JP5796661B2 - 圧電振動子 - Google Patents
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Description
この圧電振動子は、圧電振動片の長辺または短辺に隣接する少なくとも2箇所で圧電振動片とベースとを固着することにより、両者の熱膨張係数が異なることに起因する圧電振動片に加わるベースとの固着部の歪量を大幅に改善することを目的としている。
これにより、上記圧電振動子は、励振電極による安定した振動が阻害され(以下、振動阻害ともいう)、安定した周波数特性が得られない虞がある。
また、上記圧電振動子は、圧電振動片の固着部が圧電振動片の片側に集中していることから、ベースへの固着時に圧電振動片の傾きが生じやすく、作業性が悪いという問題がある。
前記圧電振動片が取り付けられているベースと、を備え、
前記圧電振動片は、前記振動部の厚さが前記基部の厚さよりも厚く、かつ、前記振動部と前記基部との間に段差を有し、
前記第1の主面に設けられた前記引き出し電極および前記第2の主面に設けられた前記引き出し電極は、それぞれ、対応する前記励振電極から、水晶結晶軸のX軸に沿って前記段差を跨ぐように引き出された第一の部分と、前記第一の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸と交差する方向に沿って延在する第二の部分と、前記第二の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸に沿って延在する第三の部分と、前記第三の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸と交差する方向に沿って延在し、かつ、少なくとも一部が前記基部の前記水晶結晶軸のX軸と交差する直線に沿っている幅の中心に設けられた固着部を含む領域に配置されている第四の部分とを有しており、
前記固着部で、前記第1の主面に設けられている前記引き出し電極が、固着部材を介して前記ベースに取り付けられ、前記第2の主面に設けられている前記引き出し電極が、ワイヤーを介して前記ベースに接続されており、
前記基部には、前記固着部と前記振動部との間に凹部または貫通孔が設けられていない
ことを特徴とする。
これにより、圧電振動子は、励振電極による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
[適用例2]上記適用例にかかる圧電振動子は、それぞれの前記励振電極の前記水晶結晶軸のX軸に沿っている幅の中心が、前記圧電振動片の前記水晶結晶軸のX軸に沿っている幅の中心より、前記基部に対して離れていることが好ましい。
したがって、圧電振動子は、圧電振動片の固着部に加わる歪が、引き出し電極を介して振動部の励振電極に伝達される際に、上記の従来構成と比較して、より大幅に減衰して伝達される。これにより、圧電振動子は、励振電極による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
(実施形態)
図1は、本実施形態の圧電振動子の一例としての水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッド(蓋)を省略し、リッドの外形を2点鎖線で表している。また、断面図では、理解を容易にするために本来見えない方向にある引き出し電極を2点鎖線で表している。
ベース21の底面21aには、マウント電極21b,21cが形成されている。マウント電極21bは、後述する水晶振動片10の固着部11に対向する位置に形成され、マウント電極21cは、マウント電極21b近傍の底面21aコーナー部に形成されている。 なお、マウント電極21b,21cは、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
これらにより、水晶振動子1のパッケージ20内は、気密封止されている。なお、パッケージ20の内部は、真空状態または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されている。なお、ベース21は、二層構成で図示されているが、接合部23を厚く形成することにより、平坦な一層構成としてもよい。
そして、水晶振動片10は、固着部11の他方の主面15a側(表側)が、ワイヤーボンディングにより、ワイヤー40を介してマウント電極21cに固着されている。これにより、水晶振動片10は、固着部11を介してベース21に片持ち支持されている。
これにより、水晶振動片10は、平面形状が略矩形のメサ型に形成されている。 なお、本実施形態では、水晶振動片10に振動モードが厚みすべり振動であるATカット水晶振動片を用いている。また、水晶振動片10の厚みは、数μm〜100μm程度の範囲で適宜設定される。
なお、水晶振動片10の基部13と先端部14とを結ぶ長辺は、水晶結晶軸のX軸に沿うように形成されている。また、水晶振動片10は、振動部12及び励振電極16,18の上記長辺側の辺も、同様にX軸に沿うように形成されている。
なお、振動部12と基部13とを結んだ第1の方向としてのX軸方向における励振電極16,18の中心C1は、X軸方向における水晶振動片10の中心C2より、基部13に対して離れている。
