JP2018087162A - 防カビ剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】カビの繁殖を予防するための防カビ剤は数多くの優れた特性を要求、具体的には、「抗菌スペクトルの広さ」、「効果の持続性」、「非寛容性」、「安全性」といった特性であり、これら全てを満足する防カビ剤の提供。【解決手段】ホロトキシンを主製剤とし、物品の表面に塗布することでカビの繁殖を抑制する、また、ホロトキシンを主製剤とし、物品を構成する材料に混合することでカビの繁殖を抑制する防カビ剤。【選択図】なし
Description
本発明は、天然物質を主成分とする防カビ剤に関するものである。
カビは、菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなる体を持つ菌類である。空中を漂っている胞子が、湿った有機物の表面に触れ、且つ温度条件が満足されると発芽し、菌糸のネットワークを形成し増殖する。 生活空間においては、たとえば食物、衣類、浴槽の壁などの表面に発生する。多くの場合、その発生物の劣化や腐敗を起こし、あるいは独特の臭気を発する。カビの除去剤は、次亜塩素酸ナトリウム等、数多く存在するが、やや危険なものもあり、また、効果の持続性は期待できないのが普通である。
家庭等において最も一般的なカビは、クロカワカビ(Cladosporium)である。また、黒コウジカビ(Aspergillus)や青カビ(Penicillium)も家庭等で繁殖しやすい。
一方、人体に影響を及ぼし、真菌症と呼ばれる病気の原因となるカビもある。水虫やたむしの原因となる白癬菌が代表的なカビである。
真菌症の治療薬としては、安全性の高い天然物質に関して広く探索がなされている。その一つの物質が、ナマコより分離されたサポニン系の抗真菌薬ホロトキシンである。ただし、名前が示す通り毒素であるため、長期の使用が困難であると考えられている(例えば、特許文献1、特に、0005段落)。
真菌症の治療薬としては、安全性の高い天然物質に関して広く探索がなされている。その一つの物質が、ナマコより分離されたサポニン系の抗真菌薬ホロトキシンである。ただし、名前が示す通り毒素であるため、長期の使用が困難であると考えられている(例えば、特許文献1、特に、0005段落)。
このように、カビの除去剤、あるいは真菌症の治療薬は、広く研究され、そして実用化されている。
一方、カビの繁殖を予防するための防カビ剤は未だに開発途上である。また、真菌症を予防するための防カビ剤は皆無と言っても過言ではない。
一方、カビの繁殖を予防するための防カビ剤は未だに開発途上である。また、真菌症を予防するための防カビ剤は皆無と言っても過言ではない。
この原因は、カビの除去剤と比べ、防カビ剤は数多くの特性を要求されるからである。要求される特性としては、安全性、抗菌スペクトルの広さ、効果の持続性、非寛容性といったことが挙げられる。
「安全性」とは、触れた際に皮膚等が損傷を受けたりしない、あるいは、誤って体内に経口摂取した際に喉の痛み、頭痛、体調不良等の症状を引き起こしたりしないことであり、子供や高齢者、妊婦も使用する一般の防カビ剤には重要な特性である。
「安全性」とは、触れた際に皮膚等が損傷を受けたりしない、あるいは、誤って体内に経口摂取した際に喉の痛み、頭痛、体調不良等の症状を引き起こしたりしないことであり、子供や高齢者、妊婦も使用する一般の防カビ剤には重要な特性である。
「抗菌スペクトルの広さ」とは、多種類のカビに対して防カビ効果を持つことである。
「効果の持続性」とは、防カビ剤自体が変質せず、化学的安定性が高いことで、長期間に渡り防カビ効果を持続することである。
「非寛容性」とは、カビが防カビ剤に対する耐性を獲得しにくいことである。
「効果の持続性」とは、防カビ剤自体が変質せず、化学的安定性が高いことで、長期間に渡り防カビ効果を持続することである。
「非寛容性」とは、カビが防カビ剤に対する耐性を獲得しにくいことである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、上記の数多くの特性を満足する防カビ剤を提供するものである。
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを主製剤とし、物品の表面に塗布することでカビの繁殖を抑制するものである。
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを主製剤とし、物品を構成する材料に混合することでカビの繁殖を抑制するものである。
本発明に係る防カビ剤は、上記ホロトキシンを有機溶剤に溶解したことを特徴とするものである。
本発明に係る防カビ剤は、上記ホロトキシンの濃度が有機溶剤1mlあたり5μg以上であることを特徴とするものである。
本発明においては、ホロトキシンの持ついくつかの優れた未知の特性を見出し、ホロトキシンを主製剤とすることで、上記に示した防カビ剤に要求される4つの特性を備えた防カビ剤を得ることが可能となった。
実施の形態.
