JP4222922B2 - ガラスレンズ成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学機器に用いられるガラスレンズの成形加工分野において、誘導加熱により成形されるガラスレンズ成形装置に関するものである。
従来、ガラスレンズ用成形装置は、成形精度を向上させるために、成形型を成形機に固定しながらも、レンズの成形精度を維持するよう工夫しているもの(例えば、特許文献1参照。)と、成形金型を成形機に非固定にして、成形金型が成形機に影響されにくい構造にしているもの(例えば、特許文献2参照。)がある。また、多くの場合、高周波誘導加熱方式によるガラスレンズ成形が行われている(特許文献1、2にも記載。)が、例えば、特許文献3に記載されているものでは、ガラスレンズ面を成形する上下型に対して、これを取り巻く部材(保持部品等)を加熱する構成が採られている。また、特許文献4にも、対向した複数個の上下型をさらに外周から取り巻く部材を加熱してこれをレンズ成形部に伝熱する構成が採られている。さらに、特許文献1では、対向した複数個の上下型の外周にそれぞれ誘導コイルを設置する構成となっている。
特開平6−206732号公報(図2) 特開平5−24868号公報(図4、図6) 特許番号2509305 特開平5−163029号公報
しかしながら、上記型固定式のものは、成形されるレンズ精度が成形機自体の精度に依存するため、高精度に組み立てられた成形機が必要となり、結果としてレンズコストが高くなる問題があった。
また上記型非固定式のものも、成形時の熱が成形機側に移り、成形機に熱歪が生じて成形精度を維持することが難しくなること、ならびに一般にロスの多い加熱構造となるため、昇温、降温に時間がかかり、成形サイクルが長くなること等の問題は解決できていなかった。
そして、誘導加熱による問題としては、特許文献3に示す構成では、ガラスレンズ成形のために対向させた上型、下型ではなく、それを取り巻く外周部材を主に誘導加熱することになる。そのため、温度は、外周部材の方が内部に保持される上下型よりも高くなる。このことから、高精度な同軸度等が要求される上記外周部材と内部の上下型の位置関係が高温下でクリアランスが広がることにより維持困難になる。従って、このような構成では、高い偏芯精度が要求される光学レンズの製造には問題がある。また、所定の温度に設定する必要があるガラスレンズ成形において、上下型を直接加熱せず、外周部材からの熱伝導による加熱であるため、昇温と降温に時間を要し、サイクルタイムが長くなるという問題も生じる。また、特許文献4に示された構成では、前記問題に加え、以下の問題も生じる。すなわち、誘導コイルによる加熱では、電流は被加熱物の表層に流れ、表面から加熱が行われる。そのため、一つの誘導コイル内に複数の上型・下型を配置する型構成では、前述の通り、型の半径方向に温度勾配が生じる。そのため、個々のガラスレンズを成形するための対向した上型、下型については、誘導コイルの内周寄りと外周寄りで温度が異なり、回転対称な工学レンズを得ることが困難になる。同様に、型内の複数個のレンズの特性を同一にすることが困難で、製造工程での歩留まりの悪化が問題となる。この解決に、特許文献1に示す構成が提案されているが、誘導コイルの構成が複雑となり、型構成の制約も多くなることから、実用化が困難である。
本発明は、上記問題を解決し、成形機と成形型との関係ならびに誘導加熱方法の改善等により、昇温速度が速く、高精度なレンズが精度を必要としない成形機で効率よく成形できるガラスレンズ成形装置を提供することを目的とするものである。
本発明におけるガラスレンズ成形装置は、ガラスレンズの光学面を形成するキャビティの一方を有し、上端に成形機の可動部より加圧力を受ける上型、この上型のキャビティの他方を有し、成形機の固定部により支持される下型ならびに上記上下型の周面に近接して、同上下型を上下方向に相対移動可能に保持する胴型とからなるガラスレンズの成形型と、上記成形型に近接して位置し、同成形型の上下型に形成した被加熱部を高周波誘導加熱する加熱手段と、上記加熱手段に近接して位置し、成形型を冷却する冷却手段と、上記成形型のキャビティに近接して設けられ、上記加熱手段ならびに冷却手段を制御するための温度検出手段とを有し、上記成形型の上型は、成形機の可動手段と1つの突起を介して加圧され、上記成形型の下型は、成形機の固定手段と3つの突起を介して支持されることを特徴とする。
