JP2010150059A - 光学素子の成形用型、製造方法及び製造装置 - Google Patents

光学素子の成形用型、製造方法及び製造装置 Download PDF

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Norimitsu Nagayama
典光 永山
Yusuke Nakagawa
裕介 中川
Goji Natsume
剛司 夏目
Satoshi Imai
聡 今井
Hiroyuki Seki
博之 関
Seiten Hirose
生典 廣瀬
Onori Honshi
大典 本司
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Abstract

【課題】熱可塑性素材に伝導する熱エネルギーのロスを抑え、熱可塑性素材の温度制御を効率的に行うことで、安定して高精度な光学部品を得る。
【解決手段】スリーブ13内に対向して配置された下型11及び上型12により熱可塑性素材9を押圧して光学素子を成形する光学素子の成形ブロック10において、下型11及び上型12に一体に配置され、熱可塑性素材9の温度を制御する導電膜ヒータ14を具備する。下型11及び上型12の外端面には、導電膜ヒータ14に通電するための端子を備え、成形ブロック10の外部から通電することで成形面11a及び成形面12aとの間の熱可塑性素材9を直接的に加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子の成形用型、製造方法及び製造装置に関する。
従来、レンズ等の光学素子を高精度、且つ、安価に製造する製造装置として、成形ブロックに収容した熱可塑性素材を、加熱軟化させて加圧し、冷却して固化させることで、成形ブロックが有する成形面形状或いは表面粗さを転写して光学素子を成形する製造装置が用いられている。
例えば、特許文献1では、成形ブロックを下加熱ブロック及び上加熱ブロックにより挟み込んで、下加熱ブロック及び上加熱ブロックをカートリッジヒータ等により加熱し、成形ブロックに熱を伝導させて昇温させて熱可塑性素材へ伝導することで、熱可塑性素材を加熱し成形可能にするという技術が提案されている。
特公平8−13687号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、熱可塑性素材から熱源である下加熱ブロック及び上加熱ブロックまでの距離が遠いため、下加熱ブロック及び上加熱ブロックから熱可塑性素材に伝導する間に熱エネルギーのロスが発生してしまうという技術的課題がある。
また、下加熱ブロック及び上加熱ブロックから成形ブロックに熱を伝導させ、その熱を成形ブロックから熱可塑性素材に伝導させているため、熱の伝達遅延による加熱速度や温度分布の制御精度が劣るという技術的課題がある。
本発明の目的は、熱可塑性素材を加熱する熱エネルギーのロスを抑える共に、加熱速度や温度分布の制御を効果的に行うことで、安定して高精度な光学部品を得ることが可能な光学素子の成形用型、製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明は、加熱された熱可塑性素材を成形面で加圧して光学素子とする光学素子の成形用型において、成形用型の一部を構成する型本体部と、前記型本体部に一体に配置され、前記熱可塑性素材を加熱するヒータと、を具備し、前記成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れた前記ヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記型本体部の外径をL2としたとき、L1<L2に設定する光学素子の成形用型を提供する。
また、本発明は、加熱された熱可塑性素材を成形用型の成形面で加圧して光学素子とする光学素子の製造方法において、前記成形用型の一部を構成する型本体部に、前記成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れたヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記型本体部の外径をL2としたとき、L1<L2となるように、ヒータが一体に配置された前記成形用型によって、前記熱可塑性素材を加圧する工程を有する光学素子の製造方法を提供する。
また、本発明は、加熱された熱可塑性素材を加圧して光学素子とする光学素子の製造装置において、型本体部と、前記型本体部に一体に配置され、前記熱可塑性素材を加熱するヒータと、を含む成形用型と、前記ヒータに電力を供給する給電手段と、を具備し、前記成形用型の成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れた前記ヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記本体部の外径をL2としたとき、L1<L2に設定する光学素子の製造装置を提供する。
本発明によれば、熱可塑性素材を加熱する熱エネルギーのロスを抑える共に、加熱速度や温度分布の制御を効果的に行うことで、安定して高精度な光学部品を得ることができる。
本実施の形態では、一態様として、光学素子の成形用型である下型及び上型の各々において、ガラスのみの型本体部、若しくは、金属母材にガラスを接合した型本体部の成形面付近に酸化錫や、酸化インジウムなどを主体とした半導体をnmからμmオーダーで成膜して導電膜ヒータを形成する。そして、この導電膜ヒータの適当な部分に電極を設け、通電して発熱させることで光学素子素材(熱可塑性素材)を加熱し、成形温度に達したところで圧力をかけて成形を行う。
また、本発明の他の実施態様は、導電膜ヒータに膜厚分布を設けることで、電気抵抗の分布を変化させ、導電膜ヒータの抵抗発熱による温度分布を制御する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である光学素子の製造方法を実施する成形ブロックを模式的に示した側断面図である。
本実施の形態の成形ブロック10は、ガラス、プラスチックなどの熱可塑性素材9を載置する光学素子の成形用型としての下型11と、下型11に熱可塑性素材9を挟んで対向配置される光学素子の成形用型としての上型12と、これら下型11及び上型12を嵌合して摺動自在に案内する円筒形状のスリーブ13と、を具備している。
