JP2010138145A - 抗菌抗カビ剤、及びそれを含む樹脂組成物ならびに樹脂組成物の抗菌抗カビ処理方法 - Google Patents

抗菌抗カビ剤、及びそれを含む樹脂組成物ならびに樹脂組成物の抗菌抗カビ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗菌性または抗カビ性、及び樹脂分散性に優れた抗菌抗カビ剤、該抗菌抗カビ剤を含む樹脂組成物を提供すること、及び前記抗菌抗カビ剤を用いた樹脂組成物の抗菌または抗カビ処理方法を提供すること。
【解決手段】 架橋されたポリペプチドからなるポリペプチド粉末を含有する抗菌抗カビ剤、架橋されたポリペプチドが、有機化合物及び/又は金属塩を含有する処理液で架橋処理された前記抗菌抗カビ剤、前記抗菌抗カビ剤を0.1重量%〜80重量%以下含有する樹脂組成物、前記抗菌抗カビ剤と樹脂材料とを混合して樹脂組成物を得る工程を有する、樹脂組成物の抗菌または抗カビ処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリペプチド粉末を含有する抗菌抗カビ剤、該抗菌抗カビ剤を含む樹脂組成物及び該樹脂組成物の抗菌抗カビ処理方法に関する。
天然有機物の粉末と合成樹脂をコンパウンド化することにより、マトリックス樹脂に吸放湿性、透湿性、及び良触感等の付加価値を与えることができる。近年このような技術を用いて、人工皮革等の様々な用途における開発が進められ、これらの加工分野においても、吸放湿性と天然素材様の外観や触感を付与することも広く検討されている。
近年、塗料、人工皮革等は高級化志向に伴い、天然皮革のような外観、触感、吸放湿性等の性能を有することが要求され、これに応えるべく、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂にコラーゲン粉末、皮革粉、ゼラチン粉末、ポリウレタンビーズ等の樹脂ビーズ等を混合して、天然皮革様に改質することが試みられている。
これらの中でも、特にコラーゲン粉末は、特許文献1にアルミニウムおよびジルコニウム化合物で架橋されたコラーゲン湿体を用いた繊維処理の例が記載されているように、その優れた吸放湿性、吸水性等の物性により、塗料、人工皮革等の分野での利用研究が活発に行われる様になってきている。
前記塗料、人工皮革等は、例えば、身の回りにある種々の製品の原料として使用される。ここで、人間の生活環境中には多くの微生物が存在しており、特に高温多湿の日本では細菌などの原核生物、カビ、酵母などの真核生物、さらにはコケや藻類が多く繁殖しやすい環境にある。中でも、人が接触する機会の多い製品では、病原菌や雑菌の感染源となる可能性もあり、安全性及び生活衛生の観点から、製品には抗菌性が求められるため、従来では樹脂材料に抗菌剤や抗カビ剤が配合されて製品が製造されている。特許文献2では蜜可塑性樹脂に抗菌性有機化合物を配合した例、また特許文献3では発泡性樹脂性芯体に抗菌機能を有する粉末形状の薬剤を配合した例が記載されている。
特開平3−82807号公報 特開2005−200612号公報 特開2006−102000号公報
しかしながら、製造コストなどの点から、樹脂材料中の抗菌剤や抗カビ剤の配合量はできるだけ抑えた方がよいものの、従来では抗菌剤や抗カビ剤を用いる以外に抗菌性や抗カビ性を製品に付与する手段は知られていない。また、従来のように樹脂材料中に抗菌剤や抗カビ剤を添加した樹脂組成物を用いた樹脂成形品では、添加時の雰囲気により抗菌剤や抗カビ剤の分散性が影響を受け易く、その抗菌力や抗カビ力にバラツキがあり安定しないという問題点があった。
したがって、本発明の目的は、抗菌性や抗カビ性及び樹脂分散性に優れた抗菌抗カビ剤、該抗菌抗カビ剤を含む樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記抗菌抗カビ剤を用いた樹脂組成物の抗菌や抗カビ処理方法を提供することにある。
上記の課題に鑑みて、本発明者らは樹脂組成物の成分について鋭意検討をしたところ、驚くべきことに、従来のコラーゲンと同様の樹脂改質効果を有しながら、コラーゲンを原材料としてコラーゲンにはない抗菌性や抗カビ性を有する抗菌抗カビ剤を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の構成を有するものである。
[1] 架橋されたポリペプチド粉末を含有する抗菌抗カビ剤。
[2] 架橋されたポリペプチドが、金属塩を含有する処理液で架橋処理された[1]記載の抗菌抗カビ剤。
[3] 金属塩がジルコニウ塩である[2]記載の抗菌抗カビ剤。
[4] ジルコニウム塩がZrCl、Zr(SO、ZrOCl、ZrOSO、NaZrOである[3]記載の抗菌抗カビ剤。
[5] 前記ポリペプチド粉末がコラーゲンを原材料として得られたものである[1]〜[4]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤。
[6] 架橋されたポリペプチド粉末の平均粒径が0.01〜80μmである[1]〜[5]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤。
