiが過負荷リミッタ値OLlimを越えたとき、過負荷異常状態であることを発報する。
なお、トルク補償印加手段29から印加されるトルク補償値Tcmpは、過負荷検出手段35への過負荷検出用データとして使用されるトルク指令値Tpiの変動を抑えること、また一定速度期間にトルク指令値Tpiを零とするために印加される。従来では、ドア閉端確認用スイッチがオフのとき、つまり両ドアがある距離まで閉じない限りスイッチがオフ状態となり、このオフとともにトルク補償値Tcmpが印加される。
特開平9−323877号公報
ところで、以上のようなエレベータドア制御装置では、ドア駆動用モータ1から見た負荷状態に着目してみると、ホールドア14,14のドア閉時、クローザー17のクローザー力と遮煙用パッキン15の摩擦力とが互いに相殺する関係にあるので、過負荷検出の余裕度、つまり過負荷検出データであるトルク指令値Tpiと過負荷検出リミッタOLlimとの差分は一定の検出幅が確保されている。
しかしながら、遮煙機構を備えた場合、ドア開時、クローザー力と遮煙用パッキン15の摩擦力とを加えた分がドア駆動用モータ1に負荷として加わるので、かごドア4とホールドア14との係合動作前後でドア駆動用モータ1の必要トルクが急変することになる。すなわち、かごドア4とホールドア14が係合する前は必要トルクが小さいが、両ドア4,14の係合後には過大なトルクが必要となる。その結果、速度制御器28から出力するトルク指令値Tpiの変動が大きくなり、それに伴って過負荷検出幅が小さくなる部分が発生し、過負荷でないのに過負荷状態と発報したり、過負荷であるにも拘らず、過負荷状態を発報しないなど、誤動作する可能性が非常に高くなってくる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、遮煙用ドアを考慮した適切なトルク補償値を印加し、トルク指令の変動を抑制し、過負荷検出の余裕度を確保し、過負荷検出性能の向上を図るエレベータドア制御装置を提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータドア制御装置は、ドア駆動用モータの駆動により開閉するかごドア及びこのかごドアに係合してドア開閉を行う遮煙用パッキンを施した遮煙機能をもったホールドアを有するドア機構と、少なくともドア開を含むドア制御信号とドア位置とから得られる速度指令と前記ドア駆動用モータの実速度との偏差信号に基づいてトルク指令値を演算し、このトルク指令値に基づいて当該ドア駆動用モータを制御する速度制御系と、この速度制御系から出力されるトルク指令値と予め定める所定のリミット値とを比較し、過負荷状態を検出する過負荷検出系と、前記速度制御系から出力されるトルク指令値にトルク補償値を印加するトルク補償制御系とを備え、さらにトルク補償制御系は、当該かごドアとホールドアとの係合タイミングが設定され、前記かごドア開の信号に基づいて印加タイミング信号を出力するトルク補償タイミング出力手段と、このトルク補償タイミング出力手段からの印加タイミング信号に基づいて予め定めたトルク補償値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けた構成である。
この発明は以上のような構成とすることにより、かごドアとホールドアとの係合タイミングを利用してトルク補償値を印加するので、過負荷検出の余裕度を確保でき、過負荷検出に対する誤動作を未然に回避できる。
(2) また、トルク補償制御系としては、少なくともドア開を含むドア制御信号を出力するエレベータシーケンス制御手段から遮煙機能付きドア階か否かの判別信号を送出する手段と、この判別信号に基づいて異なるトルク補償振幅値を調整出力するトルク補償振幅調整手段と、このトルク補償振幅調整手段から出力されるトルク補償振幅値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けることにより、遮煙ドア適用階と標準ドア適用階とに応じ、つまり階床に応じて、遮煙パッキンによる摩擦力とクローザーによるクローザー力とが変化するので、異なるトルク補償振幅値を出力することにより、過負荷検出の余裕度の低下を回避し、過負荷検出に対する誤動作を未然に防止する。
