JP4782818B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に記載されているように、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第1取付け具と第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて防振基体との間に液体封入室を形成するゴム膜からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を防振基体側の第1液室とダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、これら第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを備え、前記仕切り体を、弾性仕切り膜と、該弾性仕切り膜の変位量を膜面の両側から規制する第1規制部材と第2規制部材とで構成した液封入式防振装置が知られている。
かかる液封入式防振装置では、大振幅の低周波数振動が生じると、液体がオリフィスを通って第1液室と第2液室間を流通し、その液体流動効果によって振動を減衰させる。また、微振幅の高周波数振動が生じると、弾性仕切り膜が往復動変形することで、第1液室の液圧を吸収して振動を低減させる。
特許文献1に開示の構造では、第1規制部材と第2規制部材を樹脂材で形成し、両者の外周部に長尺状の溶着凸条と凹溝を各別に設けて溶着固定させるとともに、径方向中央部に溶着凸部と凹部を設けて溶着固定されることで、仕切り体が構成されている。この構造では、溶着時に溶けた溶着凸条の樹脂を凹溝に格納するために、溶着凸条に対して凹溝を大きく設定している。そのため、第1規制部材と第2規制部材とに径方向での位置ずれ(同軸度のずれ)が生じやすい。一方で、凹溝の設定が小さいと、溶着時に溶けた樹脂カスが凹溝からあふれ出してしまい、凸条周りの平面部による軸芯方向での位置決め精度が損なわれてしまう。また、これら外周部での長尺状の溶着凸条と凹溝では、全周にわたって均一に溶着されないと、第1規制部材と第2規制部材の軸芯が傾いて固定されることになり、平行度の位置ずれが生じやすい。これらの位置ずれが生じると、弾性仕切り膜を正確に挟むことができず、防振性能が悪化する。また、特許文献1の構造では、このようにして溶着固定した仕切り体を第2取付け具の内周に挿入するものであるため、位置ずれが生じていると、挿入できない不具合も生じる。更には、仕切り体は液中で使用されるため、樹脂が膨潤し歪みが発生するが、特許文献1のように外周部を溶着固定する構造では、膨潤による歪みの逃げ場がなく、そのため、規制部材が変形して防振性能が損なわれるおそれがある。
これに対し、下記特許文献2,3には、第1液室と第2液室を仕切る仕切り体を、環状のオリフィス形成部材と、その内周面間を塞ぐゴム壁と、該ゴム壁の径方向中央部を貫通する連結部を介して互いに連結され前記ゴム壁を軸芯方向で挟み込む一対の仕切り板とで構成し、該一対の仕切り板の軸芯方向における変位量をゴム壁によって規制するようにした構造が開示されている。これらの文献において、一対の仕切り板は、樹脂材で形成され、一方の仕切り板に凸部を設けるとともに、他方の仕切り板に該凸部が嵌合する凹部を設け、これら凸部と凹部を超音波溶着により固着することで連結固定している。
特開2006−342834号公報 特開2006−207672号公報 特開2007−211971号公報
上記特許文献2,3の構成であると、第2取付け具の内周面に嵌合されるのは単体のオリフィス形成部材であるため、一対の仕切り板の溶着固定に位置ずれが生じているか否かに関係なく、仕切り体を第2取付け具に挿入することができる。また、一対の仕切り板を径方向中央部で連結固定するため、樹脂製の仕切り板が液中で膨潤しても、歪みを径方向外方側に逃がすことができ、樹脂の膨潤による防振性能の悪化を防ぐことができる。
