JP2006057675A - 液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニット - Google Patents

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利文 坂田
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Abstract

【課題】 比較的小振幅の振動入力時の低動ばね特性を得つつ、異音を十分に低減することができる液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニットを提供すること。
【解決手段】 弾性仕切り膜10が往復動変位することで、両液室6A,6B間の液圧変動を吸収して、低動ばね特性を得ることができる。更に、第1取付け金具1を車体フレーム側に連結される車体フレーム側連結手段として構成すると共に、第2取付け金具2をエンジン側に連結される振動発生体側連結手段として構成したので、仕切り手段7から車体フレームBFまでの振動伝達経路の一部を防振基体3によって形成することができる。その結果、仕切り手段7において、弾性仕切り膜10が板部材に衝突して振動が発生したとしても、その振動が車体フレームへ伝達されることを、振動伝達経路の一部を構成する防振基体3の振動絶縁効果により、確実に抑制して、異音の発生を大幅に低減することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニットに関し、特に、比較的小振幅の振動入力時の低動ばね特性を得つつ、異音を十分に低減することができる液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニットに関するものである。
自動車のエンジンやトランスミッションなどの振動発生体を支持固定しつつ、その振動を車体フレームへ伝達させないようにする防振装置として、液封入式防振装置が知られている。
この液封入式防振装置は、一般に、エンジン側に取り付けられる第1取付け具と、車体フレーム側に取り付けられる第2取付け具とが、ゴム状弾性体から構成される防振基体で連結される。そして、第2取付け具に取付けられたダイヤフラムにより、そのダイヤフラムと防振基体との間に液封入室が形成される。
液封入室は、仕切り手段によって第1液室および第2液室の2室に仕切られ、これら第1及び第2液室とは、オリフィスによって互いに連通される。この液封入式防振装置によれば、オリフィスによる第1及び第2液室間の流体流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能とを果す。
また、仕切り手段が、弾性仕切り膜と、その弾性仕切り膜の変位量をその両側から規制する一対の変位規制部材とを備えて構成されている液封入式防振装置がある。
この種の液封入式防振装置によれば、比較的小振幅の振動が入力される場合には、弾性仕切り膜が往復動変位することで、両液室間の液圧変動を吸収して、低動ばね特性を得ることができる。一方、例えば、走行路面の凹凸などに起因して、比較的大振幅の振動が入力される場合には、弾性仕切り膜の変位量を変位規制部材で両側から規制して膜剛性を高めることで、流体がオリフィスを介して両液室間で流動し易くして、高減衰特性を得ることができる。
しかしながら、この種の液封入式防振装置では、弾性仕切り膜を変位規制部材に衝突(当接)させる構造であるため、その衝突の際に変位規制部材が振動し、その振動が車体フレームへ伝達されることで、異音が発生するという問題点があった。
この問題点に対しては、例えば、膜厚の厚肉化やゴム硬度の高硬度化により、弾性仕切り膜の膜剛性を高め、弾性仕切り膜が往復動変位し難くすることで、変位規制部材との衝突を回避して、異音の発生を抑制することができるが、この場合には、弾性仕切り膜が両液室間の液圧変動に追従変形し難くなるため、その液圧変動の吸収が困難となり、低動ばね特性が得られなくなる。
そこで、従来は、例えば、特開平6−221368号公報に開示されているように、変位規制部材に放射状のリブを設けることで、弾性仕切り膜と変位規制部材との接触面積を小さくして、異音の発生を抑制していた(特許文献1)。
特開平6−221368号(図4など)
しかしながら、上述した従来の構成では、弾性仕切り膜と変位規制部材との衝突に起因して発生する異音を十分低減することができないという問題点があった。また、上述した従来の構成では、弾性仕切り膜を効率的に往復動変位させることができず、十分な低動ばね特性をえることができないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、比較的小振幅の振動入力時の低動ばね特性を得つつ、異音を十分に低減することができる液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニットを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、その第2取付け具と前記第1取付け具とを連結し、ゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、その仕切り手段の外周面と前記第2取付け具の内周面との間に形成され、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備え、前記仕切り手段は、ゴム状弾性材から構成される弾性仕切り膜と、その弾性仕切り膜の変位量をその両側から規制する一対の変位規制部材とを備えると共に、それら一対の変位規制部材が開口部をそれぞれ備えて構成されるものであり、前記開口部は、前記変位規制部材の径方向中央側に形成される第1開口部と、その開口部の周囲に分散して形成される複数の第2開口部とを備え、前記弾性仕切り膜は、その軸心方向視において前記第1開口部内に位置する径方向中央側の厚肉部と、その厚肉部の径方向外方側に位置すると共に前記厚肉部よりも薄肉に形成されることで前記一対の変位規制部材から離間して位置する薄肉部と、その薄肉部の周縁部に位置すると共に前記第2開口部よりも径方向外方側で前記一対の変位規制部材間に挟持固定される固定部と、前記薄肉部の一方の面側において前記厚肉部の周囲に分散して位置しつつ前記厚肉部と薄肉部との境界部に一体に形成されると共に前記一対の変位規制部材の一方から離間する第1リブと、前記薄肉部の他方の面側において前記厚肉部の周囲に分散して位置しつつ前記厚肉部と薄肉部との境界部に一体に形成されると共に前記一対の変位規制部材の他方から離間する第2リブとを備え、前記第1取付け具を車体フレーム側に連結される車体フレーム側連結手段として構成すると共に、前記第2取付け具を振動発生体側に連結される振動発生体側連結手段として構成することで、前記仕切り手段から前記車体フレームまでの振動伝達経路の一部が前記防振基体によって構成されている。
