JP2010150004A - 搬送台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】被搬送物の大型化に伴うカセットの重量の増加に対して、カセットを被移載部に対して適切に搬送することが可能な搬送台車を提供する。
【解決手段】搬送台車6は、軌道5の延在方向に距離をおいて配置された一対のフレーム8と、各フレーム8に対応して配置された一対の昇降機構9と、各昇降機構9に昇降可能に支持された架台10と、架台10に支持され、複数のアームの伸縮により被移載部との間でカセット13の移載を行うカセット移載機11とを含む。昇降機構9は、フレーム8に沿って延びる案内部91と、案内部91に沿って移動可能に構成され、案内部91の延在方向に間隔をおいて配置された一対の移動部90とを含む。各移動部90は、案内部91に沿って移動可能に支持された可動ブロック92と、可動ブロック92に支持され、可動ブロック側とは逆側に突出する軸部材93と、軸部材93に対して回転可能に取り付けられた回転部材95とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、被搬送物を収容するカセットの搬送を行う搬送台車に関する。
従来より、半導体製造工場や液晶表示パネル製造工場等において、複数の被搬送物を収容するカセットを保管庫や製造装置等に搬入したり、或いはそのカセットを保管庫や製造装置等から搬出したりする搬送台車(「スタッカークレーン」とも称される)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
例えば、液晶表示パネル製造工場では、製造過程にある液晶ガラス基板は、カセットに収容された状態で、保管庫や製造装置に対して搬送される。このようなカセットに収容される液晶ガラス基板のサイズは、近年のテレビの大型化や生産性の向上を背景に大型化が著しい。そのため、かかる液晶ガラス基板を収容するカセットの重量は益々増加する傾向にある。こうした背景の下、搬送台車に対しては、重量増加傾向にあるカセットを被移載部に対して、適切に搬送するための対応が迫られている。
特開2008−100774号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、被搬送物の大型化に伴うカセットの重量の増加に対して、カセットを被移載部に対して適切に搬送することが可能な搬送台車を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、軌道に沿って走行し、被搬送物を収容するカセットを搬送する搬送台車は、前記軌道の延在方向に距離をおいて配置された柱状の一対のフレームと、前記一対のフレームの各々に対応して設けられた一対の昇降機構と、前記一対の昇降機構に昇降可能に支持された架台と、前記架台に支持されると共に水平方向に伸縮可能に構成された複数のアームを有し、且つ前記複数のアームの伸縮により被移載部との間で前記カセットの移載を行うカセット移載機と、を備え、前記昇降機構は、前記フレームに沿って延びる案内部と、前記案内部に沿って移動可能に構成され、前記案内部の延在方向に間隔をおいて配置された一対の移動部と、を有し、前記移動部は、前記案内部に沿って移動可能に取り付けられた可動ブロックと、前記可動ブロックに取り付けられ、前記可動ブロック側とは逆側に突出する軸部材と、前記軸部材に対して回転可能に取り付けられた回転部材と、を有し、前記一対の移動部において、前記回転部材の各々は、連結部材を介して前記架台に取り付けられている。
上記の搬送台車によれば、カセットを被移載部へ移載するために、一対の移動部を案内部に沿って移動(昇降)させ、その後、複数のアームを伸張させた場合、複数のアームは、その伸張方向に湾曲し又は撓む。これにより、一対のフレームも複数のアームの伸張方向に湾曲し又は撓み、これに伴って一対の案内部も複数のアームの伸張方向に湾曲し又は撓む。
このとき、一対の移動部の各々において、連結部材を介して架台に取り付けられた一対の回転部材は、案内部の湾曲度合い又は撓み度合いに合わせて、軸部材を基点に回転又は旋回する。このため、可動ブロックには、案内部に対して回転させるような力、即ち曲げモーメントが発生し難くなる。よって、例えば可動ブロックに設けられる転動部材(ボールやローラなど)に対して、局部的な負荷(偏荷重)がかかるのを低減することができる。これにより、かかる転動部材の損傷を低減でき、その結果、一対の昇降機構の寿命が低下することを低減できる。