しかしながら、特許文献2,3に開示の構成でも、一方の仕切り板の凸部と他方の仕切り板の凹部とを単に溶着固定するものであるため、軸芯方向における寸法管理が容易ではなく、一対の仕切り板の間の間隔がばらついてしまい、このばらつきが防振性能に影響を与えてしまう。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、一対の仕切り板を連結固定する際の位置ずれを抑制して、防振性能のばらつきを抑えることができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第1取付け具と前記第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを備えたものである。前記仕切り体は、前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、前記オリフィス形成部材の内周面の間を塞ぐゴム状弾性材からなる弾性壁と、前記弾性壁の径方向中央部を貫通する連結部を介して互いに連結され、前記弾性壁を該弾性壁の軸芯方向で挟み込む一対の仕切り板と、からなる。前記連結部は、一方の前記仕切り板に設けられた前記軸芯方向に垂直な第1平面部と、前記第1平面部から前記軸芯方向に突出する嵌合凸部と、他方の前記仕切り板に設けられて前記嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、前記嵌合凹部の開口縁部に設けられて前記軸芯方向に垂直な第2平面部とを備えてなり、前記嵌合凸部の外周面に前記第1平面部から前記軸芯方向に離間させて第1溶着部が設けられるとともに、前記嵌合凹部の内周面に前記第2平面部から前記軸芯方向に離間させて第2溶着部が設けられている。そして、前記第1平面部と前記第2平面部が対接した状態で、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が前記第1溶着部と前記第2溶着部との溶着により嵌合固定されている。
上記構成によれば、嵌合凸部と嵌合凹部との第1溶着部と第2溶着部による溶着部とは別に第1平面部と第2平面部を設け、これらを位置決め部として対接させるようにしたので、一対の仕切り板の軸芯方向での位置決めを行うことができるとともに、平行度の位置ずれも抑制することができる。また、このように位置決め部と溶着部を軸芯方向に離間させて、即ち両者を分けて設定したので、溶着により溶融した材料カスが位置決め部に進出するのを防止することができる。よって、一対の仕切り板を連結固定する際の軸芯方向や平行度の位置ずれを抑制しながら、両者を確実に連結固定することができ、防振性能のばらつきを抑えることができる。
本発明に係る液封入式防振装置では、更に、前記第1溶着部と前記第2溶着部が互いに嵌合するテーパ面状に形成され、該テーパ面同士の当接により前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が同軸状に位置決めされた状態で前記第1溶着部と前記第2溶着部が溶着されている。このように嵌合凸部と嵌合凹部の溶着される接触面同士をテーパ面状としておくことで、同軸度の位置ずれも防止することができる。
上記構成において、前記弾性壁は前記連結部が貫通する貫通穴を備え、前記連結部は、前記一方の仕切り板に設けられて前記貫通穴に対して前記軸芯方向の一方側から差し込まれる第1連結部と、前記他方の仕切り板に設けられて前記貫通穴に対して前記軸芯方向の他方側から差し込まれる第2連結部とからなり、前記第1連結部に前記第1平面部と前記嵌合凸部が設けられ、前記第2連結部に前記第2平面部と前記嵌合凹部が設けられて、前記第1平面部と前記第2平面部が前記貫通穴の軸芯方向の中央部で対接した状態に前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が嵌合固定されてもよい。このように構成することで、第1及び第2平面部と嵌合凸部及び嵌合凹部を好適に配設することができ、また、仕切り体の組み立て作業性に優れる。
本発明の液封入式防振装置によれば、一対の仕切り板を連結固定する際の位置ずれを抑制して、防振性能のばらつきを抑えることができる。
以下、本発明の1実施形態に係る液封入式防振装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンに取付けられる上側の第1取付け具12と、車体フレームに取付けられる下側の筒状の第2取付け具14と、これらを連結するゴム状弾性材からなる防振基体16とを備えてなる。