[7] 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と[1]〜[6]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する樹脂組成物。
[8] 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と[1]〜[6]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する塗料用樹脂組成物。
[9] 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と[1]〜[6]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する皮革用樹脂組成物。
[10] 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と[1]〜[6]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する成形材料用樹脂組成物。
[11] 樹脂材料と[1]〜[6]のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤を混合して樹脂組成物を得る工程を有する、樹脂組成物の抗菌処理方法。
本発明の抗菌抗カビ剤は、抗菌抗カビ性及び樹脂分散性に優れ、また例えば、樹脂組成物に配合することで、種々の成形品に抗菌抗カビ性を付与することが可能となる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚などの動物の皮膚、骨、腱などから可溶化コラーゲン溶液を製造し、架橋処理することにより、従来のコラーゲン粉末が有していた品質問題を解決しうる新規なポリペプチド粉末を提供しうるものである。
本願発明に用いることができるポリペプチド粉末の一例としては、コラーゲン粉末、コラーゲンの3次元構造が壊れて不可逆的に水溶性に変わったゼラチン粉末、コラーゲンを構成するポリペプチドが切断されたことで生成した粉末などをあげることができる。
さらに、可溶化コラーゲン水溶液を紡糸、押し出し、あるいは液中に分散させることで繊維、フィルム、顆粒形状とすることにより、コラーゲンの徹底的な精製緻密な架橋を行うことが可能で、全く新規なポリペプチド粉末を提供できる。
上記可溶化コラーゲンの製造方法としては、原料は床皮の部分を用いるのが好ましい。床皮は、たとえば牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚等の動物から得られるフレッシュな床皮や塩漬けした生皮より得られる。これら床皮は、大部分が不溶性コラーゲン繊維からなるが、通常網状に付着している肉質部分を除去し、腐敗・変質防止のために用いた塩分を除去したのちに用いられる。また、前記動物の骨、腱など他の材料も同様に用いることができる。
この不溶性コラーゲン繊維には、グリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸等の脂質、糖タンパク質、アルブミン等のコラーゲン以外のタンパク質等、不純物が存在している。これらの不純物は、粉末化するにあたって光沢や強度等の品質、臭気等に多大な影響を及ぼす。したがって、たとえば石灰漬けにして不溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲン繊維を解きほぐした後、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶剤処理等のような一般に行われている皮革処理を施し、予めこれらの不純物を除去しておくことが好ましい。
前記のような処理の施された不溶性コラーゲンは、架橋しているペプチド部を切断するために、可溶化処理が施される。前記可溶化処理の方法としては、一般に採用されている公知のアルカリ可溶化法や酵素可溶化法等を適用することができる。前記アルカリ可溶化法を適用する場合には、たとえば塩酸等の酸で中和することが好ましい。
前記酵素可溶化法は、分子量が均一な可溶化コラーゲンを得ることができるという利点を有するものであり、前記アルカリ可溶化法を併用しても良い。
このように可溶化処理を施したコラーゲンにpHの調整、塩析、水洗や溶剤処理等の操作をさらに施した場合には、品質等の優れた可溶化コラーゲンを得ることが可能なため、これらの処理を施すことが好ましい。得られた可溶化コラーゲンは、たとえば1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%程度の所定濃度の原液になるように塩酸、酢酸、乳酸等の酸でpH2〜4.5に調整した酸性溶液を用いて溶解される。
