JP5827947B2 - 綿球可溶化コラーゲン繊維及びその製造方法 - Google Patents

綿球可溶化コラーゲン繊維及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、綿球可溶化コラーゲン繊維に関するものである。
不溶性コラーゲンを分解させ、可溶化コラーゲンとして再生させたアテロコラーゲンより可溶化繊維を製造した後、架橋させて不溶化したコラーゲン繊維とした製品が知られている(特許文献1 特公平7−83759号公報)。
一般に、コラーゲン繊維と呼ばれる製品は、不溶化したコラーゲン繊維から形成される綿状物を言う。不溶化することにより、医療用材料として用いる場合には、その特性は、強度を有し、水に溶けないなどの特性を有している。また、コラーゲン溶液を、含水率10%以下の親水性有機溶媒中で脱水・凝固した後、張力を保ちつつ、相対湿度50%以下、温度42℃以下の条件で乾燥させ、さらに架橋反応処理に付すことを特徴とする連続した医療用コラーゲン単糸の製造方法(特許文献2 特許第4356654号明細書)、及び湿潤状態のブタ由来I型、III型混合コラーゲン糸状物を乾燥させる方法であって、風洞に乾燥すべき糸状物を軸方向に通過させるとともに、該風洞を螺旋状に回転しながら進行する回転気流を与えることにより、前記糸状物を縄跳び状に回転運動させることを特徴とする糸状物の乾燥方法(特許文献3 特許第4000855号明細書)が知られている。
化粧品用として用いられる可溶化コラーゲン繊維は、主として可溶化コラーゲン及び水分を含んでいる繊維状態にあるものである。従来、可溶化コラーゲン水溶液は保存が難しいとされてきた。そこで、可溶化コラーゲン繊維として保管し、可溶化コラーゲン水溶液の使用時に水溶媒に溶解させることができるようにしたものは、化粧用として可溶化コラーゲン水溶液を用いる者にとっては大変便利であると考えられた。しかしながら、可溶化コラーゲン繊維を製造することは困難であるとされてきた。本発明者らは研究を重ね、繊維長を短くすることにより溶解性の可溶化コラーゲン繊維を製造することには成功したものの、化粧料として利用できるものを得ることはできなかった。さらに研究を重ねた結果、可溶化コラーゲン繊維の製造に成功したが、可溶化コラーゲン繊維全体が均一性を保っているものを得ることができず、この点で化粧料として十分ではなかった。
可溶化コラーゲン繊維を水に溶解させた状態の可溶化コラーゲン水溶液を皮膚の表面に塗布することにより、可溶化コラーゲンの作用により皮膚に潤いをもたらすことができることが分かった。この点で新しいタイプの化粧品が得られることとなり、注目を浴びている。従来品は、水に溶解させる際に可溶化コラーゲン繊維を瞬時に均一に溶解して可溶化コラーゲン水溶液を得ることが困難とされ、化粧品用として用いられる可溶化コラーゲン繊維の開発を行うことが課題となっている。
本発明者らの可溶化コラーゲン繊維の開発の経緯を述べる。
本発明者らによる可溶化コラーゲン繊維の発明(特許文献4 特開2005−306736号公報、特許第4401226号)では、繊維長を短くすることにより溶解性の改善をはかったが、得られる可溶化コラーゲン繊維は充分に細くなかったので、水への溶解の速さは化粧品用として満足できるものではなかった。引き続き、本発明者らは、安定した操業条件のもとで連続的に化粧品用可溶化コラーゲン繊維の製造研究を進めてきた。
本発明者らによる可溶化コラーゲン繊維(特許文献5 特開2006−342472号公報、特許第4628191号)では、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲンである化粧品用可溶化コラーゲン繊維の原料液を調製し、前記の場合と同様にノズルを介してイソプロピルアルコール中に化粧品用可溶化コラーゲン繊維束として吐出させて、紡糸及び延伸を行い、親水性有機溶媒中に浸漬したのち、含まれる水分及び有機溶媒の除去を行った。この発明の研究中に、可溶化コラーゲン繊維束の状態で巻取装置21の間を連続的に通過させ送風の条件下に乾燥をさせる連続ローラー乾燥を行った(図2左)。この場合には、送風の条件下に乾燥をさせる連続ローラー乾燥を行うことによっては、張力が加えられるためコラーゲン繊維に「捲縮」がかからないこと、繊維同士が密着した状態で乾燥されるため分繊不良(繊維束が固着、膠着する)を起こすこと、及び水分や有機溶媒の除去も十分でなく乾燥効率がよくないことなどがわかった。結局、安定な状態で操作するに至らなかった。そこで、この方法はあきらめることになった。
連続乾燥法では満足な結果を得られなかったので、クリーンベンチ内で可溶化コラーゲン繊維束を懸架した状態で通風を行い、含まれる水分及び有機溶媒の除去を行うバッチ乾燥法を採用した(このバッチ吊り乾燥は図2右側に示す)。この場合には、繊維同士はある程度離れて、風で運動するため、「捲縮」がある程度かかるようにすることができ、分繊も改善が見られた。しかしながら、水分及び有機溶媒は、乾燥中に下方に移動することが起こり、部分的に不均一な部分が発生し、これを防ぐことができず、全体として均一な可溶化コラーゲン繊維を得ることができなかった。その結果、可溶化コラーゲン繊維束の一部に膠着が発生した。
多数の針金を植えたドラム2個の間に繊維束を入れて、そして、針金が接触しないようにして回転させ、開繊(繊維束を一本ずつにほぐすこと)した後、綿状化した。十分に開繊できず、乾燥処理が不十分で膠着が発生した部分については切り取り、使用しないこととした。包装時には可溶化コラーゲン繊維にまるみを帯びた綿の状態として、回収して包装した。得られる可溶化コラーゲン繊維は10dtx(繊維10000m当りのグラム数)以下であり、30秒以内で均一に水に溶解させることができた。その成果として、本発明者らは前記の発明を完成させた。この発明では、化粧品用として可溶化コラーゲン繊維を用いるためには柔軟で膨らみのある綿状に成形することが望ましいことを述べている(前記特開2006−342472号公報の0034〜0038、0074〜0080)。
前記の綿状の可溶化コラーゲン繊維は、一部には不均一な部分があることは前記のとおりである。含まれる成分が全体に均一な状態で含まれるようにすることが必要である。また、前記の方法では化粧品として使用するに際しても、可溶化コラーゲン繊維の形状は規則性なしの状態に積み重ねて集合されている。これらの理由から、前述の綿状の可溶化コラーゲン繊維を水に溶解させる際には、不十分に溶解させている結果となっているものと考えた。
また、工程の一部である乾燥工程を経て得られるコラーゲン繊維束を見てみると、一部には捲縮がかからないこと、分繊不良(繊維束が固着する)が一部に存在し、また、水分及び有機溶媒の除去が充分でない部分が存在し、膠着が発生するなどの問題点があり、水に溶解させる際に瞬間に均一に溶解できる構造とすることが必要であることもわかった。
本発明者らは、化粧品として用いる可溶化コラーゲン繊維は、構成する成分及び成分量が均一な状態で分布していることが必要であり、可溶化コラーゲン繊維全体は柔軟性を有しており、水に溶解させる場合には、可溶化コラーゲン繊維全体が溶解させようとしている水に接触できるようにすることが必要であると考えた。従来の可溶化コラーゲン繊維はこの点が十分に配慮されていない製品であると考えた。
特公平7−83759号公報 特許第4356654号明細書 特許第4000855号明細書 特開2005−306736号公報、特許第4401226号 特開2006−342472号公報、特許第4628191号
本発明が解決しようとする課題は、化粧品として用いる可溶化コラーゲン繊維について、製造する際の乾燥工程の操作を改良し、可溶化コラーゲン繊維束は捲縮がかかっており、分繊不良(繊維束が固着する)がないこと、膠着していないこと、存在する水分量や親水性有機溶媒量を減少させ、残っている水分量や親水性有機溶媒量は各部分でできるだけ均一な状態とし、従来から知られている綿状可溶化コラーゲン繊維と比較して使用時に瞬時に均一に溶解できる新規な形状の可溶化コラーゲン繊維を提供することである。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究して以下のように考えた。
(1)従来の可溶化コラーゲン繊維の製造法を見てみると、可溶化コラーゲン繊維束の乾燥工程において水分や親水性有機溶媒の一種であるイソプロピルアルコールを均一な状態で分布させることができなかったことにより、部分によりばらつきが生じていると考えた。
前記乾燥工程で可溶化コラーゲン繊維束に存在する水分量や親水性有機溶媒の存在量を制御して、可溶化コラーゲン繊維束に存在する水分量や親水性有機溶媒量を特定の範囲とすることができると考えた。また、可溶化コラーゲン繊維束に存在する水分量や親水性有機溶媒量を全体にわたって、残っている水分量や親水性有機溶媒量は均一な状態で存在するようにすることができると考えた。
(2)前記のことが可能な乾燥方法として以下のような手段を用いると、水分量や親水性有機溶媒量を制御して意図する水分量及び親水性有機溶媒量を有する可溶化コラーゲン繊維束及び可溶化コラーゲン繊維を得ることができることを見出した。
具体的には以下のようにする。可溶化コラーゲン繊維束及び可溶化コラーゲン繊維を乾燥するに際しては、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥処理手段内に導入する供給部に、ニップロールを設置し、ニップロール間を通過させて、可溶化コラーゲン繊維束に含まれる水分や有機溶媒の一部を可溶化コラーゲン繊維より分離した後に、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下RH70%以下に管理されている無菌の空気を強制的に流すことによる空気の移動層を形成し、空気の移動層により、ニップロールで水分や有機溶媒の一部が取り除かれて軽量化された化粧品用可溶化コラーゲン繊維束を移動させつつ、可溶化コラーゲン繊維束の内側と外側、可溶化コラーゲン繊維束の方向にそって、均一に有機溶媒や水分が分布している可溶化コラーゲン繊維束を得ることが可能となった。
さらに、前記方法により得られた可溶化コラーゲン繊維束を開繊して綿状の可溶化コラーゲン繊維を得ることができた。