なお、本実施の形態では、熱可塑性素材9はボール形状としているが、最終形状である成形後の成形品形状に近い形に研磨されたレンズ形状のものを素材として使用しても良い。
下型11及び上型12は、成形用型の一部を構成する円柱形状の型本体部(後述する下基材17及び上基材18)と、この型本体部の一端に成膜され、成形面11a及び成形面12aが形成されている熱可塑性素材9を加熱するヒータとしての導電膜ヒータ14と、を具備している。
すなわち、本実施の形態では、下型11は、円柱形状の型本体部の一端面を凹面に加工し、この凹面(表面)全体に導電膜ヒータ14を一定の厚さで成膜して一体とし、導電膜ヒータ14の表面を成形面11aとしている。また、上型12は、円柱形状の型本体部の一端面を凸面に加工し、この凸面(表面)全体に導電膜ヒータ14を一定の厚さで成膜して一体とし、導電膜ヒータ14の表面を成形面12aとしている。
この下型11及び上型12は、スリーブ13の内部にそれぞれの成形面11a及び成形面12aが対向するようにスリーブ13の両端側から挿嵌されて配置されている。そして、これら下型11及び上型12はスリーブ13の中心軸方向に摺動自在に配置されている。
本実施の形態において、導電膜ヒータ14は、酸化錫、酸化インジウムなどの半導体から構成されており、次の条件を満たす位置に配置されている。すなわち、図1に示すように、下型11の成形面11aの中心部分A(導電膜ヒータ14が中心軸o上で熱可塑性素材9に当接している部分)から型本体部としての下基材17の中心軸o(スリーブ13の中心軸)方向に最も離れたヒータ部分B(導電膜ヒータ14が中心軸o上で下基材17に接触している部分)と中心部分Aとの距離をL1とし、下基材17の外径(スリーブ13の内径)をL2としたとき、L1<L2になるように、導電膜ヒータ14が下基材17と一体となっている。また、上型12の導電膜ヒータ14も同様の条件で上基材18と一体となっている。したがって、ヒータは、従来の加熱ブロックのように下型11及び上型12の外周面に当接して配置されるものではない。
この下型11の導電膜ヒータ14には、電極15(本実施の形態では2つ)が接触して配置されており、この電極15を介して導電膜ヒータ14に図示しない電源装置から通電
できるように、リード16(端子)が電極15に接続されている。また、上型12も下型11と同様の構成になっている。
そして、電極15は、互いに導電膜ヒータ14上において、外側の離れた位置(中心軸oを中心として対称位置)に配置されている。すなわち、導電膜ヒータ14上において、熱エネルギーが均一に伝導されている。
また、電極15に接続されるリード16は、下型11及び上型12の一部を構成する下基材17及び上基材18に中心軸o方向に沿って設けられた貫通孔19に挿通されて配置されており、一端が電極15に接続され、他端が貫通孔19の外部に延設して図示しない電源装置に接続されている。
すなわち、本実施の形態において、下基材17及び上基材18は、導電膜ヒータ14、電極15及びリード16に対して電気的に絶縁性の素材を用いて構成されており、例えば、ガラス、セラミックなどの絶縁物質を用いて構成されている。
以下、本実施の形態の成形用型を用いた成形工程の一例について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、熱可塑性素材9が成形ブロック10の下型11の成形面11a上に載置される。そして、図示しない駆動手段により、上型12の成形面12aを熱可塑性素材9に当接する位置まで下降させる。この時、図示しない電源装置からの給電によりリード16、電極15を介して導電膜ヒータ14に通電されて、導電膜ヒータ14が発熱して熱可塑性素材9を加熱する。
このように、下型11の成形面11a及び上型12の成形面12aを導電膜ヒータ14に形成し、熱可塑性素材9を加熱することで、従来の加熱ブロックから下型11及び上型12に熱エネルギーを伝導させて熱可塑性素材9を加熱する方法に対して、熱伝導経路が短くなり、熱可塑性素材9を加熱する熱エネルギーのロスを抑えることができる。
さらに、導電膜ヒータ14によって熱可塑性素材9が直接的に加熱されるので、熱可塑性素材9の加熱速度の制御や温度分布の制御を正確かつ効果的に行うことができる。
次に、熱可塑性素材9が所望の温度に到達したときに図示しない駆動手段により上型12を更に下降させて熱可塑性素材9を加圧する。この時も、導電膜ヒータ14には、図示しない電源装置からの給電によりリード16、電極15を介して導電膜ヒータ14に通電されて、導電膜ヒータ14が発熱して熱可塑性素材9を加熱しながら加圧する。そして、下型11の成形面11a及び上型12の成形面12aの形状或いは表面粗さが転写されて熱可塑性素材9が所望の形状に変形する。
次に、熱可塑性素材9が所望の形状に変形した後、図示しない電源装置を制御し、導電膜ヒータ14に対する通電量を低下させて熱可塑性素材9を冷却し、所望の光学面を有する光学素子(レンズ)を得る。この時、図示しない電源装置から導電膜ヒータ14への通電を停止させて熱可塑性素材9を自然に冷却しても良い。
このように、下型11の成形面11a及び上型12の成形面12aを導電膜ヒータ14に形成し、熱可塑性素材9の温度制御を行うことで、熱伝導経路が短くなり、熱可塑性素材9を加熱する熱エネルギーのロスを抑えることができる。
また、下基材17及び上基材18を介さずに、熱可塑性素材9を加熱することで、下基材17及び上基材18内での熱の分散を防止でき、熱可塑性素材9を加熱する熱エネルギーのばらつきを抑えることができる。
すなわち、熱可塑性素材9を加熱する熱エネルギーのロスを抑えると共に、熱の伝達遅延による加熱速度や温度分布の制御を効果的に行うことで、安定して高精度な光学部品を得ることができる。
(実施形態2)
図2Aは、本発明の他の実施の形態である光学素子の製造方法を実施する成形ブロックの構成の一例を模式的に示した側断面図である。
本実施の形態2の成形ブロック20は、ガラス、プラスチックなどの熱可塑性素材9を載置する光学素子の成形用型としての下型21と、下型21に熱可塑性素材9を挟んで対向配置される光学素子の成形用型としての上型22と、これら下型21及び上型22を嵌