上記の搬送台車の一つの態様では、前記軸部材と前記回転部材との間には、環状又は筒状の形状を有するすべり軸受け部材が配置されている。この態様によれば、回転部材が軸部材を基点に回転する際に、軸部材と回転部材との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材に対して回転部材を円滑に回転させることができる。
上記の搬送台車の他の態様では、前記回転部材と前記可動ブロックとの間には環状の形状を有するすべり部材が配置されている。この態様によれば、回転部材が軸部材を基点に回転する際に、可動ブロックと回転部材との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材に対して回転部材を円滑に回転させることができる。
上記の搬送台車の他の態様では、前記回転部材の前記可動ブロック側とは逆側には、前記可動ブロックに取り付けられ、且つ前記可動ブロックからの前記回転部材の離脱を防止する蓋部材が配置されている。この態様によれば、回転部材が軸部材を基点に回転する場合などにおいて、回転部材が可動ブロックから離脱することを防止できる。
上記の搬送台車の他の態様では、前記回転部材と前記蓋部材との間には、環状の形状を有するすべり部材が配置されている。この態様によれば、回転部材が軸部材を基点に回転する際に、蓋部材と回転部材との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材に対して回転部材を円滑に回転させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
[搬送システムの構成]
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る搬送台車を備える搬送システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の搬送台車6を備える搬送システム100の平面構成を模式的に示す。なお、搬送システム100において、搬送台車6は通常1つ設けられるが、図1では、搬送台車6の動作例を理解し易くするため、搬送台車6を複数図示することにしている。図2は、搬送台車6の外観構成を示す斜視図である。図3は、搬送台車6の一側面図を示す。
搬送システム100は、半導体製造工場や液晶表示パネル製造工場等に設置され、搬送台車6を通じて、少なくとも1つの被搬送物12を収容するカセット(収容体)13を被移載部に搬入し、或いはその逆に、カセット13を被移載部から搬出するシステムである。具体的に、搬送システム100は、保管庫1と、製造装置3と、入出庫ポート4と、一対の軌道5と、搬送台車6と、を備える。ここで、保管庫1、製造装置3及び入手庫ポート4等は、上記の被移載部として機能する。
保管庫1は、カセット13を一時的に保管又は収容するための棚2を備える。棚2は、保管庫1の高さ方向及び水平方向に複数並べられて配置されている。また、本例では、保管庫1は、軌道5の両側に夫々設けられている。
製造装置3は、カセット13に収容された被搬送物12に対し各種処理(洗浄、成膜、レジスト等の処理)を施し、或いは各種処理の施された被搬送物12を用いて半導体や液晶表示パネル等の製造を行う。なお、本例では、製造装置3は、軌道5の両側に設けられた保管庫1に対応して夫々設けられている。
入出庫ポート4は、搬送台車6と製造装置3との間でカセット13の受け渡しを行うための載置台であり、各製造装置3に対して複数設けられている。
一対の軌道5は、搬送台車6が走行するためのレールであり、相対向する保管庫1の間に位置する床の上に敷設されている。
搬送台車6は、一対の軌道5に沿って走行し、少なくとも1つの被搬送物12を収容するカセット13を保管庫1や製造装置3等に対して搬送する。具体的に、搬送台車6は、台車7と、一対のフレーム8と、一対の昇降機構9と、架台10と、カセット移載機11と、を備える。
台車7は、一対の軌道5に沿って走行可能に構成されている。例えば、台車7は、一対の軌道5上をその延在方向(矢印Y1方向)に沿って走行する複数の車輪7aと、各車輪7aの走行を制御する走行制御部(図示略)と、を備える。
一対のフレーム8は、台車7から上方に向かって起立する柱状の筐体(コラム)であり、相互に軌道5の延在方向に距離又は間隔をおいて配置されている。なお、一対のフレーム8の下端部は、台車7上に固定されている。
一対の昇降機構9は、架台10を各フレーム8の延在方向(矢印Y2方向)に沿って昇降可能に構成され、一対のフレーム8の各々に対応して設けられている。なお、昇降機構9の構成については後述する。
架台10は、一対のフレーム8及び一対の昇降機構9の間に設けられた載置台であり、連結部材(スライダー)14を介して一対の昇降機構9に昇降可能に支持されている。
