JP2010139022A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂製キャップ部材の破損を防止しながら、ダイヤフラムの環状部材とともに第2取付け具に取り付け可能とする。
【解決手段】第2取付け具14にダイヤフラム34とキャップ部材38をかしめ固定するに際し、第2取付け具の下端部20Aには第1フランジ部100を介してかしめ筒部102を設け、ダイヤフラムの外周部に設けた環状部材35には、キャップ部材の第2フランジ部104を受け入れる受入凹部108を設けてそこにゴム製シール部材114を設ける。受入凹部108に第2フランジ部104を受け入れた状態で、環状部材35を外側から包むようにかしめ筒部102を内側に曲げ、曲げられた端縁部102Aと第1フランジ部100との間で環状部材35を挟持状態にかしめ固定するとともに、第2フランジ部104は端縁部102Aと環状部材35との間でシール部材114を介して挟持させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
従来、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、これら第1取付け具と第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、第2取付け具に取付けられて防振基体との間に液体封入室を形成するゴム膜からなるダイヤフラムと、第2取付け具に取り付けられてダイヤフラムとの間に空気室を形成するキャップ部材と、を備えた液封入式防振装置が知られている。
例えば、下記特許文献1には、図13に示す防振装置が開示されている。この防振装置において、第2取付け具201の下端部とキャップ部材202の開口端部との連結固定は次のように構成されている。すなわち、第2取付け具201の下端部に、フランジ部203を介して軸方向に延びるかしめ筒部204を設け、キャップ部材202の開口端部のフランジ部205を、ダイヤフラム206の外周部の環状部材207とともに、かしめ筒部204で外側から包むようにして、当該かしめ筒部204を内側に折り曲げる。これにより、折り曲げられたかしめ筒部204の端縁部と上記フランジ部203との間で、キャップ部材202のフランジ部205と環状部材207とを挟持状態にかしめ固定している。
ここで、キャップ部材202はアルミニウム等の金属からなるため、第2取付け具201のかしめ筒部204により、ダイヤフラム206の環状部材207とともに、強固にかしめ締結することができる。
特許第3909422号公報
しかしながら、軽量化等の要請により上記キャップ部材を合成樹脂で形成しようとした場合、上記従来と同様に、キャップ部材のフランジ部を第2取付け具のかしめ筒部でかしめ固定すると、キャップ部材は破損してしまう。そのため、キャップ部材ではかしめの荷重を受けないようにしつつ、キャップ部材を金属製の第2取付け具に取付け固定することが求められる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、樹脂製のキャップ部材であってもその破損を防止しながら、ダイヤフラムの環状部材とともに第2取付け具に取り付けることを可能にする新規なかしめ構造を持つ液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第1取付け具と前記第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、前記第2取付け具の軸方向一端部に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記第2取付け具の前記軸方向一端部に取り付けられて前記ダイヤフラムとの間に空気室を形成するキャップ部材と、を備えた液封入式防振装置において、前記第2取付け具は、前記軸方向一端部に、径方向外方に張り出す第1フランジ部を介して軸方向外方に延設されたかしめ筒部を有し、前記キャップ部材は、開口端部に径方向外方に張り出す第2フランジ部を有し、前記ダイヤフラムは、外周部に前記かしめ筒部によりかしめ固定される剛体からなる環状部材を有し、前記環状部材の前記キャップ部材側の面に前記第2フランジ部を受け入れる受入凹部が設けられるとともに、前記受入凹部にゴム状弾性材からなるシール部材が設けられ、前記環状部材を前記第1フランジ部に重ね、前記受入凹部に前記第2フランジ部を受け入れた状態で、前記環状部材を外側から包むように前記かしめ筒部を内側に曲げることにより、曲げられた前記かしめ筒部の端縁部と前記第1フランジ部との間で前記環状部材が挟持状態にかしめ固定されるとともに、前記端縁部により前記第2フランジ部が前記シール部材に押し当てられて前記第2フランジ部が前記端縁部と前記環状部材との間で前記シール部材を介して挟持されたものである。
このように構成することで、第2取付け具のかしめ筒部によるかしめの荷重を受けるのは、ダイヤフラムの環状部材のみとなる。キャップ部材は、第2フランジ部がかしめ筒部の曲げられた端縁部と第1フランジ部との間で直接挟持されるのではなく、上記端縁部によって第2フランジ部がシール部材に押し当てられることで、当該端縁部とダイヤフラムの環状部材との間で、ゴム状弾性材からなるシール部材を介して挟持される。そのため、第2フランジ部に過度な荷重がかかるのを防止することができ、よって、キャップ部材が樹脂製であっても、その破損を防止しながら第2取付け具に取付け固定することができる。また、第2フランジ部と環状部材との間でシール部材が挟圧保持されることにより、その内側の空気室の気密性を高めることができる。