請求項2記載の液封入式防振装置は、請求項1記載の液封入式防振装置において、前記第1及び第2リブは、前記弾性仕切り膜の軸心方向視において、その軸心に対して放射状に、かつ、周方向等間隔に配設されている。
請求項3記載の液封入式防振装置は、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置において、前記第1及び第2リブは、前記一対の変位規制部材と対向する側の面に突設される頂部をそれぞれ備えており、その頂部は、前記仕切り手段の組み立て時において、前記一対の変位規制部材と離れて位置するように高さ寸法が設定されている。
請求項4記載の液封入式防振装置は、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置において、前記第1及び第2リブは、前記一対の変位規制部材と対向する側の面に突設される頂部をそれぞれ備えており、その頂部は、前記仕切り手段の組み立て時において、前記一対の変位規制部材に当接するように高さ寸法が設定されている。
請求項5記載の液封入式防振装置は、請求項1から4のいずれかに記載の液封入式防振装置において、前記薄肉部の少なくとも一方の面側には、前記第1又は第2リブが形成される残部に補助リブが形成され、その補助リブは、少なくとも前記第1及び第2リブよりもリブ高さが低く、かつ、リブ幅が狭くなるように構成されている。
請求項6記載の液封入式防振装置ユニットは、請求項1から5のいずれかに記載の液封入式防振装置と、その液封入式防振装置を前記振動発生体側に連結する振動発生体側ブラケットとを備えるものであり、前記第2取付け具は、小径筒部と、その小径筒部よりも大径に形成される大径筒部と、その大径筒部と前記小径筒部とを連結する段差部とを備えると共に、前記大径筒部が前記振動発生体側ブラケットの内周部へ内嵌圧入されるものであり、前記振動発生体側ブラケットの内周部には、その内周部に内嵌圧入された前記第2取付け具の段差部に当接可能な当接部が径方向内方側に張り出して形成されている。
請求項7記載の液封入式防振装置ユニットは、請求項6記載の液封入式防振装置ユニットにおいて、前記第2取付け具は、前記大径筒部が前記小径筒部よりも前記第1取付け具側に位置すると共に、その大径筒部を前記振動発生体側ブラケットの内周部に内嵌圧入するものであり、その内嵌圧入状態では、前記第2取付け具の段差部が前記振動発生体側ブラケットの当接部よりも前記第1取付け具側に位置するように構成されている。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、弾性仕切り膜を厚肉部と薄肉部とから構成すると共に、厚肉部を径方向中央側に、薄肉部を径方向外方側に、それぞれ形成したので、かかる弾性仕切り膜を往復動変位し易くして、第1及び第2液室間の液圧変動に容易に追従変形させることができる。その結果、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性を確実に得ることができるという効果がある。
また、弾性仕切り膜の厚肉部を軸心方向視において第1開口部内に位置するように構成したので、第1及び第2液室間の液圧変動を、第1開口部を介して、弾性仕切り膜の厚肉部へ効率的に伝達させることができる。その結果、上述した液圧変動に対する弾性仕切り膜の追従変形をより効率的に行わせて、低動ばね特性をより確実に得ることができるという効果がある。
一方、比較的大振幅の振動が入力される場合には、第1又は第2リブが変位規制部材へ当接することで、弾性仕切り膜の往復動変位を規制して、その膜剛性を高めることができる。その結果、両液室間を流体が流動し易くすることができるので、流体流動効果による減衰機能を効率的に発揮させ、高減衰特性を得ることができるという効果がある。
しかも、第1及び第2リブを厚肉部と薄肉部との境界部に形成したので、第1及び第2リブが変位規制部材に当接することで、肉厚部の剛性を効果的に利用して、弾性仕切り膜全体としての剛性をより高めることができるという効果があり、その結果、上述したように、高減衰特性を確実に得ることができる。
そして、この場合(比較的大変位の入力時)でも、第1及び第2リブを厚肉部の周囲に分散した状態に配置しているので、弾性仕切り膜と変位規制部材との接触面積を小さくして、その分、弾性仕切り膜と変異規制部材との衝突に起因する異音の発生を抑制することができるという効果がある。
更に、第1取付け具を車体フレーム側に連結される車体フレーム側連結手段として構成すると共に、第2取付け具を振動発生体側に連結される振動発生体側連結手段として構成したので、仕切り手段(弾性仕切り膜及び変位規制部材)から車体フレームまでの振動伝達経路の一部を防振基体によって構成することができる。
その結果、弾性仕切り膜が変位規制部材に衝突して、変位規制部材が振動したとしても、その振動が車体フレームへ伝達されることを、振動伝達経路の一部を構成する防振基体の振動絶縁効果により、確実に抑制して、異音の発生を大幅に低減することができるという効果がある。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第1及び第2リブを、弾性仕切り膜の軸心方向視において、その軸心に対して放射状に、かつ、周方向等間隔に配設したので、厚肉部をその周囲から均一な力で支持することができるという効果がある。その結果、厚肉部に偏った力が作用することを防止して、耐久性の向上を図ることができると共に、上記した膜剛性の向上効果もより効果的に発揮させることができる。