(3)従来の可溶化コラーゲン繊維には、「捲縮」がかからないこと、分繊不良(繊維束が固着、膠着する)があること、及び可溶化コラーゲン繊維束には乾燥手段が均一に作用せず、可溶化コラーゲン繊維束には水分量及び親水性有機溶媒が部分的に不均一に存在することが認められる。本発明の可溶化コラーゲン繊維束には前記の不具合は存在せず、均一に有機溶媒や水分が分布している可溶化コラーゲン繊維束である。このように良好な状態の可溶化コラーゲン繊維束であれば、瞬間的に均一に水に溶解できると考えた。そして、容器内に可溶化コラーゲン可溶化コラーゲン繊維束を積重ねて配置し、これを溶解させるために上部より水分を注入添加した。しかし、可溶化コラーゲン繊維束を積重ねて配置し、上部より水を注入したのでは、可溶化コラーゲン繊維束全体にわたって、同量の水が全体に均一に供給されることは困難となることが起こる。また、可溶化コラーゲン繊維を瞬時に均一に溶解させることができないことが起こることをも確認できた。この原因は容器内に可溶化コラーゲン繊維を積重ねて配置したことにより不均一に積重ねられた結果、均一に水と接触し、瞬時に溶解させることができなかったことによるものと考えられる。
(4)上記の手段によれば、新規な可溶化コラーゲン繊維として、均一に有機溶媒や水分が分布している可溶化コラーゲン繊維を用いても課題を達成できないこととなる。均一に有機溶媒や水分が分布している可溶化コラーゲン繊維の形態に加えて、可溶化コラーゲン繊維を水に瞬間的に均一に溶解させるためには、可溶化コラーゲン繊維全体が同時に水と接触できるようにすることが重要となる。可溶化コラーゲン繊維の構造としては、ほぼ球形の綿球を形成することが可能である。綿球を形成するには、機械装置を用いる場合には溝などに入れて閉ざされた状態とし、可溶化コラーゲン繊維の塊を溝などの壁面と接触させた状態で回転運動を与えることにより可能となることを本発明者らは見出した。綿球の形状は以下のとおりである。
(i)可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、かつ直径3〜25mm、重量3〜20mgであり、平均繊度3〜10dtx、長さ1〜20cmであり、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記成分の組成物が繊維の長さ方向に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維の束を球状に形成することによる綿球は、かさ密度4.0〜8.0mg/cmであり、綿球の直径3〜25mmであり、綿球内部には、各可溶化コラーゲン繊維が、一部で交絡し、他の部分では離れた状態で、綿球内部全体に分布していることを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維である(請求項6)。初めに、アルカリ又はタンパク質分解酵素を用いて不溶性コラーゲンの可溶化を行い、可溶化コラーゲン繊維を製造し、これより円筒上に螺旋溝を設けた綿球製造装置又は円盤上に渦巻き溝を形成した平板状綿球製造装置(請求項11.12)を経て請求項6の綿球を製造する。
(ii)手作りのものとしては(請求項1)のものを挙げることができる。
この場合に人の手作業で綿球の作用をするものを製造できることを見出した。水を加えたときに、繊維全体が水に同時に接触できる可溶化コラーゲン繊維を得ることができる。アルカリ又はタンパク質分解酵素を用いる可溶化工程のあと、繊維として紡糸し、乾燥する工程を経て綿球可溶化コラーゲン繊維を製造する。
目的物は以下のとおりである。目的物は可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水を性有機溶媒存在量痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、平均繊度3〜10dtx、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記組成物が長さ方に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維を切断して得た、重量3〜20mgの繊維束を含むことを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維(請求項1)。
これは乾燥状態にある可溶化コラーゲン繊維より手作業で丸みを帯びた綿球に似た形状のものを製造するものである。
(5)前記の綿球を製品として工場より出荷して、消費者に販売し、消費者が使用しようとするまでの間には一定の期間を必要とし、この間安定した状態を保つことが必要となる。
可溶化コラーゲン繊維は水に溶解させることにより可溶化コラーゲンを得ることができることは前記の通りである。安定化した状態を保持するうえからは、1回の使用時に必要量を個別の包装形態の容器中に保管することが必要不可欠となる。包装形態の容器内部は外部の環境の変化に影響を受けないようにすることが必要となる。特に、空気中に存在する水分の影響を受けないように空気が中に入り込まないようにする必要がある。その意味では1回分の綿球可溶化コラーゲン繊維を収納できる容積のものがよい。一方、可溶化コラーゲン繊維を使用する際には、可溶化コラーゲン繊維の使用量に合わせて水を必要とする。容器全体は可溶化コラーゲン繊維を収納できる容積になっていると共に、用いる水分量を容器内に収容できる容器を発明した。
(6)以上のことに基いて得られた本発明は以下の通りである。
A 可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、平均繊度3〜10dtx、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記組成物が長さ方向に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維を切断して得た、重量3〜20mgの繊維束を含むことを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維。
B 前記緩衝塩は、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムから選ばれることを特徴とするA記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
C 綿球可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及び前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)の可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下のRH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程を経て得られることを特徴とするA又はB記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
D 綿球可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片を、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)により分解して等イオン点は7〜8の可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程、前記可溶化コラーゲン水溶液にアルカリを添加してpHを9〜10として、無水カルボン酸により可溶化コラーゲンをサクシニル化して等イオン点を5以下にし、可溶化コラーゲンを沈殿させて分離し、緩衝剤の存在下にアルカリを添加して等イオン点よりpHが大きいpH6.0から7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)で得た可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下、RH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程を経て得られることを特徴とするA又はB記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
E 前記開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程は、開繊して綿状にし、把持手段で必要量を採取することにより行うことを特徴とする請求項C又はD記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
F 可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、かつ直径3〜25mm、重量3〜20mgであり、平均繊度3〜10dtx、長さ1〜20cmであり、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記成分の組成物が繊維の長さ方向に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維の束を球状に形成することによる綿球は、かさ密度4.0〜8.0mg/cmであり、綿球の直径3〜25mmであり、綿球内部には、各可溶化コラーゲン繊維が、一部で交絡し、他の部分では離れた状態で、綿球内部全体に分布していることを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維。
G 前記緩衝塩は、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムから選ばれることを特徴とするF記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
H 前記綿球可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及び前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5とし、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)で得た可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下のRH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程を経て得られることを特徴とするF又はG記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