さらに、前記トルク補償制御系としては、各階ドアごとにドア間口データが記憶され、上位機器から階床情報を受けると、該当階床に応じたドア間口データを出力するドア間口データ記憶手段と、この記憶手段から出力されるドア間口データに基づいてトルク補償振幅値を演算する演算手段と、この演算手段で得られるトルク補償振幅値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けることにより、階床のドア間口データに応じて摩擦力が異なるが、その階のドア間口の状態を未然に把握し、適切なトルク補償振幅値を出力することにより、過負荷検出の余裕度の低下を回避し、過負荷検出に対する誤動作を未然に防止する。
本発明は、遮煙用ドアを考慮した補償タイミングも含む適切なトルク補償値を印加することができ、トルク指令の変動を抑制し、過負荷検出の余裕度を確保し、過負荷検出性能の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係るエレベータのドア制御装置の一実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図9と同一又は等価な構成部分には同一符号を付し、詳しくは図9の説明に譲る。
このエレベータのドア制御装置は、図9と同様にエレベータシーケンス制御器21、ドアシーケンス制御器22及び速度指令発生器23等が設けられ、この速度指令発生器23では、ドアシーケンス制御器22からのドア開、ドア閉、リオープンといったドア制御指令とドア位置Xdとから速度指令Vrefを決定し、偏差演算要素26に送出し、ここで速度指令Vrefとパルスエンコーダ24のパルス計数値から算出するモータ速度演算器27からのモータ実速度Vmとの偏差を演算し、速度偏差信号を速度制御器28に送出する。この速度制御器28は、偏差演算要素26から出力される速度偏差信号が零となるようなトルク指令値Tpiを算出し出力する機能をもっている。
この速度制御器28の出力側には、トルク補償制御系A及び過負荷検出系Bとが設けられている。
このトルク補償制御系Aは、トルク補償値Tcmpを印加するタイミングを設定するトルク補償タイミング出力部41と、このトルク補償タイミング出力部41からの印加タイミング信号に従ってトルク補償値Trefを印加するトルク補償印加手段42とが設けられ、このトルク補償印加手段42のトルク補償値Trefを速度制御器28から出力されるトルク指令値Tpiに加算的に印加し、トルク指令値Tref,すなわち電流指令値Irefを取り出し、電流制御器30に送出する。
このトルク補償タイミング出力部41によるトルク補償値Tcmpの印加タイミングは、かごドア4と遮煙用パッキン15を設けたホールドア14との係合タイミングと同時にトルク補償値Trefを印加するものであって、具体的にはドアシーケンス制御器22によるかごドア開検出信号を受けて所定の時間経過後に印加タイミング信号を出力する。その結果、トルク補償タイミング出力部41は、かごドア開信号を受信後、所定時間後に印加タイミング信号を出力すれば、かごドア4とホールドア14との係合タイミングと同時にトルク補償値Trefをトルク指令値Tpiに印加することができる。
また、前記過負荷検出系Bは、図9と同様に過負荷リミッタ値OLlimを出力する過負荷検出リミッタ34及び速度制御器28から出力されるトルク指令値Tpiを取り込む過負荷検出手段35が設けられ、この過負荷検出手段35では、トルク指令値Tpiと過負荷検出リミッタ34の過負荷リミッタ値OLlimとを比較し、トルク指令値Tpiが過負荷リミッタ値OLlimを越えたとき、過負荷異常状態であることを発報する機能をもっている。
次に、図2及び図3を用いてトルク補償制御について説明する。
因みに、図3は従来のエレベータのドア制御装置における各部の動作波形図であって、印加タイミングがずれた状態でトルク補償値Tcmpをトルク指令値Tpiに印加した例であり、一方、図2はかごドアにホールドアを係合するタイミングを見計らってトルク補償値Tcmpをトルク指令値Tpiに印加した例である。なお、各図の(a)はモータ速度指令Vref、(b)はドア駆動用モータ1の実速度Vm、(c)はトルク補償値Tcmp、(d)はトルク指令値Tpiを示している。
ところで、前述する図3(d)から明らかなように、かごドア開き始め後のホールドアの係合時点からトルク指令値Tpiが急激に変化する。その理由は、遮煙用パッキン15のない標準ドアに比べて、遮煙用パッキン15による摩擦力とクローザー17によるクローザー力とが増加している為であり、さらに速度制御系の制御応答の遅れも加わり、トルク指令値Tpiがオーバーシュートし、振動現象が生じている。その結果、トルク指令値Tpiのオーバーシュート時に過負荷リミッタOLlimに近づき、検出余裕度がほとんどない状態となり、過負荷検出手段35による過負荷検出の誤動作が発生し易い状態となる。
