JP4266981B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにする防振装置として、液封入式防振装置が知られている。
液封入式防振装置は、一般に、エンジン側に取り付けられる第1取付け具と、車体フレーム側に取り付けられる第2取付け具とがゴム状弾性材から構成される防振基体で連結される。そして、第2取付け具に取付けられたダイヤフラムと防振基体との間に液封入室が形成され、この液封入室は、仕切り手段によって主液室と副液室とに仕切られると共に、これら主及び副液室がオリフィスによって互いに連通される。
この液封入式防振装置によれば、オリフィスによる主及び副液室間の流体流動効果と防振基体の制振効果により、防振基体のみからでは得られない優れた振動減衰機能と振動絶縁機能とを得ることができる。
また、液封入式防振装置では、主及び副液室間の流体流動効果をより好適に発揮させるべく、各種構造が更に設けられることとなる。具体的には、例えば、弾性仕切り膜を主及び副液室の間を区画するように配置して、両液室間の液圧変動を弾性仕切り膜の往復動変形によって吸収することで、小振幅入力時の低動ばね特性を得るいわゆる可動膜構造などである。
しかしながら、このような構造を採用すると、主及び副液室を仕切る仕切り手段の構成(部品点数や形状)が複雑化する。そのため、機能や信頼性の確保だけでなく、液封入式防振装置の組み立て性が重要な要素となる。そこで、従来より、組み立て性の向上を図る種々の技術が提案されている。
例えば、特開2000−23600号公報には、仕切り体を第2ダイヤフラムが加硫接着されたオリフィス部材と仕切板部材とから構成し、仕切板部材を防振装置本体の取付金具にかしめ固定する共に、その仕切板部材と防振基体に形成した保持部との間でオリフィス部材を軸心方向に挟圧保持することで、その組み立て性の向上を図る技術が開示されている(特許文献1)。
また、再表02/075128号公報には、オリフィス部材と第2ダイヤフラムと仕切板部材とをそれぞれ別体で構成し、第2ダイヤフラムの周縁部に形成した凹溝をオリフィス部材の内方側に突出する鉤部に係合し、かつ、凹溝の底壁を鉤部と仕切板部材との間で挟圧保持することで、接着剥離などの問題を回避しつつ、その組み立て性の向上を図る技術が開示されている(特許文献2)。
特開2000−23600号公報(例えば、段落[0041〜0047]、図1及び図2など) 再表02−075128号公報(例えば、図1から図3など)
しかしながら、上述した従来の技術では、下側取付金具をその下方側開口が上向きとなるように液槽の液中に浸漬した後、その下側取付金具の筒状胴部内に、まず、オリフィス部材(及び第2ダイヤフラム)を挿入し、次いで、仕切板部材を挿入するという2段階の工程が必要となるため、その分、組み立て性の向上を十分に図ることができないという問題点があった。
また、下側取付金具の筒状胴部内に仕切板部材を挿入する場合には、先に挿入したオリフィス部材に対して相対的な回転方向を位置決めしつつ挿入することで、オリフィス出入口の位置合わせを行う必要があり、その分、組み立て性の向上を十分に図ることができないと共に、オリフィス出入口の位置関係が不安定となりやすく、動的な特性のばらつきが大きくなるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、動的な特性などのばらつきを安定化させつつ、組み立て性の向上を図ることができる液封入式防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求の範囲第1項記載の液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、その第2取付け具と前記第1取付け具とを連結し、ゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り手段と、前記第2取付け具に取り付けられて前記仕切り手段を前記防振基体との間に挟持固定する支持板部材と、前記主液室と副液室とを連通させるオリフィスとを備えるものであり、前記仕切り手段は、ゴム状弾性体から構成される弾性仕切り膜と、その弾性仕切り膜の周縁部を前記仕切り手段の軸心方向で挟持固定する一対の略円環状の挟持部材とを備え、前記一対の挟持部材を熱可塑性の樹脂材料から構成し、互いの接合面を溶着手段により溶着することで、前記仕切り手段が前記複数の部材から一体的に構成され、前記弾性仕切り膜は、その径方向外方側ほど薄肉のテーパー状に構成される第1ゴム部と、その第1ゴム部よりも径方向外方側に位置すると共に軸心方向に立ち上がる第2ゴム部とを備え、前記一対の挟持部材は、前記弾性仕切り膜の第1ゴム部を受け止め可能な第1ストッパ面部と、その第1ストッパ面部よりも軸心方向に後退して位置すると共に前記弾性仕切り膜の第2ゴム部を受け止め可能な第2ストッパ面部とを備え、前記一対の挟持部材の互いの接合面が前記溶着手段により溶着された場合には、前記一対の挟持部材の第2ストッパ面部が前記弾性仕切り膜の第2ゴム部を前記仕切り手段の軸心方向へ押圧することで、その弾性仕切り膜の第2ゴム部に予圧縮が付与されるように構成され、前記一対の挟持部材は、一方の接合面から前記第2ストッパ面部の径方向外方側に突設される突設部と、他方の接合面から前記第2ストッパ面部の径方向外方側に凹設される凹設部とを備え、前記弾性仕切り膜を前記一対の挟持部材によって両側から挟持し、前記凹設部に前記突設部を嵌合することで仮固定および径方向の位置決めを行い、前記一対の挟持部材を軸心方向へ更に押し込むことで、前記凹設部の底部と前記突設部の頂部とを互いに当接させている。