I 前記可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片を、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)により分解して等イオン点は7〜8の可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程、前記可溶化コラーゲン水溶液にアルカリを添加してpHを9〜10として、無水カルボン酸により可溶化コラーゲンをサクシニル化して等イオン点を5以下にし、可溶化コラーゲンを沈殿させて分離し、緩衝剤の存在下にアルカリを添加して等イオン点よりpHが大きいpH6.0から7.5とし、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)で得た可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下、RH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程を経て得られることを特徴とするF又はG記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
J 前記開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程は、開繊して綿状にし、把持手段で必要量を採取することにより行うことを特徴とするH又はI記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
K 前記綿球可溶化コラーゲン繊維は、回転している状態であり、且つ一定のクリアランスを介して円筒状の蓋が設けられている円筒の、円筒状外面に沿って設けられている断面が半円形の螺旋状溝の端部に供給され、回転する螺旋状溝と固定された蓋との間に挟まれて回転を与えられ、円筒の一端から、螺旋状に設けられている溝の中をとおり、円筒の他の一端に移動する移動中に、溝と蓋の間で与えられる回転により形成されることを特徴とするH又はI記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
前記可溶化コラーゲン繊維の束を膨らめた状態として、円筒状内面とこの円筒状内面に沿って回転する螺旋状溝に挟んで転動させながら、螺旋状溝に沿って移送する。
溝の全長は700〜2000cm、回転数は50〜150/分、溝とカバーのクリアランスは0.3〜5mm、移動速度は適宜実測により決定する。溝の直径は繊維の直径と同じか、やや狭く設定する。溝幅は均一でも、投入部が広くて徐々に狭くするものでもよい。
L 前記綿球可溶化コラーゲン繊維は、外周部から中央部に向かって断面が半円形の渦巻き状の溝を上部に設けてある駆動手段により回転している円盤と、円盤の上部に一定のクリアランスを介して設けられた蓋により形成される平板状綿球製造装置の、円盤の外周側に設けられている可溶化コラーゲン繊維の供給口より渦巻き状の溝に投入され、溝と蓋の間に挟まれた状態で可溶化コラーゲン繊維に回転が与えられて、溝の中を中央に向かって進み、円盤中央に設けた可溶化コラーゲン繊維排出口より綿球が形成され排出されることを特徴とするH又はI記載の綿球可溶化コラーゲン繊維。
前記可溶化コラーゲン繊維の束を膨らめた状態として、円盤上に設けた渦巻き状の溝と蓋の間に入れ、円盤を回転させることにより転動させながら、渦巻き状溝に沿って移送する。
溝の全長は700〜2000cm、回転数は50〜150/分、溝とカバーのクリアランスは0.3〜5mm、移動速度は適宜実測により決定する。溝の直径は繊維の直径と同じか、やや狭く設定する。溝幅は均一でも、投入部が広くて徐々に狭くするものでもよい。
M A若しくはB、又はF若しくはGいずれか記載の綿球可溶化コラーゲンを配置している容器部分と綿球可溶化コラーゲン繊維を溶解する水を収容する容器部分が同一容器内で一体に構成され、綿球可溶化コラーゲン繊維を配置する容器部分は容器の側部壁が頂部から底部に向かってすぼまるように形成される構造をしており、容器の頂部は水平状の鍔部が形成され、前記鍔部は蓋用シートより頂部は閉ざされる構造であることを特徴とする容器。
本発明によれば、新規な可溶化コラーゲン繊維束、および可溶化コラーゲン繊維から成形される新規な綿球状コラーゲン繊維を得ることができる。その結果、化粧品として可溶化コラーゲン繊維束、および綿球可溶化コラーゲン繊維を用いるときには、従来の製法による綿状可溶化コラーゲン繊維と比べて瞬時に均一に溶解させた可溶化コラーゲンとして用いることができる。
可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、かつ直径3〜25mm、重量3〜20mgであり、平均繊度3〜10dtx、長さ1〜20cmであり、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記成分の組成物が繊維の長さ方向に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維の束を球状に形成することによる綿球は、かさ密度4.0〜8.0mg/cmであり、綿球の直径3〜25mmであり、綿球内部には、各可溶化コラーゲン繊維が、一部で交絡し、他の部分では離れた状態で、綿球内部全体に分布していることを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維。
図1は、本発明における可溶化コラーゲン繊維を製造するための装置の一例を示す概略構成図である。
図2は、従来の乾燥装置を示す図である。
図3は、本発明の乾燥装置を示す図である。
図4は、本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維または可溶化コラーゲン繊維束を保存保管する容器を示す図である。
図5は、本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維または可溶化コラーゲン繊維束を保存保管する容器を示す図である。
本発明の目的とする物質は、新規な可溶化コラーゲン繊維束、および可溶化コラーゲン繊維から成形される新規な綿球状コラーゲン繊維である。
原料物質であるコラーゲンは、少なくとも部分的に螺旋構造(コラーゲン螺旋)を有するタンパク質または糖タンパク質として定義される。これは、3本のポリペプチド鎖から形成される3重螺旋で、分子量10万程度の各ポリペプチド鎖にはグリシン残基が3個目ごとに、またその他のアミノ酸残基としてプロリン残基、ヒドロキシプロリン残基が高頻度に現れる。コラーゲンはあらゆる多細胞生物に存在するタンパク質であり、無脊椎動物あるいは脊椎動物の組織、特に皮膚や骨から多く抽出することができる。
本発明の可溶化コラーゲン繊維の原料物質となるのはコラーゲンである。これらのコラーゲンは不溶性コラーゲンであり、牛、豚、鳥、魚等の動物の皮組織やその他の器官に含まれており、不溶性コラーゲンを含む組織である。
当初、本発明者らは皮革製造を行う際に副生する床皮を有効利用することを目的として、コラーゲンを製造する研究に着手していた。床皮を原料とすることができる。
その後、皮革製造は鞣し革の製法(皮革製造にウェットブルー、ウェットホワイトを用いる方法)に転換したことにより、床皮は発生しない状況となった。
コラーゲンを製造目的とすることに変更したことに伴って前記の不溶性コラーゲンを含む組織を原料として用いている。
化粧品用可溶化コラーゲン繊維の原料物質としては、哺乳類の皮や、魚皮や魚鱗等の水性生物の組織を用いることができる。コラーゲンを得る原料を選択することによって、得られるコラーゲンの変性温度には差が見られる。原料物質が乾燥状態では、何れの原料由来の可溶化コラーゲンであっても通常の取り扱いにおいて変わりはない。現状ではBSE対策に関連して、牛由来の不溶性コラーゲンの組織は好ましくないとされ、豚由来または魚などの水生生物由来のコラーゲンを原料とすることが好ましいとされる。
さらに、BSE感染のおそれのない材料として、最近合成ペプチドを用いるコラーゲン製造することが注目されている。本発明の新規なポリペプチドは、下記式(1)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、下記式(2)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含有する。
−Pro−X−Gly−(1)
−Y−Z−Gly−(2)
(式中、X及びZは同一又は異なってPro又はHypを示し、Yはカルボキシル基を有するアミノ酸残基(Asp、Glu、Glaなど)を示す)
前記ペプチドユニット(1)とペプチドユニット(2)との割合(モル比)は、(1)/(2)=99/1〜1/99程度である。前記ポリペプチドには、アパタイト類を担持してもよい。(特許4303137号)
本発明の可溶化コラーゲン繊維の原料となるコラーゲンとして、ブタ皮を材料としてアルカリ可溶化したもの、酵素可溶化してサクシニル化により等イオン点を酸性側に調整したものを例示するが、使用できる原料は以上にとどまらず、魚皮や魚鱗を材料として可溶化処理を行ったものでも良い。本発明で利用できるコラーゲン材料は、化粧品として好適に用いられる中性域より低い(酸性)側または高い(アルカリ性)側に充分離れた等イオン点を有していて中性域での水への溶解性が高いこと、及び有機溶媒中で凝固すること要件としており、これを満たすものであれば、合成のコラーゲンでも使用することが可能である。
本発明の可溶化コラーゲン繊維の性状は以下の通りである。
可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、平均繊度3〜10dtx、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記組成物が均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維を切断して得た、重量3〜20mgの繊維束を含むことを特徴とする綿球可溶化コラーゲン繊維。
また、前記緩衝塩は、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムから選ばれる。