また、本発明におけるガラスレンズ成形装置は、ガラスレンズの光学面を形成するキャビティの一方を有し、上端に成形機の可動部より加圧力を受ける上型、この上型のキャビティの他方を有し、成形機の固定部により支持される下型ならびに上記上下型の周面に近接して、同上下型を上下方向に相対移動可能に保持する胴型とからなるガラスレンズの成形型と、上記成形型に近接して位置し、同成形型の被加熱部を高周波誘導加熱する加熱手段と、上記加熱手段に近接して位置し、同加熱手段および成形型を冷却する冷却手段とを有し、上記上型と下型の外周に溝部を設け、この溝部に、上記上型、下型および胴型よりも誘導加熱容易な金属材料を配設したことを特徴とする。
また、本発明におけるガラスレンズ成形装置は、上記上型と下型に形成した溝部の深さが溝部に配設した金属材料の厚みより大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ガラスレンズの成形型が成形機に組み付けられるにあたり、成形型を成形機に固定することなく、成形機の固定部とは、3点の突起を介して成形型を支持しているので、一意的に成形型の姿勢が決まり、ぐらつき等の問題を排除できる。一方、成形機の可動部とは、1点の突起を介して成形型を加圧するようにしているので、成形機の可動部の平行度に影響されること無く加圧することができ、成形機の精度に依存することなく、成形型の精度を基準にした成形が可能となる。また、下型の3点支持と上型の1点加圧を突起により行っているため、成形型と成形機との接触面積は小さく、成形型の加熱、冷却時の成形機への伝熱量を極力少なくすることができるため、熱移動による成形サイクルタイムの増大化を防ぎ、低コストで、高速のガラスレンズ成形が可能となる。また、成形型の上型を水平方向、回転方向に調芯可能に構成することにより、成形機の加圧部分の平行度、直角度等の機械精度に依存することなく、高精度で安定した成形を行うことができる。
そして、成形型への加熱は、高周波誘導加熱で行い、誘導コイルを成形型の外周部もしくは上下面より上下型を直接的に加熱するよう構成すれば、成形型の周りに位置する構造物への加熱を少なくして、加熱を効率的に行うことができる。また、胴型が誘導加熱されることの無い材料、例えばセラミックス製として、上下型を集中的に加熱することができるため、上下型のキャビティ部の昇温時間の短縮が可能となる。また、胴型ならびに上下型をセラミックスで構成し、上下型の外周部に高周波誘導容易な金属を配設することにより、高度な嵌め合いで構成された胴型と上下型のクリアランスを、成形型外周部からの伝熱を排除して、高温下でも安定して維持できる。具体的には、上下型の外周部に溝部を設け、この溝内に上記金属を溶射すれば、容易に精度の高い被加熱部を形成できる。
また、高周波誘導コイルを2系統にすることにより、上型、下型の温度を独立して制御し、きめ細かい熱コントロールを可能にする。また、加熱手段を上下動可能にすることにより、上下型の加熱状態を変化させることができる。また、これらの高周波誘導装置は、上型、下型の一方もしくは両方の中心部に設けた穴を利用して温度検出手段を配置し、リアルタイムで温度計測を行うことにより、精密な温度制御ができる。また、成形型の胴型の軸方向の長さを胴型の内径の3倍以上とすることにより、レンズの偏芯精度を向上することができる。さらにまた、胴型の熱伝導率を上下型のそれより小としたことにより、胴型からの放熱が少なくなることで、上型と下型間のキャビティ内の温度のばらつきが小さくなり、より高精度なガラス成形が可能になる。
た、上下型の一方又は両方の内部に、誘導加熱容易な材質からなる被加熱体を1個ないし複数個設けことにより、誘導加熱による所定温度に到達する昇温時間の短縮が可能である。