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを主製剤とし、物品の表面に塗布、あるいは、物品を構成する材料に混合することでカビの繁殖を抑制するものである。
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを主製剤とし、物品の表面に塗布、あるいは、物品を構成する材料に混合することでカビの繁殖を抑制するものである。
<ホロトキシン>
ホロトキシンは、ナマコから抽出されるサポニンである。抽出物は、ホロトキシンA、ホロトキシンB、ホロトキシンCからなる混合物であり、いずれも同様の効能を有し、混合物のままで用いても良いし、各ホロトキシンを単離して使用しても良い。
ホロトキシンは、ナマコから抽出されるサポニンである。抽出物は、ホロトキシンA、ホロトキシンB、ホロトキシンCからなる混合物であり、いずれも同様の効能を有し、混合物のままで用いても良いし、各ホロトキシンを単離して使用しても良い。
抽出方法は特に問わないが、例えば、次のような抽出方法がある。
まず、ナマコの内臓や体液を除去した体壁組織を細かくきざみ乾燥する。その乾燥物にメタノールを加え、還流し濾過する。このようにして不純物を取り除き、クロマトグラフィー等により、物質を分離する。
まず、ナマコの内臓や体液を除去した体壁組織を細かくきざみ乾燥する。その乾燥物にメタノールを加え、還流し濾過する。このようにして不純物を取り除き、クロマトグラフィー等により、物質を分離する。
<主製剤>
主製剤とは、防カビ剤の示す有用な効果の主要因となる物質である。
主製剤とは、防カビ剤の示す有用な効果の主要因となる物質である。
<物品>
物品とは、例えば、バスマットや靴、カーテン、あるいはエアコンの内部やフィルターといった物である。あるいは、浴槽の壁や、湿気の多い窓際の壁、クローゼット等の建築物の一部である。
物品とは、例えば、バスマットや靴、カーテン、あるいはエアコンの内部やフィルターといった物である。あるいは、浴槽の壁や、湿気の多い窓際の壁、クローゼット等の建築物の一部である。
<塗布>
塗布とは、表面を覆うように、できるだけ一様に製剤を散布することである。
例えば、ホロトキシンをエタノール等の有機溶剤に溶かし、スプレー噴霧や滴下により散布することである。あるいは、粉末状のホロトキシンを撒くことである。あるいは、ホロトキシンをバインダーにより、物品の表面に安定化させることである。
<混合>
混合とは、物品を構成する樹脂や繊維等の構成材料に予め混ぜた状態にすることである。
塗布とは、表面を覆うように、できるだけ一様に製剤を散布することである。
例えば、ホロトキシンをエタノール等の有機溶剤に溶かし、スプレー噴霧や滴下により散布することである。あるいは、粉末状のホロトキシンを撒くことである。あるいは、ホロトキシンをバインダーにより、物品の表面に安定化させることである。
<混合>
混合とは、物品を構成する樹脂や繊維等の構成材料に予め混ぜた状態にすることである。
<実証実験>
以下においては、ホロトキシンの基本的な優れた性質を確認するために行った実証実験について説明する。ホロトキシンとしては、上記の方法で抽出したホロトキシンA、ホロトキシンB、ホロトキシンCからなる混合物を用いた場合について結果を示す。なお、単離したホロトキシンを用いた場合も、実験結果に大差はなかった。
以下においては、ホロトキシンの基本的な優れた性質を確認するために行った実証実験について説明する。ホロトキシンとしては、上記の方法で抽出したホロトキシンA、ホロトキシンB、ホロトキシンCからなる混合物を用いた場合について結果を示す。なお、単離したホロトキシンを用いた場合も、実験結果に大差はなかった。
(実証実験1:濃度依存性)
各種のカビに対するホロトキシンの濃度依存性を確認するために実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
まず、濃度の異なるホロトキシンを含有する平板培地を作製し、そこに各供試菌株の菌液を0.1ml塗抹した。30℃で7日間培養後、カビの発育状況を観察した。そして、カビの発育が認められないホロトキシン最小濃度(以下、「最少発育阻止濃度」と呼ぶ)をカビごとに求めた。
各種のカビに対するホロトキシンの濃度依存性を確認するために実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
まず、濃度の異なるホロトキシンを含有する平板培地を作製し、そこに各供試菌株の菌液を0.1ml塗抹した。30℃で7日間培養後、カビの発育状況を観察した。そして、カビの発育が認められないホロトキシン最小濃度(以下、「最少発育阻止濃度」と呼ぶ)をカビごとに求めた。