請求の範囲第2項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第1項記載の液封入式防振装置において、前記支持板部材が金属材料から構成されると共に前記一対の挟持部材の内の一方にインサート成形されることで、その支持板部材と前記仕切り手段とが一体的に構成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第1又は第2項記載の液封入式防振装置において、前記一対の挟持部材の第2ストッパ面部は、前記仕切り手段の径方向内方側の端部が断面円弧状に湾曲して形成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置において、前記支持板部材が前記一対の挟持部材の内の一方の外周面から径方向外方へ張り出して形成されると共に、その支持板部材と所定間隔を隔てつつ対向する張り出し壁が前記一対の挟持部材の内の一方または他方から径方向外方へ張り出して形成されることで、前記仕切り手段の外周部には、周縁側面部が開放された断面略コ字状のオリフィス溝が形成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第1から第項記載の液封入式防振装置において、前記弾性仕切り膜には、金属製材料から略薄板状に構成される薄板部材が埋設されており、その薄板部材の外周縁が前記一対の挟持部材の径方向内方側の端面よりも前記径方向外方側に位置するように構成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第項記載の液封入式防振装置において、前記弾性仕切り膜は、略中心部に開口部が開口形成されており、前記薄板部材の周縁部のみが前記弾性仕切り膜に埋設されるように構成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置において、前記一対の挟持部材の第1ストッパ面部は、少なくとも前記仕切り手段の径方向内方側が前記弾性仕切り膜の第1ゴム部から離間されており、それら第1ストッパ面部と第1ゴム部との間に隙間が形成されている。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置は、請求の範囲第第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置において、前記一対の挟持部材の第1ストッパ面部は、少なくとも前記仕切り手段の径方向外方側が前記弾性仕切り膜の第1ゴム部に当接されており、
前記薄板部材は、その外周縁が前記第1ストッパ面部と第1ゴム部との当接部よりも前記径方向外方側に位置するように構成されている。
請求の範囲第1項記載の液封入式防振装置によれば、一対の挟持部材を熱可塑性の樹脂材料から構成し、互いの接合面を溶着手段により溶着するように構成したので、仕切り手段を複数の部材から一体的に構成することができる。
よって、かかる仕切り手段を第2取付け具の筒状胴部内へ一度に挿入することができるので、従来の液封入式防振装置のように、仕切り手段を構成する複数の部材を取付け具の筒状胴部内へそれぞれ挿入するという複数の工程を行う必要がなく、挿入工程を簡素化することができるので、その分、組み立て性の大幅な向上を図ることができるという効果がある。
また、仕切り手段を予め液槽外で複数の部材から一体的に形成することができれば、従来の液封入式防振装置のように、先に挿入した部材に対して相対的な回転方向を位置決めしつつ後の部材を筒状胴部内へ挿入しオリフィス出入口の位置合わせを液槽内で行うという煩雑な作業を行う必要がないので、その分、組み立て性の大幅な向上を図ることができると共に、オリフィス出入口の位置関係が不安定となることを回避することができるので、その分、動的な特性のばらつきを小さくすることができるという効果がある。
本発明の液封入式装置では、一対の挟持部材をそれぞれ樹脂材料から構成したので、金属材料から構成する場合と比較して、仕切り手段の大幅な軽量化を図ることができるという効果がある。
そして、それら一対の挟持部材の互いの接合面を溶着手段により溶着するように構成したので、例えば、金属材料から構成した部材をかしめ手段や溶接手段により一体化する場合と比較して、迅速かつ低コストに一体化することができるという効果がある。
また、圧入手段により一体化する構成では、圧入部寸法公差の精密な管理が必要となり、管理コストが嵩むところ、本発明は、溶着手段により一体化する構成としたので、前記管理コストの低減を図ることができるという効果がある。
更に、一対の挟持部材によって弾性仕切り膜の周縁部を挟持固定する構成としたので、挟持部材と弾性仕切り膜とを加硫接着する必要がない。よって、接着剤を不要として材料コストの削減を図ることができると共に、接着剥離に起因する機能の低下を未然に回避することができるという効果がある。
また、弾性仕切り膜の第2ゴム部を軸心方向へ立ち上がるように構成すると共に、一対の挟持部材の第2ストッパ面部を第1ストッパ面部よりも軸心方向へ後退するように構成したので、仕切り手段の組み立て状態においては、第2ゴム部が第2ストッパ面部内へ入り込むことで、挟持部材に対する弾性仕切り膜の抜け防止手段を構成することができるという効果がある。
また、一対の挟持部材の互いの接合面が溶着手段により溶着された場合には、それら挟持部材の第2ストッパ面部が弾性仕切り膜の第2ゴム部を仕切り手段の軸心方向へ押圧して、その弾性仕切り膜の第2ゴム部に予圧縮が付与されるように構成したので、第2ストッパ面部間に第2ゴム部が充填され、これら第2ストッパ面部と第2ゴム部との間に隙間が生じることを抑制することができるという効果がある。
よって、空気溜まりの発生を抑制することができるので、仕切り手段を液槽外で一体化した後、その仕切り手段を液槽内で第2取付け具の筒状胴部内に挿入しても、液体封入室内への空気(気泡)の浸入を抑制することができ、その結果、組み立て性の向上を図りつつ、動的な特性を確実に確保することができるという効果がある。