た、上下型に形成されるキャビティを取り巻くように誘導加熱容易な材質からなる被加熱体を設けことにより、昇温時間の短縮とガラス成形面内の温度分布の均一化を図ることができる。
た、誘導加熱容易な材質からなる被加熱体と、これと比較して誘導加熱困難な材質からなる加熱緩和体を組み合わせて構成することにより、局所加熱を回避してガラス成形面内の温度分布の均一化が可能となる。
さらに、上下型に複数個のレンズ形成用のキャビティを有する場合にも、誘導加熱容易な材質からなる被加熱体を個々のキャビティを取り巻くように複数個配設することにより、同じく昇温時間の短縮とガラス成形面内の温度分布の均一化を図ることができる。
以上、総合して本発明によれば、ガラス成形機の精度によらず、成形型の精度のみで、高精度なガラスレンズが低コストで成形でき、また本発明による高周波誘導加熱により、効率よく上下型を加熱でき、高品質、高精度なガラスレンズが成形できる効果を奏する。
(実施形態1)
以下に本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、ガラスレンズ成形型ならびにその成形装置を示し、このガラスレンズ成形型Aは、円筒状の胴型1とこの胴型1に上側から上下動可能に挿入される上型2と上記胴型1の下側から上下動可能に挿入される下型3からなっている。上型2の下面と下型3の上面には、ガラスレンズの光学面を転写してガラスレンズを成形するキャビティ2a、3aが形成されている。上記胴型1の軸方向の長さは、胴型1と上下型2、3の嵌合状態を密にして、成形されたレ
ンズの偏芯精度を向上するために、上下型2、3の直径の3倍以上であることが実験的に望ましい。
下型3は、成形機Bの固定部4に設けた突起4a、4b、4cで3点支持されている。上記突起4a、4b、4cの位置は、成形機の加圧中心軸を中心とする円の円周上に頂点を有する三角形を形成するよう選択され、正三角形となる位置が好ましい。これにより、成形時に成形型Aがぐらつくことなく、確実に支持すると共に、突起4a、4b、4cの成形型Aとの接触面積が極めて少ないことから、成形型Aと成形機Bとの間の熱移動を少なくすることができる。
上型2は、成形時、成形機Bの可動部5により加圧されるが、本実施形態では、可動部5に設けた突起5aで1点支持されており、その位置は、成形機の加圧中心軸上がよく、可能な限り近接した位置が望ましい。これにより、可動部5と上型2の上面との平行度を気にすることなく成形でき、成形されたガラスレンズの精度に影響しない利点が発揮される。また同時に、突起4a、4b、4cの場合と同様の理由で成形型Aと成形機Bとの間の熱移動も極力小さくできる。
なお、上記突起4a、4b、4cならびに5aは、本実施形態では、成形機の固定部4ならびに可動部5に設けたが、下型3ならびに上型2に設けてもよく、また別体、例えば鋼球を固定部と下型の間、可動部と上型の間に介在させてもかまわない。
胴型1、上型2、下型3は、セラミックスで形成されており、熱伝導率の良い窒化アルミや炭化珪素が望ましいが、アルミナ等のセラミックスでも支障はない。熱伝導率の良い材料ほど、急速加熱、急速冷却が可能であり、レンズ成形時のサイクルタイムを短くすることができる。また胴型、上型、下型で、セラミックスの種類を変えることも可能である。例えば、上型、下型の材質よりも、熱伝導率の値が小さいセラミックスで胴型を製作することにより、胴型からの放熱が少なくなることで、上型と下型間のキャビティ内の温度のばらつきが小さくなり、より高精度なガラス成形が可能になる。具体的な材質として、胴型を窒化珪素で製作し、上型下型を炭化珪素で製作するとよい。それぞれの熱伝導率は、炭化珪素が、一般的に50〜150W/m・Kなのに対し、窒化珪素のそれは、20〜30W/m・Kと小さな値である。
6は、上記成形型Aを高周波誘導加熱する加熱手段で、成形型Aの胴型1の外側部に位置してセラミックス製の円筒体6aに高周波誘導コイル6bが巻き付けられており、上型2、下型3にそれぞれ対応して上部加熱手段6cと下部加熱手段6dに分けられ、独立して制御可能に構成されている。
円筒体6aの内周面には、胴型1の外周面に対向してスパイラル状の溝7が形成されており、成形型1の急冷、誘導コイル6bの過熱保護等のため、冷却ノズルCから胴型1と円筒体6aの間に流通する冷却用窒素ガスの案内となる。