前記本発明の繊維束を含む可溶化コラーゲン繊維は、後で述べる本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維と相違する。前記本発明の繊維束を含む可溶化コラーゲン繊維は、機械的手段により綿球とする工程を含んでいない綿球可溶化コラーゲン繊維の状態をさしている。後の工程で述べる、機械的手段を用いて製造する本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維のように、理想的な球状のものに限らず、形状がいびつなものや、繊維束の形状を保った部分を多く含む状態のものであってもよい。充分に化粧料として使用できるものである。
本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維の性状は以下の通りである。
可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量 痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、かつ直径3〜25mm、重量3〜20mgであり、平均繊度3〜10dtx、長さ1〜20cmであり、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記組成物が均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維の束を球状に形成することによる綿球は、かさ密度4.0〜8.0mg/cmであり、綿球の直径3〜25mmであり、綿球内部には、各可溶化コラーゲン繊維が、一部で交絡し、他の部分では離れた状態で、綿球内部全体に分布している綿球可溶化コラーゲン繊維。
又、前記緩衝塩は、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムから選ばれる。
前記の綿球可溶化コラーゲン繊維を形成するには、可溶化コラーゲン66〜87重量%、緩衝塩量2〜6重量%、水分10〜22重量%、及び残留親水性有機溶媒存在量痕跡量〜6重量%、(以上合計100重量%)からなる成分の組成物により構成され、平均繊度3〜10dtx、ウェーブがかけられている形状よりなり、前記組成物が繊維の長さ方向に均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維を用いる。
この可溶化コラーゲン繊維より綿球可溶化コラーゲン繊維を形成する。
綿球可溶化コラーゲン繊維の重量は5〜20mg、好ましくは10〜15mgの範囲に調製することが必要である。使用する可溶化コラーゲンの濃度は0.5重量%から1.5重量%となる。
1回に塗布する使用量は、3mg未満では十分な保湿効果や満足感が得にくいとされる。20mgを超えると、塗布量は多すぎるために、被膜感やツッパリ感などが出てくるとされる。適切な使用量は、使用者個々の肌の性質や環境の湿度・温度によって影響を受けるが、10〜15mgの範囲にあるときには大多数の使用者に不満のない範囲される。
綿球可溶化コラーゲン繊維は、その直径は3〜25mm、好ましくは5mm〜20mmの範囲にあるものを球形に成形する。大きさが5mm未満であると、繊維間の空隙が密すぎた状態となる。又、水に均一に溶解することができない。又、ダマになりやすくなる。20mm以上とすると、繊維間の空隙が粗になり、絡みが十分でなく形状を保てず取り扱いが困難になるなどの問題が生ずる。
繊度の範囲
綿球可溶化コラーゲン繊維を成形するためには可溶化コラーゲン繊維として3dtx〜10dtxの範囲にあるものを用いる。繊度は、繊度計(DENIEL COMPUTER DC−11A、SEARCH CO.,LTD製)を用いて20℃、65%RHの環境下で1サンプル20本を測定して、平均値を算出した。
また、簡易法として、マイクロスコープで繊維直径を測定して、繊度と繊維直径の相関式から繊度に換算した。3dtx以下の可溶化コラーゲン繊維を用いると、可溶化コラーゲン繊維の繊維強度は弱すぎて、開繊時に糸切れが多くなり、繊維長数ミリ程度の糸屑状のものが発生しやすくなるし、この可溶化コラーゲン繊維を用いて綿球可溶化コラーゲン繊維を成形すると、前記の問題点があるために十分な綿球可溶化コラーゲン繊維を得ることができない。
可溶化コラーゲン繊維として10dtxを超えるものを使用すると、可溶化コラーゲン繊維の製造時に意図している以上の長時間の溶解時間を必要とする結果となり、またこの範囲にある可溶化コラーゲン繊維を用いて綿球可溶化コラーゲン繊維を成形すると、触感が硬くなるので、好ましくない。このような状態のものを得ようとすると、可溶化コラーゲン繊維を製造する際に乾燥時に膠着する結果となるので適当でない。
繊維長の範囲
1〜20cm、より好ましくは3〜15cmの範囲(現行の開繊条件の数値)である。この範囲において、様々な長さの繊維が混在していてもよい。1cm以下だと、絡み不足で糸屑状に脱落しやすくなり、20cm以上だと、綿球可溶化コラーゲン繊維に成型するにあたり、繊維をまとめる作業が煩雑になる。
可溶化コラーゲン繊維を綿球可溶化コラーゲン繊維とするには繊維ボール製造機を改良し、同時に操作条件を変更した装置を用いる。
繊維などの状態にある物質を球形にする方法及び装置は既に知られている(特開2001−295170号公報、特許3601004号公報、特開平10−266051号公報など)。これらの装置や方法で用いられる繊維は、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、あるいは羊毛等の動物繊維、又はステンレス等の金属繊維を球形にすることによる繊維ボールの製法、製造装置に関するものである。製造されるこの繊維ボールは、水槽、浄化槽等の濾材、健康まくら等のクッション材などであり、これらの製品では表面は密な状態であり、内部は空隙が多い繊維ボールである。この他にも医療用品としての脱脂綿を球状にした綿球が知られている(特許第3557587号明細書など)。脱脂綿を平面状で転がすことにより綿球を形成する。
本発明で用いる可溶化コラーゲン繊維は、水分及びイソプロピルアルコール(親水性有機溶媒)を含有し、乾燥させるために熱を与えるにしても、変性を避ける意味で30℃以下程度に調整する必要がある。
可溶化コラーゲン繊維は、前記繊維と比較して剛性及び弾力性も前記の繊維に比較すると低い。
これらのことから前記の装置を用いて本発明で用いる前記可溶化コラーゲン繊維の物性に合わせた条件下に綿球可溶化コラーゲン繊維を製造することが必要である。
前記の装置で繊維ボール製造する場合には、対象とする被処理物に回転力が付与される。回転力を付与するにあたっては圧力が付与されて、回転数を一定以上にする。この繊維ボールを製造する装置を用いて可溶化コラーゲン繊維の綿球を成形する場合には、圧力も低くし回転数も低くする。球形にするための与える温度は低くし30℃以下にする。又、装置の中で可溶化コラーゲン繊維が受ける摩擦力も高くなり過ぎて不安定な状態にならないようにする。
装置の溝の断面形状は半円状とする。溝幅は通常の設計した綿球可溶化コラーゲン繊維の直径と同じかやや狭くする。綿球可溶化コラーゲン繊維の製造後、綿球可溶化コラーゲン繊維の形状が膨らむことがあるので、やや狭くする方が好ましい。例えば、直径10mmの綿球を作る場合は8mmとする。直径18mmの綿球を作る場合は15mmとする。
溝幅は、全長にわたって均一の幅でもよいが、綿球の投入口では広くし、出口に向かって徐々に狭くなるようにすると、綿球投入時の失敗が少なくなる。投入口の溝幅が綿球の直径と同じかやや狭く設定してあると、誤って、綿球を溝を切っていない部分に投入しはじかれることがしばしば起こる。投入口の溝幅を広げた場合でも、出口の溝幅を直径と同じかやや狭く設定しておけば、意図した大きさの綿球を得ることができるが、繊維を十分交絡させた状態にするため、出口溝幅の溝を少なくとも1000cm設けておくことが好ましい。
溝とカバーのクリアランスは0.5〜5mmとする。5mmを超えると、綿球が溝を乗り越えて隣の溝に後退してしまい、進行速度が遅くなったり、綿球同士が合体する問題が生じる。溝の長さは700〜2000cmとする。溝の長さが700cm未満の場合には、球状にならず、または球状になったとしても繊維の交絡が不十分で、容易に形が崩れてしまう。良好な交絡状態を得るには2000cmの溝長で十分であり、2000cmを超えて長くする必要はない。 高摩擦面に形成された円筒状内面を有し、固定された円筒部材と、外周に、表面が高摩擦面に形成された螺旋状溝を有し、前記円筒状内面に沿って回転する回転部材を具備し、塊状となった繊維を、円筒状内面と螺旋状溝に挟んで転動させ、移送しつつ球形に成形する。高摩擦面としては、布、表面を粗面に形成したゴムシート等が使用される。
本発明者らは前記の繊維ボール製造機を改良したものとは別に、綿球と溝・蓋との摩擦抵抗や溝と蓋のクリアランスを検討して、さらに可溶化コラーゲン繊維を綿球状にするのに適した円筒状綿球製造装置及び平板状綿球製造装置を新たに試作、開発し、これにより綿球可溶化コラーゲン繊維を製造している。ただし溝とカバーの間で可溶化コラーゲン繊維の塊を回転させ綿球化するしくみは繊維ボール製造機と共通であり、溝の形状や幅の条件は、上記の繊維ボール機を改良したものと同じである。
円筒状綿球製造装置では、円筒状外面に沿って設けられている断面が半円形の螺旋状溝の端部に可溶化コラーゲン繊維を供給する。円筒には、一定のクリアランスで円筒状の蓋が設けられている。螺旋状溝を設けた円筒には駆動手段が設けられており、円筒自体は、これによって操作中回転を継続する。可溶化コラーゲン繊維は、回転する螺旋状溝と固定された蓋との間に挟まれて回転を与えられ、円筒の一端から、螺旋状に設けられている溝の中をとおり、円筒の他の一端に移動する。移動中に、溝と蓋の間を回転するため、綿球可溶化コラーゲン繊維が形成される。
溝の全長は700〜2000cm、回転数は50〜150/分、溝と蓋のクリアランスは0.3〜5mm、移動速度は適宜実測により決定する。
溝の直径は繊維の直径と同じか、やや狭く設定する。溝幅は均一でも、投入部が広くて徐々に狭くなる形状であってもよい。
また、平板状綿球製造装置は、外周部から中央部に向かって、断面が半円形の渦巻き状の溝を上部に設けた円盤と、円盤の上部に、一定のクリアランスで設けられた蓋から構成されている。円盤には駆動手段が設けられており、これによって円盤を回転させた状態で、可溶化コラーゲン繊維を、外側の可溶化コラーゲン繊維の供給口より渦巻き状の溝に投入すると、この溝と蓋の間に挟まれた状態で可溶化コラーゲン繊維に回転が与えられて、溝の中を中央に向かって進み、円盤中央に設けた可溶化コラーゲン繊維排出口より綿球となって排出される。