また、一対の挟持部材は、その接合面に突設部と凹設部とを備え、互いに仕切り手段の軸心方向で嵌合するように構成されているので、挟持部材の互いの接合面を溶着手段により溶着する場合には、挟持部材を仮固定した状態で溶着作業を行うことができ、その作業効率の向上を図ることができるという効果がある。また、軸心方向への嵌合により、一対の挟持部材を径方向へ相対的に位置決めすることができるので、溶着作業を行う際の径方向への位置決め作業を省略することができるという効果がある。
更に、接合面に設けた突設部及び凹設部は、突設部の頂部と凹設部の底部とが当接可能に構成されているので、その突設部の突設高さ(凹設部の凹設深さ)の分だけ、当接面位置を挟持部材の一端面に近づけることができる。よって、挟持部材の一端面に配置される超音波溶着手段の振動発信器(ホーン)やレーザー溶着手段のレーザー照射器と当接面(突設部の頂部と凹設部の底部との当接面)との間の距離を近づけることができるので、その分、溶着を確実に行うことができるという効果がある。
請求の範囲第2項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第1項記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、支持板部材を金属材料から構成すると共に一対の挟持部材の内の一方にインサート成形したので、その支持部材と仕切り手段とを一体的に構成することができる。
よって、支持部材と仕切り手段とを第2取付け具の筒状胴部内へ一度に挿入することができるので、従来の液封入式防振装置のように、仕切り手段を構成する複数の部材を取付け具の筒状胴部内へそれぞれ挿入し、更に支持板部材を挿入するという複数の工程を行う必要がなく、挿入工程を簡素化することができるので、その分、組み立て性の大幅な向上を図ることができるという効果がある。
また、支持板部材と仕切り手段とを予め液槽外で一体的に形成することができれば、従来の液封入式防振装置のように、先に挿入した部材に対して相対的な回転方向を位置決めしつつ後の部材を筒状胴部内へ挿入しオリフィス出入口の位置合わせを液槽内で行うという煩雑な作業を行う必要がないので、その分、組み立て性の大幅な向上を図ることができると共に、オリフィス出入口の位置関係が不安定となることを回避することができるので、その分、動的な特性のばらつきを小さくすることができるという効果がある。
更に、支持板部材を一対の挟持部材の内の一方にインサート成形することで、一対の挟持部材と支持板部材との位置関係を強固に維持することができるという効果がある。
即ち、従来の液封入式防振装置では、オリフィス部材(一対の挟持部材に相当)を支持板部材と防振基体の保持部との間で軸心方向に挟圧固定する構成であり、オリフィス部材の回転方向への固定が不十分であったため、支持板部材の挿入工程や走行中などにオリフィス部材が回転方向へずれてオリフィス流路長が規定長さから変化してしまうという問題点があった。
これに対し、本発明では、支持板部材が挟持部材にインサート成形されているため、挟持部材が回転方向にずれることを防止することができる。その結果、オリフィス出入口の位置関係を安定化して、動的な特性などのばらつきを小さくすることができるという効果がある。
ここで、支持板部材を挟持部材の一方に圧入して一体化する構成では、支持板部材と挟持部材との位置関係を強固に維持することができるが、圧入部寸法公差の精密な管理が必要となり、管理コストが嵩むばかりか、圧入工程が必要となり、製造コストが嵩む。
これに対し、本発明のように、インサート成形により一体化する構成であれば、挟持部材の成形工程と同時に支持板部材を挟持部材と一体化することができるので、工程を簡素化して、その分、製造コストの削減を図ることができると共に、前記管理コストの低減も図ることができるという効果がある。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第1又は第2項記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第2ストッパ面は、仕切り手段の径方向内方側の端部が断面円弧状に湾曲して構成されているので、弾性仕切り膜を往復動変位しやすくして、動特性の向上(例えば、低動ばね化)を図りつつ、第2ストッパ面の端部との接触による摩耗や損傷の発生を抑制して、弾性仕切り膜の耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、一対の挟持部材の外周部には、周縁側面部が開放された断面略コ字状のオリフィス溝が形成されるように構成したので、仕切り手段を液槽外で組み立てた後、液槽内へ浸漬した場合でも、かかるオリフィス溝から空気を容易に排出することができ、その結果、空気溜まりの発生を確実に抑制することができるという効果がある。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第1から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、金属製材料から略薄板状に構成される薄板部材を弾性仕切り膜に埋設したので、比較的小振幅入力時の低動ばね特性を確保しつつ、比較的大振幅入力時の高減衰特性を確保することができ、かつ、異音の発生も回避することができるという効果がある。