上記構成においては、前記環状部材の前記受入凹部における内周側に軸方向に陥没するシール用凹部が設けられて、前記シール用凹部に前記シール部材が設けられ、前記第2フランジ部に軸方向に突出して前記シール部材を圧縮するシール用凸部が設けられてもよい。このように第2フランジ部にシール用凸部を設けて、該シール用凸部により環状部材のシール用凹部に設けたシール部材を圧縮するように構成することで、第2フランジ部の剛性を高めて、シール部材の圧縮によるシール性をより高めることができる。
上記構成においてはまた、前記シール部材が、前記第2フランジ部により軸方向に圧縮される主シール部と、前記主シール部の内周側において軸方向に突出して設けられて前記第2フランジ部の内周面に当接する凸状の副シール部とを備えてもよい。この場合、端縁部により第2フランジ部が押し上げられることで、主シール部が圧縮されて、その部分で高いシール性が発揮される。また、主シール部が圧縮されることで、その内周に設けられた凸状の副シール部には外側に広がろうとする力が作用するので、副シール部がその外側の第2フランジ部の内周面に当接することで、シール性を更に高めることができる。特に、上記シール用凹部及びシール用凸部とともに組み合わせて適用することにより、凸状の副シール部が外側に広がろうとする力を大きくして、シール性をより一層高めることができる。
この場合、前記凸状の副シール部の外周面が先端側ほど径方向内方側に傾斜したテーパ面状に形成されてもよい。これにより、ダイヤフラムに対してキャップ部材を組み付ける際の作業性を向上できるとともに、副シール部のテーパ面状の外周面に第2フランジ部の内周側が食い込むことでシール性を高めることができる。
上記構成においてはまた、前記環状部材の前記キャップ部材側の面における外周側角部が湾曲面状に形成されてもよい。これにより第2取付け具のかしめ筒部を内側に曲げる際の作業をスムーズに行うことができる。
上記液封入式防振装置においては、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを設け、前記仕切り体を、前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、前記オリフィス形成部材の内周面の間を塞ぐゴム状弾性材からなる弾性壁と、前記弾性壁の径方向中央部を貫通する連結部を介して互いに連結され、前記弾性壁を該弾性壁の軸方向で挟み込む一対の仕切り板と、で構成してもよい。そして、前記一対の仕切り板を、前記連結部の径方向外方側に前記弾性壁を挟み込む挟持部分を備えて構成し、前記挟持部分が、径方向外方側の第1挟持部分と径方向内方側の第2挟持部分とからなり、前記第1挟持部分に前記第2挟持部分よりも前記弾性壁を軸方向において高い圧縮率で挟み込む高圧縮挟持部を設けてもよい。
一般に中央の連結部を介して互い連結された一対の仕切り板は、軸方向の変位に対し、その外周縁側より弾性壁から離れていく。これに対し、上記構成によれば、仕切り板の挟持部分における径方向外方側に、軸方向での圧縮率の高い高圧縮挟持部を設けている。このように弾性壁から離れる起点となる外周側に高圧縮挟持部を設けたので、仕切り板が弾性壁から離れ始めるまでの仕切り板の軸方向における変位量を大きく設定することができ、弾性壁に対する仕切り板の接触状態を維持することができる。よって、仕切り板が弾性壁から離れることに起因する異音を低減することができる。
また、上記構成であると、仕切り板の挟持部分における径方向外方側に高圧縮挟持部を設けるものであり、径方向の全体で圧縮率を高くするものではない。そのため、弾性壁全体の剛性アップを抑えて、高周波数振動に対する仕切り板の往復動しやすさを確保することができ、動ばね定数の低減効果を維持することができる。また、仕切り体の組み立て時において、弾性壁の反力による連結部での固着不良を回避して、仕切り体の組み立て性を良好に維持することができる。
本発明によれば、樹脂製のキャップ部材であってもその破損を防止しながら、ダイヤフラムの環状部材とともに第2取付け具に取り付けることができ、また空気室の気密性を高めることができる。
以下、本発明の1実施形態に係る液封入式防振装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る液封入式防振装置10の平面図、図2はその縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンに取付けられる上側の第1取付け具12と、車体フレームに取付けられる下側の筒状の第2取付け具14と、これらを連結するゴム製の防振基体16とを備えてなる。
第1取付け具12は、第2取付け具14の軸芯部上方に配されたボス金具であり、径方向(即ち、第2取付け具14の軸方向Xに垂直な方向である軸直角方向)Kの外方Koに向けて突設されたストッパフランジ12Aを備える。また、上端部には取付ボルト18が突設されて、このボルト18を介してエンジン側のブラケット1に取り付けられるよう構成されている。
第2取付具14は、防振基体16が取り付けられた円筒状をなすアルミニウム製の本体金具20と、第1取付け具12との間でストッパ作用を発揮するアルミニウム製のストッパ金具22とを備えてなる。
本体金具20は、その上端部に径方向外方Koに張り出した本体張出部21を有し、該本体張出部21の外縁に上方に向けて折曲片21Aが立設されている。折曲片21Aは、図1に示すように、径方向Kに相対向する周上の2箇所に設けられている。
ストッパ金具22は、本体金具20の上端部に連結された部材であり、第1取付け具12を取り囲んでその変位を規制する筒状のストッパ規制部23と、該ストッパ規制部23の下端から周上2箇所において径方向外方Koへ張り出し形成された一対のストッパ固定部24とを備えてなる。
ストッパ規制部23は、第1取付け具12のストッパフランジ12Aの外周を所定の間隔をおいて取り囲み、第1取付け具12の水平方向における相対変位を制限する円筒状の第1ストッパ部23Aと、第1ストッパ部23Aの上端から内向きのフランジ状に延設されて前記ストッパフランジ12Aの上方に所定の間隔をおいて位置し、第1取付け具12の上方への相対変位を制限する第2ストッパ部23Bと、を備えてなる。
