JP2003321229A - 光学素子の製造装置 - Google Patents

光学素子の製造装置

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JP2003321229A
JP2003321229A JP2002132684A JP2002132684A JP2003321229A JP 2003321229 A JP2003321229 A JP 2003321229A JP 2002132684 A JP2002132684 A JP 2002132684A JP 2002132684 A JP2002132684 A JP 2002132684A JP 2003321229 A JP2003321229 A JP 2003321229A
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temperature
optical element
mold
heater block
manufacturing apparatus
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JP2002132684A
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English (en)
Inventor
Kenji Yamaguchi
憲司 山口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子を成形する金型投入温度のばらつき
を抑制し、光学素子体積に依存しない成形ができ、品質
が安定し、更に生産性向上を図れる光学素子の製造装置
を提供すること。 【解決手段】 光学素子の製造装置の金型投入部に第1
の予備加熱装置を取り付け、金型を酸化しない程度の温
度まで昇温可能にする機構を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビデオカメラや
デジタルスチルカメラ等の光学機器に使用されるガラス
レンズ等の光学素子を、精密ガラス成形により形成する
光学素子の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的精度の機能面を有する成形
型により、ブランク材、即ち光学素子素材を精密成形し
て光学素子を作製し、研磨等の工程を省略して、簡略化
する製造方法が実用化されている。この方法は非球面を
有する光学素子を容易に形成できるという特徴を持つた
め、光学素子の製造方法として、今後も引き続き重要な
位置を占めるものと考えられる。(特開平4-164826号公
報参照)以下、図面を参照しながら、上述した従来例を
光学素子製造装置の動作状態と合わせて説明する。図7
は従来法によるレンズ製造装置の概略図であり、光学素
子素材を成形する製造装置1内では、昇温工程、プレス
工程、冷却工程を経てレンズが製造される。
【0003】最終レンズ形状に近似した形に予備加工さ
れた光学素子素材が金型2内に封入された状態で製造装
置1の投入部から矢印方向に投入される。各工程の鉛直
上下方向に配置された一対のヒータブロック3は、各々
複数の発熱体4が嵌合されており、かつ上部ヒータブロ
ック3aは図示しないエアシリンダに連結し、エア圧を
操作することによって鉛直上下方向に稼動し、金型の上
下面を任意の圧力で挟持し昇温、プレス、徐冷可能とな
っている。なお、ヒータブロック3の設定温度は、ヒー
タブロック3の中央付近に取り付けた図示しない熱電対
に入る温度を元に、温度調整器10を用いて一定の設定
温度になるようフィードバック制御されている。製造装
置内における各ステージ間の金型移載は、上下ヒータブ
ロック間に配接された図示しない串状のステージ移載冶
具によって順次取り出し側に一定タクトで移載される。
まず、昇温工程でガラスが変形可能な温度まで加熱され
る。次にプレス工程で上部ヒータブロックに配置された
プレスシリンダにより加圧成形される。その後、成形さ
れた光学素子は冷却工程で徐冷されて、変形や歪が発生
しにくい温度以下に冷却後、製造装置から取り出し、金
型から取り出されて所望の光学素子が完成する。
【0004】また、図8は従来の光学素子の製造装置に
おいて、昇温工程、プレス工程、冷却工程間における、
金型内の光学素子素材の光学面中央部の温度測定を行っ
た結果(温度プロファイルという)を示した図である。
横軸は時間、縦軸は温度である。そして、図8における
