JP2016056078A - 熱可塑性材料のプレス成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1回のプレス成形のサイクルタイムを短く出来、金型面寸法が拡大しても金型面全体の温度分布を容易に制御出来、破損しにくく、簡易な構成の熱可塑性材料のプレス成形装置を提供する。
【解決手段】熱可塑性材料10を所望の形状に押圧成形する金型面をそれぞれ有する複数の金型部材12A,12Bで構成された金型12と、複数の金型部材12A,12Bを夫々固定する複数の金型固定部材32A,32Bで構成される金型固定部32と、複数の金型固定部材32A,32Bを介して複数の金型部材12A,12Bを夫々支持すると共に、相互に接近及び離反させる金型支持部14と、熱可塑性材料10を成形可能温度に加熱する面状加熱体16A,16Bと、を備え、面状加熱体16A,16Bが金型固定部32の内部に設けられている熱可塑性材料のプレス成形装置1。
【選択図】図1

Description

この発明は、熱可塑性材料のプレス成形装置に関係している。
熱可塑性材料をプレス成形により所望の形状にする熱可塑性材料のプレス成形装置は種々の分野で使用されている。
近年では、ガラスレンズやプリズム等の所望の寸法形状を有した高精度な光学素子を光学ガラス素材からプレス成形することもできる。
ガラスレンズの為の従来の熱可塑性材料のプレス成形装置は:上下一対の金型部材により構成される金型と;上下一対の金型部材を支持し上下一対の金型部材の少なくとも一方を他方に対し接近及び離間させる金型支持部と;上下一対の金型部材を金型支持部に固定する上下一対の金型固定部材により構成される金型固定部と;金型支持部により支持されている上下一対の金型部材の移動範囲を少なくとも覆う加熱位置と、上下一対の金型部材への熱可塑性材料の設置及び成形品の取り出しが可能な退避位置と、の間を移動する中空部材と;前記加熱位置の中空部材の内部空間を酸化防止環境にする不活性ガス供給部と;前記加熱位置の中空部材の内部空間及び上下一対の金型部材を光学ガラス素材プレス成形可能温度にする温度設定部と、を備える。前記金型支持部はピストン−シリンダ組み立て体を使用し、前記中空部材は石英ガラスを使用し、前記不活性ガス供給部は中空部材に接続された真空源及び不活性ガス供給源を有し、そして温度設定部は中空部材の外側に中空部材に接近して配置された赤外線ランプヒーター又は中空部材の内側に配置された高周波誘導加熱体を有する。
このような従来の熱可塑性材料のプレス成形装置において所定の寸法形状を有したガラスレンズを光学ガラス素材からプレス成形するには、最初の準備段階で、金型支持部により上下一対の金型部材を離間位置に配置させ、中空部材が退避位置に配置され、そして温度設定部により上下一対の金型部材が酸化温度以下(約200℃以下)にされている間に、予め酸化温度以下の所定温度にされている所定量の光学ガラス素材を前記離間位置の下側の金型部材の金型面に載置し、さらに中空部材を加熱位置に戻す。次に、不活性ガス供給部が加熱位置の中空部材の内部空間を真空源により負圧にしつつ不活性ガス供給源からの不活性ガスで満たし酸化防止環境にしている間に、温度設定部により上下一対の金型部材を、光学ガラス素材とともに、光学ガラス素材プレス成形可能温度にする。次に、金型支持部により上下一対の金型部材を所定の距離まで接近させて光学ガラス素材をガラスレンズへとプレス成形する。その後、上下一対の金型部材を離間位置に配置させるとともに温度設定部により上下一対の金型部材が酸化温度以下(約200℃以下)にされた後に、中空部材が退避位置に配置されて前記離間位置の下側の金型部材の金型面からガラスレンズが取り除かれる。
中空部材が退避位置に移動される前には、中空部材の内部空間中の上下一対の金型部材の温度は光学ガラス素材プレス成形可能温度よりも低い酸化温度以下(約200℃以下)にされる。
従って、次に新たな光学ガラス素材を離間位置の下側の金型部材の金型面に載置した後に、金型支持部により上下一対の金型部材の少なくとも一方を他方に対し接近させて光学ガラスにプレス成形する前に、中空部材を退避位置から加熱位置に戻し、前記内部空間を前記酸化防止環境に戻し、さらに上下一対の金型部材を温度設定部により光学ガラス素材プレス成形可能温度に戻さなければならない。
しかも、上下一対の金型部材により光学ガラス素材をガラスレンズに高精度にプレス成形するには、金型部材の金型面の温度が全体として出来る限り均一であることが好ましい。
中空部材が加熱位置に戻された後で前記プレス成形を行う前に必要なこれらの復帰作業は、従来の熱可塑性材料のプレス成形装置において1回のプレス成形に必要なサイクルタイムを短くする障害になっている。
また金型面の寸法が大きくなるのに伴い、中空部材が加熱位置に戻された後で前記プレス成形前に金型部材の金型面の温度を全体として出来る限り均一に戻すのにより時間がかかるようになる。さらに、金型面の寸法がある程度以上大きくなると、最初の準備段階から金型部材の金型面の温度を全体として均一にすることが出来なくなり、金型面の中心部位の温度と金型面の外周部位の温度との差異が大きなままになる。このことは、これらの金型部材の金型面を使用して光学ガラス素材からプレス成形された後のガラスレンズの寸法精度を所望の値に出来ないことを意味している。
特開2010−150059号公報(特許文献1)には、上型及び下型の夫々の成形面に一体に配置され熱可塑性素材の温度を制御する導電膜ヒータを備えている光学素子の成形用型が開示されている。
しかしながら、この文献に記載の導電膜ヒータは上型及び下型の夫々の成形面に成形面と一体に配置されているので、上型及び下型の成形面により熱可塑性素材を所望の寸法形状にプレス成形する間に熱可塑性材料により上型及び下型の夫々の成形面に対し大きな力で押され破損を生じ易い。
特開2011−136883号公報(特許文献2)には、上型及び下型の型面間に挿脱可能な成形素材用ヒータと、上型及び下型の為の型支持部である上軸及び下軸から上型及び下型の中まで延出している棒状の上ヒータ及び下ヒータと、を備えた光学素子の成形装置が開示されている。
しかしながら、この文献に記載の成形装置では、挿脱可能な成形素材用ヒータを上型及び下型の型面間に挿脱可能に設置する為の構造が複雑であり、また棒状の上ヒータ及び下ヒータを型支持部である上軸及び下軸から上型及び下型の中まで延出させる構造が複雑である。従って、これらの複雑な構造が特開2011−136883号公報(特許文献2)に記載の成形装置の製造コストを高くしている。さらに棒状の上ヒータ及び下ヒータは大きく、上型及び下型の型面の全体における精密な温度制御を難しくしている。
特開2009−269775号公報(特許文献3)には、上型保持部材及び下型保持部材の夫々の内部に発熱体を埋め込むか又はその全体を発熱体で構成し、上型保持部材及び下型保持部材自体を発熱する電気ヒータとして機能させる成形型ユニットが記載されている。
しかしながら、上型保持部材及び下型保持部材の内部にどのような発熱体をどのように埋め込むのか、及び、上型保持部材及び下型保持部材の全体をどのような発熱体でどのように構成するかについては記載されていない。
特開2010−150059号公報 特開2011−136883号公報 特開2009−269775号公報
この発明は上記事情の下でなされ、本願の発明の目的は、1回のプレス成形に必要なサイクルタイムを従来よりも短く出来、しかも金型部材の金型面の寸法が大きくなっても金型面の全体に渡る温度分布を容易に所望に制御することが出来、さらには破損しにくく、簡易な構成の熱可塑性材料のプレス成形装置を提供することである。
上述した目的を達成する為に、本願の発明に従った熱可塑性材料のプレス成形装置は、
熱可塑性材料を所望の形状に押圧成形する金型面をそれぞれ有する複数の金型部材で構成される金型と、
複数の金型部材をそれぞれ固定する複数の金型固定部材で構成される金型固定部と、
前記複数の金型固定部材を介して前記複数の金型部材をそれぞれ支持すると共に、相互に接近及び離反させる金型支持部と、
前記熱可塑性材料を成形可能温度に加熱する面状加熱体と、を備え、
前記面状加熱体が前記金型固定部の内部に設けられていることを特徴としている。
上述した如く構成されている本願の発明に従った熱可塑性材料のプレス成形装置においては、面状加熱体が金型固定部の内部に設けられている。そして、この面状加熱体が金型固定部により固定されている金型の金型部材の金型面を熱可塑性材料プレス成形可能温度に加熱する。
面状加熱体自体がコンパクトで簡素な外形状をしているので、金型固定部に面状加熱体を設ける為に必要な構成を簡素にすることが出来る。
金型固定部に設けられた面状加熱体は、対応する金型部材の金型面の寸法が大きくなっても対応する金型部材の金型面の全体に渡る温度分布を容易に制御することを可能にし、ひいては1回のプレス成形に必要なサイクルタイムを従来よりも短く出来、さらには複数の金型部材の金型面が予めプレス成形可能な温度に設定されている熱可塑性材料をプレス成形する間に熱可塑性材料から直接大きな力を受けることが無いので、破損しにくい。
本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置の全体を縦断面にして概略的に示す図である。 図1の熱可塑性材料のプレス成形装置における下側の第2の金型部材と、下側の第2の金型部材を支持している下側の第2の金型固定部材と、を縦断面にして概略的に示す図である。 図1のプレス成形装置で使用されている面状加熱体の概略的な平面図である。 図3の面状加熱体の概略的な水平断面図である。 図1の熱可塑性材料のプレス成形装置において外側加熱器のみにより金型部材を加熱した場合の金型部材の中心部と外周部の温度変化を概略的に示す図である。 図1の熱可塑性材料のプレス成形装置において面状加熱体と外側加熱器とを使用して金型部材を加熱した場合の金型部材の中心部と外周部の温度変化を概略的に示す図である。 図1の熱可塑性材料のプレス成形装置において面状加熱体のみにより金型部材を加熱した場合の金型部材の中心部と外周部の温度変化を概略的に示す図である。 本願の発明の第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置の全体を縦断面にして概略的に示す図である。 図8の第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置の全体の概略的な水平断面図である。 本願の発明に従った熱可塑性材料のプレス成形装置の面状加熱体の中心部及び周辺部電気抵抗発熱部を有した変形例の概略的な水平断面図である。 図10の面状加熱体の変形例の概略的な下面図である。 前記変形例の面状加熱体を使用した図1のプレス成形装置において、中心部発熱部のみで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、周辺部発熱部のみで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、周辺部及び中心部発熱部の両方で加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、外側加熱器のみで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、中心部発熱部と外側加熱器とで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、周辺部発熱部と外側加熱器とで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。 図12と同じ構成のプレス成形装置において、中心部及び周辺部発熱部と外側加熱器とで加熱した金型部材の中心部、中間部、外周部の温度変化の概略図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面中の図1乃至図4を参照しながら本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1の構成及び動作について説明する。
図1に概略的に示されている、本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1は:
熱可塑性材料10から所望の形状の製品をプレス成形する為の金型面を夫々有する上側の第1の金型部材12Aと、下側の第2の金型部材12Bと、で構成される金型12と;
前記上側の第1の金型部材12Aを保持する上側の第1の金型保持部材13Aと、前記下側の第2の金型部材12Bを保持する下側の第2の金型保持部材13Bと、で構成され前記金型12を保持する金型保持部13と;
前記上側の第1の金型部材12Aと前記上側の第1の金型保持部材13Aを固定する上側の第1の金型固定部材32Aと、前記下側の第2の金型部材12Bと前記下側の第2の金型保持部材13Bを固定する下側の第2の金型固定部材32Bと、で構成され、前記金型12及び前記金型保持部13を固定する金型固定部32と;
前記上側の第1の金型固定部材32Aから伝わる熱を遮断する上側の第1の中空断熱部材15Aと、前記下側の第2の金型固定部材32Bから伝わる熱を遮断する下側の第2の中空断熱部材15Bと、で構成され、前記金型固定部32から伝わる熱を遮断する中空断熱部15と;