請求項3記載の液封入式防振装置によれば、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第1及び第2リブの変位規制部材と対向する側の面に頂部を形成すると共に、その頂部が変位規制部材から離れて位置するようにその高さ寸法を設定したので、弾性仕切り膜をより往復動変位し易くして、第1及び第2液室間の液圧変動に対してより容易に追従変形させることができるという効果がある。その結果、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性を確実に得ることができるという効果がある。
更に、低動ばね特性を得るべく、頂部の高さ寸法を変位規制部材から離間する寸法に設定しても、第1及び第2リブが変位規制部材に衝突する場合には、その頂部がクッションの役割を果たすことで、第1及び第2リブを変位規制部材に緩やかに衝突させることができる。その結果、低動ばね特性を得つつ、異音の大幅な低減を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の液封入式防振装置によれば、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第1及び第2リブの変位規制部材と対向する側の面に頂部を形成すると共に、その頂部が変位規制部材に当接するようにその高さ寸法を設定したので、比較的大振幅の振動の入力に伴って第1及び第2リブが変位規制部材に衝突する場合には、頂部が抵抗となって、第1及び第2リブを変位規制部材に緩やかに衝突させることができるので、異音の発生を確実に低減することができるという効果がある。
更に、変位規制部材と当接するのは頂部のみであるから、弾性仕切り膜の往復動変位が妨げられることを最小限に抑制して、第1及び第2液室間の液圧変動に弾性仕切り膜を十分に追従変形させることができる。その結果、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性を確実に得ることができるという効果がある。
請求項5記載の液封入式防振装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、薄肉部の少なくとも一方の面側には、第1又は第2リブが形成される残部に補助リブが形成されているので、弾性仕切り膜中で強度的に劣る薄肉部を補強することができる。よって、振動入力時の変位に伴って薄肉部が破損等することを抑制して、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
また、その補助リブは、第1及び第2リブよりもリブ高さが低く、かつ、リブ幅が狭くなるように構成されているので、弾性仕切り膜全体としての剛性が上昇することを抑制して、比較的小振幅の振動が入力される際の低動ばね特性を維持することができるという効果がある。
更に、比較的大振幅の振動の入力に伴って薄肉部が変位規制部材に衝突する場合には、補助リブがクッションの役割を果たすことで、薄肉部を変位規制部材に緩やかに衝突させることができるので、異音の発生をより確実に低減することができるという効果がある。
請求項6記載の液封入式防振装置ユニットによれば、請求項1から5のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第2取付け具に段差部を設けると共に、振動発生体側ブラケットの内周部に当接部を設けたので、第2取付け具を振動発生体側ブラケットの内周部に内嵌圧入する場合には、段差部を当接部に当接させることで、圧入方向の位置決めを行うことができるという効果がある。更に、大振幅の振動の入力に伴って第2取付け具に対して圧入方向への加重が作用した場合には、段差部が当接部に当接することで、第2取付け具が振動発生体側ブラケットの内周部から抜けてしまうことを回避することができるという効果がある。
請求項7記載の液封入式防振装置ユニットによれば、請求項6記載の液封入式防振装置ユニットの奏する効果に加え、大径筒部が小径筒部よりも第1取付け具側に位置するように第2取付け具を構成すると共に、その大径筒部を振動発生体側ブラケットの内周部に内嵌圧入した場合には、第2取付け具の段差部が振動発生体側ブラケットの当接部よりも第1取付け具側に位置するように構成されているので、第2取付け具が振動発生体側ブラケットの内周部から抜けてしまうことをより確実に回避することができるという効果がある。
即ち、上記構成によれば、振動発生体を支持固定した後、振動発生体側ブラケットが分担荷重方向へ変位する場合(即ち、第2取付け具が第1取付け具へ向けて変位する場合)には、圧縮変形された防振基体の弾性回復力が第2取付け具の移動を妨げる力として働くので、第2取付け具が振動発生体側ブラケットの内周部から抜けやすくなるところ、請求項7記載の液封入式防振装置ユニットによれば、第2取付け具の段差部が振動発生体側ブラケットの当接部に当接することで、上記抜けを回避することができる。
なお、振動発生体側ブラケットが分担荷重と反対方向へ変位する場合(即ち、第2取付け具が第1取付け具から離れる方向へ変位する場合)には、圧縮変形された防振基体の弾性回復力が第2取付け具の移動を補助する力として働き、第2取付け具が振動発生体側ブラケットの内周部から抜け難くなるので、上記抜けを防止する手段は不要となる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施例における液封入式防振装置100の使用状態を示す模式図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、図1(a)の矢印Ib方向から見た側面図である。
液封入式防振装置100は、自動車のエンジンEGを支持固定しつつ、そのエンジンEGの振動を車体フレームBFへ伝達させないようにするための防振装置であり、図1に示すように、車体フレーム側ブラケットB1を介して車体フレームBFに連結される一方、エンジン側ブラケットB2を介してエンジンEGに連結される。
なお、車体フレーム側ブラケットB1は、取付け穴B1aに挿通されたボルト(図示せず)により車体フレームBFに締結固定され、エンジン側ブラケットB2は、取付け穴B2aに挿通されたボルト(図示せず)をによりエンジン側部材EG1に締結固定される。従って、エンジンEGを支持固定する液封入式防振装置100には、図1(b)の下方向へ向けて分担荷重が作用する。