一方、トルク補償タイミング出力部41を設けた本発明に係るエレベータのドア制御装置では、図2(d)に示すように、かごドア開き始め後、所定の設定時間後,つまりかごドアにホールドアが係合するに相当するタイミングで印加タイミング信号をトルク補償印加手段42に送出するので、係合時におけるトルク指令値Tpiのオーバーシュートが無くなり、過負荷リミッタOLlimと一定の間隔をもって変化するので、他のエリアと同様に過負荷検出の余裕度を確保でき、ひいては過負荷検出に対する誤動作を未然に回避することができる。すなわち、摩擦力の増加に伴うドア開時のトルク変動に対し、かごドアとホールドアとの係合タイミングを利用して摩擦力等の増加に見合うトルク補償値を印加すれば、過負荷検出の余裕度を確保することができる。
(第2の実施の形態)
本発明に係るエレベータのドア制御装置の第2の実施の形態について説明する。
通常、建物に設置するエレベータの仕様により、遮煙ドア適用階と標準ドア適用階とが混在する場合がある。このような建物では、階床に応じて、遮煙パッキンによる摩擦力とクローザー17によるクローザー力とが変化するので、例えばトルク補償印加手段42から印加するトルク補償値Tcmpが同一の振幅である場合、過負荷検出余裕度が低下してくる問題がある。
そこで、本発明に係るエレベータのドア制御装置では、速度制御器28の出力側に図1に示すようなトルク補償制御系Aを設けるものとする。
このトルク補償制御系Aは、エレベータシーケンス制御器21から遮煙ドア適用階か否かの判別信号DSGを出力する手段と、この判別信号DSGに基づいて遮煙ドア適用階か否かを判別し、異なるトルク補償振幅値を調整出力するトルク補償振幅調整部43と、このトルク補償振幅調整部43により調整された異なるトルク補償振幅値をトルク補償値Tcmpとし、速度制御器28のトルク指令値Tpiに印加するトルク補償印加手段42とが設けられている。
従って、このトルク補償制御系Aは、新たに遮煙ドア適用階か否かの判別信号DSGを出力する手段及びトルク補償振幅調整部43を設け、トルク補償値Tcmpの振幅を調整できるようにしたものであり、その他の構成は図9と同様であるので、それらの構成部分については図9の説明に譲る。
次に、この第2の実施の形態に係るドア制御装置の動作について図4及び図5を参照して説明する。
図4はエレベータ乗りかごが標準ドア適用階に着床する例を説明し、図5はエレベータ乗りかごが遮煙ドア適用階に着床する例を説明するドア制御装置各部の動作波形図である。これら各図の(a)はモータ速度指令Vref、(b)はドア駆動用モータ1の実速度Vm、(c)はトルク補償値Tcmp、(d)はトルク指令値Tpiを示す。
先ず、エレベータシーケンス制御器21は、遮煙ドア適用階か否かの判別信号DSGを出力し、トルク補償振幅調整部43に送出する。このトルク補償振幅調整部43は、エレベータシーケンス制御器21からの判別信号DSGがオフ,つまり標準ドア適用階であると判別した時、図4(c)に示す如くトルク補償振幅値TNRMをトルク補償印加手段42にセットし、このトルク補償印加手段42からトルク補償値Tcmpとしてトルク指令値Tpiに印加する。
一方、トルク補償振幅調整部43は、エレベータシーケンス制御器21からの判別信号DSGがオン,つまり遮煙ドア適用階であると判別した時、図5(c)に示す如くトルク補償振幅値TDSGをトルク補償印加手段42にセットし、このトルク補償印加手段42からトルク補償値Tcmpとしてトルク指令値Tpiに印加する。
従って、以上のような実施の形態によれば、図4に示すように標準ドア適用階の場合であるが、この標準ドアと遮煙ドアとを区別しないトルク補償値共通の場合を考えたとき、トルク補償値振幅TNRMが小さすぎることから、遮煙ドア適用階の場合には問題となるが、標準ドア適用階(図4参照)と遮煙ドア適用階(図5参照)とを分けて、トルク補償値振幅TNRM、TDSGとをそれぞれトルク補償値Tcmpとすれば、例えば遮煙ドア適用階の場合でも図5に示すごとく過負荷検出の余裕度を十分に確保でき、過負荷検出の誤動作を回避することができる。
