JP2006018341A - 外部記憶装置用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】書き換え可能な外部記憶装置に記憶されたデータの正誤を正確に判定する。
【解決手段】メモリ6に3つのエリア1〜3を設け、各エリアに、互いに同一となるデータを格納するデータ格納エリア6aとエリア毎に算出されたチェックサムを格納するチェックサム格納エリア6bとを設ける。CPU3では、各チェックサムを多数決したものを入れる基準チェックサム格納エリア3aと、各データを多数決したものを入れる制御定数格納エリア3bと、制御定数格納エリアのチェックサムを入れる制御定数チェックサム格納エリア3cと、基準チェックサムと制御定数チェックサムとを比較する比較部3dとを設け、両チェックサムが一致したら制御定数を正しいとする。データを異なる方法で二重にチェックすることになり、多数決されたデータや基準チェックサムのエリアを正しいと判断することによるデータの誤判定を確実に防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、外部記憶装置用制御装置に関するものである。
従来、外部記憶装置としてEEPROMを用い、そのEEPROMに制御に必要なデータを記憶し、制御で必要になった場合にEEPROMからデータを読み出して制御定数とする外部記憶装置用制御装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平05−216776号公報(第3−4頁、図3)
上記制御定数を、例えば車両の開閉体(パワーウィンドウやパワースライドドアなど)の開閉制御における挟み込み判定の時のしきい値として用いることができる。しきい値には、例えば開閉体の速度(モータ回転速度など)や負荷(モータ電流など)が適用される。開閉体の速度で挟み込み判定を行う場合には、開閉体の速度が温度や傾斜の度合いなどで変化するためそれに対応した挟み込み判定しきい値を決めておく必要があり、例えば作動時の開閉速度から挟み込み判定しきい値を決めてEEPROMにデータとして記憶させる。
EEPROMにあっては、上記特許文献に記載されているように書き込み回数の補償に制限があり、そのため記憶されているデータの正誤を判定して用いる必要がある。そのため、例えば、EEPROMの内部を複数のエリアに分割し、各エリアに同じデータを格納し、EEPROMからデータをCPUに読み出す時に、各エリアにおいて同じデータを格納した各アドレスからデータを読み出して多数決を取り、その結果に基づくデータを制御定数として用いることができる。
しかしながら、EEPROMに書き込む時に複数のエリアに同一のデータを書き込んでいるが、何らかの不具合により複数のデータが同一の間違った値となってしまった場合には間違って記憶された方のデータの数が多くなって、正しいはずのデータが誤りであるとされ、間違ったデータを正として制御定数として用いてしまうという問題がある。
また、上記特許文献に記載されているように、各エリアにデータ格納エリアとチェックサム格納エリアとを設け、読み出し時に各エリア内で記憶されているデータからチェックサムを算出し、同エリア内にてチェックサム格納エリアのチェックサムと読み出し時に算出されたチェックサムとを比較し、多数決で正しいエリアを決定する。そのエリアに記憶されているデータを制御定数として用いることができる。
しかしながら、このチェックサム同士を比較する多数決による場合にあっても、データは間違っているがチェックサムが正常な値となると、そのエリアのデータが正しいと判断してしまう。そのような場合には誤ったデータが用いられてしまうという問題がある。
このような課題を解決して、書き換え可能な外部記憶装置に記憶されたデータの正誤を正確に判定し得ることを実現するために本発明に於いては、書き換え可能な外部記憶装置に記憶されているデータを読み出して制御定数として決定する制御部を有する外部記憶装置用制御装置であって、前記外部記憶装置が、少なくとも3つ以上のエリアを有すると共に、前記エリアが前記データを格納するデータ格納エリアとチェックサムを格納するチェックサム格納エリアとを有し、各前記エリアの各前記データ格納エリアにそれぞれ同一のデータ群が格納され、かつ前記エリア毎に算出したチェックサムが前記チェックサム格納エリアに格納され、前記制御部が、各前記チェックサム格納エリアから読み出したチェックサムにより基準チェックサムを決定する第1判定手段と、各前記データ格納エリアから読み出した対応する各データにより制御定数を決定しかつ当該制御定数からなる制御定数群により制御定数チェックサムを算出する第2判定手段と、前記基準チェックサムと前記制御定数チェックサムとが一致するか否かを判定する第3判定手段とを有し、前記第3判定手段により前記一致すると判定され場合には前記制御定数を正しい値とするものとした。
