JP2010147625A - 圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両主面15,17に励振電極16,18が形成された振動部12と、振動部12に連接し励振電極16,18から引き出された引き出し電極16a,18aが両主面15a,17aにそれぞれ形成された基部13とを有する水晶振動片10と、水晶振動片10が固着されるベース21とを備え、水晶振動片10の引き出し電極16a,18aが、平面視において水晶振動片10の外周に沿って形成され、基部13における、X軸方向と交差するZ軸方向に沿った外周辺部19の略中心で、一方の引き出し電極18aが、固着部材30を介してベース21に固着され、他方の引き出し電極16aが、ワイヤー40を介してベース21に固着されている。
【選択図】図1
Description
この圧電振動子は、圧電振動片の長辺または短辺に隣接する少なくとも2箇所で圧電振動片とベースとを固着することにより、両者の熱膨張係数が異なることに起因する圧電振動片に加わるベースとの固着部の歪量を大幅に改善することを目的としている。
これにより、上記圧電振動子は、励振電極による安定した振動が阻害され(以下、振動阻害ともいう)、安定した周波数特性が得られない虞がある。
また、上記圧電振動子は、圧電振動片の固着部が圧電振動片の片側に集中していることから、ベースへの固着時に圧電振動片の傾きが生じやすく、作業性が悪いという問題がある。
このことから、圧電振動子は、引き出し電極の励振電極までの距離が、上記の従来構成と比較して長くなる。これにより、圧電振動子は、圧電振動片の固着部に加わる歪が、引き出し電極を介して振動部の励振電極に伝達される際に、上記の従来構成と比較して、大幅に減衰して伝達される。
これにより、圧電振動子は、励振電極による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
したがって、圧電振動子は、圧電振動片の固着部に加わる歪が、引き出し電極を介して振動部の励振電極に伝達される際に、上記の従来構成と比較して、より大幅に減衰して伝達される。これにより、圧電振動子は、励振電極による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
また、圧電振動子は、固着部の剛性が向上することにより、ワイヤーボンディング時に圧電振動片が破損し難くなり、ワイヤーボンディングの作業性が向上する。
(実施形態)
図1は、本実施形態の圧電振動子の一例としての水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッド(蓋)を省略し、リッドの外形を2点鎖線で表している。また、断面図では、理解を容易にするために本来見えない方向にある引き出し電極を2点鎖線で表している。
ベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し、焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。
ベース21の底面21aには、マウント電極21b,21cが形成されている。マウント電極21bは、後述する水晶振動片10の固着部11に対向する位置に形成され、マウント電極21cは、マウント電極21b近傍の底面21aコーナー部に形成されている。
なお、マウント電極21b,21cは、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
これらにより、水晶振動子1のパッケージ20内は、気密封止されている。なお、パッケージ20の内部は、真空状態または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されている。なお、ベース21は、二層構成で図示されているが、接合部23を厚く形成することにより、平坦な一層構成としてもよい。
そして、水晶振動片10は、固着部11の他方の主面15a側(表側)が、ワイヤーボンディングにより、ワイヤー40を介してマウント電極21cに固着されている。これにより、水晶振動片10は、固着部11を介してベース21に片持ち支持されている。
これにより、水晶振動片10は、平面形状が略矩形のメサ型に形成されている。
なお、本実施形態では、水晶振動片10に振動モードが厚みすべり振動であるATカット水晶振動片を用いている。また、水晶振動片10の厚みは、数μm〜100μm程度の範囲で適宜設定される。
なお、水晶振動片10の基部13と先端部14とを結ぶ長辺は、水晶結晶軸のX軸に沿うように形成されている。また、水晶振動片10は、振動部12及び励振電極16,18の上記長辺側の辺も、同様にX軸に沿うように形成されている。