なお、得られたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧攪拌下で脱泡を施し、水不溶分である細かいゴミを除去するために濾過を行ってもよい。得られる可溶化コラーゲン水溶液には、さらに必要に応じてたとえば機械的強度の向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、防腐等を目的として安定剤、水溶性高分子化合物等の添加剤が適量配合されてもよい。
可溶化コラーゲン水溶液を、たとえば紡糸ノズルやスリットを通して無機塩水溶液に吐出することによりコラーゲン不溶物が形成される。無機塩水溶液としては、たとえば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム等の水溶性無機塩の水溶液が用いられ、通常これらの無機塩の濃度は10〜40重量%に調整される。
無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等の金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウム等を配合することにより、通常pH2〜13、好ましくはpH4〜12となるように調整することが好ましい。pHが低すぎたり、高すぎたりした場合、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくなり、目的とするコラーゲン粉末が得られにくくなる傾向がある。
また、無機塩水溶液の温度は特に限定されないが、通常35℃以下であることが望ましい。温度が高い場合、可溶性コラーゲンが変性を起して強度が低下し、安定した製造が困難となる場合がある。なお、温度の下限は特に限定されないが、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整することができる。
このようにして得られたコラーゲン不溶物は、無機塩の水溶液で膨潤した状態になっている。この膨潤はコラーゲン不溶物の重量に対して無機塩の水溶液を含有した状態が良い。無機塩の水溶液の含有量が4倍未満ではコラーゲン不溶物中の金属含有量が少なく、耐水性が不充分であり、また15倍を越える場合には強度が弱くなって取扱いが困難である。
膨潤したコラーゲン不溶物は、次いでジルコニウム塩の水溶液に浸漬する。このジルコニウム塩水溶液のジルコニウム塩としては、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が用いられる。具体的には、ZrCl、Zr(SO、ZrOCl、ZrOSO、NaZrOで表される塩基性塩化ジルコニウム又は塩基性硫酸ジルコニウムが好ましい。
これらのジルコニウムは単独で又は2種以上混合して用いることができる。このジルコニウム塩水溶液のジルコニウム塩濃度としては、酸化ジルコニウムに換算して0.3〜5重量%、さらには0.5〜6重量%であることが好ましい。このジルコニウム塩の濃度が低いとコラーゲン不溶物中のジルコニウム塩含有量が少なく、耐水性が不充分であり、また高い場合には処理後硬くなって風合いを損ねてしまう。
このジルコニウム塩水溶液のpHは、例えば塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いて通常2.5〜5に調整することが好ましい。このpHが低いとコラーゲンの構造を壊して変性させる傾向があり、また高い場合にはジルコニウム塩の沈殿を生じるようになり、浸透し難くなる。
このpHは、最初は2.2〜3.5に調整して充分にジルコニウム塩水溶液をコラーゲン不溶物内に浸透させ、その後に、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を添加して3.5〜5に調整して処理を完結させることが好ましいが、塩基性の高いジルコニウム塩を用いる場合には、2.5〜5の最初の pH調整だけでもかまわない。また、このジルコニウム塩水溶液の液温は特に限定されないが、50℃以下が好ましい。この液温が50℃を超える場合には、3次元構造が壊れることでのゼラチン化が起こり、コラーゲン不溶物が変性する傾向がある。
このジルコニウム塩水溶液にコラーゲン不溶物を浸漬する時間は、3時間以上、さらには4〜25時間が好ましい。この浸漬時間が短いとジルコニウム塩の反応が進み難く、コラーゲン不溶物の耐水性が不充分となる。また、浸漬時間があまり長いと時間的ロスが増えて好ましくない。通常、25時間以内で通常はジルコニウム塩の反応は充分に進行し、耐水性も良好となる。なお、ジルコニウム塩が再生コラーゲン中に急激に吸収されて濃度むらを生じないようにするため、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩を適宜前記ジルコニウム塩の水溶液に添加しても良い。
このようにジルコニウム塩で処理された架橋された再生コラーゲンは、次いで水洗、オイリング、乾燥を行う。こうして得られた再生コラーゲン繊維は、従来法のクロム塩で処理されたような着色がほとんどなく、かつ、耐水性に優れているので、多方面への適用が可能であり、本発明の利点が多大であることは明らかである。一般にコラーゲンの変性(ゼラチン化)を防ぐため、加工時の温度履歴には注意が必要である。架橋後においても変性を防ぐためには、製造時、粉末化加工時・製品保管時の水分と温度の管理をコラーゲン不溶物の変性条件以下に保持することが必須である。