例えば、いわゆる弾性膜構造(弾性仕切り膜を主及び副液室間に配置し、両液室間の液圧変動を弾性仕切り膜の往復動変位で吸収することで、小振幅入力時の低動ばね特性を得るように構成したもの)では、弾性仕切り膜の剛性が振幅によらず一定であるため、小振幅入力時の低動ばね特性を得ようとすると(例えば、膜厚を薄くする、或いは、ゴム硬度を柔らかくする)、大振幅入力時において、両液室間の液圧差が弾性仕切り膜で緩和され過ぎてしまい、流体流動効果を十分に発揮させることができなくなる(即ち、液体がオリフィスへ流動し難くなる)。その結果、減衰特性の著しい低下を招くという問題点があった。
一方、いわゆる可動膜構造(弾性仕切り膜の両側に変位規制部材を設け、その弾性仕切り膜の変位量を両側から規制して膜剛性を高めることで、大振幅入力時の高減衰特性を得るように構成したもの)では、弾性仕切り膜を変位規制部材に当接(衝突)させる構造であるため、その衝突の際に変位規制部材が振動して、その振動が車体フレームへ伝達することで異音が発生するという問題点があった。また、弾性仕切り膜に主又は副液室の液圧を伝えるための開口面積が変位規制部材の分だけ狭くなるため、液圧差を吸収し難くなり、その分、低動ばね特性が得にくくなるという問題点もあった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、比較的大振幅の振動の入力に伴って弾性仕切り膜が変位する場合には、金属材料から構成される薄板部材が弾性仕切り膜の剛性を補強して、弾性仕切り膜全体としての変形を規制することができるので、液体をオリフィスへ円滑に流動させて、流体流動効果を十分に発揮させることができる。その結果、異音を発生させることなく高減衰特性を得ることができる。
更に、薄板部材の外周縁が挟持部材の径方向内方側の端面よりも径方向外方側に位置するように構成したので、仕切り手段の軸方向視において薄板部材の外周部と一対の挟持部材とを重合させ、弾性仕切り膜の往復動変位を規制し易くすることができ、その結果、比較的大振幅の振動が入力される場合の高減衰特性をより確実に得ることができる。
また、比較的小振幅の振動が入力される場合には、弾性仕切り膜が往復動変位することで、主及び副液室間の液圧差を吸収して、低動ばね特性を得ることができる。そして、本発明の液封入式防振装置によれば、変位規制部材を設ける必要がないので、前記開口面積をより大きく確保することができ、前記液圧差をより高効率に吸収することができるので、その分、低動ばね特性を確実に得ることができる。
ここで、弾性仕切り膜の第1ゴム部を径方向外方側ほど薄肉となるテーパー状に形成した場合には、かかるテーパー形状の作用により、弾性仕切り膜を往復動変位し易くすることができるので、その分、比較的小振幅の振動が入力される場合のばね特性の更なる低動ばね化を得ることができる。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第項記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、弾性仕切り膜の略中心部に開口部を開口形成し、薄板部材の周縁部のみが前記弾性仕切り膜に埋設されるように構成したので、開口部の開口分だけゴム状弾性体の使用量を低減して、その分、材料コストの削減を図ることができるという効果がある。
また、このように、弾性仕切り膜の略中心部に開口部を設けることで、かかる開口部の開口面積を変更して、弾性仕切り膜全体としての剛性を適宜調整することができるという効果がある。その結果、所望の動的特性(例えば、高減衰特性や低動ばね特性)を得る為のチューニングを容易として、そのチューニングコストの低減を図ることができるという効果がある。
なお、このようなゴム状弾性体の使用量の低減は、従来の弾性仕切り膜では採用することが不可能(即ち、膜厚を薄くすると膜剛性の減少により減衰特性の低下を招く一方、ゴム硬度を高くして剛性を高めると、低動ばね特性が得られない)であり、本発明のように、弾性仕切り膜に薄板部材を埋設することで初めて採用可能となったものである。これにより材料コストの削減と軽量化、及び、動的特性(低動ばね特性と高減衰特性)の確保とを同時に達成することができる。
請求の範囲第7項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、弾性仕切り膜の第1ゴム部と挟持部材の第1ストッパ面部との間には、少なくとも径方向内方側に隙間が形成されるように構成したので、その分、弾性仕切り膜の往復動変位をし易くして、比較的小振幅の振動が入力される場合の低動ばね特性を得ることができるという効果がある。
請求の範囲第項記載の液封入式防振装置によれば、請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、弾性仕切り膜の第1ゴム部と挟持部材の第1ストッパ面部とは、少なくとも径方向外方側が当接し、薄板部材は、その外周縁が第1ゴム部と第1ストッパ面部との当接部よりも径方向外方側に位置するように構成されているので、その分、弾性仕切り膜の往復動変位の規制を確実化して、比較的大振幅の振動が入力される場合の高減衰特性を得ることができるという効果がある。
なお、第1ストッパ面部が第1ゴム部を軸心方向へ押圧して、その第1ゴム部に予圧縮が付与されるように構成しても良い。これにより、弾性仕切り膜の第1ゴム部のみかけの剛性が大きくなるため、その分、弾性仕切り膜をより往復動変位し難くして、減衰特性の更なる高減衰化を得ることができる。
本発明の1実施の形態における液封入式防振装置の断面図である。 (a)は、弾性仕切り膜の上面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における弾性仕切り膜の断面図である。 (a)は、上側挟持部材の上面図であり、(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における上側挟持部材の断面図である。 (a)は、下側挟持部材の上面図であり、(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における下側挟持部材の断面図である。 (a)は、仕切り体12の分解断面図であり、(b)は、仕切り体12の縦断面図である。 変形例における仕切り体12の部分拡大断面図である。