前記上側の第1の中空断熱部材15Aに接続固定される上側の第1の金型支持軸14aと、前記下側の第2の中空断熱部材15Bに接続固定される下側の第2の金型支持軸14bと、で構成され、前記上側の第1の金型部材12A及び前記下側の第2の金型部材12Bを支持し、前記上側の第1の金型部材12A及び前記下側の第2の金型部材12Bを相互に接近及び離間させるように前記中空断熱部15に接続固定される金型支持部14と;
前記上側の第1の金型固定部材32Aの内部に設けられ、前記上側の第1の金型部材12Aを熱可塑性材料プレス成形可能温度に加熱する上側の第1の面状加熱体16Aと、前記下側の第2の金型固定部材32Bの内部に設けられ、前記下側の第2の金型部材12Bを熱可塑性材料プレス成形可能温度に加熱する下側の第2の面状加熱体16Bと、で構成される面状加熱部16と;
を備えている。
第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1はさらに:金型支持部14により支持されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの移動範囲を少なくとも覆う加熱位置と前記金型12への熱可塑性材料10の設置及び成形品の取り出しが可能な退避位置との間を移動する中空部材18と;前記加熱位置の中空部材18の内部空間を酸化防止環境にする酸化防止部と、をさらに備えている。この実施形態において、前記中空部材18の内部空間はプレス成形の為の成形室となり、酸化防止部は前記内部空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部20により構成されている。
第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1はまたさらに:第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの外側に配置され第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面を熱可塑性材料プレス成形可能温度に加熱する外側加熱器22をさらに備えているとともに、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面の温度分布を直接的又は間接的に測定する為の図示されていない金型面温度分布測定要素を備えている。金型面温度分布測定要素は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12B内に配置された熱電対である。この実施形態において金型面温度分布測定要素は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部及び中心部に配置されている。
この実施形態における熱可塑性材料のプレス成形装置1は、熱可塑性材料10として光学ガラス素材を使用し、光学ガラス素材からプレス成形される所望の形状の製品はガラスレンズやプリズム等の所望の寸法形状を有した高精度な光学素子である。この実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを使用して光学ガラス素材からガラスレンズをプレス成形する。
この実施形態において金型支持部14は、同軸に一直線状に上下に分かれて配置された第1の金型支持軸14a及び第2の金型支持軸14bを含む。第1の金型支持軸14aの上端部及び第2の金型支持軸14bの下端部は同一の固定フレーム24に固定されている。第2の金型支持軸14bの上端部には第2の中空断熱部材15Bが固定されていて、第2の中空断熱部材15Bの上端部には、第2の金型部材12Bが固定された第2の金型固定部材32Bが固定されている。第1の金型支持軸14aの下端部には第1の中空断熱部材15Aが固定されていて、第1の中空断熱部材15Aの下端部には、第1の金型部材12Aが固定された第1の金型固定部材32Aが固定されている。第1の金型支持軸14a及び第2の金型支持軸14bに第1の中空断熱部材15A及び第2の中空断熱部材15Bを介して第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bにより固定されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bは、夫々の金型面を対向させている。
詳細には、第2の金型支持軸14bの下端部は、固定フレーム24に対し上下方向に移動可能に支持された移動案内部26を介して金型支持軸駆動機構28に連結されている。この実施形態において金型支持軸駆動機構28は、移動案内部26と、移動案内部26に固定されロードセルなどの押圧力検出器LDが設置された上下方向移動軸28aと、固定フレーム24に固定されサーボモータなどの回転力供給源28bからの回転力により上下方向移動軸28aを上下方向に移動させる駆動力伝達部28cと、を含む。駆動力伝達部28cはサーボモータなどの回転力供給源28bの出力軸の回転方向,回転数及び回転角度により上下方向移動軸28aの上下方向の移動距離を精密に制御することが出来る減速機である。
金型支持軸駆動機構28は、第2の金型支持軸14bの上下方向の移動距離を精密に制御することが出来るとともに第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを使用した光学ガラス素材からのガラスレンズのプレス成形を可能にする機構により構成されている。
この実施形態において中空部材18は、図1中に示されている如く、金型支持部14の第1の金型支持軸14aの下端部の第1の金型部材12A及び第2の金型支持軸14bの上端部の第2の金型部材12Bを取り囲むよう第1の金型支持軸14aの下端部及び第2の金型支持軸14bの上端部に対し同心的に配置された筒状の石英ガラスなどの耐熱部材である。
中空部材18は、図1中に示されている如く金型支持部14の第1の金型支持軸14aの下端部の第1の金型部材12A及び第2の金型支持軸14bの上端部の第2の金型部材12Bを覆い取り囲んだ加熱位置と、加熱位置から第1の金型支持軸14a及び第2の金型支持軸14bの長手方向中心線に沿い移動し第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを覆わない退避位置と、の間で移動可能である。退避位置の中空部材18は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bに対する接近を可能にする。この実施形態において中空部材18の退避位置は、図1に示されている加熱位置よりも上方である。
この実施形態において中空部材18の上端部は、図1中に示されている如く、金型支持部14の第1の金型支持軸14aの外周面に対し気密状態で前記長手方向中心線に沿い移動可能に支持されている。このような支持は、中空部材18の上端部の内周面と第1の金型支持軸14aの外周面との間にO−リング等の密封摺接部材を介在させることにより可能である。
この実施形態において中空部材18の下端部は、図1中に示されている如く、中空部材18が加熱位置に配置されている間に、金型支持部14の第2の金型支持軸14bの外周面に対し気密状態で支持されている。このような支持は、中空部材18の下端部の内周面と第2の金型支持軸14bの外周面との間にO−リング等の密封摺接部材を介在させることにより可能である。中空部材18が図1の加熱位置から上方の退避位置に向かい移動された時、中空部材18の下端部は第2の金型支持軸14bの外周面から上方に離れる。
中空部材18をこのような加熱位置と退避位置との間で選択的に移動させる為の中空部材駆動部30が、固定フレーム24に設けられている。中空部材駆動部30は、圧縮空気により動作するピストン―シリンダ組み立て体等により構成されている。この実施形態では、ピストン―シリンダ組み立て体のシリンダ30aが固定フレーム24に固定されていて、ピストン30bの延出端部が中空部材18の上端部に固定されている。
この実施形態において不活性ガス供給部20は、加熱位置に配置された中空部材18の内部空間に接続された真空ポンプ20aと不活性ガス供給源20bとを含む。不活性ガスは例えば窒素ガス等である。
この実施形態において外側加熱器22は、中空部材18の外周面に接近して前記外周面を取り囲むよう配置され、複数の赤外線ランプなどの反射板付き放熱電気ランプである。外側加熱器22は中空部材18に取り付けられていて、中空部材18とともに中空部材18の加熱位置と退避位置との間で移動可能である。
第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bは第1の金型保持部材13A及び第2の金型保持部材13Bに保持されていて、第1の金型保持部材13A及び第2の金型保持部材13Bが固定ボルト等の固定部品(締結部品)により第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bに対し着脱可能に固定されている。この実施形態において、第2の金型部材12Bが固定された第2の金型固定部材32Bは、金型支持部14の第2の金型支持軸14bの上端部の端に固定されている第2の中空断熱部材15Bの上端に固定ボルト等の固定部品(締結部品)により固定されている。また、第1の金型部材12Aが固定された第1の金型固定部材32Aは、金型支持部14の第1の金型支持軸14aの下端部の端に固定されている第1の中空断熱部材15Aの下端に固定ボルト等の固定部品(締結部品)により固定されている。
中空断熱部材15A,15Bは前述したプレス成形時に中空断熱部材15A,15Bに負荷される力に耐えることはもちろんのこと、第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bからの熱伝達を阻止する窒化珪素等の材料により形成されている。
また、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12B、第1の金型保持部材13A及び第2の金型保持部材13B、第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32B、そしてこれらの為の前述した固定ボルト等の固定部品(締結部品)は、前述したプレス成形の為にこれらに負荷される力及び熱により変質しない超硬合金又はタングステン合金等の材料により形成されている。
さらに、第2の金型保持部材13Bにおいて第2の金型部材12Bの金型面の周囲の複数の所定位置に図示されていない位置決めピンが固定されていて、第1の金型保持部材13Aにおいて第1の金型部材12Aの金型面の周囲の複数の所定位置に図示されていない位置決め凹部が形成されている。前述したプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bとともに第1の金型保持部材13A及び第2の金型保持部材13Bが相互に接近されると、第2の金型保持部材13Bの前述した図示されていない複数の位置決めピンが第1の金型保持部材13Aの前述した図示されていない複数の位置決め凹部に嵌合し、金型支持部14の第1の金型支持軸14a及び第2の金型支持軸14bの同心の長手方向中心線に対し第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを確実に同軸に維持する。
第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bの夫々は、上下対称に互いに同じ構造をしている。従って、図2を参照して第2の金型固定部材32Bの構造を説明し、第1の金型固定部材32Aの説明は省略する。第2の金型固定部材32Bは第2の金型部材12B及び第2の金型保持部材13Bに接触固定される固定面に平行な分割面で分離可能な第1及び第2固定部材32d,32eにより構成されている。第2の金型固定部材32Bの第1及び第2固定部材32d,32eの固定は、固定ボルト等の固定部品(締結要素)により行われている。
この実施形態においては、第1及び第2固定部材32d,32eの分割面は、第2の金型支持軸14bの長手方向中心線と直交している。第2の金型部材12Bが固定された第1固定部材32dの分割面と第1固定部材32dに隣接した第2固定部材32eの分割面との少なくとも一方に面状加熱体格納凹部32fが形成されている(図2に、第2の金型支持軸14bの上端部の第2の金型固定部材32Bの第1固定部材32dに形成されている面状加熱体格納凹部32fが示されている)。なお、面状加熱体格納凹部32fは、第2の金型部材12Bが固定された第1固定部材32dの分割面とこの第1固定部材32dに隣接した第2固定部材32eの分割面との両方に渡り形成されていても良い。
面状加熱体格納凹部32fは、そこに格納される第2の面状加熱体16Bの平面形状及び平面寸法そして厚さと略同じ平面形状及び平面寸法そして深さを有している。
第2の金型固定部材32Bは、そこに形成されている面状加熱体格納凹部32f中に配置されている第2の面状加熱体16Bの平面を、第2の金型部材12Bが固定された第1固定部材32dに熱伝達効率向上の為に密着させる熱伝導部材HCを含んでいる。