図2は、図1(a)のII−II線における液封入式防振装置100の断面図である。なお、図2では、第1取付け金具1の断面視を省略して図示している。
液封入式防振装置100は、図2に示すように、車体フレーム側ブラケットB1を介して車体フレームBF(図1(b)参照)側に取り付けられる第1取付け金具1と、エンジン側ブラケットB2を介してエンジンEG(図1(b)参照)側に取付けられる筒状の第2取付け金具2と、これらを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体3とを主に備えている。
第1取付け金具1は、図2に示すように、アルミニウム合金などから軸心回りに対称な上窄まりの断面略円錐台形状に形成され、その下端面には、車体フレームB1との締結固定用のめねじ部11が上方へ向けて凹設されている。また、めねじ部11の側方には、車体フレーム側ブラケットB1の凹部に嵌合する位置決めピン12が突設されている。
第2取付け金具2は、図2に示すように、鉄鋼材料から上下端(図2上側及び下側)が開口した筒状に構成されている。なお、第2取付け金具2は、段差を有して構成されており、その段差の下側(図2下側)が大径筒部2aとされ、段差の上側(図2上側)が小径筒部2bとされている。なお、第2取付け金具2は、図2に示すように、その大径筒部2aがエンジン側ブラケットB2の内周部に内嵌圧入されている。
防振基体3は、図2に示すように、ゴム状弾性体から軸心回りに対称な下窄まりの断面略円錐台形状に形成され、第1取付け金具1の上端面及び側面と第2取付け金具2の下端側(主に大径筒部2a)内周部との間に加硫接着されている。
このように、本実施例の液封入式防振装置100によれば、第1取付け金具1を車体フレームBF側に連結される車体フレーム側連結手段として構成すると共に、第2取付け金具2をエンジンEG(振動発生体)側に連結される振動発生体側連結手段として構成したので、後述する仕切り手段7から車体フレームBFまでの振動伝達経路の一部が防振基体3によって構成される。
その結果、仕切り手段7において、後述するように、弾性仕切り膜10が板部材84,94に衝突して、その板部材84,94が振動したとしても、その振動が車体フレームBFへ伝達されることを、振動伝達経路の一部を構成する防振基体3の振動絶縁効果により、確実に抑制して、異音の発生を大幅に低減することができる。
防振基体3の上端部(図2上側)には、図2に示すように、第2取付け金具2(主に小径筒部2b)の内周面を覆うゴム膜31が連設されており、このゴム膜31には、後述するオリフィス部材8のオリフィス形成壁81(図3参照)、板部材9の外周部、及び、ダイヤフラム5の取付け金具51がそれぞれ密着されている。
ダイヤフラム5は、図2に示すように、ゴム状弾性体から部分球状を有するゴム膜状に構成されるものであり、第2取付け金具2(小径筒部2b)の上端部(図2上側)に取着されている。その結果、このダイヤフラム5の下面側と防振基体3の上面側との間には、液体封入室6が形成されている。
この液体封入室6には、エチレングリコールなどの不凍性の液体(図示せず)が封入されている。また、液体封入室6は、図2に示すように、後述する仕切り手段7(オリフィス部材8、板部材9、及び、弾性仕切り膜10)によって、防振基体3側(図2下側)の第1液室6Aと、ダイヤフラム5側(図2上側)の第2液室6Bとの2室に仕切られている。
なお、ダイヤフラム5は、上面視ドーナツ状の取付け金具51に加硫接着されており、図2に示すように、その取付け金具51を介して、第2取付け金具2の上端部(図2上側)に取着されている。
仕切り手段7は、上述したように、液体封入室6を第1液室6Aと第2液室6Bとに仕切るものであり、金属材料から略円柱状に構成されるオリフィス部材8と、金属材料から略円板状に構成される板部材9と、ゴム状弾性体から略円板状に構成される弾性仕切り膜10とを備えている。
オリフィス部材8の外周側には、図2に示すように、第2取付け金具2の内周側(ゴム膜32)との間にオリフィス20が形成されている。このオリフィス20は、第1液室6Aと第2液室6Bとを連通させるオリフィス流路である。
なお、オリフィス20は、オリフィス部材8のオリフィス形成壁81に切り欠き形成される切欠き部83(図3参照)を介して、第2液室6Bに連通される一方、板部材9の外周縁部に切り欠き形成される切り欠き部93(図4参照)を介して、第2液室6Bに連通されている。
ここで、液封入式防振装置100の組み立ては、まず、第2取付け金具2の上端側(図2上側)開口部から仕切り手段7とダイヤフラム5とを順に嵌め込み、次いで、第2取付け金具2の小径筒部2b全体を径方向(図2左右方向)に縮径加工(絞り加工)することにより行われる。
その結果、仕切り手段7(板部材9)は、図2に示すように、防振基体3に設けた仕切り手段受け部32とダイヤフラム5との間で、液封入式防振装置100の軸芯方向(図2上下方向)に挟持固定される。なお、仕切り手段受け部32は、防振基体3の上面側の複数箇所(或いは全周)に段部として形成されており、その段部によって仕切り手段7(板部材9)の下端面(図2下側面)を受け止める。
この組み立て状態においては、仕切り手段受け部32が圧縮変形されており、この仕切り手段受け部32の弾性復元力が仕切り手段7の保持力としてその仕切り手段7の下端面に作用されている。これにより、大振幅や高周波数の振幅が入力された場合などでも、仕切り手段7を強固かつ安定的に挟持固定して、各部材8,9,10の位置ずれや共振などに起因する動的な特性への影響を回避することができる。
次いで、図3から図7を参照して、仕切り手段7を構成する各部材8,9,10について順次説明する。なお、各部材8,9,10の説明においては、仕切り手段7の上面図およびその断面図である図7を適宜参照する。
まず、図3を参照して、仕切り手段7を構成するオリフィス部材8について説明する。図3(a)は、オリフィス部材8の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線におけるオリフィス部材8の断面図である。
オリフィス部材8は、図3に示すように、例えば、アルミニウムなどの金属材料から軸芯を有し内周側が空洞の略円筒状に形成されている。オリフィス部材8の軸方向上端(図3(b)上側)には、略フランジ状のオリフィス形成壁81が全周にわたって突設されている。