符号の説明
100 液封入式防振装置
1 第1取付け金具(第1取付け具)
2 第2取付け金具(第2取付け具)
6 筒状金具(第2取付け具の一部)
7 底金具(第2取付け具の一部)
3 防振基体
9 ダイヤフラム
11 液体封入室
11A 主液室
11B 副液室
12 仕切り体(仕切り手段)
13 弾性仕切り膜
13a 開口部
13c 第1ゴム部
13d 第2ゴム部
31 薄板部材
14 上側挟持部材(挟持部材)
15 下側挟持部材(挟持部材)
14c 張り出し壁
14a,15a 第1ストッパ面部
14b,15b 第2ストッパ面部
14e 凹設部(接合面)
14e1 底部(接合面の一部)
15c 設部
14c1 頂部(接合面の一部)
16 支持板部材
25 オリフィス
d オリフィス溝
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の形態における液封入式防振装置100の断面図である。
この液封入式防振装置100は、自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにするための防振装置であり、図1に示すように、エンジン側に取り付けられる第1取付け金具1と、エンジン下方の車体フレーム側に取付けられる筒状の第2取付け金具2と、これらを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体3とを主に備えている。
第1取付け金具1は、鉄鋼材料などから略平板状に形成され、図1に示すように、その略中央部には、取付けボルト4が上方へ向けて突設されている。また、取付けボルト4の側方には、後述するスタビライザー金具8を位置決めするための位置決めピン5が突設されている。
第2取付け金具2は、防振基体3が加硫成形される筒状金具6と、その筒状金具6の下方に取着される底金具7とを備えて構成されている。図1に示すように、筒状金具6は上広がりの開口を有する筒状に、底金具7はカップ状に、それぞれ鉄鋼材料などから形成されている。なお、底金具7の底部には、取付けボルト4が突設されると共に、位置決め凸部7aが凸状にプレス成形されている。
防振基体3は、図1に示すように、ゴム状弾性体から断面略円錐台形状に形成され、第1取付け金具1の下面側と筒状金具6の上端開口部との間に加硫接着されている。また、防振基体3の下端部には、筒状金具6の内周面を覆うゴム膜3aが連なっており、このゴム膜3aには、後述する仕切り体12の張り出し壁14cと支持板部材16とが密着されている。
防振基体3の一端部(図1右側)には、図1に示すように、突出部3bが形成されており、この突出部3bがスタビライザー金具8に当接することで、大変位時のストッパ作用が得られるように構成されている。なお、この突出部3bには、その剛性強度を確保するべく、筒状金具6の一部が埋設されている。
ダイヤフラム9は、ゴム状弾性体から部分球状を有するゴム膜状に形成されるものであり、上面視ドーナツ状の取付け板10に加硫接着されている。ダイヤフラム9は、図1に示すように、取付け板10が筒状金具6と底金具7との間でかしめ固定されることにより、第2取付金具2に取着されている。その結果、このダイヤフラム9の上面側と防振基体3の下面側との間には、液体封入室11が形成されている。
この液体封入室11には、エチレングリコールなどの不凍性の液体(図示せず)が封入される。図1に示すように、液体封入室11は、後述する仕切り体12によって、防振基体3側(図1上側)の主液室11Aと、ダイヤフラム9側(図1下側)の副液室11Bとの2室に仕切られている。
仕切り体12は、図1に示すように、ゴム状弾性体から略円板状に構成される弾性仕切り膜13と、その弾性仕切り膜13の周縁部を仕切り体12の軸心方向(図1上下方向)で挟持固定する上側及び下側挟持部材14,15と、下側挟持部材15にインサート成形される支持板部材16とを備えている。
仕切り体12の外周面側には、断面略コ字状のオリフィス溝dが形成されており、このオリフィス溝dと第2取付け金具2(筒状金具6)の内周面を覆うゴム膜3aとの間には、図1に示すように、オリフィス25が形成されている。このオリフィス25は、主液室11Aと副液室11Bとを連通させるオリフィス流路である。
なお、オリフィス25は、後述するように、上側挟持部材14の切り欠き部14c1を介して主液室11Aに連通される一方、支持板部材16の貫通孔16aを介して副液室11Bに連通されている。
仕切り体12は、図1に示すように、防振基体3に設けられた仕切り体受け部3cと支持板部材16とによって、第2取付け金具2の軸芯方向(図1上下方向)に挟持固定されている。
即ち、仕切り体受け部3cは、防振基体3の下面側の全周にわたる段部として形成され、その段部で上側挟持部材14の上端面を係止する。液封入式防振装置100の組み立て状態においては、仕切り体受け部3cが圧縮変形されており、この仕切り体受け部3cの弾性復元力が上側挟持部材14に保持力として作用することで、仕切り体12を強固かつ安定的に挟持固定することができる。
なお、図1に示すように、支持板部材16は、その内周側が下側挟持部材15にインサート成形されると共に、その外周側が第2取付け金具2(筒状金具6と底金具7との間)にかしめ固定されているので、上記仕切り体受け部3cにより保持力と相まって、仕切り体12が強固に保持されている。
その結果、大振幅や高周波数の振幅が入力された場合などでも、仕切り体12を構成する各部材のびびりを抑制することができ、各部材の位置ずれや共振などに起因する動特性への影響を回避することができる。