溝の全長は700〜2000cm、回転数は50〜150/分、溝とカバーのクリアランスは0.3〜5mm、移動速度は適宜実測により決定する。溝の直径は繊維の直径と同じか、やや狭く設定する。溝幅は均一でも、投入部が広くて徐々に狭くするものでもよい。
前記可溶化コラーゲン繊維より形成される綿球可溶化コラーゲン繊維の表面及び内部は、かさ密度は、4.0〜8.0mg/cmであり、綿球の直径は3〜25mmであり、綿球内部には各可溶化コラーゲン繊維は一部で交絡し、他の部分では離れた状態で、綿球内部全体に分布している綿球可溶化コラーゲン繊維を得ることができる。
綿球可溶化コラーゲン繊維の形状及び大きさについては以下の通りである。
綿球可溶化コラーゲン繊維の重量は水に溶解させ、得られる可溶化コラーゲン繊維の使用量を考慮して定める。どのような濃度の可溶化コラーゲンをどのくらいの分量を使用するかは、使用する人が塗布しようとする部分の広さ及びその際にどの程度の濃度で使用するかによって適宜決めることができる。これは使用しようとする人の皮膚の状態によっても変化する。綿球の1回の使用量を増加させて、又は減少させて、残りを他の場合に使用するかは、使用者が自分の状態を考慮して決めることである。又、そのようにして使用できること自体が綿球可溶化コラーゲン繊維の利点である。
1回あたりの綿球可溶化コラーゲン繊維の使用量について、綿球の重量は5〜20mgを想定する。1回あたりの可溶化コラーゲンの濃度について0.5重量%〜1.5重量%の範囲であると想定する。使用する水の容量は0.5ml〜1.5mlが必要となる。
綿球可溶化コラーゲンの容器については、綿状可溶化コラーゲンを、容器内で指で溶解するときの作業性や使用するまでの貯蔵保管を考慮して一定容量の容器を使用する。大きさは5〜10mlを想定する。場合によっては使用する水分量に対して容器の容積が不足する場合はあり得る。その場合には使用者が適宜使用する水分量を調整して使用する。
コラーゲン繊維束化粧料または綿球状コラーゲン化粧品を充填する充填容器の一例を図4および図5に示す。
図4上の図は上蓋の頂面を示す。図4下は縦断面図である。
綿球可溶化コラーゲン繊維を配置している容器部分43と綿球可溶化コラーゲン繊維を溶解する水を収容する容器部分44が同一容器内で一体に構成され、綿球可溶化コラーゲン繊維を配置する容器部分は容器の側部壁が頂部から底部に向かってすぼまるように(容器横断面の面積が徐々に小さくなるように)形成される構造45をしており、図4の例の場合には、側部壁はなめらかな曲面となっている。容器の頂部は水平状の鍔部46が形成され、前記鍔部は上蓋用シート41により頂部は閉ざされる構造である。
コラーゲン繊維束化粧料または綿球状コラーゲン化粧品を充填する充填容器の別の例を図5に示す。
図5上の図は上蓋の頂面を示す。図5下は縦断面図である。
綿球可溶化コラーゲン繊維を配置している容器部分43と綿球可溶化コラーゲン繊維を溶解する水を収容する容器部分44が同一容器内で一体に構成され、綿球可溶化コラーゲン繊維を配置する容器部分は容器の側部壁が頂部から底部に向かってすぼまるように(容器横断面の面積が徐々に小さくなるように)形成される構造45をしており、図5の例の場合には、側部壁は小さな三角形(平面)を組み合わせた多面体となっている。容器の頂部は水平状の鍔部46が形成され、前記鍔部は上蓋用シート41により頂部は閉ざされる構造である。
容器本体の材料は、遮光性があり酸素及び水分の透過を防ぐことを可能にするための材料であり、例えばPBP(ポリプロピレンの間にエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂:EVOHがサンドイッチされている。)を用いる。これは、コラーゲンが光(特に紫外光)、水分の出入り、アルデヒド類(保管場所に合板が使われていると発生するおそれがある)により架橋する性質があるためである。遮光性、酸素・水分不透過性の材料を使用することによって、保管中のコラーゲンの架橋による溶解性の低下を防ぐことができる。
容器底部の外形は、底部42は丸みを帯びた形状をしている。水に溶解させた使用した可溶化コラーゲン水溶液が角部に付着して取り出すことができなくなることを防いでいる。図4は、側部壁をなめらかな曲面として、角部を形成しないようにした例である。図5の例は三角形(平面)を組み合わせた多面体で、平面の合わせ目に角部が形成されるが、角部の角度が充分に大きければ、角部への可溶化コラーゲン水溶液の付着を防ぐことができる。
蓋の材料も、容器本体と同様に遮光性、酸素・水分不透過性の材料を使用する。その結果、綿球を配置している部分には、外気及び光が遮断されるので、良好な状態で綿球を保存できる。
容器の形状の一例を挙げれば、縦30mm、横25mm、及び深さ20mmである。フタの材質はアルミにPETを重層に設けた構造とした。蓋は容器本体に溶着することにより密閉することができる。
容器の機能は以下の通りである。
綿球可溶化コラーゲン繊維が細いコラーゲン繊維であることにより、水に瞬時に溶解しすぐに使用可能となる。1回使用分が個包装されているため使いやすい。容器は中で指を使って溶液を調製しやすい形状、大きさになっている。乾燥体なので、変性や腐敗がおきず、低温流通・防腐剤添加の必要がない。遮光性、酸素及び水分不透過性の材料により形成されている容器であり、保存及び保管時には架橋によるコラーゲン繊維の溶解性の低下を防止して有効に利用できる。
綿球可溶化コラーゲン繊維を水に溶解して得られる可溶化コラーゲンの濃度は0.5〜1.5(重量)%の範囲で使用することを想定している。綿球可溶化コラーゲン繊維10mgを用いる場合に、それに対して使用する水の量はおおよそ0.7〜2.0mlである。
綿球状コラーゲン化粧品に用いる水性液は、コラーゲンを溶解した状態でのpHがコラーゲンの等イオン点から外れている状態に調節されているものであり、主として水からなる溶媒を用いることができる。
溶媒が純水の場合には、綿球状コラーゲン化粧品の溶解性は、化粧品用可溶化コラーゲン繊維のコラーゲンによる緩衝作用が影響して、低下する。このように低下させることを防止するためには、綿球状コラーゲンに電解質を含ませておく。酸、塩基、中和塩、緩衝塩等の電解質を少量添加しておくことにより綿球状コラーゲンを水性液中に十分に溶解させることができる。特に、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、燐酸ナトリウム等の弱酸性〜中性にpHを安定させる緩衝塩(弱酸と強塩基との塩)を水性液に添加して水性液のpHを約5.5〜9.0にすると、化粧品用可溶化コラーゲン繊維の溶解を安定化でき、平均繊度が10dtx程度以下の化粧品用可溶化コラーゲン繊維を30秒以内で溶解することができる。過剰の塩を存在させると、塩析作用によりコラーゲンを水性液に溶け難くする。電解質は、水溶液中に含まれていてもよい。
この点に関して、可溶化コラーゲン溶液中に含まれる緩衝塩や中和塩などは、紡糸工程で有機溶媒中に完全に移行しないので、綿球状コラーゲン化粧品中に電解質が残存している。この場合には、この状態のまま可溶化コラーゲンを使用すればよい。
使用できる水溶液には、市販の化粧水や化粧液も包含される。本発明の化粧品用新規な可溶化コラーゲン繊維束および可溶化コラーゲン繊維から成形される新規な綿球状コラーゲン繊維は、その特性が良好であることにより、市販の化粧水や化粧液にも素早く溶解する。従って、使用者は、好みに応じて化粧水や化粧液を選択し、これと化粧品用可溶化コラーゲン繊維又は綿とを合わせることによって、化粧品用可溶化コラーゲン溶液を調製できる。使用者の要望を満足させる化粧品用可溶化コラーゲン化粧料を新鮮な状態で使用者に随時提供することが可能である。使用者の皮膚の状態に応じて、それに見合った化粧品を調合できる。従来の可溶化コラーゲン化粧料が必要としていた冷温保存も不要であり、化粧料の調合に要する時間が短いので、使用に際して時間的な制限がなく、使用者のニーズに従って適時使用することができる。
溶解した後のコラーゲン化粧料は通常の水溶液状態のコラーゲン化粧料と同様に変性し易い。しかし、前述の可溶化コラーゲン繊維の調製において有機溶媒としてアルコールを用いた処理はコラーゲンの殺菌効果があるので、無菌空気での乾燥を経て得られる可溶化コラーゲン繊維は雑菌に汚染されていない。しかも、乾燥状態の可溶化コラーゲンは、溶液状態のものに比べて細菌やカビの繁殖が著しく抑制されるので、流通時の防腐のための処置を軽減できる。保存料などのコラーゲン以外の成分を殆ど含まない化粧料の使用も可能である。
可溶化コラーゲンを水溶液に溶解させることを妨げない程度で、化粧品用可溶化コラーゲン繊維に対して一般的に添加される種々の成分を、水性液に添加することができる。例えば、ブタンジオール、ペンタンジオール、グリセロール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール等の保存料(防腐剤)、アロエエキス等の植物抽出物、エタノール等のアルコール系溶剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、抗炎症剤、オリーブ油等の油脂類、脂肪酸類などや、美容上の効能を有する各種機能成分が挙げられる。
得られる化粧料のコラーゲン含有量が0.01〜10質量%程度、特に0.1〜3質量%程度となるようにコラーゲン繊維と水性液とを組み合わせる割合を設定すると、均一に
溶解した化粧品を迅速に得ることができる。
化粧料用の水性液についても、栄養価の高いコラーゲンから分離されているので保存料の添加量を少なくでき、防腐処置を軽減することができる。又、水性液は、コラーゲンに比べて滅菌が容易であるので、水性液を滅菌して無菌充填することにより防腐剤の添加が不要になる。
以下に、綿球状コラーゲンを得るための可溶化コラーゲン繊維の製造方法について述べる。
(1)アルカリ条件下に製造する方法、及び(2)酵素を用いて製造する方法がある。以下にそれぞれの特徴点を述べる。
(1)原料物質として不溶性コラーゲン繊維を、アルカリ条件下に分解して可溶化コラーゲン繊維を得るための全工程は以下の通りである。
本発明の製造装置及び全工程を通して無菌の状態に保たれている状態の内部で行われる。
