JP2005179084A - 誘導加熱成形装置 - Google Patents

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Masatoshi Teranishi
正俊 寺西
Masakazu Hiraishi
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Abstract

【課題】 本発明は、光学素子製品の加熱成形のために光学素子材料に接触する金型の成形部を重点的に加熱することによって、より迅速且つ効率的な温度制御が可能な誘導加熱成形装置を提供する。
【解決手段】 対向して用いられる上型と下型を共通の誘導コイルにより発生される磁束を用いて誘導加熱して光学素子材料を溶融加圧成形する誘導加熱成形装置において、第1の加熱器は磁束によって上型を第1の熱量で加熱し、第2の加熱器は前記磁束によって下型を第1の熱量より大きな第2の熱量で加熱する。
【選択図】 図1


Description

本発明は、誘導電流によって加熱されて光学素子材料を所望の形状に成形させる金型に関し、さらに当該金型を用いた誘導加熱成形装置に関する。
レンズ等の光学素子製品は、加熱された上下の金型で光学素子材料を熱軟化させると共に加圧して所望の形状に成形して完成される。つまり、金型より伝えられる熱により軟化した光学素子材料を金型で加圧変形させて所望の形状に成形する。そして、成形後の冷却過程を経て、上下の金型から光学素子製品が取り出される。このように、光学素子製品の製造には、光学素子材料の加熱過程および加圧過程において、金型が深く関与している。なお、金型の加熱には、主に抵抗加熱方式(特許文献1、特許文献2)と誘導加熱方式(特許文献3)とが利用されている。
以下に先ず、図19を参照して、従来の抵抗加熱方式による加圧成形について説明する。そして後に、図20を参照して従来の誘導加熱方式による加圧成形について説明する。
図19に示すように、抵抗加熱方式による加圧成形においては、それぞれ抵抗ヒータRH1およびRH2が設けられている上型D1と下型D2から成る一対の金型セットDが用いられる。上型D1には、上抵抗ヒータRH1の反対側に、光学素子材料OMに接触して、上抵抗ヒータRH1で発生された熱と共に加圧機(図示せず)から加えられた圧力を伝える上成形面FS1が設けられている。同様に、下型D2にも、光学素子材料OMに接触して、下抵抗ヒータRH2で発生された熱と共に、加圧機から加えられた圧力を伝える下成形面FS2が設けられている。上抵抗ヒータRH1および下抵抗ヒータRH2を纏めて抵抗ヒータRHと総称し、上成形面FS1および下成形面FS2を纏めて成形面FSと総称する。なお、視認性を確保するために、図19では、金型セットDを初めとして各構成要素が誇張して表現されている。また、成形面FSを示すために金型セットDはその断面が模式的に示されている。
上述のように構成された上型D1と下型D2の上成形面FS1と下成形面FS2の間に充填された光学素子材料OMに対して、上抵抗ヒータRH1で発生された熱は上型D1のほぼ全体を伝導して上成形面FS1を介して伝えられる。同様に下抵抗ヒータRH2で発生された熱は下型D2のほぼ全体を伝導して下成形面FS2を介して伝えられる。そして、抵抗ヒータRHで発生した熱によって軟化した光学素子材料OMに対して、上型D1と下型D2が互いに接近する動作によって圧力が加えられて、光学素子材料OMが所望の形状の光学素子製品として成形される。
成形された光学素子製品は、上型D1と下型D2を互いに遠ざかるように移動させて、金型セットDから取り外される。光学素子材料OMは金型セットDに比べて熱伝導係数と熱膨張率は共に小さい、冷却時には光学素子製品は金型セットDに固着し易い。しかしながら、取り外し時の安全を考えれば、光学素子製品が上型D1にではなく、下型D2に固着するほうが望ましい。つまり、光学素子製品が上型D1に固着して、上型D1と共に上昇した状態にあると、ユーザの意図しない瞬間に、上型D1から外れ落ちて破損してしまうことがある。このような事態を防ぐには、上型D1を上方に移動させる際には、光学素子材料を下型D2に残すようにする。
光学素子製品が下型D2に残るようにするためには、光学素子材料OMより金型のほうが膨張率が大きいことを利用して、上成形面FS1を下成形面FS2より高温になるように温度制御する。金型セットDの加熱は、抵抗ヒータRHを用いているので、温度制御は容易に行える。
図20に示すように、従来の誘導加熱方式においても、抵抗加熱方式と同様に、それぞれ上成形面FS1を有する上型4aと、下成形面FS2を有する下型4bから成る一対の金型セット4が用いられる。上型4aは上誘導コイル3aで誘導加熱され、下型4bは下誘導コイル3bによって誘導加熱される。そして、誘導加熱された金型セット4の熱が成形面FSを介して光学素子材料OM(図示せず)を加熱する。つまり、光学素子材料OMの温度は、金型セット4の温度を制御することで実現される。このために、金型セット4は、誘導加熱により加熱され易いように、磁性体材料が用いられる。