カセット移載機11は、架台10上に配置されており、水平方向(一対の軌道5の延在方向と交差する矢印Y3方向)に対して伸縮可能に構成された複数のアーム11aと、複数のアーム11aのうち架台10側とは逆側に配置されたアーム11aの先端部に支持され、カセット13を載置するカセット載置部11bと、を有する。カセット移載機11は、複数のアーム11aの伸縮により保管庫1や製造装置3との間でカセット13の移載を行う。
以上の構成を有する搬送システム100では、搬送台車6は、図示しない製造プロセスに従って、一対の軌道5上を走行し、保管庫1や製造装置3等との間でカセット13の受け渡しを行う。
(昇降機構の構成)
次に、図3、図4及び図5を参照して、搬送台車6の構成要素である一対の昇降機構9の構成について詳述する。
図4(a)は、図3の破線領域A1に対応する、昇降機構9の構成を示す要部斜視図である。図4(b)は、図4(a)に対応する、昇降機構9の構成を示す要部分解斜視図である。図5は、昇降機構9の中心を通る中心軸L1に沿った断面図を示す。
一対の昇降機構9の各々は、案内部91と、案内部91の延在方向に距離又は間隔をおいて配置された一対の移動部90と、を備える。
案内部91は、一対のフレーム8の各々に沿って延びるレールである。
一対の移動部90は、一定の距離又は間隔を保持した状態で案内部91に沿って移動可能に構成されている。一対の移動部90の各々は、可動ブロック92と、軸部材93と、すべり部材94と、回転部材95と、すべり軸受け部材96と、すべり部材97と、蓋部材98と、を有する。
可動ブロック92は、案内部91に沿って移動可能に取り付けられており、図示しない駆動部(例えばサーボモータなど)により案内部91を移動可能に構成される。例えば、可動ブロック92には、図示を省略するが、案内部91の溝に沿って転がる転動部材(ボールやローラなど)が設けられており、かかる転動部材の回転により可動ブロック92が案内部91に沿って移動することが可能となっている。このような装置としては、例えば、リニアガイド、ボールスプライン、リニアボールベアリング、ボールねじ等といった周知の直動装置が挙げられる。
軸部材93は、板状の形状を有する本体93aと、円筒状の外周面を有すると共にコの字状の断面形状を有する突出部(軸部)93bと、を有する。軸部材93は、例えば可動ブロック92に対して、図示しないねじ等を用いて取り付けられる。軸部93bは、本体93aと一体に形成され、本体93aの中央部から可動ブロック92側とは逆側に突出している。また、軸部93bの内部には、ねじ30と係合するねじ溝93baが設けられている。なお、本発明では、軸部93bは、円筒状の形状に限らず、環状又は筒状の形状であってもよい。
すべり部材94は、環状の形状を有し、すべり軸受け部材96を介して軸部材93の軸部93bに嵌め込まれている。そして、すべり部材94は、可動ブロック92と回転部材95との間に配置されている。すべり部材94は、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点として回転する際に、可動ブロック92と回転部材95との間における摩擦を低減する役割を有する。このため、すべり部材94は、磨耗し難く、且つ摩擦係数の小さい素材にて形成されていることが好ましい。
回転部材95は、板状の形状を有する本体95aと、環状の形状を有する環状部95bと、を有する。本体95aは、すべり軸受け部材96の外径より大きな内径を有する開口と、ねじ溝95aaと、を有する。本例では、ねじ溝95aaは、本体95aの四隅の各々に対応する位置に設けられている。例えば複数のねじ30が、架台10に取り付けられた連結部材14(図3を参照)を介してねじ溝95aaに係合することにより、回転部材95が連結部材14に連結され又は取り付けられる。環状部95bは、本体95aと一体に形成され、すべり軸受け部材96の外径より大きな内径を有する。
すべり軸受け部材96は、円筒状(或いは筒状又は環状)の形状を有し、回転部材95の内周面と、軸部材93の軸部93bの外周面との間に配置されている。すべり軸受け部材96は、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点に回転する際に、回転部材95と軸部材93の軸部93bとの間における摩擦を低減する役割を有する。このため、すべり軸受け部材96は、磨耗し難く、且つ摩擦係数の小さい素材にて形成されていることが好ましい。