(ア)不溶性コラーゲン線維をアルカリ条件下に可溶化して可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及びpH調整を行って可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を製造する工程。
不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及び前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する。
以下に更に詳細に説明する。
不溶性コラーゲン線維より苛性アルカリ及び硫酸ナトリウムが共存する水溶液中に少量のアミン類又はその類似物を添加したもので処理する方法(例えば特公昭46−15033号公報参照。以下、アルカリ処理法と称する)は以下の通りである。
前記の原料物質である不溶性コラーゲンを含有する生皮の真皮層を取り出して湿式粉砕機によりペースト状として反応させ易い状態として用いる。
アルカリ処理法では、アルカリ処理剤として、水酸化ナトリウム4〜5%程度、硫酸ナトリウム10〜12%程度、モノメチルアミン1%程度の強アルカリ組成物を使用する(可溶化液中の重量濃度)。
前記強アルカリ組成物である水酸化ナトリウムはコラーゲン架橋部分のペプチド(テロペプチド)を加水分解することにより、可溶化を促進する。硫酸ナトリウムは、コラーゲンのアルカリによる膨潤を防ぐために使用する。モノメチルアミンは使用しないと可溶化が不十分になり、硬いモチ状の(多量体の多い)溶液になる。
可溶化処理中には、コラーゲンの変性と硫酸ナトリウムの析出を起さないようにすることが必要であり、可溶化処理槽の温度を22℃から27℃に保つ。
前記の処理により可溶化コラーゲン含んだ生成物を得る。この生成物を中和処理すると、可溶化コラーゲンは中和脱塩皮片として残存し、中和皮片を、水を通す網状の装置、たとえば、ザルなどの固液分離手段を用いることができるし、又は、低い遠心力を用いる遠心分離法により中和皮片を分離することができる。
固液分離の結果、可溶化コラーゲンの中和固形物を取り出すことができる。次にこれを洗浄脱塩して、目的とする可溶化コラーゲンの中和脱塩固形物を得ることができる。
前記処理により得られた可溶化コラーゲンの中和脱塩固形物は、たとえば乳酸などの酸性溶媒中で攪拌するなどして、可溶化コラーゲン水溶液とすることができる。
アルカリ処理では、得られる可溶化コラーゲンの等イオン点は4.8から5である。コラーゲンのアスパラギン残基・グルタミン残基がアルカリによる脱アミド(アンモニアを遊離放出させる)して、それぞれアスパラギン酸残基・グルタミン酸残基に変化するためである。
化粧品は、弱酸性から中性であることが好ましいので、化粧品用可溶化コラーゲン繊維原料を調整するにあたっては、可溶化コラーゲンの等イオン点を格別変更することはない。一般にコラーゲン繊維原料水溶液のコラーゲン濃度は3重量%から6重量%程度含まれる。
前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する。
可溶化コラーゲン繊維を得た後に化粧品として用いる可溶化コラーゲン水溶液を得るためには、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を前記のpHに調整することが有効である。
このことは、以下の理由による。
コラーゲンは両性の電解質であり、pHによって荷電が変化する性質がある。正と負の荷電がちょうど釣り合って見かけ上電荷がなくなるpHが等イオン点である。コラーゲンの溶解性が低下して凝集がおこる。したがって、化粧品として望ましい中性域での溶解性を良くするためには、等イオン点が中性域から離れていることが重要である。本発明においてはアルカリ処理をすることにより等イオン点を4.5〜5.0とする。この他に、タンパク質分解酵素による可溶化方法で得た等イオン点が7〜8程度のコラーゲンに、サクシニル化などの化学処理をほどこして等イオン点を下げる方法を採用する。得られたコラーゲンを紡糸するために溶液化を行う。pHが等イオン点のままでは溶けないので、等イオン点より酸性側かアルカリ性側で溶液化する必要がある。しかし、酸性側(例えばpH3)で溶液調製したときには、乾燥繊維化後に化粧品として使用するため中性(例えばpH7)の水性液に溶解させようとすると、途中で等イオン点を通過するため凝集した状態になり溶解に非常に時間がかかって化粧品としての利用は難しくなってしまう。一方、等イオン点よりアルカリ側、特に最終的に乾燥繊維を溶解させるpHに近い範囲(pH6.0〜7.5)で溶液を調製したときには、等イオン点を通過することがなく、コラーゲンも解離しやすい状態なのですばやく溶けるようになり、化粧品に適したコラーゲン繊維を得ることができる。
(イ)可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を紡糸延伸して可溶化コラーゲン繊維束を製造する工程
前記(ア)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする。
具体的には以下の通りである。
図1は、上述のような可溶化コラーゲン繊維を製造する製造装置の一例を示す。
この製造装置1は、可溶化コラーゲン水溶液Aを収容し、可溶化コラーゲン水溶液Aを供給するピストンタンク5、供給される可溶化コラーゲンを有機溶媒であるイソプロパノール中に複数の吐出孔を有するノズル7を介して供給して紡糸し、紡糸後に延伸して、水分を含んだ可溶化コラーゲン繊維として取り出すための有機溶媒を収容する有機溶媒S1、紡糸後に延伸して、水分を含んだ可溶化コラーゲン繊維として取り出すための所定の巻き取り速度で巻き取る巻き取りロール11、及びロール11により、巻き取られた水分を含んだ可溶化コラーゲン繊維を親水性有機溶媒S2中に可溶化コラーゲン繊維を収容する第2溶媒槽13より構成されている。
又、ピストンタンク5からノズル7を介して可溶化コラーゲン水溶液Aを供給するためにはギアポンプ9の作用により行われる。紡糸された可溶化コラーゲン繊維を所定の巻き取り速度で巻き取るために、巻き取りロール11を用いる。
ピストンタンク5とノズル7とは、ギアポンプ9を介してプラスチック製導管によって接続されている。この例では、第1溶媒槽3は、所定の長さを有する細長い形状を有し、ノズル7は、吐出孔を水平方向に向けて第1溶媒槽3内の一端側に設置され、ノズル7から吐出されるコラーゲン水溶液が有機溶媒S1中を第1溶媒槽3の長さ方向に沿って他端側へ水平に移動可能なように構成される。
可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に吐出して凝固させる場合は、使用する有機溶媒は親水性有機溶媒又は疎水性有機溶媒の何れでも可能である。
有機溶媒中で凝固するコラーゲンには水を内包しており、内包する水について外部へ放散することが必要となる。外部に水を放散させる点で親水性有機溶媒の方が適している。
凝固した繊維を効率よく乾燥するためには、水を含めた状態で揮発させることができる溶媒を用いることがよく、親水性有機溶媒を用いることが好ましい。具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やアセトンなどを挙げることができる。溶媒を複数種組み合わせた混合溶媒を用いることができる。実用上、少量の水を含んだ有機溶媒も使用可能であり、その場合、含水率は約15質量%以下、好ましくは10質量%以下であり、含水率が高いとコラーゲンが好適に凝固しない。
図1の製造装置1において、ピストンタンク5のピストンを圧搾空気によって押圧し、ギアポンプ9を作動させると、可溶化コラーゲン水溶液Aはピストンタンク5からノズル7に供給され、ノズル7の複数の円形の吐出孔から第1溶媒槽3内の有機溶媒S1中に吐出される。
可溶化コラーゲンはノズル7の複数の円形の吐出孔から有機溶媒中に吐出され、可溶化コラーゲンの外周面から内部へ向かって凝固が進行して繊維化しつつ、水平方向に押し出されことによって、複数のコラーゲン繊維が束状の状態で紡糸されると共に延伸処理される。可溶化コラーゲン繊維Fの束は、第1溶媒槽3の他端側のプーリーを介して有機溶媒S1から引き上げられて、巻き取りロール11によって巻き取られる。
この際、巻き取りロール11の巻き取り速度がノズル7の吐出速度以上になるように設定することによって、紡糸される可溶化コラーゲン繊維Fは凝固中で延伸されて平均繊度が10dtx以下の細い繊維となる。
コラーゲン繊維が凝固に要する間、具体的にはコラーゲン繊維の外周部が凝固する間に、コラーゲン繊維の紡糸及び延伸が行われる。この間、コラーゲン繊維は有機溶媒中に存在するのでコラーゲン繊維の水分は有機溶媒により置換られる。
凝固に要する時間は紡糸される繊維の繊度等によって変化する。これらを考慮すると、可溶化コラーゲン繊維の凝固に要する時間は概して8秒程度に設計される。
巻き取りロール11の巻き取り速度に5m/分程度の値を用いると、第一溶媒槽3の操作方向の長さは70cm程度以上が必要となる。
ノズルを介して可溶化コラーゲン水溶液を、有機溶媒中に吐出してさせることにより、可溶化コラーゲンを紡糸することができる。
紡糸手段には、ノズルやシャワーヘッド等の、流体を糸状に吐出できる吐出孔を有する分散放出できる手段を使用できる。可溶化コラーゲン濃度は2〜10質量%、好ましくは3〜7質量%である可溶化コラーゲン水溶液を、20〜500g/分、好ましくは30〜150g/分の吐出速度で、0.05〜1mm程度、好ましくは0.05〜0.3mm程度の孔径分散放出手段を介して、有機溶媒中に吐出する。その結果、平均繊度が10〜100dtx程度(繊度計を用いて20℃、65%RHで測定される値)の可溶化コラーゲン繊維を形成することができる。
可溶化コラーゲン繊維の太さは、吐出する可溶化コラーゲン水溶液の濃度の調節、吐出するノズルの孔径の選択によっても細くすることができる。可溶化コラーゲン水溶液の濃度が低過ぎると、紡糸される繊維が切れ易くなり、粉末状の凝固物が生じ易くなる。ノズル孔径が小さ過ぎると、通液抵抗が大きくなってノズルに過大な吐出圧力がかかる。ノズルから自由な状態で紡出させたコラーゲン繊維は、凝固中に繊維の長さ方向に収縮して長さが約0.6倍未満になって吐出時よりも繊度が高くなる結果となる。
ノズル孔径を小さくすること、可溶化コラーゲン水溶液の濃度を低下させる方法を用いて、繊度の低下をしようとする場合には、限界がある。