金型セット4を誘導加熱するための電力を供給するインバータ11、上変圧器2a、下変圧器2b、光学素子材料OMを金型セット4内に挿入したり、加圧成形したり、成形後に取り出したりするため、上型4aおよび下型4bのそれぞれを移動させる上型アクチュエータ6aおよび下型アクチュエータ6bが備えられる。上変圧器2aおよび下変圧器2bは、それぞれ、インバータ11から供給される加熱電力を上誘導コイル3aおよび下誘導コイル3bに適した電圧に変換する。さらに、所望の成形プロセスを実現させるために、金型セット4の温度を制御する温度制御装置8とから成る。
そして光学素子製品を金型セット4から取り外す際の離型性を向上させるためには、上型4aおよび下型4bと、光学素子製品との熱膨張をコントロールする必要がある。そして、上型4aおよび下型4bの温度を独立に温度調整する必要がある。しかしながら、磁束が同一軸上にある上誘導コイル3aおよび下誘導コイル3bのそれぞれで、上型4aおよび下型4bを別々に加熱する構成において、2つの誘導コイル(3a、3b)のそれぞれにインバータ回路(駆動回路)を別々に配備する場合は、一方が駆動、他方が未駆動時、誘導結合により未駆動回路に誘導起電力がかかる。そして、この誘導起電力は、消費できずに、駆動素子などの回路素子を破損させてしまうことがある。このような事態を防止する手段として、2つの誘導コイル(3a、3b)と1つのインバータ11の間に上切替スイッチ7aおよび下切替スイッチ7bを用いて切り替えて接続している。
特開2002−154831号公報 特開2002−47016号公報 特開平4−58491号公報
図19に示すように、上述の抵抗加熱方式においては、抵抗ヒータRHは、金型セットDの成形面FSの反対側に設置される。よって、光学素子材料OMの加熱に使用されるべき抵抗ヒータRHの熱は、最初に、金型セットDの成形面FSより最遠部の加熱に使用される。そして、抵抗ヒータRHの熱が金型セットの端部から順番に成形面FS側に伝導して、成形面FSが所定の温度に到達した時点以降に、初めて光学素子材料OMを所望の温度まで昇温させることができる。
つまり、本来の加熱対象である光学素子材料OMのみの昇温に必要とされる熱量の数倍の熱量が金型セットDの昇温に使用される。光学素子材料OMの加熱に要するエネルギーの消費効率が悪い。また、金型セットDの熱容量は、光学素子材料OMの熱容量に比べて遙かに大きいために、光学素子材料OMを昇温或いは降温させる前に金型セットDを昇温或いは降温させる必要がある。結果、抵抗ヒータRHを制御して、光学素子材料OMの温度管理をしようとしても、抵抗ヒータRHと光学素子材料OMの温度変化の間に生じる大幅な時間差によって、光学素子材料OMの精密な温度制御は非常に困難である。このような、抵抗ヒータRHによる発熱の変化と金型セットD、特に成形面FS部における温度変化の時間差を金型の熱ヒステリシスと呼ぶ。
図19に例示した抵抗加熱方式においても、抵抗ヒータRHと成形面FSの距離を小さくすれば、抵抗ヒータRHと光学素子材料OMの温度変化の時間差を小さくできると共に、エネルギー消費効率も改善できることは明らかである。しかしながら、成形面FSの均質な昇温の観点からは、抵抗ヒータRHは成形面FSの反対側に取り付けることが望ましい。また、抵抗ヒータRHで成形面FSを形成すれば時間差はほぼ解消できる。しかしながら、消耗し易い電熱線等の抵抗ヒータRHを直接光学素子材料OMに接触させることになり、光学素子材料OMの不均等加熱や異物混入或いは変質による品質劣化を招く。また、光学素子材料OMと直に接触することによって、抵抗ヒータRHの寿命も短くなる。さらに、抵抗ヒータRHを成形面FSと一体的に構成することにより、抵抗ヒータRHの交換も複雑になる。
一方、図20に例示した誘導加熱方式(特許文献3)においては、上誘導コイル3aおよび上誘導コイル3bはそれぞれ上型4aおよび下型4bの外周に巻回されている。このため、成形面FSを直接的に加熱することはできずに、金型セット4全体の加熱の結果として、成形面FSも加熱される。つまり、上述の抵抗加熱方式の場合と同様に、金型の熱ヒステリシスは大きい。よって、金型セット4全体の加熱に要する無駄な消費エネルギーが大きく、迅速な温度制御はできない。
よって、本発明は、光学素子製品の加熱成形のために光学素子材料に接触する金型の成形部を重点的に加熱することによって、より迅速且つ効率的な温度制御が可能な誘導加熱成形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は互いに対向して用いられる第1の成形型と第2の成形型を共通の誘導コイルにより発生される磁束を用いて誘導加熱し、当該第1および第2の成形型内に挿入された光学素子材料を溶融加圧成形する誘導加熱成形装置であって、前記磁束によって、前記第1の成形型を第1の熱量で加熱する第1の加熱手段と、前記磁束によって、前記第2の成形型を前記第1の熱量より小さな第2の熱量で加熱する第2の加熱手段とを備える。
上述にように、本発明にかかる誘導加熱装置においては、加熱成形装置により加えられる熱と圧力を光学素子材料に直接接触して伝達する金型の成形部分若しくはその近傍を特定的に加熱することによって、光学素子材料を効率良く加熱できると共に、迅速な温度制御ができる。