また加熱手段6の外側には、誘導コイル6bが成形型Aからの熱で損傷を受けないように、冷却手段9が設けられ、冷却水が通るウオータージャケット9aが配置されている。
そして上記加熱手段6に対応して、成形型Aの上型2と下型3には、誘導加熱容易な材質からなる被加熱部2b、3bが設けられている。被加熱部2b、3bは、高周波誘導加熱に適した材料がよく、具体的には、Fe、Ni、Co等を多く含んだ強磁性材料が適している。本実施例では、セラミックス製の上型2、下型3に、SUS410を溶射により付着加工して、被加熱部2b、3bを形成している。
なお本実施形態では、被加熱部2b、3bは、上型2ならびに下型3に設けたが、胴型1に被加熱部を設けても加熱の機能は発揮されるが、上下型2、3への温度のレスポンスが悪くなると共に、胴型1の熱膨張により上下型2、3と胴型1間のクリアランスが大きくなり、成形時の偏芯精度が悪くなる傾向がある。
また上型2および下型3には、中央部に、軸方向に上下型2、3のキャビティ2a、3aの近傍に至る穴2c、3cが設けられており、この穴2c、3cに成形時の型温度を計測する熱電対からなる温度検出手段8a、8bが挿入されている。
以上のガラスレンズ成形装置において、その成形プロセスについて説明する。まず上型2と下型3との間のキャビティ2a、3aにガラス素材を挟み込む。この状態で、図1に示すように胴型1、上下型2、3、加熱手段6、冷却手段9を組み立てて、成形機Bの中に組み付ける。
次に加熱手段6の高周波誘導コイル6bに最適な高周波電流を流し、成形型Aの被加熱部2b、3bを加熱する。この加熱状態は、温度検出手段8a、8bからの温度データを基に、最適な温度上昇カーブとなるように制御される。上型2、下型3が最適な温度になった時点で、成形機Bを駆動して、ガラス素材をプレスする。プレス量については、予め設定したプレス位置もしくはプレス力になった時点でプレス動作を止め、加圧状態を保持する。その後、冷却ノズルCから窒素ガスを供給し、胴型1の外周面に、スパイラル状の溝7を通して流動させ、成形型Aを冷却し、所定の温度に達した時点で、プレス力を開放するように動作させる。取り出し温度に達した時に、上型2、下型3のいずれかを抜いて、ガラスレンズを取り出す。
(実施形態2)
図2は、高周波誘導加熱を行う構成における本発明の第2の実施形態を示し、この場合は、加熱手段16は、上部加熱手段16cが上型12の上側に、下部加熱手段16dが下型13の下側に設けられ、これらに対向して上下型12、13の被加熱部12b、13bがそれぞれ上型12の上面と下型13の下面に形成されている。
(実施形態3)
図3は、高周波誘導加熱を行う構成における本発明の第3の実施形態を示し、この場合は、加熱手段26は、胴型21、上型22、下型23に対し、上下軸方向に移動可能に構成されており、この加熱手段26の上下移動により、上下型22、23への加熱の状態を変化させることが出来る。なお、22b、23bは、図1の被加熱部2b、3bと同様に形成された被加熱部である。
(実施形態4)
図4は、高周波誘導加熱を行うための下型の詳細な実施の形態を示す(上型についても同様であるので説明を省略する。)。下型3には、外周上に一定の溝深さgを有する溝部3dを設ける。この溝部3dに誘導加熱が容易な金属、例えば、SUS410を溶射して付着させる。この時、溶射皮膜30の厚みtは必ず溝深さgより小さくする必要がある。
以上のように構成することで、次のような作用がある。一般に下型3の材質と溝部3dに設けた溶射皮膜30の材質が異なると、加熱時に熱膨張率の差により溶射皮膜30が剥離しやすくなる。このような場合であっても、溝部3dを設け、この溝部3d内にのみ溶射皮膜30を形成することで、溝部3dに溶射した金属を拘束することになり、剥離を防ぐことができる。
また、溝部3dの深さgよりも溶射皮膜30の厚みtを小さくすることで、加熱時に、溶射皮膜30が熱膨張して厚みがtからt+Δtに変化しても、溝深さgより大きくならないことにより、胴型(図示せず。)を破壊したりすることなく、スムーズに軸方向への動作が可能となり、この結果、良好なガラス成形が可能とする。
