JP2010148385A - 非テンパリング型ハードバター組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】非テンパリング型でありながら、従来のトランス型ハードバターに比べてブルーム耐性を有し、その上、カカオ脂やテンパリング型ハードバターと同等の口溶け性、コーティング適性及び耐熱性を有するハードバター及びそれを用いてなるカカオバターを多く配合した風味豊かなチョコレート類を提供すること。
【解決手段】非テンパリング型ハードバター組成物全体中、構成脂肪酸としてラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下であり、またSSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量が70〜100重量%且つSSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)が1以上であり、さらに該ハードバター組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量が55〜65重量%且つSt/Pが0.9〜4.0であり、加えてSSU型トリグリセリドの70重量%以上が、同一の飽和脂肪酸を2個有する非テンパリング型ハードバター組成物(S:炭素数14〜22の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸、P:パルミチン酸)を用いてチョコレートを作製すること。
【選択図】なし
【解決手段】非テンパリング型ハードバター組成物全体中、構成脂肪酸としてラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下であり、またSSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量が70〜100重量%且つSSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)が1以上であり、さらに該ハードバター組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量が55〜65重量%且つSt/Pが0.9〜4.0であり、加えてSSU型トリグリセリドの70重量%以上が、同一の飽和脂肪酸を2個有する非テンパリング型ハードバター組成物(S:炭素数14〜22の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸、P:パルミチン酸)を用いてチョコレートを作製すること。
【選択図】なし
Description
本発明は、非テンパリングハードバター組成物及び該ハードバター組成物を使用してなるチョコレート類に関する。
チョコレート類に使用される油脂、所謂ハードバターは、チョコレートを製造する際のテンパリングの要否により、テンパリング型ハードバターと非テンパリング型ハードバターの二種に大別される。
テンパリング型ハードバターは、カカオ脂と類似したSUS型トリグリセリドが主な構成成分であり、シャープな口溶け性があり、カカオバターの配合量に制限がないため、風味の良好なチョコレート類が作製できる反面、テンパリング処理を施す必要があり、そのため、使用用途が限定される。
従来までの非テンパリング型ハードバターは、ラウリン酸型ハードバターとトランス酸型ハードバターに大別される。ラウリン酸型トリグリセリドは、ヤシ油やパーム核油に多く含まれるラウリン酸を主な構成脂肪酸としており、シャープな口溶け性と耐熱性に優れている反面、カカオバターとの相溶性が非常に悪く、カカオバターの配合量が制限されるため、これを使用したチョコレート類は風味に劣る。また、これを使用したチョコレート類に水分が含まれる場合、または水分を含む菓子生地等と合わせて使用すると、保存環境の不具合により石鹸臭が発生することがある。トランス酸型ハードバターは、液体油を異性化硬化することにより生成するトランス型不飽和脂肪酸を主な構成成分としており、チョコレート類の全油分中カカオバターを10〜15%程度は置換できるが、口溶け性に劣る。
近年では、トランス酸の人体への影響が考慮され、トランス酸の低減が検討されており、これに替わる非ラウリン酸且つ低トランス酸の非テンパリング型ハードバターが要望されている。これらの課題を解決しようと、非ラウリン酸且つ低トランス酸型の非テンパリング型ハードバターに関する種々の検討がなされている。
例えば、SUS(1,3−飽和脂肪酸−2−不飽和脂肪酸)型トリグリセリドを50重量%以上含有し、SSO(1,2−飽和脂肪酸−3−オレイン酸)型トリグリセリド含有量が8〜40重量%であり、全脂肪酸組成中St(ステアリン酸)/P(パルミチン酸)が1未満である脂肪組成物(特許文献1)が開示されているが、ステアリン酸に比べ融点の低いパルミチン酸を多く含むため、従来の非テンパリング型ハードバターのようなコーティング適性や耐熱性は得られない。