合して摺動自在に案内する円筒形状のスリーブ23と、を具備している。
下型21及び上型22は、円柱形状の下基材27及び上基材28と、この下基材27及び上基材28の一端に成膜された絶縁膜29と、絶縁膜29上に成膜されたヒータとしての導電膜ヒータ24と、導電膜ヒータ24上に配置され、成形面21a及び成形面22aが形成されている型部材としての下型部材31及び上型部材32と、を具備している。
すなわち、本実施の形態では、下型21は、円柱形状の下型部材31の一端面を凹面に加工して成形面21aとし、この下型部材31の成形面21aとは反対側の他端面(表面)全体に導電膜ヒータ24を一定の厚さで円板形状に成膜して一体とし、下型部材31を支持する円柱形状の下基材27と導電膜ヒータ24との間に一定の厚さで絶縁膜29を成膜している。この絶縁膜29は、導電膜ヒータ24と下基材27との間を電気的に絶縁している。
また、上型22は、円柱形状の上型部材31の一端面を凸面に加工して成形面22aとし、この上型部材32の成形面22aとは反対側の他端面(表面)全体に導電膜ヒータ24を一定の厚さで円板形状に成膜して一体とし、上型部材32を支持する円柱形状の上基材28と導電膜ヒータ24との間に一定の厚さで絶縁膜29を成膜している。この絶縁膜29は、導電膜ヒータ24と上基材28との間を電気的に絶縁している。
なお、下基材27及び上基材28は導体から構成され、下型部材31及び上型部材32は絶縁体から構成されており、基材と型部材とで型本体部を構成している。
この下型21及び上型22は、スリーブ23の内部にそれぞれの成形面21a及び成形面22aが対向するようにスリーブ23の両端側から挿嵌されて配置されている。そして、下型21及び上型22はスリーブ23の中心軸方向に摺動自在に配置されている。
本実施の形態において、導電膜ヒータ24は、酸化錫、酸化インジウムなどの半導体から構成されており、次の条件を満たす位置に配置されている。すなわち、図2Aに示すように、下型21の成形面21aの中心部分A(下型部材31が中心軸o上で熱可塑性素材9に当接している部分)から下基材27の中心軸o(スリーブ23の中心軸)方向に最も離れたヒータ部分B(導電膜ヒータ14が中心軸o上で絶縁膜29に接触している部分)と中心部分Aとの距離をL1とし、下基材27の外径(スリーブ23の内径)をL2としたとき、L1<L2になるように、導電膜ヒータ24が下基材27及び下型部材31と一体となっている。また、上型22の導電膜ヒータ24も同様の条件で上基材28及び上型部材32と一体となっている。
この下型21の導電膜ヒータ24には、複数(この場合、一対)の電極25が接触して配置されており、この電極25を介して導電膜ヒータ24に図示しない電源装置から通電できるように、複数のリード26(端子)が個々の電極25に接続されている。また、上型22も下型21と同様の構成になっている。
複数の電極25は、互いに導電膜ヒータ24上において、外側の離れた位置(中心軸oを中心として対称位置)に配置されている。すなわち、導電膜ヒータ24の全体に対して複数の電極25から均一に通電される構成となっている。
成形面21aが形成された下型部材31の、上型部材32に対する対向方向(中心軸o方向)の厚さ寸法は、成形面21aを形成でき、かつ、成形圧に耐える必要最小限の剛性を有するように設定されている。
下基材27には、中心軸o方向に沿って貫通孔36が設けられており、この貫通孔36の周上には、絶縁スリーブ30が配置されている。絶縁スリーブ30の内部には、導電膜ヒータ24の電極25に接続されるリード26が挿通されて配置されている。
尚、リード26の表面に電気絶縁膜を被膜することで、貫通孔36の周上に絶縁スリーブ30を設けずにリード26を直接挿通させて配置しても良い。
また、上型22の導電膜ヒータ24は、上述の下型21と同様の構成で、電極25と、上基材28の貫通孔36の絶縁スリーブ30内に設けられたリード26を介して通電される構成となっている。
このように、導電膜ヒータ24の熱可塑性素材9を成形する成形面21a及び成形面22a側に下型部材31及び上型部材32を配置することで、導電膜ヒータ24が熱可塑性
素材9に接しないので、導電膜ヒータ24との接触による熱可塑性素材9の汚染や、熱可塑性素材9との接触による導電膜ヒータ24の劣化を防ぐことができる。
また、下基材27及び上基材28には、絶縁膜29及び絶縁スリーブ30の絶縁効果により電気を通す金属部材などを用いることも可能である。このように、下基材27及び上基材28の材質が金属部材などでも使用可能であるため、成形用型20を製作する際の自由度が高くなる。
なお、下型部材31および上型部材32は、たとえばガラス、又は、セラミックなどの絶縁体から構成されており、下基材27および上基材28は、たとえば、ステンレスや型鋼等の金属、タングステンカーバイド(WC)等の超硬合金などの導体から構成されている。
ただし、下型部材31と下基材27、および上型部材32と上基材28の素材の組合せは、上述した材質の組合せに限定されない。
以下、本実施の形態の成形用型を用いた成形工程の一例について、図2Aを参照しながら説明する。
図2Aに示すように、熱可塑性素材9が成形ブロック20の下型21の成形面21a上に載置される。そして、図示しない駆動手段により、上型22の成形面12aを熱可塑性素材9に当接する位置まで下降させる。この時、図示しない電源装置からの給電によりリード26、電極25を介して導電膜ヒータ24に通電することにより、導電膜ヒータ24が発熱し、下型部材31、上型部材32を介して熱可塑性素材9を加熱する。
このように、下型21の成形面21a及び上型22の成形面22aに近い部分に位置する導電膜ヒータ24から熱可塑性素材9を加熱することで、従来の加熱ブロックから下型21及び上型22に熱エネルギーを伝導させて熱可塑性素材9を加熱する方法に対して、熱伝導経路が短くなり、熱源から熱可塑性素材9に伝わる熱エネルギーのロスを抑えることができ、温度分布や加熱冷却速度の応答性も向上する。
また、熱可塑性素材9は、導電膜ヒータ24を保護する下型部材31及び上型部材32により挟み込まれて加熱されているため、熱可塑性素材9に導電膜ヒータ24を当接させずに熱可塑性素材9を加熱することができ、これにより、導電膜ヒータ24との接触による熱可塑性素材9の汚染や、熱可塑性素材9との接触による導電膜ヒータ24の劣化を防ぐことができる。