ストッパ固定部24は、図1に示すように、本体金具20の一対の折曲片21Aの対向方向に直交する直径方向において、相対向して設けられている。一対のストッパ固定部24には、それぞれ取付ボルト26が下方に向けて突設されており、この取付ボルト26により車体フレーム2の上面に締結固定されるように構成されている。
本体金具20とストッパ金具22とは、ストッパ金具22の下端開口端に設けられたフランジ部22Aを、本体金具20の折曲片21Aで外側から包むように折曲させてかしめ固定することにより連結されている。図2に示すように、ストッパ規制部23とストッパ固定部24との間には下側に向けて広がるテーパ状部27が設けられており、このテーパ状部27は、上記折曲片21Aによるかしめ固定部での傾斜角度よりも、かしめ固定されていない周方向部分での傾斜角度の方が小さく設定されており、これにより、傾斜角度が小さく設定されたテーパ状部分27Aでは、本体金具20の上端部との間に排水用隙間28が設けられている。そのため、ストッパ金具22の上端部から内部に侵入した水を、この隙間28から外部に排出することができる。
防振基体16はテーパ筒状に形成され、その上端部が第1取付け具12に、下端部が本体金具20の上端開口部にそれぞれ加硫接着されている。この防振基体16の下端部に、本体金具20の内周面を覆うゴム膜状のシール壁部30が連なっている。
本体金具20の軸方向一端部である下端部20Aには、防振基体16の下面に対して軸方向Xに対向配置されて当該下面との間に液体封入室32を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム34が取り付けられ、該液体封入室32に液体が封入されている。
本体金具20の下端部20Aには、また、ダイヤフラム34の下面に対して軸方向Xに対向配置されて当該下面との間に密閉された空気室36を形成するキャップ部材38が取り付けられている。
上記液体封入室32は、仕切り体40により、防振基体16側の第1液室32Aとダイヤフラム34側の第2液室32Bに仕切られており、これら第1液室32Aと第2液室32Bは、絞り流路としてのオリフィス42を介して互いに連通されている。第1液室32Aは、防振基体16が室壁の一部をなす主液室であり、第2液室32Bは、ダイヤフラム34が室壁の一部をなす副液室である。
仕切り体40は、図2,3に示されるように、本体金具20の周壁部の内側に設けられた円環状のオリフィス形成部材44と、オリフィス形成部材44の内周面44Aに外周部46Aが加硫接着されて内周面44Aの間を塞ぐゴム弾性体からなる弾性壁46と、弾性壁46をその軸方向Xで挟み込む上下一対の仕切り板48,50とからなる。
オリフィス形成部材44は、本体金具20の周壁部との間に、周方向に延びるオリフィス42を形成する剛体からなる部材であり、該周壁部の内周のシール壁部30に嵌着されている。より詳細には、オリフィス形成部材44は、本体金具20の周壁部に同軸に配された円筒状部44Bと、該円筒状部44Bの外周側において断面コの字状に外向きに開かれた凹溝部44Cとを備えてなる。円筒状部44Bの内周面が上記内周面44Aになっている。また、凹溝部44Cにより本体金具20の周壁部との間で上記オリフィス42が形成されている。
弾性壁46は、平面視円形状をなしており、図4に示すように、その外周部46Aが、オリフィス形成部材44の円筒状部44Bの内周面44Aに加硫接着されている。弾性壁46は、径方向中央部に軸方向Xに貫通する円形の貫通穴52を備え、貫通穴52の周りの表裏両側には、軸方向Xに突出する環状の凸条54が設けられている。
一対の仕切り板48,50は、図3,5に示すように貫通穴52を貫通する円柱状の連結部56を介して互いに連結されており、熱可塑性樹脂により一体に成形されている。そのうちの一方(上側)の仕切り板48が第1液室32Aの室壁の一部を構成しており、即ち、第1液室32Aに面して配されている(図2参照)。また、他方(下側)の仕切り板50が第2液室32Bの室壁の一部を構成しており、即ち、第2液室32Bに面して配されている。そして、これら一対の仕切り板48,50の軸方向Xにおける変位量が弾性壁46によって規制されている。
一対の仕切り板48,50は、平面視において弾性壁46よりも外形が小さく形成されている。すなわち、仕切り板48,50の外周縁48A,50Aは、弾性壁46の外周縁が位置するオリフィス形成部材44の内周面44Aよりも径方向内方Ki側で終端している(図3参照)。
一対の仕切り板48,50は、中央部の連結部56の周りに、それぞれ、弾性壁46の上下の凸条54が嵌合する環状溝58が設けられている。環状溝58の外周、即ち径方向外方Ko側には、弾性壁46を軸方向Xで挟み込む挟持部分60が全周にわたって環状に設けられている。更に、挟持部分60の外周、即ち径方向外方Ko側に、弾性壁46の対向する壁面との間で径方向外方Ko側ほど漸次広くなる隙間S(図7参照)を形成する隙間形成部62が設けられており、該隙間形成部62が仕切り板48,50の外周縁部を構成している。
図7に示すように、上記挟持部分60は、その径方向中央を境として、それよりも径方向外方Ko側、即ち外周側を第1挟持部分64とし、径方向内方Ki側、即ち内周側を第2挟持部分66としたとき、第1挟持部分64に、第2挟持部分66よりも、弾性壁46を軸方向Xにおいて高い圧縮率で挟み込む高圧縮挟持部68が設けられている。すなわち、挟持部分60は、その外周側の第1挟持部分64において、弾性壁46の軸方向Xでの圧縮率が最も高く設定された高圧縮挟持部68を備え、この高圧縮挟持部68での圧縮率が、その径方向内方Ki側での圧縮率、及び径方向外方Ko側での圧縮率よりも高く設定されている。ここで、弾性壁46の軸方向Xでの圧縮率とは、一対の仕切り板48,50による弾性壁46の軸方向Xでの圧縮量を、弾性壁46の元の厚みで割った値であり、対象となる部位での一対の仕切り板48,50の間隔をU(図5参照)とし、その部位での弾性壁46の元の厚みをT(図4参照)として、(T−U)/Tで定義される。そして、高圧縮挟持部68での圧縮率は、軸方向Xでの仕切り板48,50の想定される最大変位時でも、高圧縮挟持部68が弾性壁46の壁面から離れないように、即ち圧縮が残るように、高く設定されている。