符号19は、昇温工程中の第1の昇温期間、20は第2
の昇温期間、21は第3の昇温期間、22はプレス工程
期間、23は第1の冷却期間、24は第2の冷却期間、
25は第3の冷却期間を示す。19から25までの各々
の送り時間は、金型がヒータブロック上に移載されてか
ら次の移載までの送り時間となる。この送り時間は1個
の光学素子が製造装置から取り出されるタクトに相当す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光学素子形状
の多様化に伴い、金型体積が大小様々に渡り、製造装置
の昇温、プレス、冷却工程の温度調整器の設定温度と、
金型を挟持するヒータブロックの圧力調整だけでは対応
できないという問題があった。
【0006】具体的には、金型内に光学素子素材を投
入、取り出しを行うロボットシステムにおいて、システ
ムトラブルが発生した場合と、ノントラブルの場合で、
製造装置内に投入される金型の投入温度がばらつく、光
学素子体積が比較的大きい場合、金型昇温工程において
プレス可能な温度まで光学素子素材の温度を到達させる
昇温能力が不足する、といった問題がある。本発明はこ
れらの問題点を解消して、レンズ体積に依存しない成形
を行い、レンズ品質が安定し、生産性向上を図ることが
できる製造装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光学素子
の製造装置は、上記従来の製造装置にあったいくつかの
問題を解決するためのもので、まず光学素子の製造装置
投入部に第1の予備加熱装置を備えることによって、金
型内への光学素子素材の供給や、成形後得られる光学素
子の取り出しで使用される自動供給取り出しシステムが
小停止するなど、金型が常時連続投入されずに光学素子
素材の投入温度がばらつく場合でも、光学素子の製造装
置投入温度を一定に保つという作用効果を有する。
【0008】第二に、光学素子の製造装置投入部に第2
の予備加熱装置を備えることによって、光学素子素材の
投入温度がばらついたとしても、光学素子の製造装置投
入温度を一定に保ち、且つ金型内に封入された光学素子
素材外周面から均一に加温することができる作用効果を
有する。
【0009】第三に、光学素子の製造装置の昇温工程に
備える複数の発熱体のワット数を金型体積に応じて変更
することによって、短時間で金型を昇温することができ
るという作用効果を有する。
【0010】第四に、光学素子の製造装置の昇温工程に
与えるワット数を金型の酸化度合別に設定温度を可変す
ることによって、使用履歴が異なる複数の金型を連続し
て生産できるという作用効果を有する。
【0011】第五に、発熱体のヒータブロックに嵌合す
ることによって、ヒータブロック表面の温度分布を低減
できることから、比較的体積の大きな光学素子の品質と
生産性を高めることができるという作用効果を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光学素子の製造装置は、
光学素子素材と、前記光学素子素材を封入し、一対のレ
ンズ面形状を成し、光学素子を所望の形状に成形する金
型と、前記金型の上下面に接触する複数の発熱体が嵌合
された上下ヒータブロックと、前記各々のヒータブロッ
クの温度測定手段と、前記温度測定手段からの温度を制
御可能な前記ヒータブロック数と同数の温度調整器と、
前記金型の上下面から昇温する前記ヒータブロックで構
成した複数の昇温工程と、前記金型が昇温後に加温しな
がら押圧する前記ヒータブロックと同じ構成のプレス工
程と、前記金型を押圧後、徐冷する前記ヒータブロック
と同じ構成の複数の冷却工程を備え、前記金型を投入す
る投入部と取り出し部がある不活性ガスを封入した装置
であって、前記金型は、前記複数の昇温工程中の第1の
昇温工程において、前記金型の上下面から昇温されるよ
う、前記第1の昇温工程の下ヒータブロック上に載置
後、上ヒータブロックが下降加圧後、前記金型を鉛直方
向から挟持し、任意の設定時間到達後、前記金型は第2
の昇温工程に移載され、順次前記金型を昇温しながら押
圧可能な温度まで達した後、前記金型は前記プレス工程
に移載され、前記光学素子素材を任意の設定時間内に押
圧することにより、光学素子に近似した形状まで変形さ
せ、次に前記複数の冷却工程中第1の冷却工程におい
て、残留応力が発生しにくい下降温度で徐冷され、光学
素子の非球面形状を整えながら、変形が終了する温度ま
で徐冷し、取り出すことを特徴とする。
【0013】また、本発明の光学素子の製造装置は上記