本発明の架橋されたポリペプチド粉末は、コラーゲン、ゼラチン、同ゼラチンを分解したポリペプチド、さらにコラーゲン、ゼラチン、ゼラチンを分解したポリペプチドの修飾物についても上記の有機化合物及び/又は金属塩で架橋することで抗菌性の発揮が可能であるが、コラーゲンが抗菌性、抗カビ性の特性が十分に発現出来るので好ましい。
また、変性防止の点において前記のコラーゲンがより望ましい。金属塩としてジルコニウム塩以外に、一般的に革なめしで用いられる金属塩などほとんどの金属塩についても抗菌強度などコラーゲン特性の発揮において程度の違いはあるがある程度類似の効果が期待できる。
また、コラーゲン溶液から紡糸する場合には、溶液中又は紡出直前に顔料や染料を混合して着色することも公知の方法により容易である。使用する顔料や染料は用途に応じて、紡糸工程や粉末化工程での溶出分離が無いこと、また使用製品の要求品質に対応して種類や色相を選択することができる。また必要に応じて、充填剤、老化防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することもできる。このようなコラーゲン繊維製造工程で、スリットノズルを用いてフィルムを同様の方法で製造して、これを粉末化することもできる。
本発明においては、上記の方法により得られたコラーゲン不溶物を、粉砕することで架橋されたコラーゲン不溶物からなるコラーゲン粉末とすることができるが、コラーゲン不溶物が繊維あるいはフィルムの場合には粉砕に適した繊維長もしくはサイズに切断するか、この切断したものをさらに粉砕するか、もしくは、繊維やフィルムを直接粉砕することによりコラーゲン粉末とすることができる。
本発明においてコラーゲン粉末の製造に使用できるカッターは特に制限は無いが、繊維のカットに通常使われる、回転刃カッター、ベルトカッター、シャーリングマシン、カッターミル等で0.1mm〜数mm程度に切断することができる。
さらに、このカットされた繊維、ローラーミル、ロッドミル、ボールミル(乾式、型ボールミル、グラインダーミル等せん断型ミル等の粉砕機を用いて微粉砕、また媒体攪拌型超微粉砕機等を用い超微粉砕することによりさらに小さくして本願発明のポリペプチド粉末とすることが出来る。ジルコニア製ボール等の硬質のボールを使用することで粉末へのボール素材の混入を防ぐ点及び粉砕効率の点から好ましく使用することができるが、アルミナ製ボール等他の素材のボールを用いることもできる。
本発明に用いられるポリペプチド粉末の粒子径としては、0.1〜数mm程度でも抗菌抗カビ性を示すが、好ましくは平均粒径が0.01〜80μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは1〜5μmまで微粉砕することでより抗菌抗カビ性が向上する。これにより、樹脂材料に配合して成形加工用に用いるほかに、水系媒体または有機溶媒系媒体などに混合してスプレー剤や塗料として用いることが可能になるという利点もあり好ましい。
上記粉砕機の種類や粉砕時間によって得られるポリペプチド粉末の粒子径を適宜調節することも可能であるが、例えば振動ミルを使用した場合、1時間〜数十時間で、平均粒径として5〜80μm程度のものが得られるが、0.01〜5μmの平均粒径のものを得る場合には破砕したポリペプチド粉末を分級することで得られる。
なお平均粒径は市販の粒度分布計で測定できる。例えば、レーザー回折散乱法によるマイクロトラック粒度分布装置(日機装株式会社製MT3300)などを用いて測定できる。
前記の微粉末化したポリペプチド粉末を水系媒体又は有機溶媒系媒体などに混合してスプレー剤とする場合、自動車内のシート(座席)、マット、プラスチック部材、家庭内のカーテン、マット、ソファ、カーペット、衣類などに吹きかけて、それらの基材に抗菌または抗カビ処理を施すことができるが、前記スプレー剤の用途が、これらに上に挙げた例示に限定されないことはいうまでもない。
このようにして得られるポリペプチド粉末は、人間の生活環境下に存在する微生物に対して優れた抗菌性または抗カビ性、あるいはその両方の性質を有するため、樹脂添加用の抗菌剤または抗カビ剤として使用することができる。したがって、前記ポリペプチド粉末を用いることで、他の抗菌剤または抗カビ剤を配合しなくても、優れた抗菌性または抗カビ性を有する樹脂組成物を得ることが可能になる。
本発明に用いられる架橋されたポリペプチドを用いたポリペプチド粉末が示す抗菌性または抗カビ性は、牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚などの動物原料から公知の方法により抽出されただけの再生コラーゲンには見られない特徴的な性質である。
また、前記ポリペプチド粉末は、合成樹脂や溶剤への分散性(樹脂分散性)に優れているため、加工工程での予備分散等は必ずしも必要ではない。これは親水性及び疎水性基を兼ね備えており、また架橋が非常に強固に行われているため耐熱性や耐水性が高く、熱や水分や溶剤の影響を受けにくいので表面での粘着性が少なく、粉体粒子の凝集や会合が起こりにくいためと考えられる。本発明において、ポリペプチド粉末が樹脂分散性に優れることで、抗菌性または抗カビ性に優れた種々の形態の樹脂成形品を得ることが可能になる。