(第1の実施形態)
以下に、図1、図2、図3、図4,図5、図6、図7、図8、図9及び図10を参照して、第1の実施形態にかかる誘導加熱成形装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる誘導加熱成形装置FAは、光学素子材料OM(図示せず)を所望の形状に成形させるための上型14aおよび下型14bから成る一対の金型セット14を備える。上型14aおよび下型14bの周囲には、それぞれ上誘導コイル13aおよび下誘導コイル13bが配されている。なお、上誘導コイル13aと下誘導コイル13bは直列に接続されて、誘導コイルユニット13を構成している。
誘導電力を供給するインバータ11が変圧器12を介して誘導コイルユニット13に接続されている。さらに光学素子材料OM(図示せず)を金型セット14内に挿入したり、加圧成形したり、成形後に取り出したりするため、上型14aおよび下型14bのそれぞれを上下方向に移動させる上型アクチュエータ19aおよび下型アクチュエータ19bから成るアクチュエータユニット19が備えられる。さらに、所望の成形プロセスを実現させるために、インバータ11、金型セット14およびアクチュエータユニット19の動作を制御する制御器17が設けられている。
なお、上型14aには、従来の成形装置における上成形面FS1の代わりに、上発熱成形体FH1が設けられている。上発熱成形体FH1は上誘導コイル13aより供給される誘導電流により直接発熱する。この熱は、上発熱成形体FH1に接触している光学素子材料OMに直接伝えられる。同様に、下誘導コイル13bには、従来の下成形面FS2の代わりに下発熱成形体FH2が設けられている。なお、上発熱成形体FH1と下発熱成形体FH2とで、金型セット14における発熱成形体FHを構成している。
このように構成することによって、本発明においては、金型セット14の全体が抵抗加熱或いは誘導加熱されるのでなく、光学素子材料OMと接触して直接熱を伝える発熱成形体FHが誘導加熱される。そのために、従来の金型セット14が磁性体で構成されるのとは違い、金型セット14はセラミックなどの誘導電流を受けて発熱しない非磁性体の材質で構成される。
一方、発熱成形体FHは、誘導コイルユニット13から供給される誘導電流を効率よく熱に変換できる磁性体の材質の内で、光学素子材料OMの加熱温度との関係で適切なものが選ばれる。例えば、光学素子材料OMがガラス素材の場合、600℃に加熱するため、誘導加熱しやすい磁性材料、例えばステンレスSUS410やNiAlが発熱成形体FHの材質として選ばれる。このように適切に選ばれた磁性体材質が、セラミックなどで構成された金型セット14における、従来の金型セットの成形面FSに相当する部分に溶射されて所定の厚さLを有する発熱成形体FHが構成される。
図2および図3に示すように、発熱成形体FHの厚みLは、本例においては、上発熱成形体FH1ではL1=1mm、下発熱成形体FH2ではL2=2mmと設定されている。発熱成形体FHの厚みLの決定方法については、後ほど図4、図5、図6及び図7を参照して詳述する。
本発明においては、金型の特定部分、つまり光学素子材料OMと接触する成形面FSに相当する部分を選択的に表層的に加熱することによって、金型を熱ヒステリシス及び消費エネルギーを低減すると共に、成形部の迅速な温度制御を可能としている。
本誘導加熱成形装置FAにおける、光学素子製品の製造方法について簡単に説明する。光学素子材料OMを金型セット14に充填する時には、アクチュエータユニット19を駆動させて、上型14aと下型14bとを離間させて、その間に光学素子材料OMを充填できる程度の空間を生じさせる。この離間間隔は、例えば直径10mm程度のガラス球を成形する場合には、上型14aと下型14bとの最短距離が30mm程度でよい。
光学素子材料OMとしてガラス球を充填した後に、上型14aと下型14bとの間隔を狭めていく。間隔を狭めるときは、上型14a、下型14bのいずれか一方の位置を固定させた状態で、他方の型をガラス球と当接するまで移動させ、一定の荷重、例えば20kgf程度を金型セット14にかけた状態で、発熱成形体FHを誘導加熱する。発熱成形体FHで発生した熱により、ガラス球(光学素子材料OM)が加熱軟化される。
加熱軟化、つまり溶融されて弾性を持った光学素子材料OMは、アクチュエータユニット19により加えられる350kgf程度での圧力によって加圧変形される。さらに、光学素子材料OMに光学素子製品の形状を転写させるため、金型セット14を550℃程度まで降下させると同時に、成形のための押圧荷重を50kgf程度に減圧させて、光学素子製品として成形する。
このような一連の成形プロセスにより成形された光学素子製品は、アクチュエータユニット19によって、上型14aと下型14bとの間隔を広げ、金型セット14から取り出される。この際に、一定の手順で離型させることで作業性を高め、金型から成型品を安全に取り出すため、光学素子製品を先ず上型14aから離型させ、次に下型14bを離型させる。このためには、例えば下発熱成形体FH2の温度T2(以降、「下型温度T2」と称する)を、上発熱成形体FH1の温度T1(以降、「上型温度T1」と称する)より100℃程度高く維持した状態で、発熱成形体FHの温度降下を制御する。