次に、熱可塑性素材9が所望の温度に到達したときに図示しない駆動手段により上型22を更に下降させて熱可塑性素材9を加圧する。この時も、導電膜ヒータ24には、図示しない電源装置からの給電によりリード26、電極25を介して導電膜ヒータ24に通電され、発熱した導電膜ヒータ24により熱可塑性素材9を加熱しながら加圧する。そして、下型21の成形面21a及び上型22の成形面22aの形状或いは表面粗さが熱可塑性素材9に転写されて、熱可塑性素材9が所望の形状に成形される。
次に、熱可塑性素材9が所望の形状に成形された後、図示しない電源装置を制御して導電膜ヒータ24に対する通電量を低下させて熱可塑性素材9を冷却し、所望の光学面を有する光学素子を得る。この時、図示しない電源装置から導電膜ヒータ24への通電を停止させて熱可塑性素材9を自然に冷却しても良い。
このように、下型21の成形面21a及び上型22の成形面22aに近い部分に位置する導電膜ヒータ24から熱可塑性素材9の温度制御を行うことで、導電膜ヒータ24から熱可塑性素材9までの熱伝導経路が短くなり、熱可塑性素材9を冷却する熱エネルギーのロスを抑えることができる。
また、下型21及び上型22の外部からの加熱ではなく、下型21および上型22の内部において熱可塑性素材9の近傍に設けられた導電膜ヒータ24によって、当該熱可塑性素材9の温度制御を行うことで、下基材27及び上基材28内での熱エネルギーの分散を防止できるとともに、導電膜ヒータ24から熱可塑性素材9への熱の伝達速度や温度分布の制御精度も向上する。
すなわち、熱可塑性素材9を温度制御する熱エネルギーのロスを抑えると共に、熱の伝達遅延による加熱速度や温度分布の制御を効果的に行うことで、安定して高精度な光学部
品を得ることができる。
(実施形態3)
図2Bは、本発明のさらに他の実施の形態である成形用型のヒータ部分を模式的に示した平面図である。
この実施形態3は、上述の実施の形態2に対して、導電膜ヒータが螺旋形状に成膜された点が異なり、他の構成は同様である。従って、上述の実施形態2の構成と同一又は相当する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の成形ブロック20Aでは、導電膜ヒータ24Aは、螺旋形状に一定の厚さで成膜されている。そして、下基材27の中心部と外周部とに位置する導電膜ヒータ24Aの両端部には、夫々、電極25が配置されている。すなわち、図示しない電源装置からの給電によりリード26、電極25を介して導電膜ヒータ24Aに通電されて、導電膜ヒータ24Aが発熱して熱可塑性素材9を加熱する。
この時、導電膜ヒータ24Aには、この導電膜ヒータ24Aの両端部から通電され、上述の実施の形態2に対して、導電膜ヒータ24A上に通電される通電経路を制限することができる。すなわち、導電膜ヒータ24Aの全体に、上述の実施の形態2に対して、より均一に通電することができる。
(実施形態4)
図2Cは、本発明のさらに他の実施の形態である成形用型のヒータ部分を模式的に示した平面図である。
この実施の形態4は、上述の実施形態2に対して、導電膜ヒータを型本体部の中心軸oを中心として同心円状に成膜された複数の円弧形状からなり、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcが独立して通電される複数の円弧形状に成膜された点が異なり、他の構成は同様である。従って、上述の実施形態2の構成と同一又は相当する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態4の成形ブロック20Bでは、複数の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcは、型本体部の中心軸oを中心として同心円状に一定の厚さで成膜された複数の円弧形状からなり、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcが独立して通電される複数の円弧形状に成膜されている。この時、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの幅、又は、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの間隔などは、特に限定されない。
そして、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの両端部には、夫々、一対の電極25a、25b、25cが配置されている。従って、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcには、図示しない電源装置により、リード26、電極25a、25b、25cを介して、各々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに個別に通電されるように構成されている。
このような構成により、成形ブロック20Bは、個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対する通電の有無を制御することで、熱可塑性素材9の加熱温度や温度分布を任意に制御することができる。
(実施形態5)
図3は、本発明のさらに他の実施の形態である成形用型を模式的に示した側断面図である。
この実施の形態5は、上述の実施の形態2に対して、導電膜ヒータ34に膜厚分布を持たせるようにした点が異なり、他の構成は同様である。従って、上述の実施形態2の構成と同一又は相当する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
すなわち、本実施の形態5の成形ブロック20Cでは、導電膜ヒータ34は、下基材27の中心軸oに交差(直交)する方向に膜厚が変化する膜厚分布を有して形成されている。
詳述すると、成形される成形品(光学素子)の形状が凸メニスカス形状であるため、下型21および上型22の各々に設けられた導電膜ヒータ34は、中心部が最も厚く、中心から外周に向けて膜厚が漸減するように形成されている。この導電膜ヒータ34の形状に