より詳細には、この例では、図7に示すように、内周側の第2挟持部分66では、弾性壁46の軸方向Xでの圧縮率が略一定に設定され、外周側の第1挟持部分64において、径方向外方Ko側ほど徐々に圧縮率が高くなり、上記高圧縮挟持部68で圧縮率が最大となり、そこから径方向外方Ko側ほど徐々に圧縮率が低くなって、上記隙間Sを形成する隙間形成部62に至るように設定されている。
このような圧縮率の設定にするため、一対の仕切り板48,50と弾性壁46は、断面形状が、それぞれ次のように形成されている。仕切り板48,50は、第2挟持部分66から第1挟持部分64の高圧縮挟持部68に至るまで、径方向Kで間隔Uが一定となるように、軸方向Xに垂直な平面状に形成され、高圧縮挟持部68より外周側において、径方向外方Ko側ほど漸次軸方向外方Xoに位置する傾斜面状に形成されている(図5,7参照)。一方、弾性壁46は、第2挟持部分66に対向する壁面70が軸方向Xに垂直な平面状に形成され、その外周側部分、即ち、第1挟持部分64及び該第1挟持部分64よりも径方向外方Ko側の仕切り板部分(即ち、隙間形成部62)に対向する壁面72が、径方向外方Ko側ほど軸方向外方Xoに位置する傾斜面状に形成されている(図4,7参照)。これにより、弾性壁46は、外周部46Aが厚肉状に形成されている。仕切り板48,50の高圧縮挟持部68よりも外周側の上記傾斜面と、弾性壁46の上記壁面72の傾斜面は、ともに湾曲面状に形成されており、かつ、前者の方が勾配が大きく設定されている。これにより、上記隙間Sは径方向外方Ko側ほど漸次広く形成されている。
図7に示すように、弾性壁46には、上記高圧縮挟持部68によって挟み込まれる弾性壁部分において、その壁面に軸方向Xに陥没する凹部74が設けられている。凹部74は、この例では、第2液室32B側に向く壁面(下側の壁面)に設けられており、図6に示すように、複数個(ここでは6個)が周方向Cに等間隔にて並設されている。これにより、高圧縮挟持部68によって挟み込まれる弾性壁部分には、薄肉状の低剛性部76が周方向Cに断続的に設けられている。凹部74は、この例では、径方向Kにおいて、第1挟持部分64に対向する部分の略全体にわたって設けられている。また、図6に示すように、凹部74は円弧状に形成されており、各凹部74の間には、その内周側の弾性壁部分と外周側の弾性壁部分とをなだらかに繋ぐように、径方向外方Ko側ほど漸次厚肉となる傾斜面状の高剛性部78が放射状に形成されている。そして、この高剛性部78により、高圧縮挟持部68での仕切り板50と弾性壁46との当接がなされている。
連結部56は、図4に示すように、一方の仕切り板(この例では下側の仕切り板)50に設けられた軸方向Xに垂直な第1平面部80と、第1平面部80から軸方向Xに突出する嵌合凸部82と、他方の仕切り板(この例では上側の仕切り板)48に設けられて嵌合凸部82が嵌合する嵌合凹部84と、嵌合凹部84の開口縁部に設けられて軸方向Xに垂直な第2平面部86とを備えてなる。
嵌合凸部82は、仕切り板50の軸芯に同軸に設けられた円柱状の凸部であり、第1平面部80から上方に突設されている。第1平面部80は、嵌合凸部82の付け根部の周りに全周にわたって設けられたリング状の平面部である。嵌合凹部84は、嵌合凸部82を下方から受け入れるように下向きに開口する凹部であり、この例では上方にも開口することで軸方向Xに貫通して設けられている。嵌合凹部84の内周面84Aは、円柱面状に形成されている。第2平面部86は、第1平面部80に対向して嵌合凹部82の下側開口端に設けられたリング状の平面部である。
図4,5に示すように、嵌合凸部82の外周面82Aには、第1平面部80から軸方向Xの上方に離間させて第1溶着部88が設けられ、嵌合凹部84の内周面84Aには、第2平面部86から軸方向Xの上方に離間させて第2溶着部90が設けられている。これら第1溶着部88と第2溶着部90は、超音波溶着により溶着固定される部分であり(図7参照)、第1平面部80と第2平面部86が対接することで軸方向Xに位置決めされた状態で、嵌合凸部82と嵌合凹部84が第1溶着部88と第2溶着部90との溶着により嵌合固定されるよう構成されている。
第1溶着部88と第2溶着部90は、図5に示すように、互いに嵌合するテーパ面状に形成されている。すなわち、第1溶着部88は、嵌合凸部82の外周面82Aにおいて、第1平面部80から離間した位置にて、先端側ほど漸次小径のテーパ面状に形成されている。また、第2溶着部90は、嵌合凹部84の内周面84Aにおいて、第2平面部86から離間した位置にて、奥側ほど漸次小径でありかつ傾斜角が第1溶着部88のテーパ面と同等であるテーパ面状に形成されている。そして、これらテーパ面同士の当接により、嵌合凸部82と嵌合凹部84が同軸状に位置決めされた状態で、第1溶着部88と第2溶着部90は溶着されている。
図7に示すように、この例では、連結部56は、下側の仕切り板50に設けられて弾性壁46の貫通穴52に対して下方から差し込まれる第1連結部56Aと、上側の仕切り板48に設けられて貫通穴52に対して上方から差し込まれる第2連結部56Bとからなる。第1連結部56Aに上記第1平面部80と嵌合凸部82が設けられ、第1連結部56Aは、第1平面部80を段差部とする段付き円柱状に形成されている。また、第2連結部56Bに上記第2平面部86と嵌合凹部84が設けられ、第2連結部56Bは、第1連結部56Aの下側の大径部と外径が同一の中空円柱状に形成されている。そして、第1平面部80と第2平面部86が、貫通穴52の軸方向Xの中央部で対接した状態に、嵌合凸部82と嵌合凹部84が嵌合固定されている。