特に、前記基準チェックサムが、各前記チェックサム格納エリアから読み出した各チェックサムが全て一致することにより決定されると良い。また、前記制御定数は、各前記データ格納エリアから対応する各データを読み出し、多数決により決定されると良い。また、前記制御定数が、車両の開閉体を開閉制御する場合に用いられるしきい値であると良い。
このように本発明によれば、各エリアのチェックサムから決定される基準チェックサムと、個々のデータ群(制御定数群)から決定されるチェックサム(制御定数チェックサム)とを比較して、一致すると判定されたら制御定数を正しい値とすることから、データを異なる方法で二重にチェックすることになり、多数決されたデータをそのまま用いたり、多数決された基準チェックサムのエリアを正しいと判断したりすることによるデータの誤判定を確実に防止することができる。
また、制御定数の決定において、各データ格納エリアから対応する各データを読み出し、多数決をとることにより、確実な判定を行うことができる。
特に、基準チェックサムの決定において、各エリアの各チェックサム同士が全て一致しているとすることにより、確実な判定を行うことができる。さらに、制御定数の決定において、各データ格納エリアから対応する各データを読み出し、多数決をとることにより、より一層確実な判定を行うことができる。また、このようにして判定された制御定数を車両の開閉体を開閉制御する場合の例えば挟み込み判定に用いるしきい値とすることにより、車両のように使用環境の変化の影響を受けるため変える必要があるしきい値を格納するために書き換え可能な外部記憶装置を用いる場合に、その外部記憶装置に格納されたデータの正誤を確実に判定することが重要であるため特に有効である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用されたパワーウィンドウ装置の一例を示すブロック図である。なお、本発明の適用は、パワーウィンドウ装置に限られるものではなく、パワースライドドア装置など車両用開閉体の自動制御装置に好適である。
図1に示されるように、制御装置1には、運転席などに設けられたオート操作スイッチ2a及びマニュアル操作スイッチ2bの各開閉操作信号に応じて自動または手動開閉制御信号を出力する制御部としてのCPU3と、その開閉制御信号に応じてモータ4を正逆転駆動制御するための駆動回路5と、書き換え可能な外部記憶装置としてのEEPROMからなるメモリ6とが設けられている。駆動回路5からの駆動信号に応じてモータ4が正逆転して、モータ4に例えばリンク機構を介して連結された開閉体としてのウィンドウ7が開閉動作する。
また、ウィンドウ7の開閉速度や変位を検出するべくモータ4の回転を検出するための回転センサ8が設けられており、回転センサ8からの回転パルス信号がCPU3に入力するようになっている。なお、CPU3では、オート操作スイッチ2aの開/閉の信号が入力された場合には連続した開/閉制御信号を出力し、マニュアル操作スイッチ2bの開/閉信号が入力された場合には操作されている間だけ開/閉制御信号を出力する。
メモリ6には、ウィンドウ8の挟み込み判定に用いるしきい値(判定値)を記憶しておく。しきい値の対象としては、ウィンドウ8の開閉速度(モータ回転速度など)や負荷(モータ電流など)であって良く、またそれらを組み合わせて判断するようにしても良い。例えば開閉速度で判定する場合には、回転センサ8からの入力信号から実開閉速度を算出すると共に、メモリ6から読み出したデータ(制御定数)により挟み込み判定領域やしきい値を設定し、そのしきい値に対して実開閉速度が下回るか否かで行うことができる。