合わせて絶縁膜29は、中心から外周に向けて膜厚が漸増するように形成されている。
すなわち、導電膜ヒータ34には、電極25、リード26を介して図示しない電源装置からの給電により一定に通電されるが、導電膜ヒータ34の膜厚の大きな中心部では電気抵抗が低く、発熱温度が低くなり、導電膜ヒータ34の中心から外周に向けて漸減する膜厚に反比例して電気抵抗が漸増し、発熱温度も中心から周辺方向に漸増するような温度分布を持つ。
以下、本実施の形態5の成形用型を用いた成形工程の一例について、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、熱可塑性素材9が成形ブロック20Cの下型21の成形面21a上に載置される。そして、上型22の成形面22aを熱可塑性素材9に当接させる。その後、図示しない電源装置によりリード26、電極25を介して導電膜ヒータ34に通電され、導電膜ヒータ34が発熱して熱可塑性素材9を加熱する。
この時、導電膜ヒータ34が厚く成膜された中心部では電気抵抗は低く、導電膜ヒータ34が薄く成膜された外周端部では電気抵抗は高くなる。したがって、熱可塑性素材9の中心部は、熱可塑性素材9の外周端部より低い温度で加熱される。
次に、熱可塑性素材9が所望の温度に到達したときに、導電膜ヒータ34によって加熱されている上型22を降下させて熱可塑性素材9を加圧する。
この時も、上型22においては、熱可塑性素材9の中心部は、熱可塑性素材9の外周端部よりも低い温度で加圧する。
そして、熱可塑性素材9が所望の形状に成形された後、下型21および上型22の導電膜ヒータ34に対する通電量(発熱温度)を低下させて熱可塑性素材9を冷却し、所望の光学面を有する光学素子を得る。この時、熱可塑性素材9の中心部は、熱可塑性素材9の外周端部よりも低い温度で冷却される。
すなわち、下型部材31及び上型部材32の中心部の温度を周辺の温度よりも低くなるように制御することで、本実施の形態5の成形ブロック20Cのように、熱可塑性素材9から凸メニスカス形状の光学素子を成形する場合における熱可塑性素材9の肉厚の大きな中心部の熱だまりによる過熱を抑えることができる。このように、熱可塑性素材9の中心部の熱だまりを抑えたことで、熱可塑性素材9の全体を均一に冷却することができる。
なお、本実施の形態5の成形ブロック20Cでは、凸形状である凸メニスカス形状の光学素子を成形する場合を示したが、この光学素子の形状に限定されない。
例えば、熱可塑性素材9から、凹凸が逆な凹形状の光学素子を成形する場合には、導電膜ヒータ34の膜厚を、中央部を薄く、周辺部を厚くすることで、熱可塑性素材9の全体を均一に加熱および冷却することができる。
(実施形態6)
図4は、本実施の形態のさらに他の実施の形態である成形用型を模式的に示した側断面図である。
この実施の形態6の成形ブロック20Dでは、下型部材31および上型部材32の各々を支持する下基材27および上基材28の各々に、断熱構造37を設けた点が上述の実施の形態2の成形ブロック20と異なり、他の構成は同様である。
従って、実施形態2と同一又は相当する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態6の成形ブロック20Dにおいては、下型21及び上型22の一部を構成する下基材27及び上基材28の各々には、導電膜ヒータ24から下基材27及び上基材28側への熱移動を防止する断熱構造37を備えている。
この断熱構造37は、下基材27及び上基材28の絶縁膜29に当接する面の一部に、凹型の溝を形成することで空隙を設けている。
すなわち、下基材27及び上基材28の絶縁膜29に当接する面の面積は、上述した実施形態に比べて少ない面積となる。
なお、断熱構造37としては、空隙に限らず、熱伝導率が小さく電気的な絶縁物質からなる断熱材をこの空隙に充填した構成としても良い。また、断熱構造37に用いられる断
熱材は、特に限定されない。
このように、下型部材31と下基材27の間、および上型部材32と上基材28の間に、断熱構造37を設けたことで、上型部材32および下型部材31に挟持された熱可塑性素材9を加熱すべく導電膜ヒータ24から発生した熱が、反対側の上基材28および下基材27の側に放散されて失われることが防止され、導電膜ヒータ24に対する通電による熱可塑性素材9の加熱効率が向上する。
(実施形態7)
図5Aは、本発明の一実施の形態の成形用型を用いる光学素子の製造装置を模式的に示した側断面図である。図5Bは、成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。なお、図5A及び図5Bについて実施形態1又は2と同一又は相当する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
図5Aに示すように、光学素子の製造装置M1は、内部に実装された熱可塑性素材9を加熱するヒータを一体に備えた成形ブロック10(または、成形ブロック20、成形ブロック20C、成形ブロック20D)を狭持する平面状の対向面41a及び対向面42aを有する下プレート41及び上プレート42に成形ブロック10に電力を供給する給電手段を備えている。
そして、図5Bに示すように、下プレート41及び上プレート42の各々の給電手段は、対向面41a及び対向面42aの成形用型10のリード16に対応した位置に露出して配置される複数の給電電極41b及び給電電極42bと、この給電電極41b及び給電電極42bに電力を供給する電源装置47(電源)と、を具備している。
以下、本実施の形態7の製造装置M1を用いた成形工程の一例について、図5A及び図5Bを参照しながら説明する。
図5Aに示すように、スリーブ13内の下型11の成形面11aに熱可塑性素材9を載置した後、上型12の成形面を熱可塑性素材9に当接させて、成形ブロック10を組み立てる。次に、成形ブロック10は、図示しない搬送手段により、下プレート41上に、下プレート41の給電電極41bと下型11のリード16とが接するように位置決めされて設置される。
そして、図示しない駆動手段により、上プレート42を下降させ、上型12に当接する位置まで下降させる。この時も、上プレート42の給電電極42bと上型12のリード16とが接するように位置決めされる。