また、前記ポリペプチド粉末は、従来のコラーゲンと同じように、優れた樹脂改質効果も有する。樹脂改質効果としては、耐熱性、耐水性、ホルムアルデヒド吸着性、吸放湿性、濡れ性低減効果、つや消し効果などが挙げられる。
本発明の抗菌抗カビ剤は、前記ポリペプチド粉末を含有するものであり、抗菌性、抗カビ性、樹脂分散性に優れ、樹脂改質効果も備えたものである。本発明の抗菌抗カビ剤には、抗菌性、抗カビ性、樹脂分散性、必要であれば樹脂改質効果を損なわない程度であれば、他の成分を混合して用いてもよい。なお、併用する他の成分としては造膜剤、紫外線遮蔽剤、電磁波シールド効果を有する剤などが挙げられるが、特に限定はない。
このようにして得られた抗菌抗カビ剤と樹脂材料とを混合することで、抗菌性または抗カビ性に優れた樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐水性、ホルムアルデヒド吸着性、吸放湿性、濡れ性、つや消しなどの点に優れたものである。前記抗菌抗カビ剤の添加量としては樹脂組成物全量の0.1重量%〜80重量%が好ましく、より好ましくは0.5重量%〜20重量%である。抗菌抗カビ剤の添加量は、吸放湿性やホルムアルデヒド吸着性といった添加効果が得られる範囲でかつ、樹脂の特性が両立でき経済性を満たす範囲において添加部数を調整することができる。
本発明の樹脂組成物は、抗菌剤およびまたは抗カビ剤と樹脂改質剤の両方の特性を有するため、新たに公知の抗菌剤または抗カビ剤を用いなくても良く、経済性に優れたものである。
前記樹脂材料としては、合成樹脂であれば特に限定はないが、中でも熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましい。また合成樹脂としては具体的にはポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルシリコン系樹脂、エポキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマーをあげることができる。
これら合成樹脂から選ばれる樹脂を少なくとも一種含有する組成物とすることが好ましい。ポリペプチド粉末の特性である吸放湿性や化学物質吸着性等の損なわない範囲で併用することも可能である。また必要に応じて、充填剤、老化防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記抗菌剤または抗カビ剤、樹脂材料、必要であれば他の成分の混合は、公知の樹脂組成物の製造方法を用いて得ることができる。混合条件については、公知の条件であればよく、特に限定はない。
本発明の樹脂組成物は、塗料、皮革、又は成形材料として用いることで、様々な形態の抗菌性または抗カビ性に優れた製品を製造することが可能となる。
本発明は、前記抗菌抗カビ剤と樹脂材料とを混合して樹脂組成物を得る工程、樹脂組成物の抗菌抗カビ処理方法も包含される。
なお、前記製品としては、樹脂組成物から製造され得るものであれば特に限定はないが、例えば、ハンドル、シート(座席;seat)等の車輌、航空機、船舶用の内装材、ソファ、イス等の家具の表装材、クッション材等の伸縮性素材、皮革様の衣料、バッグ、カバン、靴、皮革様手袋、食器、文房具等の日用品の素材、インテリア等の装飾材、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の電化製品の部品、フィルター等(マスク、車内および室内エアコン、エアフィルター、オイルエレメント)、オムツ、生理用品、電化製品(例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話)の部品、壁紙、天井材、床材等内装材、またトイレ、浴室関連では便器、浴槽を含めこれらの内装材、さらに印刷、筆記対象としての紙およびプラスチック製品など種々の成形品など、人間が接触する機会の多い製品が挙げられる。
また製品形状としては、射出成形、押出成形、キャスティング、練りこみ、塗膜成形法などで作製したシート(sheet)、皮膜形状を挙げることができる(以下、シート形状という)。
皮革用としては、人工皮革、合成皮革に用いることができる。これら皮革として用いる他にも、これら皮革、あるいは天然皮革の表面処理剤としても用いることができる。
また前記した、塗料に用いる場合、一般的に用いられている塗料に本願発明のポリペプチド粉末を配合することで、本願発明のポリペプチド粉末が有する特性を塗料(塗膜)に付与することが可能である。塗料としては溶剤系塗料、水系塗料のいずれに用いてもかまわないが、近年臭気あるいは有機溶媒の環境に与える影響からその使用量が増大している水系塗料に用いることがより好ましい。塗料への配合は、塗料製造時あるいは、製造された塗料に配合するいずれの方法であってもかまわない。