熱伝導部材HCは、面状加熱体格納凹部32fの底面とこの底面に対面している第2の面状加熱体16Bの平面との間に介在された耐熱性及び良熱伝導性を有した高熱伝導材料で構成されている。或いは熱伝導部材HCは、第2の面状加熱体16Bにおいて第1固定部材32dとは反対側の平面と第2固定部材32eにおいて第2の面状加熱体16Bの前記反対側の平面と対面する部位との間に介在された弾性体により構成されている。弾性体は、面状加熱体格納凹部32fの底面に対しこの底面に対面している第2の面状加熱体16Bの平面を密着させるよう押し付ける。弾性体は、耐熱性を有した弾性材料又は螺旋ばね又は板ばねその他の種々の形状のばねである。
第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bの夫々は、第1固定部材32d及び第2固定部材32eの少なくとも一方を選択的に冷却させる冷却部CSを含む。この実施形態において冷却部CSは、第1固定部材32d及び第2固定部材32eの少なくともいずれか一方に形成された複数の冷却媒体通路である。
この実施形態では、第2の中空断熱部材15Bに隣接する第2固定部材32eの表面に複数の冷却媒体通路が形成されている。複数の冷却媒体通路は冷却媒体供給源に接続され、冷却媒体供給源は選択的に冷却媒体を複数の冷却媒体通路に供給する。冷却媒体は、本願の発明に従った第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1の種々の構成部材及び熱可塑性材料10を変質させないものでなくてはならない。
この実施形態において冷却媒体は、不活性ガス供給源20bから選択的に供給される窒素ガス等の不活性ガスである。
この実施形態において第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々は、図3中に示されている如く、円板状の本体MBと、本体MBの円周面において本体MBの直径方向に突出した一対の電極部ET1,ET2と、を含む。
第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々は、電気抵抗発熱部HPと電気抵抗発熱部HPの為の複数の電極を含む。詳細には、この実施形態において第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々は、黒鉛やSiC等の導電体で形成された図示されていない円板状のコアの周囲をPBN(パイロリティックボロンナイトライド:熱分解窒化硼素)等の絶縁体でCVD等によりコーティングし、さらにその上に一対の電極部ET1,ET2間で黒鉛やSiC等の導電体で電気抵抗発熱部HPとなる所望のパターン形状を形成し、さらにその上をPBN(パイロリティックボロンナイトライド:熱分解窒化硼素)等の絶縁体でCVD等によりコーティングすることにより作成されている。第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の絶縁体は、面の厚さ方向には熱伝導が悪く、面が広がる方向には熱伝導が良い。
導電体の電気抵抗発熱部HPは、第1の面状加熱体16A又は第2の面状加熱体16Bにより加熱される第1の金型部材12A又は第2の金型部材12Bの金型面における所望の温度分布に対応したパターン形状を有している。
さらに詳細には、この実施形態において、導電体の電気抵抗発熱部HPの所望のパターン形状は、図4中に示されている如く、一方の電極部ET1から本体MBの一方の半円に沿い他方の電極部ET2に向かい延出した後に本体MBの中心に向かい螺旋状に延出し、さらに本体MBの中心から一方の電極部ET1に向かい螺旋状に延出した後に本体MBの他方の半円に沿い他方の電極部ET2に向かい延出している。一対の電極部ET1,ET2に配置されている電気抵抗発熱部HPの両端部位は、電気抵抗発熱部HPの為の電極T1,T2となっている。導電体の電気抵抗発熱部HPのこのようなパターン形状では、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々は、夫々の平面が広がる方向において略均一な発熱特性を有する。
一対の電極部ET1,ET2には、所望のパターン形状の電気抵抗発熱部HPの両端部位の電極T1,T2が露出された一対の電極露出開口TO1,TO2が形成されている。
第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bの夫々の第1固定部材32d及び第2固定部材32eの為の前述した固定ボルト等の固定部材(締結部材)の中の2つが、図2中に示されている如く、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の一対の電極部ET1,ET2の一対の電極露出開口TO1,TO2に挿入され電気抵抗発熱部HPの所望のパターン形状の両端部位の電極T1,T2に電気的に接続されて外部接続端子OT1,OT2を構成している。外部接続端子OT1,OT2は、第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bの夫々の第1固定部材32d及び第2固定部材32eに対しては碍子等の電気絶縁部材を介して接触している。
図1乃至図4を参照しながら前述されたこの発明の第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1においては、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16B,金型支持部14の第2の金型支持軸14bの為の金型支持軸駆動機構28の上下方向移動軸28aのロードセル等の押圧力検出器LD及びサーボモータ等の回転力供給源28b,中空部材駆動部30,不活性ガス供給部20の真空ポンプ20a及び不活性ガス供給源20b,外側加熱器22,そして前述した図示されていない金型面温度分布測定要素が制御装置34に接続されている。
次に、前述した如く構成されているこの発明の第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1の動作を説明する。
この熱可塑性材料のプレス成形装置1において所定の寸法形状を有したガラスレンズを光学ガラス素材からプレス成形するには、最初の準備段階で、金型支持部14により第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを所定の離間位置に配置させ、中空部材18が退避位置に配置され、そして第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bが酸化温度以下(約200℃以下)にされている。
具体的には、制御装置34が金型支持軸駆動機構28のサーボモータ等の回転力供給源28bの動作を制御し、駆動力伝達部28c,上下方向移動軸28a,移動案内部26を介して、第2の金型支持軸14bの上端部に支持されている第2の金型部材12Bを、固定フレーム24に固定されている第1の金型支持軸14aの下端部に支持されている第1の金型部材12Aから下方に所定距離離間させる。制御装置34はまた、中空部材駆動部30のシリンダ30aとピストン30bとの組み合わせの動作を制御して中空部材18を図1中に示されている加熱位置から上方の退避位置に移動させる。制御装置34は、外側加熱器22の動作は停止させ第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの動作のみを制御して第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを酸化温度以下(約200℃以下)の近傍に保つ。制御装置34は、前述した図示されていない金型面温度分布測定要素を使用して第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をフィードバック制御することが出来る。
次に、予め前記酸化温度以下にされている所定量の熱可塑性材料10である光学ガラス素材を図示されていないプレス成形素材搬入機構により前記離間位置の第2の金型部材12Bの金型面に載置し、さらに中空部材18を加熱位置に戻す。具体的には、制御装置34が、中空部材駆動部30のシリンダ30aとピストン30bとの組み合わせの動作を制御して中空部材18を図1中に示されている加熱位置よりも上方の退避位置から図1中に示されている加熱位置に移動させる。
次に、不活性ガス供給部20が加熱位置の中空部材18の内部空間を酸化防止環境にしている間に、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを、所定量の熱可塑性材料10である光学ガラス素材とともに、光学ガラス素材プレス成形可能温度にする。具体的には、制御装置34が、不活性ガス供給部20の真空ポンプ20aの動作を制御して中空部材18の内部空間を減圧するとともに不活性ガス供給源20bの動作を制御して前記内部空間を不活性ガスで満たすことにより加熱位置の中空部材18の内部空間を酸化防止環境にする。その後、制御装置34は、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16B及び外側加熱器22の動作を制御し第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面を光学ガラス素材プレス成形可能温度にする。制御装置34は、前述した図示されていない金型面温度分布測定要素を使用して第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面の温度をフィードバック制御することが出来る。
次に、金型支持部14により第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを所定の距離まで接近させて所定量の熱可塑性材料10である光学ガラス素材をガラスレンズへとプレス成形する。
この間には、第2の金型固定部材32Bの前述した図示されていない複数の位置決めピンが第1の金型固定部材32Aの前述した図示されていない複数の位置決め凹部に嵌合し、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの一対の金型面の所定の相互間位置が確実に維持される。
さらにこの間には、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bは第2の金型支持軸14bの上端部の第2の金型固定部材32Bの面状加熱体格納凹部32f及び第1の金型支持軸14aの下端部の第1の金型固定部材32Aの面状加熱体格納凹部32f中に配置されているので、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bには金型支持部14からのプレス力は負荷されず、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bが前記プレス力により破損することはない。
光学ガラス素材をガラスレンズへと精度良くプレス成形するには、光学ガラス素材の粘度の高いガラス屈服点付近で光学ガラス素材にプレス力を加えて大まかな変形加工を行い、その後にガラス屈服点よりもわずかに温度が低く熱膨張係数も小さなガラス転移点付近まで徐々に温度を低下させながら光学ガラス素材にプレス力を加え続けることにより光学ガラス素材にアニーリング効果と金型面の形状の正確な転写とを行う必要がある。
プレス成形中における熱可塑性材料10である光学ガラス素材、ひいては第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面、のこのような精密な温度制御は、外側加熱器22のみを使用した場合に比べ、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bを使用したことにより、より容易になっている。
その後、金型支持部14により第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを前述した所定の離間位置に配置させるとともに第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度が酸化温度以下(約200℃以下)にされる。
具体的には、プレス成形の為の金型支持部14による第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの接近及びプレス成形後の金型支持部14による第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの離間は、制御装置34が金型支持軸駆動機構28の回転力供給源28bの動作を制御し、駆動力伝達部28c,上下方向移動軸28a,移動案内部26を介して、第2の金型支持軸14bの上端部に支持されている第2の金型部材12Bを、固定フレーム24に固定されている第1の金型支持軸14aの下端部に支持されている第1の金型部材12Aに所定距離まで接近させ、その後に第1の金型部材12Aから下方に所定距離離間させることにより行われる。