したがって、電源装置47の給電により給電電極41b及び給電電極42bからリード16、電極15を介して導電膜ヒータ14に通電することにより、導電膜ヒータ14が発熱し、熱可塑性素材9を加熱する。
次に、熱可塑性素材9が所望の温度に到達したときに図示しない駆動手段により上プレート42をさらに下降させることにより、上型12を下降させて熱可塑性素材9を加圧する。この時も、電源装置47の給電により給電電極41b及び給電電極42bからリード16、電極15を介して導電膜ヒータ14に通電することにより、導電膜ヒータ14が発熱し、熱可塑性素材9を加熱しながら加圧する。
次に、熱可塑性素材9が所望の形状に成形された後、電源装置47を制御して導電膜ヒータ14に対する通電量を低下させて熱可塑性素材9を冷却する。この時、電源装置47から導電膜ヒータ14への通電を停止させて自然に熱可塑性素材9を冷却しても良い。
すなわち、電源装置47から成形ブロック10に印加される通電量を制御することにより、成形ブロック10に実装された熱可塑性素材9を任意の温度に加熱、冷却できる。例えば、製造装置M1において、成形ブロック10に対する加熱、加圧、冷却の一連の成形工程を行うことができる。
このような構成により、本実施の形態の製造装置M1によれば、導電膜ヒータ14を一体に備えた上述の成形ブロック10(または、成形ブロック20、成形ブロック20C、成形ブロック20D)を用いて、高い熱効率、昇温速度および温度分布の制御によって、熱可塑性素材9から所望の形状の光学素子を成形できる。
(実施形態8)
図6は本発明の他の実施の形態である製造装置の成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。
この実施の形態8では、図2Bに示したような、成形ブロック20Aを用いる場合を説明する。この場合、光学素子の製造装置M2は、成形ブロック20Aに接する下プレート41及び上プレート42の対向面41a及び対向面42aには、成形ブロック20Aの中心に位置する電極25に対応した位置に配置される給電電極41b及び給電電極42bと、成形用型20Aの外周付近に位置する電極25に対応した位置に配置される給電電極41c及び給電電極42cとを具備している。
なお、この給電電極41b及び給電電極42bと、給電電極41c及び給電電極42cと、給電電極41b、給電電極42b、給電電極41c及び給電電極42cに電力を供給する電源装置47(電源)と、で給電手段を構成している。
給電電極41c及び給電電極42cは、給電電極41b及び給電電極42bからの距離が成形用型20Aの一対の電極25間の距離と同じ距離になるように給電電極41b及び給電電極42bを中心にして同心円のリング状に配置されている。
これにより、図示しない搬送手段により成形ブロック20Aを下プレート41上に設置する際には、成形ブロック20Aの中心に位置する電極25と、下プレート41の給電電極41bとを位置決めすることで、周方向の任意の回転位置で成形ブロック20Aの外周付近に位置する電極25は、給電電極41cに接続される。
このように、給電電極41c及び給電電極42cが給電電極41b及び給電電極42bを中心にしてリング状に配置するだけで、成形ブロック20Aを下プレート41上に設置する際に容易に位置決めしやすく、搬送にかかる装置に工夫をせずにすむ。
(実施形態9)
図7は、本発明の他の実施の形態である製造装置の成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。
この実施の形態9では、図2Cに示したような、成形ブロック20Bを用いる場合を説明する。この場合、光学素子の製造装置M3は、成形ブロック20Bに接する下プレート41及び上プレート42の対向面41a及び対向面42aには、成形ブロック20Bの個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対応した位置に複数の給電電極41ba、41bb、41bc及び給電電極42ba、42bb、42bcと、これらの複数の給電電極41ba、41bb、41bc及び給電電極42ba、42bb、42bcに電力を供給する電源装置47とを具備している。
すなわち、導電膜ヒータ24Baに接続される電極25aには、この電極25aに対応した位置に給電電極41ba及び給電電極42baが配置され、導電膜ヒータ24Bbに接続される電極25bには、この電極25bに対応した位置に給電電極41bb及び給電電極42bbが配置され、導電膜ヒータ24Bcに接続される電極25cには、この電極25cに対応した位置に給電電極41bc及び給電電極42bcが配置されている。
また、これらの給電電極41ba、41bb、41bc及び給電電極42ba、42bb、42bcと電源装置47との間には、個々の給電電極41ba、41bb、41bc及び給電電極42ba、42bb、42bcに選択的に電力を供給する制御装置46(セレクタ)を備えて構成されている。すなわち、個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対する通電の有無を外部から制御することで、成形ブロック20Bにおける熱可塑性素材9の加熱温度や温度分布を制御するように構成されている。
このように構成することで、加熱及び加圧時には、個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対する通電して発熱する導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの組合せを任意に制御することが可能となる。そして、冷却時にも、個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対する通電を同時に制御し、加熱時及び加圧時よりも低い温度に制御することが可能となる。また、個々の導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcに対する通電の有無を個別に制御することも可能であり、熱可塑性素材9を徐々に冷却することができる。
また、例えば、熱可塑性素材9から凸形状の光学素子を成形する場合には、内側に位置