クロカワカビに対するホロトキシン濃度依存性を表1に示す。ホロトキシン濃度は、培地1mlあたり1.25μgから20μgとした。
ホロトキシン濃度が2.5μg/mlまではクロカワカビの発育が確認できたが、5μg/ml以上では、発育は確認できなかった。したがって、クロカワカビに対するホロトキシンの最少発育阻止濃度は5μg/mlであった。
同様の実験を黒コウジカビ、青カビ、白癬菌に対しても行った。
ホロトキシンの最少発育阻止濃度は、黒コウジカビ、青カビに対しては、10μg/mlであり、白癬菌に対しては20μg/mlであった。
ホロトキシンの最少発育阻止濃度は、黒コウジカビ、青カビに対しては、10μg/mlであり、白癬菌に対しては20μg/mlであった。
ホロトキシンの白癬菌に対する高い効果は知られていたが、今回の実験により、その他のカビに対する効果は、それ以上に高いことが確認できた。特に、最も一般的なカビであるクロカワカビに対する効果は高く、最少発育阻止濃度は、白癬菌に対する最少発育阻止濃度の4分の1であった。
ホロトキシンは天然物質であるため、化学合成で製造する物質に比べて高価である。一般家庭で使用する防カビ剤として使用するためには、できるだけ安価であることが要求されるが、このように低濃度でも高い効果を示すことから、ホロトキシンの一般の防カビ剤としての適用に十分な現実性が見いだせた。
ホロトキシンは天然物質であるため、化学合成で製造する物質に比べて高価である。一般家庭で使用する防カビ剤として使用するためには、できるだけ安価であることが要求されるが、このように低濃度でも高い効果を示すことから、ホロトキシンの一般の防カビ剤としての適用に十分な現実性が見いだせた。
また、ホロトキシンは、一般的なクロカワカビ、黒コウジカビ、青カビのすべてに効果があり、さらに真菌症の要因となる白癬菌に対しても効果を有するため、防カビ剤に要求される「抗菌スペクトルの広さ」を有することも確認できた。
(実証実験2:効果持続性)
ホロトキシンの効果の持続性を調べるため、新たに抽出したホロトキシンだけではなく、過去に抽出したホロトキシンを用い、各種のカビに対する効果を確認する実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
それぞれのカビに対する最少発育阻止濃度のホロトキシンを含有する平板培地を作製し、そこに各供試菌株の菌液を0.1ml塗抹した。30℃で7日間培養後、カビの発育状況を観察した。ホロトキシンは、新たに抽出したもののほかに、3年前、5年前、8年前、21年前に抽出したものを用いた。いずれのホロトキシンも、抽出後は常温で保管したものである。
ホロトキシンの効果の持続性を調べるため、新たに抽出したホロトキシンだけではなく、過去に抽出したホロトキシンを用い、各種のカビに対する効果を確認する実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
それぞれのカビに対する最少発育阻止濃度のホロトキシンを含有する平板培地を作製し、そこに各供試菌株の菌液を0.1ml塗抹した。30℃で7日間培養後、カビの発育状況を観察した。ホロトキシンは、新たに抽出したもののほかに、3年前、5年前、8年前、21年前に抽出したものを用いた。いずれのホロトキシンも、抽出後は常温で保管したものである。
新たに抽出したホロトキシンだけではなく、過去に抽出したホロトキシンにおいても、各カビの発育は認められず、ホロトキシンの効果持続性は、少なくとも21年間という長期的なものであることを確認できた。防カビ剤に要求される重要な特性である「効果の持続性」に関し、ホロトキシンは極めて優れた物質であることが分かった。
(実証実験3:非寛容性)
ホロトキシンに対して、各カビが耐性を獲得するか否かを調べるための実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
まず、低濃度のホロトキシンを含む培地において、各カビを所定期間(以下、「馴致期間」と呼ぶ)繁殖させた。馴致期間におけるホロトキシン濃度は、各カビに対する最少発育阻止濃度の60%とした。また、馴致期間は、7日、21日、63日、189日とした。馴致期間においては、いずれのカビも死滅することなく生育した。
ホロトキシンに対して、各カビが耐性を獲得するか否かを調べるための実験を行った。
カビは、クロカワカビ、黒コウジカビ、青カビ、白癬菌の4種を用いた。