例えば、上型温度T1が450℃、下型温度T2が550℃になった時点で、アクチュエータ20aを駆動して上型14aを上側に移動させて、光学素子材料を離型させる。上型14aを離型させたのち、下型温度T2を常温近傍まで下降させ、下型14bから光学素子製品を取り出す。
次に、図4〜図7を参照して、発熱成形体FHの厚さLの決定方法について説明する。なお、本発明において金型セット14は上型14aおよび下型14bを代表し、誘導コイルユニット13は上誘導コイル13aおよび下誘導コイル13bを代表し、発熱成形体FHは上発熱成形体FH1および下発熱成形体FH2を代表している。また、以下の式において、L1およびL2は上発熱成形体FH1および下発熱成形体FH2のそれぞれの取り得る値を示している。
金型セット14の周囲に設けられた、誘導コイルユニット13に高周波電力、例えば23kHzが投入されたとき、誘導コイル13の内部に発生した磁束が、発熱成形体FHを貫通することで発熱成形体FHの内部に誘導電流が流れる。そして、発熱成形体FHを構成する誘導発熱材料の電気抵抗によるジュール熱によって誘導加熱される。なお、発熱成形体FHの表面からの深さxの位置での誘導電流の密度I(x)は、次式(1)によって与えられる。
(数1)
I(x)=I0×e^(−x)・・・・(1)
図4において、横軸は深さ(x)を示し、縦軸は深さ(x)における誘導電流密度I(x)を示している。さらに、表面から所定の深さ(x)までの誘導発熱材料によって誘導発熱される発熱量Q(x)は、電流密度I(x)の深さxによる積分値として求めることができる。すなわち、発熱量(x)は、図4に示す曲線の面積(x=0からxまで)として求められる。
図5に、浸透深さ(x)と発熱量(x)との関係を示す。加熱材料に生じる誘導電流密度I(x)は、深さxが増加すればするほど減少し、ある一定の深さδを超えるとほぼゼロに近づき、それ以上は深さxを増しても誘導電流が流れなくなる。この現象は表皮効果として知られている。表皮効果の結果として、深さδを超えると発熱量Q(x)は表面からの深さxに関わらず、一定となる。この一定となる時の表面からの深さは浸透深さδと定義されており、次式(2)により表される。なお、μは比透磁率、ρは抵抗率、fはインバータ周波数であり、そして、Kは定数である。
(数2)
δ=K×√(ρ/μf)・・・・(2)
本発明における発熱成形体FHの厚みLは、この浸透深さδに基づいて決定される。つまり、発熱成形体FHの溶射厚みLによって上下の金型を温度制御しているため、この厚みLを決定することは重要である。上下型の温度制御のためにL1<δ、L1<L2の関係にあることが必要である。さらにL2<δであることが好ましい。なぜならば、δ<L2となるように必要以上に厚く溶射しても、発熱量Qは一定であるため、発熱成形体FHとして無駄に体積が大きくなり、エネルギー効率あるいは温度調節の効率の悪化を招く。
つまり、図5に示すように、厚みL1の発熱量Q(L1)と、厚みL2の発熱量Q(L2)との差の結果、上発熱成形体FH1と下発熱成形体FH2とにおいて温度差が生じる。よって、L1<L2の関係にあればよい。図6に示す曲線(x=0からx=L1まで)の積分値、すなわち図6の斜線部分の面積が、発熱量Q(L1)である。また、図7に示す曲線(x=0からx=L2まで)の積分値、すなわち図7の斜線部分の面積が、発熱量Q(L2)である。
例えば、発熱成形体FHの材質がSUS410であるときは、δ=0.8mmである。なお、浸透深さδは、材質によって異なる。この時、例えば溶射厚みをL1=0.6mmおよびL2=1.0mmとすれば、23KHzで800Wの交流電力投入時の上発熱成形体FH1の発熱量Q(L1)と下発熱成形体FH2の発熱量Q(L2)との差の結果、上発熱成形体FH1での上型温度T1と下発熱成形体FH2での下型温度T2の温度差は約100℃程度となることが知られている。
次に、金型セット14の温度制御について簡単に説明する。上型温度T1は、上型14a内に挿入された上型温度計測器18a(図示せず)によって、上発熱成形体FH1の温度が測定されて実測上型温度T1mとして制御器17に出力される。同様に、下型温度T2は、下型14b内に挿入された下型温度計測器18b(図示せず)によって、下発熱成形体FH2の温度が測定されて実測下型温度T2mとして制御器17に出力される。制御器17は、制御の目標として予め設定された目標上型温度T1tおよび目標下型温度T2tと、実測上型温度T1mおよび実測下型温度T2mに基づいて、一般的に知られるPID制御方式を用いて必要とされる操作量Voを算出する。算出された操作量Voをインバータ出力電力調節用の外部入力手段に入力することで、目標温度への温度追従制御を実現する。上型温度T1を下型温度T2と比べて(相対的に)低くし、取り外し時に光学素子製品を下型14b側に固着させるほうが望ましいことは上述の通りである。成形材料の溶融時は上型温度T1で温度制御し、相対的に温度が低い方の温度を溶融温度以上に制御すれば、温度が高い方の下型14bも溶融している。また、温度を降下させ型形状を材料に転写させる場合は、相対的に温度が高い下型温度T2で温度制御する。