また、本願発明のポリペプチド粉末を、必要によりバインダー成分等の配合剤と共に水系媒体に混合して、スプレー剤として用いることも可能である。

本願発明の抗菌抗カビ剤は、菌、カビに対して増殖阻害効果を有する。
菌としては、細菌と真菌に分類されるが、通常これらのいずれにも効果を有するような素材は少なく、このような機能を有するものが望まれている。
一般に細菌の分類としては、以下に示すように細胞壁にペプチドグリカンを多量に持つグラム陽性菌、リポポリサッカライドを持つグラム陰性菌、及びその他の菌に大別される。
グラム陽性菌としては、更に、グラム陽性球菌とグラム陽性桿菌に大別される。
グラム陽性球菌には、通性嫌気性および好気性球菌があり、属としては、ミクロコッカス属、スタフィロコッカス属、連鎖球菌属のストレプトコッカス属およびエンテロコッカス属があり、スタフィロコッカス属の黄色ぶどう球菌、メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)、連鎖球菌属では化膿連鎖球菌、B群連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、緑色連鎖球菌が病原菌として知られている。
グラム陽性桿菌には、コリネバクテリウム属、リステリア属、エリジペロスリックス属、バチルス属、マイコバクテリウム属に分類され、病原菌としてはコリネバクテリウム属のジフテリア菌、リステリア属のリステリア・モノサイトゲネス、エリジペロスリックス属のブタ丹毒菌、バチルス属の炭そ菌、セレウス菌、マイコバクテリウム属の結核菌が主なものである。
グラム陰性菌としては、グラム陰性桿菌が主なものである。
グラム陰性桿菌としては、好気性グラム陰性桿菌とグラム陰性通性嫌気性桿菌を挙げることができる。
好気性グラム陰性桿菌の主な菌属として、Pseudomonas, Burkholderia, Rastonia, Legionella, Brucella, Bordetella, Alcaligenes, Francisella などが挙げられる。病原性を持つものとして、Pseudomonas属の緑膿菌、Legionella属のレジオネラ・ニューモフィラ、Brucella属のマルタ熱菌、ウシ流産熱菌、ブタ流産菌などが知られている。
グラム陰性通性嫌気性桿菌は、腸内細菌科、ビブリオ科、パスツレラ科に分類され、腸内細菌科はさらに大腸菌属、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、エルシニア属に分類され、病原性を持つものとして、大腸菌属ではO157などの大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、クレブシエラ属では肺炎桿菌、セラチア属では霊菌、プロテウス属ではProteus vulgaris, Proteus mirabilis、エルシニア属ではペスト菌が知られている。またビブリオ科はビブリオ属のコレラ菌、パスツレラ科はパスツレラ属のPasturella multocidaが病原性菌として知られている。
その他の菌としては、グラム陽性、陰性の両方が存在する菌群として、偏性嫌気性菌、らせん菌群があり、以下のような菌が知られている。
偏性嫌気性菌としては、偏性芽胞形成菌、偏性嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌、偏性嫌気性グラム陰性無芽胞桿菌、嫌気性グラム陽性球菌、嫌気性グラム陰性球菌に分類され、病原菌としては、偏性芽胞形成菌の破傷風菌、ボツリヌス菌、ウエルシュ菌、ディフィシル菌が挙げられる。
らせん菌群としては、カンピロバクター属のC. fetus, C. jejuni, C. colitが病原菌として知られている。
上記の細菌が様々な病原菌において知られているが、特に、食中毒や院内感染でよく検出される以下、大腸菌、黄色ぶどう球菌、緑膿菌、MRSA、セレウス菌、肺炎桿菌は抗菌剤の対象菌として極めて重要なものであるといえる。
真菌類については、酵母とカビに大別される。
カビとしては、Aspergillus属、Penicillium属、Cladosporium属、Alternaria属、Fusarium属、Aureobasidium属、Trichoderma属、Chaetomium属、に分類される。対象となるカビとしては、JIS Z 2911に挙げられた、例えば、(第1群)アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・テレウス、ユーロチウム・トノヒルム、(第2群)ペニシリニウム・シトリナム、ペニシリニウム・フニクロスム、(第3群)リゾプス・オリゼ、(第4群)クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(クロカワカビ)、オーレオバシジウム・プルランス、グリオクラジウム・ビレンス、(第5群)ケトミウム・グロボスム、フザリウム・モニリホルメ、ミロテシウム・ベルカリア、などのカビが考えられる。
酵母としては、Candida属、Rhodotorula属、Saccharomyces属、に分類される。