上記構成の下型や上型の溶射皮膜30は、図1、図3の被加熱部3b、23b、2b、22bとして適用することができ、また同様の構造を図2の被加熱部12b、13bに応用することができる。
(実施形態5)
図5は、本発明におけるガラスレンズ成形装置の第5の実施形態を示し、特に調芯機能を有する構成について説明する(図1に示す構成と同一部分については、図1と同一符号を付す。)。
本実施の形態では、成形機の可動部5の突起5aと上型2の上面との間に加圧ブロック100が設けられ、これを介して成形機Bの加圧力が成形型Aに伝えられる。上記加圧ブロック100は、上型2の上面に接触する円板状の加圧板100aと上記可動部5の突起5aに接触する円板状の調芯板100bとこの加圧板100aと調芯板100bを平行に連結する連結部100cからなっている。上記調芯板100bは、下面より複数の鋼球101で支えられており、この鋼球101は、プレート102を介してばね103により、上方に付勢されている。これにより、胴型1に上型2を挿入する時、またガラスレンズを成形する時、軸心がずれている場合は、加圧ブロック100を水平方向に移動し、直角度がずれている場合は、加圧ブロック100を回転することにより、調芯を行うことが出来、成形機の加圧部分の平行度、直角度等の機械精度に依存することなく、高精度で安定した成形を行うことが出来る。
(実施形態6)
図6、7に示す本発明の第6の実施形態について説明する。
図6において、61は、炭化珪素製の下型、62は、下型61内に設けられる円筒状の被加熱体で、高周波誘導加熱するため、SUS420製の金属材料で形成されている。63は、被加熱体62と同様に下型61内に設けられ、同一の金属材料(SUS420)で形成された円柱状の被加熱体で、共に下型61と同一軸上に配置されている。本実施形態では、被加熱体62,63は、下型61に設けた例を示しているが、上型に設けてもよく、図7に示すように上下型に共に設けてもよい。図7には、内部に被加熱体62、63を有する炭化珪素製の上下型61、61が対向して設置されており、両者間にガラスレンズ成形のためのキャビティ65が形成されている。この上下型61、61をガイドするように同じく炭化珪素製の胴型64が設けられている。上下型、胴型を取り巻くように高周波誘導コイル(加熱体)66が設けられ、通電する電源部、成形のための機構部等が配置されている(図示せず。)。高周波誘導コイル66に高周波の交流電源を通電すると、成形型の軸方向に交番する磁束が発生し、それぞれの上下型61、61の内部に設けた被加熱体62、63を高温に加熱する。本実施形態では、レンズとなるガラス素材の近傍に被加熱体62、63を設置し、かつ熱伝導率の高い炭化珪素製の上下型と組み合わせて誘導加熱することで、短時間にガラス素材近傍を600℃付近の所定温度に加熱することができる。そして、キャビティ65近傍の温度を測定し、そのデータに基づいて高周波誘導コイル66を制御することにより、高精度なガラスレンズを歩留まりよく製造することができる。また、この加熱は、被加熱体62、63を介してキャビティ65部を昇温することになることから、従来法に見られるような、上下型の外周部から熱伝導により加熱するものと異なり、胴型64の温度が上下型61、61の温度より高くなって胴型64との間のクリアランスが広がることが無いので、より同軸度の高いレンズが成形できる。
なお、上下型61、61の一方または両方に、円筒状の被加熱体62のみを設けたり、あるいは円柱状の被加熱体63のみを設けたりすることが可能である。
(実施形態7)
図8に示す本発明の第7の実施形態について説明する。図8において、71、72は、ガラスレンズ成形のためのキャビティ73を形成するよう上下に対向して設置された炭化珪素製の上型、下型、74は、この上型71、下型72をガイドする炭化珪素製の胴型、75は、成形型の外周を取り巻くように設置された高周波誘導コイル(加熱体)、76は、上記上下型71、72内に同軸的に設けられた円柱状の被加熱体で、誘導加熱の容易な材料SUS420製で形成されている。77は、上下型71、72に同軸的に設けられた円筒状の被加熱体で、同じくSUS420製で形成され、キャビティ73を取り巻くように配置されている。78は、上記被加熱体77の内側に同軸的に密着して配置された円筒状の加熱緩和体で、上記被加熱体77に比べて誘導加熱困難な材質が用いられ、非磁性のSUS316やインコネルに代表される耐熱合金、銅合金、タングステン、超硬合金、セラミックス等が選択される。