まず、低濃度のホロトキシンを含む培地において、各カビを所定期間(以下、「馴致期間」と呼ぶ)繁殖させた。馴致期間におけるホロトキシン濃度は、各カビに対する最少発育阻止濃度の60%とした。また、馴致期間は、7日、21日、63日、189日とした。馴致期間においては、いずれのカビも死滅することなく生育した。
馴致期間経過後、培地に含有されるホロトキシン濃度を、それぞれのカビに対する最少発育阻止濃度に増加させ、30℃で7日間培養後、カビの発育状況を観察した。
いずれのカビに対しても、馴致期間にかかわらず、最少発育阻止濃度に増加させた培地において、カビの生育は確認できなかった。したがって、ホロトキシンに対して、各カビが耐性を獲得することはないことが確認できた。すなわち、防カビ剤に要求される特性である「非寛容性」をホロトキシンが有することを確認できた。
(実証実験4:安全性)
ホロトキシンの安全性を確認するため、計55名の男女の協力を得て、次の実験を行った。
表面に高濃度(50μg/ml)のホロトキシンが塗布された中敷きが入った革靴を、男性30名に毎日着用させた。同様の中敷きが入った革製のブーツを、女性25名に毎日着用させた。なお、男性は靴下を、女性はストッキングを着用した。
ホロトキシンの安全性を確認するため、計55名の男女の協力を得て、次の実験を行った。
表面に高濃度(50μg/ml)のホロトキシンが塗布された中敷きが入った革靴を、男性30名に毎日着用させた。同様の中敷きが入った革製のブーツを、女性25名に毎日着用させた。なお、男性は靴下を、女性はストッキングを着用した。
着用期間は3か月間であり、毎週、各人の足の状況を観察した。
3か月間の全期間において、全員の足の状況に腫れや湿疹、赤み等の異常は観察されなかった。また、違和感等の自覚症状を感じた人も皆無であった。
3か月間の全期間において、全員の足の状況に腫れや湿疹、赤み等の異常は観察されなかった。また、違和感等の自覚症状を感じた人も皆無であった。
以上のように、靴下等を介してであるが、ほぼ直接、足に触れる状態にあっても、ホロトキシンによる影響はないことを確認できた。
ホロトキシンは名前が示す通り毒素であるが、人体には悪影響がない物質であり、防カビ剤に要求される特性である「安全性」をホロトキシンが有することを確認できた。
なお、ホロトキシンの経口摂取に関しては、万が一の危険を伴うため、実証実験は行わなかった。しかし、長年製造に携わる発明者等の経験によれば、製造時に誤って経口摂取することもあるが、それによって、喉の痛み、頭痛、体調不良等を感じたことは一度もなく、ホロトキシンの経口摂取に関しても、安全性は高いと考えている。
ホロトキシンは名前が示す通り毒素であるが、人体には悪影響がない物質であり、防カビ剤に要求される特性である「安全性」をホロトキシンが有することを確認できた。
なお、ホロトキシンの経口摂取に関しては、万が一の危険を伴うため、実証実験は行わなかった。しかし、長年製造に携わる発明者等の経験によれば、製造時に誤って経口摂取することもあるが、それによって、喉の痛み、頭痛、体調不良等を感じたことは一度もなく、ホロトキシンの経口摂取に関しても、安全性は高いと考えている。
<防カビ剤の用途>
本発明に係る防カビ剤の用途としては、カビが発生しやすいあらゆる物品が対象となる。例えば、上記の実験で示した靴は、内部が湿気易いため、カビが発生しやすい。特に、白癬菌が繁殖した場合には、水虫の原因となる。したがって、例えば、家族に水虫の人がいる場合には、バスマットに塗布することで、白癬菌の感染予防になる。
本発明に係る防カビ剤の用途としては、カビが発生しやすいあらゆる物品が対象となる。例えば、上記の実験で示した靴は、内部が湿気易いため、カビが発生しやすい。特に、白癬菌が繁殖した場合には、水虫の原因となる。したがって、例えば、家族に水虫の人がいる場合には、バスマットに塗布することで、白癬菌の感染予防になる。
一般的なカビの防止用途としては、キッチンや浴室の壁、クローゼット、窓際の壁、カーテン等が有効である。
また、エアコンの内部やフィルター等に塗布すれば、長期間に渡り、カビの繁殖を予防できる。
また、エアコンの内部やフィルター等に塗布すれば、長期間に渡り、カビの繁殖を予防できる。
<防カビ剤の形態>
ホロトキシンは疎水性であるため、エタノール等の有機溶剤に溶かして、スプレー等として使用することは有効である。様々な物品に対して簡単に塗布できる汎用性がある。
また、最も一般的なカビであるクロカワカビに対する繁殖予防のため、濃度は最低5μg/mlが必要である。白癬菌の予防も考慮すれば、20μg/ml以上の濃度が望ましい。