また、SOS(1,3−飽和脂肪酸−2−オレイン酸)型トリグリセリドを30〜60重量%とSSO(1,2−飽和脂肪酸−3−オレイン酸)型トリグリセリドを20〜50重量%含有し、全脂肪酸組成中St(ステアリン酸)/P(パルミチン酸)重量比が1以上である非テンパリング型ハードバター(特許文献2)が開示されている。しかし、実施例で具体的に示されているハードバターは、SSO/SOS重量比が0.5〜0.9であり、そのためカカオバターの置換率は従来のトランス酸型ハードバターと同様の10%程度が限界であり、これを使用したチョコレートは風味が乏しい。
SUS(1,3−飽和脂肪酸−2−不飽和脂肪酸)型トリグリセリドを50重量%以上含む油脂をトランス酸含有量が4〜15重量%になるよう硬化した油脂とSSU(1,2−飽和脂肪酸−3−不飽和脂肪酸)型トリグリセリドを35重量%以上含む油脂を所定の範囲で混合してなるハードバター(特許文献3)が開示されているが、従来のトランス型ハードバターに比べてトランス酸含有量が低いものの、人体への影響を考慮すると充分に低減されているとは言えない。
また、上記いずれの場合においても、SUS(1,3−飽和脂肪酸−2−不飽和脂肪酸)型トリグリセリドが多いため、非テンパリングでの使用においてはカカオバターの置換率が低く、チョコレートの風味が充分であるとは言えない。
SSU/SUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)の比が1より大きく、最小1重量%のC18−トランス酸、若しくは最小1重量%のSSS型トリグリセリド、若しくは最小1重量%のソルビタントリステアレートを含有する脂肪組成物(特許文献4)が開示されているが、実施例で具体的に示されているカカオバター置換率は5.2〜12%であり、カカオバターを15%以上置換できるようなSSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)が具体的に開示されていないし、その旨の記載も示唆もない。
特開平5−211837号公報
特開平9−316484号公報
国際公開第05/094598号パンフレット
特表2008−516018号公報
非テンパリング型でありながら、従来のトランス型ハードバターに比べてブルーム耐性を有し、その上、カカオ脂やテンパリング型ハードバターと同等の口溶け性、コーティング適性及び耐熱性を有するハードバター及びそれを用いてなるカカオバターを多く配合した風味豊かなチョコレート類を提供すること。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、非テンパリング型ハードバター組成物において、構成脂肪酸として実質的にラウリン酸やトランス酸を含まなくても、SSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量、SSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)、該油脂組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量を特定の範囲にすれば、該ハードバターは、非テンパリング型でありながら、従来のトランス型ハードバターに比べてブルーム耐性を有し、その上、カカオ脂やテンパリング型ハードバターと同等の口溶け性、コーティング適性及び耐熱性を有し、それを用いてなるチョコレート類はカカオバターを多く配合でき、そのため風味豊かなことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、非テンパリング型ハードバター組成物全体中、構成脂肪酸としてラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下であり、またSSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量が70〜100重量%且つSSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)が1以上であり、さらに該ハードバター組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量が55〜65重量%且つSt/Pが0.9〜4.0であり、加えてSSU型トリグリセリドの70重量%以上が、同一の飽和脂肪酸を2個有する非テンパリング型ハードバター組成物(ここで、S:炭素数14〜22の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸、P:パルミチン酸)に関する。好ましい実施態様は、飽和脂肪酸の内、95〜100重量%がパルミチン酸又はステアリン酸である上記記載の非テンパリング型ハードバター組成物に関する。好ましい実施態様は、上記記載のハードバター組成物を使用することを特徴とする上記記載のチョコレート類に関する。