に加え、前記光学素子の製造装置投入部の下部ステージ
に、前記金型の下面を接触加熱し、雰囲気環境下で使用
できる第1の予備加熱装置を備えたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の光学素子の製造装置は、前
記光学素子の製造装置投入部に、前記金型の側面を非接
触で加熱することが出来る第2の予備加熱装置を備えた
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明の光学素子の製造装置は、前
記昇温工程で前記金型内に与えられる熱量に応じた出力
の前記複数の発熱体が嵌合された複数の前記ヒータブロ
ックを備えたことを特徴とする。
【0016】また、本発明の光学素子の製造装置は、金
型の酸化度合によって、前記昇温工程の前記温度調整器
の電流出力値を可変し、実質ワット数を理想の昇温状態
に調整可能な手段を備えたことを特徴とする。
【0017】また、本発明の光学素子の製造装置は、複
数の昇温工程のヒータブロックに、発熱体の数を増やし
て嵌合したヒータブロックを備えたことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1にかかる光学素子
の製造装置の全体構成を示す概略図であり、図2は金型
と、金型内に封入された光学素子を示した断面図であ
る。そして、図1における符号1は光学素子の製造装
置、3aは鉛直方向に稼動可能な上ヒータブロック、3
bは下ヒータブロックの一対のヒータブロック、4は発
熱体、10は温度調整器、5の第1の予備加熱用ヒータ
ブロックと6の第1の予備加熱用発熱体は第1の予備加
熱装置を構成する部材であって、図示しない熱電対が第
1の予備加熱用ヒータブロック内に固定されており、そ
の温度が図示しない第1の予備加熱用温度調整器の設定
温度と同じになるよう制御されており、すなわち、前記
金型の光学素子の製造装置の金型投入部に第1の予備加
熱装置を取り付け、金型を雰囲気中でも酸化しない程度
の温度まで昇温可能にした。
【0018】なお、光学素子の製造装置内は、不活性ガ
ス、例えば窒素などを本製造装置内に流入し、高温環境
下において各要素部材の酸化を抑える効果を有する。7
は自動供給取出しシステム、図2における符号12は金
型内に封入された光学素子素材であって、13は上型、
14は下型、15は第一の胴型、16は第二の胴型で金
型を構成している。また、上ヒータブロック3aは、製
造装置上面とエア駆動シリンダと接続しているので鉛直
方向に摺動すると共に、各々のシリンダは、任意の圧力
に設定可能である。
【0019】次に、本実施の形態にかかる光学素子の製
造装置の動作を説明する。まず、自動供給取出しシステ
ム7は、図示しない光学素子素材パレットから光学素子
素材11を金型2内に1個ずつ投入し、且つ本製造装置
で光学素子12に成形終了後、金型2内から成形完了の
光学素子12を取出し、図示しない光学素子パレットに
収めるという一連の動作を行う機構を有している。
【0020】この自動供給取出しシステム7で光学素子
素材11を投入した金型2を、光学素子の製造装置1の
投入部に図示しないコンベアで搬送する。同装置1の投
入部の下部ステージは、予備加熱用発熱体6が嵌合し、
加熱可能な予備加熱用ヒータブロック5で構成され、昇
温工程への投入前に、任意の温度まで昇温する。設定時
間到達後、光学素子素材11を封入した金型2は、予備
加熱用ヒータブロック5から、光学素子の製造装置1の
第1のシャッター17が開き、昇温工程中第1の昇温工
程へ図示しない押し出し冶具で移載する。移載完了後、
前記押し出し冶具は元の位置に戻り、第1のシャッター
17は閉じる。
【0021】間もなく昇温工程の上ヒータブロック3a
が鉛直下方向に下降し、金型2の上型13に接触する位
置で停止する。この際、上ヒータブロック3aは、昇温
工程、プレス工程、冷却工程とも圧力設定は異なって
も、シーケンスプログラムによって各々摺動下降する。
設定時間到達後、上ヒータブロック3aは鉛直上方向に
退避し、図示しない金型移載冶具で第2の昇温工程に移
載される。第2の昇温工程に移載後、上ヒータブロック
は前記同様下降し、金型2の上型13に接触する位置で
停止するという動作を繰り返し行うことによって、昇温
工程では金型2内の光学素子素材11がプレス変形可能
な温度まで上昇する。
【0022】その後、設定時間内に変形完了となる温度
と圧力でプレスされる。プレス工程終了後、同金型2は
前記金型移載冶具で冷却工程に移載される。冷却時に注