本実施形態では、また、オリフィス形成部材44に対する弾性壁46の付け根部の剛性を上げて、低周波大振幅時における一対の仕切り板48,50の変位規制効果を高めるために、次のような構成が採用されている。
すなわち、第1に、オリフィス形成部材44の内周面44Aに接着固定された弾性壁46の外周部46Aには、その第1液室32A側の壁面において、弾性壁46の傾斜面状の上記壁面72に対して軸方向外方Xo側、即ち第1液室32A側に隆起する隆起部92が設けられている。隆起部92は、周方向Cの全体にわたって延びる環状をなしている。また、隆起部92は、図7に示すように、その先端(即ち、軸方向Xの外方端)92Aが、オリフィス形成部材44の第1液室側端44Dよりも第1液室32A側に位置している。更に、隆起部92は、第1液室32A側の仕切り板48の上面よりも軸方向外方Xo側にはみ出すように突出形成されている。
第2に、弾性壁46の外周部46Aが接着固定されたオリフィス形成部材44の内周面44Aには、弾性壁46の第2液室32B側の付け根部分において、径方向内方Kiに突出する凸部94が設けられている。凸部94は、図7に示すように、弾性壁46の軸方向X中央側の側面94Aが下方ほど径方向内方Ki側に位置する傾斜面状に形成されるとともに、第2液室32B側の側面94Bが弾性壁46の軸方向Xに垂直な平面状に形成されている。この平面状の第2液室側の側面94Bは、弾性壁46の成型時において成形型の軸方向Xでの押し当て面として利用される部分である。そのため、弾性壁46の第2液室32Bの付け根部分は、この側面94Bを除く頂面94C及び中央側の側面94Aを覆うように凸部94を埋設した状態に成形されている。
なお、符号96は、仕切り板48,50に設けられた軸方向Xに貫通する空気抜き孔であり、仕切り板48,50の周方向に複数が分散させて設けられている。
以上の構成を持つ仕切り体40は、図2に示すように、オリフィス形成部材44が、ダイヤフラム34の外周縁部に埋設一体化された環状部材35と、防振基体16の下端外周部に形成された受止め段部16Aとで挟持されることにより、本体金具20の内部に固定されている。
次に、本体金具20の下端部におけるかしめ構造について説明する。
図8に示すように、本体金具20の下端部20Aには、全周にわたって径方向外方Koに張り出す第1フランジ部100と、該第1フランジ部100の外周縁から軸方向外方Xoに延設されたかしめ筒部102が設けられている。
この本体金具20の下端部20Aに結合されるキャップ部材38は、図示するように比較的深さの浅い椀状をなす合成樹脂製の部材である。キャップ部材38の上端の開口端部38Aには、全周にわたって径方向外方Koに張り出す第2フランジ部104が設けられている。詳細には、図10に示すように、キャップ部材38の開口端部38Aは、開口端側ほど外周面が外側に傾斜することで漸次厚肉状に形成されており、その先端に径方向外方Koに張り出す上記第2フランジ部104が形成されている。また、第2フランジ部104の上面(即ち、ダイヤフラム34側の面)104Aには、軸方向X(即ち、上方)に突出するシール用凸部106が設けられている。シール用凸部106は、第2フランジ部104の上面104Aにおける内周縁に寄せて設けられている。このシール用凸部106を含む第2フランジ部104の内周面104Bは、上方(即ち、キャップ部材38の軸方向外方)側ほど径方向外方Koにわずかに傾斜したテーパ面状に形成されている。
ダイヤフラム34の外周部に設けられた環状部材35は、かしめ筒部102によりかしめ固定されるように、アルミニウム等の金属で形成されている。詳細には、環状部材35は、リング板状をなしており、図9,10に示すように、その下面(即ち、キャップ部材38側の面)35Aには、第2フランジ部104を受け入れる受入凹部108が軸方向Xに陥没形成されている。受入凹部108は、環状部材35の外周縁部に前記かしめ筒部102によってかしめられる被かしめ部110を確保して、その内周側に段差状に形成されている。そして、この受入凹部108における内周側には軸方向Xに陥没するシール用凹部112が設けられている。シール用凹部112は、上記第2フランジ部104のシール用凸部106を受け入れる凹所であり、環状部材35の内周縁部において段差状に形成されている。
図10に示すように、環状部材35の受入凹部108には、ゴム弾性材からなるシール部材114が設けられている。シール部材114は、この例では、受入凹部108のシール用凹部112を埋めるように設けられており、これにより、第2フランジ部104のシール用凸部106によって圧縮されるようになっている。
より詳細には、シール部材114は、シール用凹部112を埋めるように設けられて上記シール用凸部106により軸方向Xに圧縮される主シール部116と、該主シール部116の内周側において軸方向X、即ち下方に突出して設けられた凸状の副シール部118とで構成されている。副シール部118は、第2フランジ部104の内周面104Bに当接することで当該内周面104Bとの間をシールする凸部であり、その外周面118Aは、先端側(即ち、下方側)ほど径方向内方Ki側にわずかに傾斜したテーパ面状に形成されている。図10に示すように、このテーパ面状の外周面118Aは、その先端(即ち、下端)での直径D1が、第2フランジ部104のテーパ面状をなす内周面104Bの先端(即ち、上端)での直径D0よりもわずかに小さく設定され、かつ、その根元(即ち、上端)での直径D2が、上記直径D0よりもわずかに大きく設定されている。