なお、振動部12と基部13とを結んだ第1の方向としてのX軸方向における励振電極16,18の中心C1は、X軸方向における水晶振動片10の中心C2より、基部13に対して離れている。
引き出し電極16a,18aは、平面視において水晶振動片10の基部13の外周に沿って形成されている。そして、引き出し電極16a,18aは、基部13における、X軸方向と交差する第2の方向としてのZ軸方向に沿った外周辺部19の略中心(Z軸方向における中心)を跨ぐように形成されている。
なお、引き出し電極16aは、水晶振動片10の一方の長辺に沿って外周辺部19に至り、引き出し電極18aは、水晶振動片10の他方の長辺に沿って外周辺部19に至るように形成されている。
なお、励振電極16,18、引き出し電極16a,18aは、クロム、ニッケル、金、銀などの各被膜がスパッタ、蒸着などの方法により積層された金属被膜からなる。
これにより、水晶振動片10は、励振電極16,18が引き出し電極16a,18a、マウント電極21b,21cを経由して外部電極21d,21eと電気的に接続されている。
水晶振動子1は、外部電極21d,21eから入力される駆動信号により、水晶振動片10が厚みすべり振動を発振する。
これにより、水晶振動子1は、水晶振動片10の固着の際の固着部11に加わる歪が、引き出し電極16a,18aを介して振動部12の励振電極16,18に伝達される際に、上記の従来構成と比較して、大幅に減衰して伝達される。
これにより、水晶振動子1は、歪に起因する振動部12の振動阻害が抑制され、励振電極16,18による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
(変形例1)
図2は、変形例1の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図2(a)は平面図、図2(b)は、図2(a)のB−B線での断面図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
なお、凹部113は、図2に示すような、水晶振動片110のZ軸方向の全幅に亘って連続した1つの溝状に形成されていてもよいし、間欠的な複数の溝状に形成されていてもよい。また、水晶振動子101は、凹部113に代えて、図示しない貫通孔が形成されていてもよい。
これにより、水晶振動子101は、歪に起因する振動部12の振動阻害が抑制され、更に安定した振動が維持されることから、より安定した周波数特性が得られる。
図3は、変形例2の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図3(a)は平面図、図3(b)は、図3(a)のC−C線での断面図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
したがって、固着部211の厚みT1は、周囲の部分の厚みT2より厚く形成されている。
これにより、水晶振動子201は、励振電極16,18による更に安定した振動が維持されることから、より安定した周波数特性が得られる。
また、上記実施形態及び各変形例では、圧電振動子として説明したが、圧電振動子に発振回路を内蔵した圧電発振器にも適用できる。
Claims (4)
- 両主面に励振電極が形成された振動部と、該振動部に連接し、各前記励振電極から引き出された引き出し電極が両主面にそれぞれ形成された基部とを有する圧電振動片と、
前記圧電振動片が固着されるベースとを備え、
前記圧電振動片の各前記引き出し電極が、平面視において前記圧電振動片の外周に沿って形成され、前記基部における、前記振動部と前記基部とを結んだ第1の方向と交差する第2の方向に沿った外周辺部の略中心で、
一方の前記引き出し電極が、固着部材を介して前記ベースに固着され、他方の前記引き出し電極が、ワイヤーを介して前記ベースに固着されていることを特徴とする圧電振動子。 - 請求項1に記載の圧電振動子において、前記第1の方向における前記励振電極の中心が、前記第1の方向における前記圧電振動片の中心より、前記基部に対して離れていることを特徴とする圧電振動子。
- 請求項1または2に記載の圧電振動子において、前記圧電振動片の前記基部における、一方の主面側が前記固着部材を介して前記ベースに固着され、他方の主面側が前記ワイヤーを介して前記ベースに固着されている固着部の前記振動部側に、前記第2の方向に沿って凹部または貫通孔が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電振動子において、前記固着部が、前記圧電振動片の厚み方向に沿って、前記基部の前記両主面またはいずれか一方の前記主面から突出し、周囲の部分より厚く形成されていることを特徴とする圧電振動子。
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