本願発明の抗菌抗カビ剤は、上記菌、カビに対して増殖阻害効果を有し、本願発明の抗菌抗カビ剤を配合した樹脂組成物はその組成物を用いて得られる成形体(塗膜、皮膜を含む)は抗菌、抗カビ性を有し、これらの増殖阻害効果を有する。
本発明の実施形態を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片1200kg(コラーゲン分180kg)に30重量%に希釈した過酸化水素水溶液30gを投入後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、固形分7.5重量%に調整した原液を作製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機((株)ダルトン製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置し、脱泡を行った。
かかる原液をピストンで押し出した後、ギアポンプ定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで濾過後、孔径0.275mm、孔長0.5mm、孔数300の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出した。
次に、得られたコラーゲン繊維(300本、20m)を、エピクロロヒドリン1.7重量%、水酸化ナトリウム0.0246重量%、及び硫酸ナトリウム17重量%を含有した水溶液1.32kgに25℃で4時間浸漬した後、さらに浸漬液温度を43℃に昇温して2時間含浸した。
含浸終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。この後、硫酸ジルコニウム5重量%、クエン酸三ナトリウム塩0.9重量%、水酸化ナトリウム1.2重量%を含有した水溶液1.32kgに30℃で含浸しPHを2.5〜5に調整した。さらに、PHが5になるように、含浸開始から2時間後、3時間後及び4時間にそれぞれ5重量%水酸化ナトリウム水溶液13.2gを添加し、合計6時間含浸させた。含浸終了後に含浸液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。
ついで、作製した繊維の一部をアミノ変性シリコーンのエマルジョン及びプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。50℃に設定した熱風対流式乾燥機内部で繊維束の一方の端を固定し、他方の端に繊維1本に対して2.8gの重りを吊り下げ2時間緊張下で乾燥させ、60dtxのコラーゲン繊維を得た。
(製造例2)
コラーゲン粉末は製造例1で得られたコラーゲン繊維を物理的に粉砕することにより調製した。すなわち、まずコラーゲン繊維2kgをカッターミルSF−8(三力製作所製)にて1mm前後の長さに細断し、同社製サイクロンCYC−600型にて回収した。次に、振動ミル(株式会社トーケン製)を用い粉砕を行った。
粉砕条件としては、容量4Lのアルミナ製容器に同じアルミナ製のボール(径19mm)を充填容量80%、細断した架橋コラーゲン繊維を充填容量として40%(500g)で入れ、12時間および24時間粉砕処理を実施した。その結果、12時間の粉砕で平均粒径13μm、24時間の粉砕では平均粒径4μmの粉末を得ることができた。
これらの粉末を後述の実施例1の大腸菌の抗菌試験に用いた。
(製造例3)
製造例3の樹脂組成物は、オレフィン系熱可塑性エラストマーと製造例2で作製したコラーゲン粉末及びシリコーンを含有するものであり、下記の組成を有する。オレフィン系熱可塑性エラストマー〔住友化学(株)製TPO(商品名:住友TPE3675)〕90重量部、コラーゲン粉末10重量部(製造例2で得られた平均粒径4μmおよび13μm)、シリコーン〔東レダウコーニングシリコーン(株)シリコーンゴム商品名:SE6749U〕2重量部である。
この樹脂組成物を2本のロールを備えた装置〔日本ロール製造(株)〕を用い、その回転ロール上にて140℃、3回(10分間)溶融、混練することにより、厚さ250μmのシートを得た。
(製造例4)
製造例4の樹脂組成物は、エマルジョン型アクリルシリコン水性樹脂と製造例2で作製したコラーゲン粉末(製造例2で得られた平均粒径4μmおよび13μm)、及び添加剤が添加されたものであり下記の組成を有する。
エマルジョン型アクリルシリコン水性樹脂〔株式会社カネカ製、固形分50%製(商品名:ゼムラックW#3108F)〕100重量部、コラーゲン粉末10重量部、造膜剤テキサノール(チッソ製、商品名:CS12)3重量部
を直径1mmのガラスビーズ存在下で約10分攪拌混合し、アプリケーターにてガラス板(15×7×0.075cm)に塗装、室温で5時間乾燥することにより塗装形状サンプルを得た。
(製造例5)
製造例5の樹脂組成物は、一液型ポリウレタン溶剤系塗料と製造例2で作製したコラーゲン粉末(製造例2で得られた平均粒径4μmおよび13μm)、及び添加剤が添加されたものであり、下記の組成を有する。