図1の金型セット14の発熱成形体FHは、光学素子材料OMと接触する成形面FSに設けられている。しかし、上発熱成形体FH1および下発熱成形体FH2は、図8に金型セットの断面図に示すように、金型セット14’の上型14a’および下型14b’のそれぞれの外周側面に設けても良い。同図においては、光学素子材料OMと接触する成形面FS’はセラミックなどで構成された金型であるため、光学素子材料OMに発熱成形体FH’からの不純物が混入することはない。なお、図9および図10に、図8に示した上型14a’および下型14b’をそれぞれ上成形面FS1’および下成形面FS2’から見た斜視図を示す。
上述のように、本発明の第1の実施形態にかかる誘導加熱成形装置FAにおいては、金型セット14の成形面FSに磁性体を溶射して生成する発熱成形体FHを設けている。そして、この磁性体の溶射厚みLを浸透深さδを基準に適宜設定することで、誘導コイルによって供給される誘導電流の利用効率を上型14aと下型14bとの間で異なるように設定する。結果、上型14aと下型14bの間で温度差をつけることが可能となる。また、インバータの負荷回路の共振点を外れずに、一定の周波数で加熱でき高効率運転ができる。
上述のように、第1の実施形態にかかる誘導加熱成形装置FAにおいては、発熱成形体FHの溶射厚みLを適宜設定することによって、上型14aおよび下型14bに供給される誘導電流の受容量を変化されることで利用効率を異なるように構成している。結果、上型14aと下型14bとの温度制御を可能としている。しかしながら、発熱成形体FHの溶射厚みL以外にも、上型と下型での誘導コイルの利用効率を変化させる方法について以下に例示する。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、誘導コイルから供給された磁束を受けて発生する渦電流の発生を抑制することによって、誘導電流の受容量を変化させるものである。具体的には、図11に示すように本発明における金型セット14_1においては、上型14a_1の成形面FH2_1と反対側の面が格子形状の凸凹となるような凹凸部G1が構成されている。これは、誘導コイルユニット13により発生する磁束により発生する渦電流の発生を妨害することによって、下型14b_1での発熱量が上型14a_1での発熱量より大きくなるように構成したものである。つまり、渦電流は金型の表面を同心円状に流れる。この渦電流により、ジュール熱が発生し、金型の温度は上昇する。離型の際、成型品が落下するのを防止するため、上型の温度より下型の温度の方が高く制御するには、上型に発生する渦電流を減少させる必要である。
この目的のためには、下型14b_1の成形面と反対側の面は平滑面であるのに対し、上型14a_1の成形面と反対側の面には、図11、図12、図13,及び図14に示すような渦電流を遮る形状が施されている。例えば、上型の表面に図12に示すような切り抜きの入ったドーナツ形状である切り抜き部G2を設けることにより、円心円状に流れる渦電流を遮断することができる。また、上型の表面に図13や図14に示すような格子形状の凹凸部G1a、G1bを施すことにより、表面積が小片部分に分割され連続平面が少ないため、渦電流をより抑制することができる。これらの形状にすることにより金型を温度制御することができる。
ドーナツ形状の切り抜き部G2の溝の深さ及び格子形状の微小な凹凸部G1の凹凸刻み深さは、浸透深さδより大きいことが望ましい。何故なら、誘導電流は浸透深さ以上には殆ど流れないため、浸透深さ以上に深い溝が形成されていると、一つの磁束に直交する同心円状に流れる誘導電流が微小単位で区切られた部分以上に広がらず、渦電流が抑制され、発熱量が減るため、上下の金型に温度差を付けることができるためである。
上述のように、磁束貫通により発生する誘導電流である渦電流は、磁束に垂直な面内に同心円状に流れるため、磁束に垂直な表面の形状に凹凸部G1あるいは切り抜き部G2を設けることで相対的に表面積が小さくなり渦電流の発生量が小さくなることを活用し、温度を制御したい方の型を所望の温度にした状態で、他方の型との温度差をつけることが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、誘導コイルで発生した誘導電流が下型14bに到達する量を制限することによって、上型14aと下型14bとの間で発熱量に差を設けている。つまり、誘導コイルと上型14bとの間に磁束を遮る遮蔽板21を挿入する。なお、遮蔽板21は、アクチュエータ20によってその位置が変えられることによって、磁束の遮蔽量を調整できるように構成されている。また、遮蔽板21の材料としては、銅、真ちゅうなどの非磁性体を用いることができる。