また、オリフィス部材8の外周部には、オリフィス20(図1参照)を周方向に分断する縦壁82が突設されている。更に、オリフィス形成壁81には、図3(a)に示すように、その外周縁部に切欠き部83が上面視略コ字状に切り欠き形成されている。上述したように、オリフィス20は、この切り欠き部83を介して、第2液室6Bに連通する(図2参照)。
オリフィス部材8の内周側には、図3に示すように、厚さ一定の板部材84が一体に形成されており、その板部材84には、複数(本実施例では5個)の開口部(第1及び第2開口部84a,84b)が開口形成されると共に、それら第1及び第2開口部84a,84bの周縁に沿って変位規制部84c〜84eが形成されている。
第1開口部84aは、図3に示すように、板部材84の径方向中央において円形に開口形成され、第2開口部84bは、第1開口部84aの周囲に複数(本実施例では4個)が分散して開口形成されている。なお、各第2開口部84bは、周方向に沿う環状の孔を放射状に分断した形状であり、互いに同一の大きさ、形状で、第1開口部84aの軸心周りに点対称に配置されている。
また、図3(a)に示すように、変位規制部84c及び84eは、第1開口部84aと同心の環状に形成され、変位規制部84dは、第1開口部84aの軸心に対して放射直線状に形成されている。なお、変位規制部84cと変位規制部84dとの幅寸法は、互いに略同一幅で構成されると共に、上記した第2開口部84bの開口幅(図3(b)左右方向幅)よりも狭い幅寸法とされている。その結果、弾性仕切り膜10との接触面積を小さくすると共に、その弾性仕切り膜10へ液室6B(図2参照)からの液圧変動を効率的に伝達させることができる。
次いで、図4を参照して、仕切り手段7を構成する板部材9について説明する。図4(a)は板部材9の上面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における板部材9の断面図である。
板部材9は、図4に示すように、アルミニウム合金などの金属材料から軸心を有し厚さ一定の略円板状に形成されており、その外周縁部には、切欠き部93が上面視略コ字状に切り欠き形成されている。上述したように、オリフィス20は、切り欠き部93を介して、第1液室6Aに連通する(図2参照)。
板部材9には、上述したオリフィス部材8の板部材84と同様に、複数(本実施例では5個)の開口部(第1及び第2開口部94a,94b)が開口形成されると共に、それら第1及び第2開口部94a,94bの周縁に沿って変位規制部94c〜94eが形成されている。
なお、これら第1及び第2開口部94a,94b及び変位規制部94c〜94eは、上述したオリフィス部材8の板部材84に形成される第1及び第2開口部84a,84b及び変位規制部84c〜84eと同一のパターン(位置、大きさ、形状など)で構成されるものであるので、その説明は省略する。
次いで、図5及び図6を参照して、仕切り手段7を構成する弾性仕切り膜10について説明する。図5(a)は、弾性仕切り膜10の上面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線における弾性仕切り膜10の断面図である。また、図6は、弾性仕切り膜10の部分拡大断面図である。
弾性仕切り膜10は、板部材84,94の対向面間に収容され(図7参照)、第1及び第2液室6A,6B間の液圧差を緩和する作用を奏するものであり、ゴム状弾性体から略円板状に構成されると共に、図5に示すように、厚肉部11と、薄肉部12と、固定部13と、第1及び第2リブ14,15とを主に備えている。
厚肉部11は、図5に示すように、弾性仕切り膜10の径方向略中央に位置すると共に、上面視略円形に形成されている。また、厚肉部11の直径寸法は、仕切り手段7の組み立て状態における軸心方向視で、上述した第1開口部84a,94a(図3及び図4参照)内に位置する(即ち、軸心方向視において重ならない)ように設定されている(図7参照)。
薄肉部12は、図5及び図6に示すように、厚肉部11の径方向外方側に位置すると共に、その厚肉部11よりも薄肉(例えば、厚肉部11の1/4〜1/2の厚み)に形成されている。なお、薄肉部12は、厚肉部11の厚み方向中間部に接続されており、上述した板部材84,94から離間して位置する(図7参照)。
固定部13は、図5及び図6に示すように、薄肉部12の周縁部における一方の面側及び他方の面側にそれぞれ立設されており、上述した第2開口部84b,94b(図3及び図4参照)よりも径方向外方側において板部材84,94(変位規制部84e,94e)間に挟持固定される(図7参照)。
固定部13の頂部には、図6に示すように、断面略円弧状の凸部13aが突設されており、仕切り手段7の組み立て状態においては、この凸部13aがシール部の役割を担うことで、第1及び第2液室6A,6B間の流体のリーク(漏出)が防止されている。
なお、図6に示すように、両凸部13a間における弾性仕切り膜10の厚み寸法(図6上下方向寸法)は、厚肉部11における厚み寸法、及び、後述する頂部14a,15a間における厚み寸法よりも厚くされている。
第1及び第2リブ14,15は、図5及び図6に示すように、薄肉部12の一方の面側及び他方の面側において、厚肉部11の周囲に複数(本実施例では片面8個)が分散した状態で位置し、厚肉部11と薄肉部12との境界部に一体に形成されている。
以上のように、弾性仕切り膜10を厚肉部11と薄肉部12とから構成すると共に、厚肉部11を径方向中央側に、薄肉部12を径方向外方側に、それぞれ形成したので、かかる弾性仕切り膜10を往復動変位し易くして、第1及び第2液室6A,6B間の液圧変動に容易に追従変形させることができる。
また、弾性仕切り膜10の厚肉部11を軸心方向視において第1開口部84a,94a内に位置するように構成したので(図7参照)、第1及び第2液室6A,6B間の液圧変動を、第1開口部84a,94aを介して、弾性仕切り膜10の厚肉部11へ効率的に伝達させることができる。
その結果、上述した液圧変動に対する弾性仕切り膜10の追従変形をより効率的に行わせることができるので、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室6A,6B間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性を確実に得ることができる。