第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度の酸化温度以下への低下は、制御装置34が不活性ガス供給源20bの動作を制御して、第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bの夫々において、第1の金型部材12A又は第2の金型部材12Bが固定された第1固定部材32d及び第2固定部材32eの少なくとも一方を選択的に冷却させる冷却部CSの前述した複数の冷却媒体通路に冷却媒体としての不活性ガスを流すことにより促進させることが出来る。
第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度の酸化温度以下への低下の後に、中空部材18が図1中に示されている加熱位置から上方の退避位置へと移動される。そしてその後に、第2の金型部材12Bの金型面上のプレス成形物、この実施形態ではガラスレンズ、が、図示されていないプレス成形物搬出機構により前記離間位置の第2の金型部材12Bの金型面から搬出される。
その後、次のプレス成形加工が繰り返される。
この実施形態においては、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度の酸化温度以下(約200℃)から熱可塑性材料プレス成形可能温度、即ち光学ガラス素材プレス成形可能温度、への上昇が、夫々が所望の発熱パターンを有する第1の面状加熱体16A,第2の面状加熱体16B及び外側加熱器22の組み合わせにより行われるので、外側加熱器のみにより行われる従来に比べると、より早くより正確な所望の温度分布にすることが出来る。このことは、1回のプレス成形加工サイクルに要する時間を、前記従来に比べ短くすることが出来ることを意味し、しかもプレス成形精度も向上させることが出来ることを意味している。
しかも、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bを使用することで、外側加熱器のみを使用した従来では正確な所望の温度分布にすることが困難であった複雑な形状の金型面を有する金型部材や比較的大きな寸法の金型面を有する金型部材であっても、早く正確な所望の温度分布にすることが出来る。
なお第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの寸法が小さくなれば、外側加熱器22を省略し、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの組み合わせ又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの少なくとも一方のみでも、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度、特にこれらの金型面の温度、を、外側加熱器のみを使用した従来に比べると、より早くより正確な所望の温度分布にすることが出来る。
さらにこの実施形態においては、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度の熱可塑性材料プレス成形可能温度、即ち光学ガラス素材プレス成形可能温度、から酸化温度以下への低下を、第1の金型固定部材32A及び第2の金型固定部材32Bにおいて、第1の金型部材12A又は第2の金型部材12Bが固定された第1固定部材32d及び第1固定部材32dに隣接した第2固定部材32eの少なくとも一方を選択的に冷却させる冷却部CSを使用して行うことが出来るので、冷却部CSを使用しない従来に比べ、より確実に早く行なわせることが出来る。このことは、1回のプレス成形加工サイクルに要する時間を、前記従来に比べ短くすることが出来ることを意味している。
図5には、本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を外側加熱器22のみを使用して加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PTの上昇及び中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図6には、本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を外側加熱器22,第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の組み合わせを使用して加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PTの上昇及び中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図7には、本願の発明の第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々のみを使用して加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PTの上昇及び中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
例えば第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は超硬合金又はタングステン合金により110mmの直径を有し、80mmの外径及び最大20mmの厚さのメニスカスレンズをプレス成形可能に形成されていて、成形条件の一例として、以下の光学ガラス素材を使用して、以下のプレス成形条件で前記メニスカスレンズをプレス成形した。
光学ガラス素材は、次の特性を持ったものを使用した。
・屈折率:1.58313
・転移点:506℃
・屈服点:538℃
・軟化点:607℃
プレス成形条件は、以下の条件で行った。
・成形温度:580℃
・プレス力:25kN
・プレス時間:約60秒
そして、図5の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を外側加熱器22のみを使用して加熱したので、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は外周部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう外側加熱器22の出力を調節した。しかしながら、中心部温度CTは成形温度の580℃には到達せず、成形温度よりも若干低い572℃で安定した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより前記プレス条件で前記光学ガラス素材をプレス成形した結果得られたガラスレンズは、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々における外周部温度PTと中心部温度CTとの差の結果として、所望の寸法精度を得ることが出来なかった。
図6の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を外側加熱器22,第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の組み合わせを使用して加熱したので、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部と中心部とが、図5の場合に比べ、速やかに昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した直後に中心部温度CTも成形温度の580℃に到達し、外周部温度PT及び中心部温度CTが成形温度に安定するよう外側加熱器22,第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の出力を調節した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより前記プレス条件で前記光学ガラス素材をプレス成形した結果得られたガラスレンズは、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々における外周部温度PTと中心部温度CTとの差が無かった結果として、所望の寸法精度を得ることが出来た。
図7の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々のみを使用して加熱したので、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部と中心部とが、図6の場合に比べ、緩やかに昇温し、中心部温度CTが成形温度の580℃に先に到達した直後に外周部温度PTも成形温度の580℃に到達し、外周部温度PT及び中心部温度CTが成形温度に安定するよう第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の出力を調節した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより前記プレス条件で前記光学ガラス素材をプレス成形した結果得られたガラスレンズは、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々における外周部温度PTと中心部温度CTとの差が無かった結果として、所望の寸法精度を得ることが出来た。即ち、図7の場合は、図6の場合に比べて時間はかかるものの、所望の寸法精度のガラスレンズを得ることが出来た。
さらに、前述した第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1では、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の金型面の全面に渡る温度分布を第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の発熱特性を調節することにより任意に変更することが可能である。また前述した図示されていない金型面温度分布測定要素を第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部、中心部、及び、外周部と中心部の中間に配置することにより、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の金型面の温度をより精密に制御できるようになる。従って、外側加熱器22のみを使用した従来の熱可塑性材料のプレス成形装置では所望の寸法精度にプレス成形することが出来なかった直径80mmを超えるような大きなガラスレンズや1つの金型部材に複数の金型面が形成されている場合でも、これら従来よりも大きなガラスレンズのプレス成形や複数の金型面による複数のガラスレンズ等の複数の光学素子のプレス成形を所望の寸法精度で行うことが出来る。
[第2実施形態]
次に、図8及び図9を参照しながら、この発明の第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101を説明する。
第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101の構成の大部分は、図1乃至図4中に示されていた第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1の構成と同じである。従って、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101において第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1の構成部材と同じ構成部材には、第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1の構成部材に添付されている参照符号と同じ参照符号を付してそれ等の構成部材についての詳細な説明は省略する。
第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101は、気密に構成されたハウジング50の内部空間に、第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1とは上下逆さまに格納され固定されている。
気密なハウジング50の前記内部空間において、この実施形態における金型支持部14の下側の第1の金型支持軸14aの上端部及び上側の第2の金型支持軸14bの下端部に支持されている下側の第1の金型部材12A及び上側の第2の金型部材12Bの水平方向における両側には、中空部材18よりも外側に、プレス成形素材搬入機構52及びプレス成形物搬出機構54が配置されている。
ハウジング50において、中空部材18から遠いプレス成形素材搬入機構52の外端部に対応した位置にはプレス成形素材搬入開口IOが形成されていて、ハウジング50の内部空間にはプレス成形素材搬入開口IOとプレス成形素材搬入機構52の外端部との間で移動可能なプレス成形素材搬入部材56Aが設けられている。ハウジング50の外部空間においてプレス成形素材搬入開口IOに対応した位置には、プレス成形素材搬入部材56Aの移動に連携してプレス成形素材搬入開口IOを開閉させるプレス成形素材搬入開口開閉部材58Aが設けられている。