第1取付け具12は、第2取付け具14の軸芯部上方に配されたボス金具であり、径方向(即ち、軸芯方向Xに垂直な方向である軸直角方向)Kの外方Koに向けてフランジ状に突出するストッパ部18を備える。また、上端部には取付ボルト20が上向きに突設されて、このボルト20を介してエンジン側に取り付けられるよう構成されている。
第2取付け具14は、防振基体16が加硫成形される円筒状の筒状金具22とカップ状の底金具24とからなり、底金具24の中央部に下向きの取付ボルト26が突設され、このボルト26を介して車体側に取り付けられるように構成されている。筒状金具22は、その下端部が底金具24の上端開口部に対し、かしめ部28によりかしめ固定されている。符号30は、筒状金具22の上端部にかしめ固定されたストッパ金具であり、第1取付具12のストッパ部18との間でストッパ作用を発揮する。また、符号32は、ストッパ金具30の上面を覆うストッパゴムである。
防振基体16は円錐台形状に形成され、その上端部が第1取付け具12に、下端部が筒状金具22の上端開口部にそれぞれ加硫接着されている。この防振基体16の下端部に、筒状金具22の内周面を覆うゴム膜状のシール壁部34が連なっている。
第2取付け具14には、防振基体16の下面に対して軸芯方向Xに対向配置されて当該下面との間に液体封入室36を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム38が取り付けられ、液体封入室36に液体が封入されている。液体封入室36は、仕切り体40により、防振基体16側の第1液室36Aとダイヤフラム38側の第2液室36Bに仕切られており、これら第1液室36Aと第2液室36Bは、絞り流路としてのオリフィス42を介して互いに連通されている。第1液室36Aは、防振基体16が室壁の一部をなす主液室であり、第2液室36Bは、ダイヤフラム38が室壁の一部をなす副液室である。
仕切り体40は、図1,2に示されるように、第2取付け具14の円筒状の周壁部14Aの内側に設けられた円環状のオリフィス形成部材44と、オリフィス形成部材44の内周面44Aに外周部46Aが加硫接着されて内周面44Aの間を塞ぐゴム弾性体からなる弾性壁46と、弾性壁46をその軸芯方向Xで挟み込む上下一対の仕切り板48,50とからなる。
オリフィス形成部材44は、第2取付け具14の周壁部14Aとの間に、周方向に延びるオリフィス42を形成する剛体からなる部材であり、該周壁部14Aの内周のシール壁部34に嵌着されている。より詳細には、オリフィス形成部材44は、第2取付け具14の周壁部14Aに同軸に配された円筒状部44Bと、該円筒状部44Bの外周側において断面コの字状に外向きに開かれた凹溝部44Cとを備えてなる。円筒状部44Bの内周面が上記内周面44Aになっている。また、凹溝部44Cにより第2取付け具14の周壁部14Aとの間で上記オリフィス42が形成されている。
オリフィス形成部材44は、ダイヤフラム38の外周縁部に埋設された補強金具38Aと、防振基体16の下端外周部に形成された受止め段部16Aとで挟持固定されている。詳細には、ダイヤフラム38の外周縁部に設けた補強金具38Aが第2取付け具14のかしめ部28でかしめ固定されており、補強金具38Aの内周縁部を覆うダイヤフラム38のゴム部分を介して、オリフィス形成部材44の下端部が補強金具38Aにより支持されている。
上記弾性壁46は、平面視円形状をなしており、図3に示すように、その外周部46Aが、オリフィス形成部材44の円筒状部44Bの内周面44Aに加硫接着されている。弾性壁46は、径方向中央部に軸芯方向Xに貫通する円形の貫通穴52を備え、貫通穴52の周りの表裏両側には、軸芯方向Xに突出する環状の凸条54が設けられている。また、弾性壁46は、この凸条54の径方向外方Ko側において、当該外方Ko側ほど肉厚が漸次に厚くなるように形成されている。図3,5に示すように、一対の仕切り板48,50によって挟み込まれる部分において、弾性壁46の一方の壁面(この例では下側の壁面)には、複数の凹部55が周方向Cに断続的に設けられている。
一対の仕切り板48,50は、図2,4に示すように貫通穴52を貫通する円柱状の連結部56を介して互いに連結されており、熱可塑性樹脂により一体に成形されている。そのうちの一方(上側)の仕切り板48が第1液室36Aの室壁の一部を構成しており、即ち、第1液室36Aに面して配されている(図1参照)。また、他方(下側)の仕切り板50が第2液室36Bの室壁の一部を構成しており、即ち、第2液室36Bに面して配されている。そして、これら一対の仕切り板48,50の軸芯方向Xにおける変位量が弾性壁46によって規制されている。