意すべきことは、光学素子の軟化点近傍の冷却条件、い
わゆる冷却勾配によって収縮時に目的の形状が得られな
い場合がある。そこで、光学素子12の物性上、収縮が
少なくなる温度領域まで徐冷させていく必要がある。冷
却工程終了後、光学素子の製造装置1の取出し側につい
た第2のシャッター18が開き、金型移載冶具によって
同装置1から取り出し、自動供給取出しシステム7によ
って金型2から成形完了の光学素子12を抜き取り終了
となる。
【0023】ここで、本実施の形態における第1の予備
加熱装置について試験を実施した。第1の予備加熱装置
用温度調整器の設定温度は200℃とした。200℃設
定理由は、金型の酸化が雰囲気中でも進行しない温度で
あること、また自動供給取出しシステムが小停止した場
合、金型投入温度ばらつきは最大70℃程度であること
から、昇温工程に投入される際の温度は、第1の予備加
熱装置を200℃設定とすることにより一定に保つこと
ができることを予め確認済みである。
【0024】その後、昇温工程の複数の温度調整器を5
70℃前後に設定し、昇温時間合計3分で光学素子素材
を封入した金型温度は安定状態を保つことができ、更に
プレス工程における光学素子素材の変形終了時間は、1
5個の同じ形状の金型で自動供給取り出しシステムを連
続、あるいは小停止を交えて成形しても20秒程度と、
ほぼ一定に保つことが可能となった。また、成形試験終
了後、光学素子の外観、性能検査を実施したが、いずれ
も光学性能上問題のない高品質な光学素子を得ることが
可能である。
【0025】その他、図8に示す他形状の光学素子12
b、12cの成形についても、本実施の形態における光
学素子の製造装置を使用すれば、高品質な光学素子を得
ることが可能であることが判明した。したがって、本実
施の形態にかかる光学素子の製造装置を使用すること
で、光学性能上、高品質な光学素子を得ることが可能で
あることが分かった。 (実施の形態2)図3は実施の形態2にかかる光学素子
の製造装置において、各部材を模式的に示した概略図で
ある。なお、本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
の全体構成は、第2の予備加熱装置を除いて実施の形態
1と同様、つまり、図1で示した通りであるから、ここ
での光学素子の製造装置の説明は省略する。
【0026】本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
が備える第2の予備加熱装置は、図3で示すように、例
えば高周波誘導加熱装置などを用いて非接触で金型外周
面から加熱する装置から構成されており、8はコイル、
9はコイルを保持し、金型の外周を覆い、鉛直方向にエ
アシリンダで摺動可能な保持部材である。このコイル8
に、図示しない高周波電流発生装置から高周波電流を通
し、誘導作用によって発熱することになる。
【0027】ところで、本実施の形態にかかる光学素子
の製造装置では、外直径が8mm、中心厚みが4mmの
光学素子素材を、外直径30mm、高さ20mmの金型
内に投入して試験を実施した。そして、第2の予備加熱
装置については、高周波誘導加熱装置の設定温度を実施
の形態1同様200℃に設定した。なお、高周波誘導加
熱装置の設定温度は、高周波電流と誘導時間によって設
定温度が調整可能である。
【0028】その後、昇温工程の複数の温度調整器を5
70℃前後に設定し、昇温時間合計3分で光学素子素材
を封入した金型温度は安定状態を保つことができ、更に
プレス工程における光学素子素材の変形終了時間は、1
5個の同じ形状の金型で自動供給取り出しシステムを連
続、あるいは小停止を交えて成形しても20秒程度と、
ほぼ一定に保つことが可能となった。
【0029】また、成形試験終了後、光学素子の外観、
性能試験を実施したが、いずれも光学性能上問題のない
高品質な光学素子を得ることが可能である。その他にい
くつかの他形状の光学素子の成形を実施したが、本実施
の形態における光学素子の製造装置を使用すれば、高品
質な光学素子を得ることが可能であることが判明した。
したがって、本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
を使用すれば、外観、光学性能共、高品質な光学素子を
得ることが可能であることが分かった。 (実施の形態3)図4は実施の形態3にかかる昇温工
程、プレス工程、冷却工程の金型内における光学素子素
材のレンズ形状面中央付近温度の時系列変化を測定した