プレス成形素材搬入開口IOに配置されているプレス成形素材搬入部材56Aはプレス成形素材搬入開口IOを気密に閉じ、この間にプレス成形素材搬入開口開閉部材58Aは開位置に配置されていて、この間にプレス成形素材搬入部材56Aは熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を受け入れる。この後、プレス成形素材搬入開口開閉部材58Aが閉位置に配置されプレス成形素材搬入開口IOを気密に閉じると、プレス成形素材搬入部材56Aはプレス成形素材搬入開口IOから離れ、プレス成形素材搬入機構52の外端部に接近し、前記受け入れた熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を前記内部空間においてプレス成形素材搬入機構52の外端部により取り出される。プレス成形素材搬入部材56A,プレス成形素材搬入開口開閉部材58A,そしてプレス成形素材搬入機構52の動作は制御装置34により制御される。
ハウジング50において、中空部材18から遠いプレス成形物搬出機構54の外端部に対応した位置には、プレス成形物搬出開口DOが形成されていて、ハウジング50の内部空間にはプレス成形物搬出開口DOとプレス成形物搬出機構54の外端部との間で移動可能なプレス成形物搬出部材56Bが設けられている。ハウジング50の外部空間においてプレス成形物搬出開口DOに対応した位置には、プレス成形物搬出部材56Bの移動に連携してプレス成形物搬出開口DOを開閉させるプレス成形物搬出開口開閉部材58Bが設けられている。
プレス成形物搬出機構54の外端部にプレス成形物搬出部材56Bが接近している間にプレス成形物搬出開口開閉部材58Bは閉位置に配置されていてプレス成形物搬出開口DOを気密に閉じている。この間にプレス成形物搬出部材56Bはプレス成形物搬出機構54の外端部からプレス成形物G、この実施形態では光学素子の一種であるガラスレンズ、を受け入れる。この後、プレス成形物搬出開口開閉部材58Bが閉位置に配置されている間に、プレス成形物搬出部材56Bはプレス成形物搬出機構54の外端部から離れプレス成形物搬出開口DOに接近しプレス成形物搬出開口DOを気密に閉じる。プレス成形物搬出部材56Bがプレス成形物搬出開口DOを気密に閉じている間に、プレス成形物搬出開口開閉部材58Bが開位置に配置される。この間に、プレス成形物搬出部材56Bから、前記内部空間において受け入れたプレス成形物G、この実施形態では光学素子の一種であるガラスレンズ、が取り出される。プレス成形物搬出部材56B,プレス成形物搬出開口開閉部材58B,そしてプレス成形物搬出機構54の動作も制御装置34により制御される。
ハウジング50の前記内部空間は、不活性ガス供給部20の真空ポンプ20a及び不活性ガス供給源20bに接続されていて、真空ポンプ20aにより前記内部空間中の空気が吸い出される間に不活性ガス供給源20bからの不活性ガスにより満たされる。従って、この実施形態では、不活性ガス供給源20bは中空部材18が加熱位置に配置されている間に中空部材18の内部空間に不活性ガスを供給して不活性ガスで満たす必要がない。
気密のハウジング50の内部空間に前述した如く格納されている第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101においては、プレス成形素材搬入開口IOを介して所定の量の熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、が気密のハウジング50の内部空間に搬入される間に、プレス成形素材搬入開口IOはプレス成形素材搬入部材56A又はプレス成形素材搬入開口開閉部材58Aにより気密に閉じられている。また、プレス成形物搬出開口DOを介してプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、が気密のハウジング50の内部空間から搬出される間にプレス成形物搬出開口DOは、プレス成形物搬出部材56B又はプレス成形物搬出開口開閉部材58Bにより気密に閉じられている。
プレス成形素材搬入機構52には図示されていない加熱器が設けられていて、プレス成形素材搬入機構52が前記外端部から熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を中空部材18の近傍まで搬送する間に前記加熱器により所望の温度、例えばプレス成形可能温度、まで加熱することが出来る。気密のハウジング50の内部空間には前述した如く不活性ガスで満たされているので、このように加熱された熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材は、酸化しない。
第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bは離間位置に配置されている間に、対応する第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16B及び加熱位置の中空部材10の外側加熱器22によりプレス成形可能温度に既に加熱されている。そして、プレス成形素材搬入機構52が前記外端部から熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を加熱しながら中空部材18の近傍まで搬送する間に、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101の中空部材18が加熱位置から退避位置に移動されている。
中空部材18が退避位置に移動しても気密のハウジング50の内部空間は前述した如く不活性ガスで満たされているので、前述した如くプレス成形可能温度に既に加熱されていた退避位置の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bは酸化しない。
中空部材18が外側加熱器22を伴い加熱位置から退避位置に移動されることにより、外側加熱器22が第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bから遠ざかり、その結果として前記離間位置の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度は僅かに低下する。しかしながら、離間位置の第1の金型部材12Aの金型面にプレス成形素材搬入機構52から前述した如く所望の温度、例えばプレス成形可能温度、まで予め加熱されている熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、が載置された後に、中空部材18が外側加熱器22を伴い退避位置から加熱位置に戻ると、速やかに、離間位置の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bを熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、とともにプレス成形可能温度に戻すことが出来る。
中空部材18が加熱位置に戻り、離間位置の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bが熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、とともにプレス成形可能温度に戻された後、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bは金型支持部14により相互に接近され熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、からプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、をプレス成形する。
この後、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bが前述した離間位置に戻されるとともに中空部材18が前述した退避位置に戻され、離間位置の第1の金型部材12Aの金型面からプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、がプレス成形物搬出機構54により搬出される。
プレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、は、プレス成形物搬出機構54によりプレス成形物搬出機構54の外端部まで搬送される間に前述したプレス成形可能温度から温度が低下し、プレス成形物搬出機構54の外端部においてプレス成形物搬出部材56Bに受け入れられる。
この後、プレス成形物搬出部材56Bはプレス成形物搬出機構54の外端部からプレス成形物搬出開口DOに移動し、さらにプレス成形物搬出開口開閉部材58Bが開かれることによりプレス成形物搬出部材56Bからのプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、の取り出しが行われる。
第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101は、不活性ガスにより常に満たされている気密のハウジング50の内部空間中に固定されているので、プレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、からプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、を第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bによりプレス成形する為に中空部材18を加熱位置と退避位置との間で移動させる度に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度を酸化温度以下とプレス成形可能温度との間で変動させる必要がない。この為に、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101において1回のプレス成形に要するサイクルタイムは、前述した第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1において1回のプレス成形に要するサイクルタイムよりもかなり短縮される。
なぜならば、前述した第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1においては、プレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、からプレス成形物、この実施形態ではガラスレンズ、を第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bによりプレス成形する為に中空部材18を加熱位置と退避位置との間で移動させる度に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度を酸化温度以下とプレス成形可能温度との間で変動させる必要があるからである。
第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101においてはさらに、プレス成形の為に、熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bへと送るプレス成形素材搬入機構52に図示されていない加熱器が設けられている。そして、プレス成形素材搬入機構52が前記外端部から熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を中空部材18の近傍まで搬送する間に熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を前記加熱器により所望の温度、例えばプレス成形可能温度、まで加熱することが出来る。さらに、このように加熱されている熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、を、そのままの温度を保ったまま前述した如く中空部材18を加熱位置と退避位置との間で移動させる度に温度を酸化温度以下とプレス成形可能温度との間で変動させる必要がない第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの中の第1の金型部材12Aの金型面上に置くことが出来る。従って、この後に中空部材18が退避位置から加熱位置に移動されると、直ちに第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、からガラスレンズをプレス成形することが出来る。
このことも、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101において1回のプレス成形に要するサイクルタイムを、第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1において1回のプレス成形に要するサイクルタイムよりもかなり短縮させる。