このように、本実施形態においては、温度を相対的に下げたい側の型と誘導コイルの間に、磁束を遮断する遮蔽材21を挿入することにより加熱材料を貫通する磁束量を低減して、加熱体の発熱量を低下させ、さらに温度を下げることが可能である。
(第4の実施形態)
上述の第1の実施形態、第2の実施形態、および第3の実施形態においては、誘導コイルユニット13から供給される磁束に対する受容量を異なるように設定していた。しかしながら、本実施形態においては、磁束に対する受容量を変化させるのではなく、発熱部を金型セット14の外部に設け、さらにこの外部の発熱部から発生する輻射熱として成形面FS部に焦点を結ばせて加熱する方法である。焦点の結ばせ方を所望に設定することによって、金型セット14の任意部分を重点的に加熱できる。
具体的には、図16に示すように、反射面は円弧状の断面を有する誘導加熱材22_1によって、誘導コイルユニット13から供給される磁束が熱に変換される。そして、円弧状のしている誘導加熱材22_1の表面から放射される輻射熱が金型セット14の成形面FS上で焦点が結ばれる。
また、図17における誘導加熱材22_2は、下型14bの全体を覆うように、内部が中空の直方体形状に構成されている。金型セット14の成形面FSに対して、誘導加熱材22_2の内表面から輻射熱が放射される。
上述のように、温度を相対的に上げたい側の下型と誘導コイルの間に、磁性体を挿入することにより、加熱体の発熱量を減らすことなく、挿入された磁性体の発熱による輻射熱で間接的に金型の温度を上げることを活用し、温度を制御したい方の型を所望の温度に温度コントロールした状態で、他方の型との温度差をつけることが可能となる。
結果、光学素子材料OMの加熱成形時に上型と下型における温度を個別に制御できる。特に、成型品を金型から取り外す際に、成型品の落下破損を防止するために、この温度制御が重要となる。以下に、図18を参照して、本発明にかかる誘導加熱成形方法について具体的に説明する。
図18に、加熱成形して光学製品を作製する光学素子材料OMの熱成形プロセスを示す。同図において、縦軸Tは金型セット14の温度を示し、縦軸dは光学素子材料OMと金型セット14の成形面FSとの離間距離を示し、横軸tは成形プロセスにおける各時刻を示す。さらに、実線Laは上型温度T1を示し、二点鎖線Lbは下型温度T2を示し、実線Lgは加熱距離dを示している。なお、加熱距離dは、現実には上型14aの上成形面FS1と光学素子材料OMとの上面との間隔に相当する。
図18に示すように、光学製品は、溶融ステップS1、成形ステップS2、転写ステップS3、上型離型ステップS4、上下型分離ステップS5、ひずみ除去ステップS6、下型離型ステップS7、取り出しステップS8の8つのステップを経て完成される。なお、溶融ステップS1に先だって、光学素子材料OMは金型セット14の内部に以下の要領にて載置される。先ず、上型アクチュエータ19aおよび下型アクチュエータ19bによって上型14aと下型14bとの間隔を光学素子材料OMが挿入できる程度に広げておく。この間隔は、例えば直径10mm程度のガラス球(光学製品)を成形する場合は30mm程度でよく、作製する光学製品の大きさに応じて適宜決めることができる。この場合、上成形面FS1と下成形面FS2の曲率にもよるが、加熱距離dは20mm(30−10mm)以上である。
次に光学素子材料OMが上型14aと下型14bに間に挿入される。この場合は、光学素子材料OMは上型14aの上成形面FS1とは接触しておらず、また下型14bに下成形面FS2上に部分接触状態で載置される。
溶融ステップS1において、光学素子材料OMが挿入された上型14a及び下型14bがそれぞれ580℃、560℃程度に個別に誘導加熱される。上述のように、光学素子材料OMは上型14aの上成形面FS1とは非接触であり、下型14bの下成形面FS2とは部分接触である。よって、上型14aの熱は輻射によって光学素子材料OMに供給され、下型14bの熱は点接触部分からの直接伝導と共に輻射によって供給される。このように、光学素子材料OMは主に金型セット14からの輻射熱(一部伝導熱)によって全体が同時に加熱されるので、光学素子材料OMが上成形面FS1および下成形面FS2に接触させた状態で、主に金型セット14からの伝導熱(一部輻射熱)によって部分的に加熱される場合に比べて、遙かに均一に加熱される。結果、光学素子材料OMは、部分加熱の際に生じる成分比変動や歪み発生を大幅に低減でき、より均質に熱軟化される。つまり、加熱の最終段階において、光学素子材料OMに熱軟化していない部分が残ってしまう事態を防止できる。より均質な加熱の観点から、光学素子材料OMは下型14bと非接触であることがあることが望ましい事は言うまでもない。しかしながら、現実的には、光接触面積が出来るだけ小さく、点接触に近づくような形状に光学素子材料OMを準備すればよい。
成形ステップS2においては、下型温度T2(Lb)を維持した状態で、上型アクチュエータ19aおよび下型アクチュエータ19bによって上型14aおよび下型14bは互いに接近させられる。結果、熱軟化された光学素子材料OMが上成形面FS1および下成形面FS2に倣って変形して、光学製品の形状に成形される。この際、光学素子材料OMには大凡350kgfの圧力(押圧荷重)が印可される。また、上型14aおよび下型14bの双方、或いはいずれか一方を移動させても良いが、好ましくは成型時の光学素子材料OMの安定のためには下型14bの位置を固定した状態で上型14aを移動させる。