結果(温度プロファイルと呼ぶ)を示した図である。横
軸は時間、縦軸は温度である。図中の破線で示した温度
プロファイルは昇温工程31〜33、プレス工程34、
冷却工程35〜37で記載している。そして、実線で示
した温度プロファイルは、本実施の形態にかかる昇温工
程のヒータブロックの発熱量を従来に比べて高めた状態
を示した温度プロファイルであって、昇温工程38〜4
0、プレス工程41、冷却工程42〜44で記載してい
る。
【0030】次に、本実施の形態について説明する。従
来の場合、31〜36まで同一出力のヒータブロックの
発熱体を用いていたが、破線に示す送り時間60秒設定
時の温度プロファイル結果から、第1の昇温工程31、
第2の昇温工程32で使われるヒータブロックの発熱体
ワット数を高くし、プレス工程33以降の発熱体ワット
数を下げるという変更を行った方が適切な温度プロファ
イルが得られると判断した。その結果、第1の昇温工程
38から第3の昇温工程40は、各工程の送り時間を従
来比で数十%短縮しても、金型の到達温度は従来より高
い温度まで上昇することが可能となり、また外観、光学
性能共、高品質な光学素子を得ることが可能であること
が分かった。 (実施の形態4)図5は実施の形態4にかかる光学素子
の製造装置の全体構成を示す概略図である。なお、本実
施の形態にかかる光学素子の製造装置の全体構成は、従
来の光学素子の製造装置と同様、図1で示した通りであ
るから、ここでの光学素子の製造装置の説明は省略する
こととする。
【0031】本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
が備える酸化度合測定手段26は、例えば金型の電気抵
抗測定装置などから構成されており、金型の上面と下面
の中央部付近に電気伝導性の高い端子を取り付け、光学
素子の製造装置投入直前の金型の電気抵抗を測定すると
同時に抵抗値判定手段27を介して温度調整器10に接
続させている。
【0032】次に、本実施の形態にかかる光学素子の製
造装置の動作について説明する。酸化度合測定手段26
は金属などの電気抵抗を測定し、且つ抵抗値を抵抗値判
定手段27に測定した抵抗値を出力可能な機能を有して
いる。また、抵抗値測定手段27は酸化度合測定手段2
6からの抵抗値を入力し、例えばPCなどから構成され
ており、同抵抗値に比例し温度調整器10の出力、具体
的には昇温工程の設定温度を可変するという機能を有し
ている。つまり、温度調整器10は、昇温工程の各々の
ヒータブロック3の設定温度を変えることによって、昇
温工程終了時における金型の到達温度を制御するという
フィードバック機構を有している。
【0033】ところで、本実施の形態にかかる光学素子
の製造装置で成形試験を実行してみたところ、以下のよ
うな結果が得られている。
【0034】すなわち、図8に示すビデオカメラ用の光
学素子12bを成形することとし、成形試験に先立って
は、外直径が8.5mm、中心肉厚が2.4mmの光学
素子素材とし、外直径21mm、高さ20mmの金型内
に投入した状態で用意した。なお、光学素子素材は光学
無機ガラスである。そして、金型については、同じ形状
を成したものを15面用意した。今回の試験前まで成形
で使用した回数はばらばらで、未使用のものから数千回
ほど使用した金型までいくつかあった。これらの金型の
外観上の差は、未使用の金型は金属の光沢が出ているも
のの、数千回使用した金型は黒っぽく多少酸化が進ん
で、外観は光沢がないつや消し状態となっていた。
【0035】そこで、各々の金型の上型と下型の電気抵
抗を測定したところ、光学素子素材を封入した状態にお
ける未使用金型は10Ω程度であった。一方数千回使用
した金型は400Ωと異なることが判明した。これらの
金型について、同じ温度、圧力設定において、プレス工
程における光学素子の変形終了時間を調べたところ、未
使用金型の場合は数千回使用した場合に比べて2分の1
程度の時間で終了することが分かった。
【0036】そこで、自動供給取出しシステムに金型の
電気抵抗測定装置及び抵抗値判定手段としてPCを取り
付け、抵抗値に見合った温度設定が可能な出力信号を温
度調整器側への入力信号として設定温度の変更を行っ
た。例えば、未使用金型については、昇温工程の温度設
定を基本とし、元々の設定値に対して−20℃に、ま
た、数千回使用した金型については+30℃となるよう
設定した。
【0037】その結果、プレス工程における光学素子素
材の変形終了時間は、15面の金型においてほぼ同じ時
間になり、出来上がった光学素子の外観、あるいは光学