なお、この実施の形態では、トルク補償振幅出力部43を設け、遮煙ドア適用階か標準ドア適用階かに応じて異なるトルク補償振幅値を印加するようにしてが、このときに実施の形態1で述べたトルク補償タイミング出力部41も同時に併用し、かごドアとホールドアとの係合タイミングを利用して異なるトルク補償振幅値を印加すれば、さらに過負荷検出の余裕度を確保し、更なる過負荷検出性能の向上を図ることができる。
(第3の実施の形態)
図6は本発明に係るエレベータのドア制御装置の第3の実施の形態を説明するトルク補償制御系Aの構成図である。
通常、ドア間口に応じて遮煙用パッキンによる摩擦力が変化するので、過負荷検出余裕度を確保するには、異なる間口のドア毎に最適なトルク補償値の振幅であることが望ましいものであり、このような観点から本発明を実現するに至った。
すなわち、このトルク補償制御系Aは、前述するトルク補償タイミング出力部41の他、各階ドア毎にドア間口Ldが記憶されているドア間口記憶部51と、このドア間口記憶部51から出力されるドア間口Ldに基づいてトルク補償値振幅を演算するトルク補償振幅演算部52と、トルク補償印加手段42とが設けられている。
次に、以上のようなトルク補償制御系Aを用いた場合のトルク補償について説明する。
今、エレベータシーケンス制御器21又はドアシーケンス制御器22から階床情報をドア間口記憶部51に送出すると、このドア間口記憶部51から該当階床のドア間口Ldが送出され、トルク補償振幅演算部52に送られる。
ここで、トルク補償振幅演算部52は、ドア間口Ldに基づいてトルク補償値振幅を算出するが、算出に当たっては以下のような関係が存在する。すなわち、遮煙用パッキンによる摩擦力はドア間口とほぼ線形的な関係にある。このことはドア間口データから遮煙用パッキンによる摩擦力を見出すことができる。また、遮煙用パッキンによる摩擦力=クローザー力となるようにクローザー力が設定されているので、(摩擦力)+(クローザー力)∝ドア間口∝トルク補償値Tcmp振幅の関係が成立する。
ここで、今、代表的なドア間口をLdref、当該ドア間口Ldrefのトルク補償値の振幅Tampとすると、任意のドア間口Ldに対するトルク補償値の振幅は、以下の演算式によって求めることができる。
(Ld/Ldref)×Tamp (1)
よって、トルク補償振幅演算部52は、ドア間口記憶部51からのドア間口Ldに基づいて前記(1)式の演算によってトルク補償値の振幅を求めた後、トルク補償印加手段42に設定し、この演算によって求めたトルク補償値振幅をトルク補償値Tcmpとし、速度制御器28から出力されるトルク指令Tpiに加算的に印加する。
従って、以上のような実施の形態によれば、各階のドア間口の大きさに係らず、ドア間口に応じて遮煙用パッキンによる摩擦力を考慮しつつ、トルク補償値の振幅を決定し、トルク指令Tpiに印加するようにしたので、図5と同様な動作波形,つまり過負荷検出の余裕度を十分に確保でき、過負荷検出の誤動作を回避することができる。
なお、実施の形態1で述べたトルク補償タイミング出力部41も同時に併用し、かごドアとホールドアとの係合タイミングを利用してトルク補償振幅値を印加すれば、さらに過負荷検出の余裕度を確保し、更なる過負荷検出性能の向上を図ることができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明に係るエレベータのドア制御装置の一実施の形態を示す構成図。 図1に示すドア制御装置を用いた場合の各部の動作波形図。 従来のドア制御装置を用いた場合の各部の動作波形図。 本発明に係るエレベータのドア制御装置の他の実施の形態を説明する標準ドア適用階の場合の動作波形図。 本発明に係るエレベータのドア制御装置の他の実施の形態を説明する遮煙ドア適用階の場合の動作波形図。 本発明に係るエレベータのドア制御装置の他の実施の形態を説明するトルク補償制御系の構成図。 一般的なかごドア駆動機構を示す図。 一般的な遮煙ドア機構を備えたホールドア駆動機構を示す図。 従来のエレベータのドア制御装置を示す構成図。
符号の説明
1…ドア駆動用モータ、4…かごドア、14…ホールドア、15…遮煙用パッキン、17…クローザー、21…エレベータシーケンス制御器、22…ドアシーケンス制御器、23…速度指令発生器、24…パルスエンコーダ、25…ドア位置演算器、26…偏差演算要素、27…モータ速度演算器、28…速度制御器、29…トルク補償印加手段、30…電流制御器、31…電力変換器、32…電流検出器、33…商用交流電源、B…過負荷検出系、34…過負荷検出リミッタ、35…過負荷検出手段、A…トルク補償制御系、41…トルク補償タイミング出力部、42…トルク補償印加手段、43…トルク補償振幅調整部、51…ドア間口記憶部、52…トルク補償振幅演算部。