一対の仕切り板48,50は、平面視において弾性壁46よりも外形が小さく形成されている。すなわち、仕切り板48,50の外周縁48A,50Aは、弾性壁46の外周縁が位置するオリフィス形成部材44の内周面44Aよりも径方向内方Ki側で終端している(図2参照)。
一対の仕切り板48,50は、中央部の連結部56の周りに、それぞれ、弾性壁46の上下の凸条54が嵌合する環状溝58を備える。環状溝58の外周には、弾性壁46を軸芯方向Xで挟み込む挟持部分60が設けられるとともに、該挟持部分60の外側の外周縁部に、弾性壁46の対向する壁面との間で径方向外方Ko側ほど漸次広くなる隙間S(図6参照)を形成する隙間形成部62を備える。
連結部56は、図3に示すように、一方の仕切り板(この例では下側の仕切り板)50に設けられた軸芯方向Xに垂直な第1平面部64と、第1平面部64から軸芯方向Xに突出する嵌合凸部66と、他方の仕切り板(この例では上側の仕切り板)48に設けられて嵌合凸部66が嵌合する嵌合凹部68と、嵌合凹部68の開口縁部に設けられて軸芯方向Xに垂直な第2平面部70とを備えてなる。
嵌合凸部66は、仕切り板50の軸芯に同軸に設けられた円柱状の凸部であり、第1平面部64から上方に突設されている。第1平面部64は、嵌合凸部66の付け根部の周りに全周にわたって設けられたリング状の平面部である。嵌合凹部68は、嵌合凸部66を下方から受け入れるように下向きに開口する凹部であり、この例では上方にも開口することで軸芯方向Xに貫通して設けられている。嵌合凹部68の内周面68Aは、円柱面状に形成されている。第2平面部70は、第1平面部64に対向して嵌合凹部68の下側開口端に設けられたリング状の平面部である。
図7に示すように、嵌合凸部66の外周面66Aには、第1平面部64から軸芯方向Xの上方に離間させて第1溶着部72が設けられ、嵌合凹部68の内周面68Aには、第2平面部70から軸芯方向Xの上方に離間させて第2溶着部74が設けられている。これら第1溶着部72と第2溶着部74は、超音波溶着により溶着固定される部分であり(図6参照)、第1平面部64と第2平面部70が対接することで軸芯方向Xに位置決めされた状態で、嵌合凸部66と嵌合凹部68が第1溶着部72と第2溶着部74との溶着により嵌合固定されるよう構成されている。
第1溶着部72と第2溶着部74は、図7に示すように、互いに嵌合するテーパ面状に形成されている。すなわち、第1溶着部72は、嵌合凸部66の外周面66Aにおいて、第1平面部64から離間した位置にて、先端側ほど漸次小径のテーパ面状に形成されている。また、第2溶着部74は、嵌合凹部68の内周面68Aにおいて、第2平面部70から離間した位置にて、奥側ほど漸次小径でありかつ傾斜角が第1溶着部72のテーパ面と同等であるテーパ面状に形成されている。そして、これらテーパ面同士の当接により、嵌合凸部66と嵌合凹部68が同軸状に位置決めされた状態で、第1溶着部72と第2溶着部74は溶着されている。なお、嵌合凸部66と嵌合凹部68の嵌め合い代は、第1溶着部72よりも大径側の嵌合凸部66の外径φ1と、第2溶着部74よりも小径側の嵌合凹部68の内径φ2との差(φ1−φ2)により定義される。
図6に示すように、この例では、連結部56は、下側の仕切り板50に設けられて弾性壁46の貫通穴52に対して下方から差し込まれる第1連結部56Aと、上側の仕切り板48に設けられて貫通穴52に対して上方から差し込まれる第2連結部56Bとからなる。第1連結部56Aに上記第1平面部64と嵌合凸部66が設けられ、第1連結部56Aは、第1平面部64を段差部とする段付き円柱状に形成されている。また、第2連結部56Bに上記第2平面部70と嵌合凹部68が設けられ、第2連結部56Bは、第1連結部56Aの下側の大径部と外径が同一の中空円柱状に形成されている。そして、第1平面部64と第2平面部70が、貫通穴52の軸芯方向Xの中央部で対接した状態に、嵌合凸部66と嵌合凹部68が嵌合固定されている。
なお、符号76は、仕切り板48,50に設けられた軸芯方向Xに貫通する空気抜き孔であり、仕切り板48,50の周方向に複数が分散させて設けられている。
上記液封入式防振装置10は、次のようにして製造することができる。