さらに、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101においては、前記プレス成形が繰り返し行われている間に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度は前記プレス成形加工可能温度に維持されるので、外側加熱器22を省略することが出来る。さらに、中空部材18無しで第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bのみにより第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度を前記プレス成形加工可能温度に維持することが出来るのであれば、中空部材18も省略することが出来る。
図1乃至図4を参照しながら第1実施形態の項目において前述したように、光学ガラス素材をガラスレンズへと精度良くプレス成形するには、光学ガラス素材の粘度の高いガラス屈服点付近で光学ガラス素材にプレス力を加えて大まかな変形加工を行い、その後にガラス屈服点よりもわずかに温度が低く熱膨張係数も小さなガラス転移点付近まで徐々に温度を低下させながら光学ガラス素材にプレス力を加え続けることにより光学ガラス素材にアニーリング効果と金型面の形状の正確な転写とを行う必要がある。
そこで、前記プレス成形が繰り返し行われている間に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度を所望の温度に維持することが容易な第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101において、熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、がプレス成形素材搬入機構52により第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bに向かい搬送される間に前記図示されていない加熱器によりガラス屈服点まで加熱され、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合とガラス屈服点温度よりもわずかに低いガラス転移点に維持した場合の、利害得失を確認してみた。
プレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合、相互に離間されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bに搬入される熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、の温度もガラス屈服点温度に加熱されているので、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bによる熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、のプレス成形開始後は、プレス成形終了まで第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度がガラス屈服点温度よりもわずかに低いガラス転移点になるよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要がある。そして、プレス成形終了後に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bが再び相互に離間されプレス成形されたプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、が第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bから取り出された後に、次のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度からガラス屈服点温度へと上昇させるよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要がある。
即ち、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合、1回のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度がガラス屈服点温度よりもわずかに低いガラス転移点になるよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要があり、さらには次のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度からガラス屈服点温度へと上昇させるよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要がある。このため、1回のプレス成形と次のプレス成形の準備の為に要する時間が長くなっている。このことは、プレス成形サイクルタイムが比較的長くなることを意味している。
しかしながら、プレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合、プレス成形開始後からプレス成形終了までの第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度がプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、の高精度なプレス成形の為に最適に制御されるので、比較的大型のプレス成形物G、この実施形態では比較的大型のガラスレンズ、を高精度にプレス成形するのに適している。
プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度よりもわずかに低いガラス転移点温度に維持した場合、相互に離間されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bに搬入される熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、の温度はガラス屈服点温度に加熱されているが、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bによる熱可塑性材料10のプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、のプレス成形開始後でも、プレス成形終了まで外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度はプレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度よりもわずかに低いガラス転移点の温度に維持していた時のままである。そして、プレス成形終了後に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bが再び相互に離間されプレス成形されたプレス成形物G、この実施形態ではガラスレンズ、が第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bから取りだされた後にも、次のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度はガラス転移点温度に維持されたままである。
即ち、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度に維持した場合、1回のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度はガラス転移点から変更するよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要がなく、さらには次のプレス成形の為に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度から変更するよう外側加熱器22及び/又は第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの発熱温度を調整する必要がない。このため、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度に維持した場合、1回のプレス成形と次のプレス成形の準備の為に要する時間が、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合に比べ、短くなっている。このことは、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度に維持した場合、プレス成形サイクルタイムが、プレス成形前の第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持した場合に比べ、短くなることを意味している。
しかしながら、プレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度に維持した場合、プレス成形開始後からプレス成形終了までの第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度がプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、の高精度なプレス成形の為に最適に制御されないので、比較的大型のプレス成形物G、この実施形態では比較的大型のガラスレンズ、を高精度でプレス成形するのに適していない。
従って、ガラス屈服点温度に加熱されているプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、から直径10mm以下のガラスレンズをプレス成形する場合は、よほど高い精度を求められないのであればプレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス転移点温度に維持しておくことで良い。また、ガラス屈服点温度に加熱されているプレス成形素材、この実施形態では光学ガラス素材、から直径40mm以上のガラスレンズをプレス成形する場合は、プレス成形前に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの温度をガラス屈服点温度に維持しておく方が良い。
なお、第2実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置101は、気密に構成されたハウジング50の内部空間に、第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1とは上下逆さまに格納され固定されていたが、第1実施形態に従った熱可塑性材料のプレス成形装置1と同じ上下方向を向いて格納され固定されていても良い。
[面状加熱体の変形例]
次に、図10及び図11を参照しながら、図3及び図4中に示されていた第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの変形例を説明する。図10は、第1の面状加熱体16Aの変形例の概略的な水平断面図であり、図11は、図10の変形例の概略的な下面図である。図3及び図4中に示されていた第2の面状加熱体16Bの変形例の構成は第1の面状加熱体16Aの変形例の構成と同じである。
変形例の第1の面状加熱体160Aは、図10中に示されている如く、円板状の本体MB10と、本体MB10の円周面において本体MB10の2つの直径方向に突出した2対の電極部ET10,ET12;ET13,ET14と、を含む。
変形例の第1の面状加熱体160Aは、中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2と中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2の夫々の為の二対の電極を含む。詳細には、この変形例の第1の面状加熱体160Aは、夫々が黒鉛やSiCなどの導電体で形成された図示されていない円板状のコアの周囲をPBN(パイロリティックボロンナイトライド:熱分解窒化硼素)などの絶縁体でCVD等によりコーティングし、さらにその上に一対の電極部ET10,ET12間で黒鉛やSiCなどの導電体で周辺部電気抵抗発熱部HP2となる所望のパターン形状を形成するとともにもう一対の電極部ET13,ET14間で黒鉛やSiCなどの導電体で中心部電気抵抗発熱部HP1となる所望のパターン形状を形成し、さらにこれらの上をPBN(パイロリティックボロンナイトライド:熱分解窒化硼素)などの絶縁体でCVD等によりコーティングすることにより作成されている。第1の面状加熱体160Aの絶縁体は、面の厚さ方向には熱伝導が悪く、面が広がる方向には熱伝導が良い。
導電体の中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2の夫々は、第1の面状加熱体160Aにより加熱される第1の金型部材12Aの金型面における所望の温度分布に対応したパターン形状を有している。