シール部材112は、ダイヤフラム34から連なるゴムによって、環状部材35に一体に加硫成形されている。また、環状部材35の上面(即ち、第1フランジ部100側の面)35Cには、ダイヤフラム34から連なる薄肉のゴム膜120が被覆形成されている。
環状部材35のキャップ部材38側の面、即ち下面35Aにおける外周側角部35Bは、図10に示されるように湾曲面状に形成されている。すなわち、環状部材35は、その外周部の被かしめ部110において、下面側の外周側角部35Bが断面円弧状に形成されている。
以上の構成を持つ本体金具20とダイヤフラム34とキャップ部材38は、次のようにしてかしめ固定される。すなわち、図11に示すように、ダイヤフラム34の環状部材35を、本体金具20のかしめ筒部102の内側に嵌合させて第1フランジ部100の下面側に重ねるとともに、キャップ部材38の第2フランジ部104を環状部材35の受入凹部108内に受け入れた状態とする。この状態で、環状部材35を外側から包み込むように、かしめ筒部102を内側に曲げることにより、図9に示すように、曲げられたかしめ筒部102の端縁部102Aと第1フランジ部100との間で、環状部材35が挟持状態にかしめ固定される。それと同時に、端縁部102Aによって第2フランジ部104がシール部材114に押し当てられることにより、第2フランジ部104が端縁部102Aと環状部材35との間でシール部材114を介して挟持される。これにより、第2フランジ部104と環状部材35との間でシール部材114が挟圧保持される。
より詳細には、かしめ筒部102は、環状部材35の湾曲面状の外周側角部35Bに沿って湾曲状に折り曲げられる。折り曲げられたかしめ筒部102の端縁部102Aは、被かしめ部110を包み込むとともに、第2フランジ部104を押し上げることができるように、端縁部102Aの内端102Bが第2フランジ部104の外周縁部に対して下面側から覆い被さるよう設定されている。
また、かかる端縁部102Aによって押し上げられた第2フランジ部104は、そのシール用凸部106により、シール用凹部112に設けられたシール部材114の主シール部116を圧縮する。このとき、副シール部118の外周面が上記のようにテーパ面状に形成されているので、ダイヤフラム34に対するキャップ部材34の芯出しを容易にして、作業性を向上することができる。また、副シール部118のテーパ面状の外周面118Aに第2フランジ部104のシール用凸部106が食い込むことでシール性を高めることができる。また、主シール部116が軸方向Xに圧縮されることで、その内周に設けられた凸状の副シール部118には外側に広がろうとする力が作用するので、副シール部118がその外側の第2フランジ部104の内周面104Bに押し当てられて、シール性を更に高めることができる。
上記液封入式防振装置10を製造するに際し、仕切り体40は、オリフィス形成部材44に弾性壁46を加硫成形した後、図4に示すように、弾性壁46の表裏両側から仕切り板48,50を挟み込み、超音波溶着により連結部56を固着することで得られる(図3参照)。超音波溶着とは、熱可塑性樹脂を微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融し、接合する加工技術であり、例えば、20kHzの周波数で35μmの振幅の超音波を用いて1秒以下という短時間で溶着することが可能である。この例では、弾性壁46を挟んだ状態で、上側の仕切り板48の嵌合凹部84に、下側の仕切り板50の嵌合凸部82を嵌め込み、第1溶着部88と第2溶着部90のテーパ面同士が当接した状態から、上下の仕切り板48,50を弾性壁46の挟持方向に加圧しながら、上下の仕切り板48,50に超音波を付与する。これにより、樹脂同士の当接部である上記テーパ面部で熱が発生し、溶融することで、嵌合凸部82が嵌合凹部84内を軸方向X内方側に進出していき、第1平面部80と第2平面部86が当接することで止まるので、その時点で上記加圧及び超音波付与を終了することにより、第1平面部80と第2平面部86が対接した状態で、第1溶着部88と第2溶着部90が溶着固定される。
このようにして得られた仕切り体40と、別に加硫成形することで得られた第1取付け具12と本体金具20と防振基体16との加硫成形部品とを用いて、液体中で本体金具20の内部に仕切り体40を挿入する。更にダイヤフラム34を被せた後に、液中から取り出して、キャップ部材38を被せ、上記のように本体金具20の下端部20Aにかしめ固定する。また、本体金具20の上端部にストッパ金具22を上記のように折曲片21Aを用いてかしめ固定する。これにより、ダイヤフラム34の上側に液体が封入された液体封入室32が設けられるとともに、ダイヤフラム34の下側に密閉された空気室が形成された液封入式防振装置10を製造することができる。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10であると、第2取付け具14のかしめ筒部102によるかしめの荷重を受けるのは、ダイヤフラム34の環状部材35のみである。キャップ部材38は、かしめ筒部102の曲げられた端縁部102Aと環状部材35との間で、ゴム製のシール部材114を介して挟持される。そのため、キャップ部材38の第2フランジ部104に過度な荷重がかかるのを防止することができるので、樹脂製のキャップ部材38でありながら、破損することなく第2取付け具14に取付け固定することができる。また、第2フランジ部104と環状部材35との間でシール部材114が挟圧保持されることで、その内側の空気室36の気密性を高めることができる。