すべり部材97は、環状の形状を有し、すべり軸受け部材96を介して軸部材93の軸部93bに嵌め込まれている。そして、すべり部材97は、蓋部材98と回転部材95との間に配置されている。すべり部材97は、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点に回転する際に、蓋部材98と回転部材95との間における摩擦を低減する役割を有する。このため、すべり部材97は、すべり軸受け部材96と同様の素材にて形成されていることが好ましい。
蓋部材98は、板状又は円板状の形状を有すると共に、複数のねじ30と係合する複数のねじ溝98aを有する。蓋部材98は、回転部材95の可動ブロック92側とは逆側に配置されている。そして、蓋部材98は、すべり部材97、すべり軸受け部材96、回転部材95、すべり部材94を介して、さらに複数のねじ30により軸部材93のねじ溝93baと係合された状態で、軸部材93に取り付けられている。このため、蓋部材98は、軸部材93及び可動ブロック92に固定されている。これにより、蓋部材98は、軸部材93及び可動ブロック92から、すべり部材97、すべり軸受け部材96、回転部材95、すべり部材94が離脱するのを防止する役割を果たす。
こうした構成を有する一対の移動部90では、図4(a)及び図5の矢印Y4方向に示すように、回転部材95が、すべり軸受け部材96、すべり部材97、94を介して、軸部材93の軸部93bを基点に、且つ各移動部90の中心軸L1を中心に回転可能に構成されている。
次に、比較例に係る搬送台車と比較した、本実施形態に係る搬送台車6の有利な点について説明する。
まず、図6を参照して、比較例に係る搬送台車6xの構成について説明する。
図6(a)は、図3の矢印Y5方向から見た搬送台車6xの要部側面図であり、特に昇降機構9xの構成を示す。図6(b)は、図6(a)に対応する昇降機構9xの構成図であり、特にカセット13を被移載部へ移載する際の昇降機構9xの動作例を示す。なお、図6(a)及び(b)において、一点鎖線にて示す直線L2は、フレーム8及び案内部91の幅方向の中心を通る中心線を示している。
比較例に係る搬送台車6xは、本実施形態に係る搬送台車6と比較すると、一対の昇降機構における一対の移動部の構成が異なり、それ以外は同様である。よって、以下では、本実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
比較例に係る搬送台車6xでは、一対の昇降機構9xの各々は、案内部91と、案内部91の延在方向に一定の距離を置いて配置された一対の可動ブロック92と、を備えて構成される。一対の昇降機構9xの各々において、各可動ブロック92は、相互に一定の距離を保持した状態で架台10に取り付けられた連結部材14に固定されている。ここで、各可動ブロック92は、連結部材14に対して回転不能に取り付けられている。
以上の構成を有する比較例に係る搬送台車6xでは、カセット13を図示しない被移載部へ移載するために、一対の昇降機構9を次のように動作させる。
まず、図6(a)の矢印Y21方向に示すように各アーム11aを縮めた状態で一対の可動ブロック92等を案内部91に沿って上昇させる。次に、図6(b)の矢印Y31方向に示すように、カセット13を被移載部へ移載するために複数のアーム11aを伸張させる。これにより、カセット移載機11には、架台10と各フレーム8との接続部分を基点にして、時計回りに回転させるような力が作用する。言い換えれば、カセット移載機11には、同図の斜め矢印Y22方向に示すように、工場の床面に対して斜め方向に向かう力が作用する。これは、複数のアーム11aの先端側に対して、複数のアーム11aの自重及びカセット13の重さに夫々相当する分の荷重がかかっている為である。これにより、同図の一点鎖線の位置にある一対のフレーム8は、同図の実線の位置に示すように、複数のアーム11aの伸張方向である矢印Y31方向に湾曲し又は撓む。また、各案内部91は、各フレーム8と一体となるように固定されているので、各案内部91も各フレーム8の湾曲形状に合わせて湾曲し又は撓む。
ここで、カセット13に収容される被搬送物の一例としての液晶ガラス基板などのサイズは、近年のテレビ等の大型化や生産性の向上を背景に大型化が著しい。そのため、被搬送物と、それを収容するカセットの総重量も大きくなる傾向にある。また、搬送台車6xの走行中に、一対のフレーム8の幅(アーム11aの伸縮方向に対応する長さ)が大きいとその周囲の空気を掻き乱して粉塵等を飛散させ、これによって工場内のクリーン度を低下させてしまう。このため、一対のフレーム8の幅は、できる限り小さくなるように設計される。このため、一対の案内部91の強度は低くなる傾向にある。
こういった様々な事情を背景に、一対の案内部91は、カセット13を被移載部へ移載する場合に、より撓み易くなる。