さらに詳細には、この変形例において、導電体の周辺部電気抵抗発熱部HP2の所望のパターン形状は、図10中に示されている如く、一方の電極部ET10から本体MB10の一方の半円に沿い他方の電極部ET12に向かい延出した後に本体MB10の中心に向かう途中まで螺旋状に延出し、さらに本体MB10の中心に対して反対側に位置する本体MB10の中心に向かう途中から一方の電極部ET10に向かい螺旋状に延出した後に本体MB10の他方の半円に沿い他方の電極部ET12に向かい延出している。そして、周辺部電気抵抗発熱部HP2のこのパターン形状において本体MB10の中心に対して対称に位置している2つの螺旋状延出部分の内端は、図11中に示されている如く前記コアを挟んだ反対側の下層の絶縁体上に形成されている電気接続パターンEC1により相互に電気的に接続されている。一対の電極部ET10,ET12に配置されている周辺部電気抵抗発熱部HP2の両端部位は、周辺部電気抵抗発熱部HP2の為の一対の電極T10,T12となっている。導電体の周辺部電気抵抗発熱部HP2のこのようなパターン形状では、第1の面状加熱体160Aの平面の周辺部が、平面が広がる方向において略均一な発熱特性を有する。
一対の電極部ET10,ET12には、所望のパターン形状の周辺部電気抵抗発熱部HP2の両端部位の電極T10,T12が露出された一対の電極露出開口TO10,TO12が形成されている。
第1の金型固定部材32Aの第1固定部材32d及び第2固定部材32eの為の前述した固定ボルト等の固定部品(締結部品)の中の2つが、図2中に示されている如く、変形例の第1の面状加熱体160Aの一対の電極部ET10,ET12の一対の電極露出開口TO10,TO12に挿入され周辺部電気抵抗発熱部HP2の両端部位の電極T10,T12に電気的に接続されて外部接続端子を構成している。周辺部電気抵抗発熱部HP2の為のこれら外部接続端子は、第1の金型固定部材32Aの第1固定部材32d及び第2固定部材32eに対し碍子等の電気絶縁部材を介して接触している。
この変形例において、導電体の中心部電気抵抗発熱部HP1の所望のパターン形状は、図10中に示されている如く、周辺部電気抵抗発熱部HP2の内周において一方の電極部ET13に対応した位置から前記内周の一方の半円に沿い他方の電極部ET14に対応した位置に向かい延出した後に本体MB10の中心に向かい螺旋状に延出し、さらに本体MB10の中心から前記内周の一方の電極部ET13に対応した位置に向かい螺旋状に延出した後に前記内周の他方の半円に沿い他方の電極部ET14に対応した位置に向かい延出している。そして、中心部電気抵抗発熱部HP1のこのパターン形状において本体MB10の中心に対して対称に位置している2つの螺旋状延出部分の外端は、図11中に示されている如く前記コアを挟んだ反対側の下層の絶縁体上に形成されている電気接続パターンEC2によりもう一対の電極部ET13,ET14に配置されている中心部電気抵抗発熱部HP1の為の一対の電極T13,T14に電気接続されている。導電体の中心部電気抵抗発熱部HP1のこのようなパターン形状では、第1の面状加熱体160Aの平面の中心部が、平面が広がる方向において略均一な発熱特性を有する。
もう一対の電極部ET13,ET14には、所望のパターン形状の中心部電気抵抗発熱部HP1の両端部位の電極T13,T14が露出された一対の電極露出開口TO13,TO14が形成されている。
第1の金型固定部材32Aの第1固定部材32d及び第2固定部材32eの為の前述した固定ボルト等の固定部材(締結部材)の中のさらに2つが、図2中に示されている如く、変形例の第1の面状加熱体160Aのもう一対の電極部ET13,ET14の一対の電極露出開口TO13,TO14に挿入され中心部電気抵抗発熱部HP1の両端部位の電極T13,T14に電気的に接続されて外部接続端子を構成している。中心部電気抵抗発熱部HP1の為のこれら外部接続端子は、第1の金型固定部材32Aの第1固定部材32d及び第2固定部材32eに対しては碍子等の電気絶縁部材を介して接触している。
即ちこの変形例において、中心部電気抵抗発熱部HP1は対応している金型部材の金型面の中心から相互に正反対の周方向に螺旋状に延出し両方の延出端に1対の電極T13,T14を有している。また、この変形例において、周辺部電気抵抗発熱部HP2は、中心部電気抵抗発熱部HP1の周囲において中心部電気抵抗発熱部HP1の直径方向に相互に離間した2つの位置から中心部電気抵抗発熱部HP1の周囲を相互に同じ周方向に巻かれた2つの部分を備えていて、2つの部分の夫々の内端は電気接続パターンEC1により相互に電気的に接続されていて、2つの部分の夫々の外端は周辺部電気抵抗発熱部HP2の為の1対の電極T10,T12を有している。
さらに図3及び図4中に示されている第1実施形態の第1及び第2の面状加熱体16A,16Bに代わり、図10及び図11中に示されている変形例の第1の面状加熱体160A及び第2の面状加熱体(図示されていない)を使用する図1及び図2中に示されている第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1においては、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの金型面の温度分布を直接的又は間接的に測定する為の図示されていない金型表面温度分布測定要素(例えば熱電対)が、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部,中心部,そして外周部と中心部との中間部に配置されている。第1の面状加熱体160Aに対応した第1の金型部材12Aにおいては、前記外周部は第1の面状加熱体160Aの周辺部電気抵抗発熱部HP2により加熱される領域に対応しており、前記中心部は第1の面状加熱体160Aの中心部電気抵抗発熱部HP1により加熱される領域の中心に対応しており、そして前記中間部は第1の面状加熱体160Aの周辺部電気抵抗発熱部HP2と中心部電気抵抗発熱部HP1との境界に対応している。
図3及び図4中に示されている第1実施形態の第1の及び第2の面状加熱体16A,16Bに代わり、図10及び図11中に示されている変形例の第1の面状加熱体160A及び第2の面状加熱体(図示されていない)を使用する図1及び図2中に示されている第1実施形態の熱可塑性材料のプレス成形装置1においては、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の金型面の温度分布を、第1実施形態の第1の及び第2の面状加熱体16A,16Bと外側加熱器22との組み合わせを使用した場合に比べると、第1の面状加熱体160Aの周辺部電気抵抗発熱部HP2及び中心部電気抵抗発熱部HP1と図示されていない下側の面状加熱体の周辺部電気抵抗発熱部及び中心部電気抵抗発熱部と外側加熱器22との組み合わせを使用した方がより細かく制御することが出来る。
図12には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の面状加熱体160A及び第2の図示されていない面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1のみにより、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図13には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2のみにより、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図14には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2により、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図15には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、外側加熱器22のみを使用して、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図16には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、外側加熱器22及び第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1の組み合わせを使用して、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図17には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、外側加熱器22及び第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2の組み合わせを使用して、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
図18には、図10及び図11に示した変形例の第1の面状加熱体160A及びこれと同じ構成の図示されていない第2の面状加熱体を使用した図1の熱可塑性材料のプレス成形装置1において、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2と外側加熱器22との組み合わせを使用して、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を加熱した場合における加熱時間に対する第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部温度PT,中間部温度IT,そして中心部温度CTの上昇の様子が示されている。
なお、図12乃至図18の夫々に示された場合における成形条件は、図5乃至図7の夫々に示された場合における成形条件と同じである。
そして、図12の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1のみにより加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は中心部が外周部よりも先に加熱されて先に昇温し、中心部温度CTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1の出力を調節した。この後、中間部温度ITは成形温度の580℃に到達したが、周辺部温度PTは成形温度の580℃に到達せず、成形温度よりも若干低い572℃で安定した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部で、前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来る。なお、図12の場合において、第1の金型部材12Bの金型面において前記光学ガラス素材の周囲に前記周辺部温度PTにより成形可能な別の素材を配置することにより、前記光学ガラス素材とともに前記別の素材も同時に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより所望の形状寸法に成形することが出来る。
図13の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2のみにより加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は周辺部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、周辺部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2の出力を調節した。この後、中間部温度ITは成形温度の580℃に到達したが、中央部温度PTは成形温度の580℃に到達せず、成形温度よりも若干低い572℃で安定した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中央部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来ない。しかしながら、前記夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2に対応する周辺部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を周辺部のみ所望の寸法精度を有したガラス製品にプレス成形することが出来る。なお、図13の場合において、第2の金型部材12Bの金型面において前記光学ガラス素材の中央部に前記中央部温度CTにより成形可能な別の素材を配置することにより、前記光学ガラス素材とともに前記別の素材も同時に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより所望の形状寸法に成形することが出来る。
図14の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2の両方により加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は中心部が外周部よりも先に加熱されて先に昇温し、中心部温度CTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1の出力を調節した。この後、中間部温度ITも成形温度の580℃に到達し、さらに周辺部温度PTも成形温度の580℃に到達し、その後にこの温度に安定するよう第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2の出力を調節した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部及び周辺部電気抵抗発熱部HP2に対応する周辺部の両方にわたり、前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来る。