また、特に、第2フランジ部104にシール用凸部106を設け、これを環状部材35に設けたシール用凹部106においてシール部材114の主シール部116を圧縮するようにしたので、第2フランジ部104の剛性を高めて、シール部材114の圧縮によるシール性をより高めることができる。また、副シール部118の外周面118Aの上記テーパ面形状と相俟って、副シール部118でも高いシール性を発揮することができ、空気室36の気密性をより向上することができる。
また、環状部材35の外周側角部35Bを湾曲面状に形成したことにより、本体金具20のかしめ筒部102を内側に折り曲げる際の作業をスムーズに行うことができる。
本実施形態の液封入式防振装置10であると、また、上記仕切り体40を具備したことにより、高周波数域の微振幅振動が生じたときに、一対の仕切り板48,50が一体となって往復動することで、第1液室32Aの液圧を吸収して振動を低減することができる。そのため、高周波微振幅振動に対し、動ばね定数を効果的に低減することができる。一方、低周波数域の大振幅振動が生じたときには、一対の仕切り板48,50の変位量が弾性壁46によって規制されるので、オリフィス42を通って第1液室32Aと第2液室32B間で液体を流通させることができ、その液体流動効果によって振動を減衰することができる。よって、低周波数域での減衰性能と高周波数域での低動ばね化を両立できる。
また、本実施形態であると、仕切り板48,50の挟持部分60における径方向外方Ko側に、軸方向Xでの圧縮率の高い高圧縮挟持部68を設けたので、仕切り板48,50が弾性壁46から離れ始めるまでの仕切り板48,50の軸方向Xにおける変位量を大きく設定することができる。例えば、図12に示すように、仕切り板48,50が上方に過大変位したとき、上側の仕切り板48がその外周縁側より弾性壁46から離れようとするが、離れる起点となる外周側に高圧縮挟持部68を設けたことにより、高圧縮挟持部68において弾性壁46に対する接触状態を維持することができる。特にこの例では、想定される最大の軸方向変位が生じたときでも、高圧縮挟持部68が弾性壁46の壁面から離れないようにこの部分の圧縮率を高く設定したので、図12に示すように、挟持部分60が弾性壁46から離れてしまうのを防止して、異音の発生を防止することができる。
また、仕切り板48,50の挟持部分60における径方向外方Ko側に高圧縮挟持部68を設けており、径方向Kの全体で圧縮率を高くしたものではないので、弾性壁46全体の剛性アップを抑えて、高周波数振動に対する仕切り板48,50の往復動しやすさを確保し、動ばね定数の低減効果を維持することができる。また、仕切り体40の組み立て時において、軸方向Xに圧縮される弾性壁46のゴムの反力による連結部56での溶着不良を回避することができ、仕切り体40の組み立て性に優れる。
また、高圧縮挟持部68によって挟み込まれる弾性壁46部分に薄肉状の低剛性部76を周方向Cに断続的に設けたので、高圧縮挟持部68が位置する径方向外方Ko側の第1挟持部分64によって挟み込まれる弾性壁46部分を硬くすることなく、むしろその部分を柔らかく維持ながら、仕切り板48,50が弾性壁46から離れないように軸方向Xでの圧縮率を高めることができる。
また、該低剛性部76により弾性壁46に柔らかい部分を設けることで、高周波数域での微振幅振動に対し、仕切り板48,50を軸方向Xに往復動させやすくして、動ばね定数を低減することができる。更には、該低剛性部76が外周側の第1挟持部分64に設けられたので、高周波数域の振動入力時に、一対の仕切り板48,50を、軸芯が傾くようなこじり方向での変位を抑えながら、軸方向Xにスムーズに往復動させることができ、高周波数域での動ばね定数の低減効果を更に高めることができる。なお、この低剛性部76は、一対の仕切り板48,50によって挟まれる弾性壁46部分に設けてあるので、大振幅振動時には、低剛性部76がない場合と同様に弾性壁46によって一対の仕切り板48,50の往復動変位を規制することができる。
本実施形態では、また、低剛性部76を設けるために、弾性壁46の一方の壁面(下面)のみに凹部74を設けたので、もう一方の壁面(上面)では、仕切り板48の挟持部分60をその全体で当接させることができ、異音をより生じにくくすることができる。なお、かかる凹部74は、弾性壁46の上面のみに設けることもでき、あるいはまた、上下両面に設けることもできる。
また、本実施形態では、弾性壁46の外周部46Aが厚肉状に形成されたので、低周波数域の大振幅振動時に、仕切り板48,50の往復動変位を効果的に規制することができる。また、弾性壁46の外周部46Aに隆起部92を設け、この外周部46Aが接着固定されるオリフィス形成部材44の内周面44Aに凸部94を設けたので、弾性壁46の外周部46Aの剛性を上げて、大振幅振動時における仕切り板48,50の変位規制効果を更に高めることができる。しかも、第1液室32A側に設けた隆起部92は、ゴム製であるため、仮に防振基体16が下方に過大変位して隆起部92に当たった場合でも、防振基体16の損傷を防止することができる。
また、本実施形態であると、一対の仕切り板48,50を、その中心部にそれぞれ設けた嵌合凸部82と嵌合凹部84との嵌合部で溶着するようにし、また、溶着部としての第1溶着部88と第2溶着部90をテーパ面状にして互いに嵌合させるようにしている。そのため、上側の仕切り板48と下側の仕切り板50との同軸度の位置ずれ(径方向での位置ずれ)を効果的に防止することができる。また、軸方向Xでの位置決めは、第1平面部80と第2平面部86を実質的に溶着させることなく対接させることで行うため、正確な位置決めが可能となり、また、上記テーパ面部での嵌合と相俟って、平行度の位置ずれも効果的に防止することができる。更には、かかる軸方向Xでの位置決め部と、第1溶着部88と第2溶着部90による溶着部を、軸方向Xに分離した位置に設けたので、溶着による樹脂カスが位置決め部まで進出するのを防いで、位置ずれを防止することができる。このように、一対の仕切り板48,50を連結固定する際の軸方向Xや同軸度、平行度の位置ずれを抑制することができるので、防振性能のばらつきを抑えることができる。