自動車などの車両にあっては、その使用される環境により温度の変化が大きく、ウィンドウ8の開閉速度が一定しない。例えば温暖地に対して寒冷地で使用される場合には開閉速度が遅くなる。そのため、上記したような挟み込み判定のためのしきい値を予め一定値に設定しておくことはできず、その都度適切な値を設定してメモリ6内のデータを書き換えておくことが好ましい。
そのようにデータを書き換えた場合のデータの信頼性を確実なものとするために、CPU3及びメモリ6の内部構造について図2を参照して以下に示す。図に示されるように、メモリ6の内部を例えば3つ(エリア1〜3)に分ける。各エリア1〜3には、複数のデータ(データ群)DATA1・2・3…をそれぞれ個別に格納するべく複数の部屋からなるデータ格納エリア6aと、データ格納エリア6aの各データDATA1・2・3…のチェックサムCHKSUMを格納するチェックサム格納エリア6bとが設けられている。データ格納エリア6aの各部屋には、各エリア1〜3間で互いに対応するところ(アドレス)に同一データが格納されるようになっている。
CPU3では、各チェックサムCHKSUMを読み出すと共に多数決により決定した基準チェックサムSCHKSUMを基準チェックサム格納エリア3aに入れる。このようして第1判定手段が構成されている。また、各データDATA1・2・3…の同一とされるものを読み出して多数決により決定したもの(制御定数TDATA1・2・3…)を制御定数格納エリア3bの各部屋に格納し、その格納された各制御定数TDATA1・2・3…から制御定数チェックサムTCHKSUMを算出して制御定数チェックサム格納エリア3cに入れる。このようにして第2判定手段が構成されている。また、基準チェックサムSCHKSUMと制御定数チェックサムSCHKSUMとを比較する第3判定手段としての比較部3dが設けられている。なお、各判定手段は構成を分かり易く説明するために示したものであって、何らかの回路である必要はなく、CPU3内のプログラムで構成されるものであって良い。
このようして構成された制御装置における制御要領について、図3のフロー図を参照して以下に示す。ステップST1では各チェックサム格納エリア6bに格納されているチェックサムCHKSUMを読み出し、次のステップST2ではそのチェックサムCHKSUMの値が0または最大値(例えば00HまたはFFH)といった2進数のビットが全て0または1になる値であるか否かを判別し、0または最大値になっていたら制御を停止する処理(フェイルセーフ処理)に移る。このようにするのは、チェックサムCHKSUMの値が0または最大値になる場合としてはハード的要因が考えられるためであり、そのような場合に制御を停止することにより、ハード的要因で変化したデータを用いてしまうことによる誤制御を回避することができる。
ステップST2でチェックサムCHKSUMが正常(0または最大値でない)であると判断された場合にはステップST3に進み、そこで全てのチェックサムCHKSUMの多数決をとって基準チェックサムSCHKSUMを決定する。次のステップST4では、各エリア1〜3から同一であるとされるデータDATAn同士(n=1、2、3、…)を読み出し、それぞれの多数決をとって制御定数TDATAnを決定して上記したように制御定数格納エリア3bの対応する各部屋に格納する。次のステップST5では、制御定数TDATAnからチェックサムTCHKSUMを算出して上記したように制御定数チェックサム格納エリア3cに入れる。
次のステップST6では、ステップST3で算出した基準チェックサムSCHKSUMとステップST5で算出したチェックサムTCHKSUMとを比較して、両者が一致しているか否かを判別する。両者が一致していると判断された場合にはステップST7に進み、そこで制御定数TDATAnを正しい値とする。そして、その正式に認められた制御定数(=TDATAn)を用いて通常の制御を実行する。
ステップST7において基準チェックサムSCHKSUMとチェックサムTCHKSUMとが一致しないと判断された場合には、上記ステップST2で基準チェックサムSCHKSUMが0または最大値であると判断された場合と同様に制御を停止する処理に移る。
このようにすることにより、例えばメモリ6に格納された同一とされるデータDATAn同士において正しい値のものよりも誤った値のものの方が多くて、多数決により制御定数格納エリア3bに誤った値のものが格納されてしまうような場合でも、それをそのまま制御定数として用いてしまうことを回避することができる。そのような場合には、チェックサムTCHKSUMが誤った値となり、基準チェックサムSCHKSUMと一致することがないため、誤ったデータを用いて制御を行ってしまうことを防止することができる。