本発明に従えば、非テンパリング型でありながら、従来のトランス型ハードバターに比べてブルーム耐性を有し、その上、カカオ脂やテンパリング型ハードバターと同等の口溶け性、コーティング適性及び耐熱性を有するハードバター及びそれを用いてなるカカオバターを多く配合した風味豊かなチョコレート類を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の非テンパリング型ハードバター組成物は、所謂テンパリング処理を施さずにチョコレート類に配合して使用することができる油脂のことであり、ハードバター組成物全体中、構成脂肪酸として実質的にラウリン酸及びトランス酸を含まず、SSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量、SSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)、該ハードバター組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量、同一の飽和脂肪酸を2個有するSSU型トリグリセリドの量が特定の範囲である。また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等を含有しても良い。
本発明のSSU型及びSUS型トリグリセリドとは、1,2−飽和脂肪酸−3−不飽和脂肪酸型トリグリセリド及び1,3−飽和脂肪酸−2−不飽和脂肪酸型トリグリセリド(S:炭素数14〜22の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18の不飽和脂肪酸)のことで、それらの合計含有量は非テンパリング型ハードバター組成物全体中70〜100重量%が好ましい。80〜100重量%がより好ましい。70重量%より少ないと、高融点部或いは低融点部の含有量が多くなり、前者が多いと口溶け性が劣る場合があり、後者が多いと耐熱性やコーティング適性が劣る場合がある場合がある。
前記炭素数14〜22の飽和脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が例示でき、前記炭素数16〜18の不飽和脂肪酸は、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が例示できる。
前記SSU型トリグリセリドは、天然油脂には多く含まれない場合が多い。そこで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を含有する油脂単独、若しくは2種以上の混合油、飽和脂肪酸を主成分とする油脂と不飽和脂肪酸を主成分とする油脂との混合油、飽和脂肪酸を主成分とする油脂と不飽和脂肪酸、またはそのエステルとの混合油を原料として、常法に従いランダムエステル交換反応を行ったり、選択的酵素エステル交換反応を行ったり、そのようにして得られるエステル交換油を分別することで、SSU型トリグリセリドを多く含む油脂を得、それらの油脂を用いることで本発明の非テンパリング型ハードバター組成物を容易に得ることができる。
本発明のハードバター組成物に用いる油脂としては、前記特徴を満たせばいかなる油脂を使用してもよく、亜麻仁油、桐油、サフラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、大豆油、辛子油、カポック油、米糠油、胡麻油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、パーム油、葡萄油、カカオ脂、サル脂、シア脂、コクム脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛脂、乳脂、豚脂、鶏油、卵黄油、羊油等の動物油脂から選ばれる1種または2種以上の油脂が例示でき、また、これらの油脂をエステル交換したものや、硬化、分別したもの等を用いる事が可能である。
前記トリグリセリドにおいて、SSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)は、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。1より低いと、ブルーム耐性に劣り、カカオバターを多く置換することができないため、チョコレートの風味が乏しくなる場合がある。
前記SSU型トリグリセリドの内、70重量%以上が、同一の飽和脂肪酸を2個有することが好ましい。
本発明の非テンパリング型ハードバター組成物において、脂肪酸組成全体中ステアリン酸(St)とパルミチン酸(P)の合計量は55〜65重量%であることが好ましい。55重量%より少ないと、耐熱性やコーティング適性が劣る場合があり、65重量%より多いと口溶け性が劣る場合がある。また、前記合計量は、脂肪酸を構成する飽和脂肪酸全体中では、95〜100重量%であることが好ましい。95重量%より少ないと、本発明の効果を発揮できない場合がある。さらに、それらの重量比(St/P)が0.9〜4.0であることが好ましい。1.0〜2.5がより好ましい。0.9より低いと、耐熱性やコーティング適性が劣る場合があり、4.0よりも高いと口溶け性が劣る場合がある。
本発明の非テンパリング型ハードバター組成物には、構成脂肪酸として実質的にラウリン酸やトランス酸を含まない。それらを含むとしても、非テンパリング型ハードバター組成物の構成脂肪酸全体中ラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下である。