する導電膜ヒータ24Baに対する通電量を低下させて熱可塑性素材9の加熱温度や温度分布を制御することで、熱可塑性素材9の肉厚の大きな中心部の熱だまりによる過熱を抑えることができる。これにより、熱可塑性素材9の全体を均一に冷却することができる。
また、他方では、熱可塑性素材9から、凹凸が逆な凹形状の光学素子を成形する場合には、外側に位置する導電膜ヒータ24Bcに対する通電量を低下させて熱可塑性素材9の加熱温度や温度分布を制御することで、熱可塑性素材9の全体を均一に冷却することができる。
(実施形態10)
図8は、本発明の他の実施の形態である製造装置を模式的に示した平面図である。
この実施の形態10の光学素子の製造装置M4は、図2Cに示した成形ブロック20Bに対して加圧、冷却の工程を、それぞれ加圧ステージA、第1の冷却ステージB、第2の冷却ステージC及び第3の冷却ステージDにて行ういわゆる循環型の製造装置の構成例を示す。尚、図8は、加熱後の各ステージを示したものであり、加熱ステージを省略して示した図である。また、ここでは、下プレート41の対向面41aのみを示し、上プレート42の説明を割愛する。
加圧ステージAでは、給電電極41bは三対により構成されている。これにより、導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの電極25a、25b、25cの夫々にリード26を介して給電電極41bが接続されている。この時、導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcは全て稼動しており、成形温度を維持する。
また、第1の冷却ステージBでは、給電電極41bは二対により構成されている。これにより、導電膜ヒータ24Bb、24Bcの電極25b、25cの夫々にリード26を介して給電電極41bが接続されている。すなわち、熱可塑性素材9は、加圧ステージAよりも低い温度で冷却される。
また、第2の冷却ステージCでは、給電電極41bは一対により構成されている。これにより、導電膜ヒータ24Bcの電極25cにリード26を介して給電電極41bが接続されている。すなわち、熱可塑性素材9は、第1の冷却ステージBよりも低い温度で冷却される。
また、第3の冷却ステージDでは、給電電極41bは、一対も構成されていない。したがって、導電膜ヒータ24Ba、24Bb、24Bcの電極25a、25b、25cの何れにも給電電極41bが接続されない。すなわち、熱可塑性素材9は、自然冷却される。
以下、本実施の形態の成形ブロック20Bを用いた一例について、図8を参照しながら説明を行う。
成形ブロック20Bは、図示しない、加熱ステージで加熱された後、図示しない搬送手段により加圧ステージAに搬送される。この時、複数の導電膜ヒータ24Bは、全て稼動している。そして、熱可塑性素材9が所望の形状に成形された後、成形ブロック20Bは、第1の冷却ステージBに搬送される。この時、複数の導電膜ヒータ24Bは、内側の導電膜ヒータ24Baを除いた導電膜ヒータ24Bb、24Bcが稼動している。
次に、成形ブロック20Bは、第2の冷却ステージCに搬送される。この時、導電膜ヒータ24Bは、外側の導電膜ヒータ24Bcのみが稼動している。その後、成形ブロック20Bは、第3の冷却ステージDに搬送され、この時、導電膜ヒータ24Bは、全て停止している。このように各ステージにおいて、導電膜ヒータ24Bの稼動数を調節することで、熱可塑性素材9を徐々に冷却することができる。
なお、ステージA〜Dの各々を上述の図7の製造装置M3で構成し、制御装置46による通電の切り替えや電流の制御によって、各ステージに必要な任意の温度を実現する構成としても良い。
(付記1)
変形可能な状態に加熱、軟化された光学素子素材をプレスし光学素子を成形する光学素子を得るための成形用型において、この成形用型の内部にヒータが組み込まれ、且つ、成形面とヒータとの距離が成形面の直径以内に収まることを特徴とする成形用型。
本発明の実施形態1の成形用型を模式的に示した側断面図である。 本発明の実施形態2の成形用型を模式的に示した側断面図である。 本発明の実施形態3の成形用型のヒータ部分を模式的に示した平面図である。 本発明の実施形態4の成形用型のヒータ部分の変形例を模式的に示した平面図である。 本発明の実施形態5の成形用型を模式的に示した側断面図である。 本発明の実施形態6の成形用型を模式的に示した側断面図である。 本発明の実施形態7の成形用型を用いる製造装置を模式的に示した側断面図である。 本発明の実施形態7の製造装置の成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。 本発明の実施形態8の製造装置の成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。 本発明の実施形態9の製造装置の成形ブロックとプレートとの接触面を示した平面図である。 本発明の実施形態10の成形用型を用いた光学素子の製造装置を模式的に示した平面図である。
符号の説明
9 熱可塑性素材
10 成形ブロック
11 下型
11a 成形面
12 上型
12a 成形面
13 スリーブ
14 導電膜ヒータ
15 電極
16 リード
17 下基材
18 上基材
19 貫通孔
20 成形ブロック
20A 成形ブロック
20B 成形ブロック
20C 成形ブロック
20D 成形ブロック
21 下型
21a 成形面
22 上型
22a 成形面
23 スリーブ
24 導電膜ヒータ
24A 導電膜ヒータ
24B 導電膜ヒータ
24Ba 導電膜ヒータ
24Bb 導電膜ヒータ
24Bc 導電膜ヒータ
25 電極
25a 電極
25b 電極
25c 電極
26 リード
27 下基材
28 上基材
29 絶縁膜
30 絶縁スリーブ
31 下型部材
32 上型部材
34 導電膜ヒータ
36 貫通孔
37 断熱構造
41 下プレート
41a 対向面
41b 給電電極
41ba 給電電極
41bb 給電電極
41bc 給電電極
41c 給電電極
42 上プレート
42a 対向面
42b 給電電極
42ba 給電電極
42bb 給電電極
42bc 給電電極
42c 給電電極
46 制御装置
47 電源装置
70 製造装置
A 加圧ステージ
B 第1の冷却ステージ
C 第2の冷却ステージ
D 第3の冷却ステージ
M1 製造装置
M2 製造装置
M3 製造装置
M4 製造装置