なお、物品を製造するメーカー等において、物品を構成する樹脂や繊維等の構成材料に、ホロトキシンを予め混ぜた状態にするといった使用形態も有効である。
ホロトキシンは疎水性であるため、エタノール等の有機溶剤に溶かして、スプレー等として使用することは有効である。様々な物品に対して簡単に塗布できる汎用性がある。
また、最も一般的なカビであるクロカワカビに対する繁殖予防のため、濃度は最低5μg/mlが必要である。白癬菌の予防も考慮すれば、20μg/ml以上の濃度が望ましい。
なお、物品を製造するメーカー等において、物品を構成する樹脂や繊維等の構成材料に、ホロトキシンを予め混ぜた状態にするといった使用形態も有効である。
<まとめ>
近年、カビに対する人々の認識は高まり、防カビ剤への要求も高まりつつある。こういった状況の中、ホロトキシンという天然物質が、防カビ剤として優れた特性を持つことを見出した。
本発明において、特に重要な点は、ホロトキシンが持つ未知の優れた特性を発見したことである。
近年、カビに対する人々の認識は高まり、防カビ剤への要求も高まりつつある。こういった状況の中、ホロトキシンという天然物質が、防カビ剤として優れた特性を持つことを見出した。
本発明において、特に重要な点は、ホロトキシンが持つ未知の優れた特性を発見したことである。
第一の特性は、最も一般的なカビであるクロカワカビに対し、低濃度で繁殖を阻止する効果があることである。
第二の特性は、一般的なクロカワカビ、黒コウジカビ、青カビのすべてに効果があり、さらに真菌症の要因となる白癬菌に対しても効果を有することである。
第二の特性は、一般的なクロカワカビ、黒コウジカビ、青カビのすべてに効果があり、さらに真菌症の要因となる白癬菌に対しても効果を有することである。
第三の特性は、上記の各種のカビの繁殖を防止する効果持続性であり、少なくとも21年間という長期的なものであることである。
第四の特性は、各種のカビが、ホロトキシンに対して耐性を獲得することはないことである。
第五の特性は、ホロトキシンは名前が示す通り毒素であるにもかかわらず、人体には悪影響がないことである。
第四の特性は、各種のカビが、ホロトキシンに対して耐性を獲得することはないことである。
第五の特性は、ホロトキシンは名前が示す通り毒素であるにもかかわらず、人体には悪影響がないことである。
上記に示した5つの特性は、ホロトキシンが防カビ剤として、極めて適したものであることを示している。
第一の特性から、天然物質であるため高価なホロトキシンであっても、低濃度で高い効果があるため、一般家庭で使用する防カビ剤としても使用可能である。
第一の特性から、天然物質であるため高価なホロトキシンであっても、低濃度で高い効果があるため、一般家庭で使用する防カビ剤としても使用可能である。
そして、第二、第三、第四、第五の特性より、ホロトキシンを主製剤とする防カビ剤は、防カビ剤に要求される4つの特性、すなわち「抗菌スペクトルの広さ」、「効果の持続性」、「非寛容性」、「安全性」を持つことが確認できた。
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを防カビ剤の示す有用な効果の主要因となる物質とし、物品の表面に塗布することでクロカワカビを含む複数種のカビの繁殖を抑制するものである。
本発明に係る防カビ剤は、ホロトキシンを防カビ剤の示す有用な効果の主要因となる物質とし、物品を構成する材料に混合することでクロカワカビを含む複数種のカビの繁殖を抑制するものである。
Claims (4)
- ホロトキシンを主製剤とし、
物品の表面に塗布することでカビの繁殖を抑制する
防カビ剤。 - ホロトキシンを主製剤とし、
物品を構成する材料に混合することでカビの繁殖を抑制する
防カビ剤。 - 上記ホロトキシンを有機溶剤に溶解した
ことを特徴とする請求項1に記載の防カビ剤。 - 上記ホロトキシンの濃度は有機溶剤1mlあたり5μg以上である
ことを特徴とする請求項3に記載の防カビ剤。
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- 2016-11-28 JP JP2016230710A patent/JP2018087162A/ja active Pending
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A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
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