また、データDATAnの複数が誤ってしまってチェックサムCHKSUMが正しい値となってしまうような場合には、その正しいと判断されたチェックサムCHKSUMのエリアの誤データを用いてしまうことを回避することができる。上記したように、同一とされるデータ同士の多数決により決定された制御定数TDATAnのデータ群のチェックサム(制御定数チェックサムTCHKSUM)を算出しており、そのような場合には制御定数チェックサムTCHKSUMが誤った値となるため、メモリ6のチェックサムCHKSUMを多数決した基準チェックサムSCHKSUMと比較した場合に制御定数チェックサムTCHKSUMが一致せず、誤ったデータを用いて制御を行ってしまうことを防止することができる。
なお、上記フローのステップST3では全チェックサムCHKSUMから多数決されたものを基準チェックサムSCHKSUMとして用いたが、多数決ではなく全て(図示例では3つ)が一致したらその値を基準チェックサムSCHKSUMとして用いるようにしても良い。この場合には、全て一致しなかったら制御停止の処理を行うことになる。これにより、一部でもデータが誤った値となった場合に即座に制御を停止することができ、データの誤変化を厳しく検査する必要がある制御に用いる場合に有効である。
また、本実施の形態においては、メモリ6に記憶された挟み込み判定に用いるしきい値を用いて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、メモリ6に記憶する値としては制御装置内で用いられるデータ値であれば適用可能である。
本発明が適用されたパワーウィンドウ装置の概略ブロック図である。 本発明に基づく制御装置のエリア構成図である。 制御要領を示すフロー図である。
符号の説明
1 制御装置
3 CPU
3a 基準チェックサム格納エリア
3b 制御定数格納エリア
3c 制御定数チェックサム格納エリア
3d 比較部
6 メモリ
6a データ格納エリア
6b チェックサム格納エリア

Claims (4)

  1. 書き換え可能な外部記憶装置に記憶されているデータを読み出して制御定数として決定する制御部を有する外部記憶装置用制御装置であって、
    前記外部記憶装置が、少なくとも3つ以上のエリアを有すると共に、前記エリアが前記データを格納するデータ格納エリアとチェックサムを格納するチェックサム格納エリアとを有し、
    各前記エリアの各前記データ格納エリアにそれぞれ同一のデータ群が格納され、かつ前記エリア毎に算出したチェックサムが前記チェックサム格納エリアに格納され、
    前記制御部が、各前記チェックサム格納エリアから読み出したチェックサムにより基準チェックサムを決定する第1判定手段と、各前記データ格納エリアから読み出した対応する各データにより制御定数を決定しかつ当該制御定数からなる制御定数群により制御定数チェックサムを算出する第2判定手段と、前記基準チェックサムと前記制御定数チェックサムとが一致するか否かを判定する第3判定手段とを有し、
    前記第3判定手段により前記一致すると判定され場合には前記制御定数を正しい値とすることを特徴とする外部記憶装置用制御装置。
  2. 前記第1判定手段において、前記基準チェックサムは、各前記チェックサム格納エリアから読み出した各チェックサムが全て一致することにより決定されることを特徴とする請求項1に記載の外部記憶装置用制御装置。
  3. 前記第2判定手段において、前記制御定数は各前記データ格納エリアから対応する各データを読み出して多数決により決定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外部記憶装置用制御装置。
  4. 前記制御定数が、車両の開閉体を開閉制御する場合に用いられるしきい値であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の外部記憶装置用制御装置。
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