そして、このとき、一対の可動ブロック92には、複数のアーム11aからの荷重Ptrと、それに対向する案内部92からの反力Ptaとが作用する。つまり、一対の可動ブロック92に対しては、それを回転させようとする曲げモーメントMが作用する。これによって、一対の可動ブロック92も、一対の案内部91及び一対のフレーム8の湾曲形状に沿うように曲がる。このため、比較例では、一対の可動ブロック92の転動部材に対して局部的な負荷(偏荷重)がかかり、一対の昇降機構9xの寿命が著しく低下してしまうといった課題がある。
この点、本実施形態に係る搬送台車6では、一対の昇降機構9の各々は、フレーム8に沿って延びる案内部91と、案内部91に沿って移動可能(昇降可能)に構成され、案内部91の延在方向に間隔をおいて配置された一対の移動部90と、を有し、一対の移動部90の各々は、案内部91に沿って移動可能(昇降可能)に取り付けられた可動ブロック92と、可動ブロック92に取り付けられ、可動ブロック92側とは逆側に突出する軸部93bを有する軸部材93と、軸部93bを基点に回転可能に取り付けられた回転部材95と、を有し、一対の移動部95において、各回転部材95は、連結部材14を介して架台10に取り付けられている。
このような構成により、本実施形態に係る搬送台車6では、カセット13を被移載部へ移載する際に、一対の昇降機構9を次のように動作させることができ、比較例に係る搬送台車6xと比較して、次のような有利な作用効果が得られる。
この点について、以下、図7及び図8を参照して説明する。図7(a)は、図3の矢印Y5方向から見た搬送台車6の要部側面図であり、特に昇降機構9の構成を示す。図7(b)は、図7(a)に対応する昇降機構9の構成図であり、特にカセット13を被移載部へ移載する際の昇降機構9の動作例を示す。なお、図7(a)及び(b)において、一点鎖線にて示す直線L2は、フレーム8及び案内部91の幅方向の中心を通る中心線を示している。図8は、図7(b)の昇降機構9を拡大した概略構成図を示す。なお、図8では、説明に必要な最小限の要素のみ図示している。
本実施形態では、まず、図7(a)の矢印Y21方向に示すように、各アーム11aを縮めた状態で一対の可動ブロック92等を案内部91に沿って上昇させる。このとき、各フレーム8に対する各アーム11aの配置位置は、カセット移載機11の重心(図示略)が各フレーム8の中心線L2に沿って移動可能な位置とされる。
次に、図7(b)の矢印Y31方向に示すように、カセット13を被移載部へ移載するために複数のアーム11aを伸張させる。これにより、カセット移載機11には、同図の斜め矢印Y22方向に示すように、工場の床面に対して斜め方向に向かう力が作用する。
また、これにより、一対の昇降機構9の各々において、一方の可動ブロック92及び他方の可動ブロック92には、図7(b)のハッチング矢印に示すように、中心線L2と略直交する方向であって、且つ相反する方向に力(以下、「横荷重」と称す)が作用する。このため、一対のフレーム8は、その横荷重を受けて複数のアーム11aの伸張方向である矢印Y31方向に湾曲し又は撓み、これに伴って一対の案内部91も矢印Y31方向に湾曲し又は撓む。
そのため、直線L3と直線L4との間における、一対の案内部91の長さd2は、図7及び図8に示すように、一対の可動ブロック92の間の長さd1より大きくなる。ここで、長さd1は、一方の可動ブロック92の中心Oと、他方の可動ブロック92の中心O’とを結ぶ長さである。
このとき、一対の移動部90の各々における一対の回転部材95は、それぞれ、図8の矢印Y10、矢印Y11に示すように、案内部91の湾曲度合い又は撓み度合いに合わせて、電車のボギー機構のように軸部材93の軸部93bを基点に回転又は旋回する。これにより、一方の回転部材95は直線L3に対して角度αだけ傾くと共に、他方の回転部材95は直線L4に対して角度βだけ傾く。ここで、直線L3は、一方の可動ブロック92の中心Oを通り、案内部91に直交する直線であり、直線L4は、他方の可動ブロック92の中心O’を通り、直線L3に平行な直線である。
こうした一対の回転部材95の回転動作により、各可動ブロック92には、案内部91に対して回転させるような力、即ち曲げモーメントが発生し難くなる。よって、各可動ブロック92の転動部材に対して、局部的な負荷(偏荷重)がかかるのを抑制することができる。これにより、転動部材の損傷を抑制でき、その結果、一対の昇降機構9の寿命が低下することを低減できる。