一液型ポリウレタン樹脂「ニッポラン5199」〔日本ポリウレタン工業製、固形分30%〕100重量部、コラーゲン粉末10重量部、DMF等溶剤30重量部、造膜剤テキサノール(チッソ製商品名:CS12)3重量部
を直径1mmのガラスビーズ存在下で約10分攪拌混合し、アプリケーターにてガラス板に塗装、乾燥することにより塗装形状サンプルを得た。
(製造例6〜8)
製造例6〜8はそれぞれ製造例3〜5と同様の手順にてコラーゲン粉末を添加することなくサンプル作製を行った。
(実施例1)
製造例2で得られたコラーゲン粉末の黄色ブドウ球菌〔スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)NBRC12732株〕に対する抗菌性を次のようにして調べた。
すなわち、培地(含酵母エキス0.5重量%、ペプトン1重量%、食塩0.5重量%)10mLに製造例2で作製したコラーゲン粉末(平均粒径4μm)を2.0重量%になるように添加したものに上記の黄色ブドウ球菌を約3.4×104個程度植菌し、36℃で18時間培養し、増殖の有無を視覚的に判断した。対照としてコラーゲン粉末を添加しない以外は上記と同じように培養した。その結果を表1に示す。
Figure 2010138145
(実施例2)
また、製造例2で得られた平均粒径4μmのコラーゲン粉末の大腸菌(Echerichia coli .JM109株)に対する抗菌性を次のようにして調べた。
すなわち、培地10mLにコラーゲン粉末を1.5、2.0重量%になるように添加したものに上記の大腸菌を1×106個程度植菌し、37℃で18時間培養し、増殖の有無を視覚的に判断した。対照としてコラーゲン粉末を添加しない以外は上記と同じように培養した。その結果を表2に示す。
Figure 2010138145

(実施例3、比較例1)
すなわち、製造例2で作製した平均粒径4μmの粉末を、それぞれ5,10重量%になるように、50℃に保った寒天入り培地((株)栄研化学製サブロー寒天培地)に添加し、十分に混合後、これをシャーレに分注、固化させて測定用平板を作製した。次に各試験菌株を増殖用培地(クロカワカビ;Difco社製Potato Dextrose Agar)で25℃、10日間培養後、10/ml(クロカワカビは胞子数)となるように調整し、平板上に塗抹し、25℃、7日間培養後培養し、増殖の有無を視覚的に判断した。対照(比較例1)として、粉末を添加しない以外は上記と同様に培養した。その結果を表3に示す。
Figure 2010138145
(実施例4〜5、比較例2〜4)
製造例3〜5(それぞれ実施例4〜5)、製造例6〜8(それぞれ比較例2〜4)で作製したシートサンプルの抗菌性をJIS Z2801に準じた方法で評価した。すなわち5cm四方角の各サンプル上に大腸菌(Echerichia Coli IFO3972)を1.1x10個/mlになるように調製した菌液0.4mlを置き、4cm四方のフィルムがカバーした後に30℃で培養した。24時間後、菌液を回収し、その中の生菌数を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2010138145

Claims (11)

  1. 架橋されたポリペプチドを用いたポリペプチド粉末を含有する抗菌抗カビ剤。
  2. 架橋されたポリペプチドが、金属塩を含有する処理液で架橋処理された請求項1記載の抗菌抗カビ剤。
  3. 金属塩がジルコニウム塩である請求項2記載の抗菌抗カビ剤。
  4. ジルコニウム塩がZrCl、Zr(SO、ZrOCl、ZrOSO、NaZrOである請求項3記載の抗菌抗カビ剤。
  5. 前記ポリペプチド粉末がコラーゲンを原材料として得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤。
  6. 架橋されたポリペプチド粉末の平均粒径が0.01〜80μmである請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤。
  7. 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する樹脂組成物。
  8. 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する塗料用樹脂組成物。
  9. 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する皮革用樹脂組成物。
  10. 樹脂材料20重量%〜99.9重量%と請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤0.1重量%〜80重量%を含有する成形材料用樹脂組成物。
  11. 樹脂材料と請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌抗カビ剤を混合して樹脂組成物を得る工程を有する、樹脂組成物の抗菌抗カビ処理方法。
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