Claims (19)

  1. 加熱された熱可塑性素材を成形面で加圧して光学素子とする光学素子の成形用型において、
    成形用型の一部を構成する型本体部と、
    前記型本体部に一体に配置され、前記熱可塑性素材を加熱するヒータと、
    を具備し、
    前記成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れた前記ヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記型本体部の外径をL2としたとき、
    L1<L2
    に設定すること、
    を特徴とする光学素子の成形用型。
  2. 前記ヒータは、導電膜ヒータであり、
    前記型本体部に配置され、前記導電膜ヒータに通電するための端子をさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1記載の光学素子の成形用型。
  3. 前記導電膜ヒータは、前記成形面が形成され、前記型本体部の表面に配置されていること、
    を特徴とする請求項2記載の光学素子の成形用型。
  4. 前記型本体部は、前記成形面が形成されている型部材と、前記型部材を支持する基材と、を具備し、
    前記導電膜ヒータは、前記型部材と前記基材との間に配置されていること、
    を特徴とする請求項2記載の光学素子の成形用型。
  5. 前記型部材は絶縁体から構成され、
    前記基材は導体から構成されており、
    前記導電膜ヒータと前記基材との間に配置された絶縁膜をさらに具備すること、
    を特徴とする請求項4記載の光学素子の成形用型。
  6. 前記絶縁体はガラス又はセラミックであり、
    前記導体は金属であること、
    を特徴とする請求項5記載の光学素子の成形用型。
  7. 前記導電膜ヒータは、不均一な膜厚分布を有すること、
    を特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の光学素子の成形用型。
  8. 前記導電膜ヒータは、同心円状に配置され、各々が独立して通電される複数の円弧形状を呈すること、
    を特徴とする請求項2記載の光学素子の成形用型。
  9. 前記導電膜ヒータは、螺旋形状を呈すること、を特徴とする請求項2記載の光学素子の成形用型。
  10. 前記基材には、前記導電膜ヒータから前記基材側への熱移動を防止する断熱構造を備えたこと、
    を特徴とする請求項4記載の光学素子の成形用型。
  11. 加熱された熱可塑性素材を成形用型の成形面で加圧して光学素子とする光学素子の製造方法において、
    前記成形用型の一部を構成する型本体部に、
    前記成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れたヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記型本体部の外径をL2としたとき、
    L1<L2
    となるように、
    ヒータが一体に配置された前記成形用型によって、前記熱可塑性素材を加圧する工程を有すること
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  12. 前記ヒータは、導電膜ヒータであり、
    前記導電膜ヒータに通電して発熱させることで前記熱可塑性素材の温度を制御すること、
    を特徴とする請求項11記載の光学素子の成形方法。
  13. 前記導電膜ヒータは、前記型本体部の中心軸を中心として同心円状に複数の円弧形状をなして成膜され、前記導電膜ヒータの各々に独立に通電して発熱させて前記熱可塑性素材の温度を制御すること、
    を特徴とする請求項12記載の光学素子の成形方法。
  14. 加熱された熱可塑性素材を加圧して光学素子とする光学素子の製造装置において、
    型本体部と、前記型本体部に一体に配置され、前記熱可塑性素材を加熱するヒータと、を含む成形用型と、
    前記ヒータに電力を供給する給電手段と、
    を具備し、
    前記成形用型の成形面の中心部分から前記型本体部の中心軸方向に最も離れた前記ヒータ部分と前記成形面の中心部分との距離をL1とし、前記本体部の外径をL2としたとき、
    L1<L2
    に設定すること
    を特徴とする光学素子の製造装置。
  15. 前記ヒータは、導電膜ヒータであること、
    を特徴とする請求項14記載の光学素子の製造装置。
  16. 前記成形用型が嵌合するスリーブと、
    前記給電手段を備え、前記成形用型及び前記スリーブを含む成形ブロックを挟持する一対のプレートと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項14または15記載の光学素子の製造装置。
  17. 前記導電膜ヒータは、前記型本体部の中心軸を中心として同心円状に複数の円弧形状をなして成膜され、
    前記一対のプレートに接する前記成形用型の外端面には、個々の前記導電膜ヒータに個別に接続された電極を備え、
    前記給電手段は、前記電極に対応した位置に配置された複数の給電電極と、前記給電電極に電力を供給する電源と、を具備すること、
    を特徴とする請求項16記載の光学素子の製造装置。
  18. 前記成形用型の前記外端面に設けられた前記電極に対応した位置における前記給電電極
    の配置の有無により、前記成形用型の複数の前記導電膜ヒータの一部又は全部に選択的に通電されるようにしたこと、
    を特徴とする請求項17記載の光学素子の製造装置。
  19. 前記給電電極と前記電源との間に配置され、個々の前記給電電極に選択的に電力を供給するセレクタをさらに具備すること、
    を特徴とする請求項17記載の光学素子の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016056078A (ja) * 2014-09-12 2016-04-21 東芝機械株式会社 熱可塑性材料のプレス成形装置

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