転写ステップS3においては、上型温度T1及び下型温度T2が560℃から550℃程度まで降下される共に、押圧荷重を350kgf程度から50kgf程度まで減少される。型温度(T1、T2)の降下につれて、光学素子材料OMの温度も降下することにより、熱軟化状態から通常の剛体状態に変化する。よって、押圧荷重の変化にも関わらず、加熱距離dは概ね変化しない。結果、光学素子材料OMが上成形面FS1および下成形面FS2の形状に完全に変形されて、光学製品の外形状が転写される。なお、本ステップにおいて得られる光学素子材料OMを、以降必要に応じて転写成型品OMと呼ぶ。
また、加熱距離dにおいて上型14a、および下型14bを加熱する際にガラス球を均一に、かつ、高速に加熱するため、型温度上昇よりガラス球温度上昇が遅れることが想定される。そこで、上下型それぞれにおいて、PID制御方式などを用いて、目標温度よりもオーパーシュートして制御することも可能である。さらに、型とガラス球との距離に応じて、型温度を変化させ、ガラス球の温度を一定に保つように制御することも可能である。
上型離型ステップS4においては、下型温度T2を550℃が維持されて状態で上型温度T1が550℃から450℃まで降下される。金型と光学素子材料OMとの熱膨張率の違いにより、転写成型品OMは上型14aから離反する。
上下型分離ステップS5においては、上型温度T1が450℃、下型温度T2が550℃に制御した状態で、転写成型品を取り出せるように上型14aと下型14bとの間隔が広げられる。
ひずみ除去ステップS6においては、上下型の間隔(d)および上下型の温度(T1、T2)を一定に保った状態で一定期間(t5〜t6)保持される。結果、成形ステップS2および転写ステップS3において、転写成型品OMの内部に生じた歪みが除去される。
下型離型ステップS7においては、下型温度T2を550℃から常温RT近傍まで下降される。金型セット14と光学素子材料OMとの熱膨張率の違いにより、転写成型品OMは下型14bから離反される。その際、上型温度T1も450℃から常温RT近傍まで下降される。結果、光学製品が完成する。
取り出しステップS8においては、光学製品が上型14aおよび下型14bのいずれにも固着することなく、下成形面FS2上に安定的に載置された状態にある。よって、金型から成型品を取り出すことができる。
上述の温度制御は以下の如く実現される。つまり、上金型温度T1および下金型温度T2は、それぞれに挿入された上型温度計測手段18aおよび下型温度計測手段18bによって測定されて、制御装置17に入力される。制御装置17にて設定された目標となる温度と上型14aおよび下型14bの測定温度をもとに、一般的に知られるPID制御方式などの制御方式を用いて所望の操作量を算出し、算出された操作量をインバータ出力電力調整用の外部入力手段に入力することで、目標温度への温度追従制御を上下個別に実現している。
光学素子材料を誘導加熱により加熱成形するに際し、成形部を重点的に誘導加熱することによって、より迅速且つ効率的な温度制御が可能な誘導加熱成形装置等として有用である。
本発明の第1の実施例の誘導加熱成形装置の構成ブロック図 図1に示した上型の上発熱成形体の形態を示す斜視図 図1に示した下型の下発熱成形体の形態を示す斜視図 図1に示した発熱成形体の溶射厚みと誘導電流密度の関係を示す図 図1に示した発熱成形体における、溶射厚みと発熱量の関係を示す図 図1に示した上発熱成形体における発熱量を示す図 図1に示した下発熱成形体における発熱量を示す図 図1に示した金型セットの発熱成形体とは異なる形態を示す断面図 図8に示した上型の上発熱成形体の形態を示す斜視図 図8に示した下型の下発熱成形体の形態を示す斜視図 本発明の第2の実施形態にかかる金型セットの説明図 図11に示した金型セットにおける渦電流抑制方法の説明図 図12に示したのとは異なる、金型セットにおける渦電流抑制方法の説明図 図12および図13に示したのとは異なる、金型セットにおける渦電流抑制方法の説明図 本発明の第3の実施形態にかかる金型セットと磁束遮蔽板との説明図 本発明の第4の実施形態にかかる金型セットと誘導加熱材との説明図 図16に示したのとは異なる誘導加熱材の説明図 誘導加熱成形工程を示すタイムチャート 従来の抵抗加熱方式による加圧成形の説明図 従来の誘導加熱方式による加圧成形の説明図
符号の説明
FA 誘導加熱成形装置
11 インバータ
12 絶縁トランス
13 誘導コイルユニット
13a 上誘導コイル
13b 下誘導コイル
14、14’、14_1 金型セット
14a、14a’、14a_1 上型
14b、14b’、14b_1 下型
FH、FH’ 発熱成形体
FH1、FH1’ 上発熱成形体
FH2、FH2’ 下発熱成形体
FS、FS’ 成形面
FS1、FS1’ 上成形面
FS2、FS2’ 下成形面
16 コンデンサ