本発明の非テンパリング型ハードバター組成物を用いて、チョコレート類を作製できるが、チョコレート類中の油脂の構成脂肪酸全体中ラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下である。また、前記チョコレート類は、カカオバターの置換率(重量換算)が15〜45%であることが好ましい。即ち、本発明の非テンパリング型ハードバター組成物を用いてチョコレート類を作製すると、口溶け性を低下させることなく全油分中のカカオバター置換率を上げることができる。カカオバターの置換率(重量換算)が45%を超えると、従来のトランス型ハードバターよりブルーム耐性が低下する場合がある。また15%より低いと、口溶けが悪い場合がある。
本発明の非テンパリング型ハードバター組成物の製造例を、特に限定するわけではないが以下に示す。
本発明のハードバター組成物は、60℃で溶解させた油脂を調合することで得られる。調合後は、溶解状態であっても、冷却して固めてもよく、急冷条件下、徐冷条件下等、いかなる冷却条件でも作製することができる。
本発明のハードバター組成物は、チョコレート類の作製等に用いられ、特に非テンパリングでも作製できることが特徴である。なお、本発明でいうチョコレート類とは、規格面より、「チョコレート類の表示に関する公正取引競争規約」におけるチョコレート規格に該当するもの、準チョコレート規格に該当するもの及びチョコレート利用食品に該当するものが例示できる。配合面より、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどが例示でき、前記記載のハードバター組成物の他に、通常チョコレートを構成する材料であるカカオマス、ココアパウダー、糖類、乳製品、シロップ、洋酒等の呈味材、乳化剤、香料、着色料、酸化防止剤等を含有することができる。用途面からはコーティングチョコレート、固形チョコレート、センターチョコレートなどが例示でき、一般的なチョコレート類の製造方法と同様に行なうことができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<口溶け性>
チョコレートを10人の熟練したパネラ−に食べてもらい、口溶けを評価して、その結果を集約した。その際の評価基準は以下の通りである。5:非常に口溶けがよい、4:やや口溶けがよい、3:普通、2:やや口溶けが悪い、1:非常に口溶けが悪い。
<口溶け性>
チョコレートを10人の熟練したパネラ−に食べてもらい、口溶けを評価して、その結果を集約した。その際の評価基準は以下の通りである。5:非常に口溶けがよい、4:やや口溶けがよい、3:普通、2:やや口溶けが悪い、1:非常に口溶けが悪い。
<耐熱性>
チョコレートを30℃の恒温槽に1時間保管した後、クリープメーター(製品名:RE2−3305、株式会社山電製)を用いて、円柱状プランジャー:直径1mm、測定速度1mm/秒、測定歪率:試料高さの80%の条件で測定し、その結果を集約した。○:3.0N以上、△:1.0N以上、3.0N未満、×:1.0N未満。
チョコレートを30℃の恒温槽に1時間保管した後、クリープメーター(製品名:RE2−3305、株式会社山電製)を用いて、円柱状プランジャー:直径1mm、測定速度1mm/秒、測定歪率:試料高さの80%の条件で測定し、その結果を集約した。○:3.0N以上、△:1.0N以上、3.0N未満、×:1.0N未満。
<コーティング適性>
チョコレートを焼菓子生地にコーティングし、10℃で冷却して、表面が乾くまでの時間を測定して、その結果を集約した。○:5分未満、△:5分以上、15分未満、×:15分以上。
チョコレートを焼菓子生地にコーティングし、10℃で冷却して、表面が乾くまでの時間を測定して、その結果を集約した。○:5分未満、△:5分以上、15分未満、×:15分以上。
<ブルーム耐性>
チョコレートを20℃で6ヶ月間保存し、表面のブルームの様子を評価した。
その際の評価基準は以下の通りである。++:ブルームが全面に発生している、+:ブルームが一部に発生している、±:ブルームがわずかに発生している、−:ブルームが発生していない。
チョコレートを20℃で6ヶ月間保存し、表面のブルームの様子を評価した。
その際の評価基準は以下の通りである。++:ブルームが全面に発生している、+:ブルームが一部に発生している、±:ブルームがわずかに発生している、−:ブルームが発生していない。
(製造例1)
パーム中融点部(IV=45)を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換し、油脂Aを得た。
パーム中融点部(IV=45)を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換し、油脂Aを得た。
(製造例2)
パーム油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換し、油脂Bを得た。
パーム油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換し、油脂Bを得た。
(製造例3)
極度硬化大豆油50部、ハイオレイックヒマワリ油50部の混合油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油はアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Cを得た。