一方、比較的大振幅の振動が入力される場合には、第1又は第2リブ14,15が板部材84,94(変位規制部84c,94c)へ当接することで、弾性仕切り膜10の往復動変位を規制して、その膜剛性を高めることができる。その結果、両液室6A,6B間を流体が流動し易くすることができるので、流体流動効果による減衰機能を効率的に発揮させ、高減衰特性を得ることができる。
しかも、第1及び第2リブ14,15を厚肉部11と薄肉部12との境界部に形成したので、第1及び第2リブ14,15が板部材84,94(変位規制部84c,94c)に当接することで、肉厚部11の剛性を効果的に利用して、弾性仕切り膜10全体としての剛性をより高めることができ、その結果、上述したように、高減衰特性を確実に得ることができる。
そして、この場合(比較的大変位の入力時)でも、第1及び第2リブ14,15を厚肉部11の周囲に分散した状態に配置しているので、弾性仕切り膜10と板部材84,94(変位規制部84c,94c)との接触面積を小さくして、その分、弾性仕切り膜10と板部材14,15との衝突に起因する異音の発生を効果的に抑制することができる。
なお、各リブ14,15は、厚肉部11の軸心に対して放射状に、かつ、周方向略45°間隔に均等に配置されている。また、各リブ14,15は、軸心方向視において、互いに重なる位置に配置されている。よって、比較的大振幅の振動が入力され、第1及び第2リブ14,15が板部材84,94(変位規制部84c,94c)に当接(衝突)される場合には、厚肉部11をその周囲から均一な力で支持することができるので、かかる厚肉部11に偏った力が作用することを防止して、耐久性の向上を図ることができると共に、膜剛性をより効率的に向上させることができる。
第1及び第2リブ14,15は、図6に示すように、薄肉部12からの高さ寸法が厚肉部11と略同一に設定されると共に、その上端面及び下端面(図6上側面及び下側面)には、頂部14a,15aがそれぞれ突出して形成されている。仕切り手段7の組み立て状態においては、頂部14a,15aのみが板部材84,94(変位規制部84c,94c)に当接する。
よって、比較的大振幅の振動の入力に伴って第1及び第2リブ14,15が板部材84,85(変位規制部84c,94c)に衝突する場合には、頂部14a,15aが抵抗となって、第1及び第2リブ14,15を板部材84,94に緩やかに衝突させることができるので、異音の発生を確実に低減することができる。
更に、定常状態において板部材84,94と当接しているのは剛性の低い頂部14,15のみであるから、弾性仕切り膜10の往復動変位が妨げられることを最小限に抑制して、第1及び第2液室6A,6B間の液圧変動に対して弾性仕切り膜10を十分に追従変形させることができる。その結果、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室6A,6B間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性を確実に得ることができる。
なお、頂部14a,15aは、第1及び第2リブ14,15の上端及び下端面において、周方向に連続する凸条体状に形成されていても良く、或いは、円錐体状に突出して形成されていても良い。
また、弾性仕切り膜10は、その一方の面側及び他方の面側が同一のパターン(位置、大きさ、形状など)で構成され、厚み方向中間部を通る平面に対して対称、かつ、軸心に対して回転対称に構成されている。即ち、上下面の方向性と回転方向の方向性とを有さないので、仕切り手段7の組み立て工程においては、弾性仕切り膜10の組み込み方向を考慮する必要がないので、その組み込み作業を簡素化して、作業コストの低減を図ることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定される物ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では特に説明しなかったが、薄肉部12の少なくとも一面側に補助リブを設けても良い。また、第1及び第2リブ14,15の頂部14a,15aが板部材84,94(変位規制部84c,94c)から離間するようにその高さ寸法を設定しても良い。
この詳細構成を変形例として、図8を参照しつつ説明する。図8(a)は、変形例における弾性仕切り膜210の上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線における弾性仕切り膜10の部分拡大断面図である。なお、上述した実施例と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
弾性仕切り膜210の薄肉部212には、図8に示すように、複数の補助リブ216が軸心に対して放射直線状および軸心を中心とする円環状に形成されている。なお、この補助リブ216は、薄肉部212の一方の面側及び他方の面側において同一のパターン(位置、大きさ、形状など)で形成されている。
その結果、弾性仕切り膜210中で強度的に劣る薄肉部212を補強することができるので、振動入力時の往復動変位に伴って薄肉部212が破損等することを抑制して、その耐久性の向上を図ることができる。
また、補助リブ216は、図8に示すように、後述する第1及び第2リブ214,215よりもリブ高さが低く、かつ、リブ幅が狭くなるように構成されているので、弾性仕切り膜210全体としての剛性が上昇することを抑制して、比較的小振幅の振動が入力される際の低動ばね特性を維持することができる。
更に、比較的大振幅の振動の入力に伴って薄肉部212が板部材84,85(変位規制部84d,84e,94d,94e)に衝突する場合には、補助リブ216がクッションの役割を果たすことで、薄肉部212を板部材84,94に緩やかに衝突させることができるので、異音の発生をより確実に低減することができる。
また、厚肉部211と、第1及び第2リブ214,215とは、図8(b)に示すように、上述した実施例の場合よりも高さ寸法が低くされており、仕切り手段7を組み立てた状態においては、第1及び第2リブ214,215の頂部214a,215aが板部材84,94(変位規制部84c,94c)から離れて位置するようにその高さ寸法が設定されている。