また、本実施形態に係る搬送台車6では、回転部材95の内周部と、軸部材93の軸部93b、すべり部材94、97の各外周面との間には、環状又は筒状の形状を有するすべり軸受け部材96が配置されている。これによれば、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点に回転する際に、軸部材93の軸部93bと回転部材95との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材93の軸部93bに対して回転部材95を円滑に回転させることができる。
また、本実施形態に係る搬送台車6では、回転部材95と可動ブロック92との間には環状の形状を有するすべり部材94が配置されている。これによれば、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点に回転する際に、可動ブロック92と回転部材95との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材93の軸部93bに対して回転部材95を円滑に回転させることができる。
また、本実施形態に係る搬送台車6では、回転部材95と蓋部材98との間には環状の形状を有するすべり部材97が配置されている。これによれば、回転部材95が軸部材93の軸部93bを基点に回転する際に、蓋部材98と回転部材95との間における摩擦を低減することができる。その結果、軸部材93の軸部93bに対して回転部材95を円滑に回転させることができる。
本発明の実施形態に係る搬送台車を含む搬送システムの構成例を示す平面図。 本実施形態に係る搬送台車の構成を示す斜視図。 本実施形態に係る搬送台車の構成を示す側面図。 搬送台車を構成する昇降機構の構成を示す要部斜視図及び要部分解斜視図。 昇降機構の中心を通る中心軸に沿った要部断面図。 比較例に係る昇降機構の動作例を示す各側面図。 本実施形態に係る昇降機構の動作例を示す各側面図。 図7(b)の昇降機構を拡大した概略構成図。
符号の説明
1 保管庫、 2 棚、 3 製造装置、 4 入出庫ポート、 5 軌道、 6 搬送台車、 7 台車、 8 フレーム、 9 昇降機構、 10 架台、 11 カセット移載機、 12 被搬送物、 13 カセット、 14 連結部材、 91 案内部、 92 可動ブロック、 93 軸部材、 93b 軸部、 94、97 すべり部材、 95 回転部材、 96 すべり軸受け部材、 98 蓋部材、 100 搬送システム

Claims (5)

  1. 軌道に沿って走行し、被搬送物を収容するカセットを搬送する搬送台車を備え、
    前記搬送台車は、前記軌道の延在方向に距離をおいて配置された柱状の一対のフレームと、前記一対のフレームの各々に対応して設けられた一対の昇降機構と、前記一対の昇降機構に昇降可能に支持された架台と、前記架台に支持されると共に水平方向に伸縮可能に構成された複数のアームを有し、且つ前記複数のアームの伸縮により被移載部との間で前記カセットの移載を行うカセット移載機と、を備え、
    前記昇降機構は、前記フレームに沿って延びる案内部と、前記案内部に沿って移動可能に構成され、前記案内部の延在方向に間隔をおいて配置された一対の移動部と、を有し、
    前記移動部は、前記案内部に沿って移動可能に取り付けられた可動ブロックと、前記可動ブロックに取り付けられ、前記可動ブロック側とは逆側に突出する軸部材と、前記軸部材に対して回転可能に取り付けられた回転部材と、を有し、
    前記一対の移動部において、前記回転部材の各々は、連結部材を介して前記架台に取り付けられていることを特徴とする搬送台車。
  2. 前記軸部材と前記回転部材との間には、環状又は筒状の形状を有するすべり軸受け部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送台車。
  3. 前記回転部材と前記可動ブロックとの間には、環状の形状を有するすべり部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送台車。
  4. 前記回転部材の前記可動ブロック側とは逆側には、前記可動ブロックに取り付けられ、且つ前記可動ブロックからの前記回転部材の離脱を防止する蓋部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の搬送台車。
  5. 前記回転部材と前記蓋部材との間には、環状の形状を有するすべり部材が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の搬送台車。
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