極度硬化大豆油50部、ハイオレイックヒマワリ油50部の混合油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油はアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Cを得た。
(製造例4)
パーム中融点部(IV=45)を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油をアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Dを得た。
パーム中融点部(IV=45)を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油をアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Dを得た。
(製造例5)
極度硬化パーム油60部、ハイオレイックヒマワリ油40部の混合油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油をアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Eを得た。
極度硬化パーム油60部、ハイオレイックヒマワリ油40部の混合油を常法に従いナトリウムメチラートを用いてランダムエステル交換した。得られた反応油をアセトンによる溶剤分別を行い、高融点画分及び低融点画分を除去して中融点画分の油脂Eを得た。
(実施例1〜4、比較例1〜9) ハードバターの作製
製造例1〜5で得られた油脂A〜E、パーム中融点部(IV=45)を表1に示す比率で調合、若しくは単独で使用し、ハードバターを得た。
製造例1〜5で得られた油脂A〜E、パーム中融点部(IV=45)を表1に示す比率で調合、若しくは単独で使用し、ハードバターを得た。
(実施例5〜11、比較例10〜20) チョコレートの作製
実施例1〜4、比較例1〜9で得られたハードバターを溶解して使用し、表2に示す配合で通常実施される製造方法に従い、45℃でミキシング、ロールがけ、コンチングをして、10℃で30分間冷却固化して成型したモールドチョコレートを型から取り出し、20℃で7日間安定化させ、チョコレートを得た。得られたチョコレートの口溶けの官能評価及び耐熱性、コーティング適性、ブルーム耐性の評価結果を表3に示した。
実施例1〜4、比較例1〜9で得られたハードバターを溶解して使用し、表2に示す配合で通常実施される製造方法に従い、45℃でミキシング、ロールがけ、コンチングをして、10℃で30分間冷却固化して成型したモールドチョコレートを型から取り出し、20℃で7日間安定化させ、チョコレートを得た。得られたチョコレートの口溶けの官能評価及び耐熱性、コーティング適性、ブルーム耐性の評価結果を表3に示した。
(比較例21) チョコレートの作製(従来のトランス型ハードバター使用)
(株)カネカ製ハードバター「ハイベルH37」を用いて、実施例5〜8と同様にしてチョコレートを得た。得られたチョコレートの口溶けの官能評価及び耐熱性、コーティング適性、ブルーム耐性の評価結果を表3に示した。
(株)カネカ製ハードバター「ハイベルH37」を用いて、実施例5〜8と同様にしてチョコレートを得た。得られたチョコレートの口溶けの官能評価及び耐熱性、コーティング適性、ブルーム耐性の評価結果を表3に示した。
実施例5〜11では、ブルームが全く発生しておらず、さらにカカオバター置換率(重量換算)を15〜45%にしても、カカオ脂やテンパリング型ハードバターと同等の口溶け性、コーティング適性及び耐熱性を有している。一方、比較例10〜20では、ブルームが発生したり、或いはブルームが発生しない場合でも、口溶け、耐熱性、コーティング適性の少なくとも1つが劣っていた。
Claims (4)
- 非テンパリング型ハードバター組成物全体中、構成脂肪酸としてラウリン酸含量が0.5重量%以下且つトランス酸含量が1.0重量%以下であり、またSSU型及びSUS型トリグリセリドの合計含有量が70〜100重量%且つSSU型トリグリセリド/SUS型トリグリセリド(重量比)が1以上であり、さらに該ハードバター組成物の全脂肪酸組成におけるStとPの合計量が55〜65重量%且つSt/Pが0.9〜4.0であり、加えてSSU型トリグリセリドの70重量%以上が、同一の飽和脂肪酸を2個有する非テンパリング型ハードバター組成物(ここで、S:炭素数14〜22の飽和脂肪酸、U:炭素数16〜18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸、P:パルミチン酸)。
- 飽和脂肪酸の内、95〜100重量%がパルミチン酸又はステアリン酸である請求項1に記載の非テンパリング型ハードバター組成物。
- チョコレート類中の油脂全体中、構成脂肪酸としてラウリン酸含量が0.5重量%以下、トランス酸含量が1.0重量%以下であり、さらにカカオバター置換率(重量換算)が15〜45%であるチョコレート類。
- 請求項1又は2に記載のハードバター組成物を使用することを特徴とする請求項3に記載のチョコレート類。
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