その結果、弾性仕切り膜210をより往復動変位し易くして、第1及び第2液室6A,6B間の液圧変動に対してより容易に追従変形させることができるので、比較的小振幅の振動が入力される場合には、第1及び第2液室6A,6B間の液圧差を効率的に吸収して、低動ばね特性をより確実に得ることができる。
更に、このように、低動ばね特性を得るべく、頂部214a,215bを板部材84,94(変位規制部84c,94c)から離間する高さ寸法に設定しても、第1及び第2リブ214,215が板部材84,94に衝突する場合には、その頂部214a,215aがクッションの役割を果たすことで、第1及び第2リブ214,215を板部材84,94に緩やかに衝突させることができるので、その分、異音の大幅な低減を図ることができる。
上記実施例では、エンジン側ブラケットB2の内周部を断面直線状に形成したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、その内周部に内嵌圧入された第2取付け具2の段差部に当接可能な当接部を径方向内方側に張り出して形成しても良い。
この詳細構成を変形例として、図9を参照しつつ説明する。図9は変形例における液封入式防振装置100の断面図であり、上述した図1(a)のII−II線における液封入式防振装置100の断面図に対応する。なお、上述した実施例と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9に示すように、エンジン側ブラケットB12の内周部には、当接部B12bが径方向内方側に張り出して形成されている。よって、第2取付け金具2をエンジン側ブラケットB12の内周部に内嵌圧入する場合には、その段差部を当接部B12bに当接させることで、圧入方向の位置決めを行うことができる。
更に、第2取付け金具2は、大径筒部2aが小径筒部2bよりも第1取付け金具1側に位置すると共に、図9に示す内嵌圧入状態では、第2取付け金具2の段差部がエンジン側ブラケットB12の当接部B12bよりも第1取付け金具1側に位置するように構成されている。
よって、エンジンEGを支持固定した後、走行路面の凹凸などに起因して、エンジンEGが大きく変位し、エンジン体側ブラケットB12が分担荷重方向(図9下方向)へ大きく変位する場合(即ち、第2取付け金具2が第1取付け金具1へ向けて変位する場合)には、圧縮変形された防振基体3の弾性回復力が第2取付け金具2の移動を妨げる力として働くので、第2取付け金具2がエンジン側ブラケットB12の内周部から抜けやすくなるところ、本変形例における液封入式防振装置100によれば、第2取付け金具2の段差部にエンジン側ブラケットB12の当接部B12bを当接させているので、かかる第2取付け金具2がエンジン側ブラケットB12の内周部から抜けてしまうことを確実に回避することができる。
なお、エンジン側ブラケットB12が分担荷重と反対方向(図9上方向)へ変位する場合(即ち、第2取付け金具2が第1取付け金具1から離れる方向へ変位する場合)には、圧縮変形された防振基体3の弾性回復力が第2取付け金具2の移動を補助する力として働くので、第2取付け金具2がエンジン側ブラケットB12の内周部から抜け難くなる。よって、上述した抜けを防止する手段は不要となる。
上記実施例では、第2取付け金具2の大径筒部2aをエンジン側ブラケットB2の内周部に内嵌圧入する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、第2取付け金具2の小径筒部2bをエンジン側ブラケットB2の内周部に内嵌圧入するように構成しても良い。
なお、このように構成した場合には、第2取付け金具2の段差部をエンジン側ブラケットB2の開口部に当接させることができるので、上述した当接部B12bを設ける場合と同様に、内嵌圧入時の位置決めや圧入部の抜け防止効果を得ることができる。
上記実施例では、弾性仕切り膜10の第1及び第2リブ14,15が軸心方向視において互いに重なる位置に配設される場合を説明したが、軸心方向視において、第1リブ14が第2リブ15に対して周方向にずれた状態で配置しても良い。
例えば、上記実施例では、第1及び第2リブ14,15を周方向に45°間隔で配置しているので、軸心方向視おいて、互いに隣接する第1リブ14の中間部に第2リブ15が位置するように、第2リブ15の配設位置を第1リブ14の配設位置に対して周方向へ略22.5°だけ移動させるのである。
これにより、例えば、比較的大振幅の振動の入力に伴って、第1リブ14が板部材84へ向けて変位する場合、特に、第1リブ14が板部材84に当接した後には、その変位方向と反対側にある第2リブ15が補強部材となって弾性仕切り膜10(厚肉部11及び薄肉部12)の変位を規制するので、弾性仕切り膜10を変位し難くして、その分、膜剛性を高めることができる。その結果、流体の流動効果をより発揮させて、高減衰特性を得ることができる。
一方、比較的小振幅の振動の入力に対しては、第1及び第2リブ14,15の配設数は上記実施例の場合と変わらないので、弾性仕切り膜10全体としての剛性上昇が抑制され、低動ばね特性を維持することができる。
上記実施例では説明を省略したが、車体フレーム側ブラケットB1の内周面(液封入式防振装置100の収容空間の内周面)と、エンジン側ブラケットB2の外周面とに、それぞれゴム状弾性体を加硫接着等により取着して、変位規制を可能とすることで、大変位入力時のストッパ作用が得られるように構成しても良い。
本発明の1実施例における液封入式防振装置の使用状態を示す模式図であり、(a)は、上面図であり、(b)は、図1(a)の矢印Ib方向から見た側面図である。 図1(a)のII−II線における液封入式防振装置の断面図である。 (a)は、オリフィス部材の上面図であり、(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線におけるオリフィス部材の断面図である。 (a)は、板部材の上面図であり、(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における板部材の断面図である。 (a)は、弾性仕切り膜の上面図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb線における弾性仕切り膜の断面図である。 弾性仕切り膜の部分拡大断面図である。 (a)は、仕切り手段の上面図であり、(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における仕切り手段の断面図である。 変形例における弾性仕切り膜を示す図であり、(a)は、弾性仕切り膜の上面図であり、(b)は、弾性仕切り膜の部分拡大断面図である。 変形例における液封入式防振装置の断面図である。