次に、図2から図5を参照して、仕切り体12を構成する各部材13,14,15,16について説明する。なお、図2から図5に図示する一点鎖線Oは、各部材13,14,15,16の軸心である。
まず、図2を参照して、弾性仕切り膜13について説明する。図2(a)は、弾性仕切り膜13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における弾性仕切り膜13の断面図である。
図2に示すように、弾性仕切り膜13は、ゴム状弾性体から略円板状に構成され、金属材料から略薄板状に構成される薄板部材31が埋設されている。薄板部材31は、弾性仕切り膜13と同心の略円板状に構成されている。
なお、弾性仕切り膜13の略中心部には、軸方向視略円形の開口部13a(図2(a)参照)が両面に開口形成されており、薄板部材31は、その周縁部のみが弾性仕切り膜13に埋設されている。また、薄板部材13の外周縁は、後述する第1ゴム部13cと第2ゴム部13dとの境界部に位置している。
弾性仕切り膜13は、図2に示すように、薄板部材31が埋設されると共に略一定の肉厚に形成されるゴム膜部13bと、そのゴム膜部13bよりも径方向外方側に位置すると共に径方向外方側ほど薄肉となるテーパー形状に形成される(即ち、軸心方向(図2(b)上下方向)にくびれた)第1ゴム部13cと、その第1ゴム部13cよりも径方向外方側に位置し、かつ、軸心方向へ立ち上がり第1ゴム部13cよりも高く形成される第2ゴム部13dとを備えて構成されている。
なお、弾性仕切り膜13は、第1及び第2ゴム部13c,13dが上側及び下側挟持部材14,15によって軸心方向(図2(b)上下方向)に挟持(押圧)され、仕切り体12の組み立て状態においては、第1及び第2ゴム部13c,13dに軸心方向への予圧縮が付与される(図5参照)。
このように、第1及び第2ゴム部13c,13dに予圧縮を付与することで、弾性仕切り膜13と上側及び下側挟持部材14,15との間に隙間が生じることを抑制して、空気溜まりの発生を回避することができる。
即ち、弾性仕切り膜13と上側及び下側挟持部材14,15との間に隙間を設けた場合には、仕切り体12を液槽内へ浸漬した場合に、隙間の中に空気溜まりが発生しやすくなり、動的な特性に重大な影響を与える。このように隙間に入り込んだ気泡を液槽内で完全に取り除くのは困難であり、また、その分、作業コストの上昇を招く。
次に、図3を参照して、上側挟持部材14について説明する。図3(a)は、上側挟持部材14の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における上側挟持部材14の断面図である。
上側挟持部材14は、熱可塑性の樹脂材料から略円環状に構成され、後述する下側挟持部材15と共に弾性仕切り膜13の周縁部を挟持しつつ、溶着手段により互いの接合面が溶着され、これにより下側挟持部材15及び弾性仕切り膜13と一体化される(図5参照)。
上側挟持部材14は、図3に示すように、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cを押圧する第1ストッパ面部14aと、その第1ストッパ面部14aよりも径方向外方側に位置し、かつ、第1ストッパ面部14aよりも軸心方向に後退して形成(凹設)される第2ストッパ面部14bとを備えて構成されている。なお、第1ストッパ面部14aは、径方向内方側の端部が断面円弧状に湾曲して形成されている。
また、上側挟持部材14の外周側には、図3に示すように、張り出し壁14cが径方向外方へ張り出して形成されている。張り出し壁14は、オリフィス25(図1参照)を形成するためオリフィス形成壁であり、後述する支持板部材16と所定間隔を隔てつつ対向する(図5参照)。
なお、張り出し壁14には、上面視略コ字状の切り欠き部14c1が切り欠き形成されている。この切り欠き部14c1は、オリフィス25を主液室11Aと連通するためのオリフィス出入口である。
ここで、上側挟持部材14には、図3(b)に示すように、第2ストッパ面部14bの径方向外方側に凹設部14eが凹設されており、この凹設部14eの内面が下側挟持部材15と溶着手段により溶着される接合面とされている。この凹設部14eは、後述するように、下側挟持部材15の突設部15c(図4参照)と軸心方向で嵌合可能に構成されている。
なお、仕切り体12の組み立て状態では(図5参照)、凹設部14eの底部14e1と突設部15cの頂部15c1とが当接可能に構成されており、この当接部(底部14e1と頂部15c1)が溶着手段により主に溶着される。
次に、図4を参照して、下側挟持部材15について説明する。図4(a)は、下側挟持部材15の上面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における下側挟持部材15の断面図である。
下側挟持部材15は、熱可塑性の樹脂材料から略円環状に構成され、上述したように、上側挟持部材14と共に弾性仕切り膜13の周縁部を挟持しつつ、溶着手段により互いの接合面が溶着され、これにより上側挟持部材14及び弾性仕切り膜13と一体化される(図5参照)。
下側挟持部材15は、図4に示すように、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cを押圧する第1ストッパ面部15aと、その第1ストッパ面部15aよりも径方向外方側に位置し、かつ、第1ストッパ面部15aよりも軸心方向に後退して形成(凹設)される第2ストッパ面部15bとを備えて構成されている。なお、第1ストッパ面部15aは、径方向内方側の端部が断面円弧状に湾曲して形成されている。