図15の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、外側加熱器22のみを使用して加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は外周部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう外側加熱器22の出力を調節した。しかしながら、中心部温度CTは成形温度の580℃には到達せず、成形温度よりも若干低い572℃で安定した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中央部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来ない。しかしながら、前記夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を周辺部のみ所望の寸法精度を有したガラス製品にプレス成形することが出来る。なお、図15の場合において、第2の金型部材12Bの金型面において前記光学ガラス素材の中央部に前記中央部温度CTにより成形可能な別の素材を配置することにより、前記光学ガラス素材とともに前記別の素材も同時に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより所望の形状寸法に成形することが出来る。
図16の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、外側加熱器22と第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1との組み合わせを使用して加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は外周部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう外側加熱器22の出力を調節した。その後、中間部温度ITに続き中心部温度CTも成形温度の580℃に到達し、この温度に安定するよう中心部電気抵抗発熱部HP1の出力を調節した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部及び外側加熱器22により加熱される周辺部の両方にわたり、前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来る。
図17の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、外側加熱器22と第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2との組み合わせを使用して加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は外周部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう外側加熱器22の出力と第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2の出力を調節した。この後、中間部温度ITは成形温度の580℃に到達したが、中央部温度PTは成形温度の580℃に到達せず、成形温度よりも若干低い温度で安定した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中央部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来ない。しかしながら、前記夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の周辺部電気抵抗発熱部HP2に対応する周辺部では前記プレス条件で前記光学ガラス素材を周辺部のみ所望の寸法精度を有したガラス製品にプレス成形することが出来る。なお、図17の場合において、第2の金型部材12Bの金型面において前記光学ガラス素材の中央部に前記中央部温度CTにより成形可能な別の素材を配置することにより、前記光学ガラス素材とともに前記別の素材も同時に第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bにより所望の形状寸法に成形することが出来る。
図18の場合は、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を、外側加熱器22と第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中央部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2との組み合わせを使用して加熱している。従って、第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々は外周部が中心部よりも先に加熱されて先に昇温し、外周部温度PTが成形温度の580℃に到達した後にこの温度に安定するよう外側加熱器22の出力及び周辺部電気抵抗発熱部HP2の出力を調節した。その後、中間部温度ITに続き中心部温度CTも成形温度の580℃に到達し、この温度に安定するよう中心部電気抵抗発熱部HP1の出力を調節した。このように加熱された第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bでは、夫々の金型面において第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1に対応する中央部及び周辺部電気抵抗発熱部HP2に対応するとともに外側加熱器22により加熱される周辺部の両方にわたり、前記プレス条件で前記光学ガラス素材を所望の寸法精度を有したガラスレンズにプレス成形することが出来る。しかも、図18の場合は、図14中に示されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1及び周辺部電気抵抗発熱部HP2の両方により加熱する場合や、図16中に示されている第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々を外側加熱器22と第1の面状加熱体160A及び図示されていない第2の面状加熱体の夫々の中心部電気抵抗発熱部HP1との組み合わせを使用して加熱する場合に比べ、遥かに早く第1の金型部材12A及び第2の金型部材12Bの夫々の外周部及び中心部を所望の成形温度まで上昇させることが出来る。
なお本願の発明の概念に従えば、第1の面状加熱体16A及び第2の面状加熱体16Bの夫々の電気抵抗発熱部HPの個数及び配列パターンは、それが加熱する第1の金型部材12A又は第2の金型部材12Bの金型面が要求している所望の温度配列パターンに対応するよう種々に選択することが出来る。
1,101…熱可塑性材料のプレス成形装置、10…熱可塑性材料、12…金型、12A…第1の金型部材、12B…第2の金型部材、13…金型保持部、13A…第1の金型保持部材、13B…第2の金型保持部材、14…金型支持部、14a…第1の金型支持軸、14b…第2の金型支持軸、15…中空断熱部、15A…第1の中空断面部材、15B…第2の中空断面部材、LD…押圧力検出器、16…面状加熱部、16A…第1の面状加熱体、16B…第2の面状加熱体、HC…熱伝導部材,CS…冷却部,MB…本体、ET1,ET2…電極部、HP…電気抵抗発熱部、T1,T2…電極、TO1,TO2…電極露出開口、OT1,OT2…外部接続端子、18…中空部材、20…不活性ガス供給部、20a…真空ポンプ、20b…不活性ガス供給源、22…外側加熱器、24…固定フレーム、26…移動案内部、28…金型支持軸駆動機構、28a…上下方向移動軸,28b…回転力供給源,28c…駆動力伝達部,30…中空部材駆動部,30a…シリンダ,30b…ピストン、32…金型固定部、32A…第1の金型固定部材、32B…第2の金型固定部材、32d…第1固定部材、32e…第2固定部材、32f…面状加熱体格納凹部、34…制御装置、CT…中心部温度、PT…外周部温度、
50…ハウジング、IO…プレス成形素材搬入開口、56A…プレス成形素材搬入部材、DO…プレス成形物搬出開口、56B…プレス成形物搬出部材、58A…プレス成形素材搬入開口開閉部材、58B…プレス成形物搬出開口開閉部材、G…プレス成形物、
160A…面状加熱体、MB10…本体、ET10,ET12,ET13,ET14…電極部、HP1…中心部電気抵抗発熱部、HP2…周辺部電気抵抗発熱部、T10,T12,T13,T14…電極、TO10,TO12,TO13,TO14…電極露出開口、EC1,EC2…電気接続パターン。

Claims (12)

  1. 熱可塑性材料を所望の形状に押圧成形する金型面をそれぞれ有する複数の金型部材で構成される金型と、
    複数の金型部材をそれぞれ固定する複数の金型部材で固定される金型固定部と、
    前記複数の金型固定部材を介して前記複数の金型部材をそれぞれ支持すると共に、相互に接近及び離反させる金型支持部と、
    前記熱可塑性材料を成形可能温度に加熱する面状加熱体と、を備え、
    前記面状加熱体が前記金型固定部の内部に設けられていることを特徴とする熱可塑性材料のプレス成形装置。
  2. 前記金型固定部材は、前記金型部材に接触固定される固定面に平行な分割面で分離可能な複数の固定部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  3. 前記複数の固定部材のうち少なくとも一つの固定部材の分割面に前記面状加熱体を格納する面状加熱体格納凹部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  4. 前記面状加熱体の熱を前記固定部に伝達させる熱伝導部材を前記面状加熱体格納凹部に配置したことを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  5. 前記面状加熱体は、電気抵抗発熱部と複数の電極とで構成され、
    前記複数の電極と前記複数の固定部材を分離可能に相互に固定する複数の締結部材が、電気的に接続されることにより外部接続端子を構成している、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  6. 前記面状加熱体の前記電気抵抗発熱部は、前記面状加熱体により加熱される前記金型部材の金型面における所望の温度分布に対応したパターン形状を有している、ことを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  7. 前記面状加熱体は、複数の電気抵抗発熱部と複数の電極とで構成され、
    前記複数の電極と前記複数の固定部材を分離可能に相互に固定する複数の締結部材が、電気的に接続されることにより外部接続端子を構成している、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  8. 前記面状加熱体の前記複数の電気抵抗発熱部は、前記面状加熱体により加熱される前記金型部材の金型面における所望の温度分布に対応した複数のパターン形状を有している、ことを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  9. 前記面状加熱体の前記複数の電気抵抗発熱部は、前記金型部材の金型面の中心部に対応した中心部電気抵抗発熱部と、前記金型部材の金型面の周辺部に対応した周辺部電気抵抗発熱部と、を備えている、ことを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  10. 前記中心部電気抵抗発熱部は前記金型部材の金型面の中心から相互に正反対の周方向に螺旋状に延出し両方の延出端に1対の電極を有しており、
    前記周辺部電気抵抗発熱部は、前記中心部電気抵抗発熱部の周囲において前記中心部電気抵抗発熱部の直径方向に相互に離間した2つの位置から前記中心部電気抵抗発熱部の周囲を相互に同じ周方向に螺旋状に延出された2つの部分を備え、2つの部分の夫々の内端は相互に電気的に接続されていて、2つの部分の夫々の外端は周辺部電気抵抗発熱部の為の1対の電極を有している、
    ことを特徴とする請求項9に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  11. 前記複数の固定部材の少なくとも一つに前記複数の固定部材を選択的に冷却させる冷却部を設けたことを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
  12. 前記冷却部は、前記固定部材に形成された複数の冷却媒体通路であることを特徴とする請求項11に記載の熱可塑性材料のプレス成形装置。
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