性能上、高品質な光学素子が得られることが分かった。
したがって、本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
を使用する限りは、使用回数が一致しない金型を連続投
入しても、外観、あるいは光学性能上、高品質な光学素
子が得られることが分かった。 (実施の形態5)図6は実施の形態5にかかる光学素子
の製造装置内におけるヒータブロックと複数の発熱体を
示す断面図である。なお、本実施の形態にかかる光学素
子の製造装置の全体構成は、従来の光学素子の製造装置
と同様、つまり図7で示した通りであるから、ここでの
光学素子の製造装置の説明は省略することとする。
【0038】本実施の形態にかかる光学素子の製造装置
が備える第2の上ヒータブロック28aと、第2の下ヒ
ータブロック28bと、第2の発熱体29は、同製造装
置の昇温工程に取り付けられている。
【0039】次に、本実施の形態にかかる光学素子の製
造装置について説明する。前記光学素子の製造装置にお
いて、金型が接触するヒータブロック表面の温度分布が
不均一な場合、金型に伝熱する形態が変わってしまい、
プレス工程での光学素子の変形終了時間のばらつきや、
同光学素子の性能ばらつきにつながってしまうことがあ
る。そこで、これらのばらつき原因である昇温工程中に
おける金型への熱分布を向上するため、ヒータブロック
に複数の発熱体を取り付け、金型の外直径が変わる場合
でも対応できるような機能を有している。
【0040】本実施の形態において、第2の発熱体とな
る外直径13mm、長さ80mmの中実円筒形状のカー
トリッジヒータをヒータブロックに4本嵌合し、昇温工
程全てのヒータブロックに取り付けた。その結果、ヒー
タブロック表面の温度分布は両端と中央部の温度差を抑
えることができると共に、金型の送り時間を短縮して
も、出来上がった光学素子の外観、あるいは光学性能
上、高品質な光学素子が得られることが分かった。
【0041】なお、本実施の形態で用いた発熱体は中実
円筒形状をなすカートリッジヒータを例として取り上げ
たが、ワット数が同じものであれば、これと同形状であ
る必要性はなく、例えばフレキシブルに屈曲可能な発熱
体などでも、第2のヒータブロックの温度分布が均一化
されれば使用可能であることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる光
学素子の製造装置によれば、金型の投入温度や同金型の
体積、あるいは熱抵抗が変わっても、金型内の光学素子
素材の表面温度ばらつきを抑制し、同じ品質の光学素子
が大量に生産可能で、光学素子素材の体積に依存しない
成形ができるため、光学素子の品質が安定し、更に生産
性向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す概要図
【図2】金型構成と光学素子素材を示す金型断面図
【図3】本発明の実施の形態2を示す概要図
【図4】本発明の実施の形態3を示す金型の温度変化図
【図5】本発明の実施の形態4を示す概要図
【図6】本発明の実施の形態5を示すヒータブロックと
金型の断面図
【図7】従来例を示す光学素子製造装置の概要図
【図8】従来例を示す金型の温度変化図
【図9】光学素子の種類を示す断面図
【符号の説明】
1‥‥‥光学素子の製造装置 2‥‥‥金型 3‥‥‥一対の第1のヒータブロック 4‥‥‥第1の発熱体 5‥‥‥第1の予備加熱装置のヒータブロック 6‥‥‥第1の予備加熱装置の発熱体 7‥‥‥自動供給取り出しシステム 8‥‥‥第2の予備加熱装置の加熱部 9‥‥‥第2の予備加熱装置の加熱部取付け部材 10‥‥‥温度調整器 11‥‥‥光学素子素材 12‥‥‥光学素子 26‥‥‥酸化度合測定手段 27‥‥‥抵抗値判定手段 28a‥‥第2の上ヒータブロック 28b‥‥第2の下ヒータブロック 29‥‥‥第2の発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子素材を封入し、レンズ面を形状
    することで光学素子を成形する金型と、 前記金型の上下面に接触するよう構成され、温度測定手
    段を有する複数のヒータブロックと、 前記ヒータブロックの温度を制御可能な温度調整器と、
    前記金型の上下面から昇温する複数の昇温手段と、 前記金型が昇温後に加温しながら押圧するプレス手段
    と、 前記金型を押圧後、段階的に冷却する複数の冷却手段