ここで、下側挟持部材15には、図4(b)に示すように、第2ストッパ面部15bの径方向外方側に突設部15cが突設されており、この設部15cの外面が上側挟持部材14と溶着手段により溶着される接合面とされている。この設部15cは、上述したように、上側挟持部材14の凹設部14e(図3参照)と軸心方向で嵌合可能に構成されている。
なお、仕切り体12の組み立て状態では(図5参照)、上述したように、突設部15cの頂部15c1と凹設部14eの底部14e1とが当接可能に構成されており、この当接部(頂部15c1と底部14e1)が溶着手段により主に溶着される。
下側挟持部材15には、図4に示すように、金属材料から構成される支持板部材16がインサート成形されている。支持板部材16は、下側挟持部材15の外周側から径方向外方へ張り出して形成され、これにより、仕切り体12の外周部には、周縁側面部が開放された断面略コ字状のオリフィス溝dが形成される(図1及び図5参照)。
なお、支持板部材16には、上面視略長穴状の貫通孔16aが板厚方向(図4(b)上下方向)に貫通形成されている。この貫通孔16aは、オリフィス25を副液室11Bと連通するためのオリフィス出入口である。
また、貫通孔16aの側方(図4(a)上側)には、オリフィス25を周方向に隔離する縦壁15dが形成されている。
次に、図5を参照して、仕切り体12を複数の部材から一体化する方法について説明する。図5(a)は、仕切り体12の分解断面図であり、図5(b)は、仕切り体12の縦断面図である。
図5(a)に示すように、弾性仕切り膜13を上側及び下側挟持部材14,15によって両側から挟持する。この場合、まず、上側挟持部材14の凹設部14eに下側挟持部材15の設部15cに圧入(嵌合)することで仮固定および径方向(図5(a)左右方向)の位置決めを行い、次いで、上側挟持部材14を下側挟持部材15へ向けて軸心方向へ更に押し込むことで、上側及び下側挟持部材14,15の接合面(即ち、凹設部14eの底部14e1と設部15cの頂部15c1)を互いに当接させる。
これにより、上側及び下側挟持部材14,15の第1及び第2ストッパ面部14a,14b,15a,15bが弾性仕切り膜13の第1及び第2ゴム部13c,13dを軸心方向(図5(a)上下方向)へ押圧して、かかる第1及び第2ゴム部13c,13dに予圧縮が付与される。その結果、第1及び第2ゴム部13c,13dは、第1及び第2ストッパ面部14a〜15bにより囲まれる空間内に充填される。
そして、互いに当接された上側及び下側挟持部材14,15の接合面(即ち、凹設部14eの底部14e1と設部15cの頂部15c1)を溶着手段により溶着する。これにより、図5(b)に示すように、仕切り手段12が複数の部材13〜16により一体的に構成される。
ここで、溶着手段としては、例えば、超音波溶着法やレーザー溶着法などの公知の技術が例示される。超音波溶着法は、上側及び下側挟持部材14,15の接合面(即ち、凹設部14eの底部14e1と設部15cの頂部15c1)に圧力と超音波による振動を加え、その摩擦熱によって接合面における樹脂材料を溶融・接合するものである。
また、レーザー溶着法は、上側挟持部材14を光透過性の熱可塑性樹脂材料から構成する一方、下側挟持部材15を光吸収性の熱可塑性樹脂材料から構成し、接合面(即ち、凹設部14eの底部14e1と設部15cの頂部15c1)に圧力を加えながらその境界付近にレーザービームの焦点を合わせて照射することで、設部15cの頂部15c1(光吸収性の樹脂材料)を発熱させると共に、その熱が凹設部14eの底部14e1にも伝わることで、接合面を溶融・接合するものである。
なお、接合面の上記溶着手段による溶着は、周方向に部分的(例えば、周方向に90°間隔に4カ所)に行われるものであっても良く、或いは、周方向全周に行われるものであっても良い。部分的に行うものであれば、溶着コストを削減することができる一方、全周に行うものであれば、接合強度の信頼性を確保することができる。
ここで、仕切り体12の組み立て状態においては、図5(b)に示すように、薄板部材13の外周縁が上側及び下側挟持部材14,15の径方向内方側の端面よりも径方向外方側に位置するように構成されている。そのため、仕切り体12の軸心方向視においては、薄板部材13の外周縁が上側及び下側挟持部材14,15と重合するように構成されている。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、本発明の適用対象として、自動車のエンジンと車体フレームとの間に設けられる液封入式防振装置を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の液封入式防振装置に本発明を適用することは当然可能である。例えば、トランスミッションと車体フレームとの間に設けられる液封入式防振装置に本発明を適用しても良い。
また、上記実施の形態では、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cに上側及び下側挟持部材14,15の第1ストッパ面部14a,15aから軸心方向への予圧縮が付与される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、仕切り体12の組み立て状態において、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cと上側及び下側挟持部材14,15の第1ストッパ面部14a,15aとの間に隙間が設けられるように構成しても良い。これにより、弾性仕切り膜13の往復動変形をし易くして、比較的小振幅の振動が入力される場合に、低動ばね特性を確保することができる。