17 制御器
19 アクチュエータユニット
19a 上型アクチュエータ
19b 下型アクチュエータ
20 アクチュエータ
21 遮蔽板
22_1、22_2 誘導加熱材

Claims (11)

  1. 互いに対向して用いられる第1の成形型と第2の成形型を共通の誘導コイルにより発生される磁束を用いて誘導加熱し、当該第1および第2の成形型内に挿入された光学素子材料を溶融加圧成形する誘導加熱成形装置であって、
    前記磁束によって、前記第1の成形型を第1の熱量で加熱する第1の加熱手段と、
    前記磁束によって、前記第2の成形型を前記第1の熱量より大きな第2の熱量で加熱する第2の加熱手段とを備える誘導加熱成形装置。
  2. 前記第1の加熱手段は、前記第1の成形型において前記光学素子材料に接触する面に磁性体を第1の厚さに溶射または接続固定して生成される第1の発熱成形体であり、
    前記第2の加熱手段は、前記第2の成形型において前記光学素子材料に接触する面に磁性体を、前記第1の厚さより厚い第2の厚さに溶射または接続固定して生成される第2の発熱成形体である、請求項1に記載の誘導加熱成形装置。
  3. 前記第2の加熱手段は、前記第2の成形型と前記誘導コイルとの間に当該第1の成形型を覆うように設けられる磁性体で構成される誘導加熱手段であって、前記磁束を受けて熱を発生する外面部と、当該発生した熱を当該第2の成形型における前記光学材料の接触面に対して輻射する内面部を有する、請求項1に記載の誘導加熱成形装置。
  4. 前記第2の加熱手段は、前記誘導加熱手段を動かせて、前記接触面に輻射される熱量を変化させる輻射熱量調整手段を備える請求項3に記載の誘導加熱成形装置。
  5. 前記第1の加熱手段は、前記第1の成形型の表面に設けられる凹凸部である請求項1に記載の誘導加熱成形装置。
  6. 前記第1の加熱手段は、前記第1の成形型と前記誘導コイルとの間に当該第1の成形型に前記磁束を遮るように設けられる非磁性体で構成される遮蔽板である請求項1に記載の誘導加熱成形装置。
  7. 前記第1の加熱手段は、前記遮蔽板を動かせて、磁束を遮る量を変化させる磁束遮蔽量調整手段を備える請求項6に記載の誘導加熱成形装置。
  8. 請求項6および7の何れかに記載の誘導加熱成形装置において、光学素子材料を溶融加圧成形する成型方法であって、
    前記第1の成形型を第1の温度に第1の所定時間だけ加熱する第1の加熱ステップと、
    前記光学素子材料を載置した状態で前記第2の成形型を、前記第1の温度より低い第2の温度に前記第1の所定時間だけ加熱する第2の加熱ステップとを備え、前記光学素子材料は熱軟化していることを特徴とする成形方法。
  9. 前記第1および第2の加熱ステップの後に、
    前記第1の成形型を第2の所定時間にわたって、前記第2の温度に降温すると共に第1の圧力で前記光学素子材料に押しつける降温加圧ステップと、
    前記第2の所定時間にわたって、前記第2の成形型を前記第2の温度で保持すると共に前記第1の圧力に抗して前記光学素子材料に押しつける保温加圧ステップとを備え、当該光学素子材料は前記第1の成形型および第2の成形型との接触部の形状に成形されることを特徴とする請求項8に記載の成形方法。
  10. 前記降温加圧ステップおよび保温加圧ステップの後に、
    第3の所定の時間にわたって、前記第1および第2の成形型を前記第2の温度から第3の温度に降温すると共に、前記光学素子材料に押しつける圧力を前記第1の圧力から第2の圧力に減圧する第1の降温減圧ステップとを備え、前記成形された光学素子材料に前記第1および第2の成形型との接触部の形状が転写されることを特徴とする請求項9に記載の成形方法。
  11. 前記第1の降温減圧ステップの後に、
    第4の所定の時間にわたって、前記第1の成形型を第4の温度に降温し、前記光学素子材料に押しつける圧力を前記第2の圧力から第3の圧力に減圧すると共に、前記第2の成形型を前記第2の温度に保持する第2の降温減圧ステップとを備え、前記光学素子材料は前記第1の成形型から分離されることを特徴とする請求項10に記載の成形方法。


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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010150059A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Olympus Corp 光学素子の成形用型、製造方法及び製造装置
WO2011040180A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 コニカミノルタオプト株式会社 成形金型
JP2014524644A (ja) * 2011-08-10 2014-09-22 ロックツール 誘導加熱システム、特には内蔵型ヒーターを備える金型の品質係数を調整する装置

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