    と、 前記金型を投入する投入部と取り出し部を有し、 不活性ガスを封入した光学素子の製造装置であって、 前記金型は、前記複数の昇温手段中の第1の昇温手段に
    おいて上下面から昇温されるよう、前記第1の昇温手段
    の下ヒータブロック上に載置された後、上ヒータブロッ
    クが下降し加圧することで、前記下ヒータブロック及び
    上ヒータブロックで前記金型を鉛直方向から挟持し、 所定時間経過後、前記金型を第2の昇温手段に移載し、
    順次前記金型を昇温しながら押圧可能な温度まで昇温し
    た後、 前記金型は前記プレス手段に移載され、前記光学素子素
    材を所定時間押圧することにより、光学素子に近似した
    形状まで変形させ、 前記複数の冷却手段中第1の冷却手段において、残留応
    力が発生しにくい下降温度で徐冷され、光学素子の非球
    面形状を整えながら、変形が終了する温度まで段階的に
    冷却することを特徴とした光学素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 光学素子素材と、前記光学素子素材を封
    入し、一対のレンズ面形状を成し、光学素子を所望の形
    状に成形する金型と、 前記金型の上下面に接触する複数の発熱体が嵌合された
    上下ヒータブロックと、 前記各々のヒータブロックの
    温度測定手段と、 前記温度測定手段からの温度を制御可能な前記ヒータブ
    ロック数と同数の温度調整器と、前記金型の上下面から
    昇温する前記ヒータブロックで構成した複数の昇温工程
    と、 前記金型が昇温後に加温しながら押圧する前記ヒータブ
    ロックと同じ構成のプレス工程と、 前記金型を押圧後、徐冷する前記ヒータブロックと同じ
    構成の複数の冷却工程を備え、前記金型を投入する投入
    部と取り出し部がある不活性ガスを封入した光学素子の
    製造装置であって、 前記金型は、前記複数の昇温工程中の第1の昇温工程に
    おいて、前記金型の上下面から昇温されるよう、前記第
    1の昇温工程の下ヒータブロック上に載置後、上ヒータ
    ブロックが下降加圧後、前記金型を鉛直方向から挟持
    し、任意の設定時間到達後、前記金型は第2の昇温工程
    に移載され、順次前記金型を昇温しながら押圧可能な温
    度まで達した後、前記金型は前記プレス工程に移載さ
    れ、前記光学素子素材を任意の設定時間内に押圧するこ
    とにより、光学素子に近似した形状まで変形させ、次に
    前記複数の冷却工程中第1の冷却工程において、残留応
    力が発生しにくい下降温度で徐冷され、光学素子の非球
    面形状を整えながら、変形が終了する温度まで徐冷し、
    取り出すことを特徴とした光学素子の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記光学素子の製造装置投入部の下部ス
    テージに、前記金型の下面を接触加熱し、雰囲気環境下
    で使用できる第1の予備加熱装置を備えたことを特徴と
    した請求項2に記載の光学素子の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記光学素子の製造装置投入部に、前記
    金型の側面を非接触で加熱し、雰囲気環境下で使用でき
    る第2の予備加熱装置を備えたことを特徴とした請求項
    2に記載の光学素子の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記昇温工程で前記金型内に与えられる
    熱量に応じた出力の前記複数の発熱体が嵌合された複数
    の前記ヒータブロックを備えたことを特徴とした請求項
    2に記載の光学素子の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記金型の酸化度合によって、前記昇温
    工程の前記温度調整器の電流出力値を可変し、実質ワッ
    ト数を理想の昇温状態に調整可能な手段を備えたことを
    特徴とした請求項2に記載の光学素子の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の昇温工程のヒータブロック
    に、前記複数の発熱体数を増やして嵌合したヒータブロ
    ックを備えたことを特徴とした請求項2に記載の光学素
    子の製造装置。
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