或いは、これらを組み合わせて構成しても良い。具体的には、図6に示すように、径方向内方側(図6左側)においては、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cと上側及び下側挟持部材14,15の第1ストッパ面部14a,15aとの間に隙間が形成される一方、径方向外方側(図6右側)においては、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cと上側及び下側挟持部材14,15の第1ストッパ面部14a,15aとが当接(接触)するように構成するのである。
この場合、径方向外方側においては、弾性仕切り膜13の第1ゴム部13cに軸心方向への予圧縮が付与されるように構成しても良い。更に、図6に示すように、薄板部材31の外周縁が第1ゴム部13cと第1ストッパ面部14a,15aとの当接部よりも径方向外方側に位置するように構成しても良い。これにより、比較的小振幅の振動が入力される場合の低動ばね特性を確保しつつ、比較的大振幅の振動が入力される場合の高減衰特性を得ることができる。

Claims (8)

  1. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、その第2取付け具と前記第1取付け具とを連結し、ゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り手段と、前記第2取付け具に取り付けられて前記仕切り手段を前記防振基体との間に挟持固定する支持板部材と、前記主液室と副液室とを連通させるオリフィスとを備える液封入式防振装置において、
    前記仕切り手段は、ゴム状弾性体から構成される弾性仕切り膜と、その弾性仕切り膜の周縁部を前記仕切り手段の軸心方向で挟持固定する一対の略円環状の挟持部材とを備え、
    前記一対の挟持部材を熱可塑性の樹脂材料から構成し、互いの接合面を溶着手段により溶着することで、前記仕切り手段が前記複数の部材から一体的に構成され
    前記弾性仕切り膜は、その径方向外方側ほど薄肉のテーパー状に構成される第1ゴム部と、その第1ゴム部よりも径方向外方側に位置すると共に軸心方向に立ち上がる第2ゴム部とを備え、前記一対の挟持部材は、前記弾性仕切り膜の第1ゴム部を受け止め可能な第1ストッパ面部と、その第1ストッパ面部よりも軸心方向に後退して位置すると共に前記弾性仕切り膜の第2ゴム部を受け止め可能な第2ストッパ面部とを備え、前記一対の挟持部材の互いの接合面が前記溶着手段により溶着された場合には、前記一対の挟持部材の第2ストッパ面部が前記弾性仕切り膜の第2ゴム部を前記仕切り手段の軸心方向へ押圧することで、その弾性仕切り膜の第2ゴム部に予圧縮が付与されるように構成され、
    前記一対の挟持部材は、一方の接合面から前記第2ストッパ面部の径方向外方側に突設される突設部と、前記凹設部は、他方の接合面から前記第2ストッパ面部の径方向外方側に凹設される凹設部とを備え、
    記弾性仕切り膜を前記一対の挟持部材によって両側から挟持し、前記凹設部に前記凸設部を嵌合することで仮固定および径方向の位置決めを行い、前記一対の挟持部材を軸心方向へ更に押し込むことで、前記凹設部の底部と前記凸設部の頂部とを互いに当接させることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記支持板部材が金属材料から構成されると共に前記一対の挟持部材の内の一方にインサート成形されることで、その支持板部材と前記仕切り手段とが一体的に構成されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の液封入式防振装置。
  3. 前記一対の挟持部材の第2ストッパ面部は、前記仕切り手段の径方向内方側の端部が断面円弧状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求の範囲第1又は第2項記載の液封入式防振装置。
  4. 前記支持板部材が前記一対の挟持部材の内の一方の外周面から径方向外方へ張り出して形成されると共に、その支持板部材と所定間隔を隔てつつ対向する張り出し壁が前記一対の挟持部材の内の一方または他方から径方向外方へ張り出して形成されることで、前記仕切り手段の外周部には、周縁側面部が開放された断面略コ字状のオリフィス溝が形成されていることを特徴とする請求の範囲第から第項に記載の液封入式防振装置。
  5. 前記弾性仕切り膜には、金属製材料から略薄板状に構成される薄板部材が埋設されており、その薄板部材の外周縁が前記一対の挟持部材の径方向内方側の端面よりも前記径方向外方側に位置するように構成されていることを特徴とする請求の範囲第1から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置。
  6. 前記弾性仕切り膜は、略中心部に開口部が開口形成されており、
    前記薄板部材の周縁部のみが前記弾性仕切り膜に埋設されるように構成されていることを特徴とする請求の範囲第項に記載の液封入式防振装置。
  7. 前記一対の挟持部材の第1ストッパ面部は、少なくとも前記仕切り手段の径方向内方側が前記弾性仕切り膜の第1ゴム部から離間されており、それら第1ストッパ面部と第1ゴム部との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置。
  8. 前記一対の挟持部材の第1ストッパ面部は、少なくとも前記仕切り手段の径方向外方側が前記弾性仕切り膜の第1ゴム部に当接されており、
    前記薄板部材は、その外周縁が前記第1ストッパ面部と第1ゴム部との当接部よりも前記径方向外方側に位置するように構成されていることを特徴とする請求の範囲第から第項のいずれかに記載の液封入式防振装置。
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