まず、仕切り体40を製造するに際し、オリフィス形成部材44に弾性壁46を加硫成形する。次いで、図3に示すように、弾性壁46の表裏両側から仕切り板48,50を挟み込み、超音波溶着により連結部56を固着することで、図2に示す仕切り体40が得られる。
超音波溶着とは、熱可塑性樹脂を微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融し、接合する加工技術であり、例えば、20kHzの周波数で35μmの振幅の超音波を用いて1秒以下という短時間で溶着することが可能である。
この実施形態では、弾性壁46を挟んだ状態で、図7(a)に示すように、上側の仕切り板48の嵌合凹部68に、下側の仕切り板50の嵌合凸部66を嵌め込む。この状態では、軸芯方向Xでの位置決め部となる第1平面部64と第2平面部70は当接しておらず、第1溶着部72と第2溶着部74のテーパ面同士が当接している。なお、この状態では、図7(a)に示すように、該テーパ面部以外では嵌合凸部66の外周面66Aと嵌合凹部68の内周面68Aとは当接していない。
この状態で、上下の仕切り板48,50を弾性壁46の挟持方向に加圧しながら、上下の仕切り板48,50に超音波を付与すると、樹脂同士の当接部である上記テーパ面部で熱が発生し、溶融することで、嵌合凸部66が嵌合凹部68内を軸芯方向X内方側に進出していく。該進出は、第1平面部64と第2平面部70が当接することで止まるので(図7(b)参照)、その時点で上記加圧及び超音波付与を終了することにより、第1平面部64と第2平面部70が実質的に溶着されることなく対接した状態で、第1溶着部72と第2溶着部74が溶着固定される。
このようにして得られた仕切り体40と、別に加硫成形することで得られた第1取付け具12と筒状金具22と防振基体16との加硫成形部品とを用いて、液体中で筒状金具22の内部に仕切り体40を挿入する。更にダイヤフラム38を被せた後に、液中から取り出して、底金具24を被せ、かしめ部28で筒状金具22と底金具24とをかしめ固定することで液体が封入される。そして、筒状金具22の上端開口部にストッパ金具30をかしめ締結することで、液封入式防振装置10を製造することができる。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10であると、高周波数域の微振幅振動が生じたとき、一対の仕切り板48,50が一体となって往復動することで、第1液室36Aの液圧を吸収して振動を低減することができる。そのため、高周波微振幅振動に対し、動ばね定数を効果的に低減することができる。
一方、低周波数域の大振幅振動が生じたときには、一対の仕切り板48,50の変位量が弾性壁46によって規制されるので、オリフィス42を通って第1液室36Aと第2液室36B間で液体を流通させることができ、その液体流動効果によって振動を減衰することができる。
そして、特に本実施形態であると、一対の仕切り板48,50を、その中心部にそれぞれ設けた嵌合凸部66と嵌合凹部68との嵌合部で溶着するようにし、また、溶着部としての第1溶着部72と第2溶着部74をテーパ面状にして互いに嵌合させるようにしている。そのため、上側の仕切り板48と下側の仕切り板50との同軸度の位置ずれ(径方向での位置ずれ)を効果的に防止することができる。
また、軸芯方向Xでの位置決めは、第1平面部64と第2平面部70を実質的に溶着させることなく対接させることで行うため、正確な位置決めが可能となり、また、上記テーパ面部での嵌合と相俟って、平行度の位置ずれも効果的に防止することができる。なお、第1平面部64と第2平面部70との対接は、軸芯方向Xでの位置決め効果を損なわない程度であれば多少溶着されていても実質的には溶着されているとはいえず、このような態様も本発明に含まれる。
更には、上記の軸芯方向Xでの位置決め部と、第1溶着部72と第2溶着部74による溶着部を、軸芯方向Xに離間させ、即ち分離した位置に設けたので、溶着による樹脂カスが位置決め部まで進出するのを防いで、位置ずれを防止することができる。このように、一対の仕切り板48,50を連結固定する際の軸芯方向Xや同軸度、平行度の位置ずれを抑制することができるので、防振性能のばらつきを抑えることができる。