引き出し電極16a,18aは、平面視において水晶振動片10の基部13の外周に沿って形成されている。そして、引き出し電極16a,18aは、基部13における、X軸方向と交差する第2の方向としてのZ軸方向に沿った外周辺部19の略中心(Z軸方向における中心)を跨ぐように形成されている。
なお、引き出し電極16aは、水晶振動片10の一方の長辺に沿って外周辺部19に至り、引き出し電極18aは、水晶振動片10の他方の長辺に沿って外周辺部19に至るように形成されている。
なお、励振電極16,18、引き出し電極16a,18aは、クロム、ニッケル、金、銀などの各被膜がスパッタ、蒸着などの方法により積層された金属被膜からなる。
これにより、水晶振動片10は、励振電極16,18が引き出し電極16a,18a、マウント電極21b,21cを経由して外部電極21d,21eと電気的に接続されている。
水晶振動子1は、外部電極21d,21eから入力される駆動信号により、水晶振動片10が厚みすべり振動を発振する。
これにより、水晶振動子1は、水晶振動片10の固着の際の固着部11に加わる歪が、引き出し電極16a,18aを介して振動部12の励振電極16,18に伝達される際に、上記の従来構成と比較して、大幅に減衰して伝達される。
これにより、水晶振動子1は、歪に起因する振動部12の振動阻害が抑制され、励振電極16,18による安定した振動が維持されることから、安定した周波数特性が得られる。
(変形例1)
図2は、変形例1の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図2(a)は平面図、図2(b)は、図2(a)のB−B線での断面図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
なお、凹部113は、図2に示すような、水晶振動片110のZ軸方向の全幅に亘って連続した1つの溝状に形成されていてもよいし、間欠的な複数の溝状に形成されていてもよい。また、水晶振動子101は、凹部113に代えて、図示しない貫通孔が形成されていてもよい。
これにより、水晶振動子101は、歪に起因する振動部12の振動阻害が抑制され、更に安定した振動が維持されることから、より安定した周波数特性が得られる。
図3は、変形例2の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図3(a)は平面図、図3(b)は、図3(a)のC−C線での断面図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
したがって、固着部211の厚みT1は、周囲の部分の厚みT2より厚く形成されている。
これにより、水晶振動子201は、励振電極16,18による更に安定した振動が維持されることから、より安定した周波数特性が得られる。
Claims (3)
- 基部と、前記基部に連接している振動部とを有し、第1の主面と、前記第1の主面の裏側にある第2の主面とを有するATカット水晶板と、前記第1の主面および前記第2の主面のそれぞれに配置されている励振電極と、前記励振電極から引き出され前記基部まで延びて配置されている引き出し電極と、を有している圧電振動片と、
前記圧電振動片が取り付けられているベースと、を備え、
前記圧電振動片は、前記振動部の厚さが前記基部の厚さよりも厚く、かつ、前記振動部と前記基部との間に段差を有し、
前記第1の主面に設けられた前記引き出し電極および前記第2の主面に設けられた前記引き出し電極は、それぞれ、対応する前記励振電極から、水晶結晶軸のX軸に沿って前記段差を跨ぐように引き出された第一の部分と、前記第一の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸と交差する方向に沿って延在する第二の部分と、前記第二の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸に沿って延在する第三の部分と、前記第三の部分の先端部から、前記水晶結晶軸のX軸と交差する方向に沿って延在し、かつ、少なくとも一部が前記基部の前記水晶結晶軸のX軸と交差する直線に沿っている幅の中心に設けられた固着部を含む領域に配置されている第四の部分とを有しており、
前記固着部で、前記第1の主面に設けられている前記引き出し電極が、固着部材を介して前記ベースに取り付けられ、前記第2の主面に設けられている前記引き出し電極が、ワイヤーを介して前記ベースに接続されており、
前記基部には、前記固着部と前記振動部との間に凹部または貫通孔が設けられていない
ことを特徴とする圧電振動子。 - 請求項1に記載の圧電振動子において、それぞれの前記励振電極の前記水晶結晶軸のX軸に沿っている幅の中心が、前記圧電振動片の前記水晶結晶軸のX軸に沿っている幅の中心より、前記基部に対して離れていることを特徴とする圧電振動子。
- 請求項1または2に記載の圧電振動子において、それぞれの前記引き出し電極は、互いに前記固着部において平面視で重なっていることを特徴とする圧電振動子。
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