符号の説明
100 液封入式防振装置(液封入式防振装置ユニットの一部)
1 第1取付け金具(第1取付け具)
2 第2取付け金具(第2取付け具)
2a 大径筒部
2b 小径筒部
3 防振基体
5 ダイヤフラム
6 液体封入室
6A 第1液室
6B 第2液室
20 オリフィス
7 仕切り手段
8 オリフィス部材(仕切り手段の一部)
84 板部材(変位規制部材の一部)
84a 第1開口部
84b 第2開口部
9 板部材(変位規制部材の一部、仕切り手段の一部)
94a 第1開口部
94b 第2開口部
10,210 弾性仕切り膜(仕切り手段の一部)
11,211 厚肉部
12,112 薄肉部
13 固定部
14,214 第1リブ
14a,214a 頂部
15,215 第2リブ
15a,215a 頂部
216 補助リブ
EG エンジン(振動発生体)
BF 車体フレーム
B2,B12 エンジン側ブラケット(振動発生体側ブラケット、液封入式防振装置ユニットの一部)
B12b 当接部

Claims (7)

  1. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、その第2取付け具と前記第1取付け具とを連結し、ゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、その仕切り手段の外周面と前記第2取付け具の内周面との間に形成され、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備え、
    前記仕切り手段は、ゴム状弾性材から構成される弾性仕切り膜と、その弾性仕切り膜の変位量をその両側から規制する一対の変位規制部材とを備えると共に、それら一対の変位規制部材が開口部をそれぞれ備えて構成される液封入式防振装置において、
    前記開口部は、前記変位規制部材の径方向中央側に形成される第1開口部と、その開口部の周囲に分散して形成される複数の第2開口部とを備え、
    前記弾性仕切り膜は、その軸心方向視において前記第1開口部内に位置する径方向中央側の厚肉部と、その厚肉部の径方向外方側に位置すると共に前記厚肉部よりも薄肉に形成されることで前記一対の変位規制部材から離間して位置する薄肉部と、その薄肉部の周縁部に位置すると共に前記第2開口部よりも径方向外方側で前記一対の変位規制部材間に挟持固定される固定部と、前記薄肉部の一方の面側において前記厚肉部の周囲に分散して位置しつつ前記厚肉部と薄肉部との境界部に一体に形成されると共に前記一対の変位規制部材の一方から離間する第1リブと、前記薄肉部の他方の面側において前記厚肉部の周囲に分散して位置しつつ前記厚肉部と薄肉部との境界部に一体に形成されると共に前記一対の変位規制部材の他方から離間する第2リブとを備え、
    前記第1取付け具を車体フレーム側に連結される車体フレーム側連結手段として構成すると共に、前記第2取付け具を振動発生体側に連結される振動発生体側連結手段として構成することで、前記仕切り手段から前記車体フレームまでの振動伝達経路の一部が前記防振基体によって構成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記第1及び第2リブは、前記弾性仕切り膜の軸心方向視において、その軸心に対して放射状に、かつ、周方向等間隔に配設されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記第1及び第2リブは、前記一対の変位規制部材と対向する側の面に突設される頂部をそれぞれ備えており、その頂部は、前記仕切り手段の組み立て時において、前記一対の変位規制部材と離れて位置するように高さ寸法が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
  4. 前記第1及び第2リブは、前記一対の変位規制部材と対向する側の面に突設される頂部をそれぞれ備えており、その頂部は、前記仕切り手段の組み立て時において、前記一対の変位規制部材に当接するように高さ寸法が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
  5. 前記薄肉部の少なくとも一方の面側には、前記第1又は第2リブが形成される残部に補助リブが形成され、その補助リブは、少なくとも前記第1及び第2リブよりもリブ高さが低く、かつ、リブ幅が狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液封入式防振装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の液封入式防振装置と、その液封入式防振装置を前記振動発生体側に連結する振動発生体側ブラケットとを備えた液封入式防振装置ユニットにおいて、
    前記第2取付け具は、小径筒部と、その小径筒部よりも大径に形成される大径筒部と、その大径筒部と前記小径筒部とを連結する段差部とを備えると共に、前記大径筒部が前記振動発生体側ブラケットの内周部へ内嵌圧入されるものであり、
    前記振動発生体側ブラケットの内周部には、その内周部に内嵌圧入された前記第2取付け具の段差部に当接可能な当接部が径方向内方側に張り出して形成されていることを特徴とする液封入式防振装置ユニット。
  7. 前記第2取付け具は、前記大径筒部が前記小径筒部よりも前記第1取付け具側に位置すると共に、その大径筒部を前記振動発生体側ブラケットの内周部に内嵌圧入するものであり、
    その内嵌圧入状態では、前記第2取付け具の段差部が前記振動発生体側ブラケットの当接部よりも前記第1取付け具側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の液封入式防振装置ユニット。
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