本発明は、自動車のエンジンマウントを始め、振動体と支持体とを防振的に結合する自動車の各種防振装置として用いることができ、また、自動車以外の各種車両に用いることもできる。
本発明の実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図 同防振装置の仕切り体の縦断面図 同仕切り体の分解縦断面図 同仕切り体を弾性壁を省略して示す縦断面図 同仕切り体の底面図 同仕切り体の要部拡大断面図 同仕切り体の連結部の縦断面図であり、(a)は溶着前の状態を示す図、(b)は溶着した状態を示す図
符号の説明
10…液封入式防振装置
12…第1取付け具
14…第2取付け具、14A…周壁部
16…防振基体
36…液体封入室、36A…第1液室、36B…第2液室
38…ダイヤフラム
40…仕切り体
42…オリフィス
44…オリフィス形成部材、44A…内周面
46…弾性壁、46A…外周部
48…上側の仕切り板
50…下側の仕切り板
52…貫通穴
56…連結部、56A…第1連結部、56B…第2連結部
64…第1平面部
66…嵌合凸部、66A…外周面
68…嵌合凹部、68A…内周面
70…第2平面部
72…第1溶着部
74…第2溶着部
X…軸芯方向

Claims (3)

  1. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第1取付け具と前記第2取付け具を連結するゴム状弾性材からなる防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを備えた液封入式防振装置であって、
    前記仕切り体は、
    前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、
    前記オリフィス形成部材の内周面の間を塞ぐゴム状弾性材からなる弾性壁と、
    前記弾性壁の径方向中央部を貫通する連結部を介して互いに連結され、前記弾性壁を該弾性壁の軸芯方向で挟み込む一対の仕切り板と、からなり、
    前記連結部は、一方の前記仕切り板に設けられた前記軸芯方向に垂直な第1平面部と、前記第1平面部から前記軸芯方向に突出する嵌合凸部と、他方の前記仕切り板に設けられて前記嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部と、前記嵌合凹部の開口縁部に設けられて前記軸芯方向に垂直な第2平面部とを備えてなり、前記嵌合凸部の外周面に前記第1平面部から前記軸芯方向に離間させて第1溶着部が設けられるとともに、前記嵌合凹部の内周面に前記第2平面部から前記軸芯方向に離間させて第2溶着部が設けられ、
    前記第1平面部と前記第2平面部が対接した状態で、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が前記第1溶着部と前記第2溶着部との溶着により嵌合固定されており、
    前記第1溶着部と前記第2溶着部が互いに嵌合するテーパ面状に形成され、該テーパ面同士の当接により前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が同軸状に位置決めされた状態で前記第1溶着部と前記第2溶着部が溶着された、
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記弾性壁は前記連結部が貫通する貫通穴を備え、
    前記連結部は、前記一方の仕切り板に設けられて前記貫通穴に対して前記軸芯方向の一方側から差し込まれる第1連結部と、前記他方の仕切り板に設けられて前記貫通穴に対して前記軸芯方向の他方側から差し込まれる第2連結部とからなり、
    前記第1連結部に前記第1平面部と前記嵌合凸部が設けられ、前記第2連結部に前記第2平面部と前記嵌合凹部が設けられて、前記第1平面部と前記第2平面部が前記貫通穴の軸芯方向の中央部で対接した状態に前記嵌合凸部と前記嵌合凹部が嵌合固定された、
    請求項記載の液封入式防振装置。
  3. 前記一対の仕切り板がそれぞれ樹脂材で形成され、前記第1溶着部と前記第2溶着部が超音波溶着により固着された、
    請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
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