上記構成において、誘導コイル75に高周波の交流電源を通電すると、成形型の軸方向に交番する磁束が発生し、上型71、下型72の内部に設けた被加熱体76が加熱される。この熱はガラス素材の置かれたキャビティ73に伝達し、所定の温度に達した時、押圧成形される。ここで、キャビティ73内の温度分布に着目すると、キャビティ73の最外周では、外部の空気に触れるため、温度が低くなり、キャビティ73の半径方向に温度勾配が生じる。そこで、本実施形態では、キャビティ73の外周を取り巻くように被加熱体77が設けられており、この被加熱体77が被加熱体76と同様に交番磁界により発熱し、キャビティ73の外周からも加熱されるので、キャビティ73内での温度分布を均一化することができると共に、実施形態6の構成に比較して昇温時間が短くなる効果も生じる。また、本実施形態では、被加熱体77の内側に接して加熱緩和体78を設けているが、これは、誘導加熱される被加熱体77が誘導加熱の表層効果により表面から昇温してキャビティ73の最外周側の温度が高くなるのを緩和し、熱伝導によりキャビティ73の外周部を加熱するようにしたものである。
以上のように、本実施形態では、実施形態6の構成に加えて、上下型71、72のキャビティ73を取り巻くように誘導加熱容易な材質からなる被加熱体77を配設することにより、キャビティ73内の温度分布をより均一にし、また高速で所定の温度まで昇温できることで、より速いサイクルタイムでの成形を可能とする。
(実施形態8)
図9に示す本発明の第8の実施形態について説明する。本実施形態の特徴は、実施形態7の構成と比較し、上型、下型を対向させて形成されるキャビティを複数個有している点である。以下、下型に関してのみ説明する。図9において、81は、上型(図示せず。)とでガラスレンズの成形面を形成する複数個のキャビティ81aを有する下型で、この下型81の内部には、同軸的に円筒状の被加熱体82が配置され、誘導加熱されて下型81全体を加熱する。83は、上記複数個のキャビティ81aを個々に取り巻くように配置された誘導加熱容易な材質からなる円筒状の被加熱体、84は、上記個々の被加熱体83の内周面に密着して配置された誘導加熱困難な材質からなる円筒状の加熱緩和体で、それぞれの機能、具体的な材料等は、前記実施形態7におけるものと変わりはない。しかし、上下型を含む成形型を取り囲むように配置された誘導コイル(図示せず。)に通電すると、実施形態7におけるように、上下型の中央軸心上にキャビティがあるような場合、たとえ、キャビティ内に温度勾配が生じても、半径方向には対称な温度分布になる。これに対し、本実施形態における場合のように、キャビティが上下型の中央軸心上にない場合は、1つのガラス成形面内でみると、温度勾配が上下型の軸心内側と外側で異なることになる。このような温度分布状態では、高精度なガラス成形レンズを歩留まり良く生産することはできない。そこで、本実施形態では、被加熱体82に加えて、複数個のキャビティ81aを取り巻くように、それぞれに被加熱体83と加熱緩和体84を設けているので、被加熱体82だけでは個々のキャビティ内に生じる温度勾配を被加熱体83により補正することができる。また、所定温度に達する昇温時間が短くなる利点もある。
本発明は、ガラスレンズの成形に限らず、精密プラスチック部品の成形等の分野に利用可能である。