これを解決する方法として、溶媒中で紡糸されるコラーゲン繊維を、吐出速度の約0.6倍以上の速度で巻き取ることができる。これにより、紡糸中のコラーゲン繊維にかかる引っ張り力によって繊維方向の収縮に抗して繊維が延伸されて10dtx以下の細い繊維の調製が可能になる。
但し、巻き取り速度が速すぎると繊維が切断されるので、吐出速度に対する巻き取り速度の比(ドラフト)は1.5以下となるように調節して延伸する。
これらを勘案すると、平均繊度が10dtx以下のコラーゲン繊維を紡糸する好適な条件としては、コラーゲン水溶液の濃度は3〜7質量%、好ましくは3.5〜5質量%、ノズル孔径は0.05〜0.18mm、好ましくは0.09〜0.11mm程度であり、ドラフトは0.6以上且つ1.5以下、好ましくは1.0〜1.2とすることができる。
このような範囲では、次式にしたがって、各条件を設定できる。
[式1]
式:T=100・rcd/D
(式中、Tは繊度(dxt)、rはノズル孔半径(mm)、Cはコラーゲン水溶液の濃度(質量%)、dはコラーゲン比重(g/ml)、Dはドラフトを示す。)。
実際に採用する数値とすると、吐出速度を2〜7m/分程度、巻き取り速度を2〜10m/分程度の範囲で各数値を設定すると実用的である。
巻き取った可溶化コラーゲン繊維は、無菌空気を用いる空気乾燥によって無菌の状態で乾燥される。そして含まれている残留水は除去される。本発明のように細い繊維の場合、繊維どうしが接触した状態で、そのまま乾燥すると互いに付着・結合し、繊維塊になることが起こる。
この原因は、乾燥中に有機溶媒が先に留去することによって可溶化コラーゲン繊維中の残留水分が凝固コラーゲンを再溶解するので、繊維が細いほど付着は顕著となる。
これを防止するために、本発明では、乾燥前の可溶化コラーゲン繊維を親水性有機溶媒に浸漬する。親水性有機溶媒と接触することにより、コラーゲン繊維中の水分は有機溶媒中に放散して有機溶媒と置換されるので、含水量が低下して有機溶媒量が増加する。従って、乾燥中の繊維の付着は減少する。
使用する浸漬する親水性有機溶媒の含水率が低いことが必要であり、具体的には、含水率が5質量%以下の有機溶媒を使用する。使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やアセトンなどの親水性有機溶媒が挙げられ、このような溶媒を、数種類組み合わせた混合溶媒であってもよい。コラーゲン繊維の乾燥中に水のみが残留するのを避けるためには、水と沸点が近い溶媒、あるいは、水と共沸する溶媒を用いることが有効であり、具体的にはエタノールやイソプロパノール等が挙げられる。
紡糸した可溶化コラーゲン繊維を親水性有機溶媒に浸漬すると、親水性有機溶媒の含水率は、上昇する。浸漬処理を繰り返して含水率が過大になった有機溶媒は交換する必要がある。有機溶媒に浸漬する直前の可溶化コラーゲン繊維を軽く圧搾又は遠心脱水して繊維に含まれる液体量を減少させると、浸漬する有機溶媒の交換頻度を減らすために有効である。
巻き取りロール11の巻き取り速度に5m/分程度の値を用いると、第一溶媒槽3の操作方向の長さは70cm程度以上が必要となる。
(ウ)得られた紡糸、延伸された可溶化コラーゲン繊維束の乾燥工程は以下の通りである。
本発明で使用する乾燥装置は図3により図示される。
前記紡糸、延伸された可溶化コラーゲン繊維束を連続的に乾燥するに先立って、ニップロール31間を通して、内部に含まれる水量及びアルコール量の一部を取り出して内部に含まれる水量及びアルコール量を減少させ操作であり、重要な操作となる。
ニップロール31中を通過した可溶化コラーゲン繊維束を乾燥用チューブ(管状体)32内に導く。
乾燥用チューブを用いることにより、乾燥に用いる空気の通る部分を周囲の環境部分より特定することができるので目的とする乾燥処理を効果的に行うことができる。 空気供給部33を経て、無菌であり、30℃以下、安定であることを考慮すると、好ましくは20℃の乾燥状態にある空気はフィルタ34を通り、空気供給部39を経て乾燥用チューブ(管状体)32に空気が供給される。乾燥用チューブ(管状体)32から供給される空気は均一に供給されるようにする。管状乾燥装置32をアスピレータ―のように構成すれば、吸い込み口からコラーゲン繊維を送り込むことができる。粉体・粒体の吸引・移送に用いる市販のエアガン(例えば、トラスコ中山製MAG−22S、MAG−22SV、MAG22L、MAG−22LVなど、同社製の取扱説明書などに詳細に構造が述べられている。)を利用して吸引口からコラーゲン繊維を送り込むようにすることも有効な手段となる。
空気は30〜0℃の間に状態で供給される。30℃を超えると可溶化コラーゲンが変性することが懸念される。又0℃以下では乾燥効率がよくないことによる。
RH70%(湿度)以下であることが必要である。70%超えると繊維膠着が起こりやすい。低いことによる不具合はない。
乾燥チューブ内を移動する可溶化コラーゲン繊維が移動する速度は(2m/h〜3m/h)である。無菌の空気により押されて、可溶化コラーゲン繊維は移動する。
移動速度自体はニップロールの送り速度によって規定されており、その送り速度と、空気流量の組み合わせを任意にコントロールすることによって、最適な乾燥条件(単に乾燥しているかどうかだけでなく、適度な捲縮があり、固着や繊維の撚りが少ない条件)で処理することができる。
直径19mm、長さ3mのポリエチレン製チューブを使用した場合には、コラーゲンの送り速度2〜3.5m/min、エア流量200〜300L/minの条件で、繊維膠着が少なく、全体に良好なウェーブのかかった乾燥コラーゲン繊維を得ることができる。
(a)可溶化コラーゲン繊維束の組成物の一分析結果は以下の通りである。
ニップロール供給前の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は15〜25重量%、残留アルコール濃度70〜80重量%、
ニップロール供給後の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は27〜35重量%、残留アルコール濃度65〜68重量%、
チューブ出口の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度85〜88重量%、残留アルコール濃度1.0〜6.0重量%。
(b)他の一例は可溶化コラーゲン繊維束の組成物の一分析結果は以下の通りである。
ニップロール供給前の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は18〜22重量%、残留アルコール濃度75〜77重量%、
ニップロール供給後の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は27〜32重量%、残留アルコール濃度66〜67重量%、
チューブ出口の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度82〜87重量%、残留アルコール濃度1.0〜6.0重量%。
チューブ出口の可溶化コラーゲン繊維束については、さらに乾燥工程を加えることで、残留アルコール濃度0.01重量%以下とすることができる。可溶化コラーゲン繊維に加工した場合にこれらの物性値は変化せず、したがって、この数値が可溶化コラーゲン繊維の数値となる。
可溶化コラーゲン繊維Fの束に引っ張り負荷をかけずに乾燥した結果、捲縮した可溶化コラーゲン繊維から成る可溶化コラーゲン繊維束を得ることができる。繊維が固着して溶けにくくなっている部分がほとんどないので、溶解速度は従来のバッチ乾燥法で得られた繊維束に比べて大きく改善されており、用事調整型の化粧料として使用することが充分に可能である。
さらに、乾燥後の可溶化コラーゲン繊維束を適度に開繊することによって綿状の可溶化コラーゲンが得られる。
乾燥操作が終了した後、可溶化コラーゲン繊維束を開繊する。具体的には、繊維束を連続的に自動開繊機にかけて、ワイヤードラムによりたたきほぐして綿状にする。可溶化コラーゲン繊維束を構成する繊維は、自動開繊機のワイヤードラムで1〜20cmの長さに引きちぎられる(平均7〜8cm)。繊維の長さの平均が2.5cm以上であれば絡合性があり、乾燥後の繊維束を連続的に自動開繊機で開繊することにより、適正な長さの絡合性のあるすることにより可溶化コラーゲン繊維を得ることができる。密度の均一なシートとして自動開繊機から出てきた開繊された綿状の可溶化コラーゲン繊維を回収して、目的とする可溶化コラーゲン繊維とする。前記可溶化コラーゲン繊維も、用事調製型の化粧料として好適に使用することができる。
前記開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程では、前記のように開繊した後、可溶化コラーゲン繊維シートから把持手段で必要量を採取する。前記把持手段にはピンセットなどを用いることができる。
(2)酵素を用いた可溶化コラーゲン繊維の製造方法について述べる。
前記(1)アルカリ条件下に製造する方法で述べた、前記(ア)の工程について以下の条件に変更して行うこともできる。
不溶性コラーゲン線維をたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)により分解して可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及びpH調整を行って可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を製造する工程
不溶性コラーゲンを含むたんぱく質を、たんぱく質分解酵素により分解して得られるコラーゲンを含む生成物の等イオン点は7〜8であり、アルカリを添加してpHを9〜10として、無水カルボン酸により可溶化コラーゲンをサクシニル化して等イオン点を5以下にし、可溶化コラーゲンを沈殿させて分離する。可溶化コラーゲン水溶液とするために緩衝剤の存在下にアルカリを添加して等イオン点よりpHが大きいpH6.0から7.5とする。
前記(1)の方法の(イ)可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を紡糸延伸して可溶化コラーゲン繊維束を製造する工程については、(2)たんぱく質分解酵素を用いて可溶化コラーゲン繊維の製造方法においても前記(1)の方法の(イ)と同様に行う。
可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする。