本発明は、自動車のエンジンマウントを始め、振動体と支持体とを防振的に結合する自動車の各種防振装置として用いることができ、また、自動車以外の各種車両に用いることもできる。
本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置の平面図 図1のII−II線断面図 同防振装置の仕切り体の縦断面図 同仕切り体の分解縦断面図 同仕切り体を弾性壁を省略して示す縦断面図 同仕切り体の底面図 同仕切り体の要部拡大断面図 同防振装置の分解縦断面図 同防振装置の第2取付け具のかしめ固定部の縦断面図 同かしめ固定部の分解縦断面図 同かしめ固定部のかしめ前の縦断面図 同仕切り体の軸心方向における最大変位時における要部拡大断面図 従来の液封入式防振装置の縦断面図
符号の説明
10…液封入式防振装置、12…第1取付け具、14…第2取付け具、16…防振基体、
32…液体封入室、32A…第1液室、32B…第2液室、34…ダイヤフラム、
35…環状部材、35A…環状部材の下面(キャップ部材側の面)、35B…外周側角部
36…空気室、38…キャップ部材、38A…開口端部、40…仕切り体、
42…オリフィス、44…オリフィス形成部材、46…弾性壁、
48,50…仕切り板、56…連結部、60…挟持部分、64…第1挟持部分、
66…第2挟持部分、68…高圧縮挟持部、
100…第1フランジ部、102…かしめ筒部、102A…端縁部、
104…第2フランジ部、104B…第2フランジ部の内周面、
106…シール用凸部、108…受入凹部、112…シール用凹部、
114…シール部材、116…主シール部、118…副シール部、
Ko…径方向外方、Ki…径方向内方、X…軸方向、Xo…軸方向外方

Claims (6)

  1. 第1取付け具と、
    筒状の第2取付け具と、
    前記第1取付け具と前記第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、
    前記第2取付け具の軸方向一端部に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、
    前記第2取付け具の前記軸方向一端部に取り付けられて前記ダイヤフラムとの間に空気室を形成するキャップ部材と、を備えた液封入式防振装置において、
    前記第2取付け具は、前記軸方向一端部に、径方向外方に張り出す第1フランジ部を介して軸方向外方に延設されたかしめ筒部を有し、
    前記キャップ部材は、開口端部に径方向外方に張り出す第2フランジ部を有し、
    前記ダイヤフラムは、外周部に前記かしめ筒部によりかしめ固定される剛体からなる環状部材を有し、前記環状部材の前記キャップ部材側の面に前記第2フランジ部を受け入れる受入凹部が設けられるとともに、前記受入凹部にゴム状弾性材からなるシール部材が設けられ、
    前記環状部材を前記第1フランジ部に重ね、前記受入凹部に前記第2フランジ部を受け入れた状態で、前記環状部材を外側から包むように前記かしめ筒部を内側に曲げることにより、曲げられた前記かしめ筒部の端縁部と前記第1フランジ部との間で前記環状部材が挟持状態にかしめ固定されるとともに、前記端縁部により前記第2フランジ部が前記シール部材に押し当てられて前記第2フランジ部が前記端縁部と前記環状部材との間で前記シール部材を介して挟持された、
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記環状部材の前記受入凹部における内周側に軸方向に陥没するシール用凹部が設けられて、前記シール用凹部に前記シール部材が設けられ、前記第2フランジ部に軸方向に突出して前記シール部材を圧縮するシール用凸部が設けられた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液封入式防振装置。
  3. 前記シール部材が、前記第2フランジ部により軸方向に圧縮される主シール部と、前記主シール部の内周側において軸方向に突出して設けられて前記第2フランジ部の内周面に当接する凸状の副シール部とを備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
  4. 前記凸状の副シール部の外周面が先端側ほど径方向内方側に傾斜したテーパ面状に形成された、
    ことを特徴とする請求項3記載の液封入式防振装置。
  5. 前記環状部材の前記キャップ部材側の面における外周側角部が湾曲面状に形成された、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
  6. 前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとが設けられ、
    前記仕切り体は、
    前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、
    前記オリフィス形成部材の内周面の間を塞ぐゴム状弾性材からなる弾性壁と、
    前記弾性壁の径方向中央部を貫通する連結部を介して互いに連結され、前記弾性壁を該弾性壁の軸方向で挟み込む一対の仕切り板と、からなり、
    前記一対の仕切り板は、前記連結部の径方向外方側に前記弾性壁を挟み込む挟持部分を備え、前記挟持部分は、径方向外方側の第1挟持部分と径方向内方側の第2挟持部分とからなり、前記第1挟持部分に前記第2挟持部分よりも前記弾性壁を軸方向において高い圧縮率で挟み込む高圧縮挟持部を設けた、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
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