本発明の第1の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図である。 本発明の第2の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の加熱構成の概略説明図である。 本発明の第3の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の加熱構成の概略説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図である。 本発明の第5の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図である。 本発明の第6の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の要部の説明図で、(a)は、断面図、(b)は、分解斜視図である。 本発明の第6の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図である。 本発明の第7の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図である。 本発明の第8の実施形態におけるガラスレンズ成形装置の概略説明図で、(a)は、上面図、(b)は、断面図である。
符号の説明
1、11、21 胴型
2、12、22 上型
2a キャビティ
2b、12b 被加熱部
2c 穴
3、13、23 下型
3a キャビティ
3b、13b 被加熱部
3c 穴
4 固定部
4a、4b、4c 突起
5 可動部
5a 突起
6、16、26 加熱手段
6a 円筒体
6b 高周波誘導コイル
6c、16c 上部加熱手段
6d、16d 下部加熱手段
7 スパイラル状の溝8a、8b 温度検出手段
9 冷却手段
A 成形型
B 成形機
C 冷却ノズル
61、81 上型、下型
65、73、81a キャビティ
62、63、76、77、82、83 被加熱体
78 加熱緩和体

Claims (5)

  1. ガラスレンズの光学面を形成するキャビティの一方を有し、上端に成形機の可動部より加圧力を受ける上型、この上型のキャビティの他方を有し、成形機の固定部により支持される下型ならびに上記上下型の周面に近接して、同上下型を上下方向に相対移動可能に保持する胴型とからなるガラスレンズの成形型と、上記成形型に近接して位置し、同成形型の上下型に形成した被加熱部を高周波誘導加熱する加熱手段と、上記加熱手段に近接して位置し、成形型を冷却する冷却手段と、上記成形型のキャビティに近接して設けられ、上記加熱手段ならびに冷却手段を制御するための温度検出手段とを有し、上記成形型の上型は、成形機の可動手段と1つの突起を介して加圧され、上記成形型の下型は、成形機の固定手段と3つの突起を介して支持されることを特徴とするガラスレンズ成形装置。
  2. 上記成形機の可動部と上型の間に設けた1つの突起は、成形機の略加圧中心軸上に位置させると共に、上記成形機の固定部と下型の間に設けた3つの突起は、成形機の加圧中心軸を中心とする円の円周上に頂点を有する略正三角形を形成するよう位置させることを特徴とする請求項1に記載のガラスレンズ成形装置。
  3. 上記成形型の上型を水平方向ならびに回転方向に調芯できるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載のガラスレンズ成形装置。
  4. ガラスレンズの光学面を形成するキャビティの一方を有し、上端に成形機の可動部より加圧力を受ける上型、この上型のキャビティの他方を有し、成形機の固定部により支持される下型ならびに上記上下型の周面に近接して、同上下型を上下方向に相対移動可能に保持する胴型とからなるガラスレンズの成形型と、上記成形型に近接して位置し、同成形型の上下型の一部に形成した被加熱部を高周波誘導加熱する加熱手段と、上記加熱手段に近接して位置し、成形型を冷却する冷却手段とを有し、上記上型と下型の外周に溝部を設け、この溝部に、上記上型、下型および胴型よりも誘導加熱容易な金属材料を配設したことを特徴とするガラスレンズ成形装置。
  5. 上記上型と下型に形成した溝部の深さが溝部に配設した金属材料の厚みより大きいことを特徴とする請求項に記載のガラスレンズ成形装置。
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