Claims (4)

  1. ドア駆動用モータの駆動により開閉するかごドア及びこのかごドアに係合してドア開閉を行う遮煙用パッキンを施した遮煙機能をもったホールドアを有するドア機構と、少なくともドア開を含むドア制御信号とドア位置とから得られる速度指令と前記ドア駆動用モータの実速度との偏差信号に基づいてトルク指令値を演算し、このトルク指令値に基づいて当該ドア駆動用モータを制御する速度制御系と、この速度制御系から出力されるトルク指令値と予め定める所定のリミット値とを比較し、過負荷状態を検出する過負荷検出系と、前記速度制御系から出力されるトルク指令値にトルク補償値を印加するトルク補償制御系とを備えたエレベータドア制御装置において、
    前記トルク補償制御系は、当該かごドアとホールドアとの係合タイミングが設定され、前記かごドア開の信号に基づいて印加タイミング信号を出力するトルク補償タイミング出力手段と、このトルク補償タイミング出力手段からの印加タイミング信号に基づいて予め定めたトルク補償値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けたことを特徴とするエレベータドア制御装置。
  2. ドア駆動用モータの駆動により開閉するかごドア及びこのかごドアに係合してドア開閉を行う遮煙用パッキンを施した遮煙機能をもったホールドアを有するドア機構と、少なくともドア開を含むドア制御信号とドア位置とから得られる速度指令と前記ドア駆動用モータの実速度との偏差信号に基づいてトルク指令値を演算し、このトルク指令値に基づいて当該ドア駆動用モータを制御する速度制御系と、この速度制御系から出力されるトルク指令値と予め定める所定のリミット値とを比較し、過負荷状態を検出する過負荷検出系と、前記速度制御系から出力されるトルク指令値にトルク補償値を印加するトルク補償制御系とを備えたエレベータドア制御装置において、
    前記トルク補償制御系は、前記少なくともドア開を含むドア制御信号を出力するエレベータシーケンス制御手段から遮煙機能付きドア階か否かの判別信号を送出する手段と、この判別信号に基づいて異なるトルク補償振幅値を調整出力するトルク補償振幅調整手段と、このトルク補償振幅調整手段から出力されるトルク補償振幅値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けたことを特徴とするエレベータドア制御装置。
  3. ドア駆動用モータの駆動により開閉するかごドア及びこのかごドアに係合してドア開閉を行う遮煙用パッキンを施した遮煙機能をもったホールドアを有するドア機構と、少なくともドア開を含むドア制御信号とドア位置とから得られる速度指令と前記ドア駆動用モータの実速度との偏差信号に基づいてトルク指令値を演算し、このトルク指令値に基づいて当該ドア駆動用モータを制御する速度制御系と、この速度制御系から出力されるトルク指令値と予め定める所定のリミット値とを比較し、過負荷状態を検出する過負荷検出系と、前記速度制御系から出力されるトルク指令値にトルク補償値を印加するトルク補償制御系とを備えたエレベータドア制御装置において、
    前記トルク補償制御系は、各階ドアごとにドア間口データが記憶され、上位機器から階床情報を受けると、該当階床に応じたドア間口データを出力するドア間口データ記憶手段と、この記憶手段から出力されるドア間口データに基づいてトルク補償振幅値を演算する演算手段と、この演算手段で得られるトルク補償振幅値を前記トルク指令値に印加するトルク補償印加手段とを設けたことを特徴とするエレベータドア制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のエレベータドア制御装置において、
    前記かごドアとホールドアとの係合タイミングが設定され、前記かごドア開の信号に基づいて印加タイミング信号を出力するトルク補償タイミング出力手段を設け、このトルク補償タイミング出力手段からの印加タイミング信号に基づいて前記トルク補償振幅値を印加可能にしたことを特徴とするエレベータドア制御装置。
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