(1)の方法の(ウ)可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させて、可溶化コラーゲン繊維束を開繊して化粧品用可溶化コラーゲン繊維を製造する工程については、(2)酵素を用いて可溶化コラーゲン繊維の製造方法においても前記(1)の方法の(ウ)と同様に行う。
前記可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の30℃以下の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させる。乾燥させた可溶化コラーゲン繊維束を開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する。
本発明の可溶化コラーゲン繊維束の製法をまとめると以下の2種類の製法となる。
(1)可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及び前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)の可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下のRH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させた後、切断して目的とする可溶化コラーゲン繊維束を製造する工程からなる可溶化コラーゲン繊維の製造工程を経て得られる可溶化コラーゲン繊維束。
(2)可溶化コラーゲン繊維束は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片を、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)により分解して等イオン点は7〜8の可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程、前記可溶化コラーゲン水溶液にアルカリを添加してpHを9〜10として、無水カルボン酸により可溶化コラーゲンをサクシニル化して等イオン点をpHを5以下にし、可溶化コラーゲンを沈殿させて分離し、緩衝塩の存在下にアルカリを添加して等イオン点よりpHが大きいpH6.0から7.5の可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)で得た可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の30℃以下の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により、可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、切断して目的とする可溶化コラーゲン繊維束を製造する工程からなる可溶化コラーゲン繊維の製造工程を経て得られる可溶化コラーゲン繊維束。
本発明の綿球可溶化コラーゲン繊維の製法をまとめると以下の通りである。
(1)綿球可溶化コラーゲン繊維を製造する操作は以下の通りである。
組成物が均一な状態で分布している可溶化コラーゲン繊維の束を球状に形成することによる綿球は、前記可溶化コラーゲン繊維の束を膨らめた状態として、円筒状内面とこの円筒状内面に沿って回転する螺旋状溝に挟んで形成される円筒状内部を転動数は、50〜150回/分で転動させながら、螺旋状溝に沿って30〜100cm/秒の移動速度で螺旋状溝に沿って移送させることにより球形に成形する。
(2)可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を取り出す工程及び前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)の可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下のRH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させた後、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する。
(3)前記開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程は、開繊して綿状にし、把持手段で必要量を採取することにより行うこともできる。
(4)前記可溶化コラーゲン繊維は、(i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片を、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)により分解して等イオン点は7〜8の不溶性のコラーゲン水溶液を取り出す工程、前記可溶化コラーゲン水溶液を緩衝剤の存在下に等イオン点よりpHが大きいpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程を、不溶性コラーゲンを含むたんぱく質を、たんぱく質分解酵素により分解して得られるコラーゲンを含む生成物の等イオン点は7〜8であり、アルカリを添加してpHを9〜10として、無水カルボン酸により可溶化コラーゲンをサクシニル化してpHを5以下にし、可溶化コラーゲンを沈殿させて分離し、緩衝剤の存在下にアルカリを添加して等イオン点よりpHが大きいpH6.0から7.5として、可溶化コラーゲン繊維原料となる可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、(ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、及び(iii)前記(ii)で得た可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に30℃以下、RH70%以下の無菌の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させ、開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程を経て得られる綿球可溶化コラーゲン繊維。
(5)前記開繊して目的とする可溶化コラーゲン繊維を製造する工程は、開繊して綿状にし、把持手段で必要量を採取することにより行うこともできる。本綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法には綿球製造装置を用いる。
繊維などの状態にある物質を球形にする方法及び装置は既に知られている(特開2001−295170号公報、特許3601004号公報、特開平10−266051号公報など)。この他にも医療用品としての脱脂綿を球状にした綿球が知られている(特許第3557587号明細書など)を用いて固有の条件を設定して用いる。
綿球製造装置としては、前記のように繊維ボール機を改良して用いることができるが、本発明者らはこれとは別に円筒状綿球製造装置及び平板状綿球製造装置を新たに試作、開発し、これにより綿球可溶化コラーゲン繊維を製造してた。
綿球可溶化コラーゲン繊維の性状については前記の通りである。
実施例に基づいて更に詳細に本発明を説明する。
実施例1
下記に従って化粧品用可溶化コラーゲン繊維の試料を作成し、溶解に要する時間を測定した。可溶化コラーゲン繊維の等イオン点は次のように確認した。
等イオン点の測定
予め活性化及び洗浄した陽イオン交換樹脂(アンバーライトIPR−120B、オルガノ(株)社製)と陰イオン交換樹脂(アンバーライトIPA−400、オルガノ(株)社製)とを2:5の割合で混合して混床イオン交換体を調製した。混床イオン交換体100mlを脱イオン水で平衡化させた後、タンパク質濃度が5%になるように調製した試料溶液を50ml加えて、40℃の水浴中に保持して30分間穏やかに攪拌して混合し、混合液から上澄みを分離して上澄みのpHを測定して、その値を等イオン点とした(J.W.Janus,A.W.Kenchington and A.G.Ward,Researvh,45247(1951)に記載される方法を参考とした)。
実施例2
試料1
アルカリ条件下に可溶化コラーゲン水溶液の調製
ブタの塩蔵皮を原料として、石灰漬けを行った。詳細には、半裁したブタの塩蔵皮1枚(約4kg)を3cm角程度の皮片に裁断し、その質量に対して300%の水及び0.6%の非イオン性界面活性剤を加えて攪拌することによって皮片を洗浄し、皮片を回収した。次いで、皮片質量に対して300%の水、0.6%の非イオン性界面活性剤及び0.75%の炭酸ナトリウムを加えて2時間攪拌して皮片を回収した。更に、皮片質量に対して700%の水を用いた洗浄を、回収した皮片に対して2回行った後、皮片質量に対して300%の水、0.15%の非イオン性界面活性剤、3.6%の水硫化ナトリウム、0.84%の硫化ナトリウム及び2.4%の水酸化カルシウムを加えて16時間攪拌し、皮片を回収して、皮片質量に対して700%の水を用いた洗浄を3回行った。
水酸化ナトリウム6質量%、硫酸ナトリウム15質量%及びモノメチルアミン1.25質量%を含有する水溶液8000gを調製し、上記皮片2000g(乾燥質量として約500g)を投入してよく攪拌混合した。
これを、密閉容器中で25℃に保持して、5日間イキュベートすることによりコラーゲンを可溶化した。水溶液を穏やかに攪拌しながら水溶液中のアルカリと等量の硫酸を少量ずつ滴下して中和し、pHを4.8に調整した。
中和後の皮片を取り出し、圧搾して液を除去し、pH5.0の乳酸水溶液約8000gを用いて30分間攪拌した後、皮片を圧搾して脱水した。この操作をさらに4回繰り返して行い、十分に脱塩した。中和の段階で皮片は可溶化コラーゲンの等イオン点付近のpHに調整されているため、コラーゲンは可溶化されているが、脱塩操作の後もほとんど水に溶解せず皮片の形状を保持していた。
脱塩後の皮片のコラーゲン含有量をキエルダール法による総窒素測定の結果から算出し、このコラーゲン含有量に基づいて、脱塩後の皮片からコラーゲン質量120gに相当する分量を取分け、コラーゲン濃度が4.4質量%、乳酸ナトリウム濃度が1.2質量%となるように水及び乳酸ナトリウムを加えてよく混練し、可溶化コラーゲン水溶液4000gを得た。次いで、少量の20%水酸化ナトリウム水溶液を加えて混練することによりpHを6.7に調整した。
可溶化コラーゲン繊維の製造
図1に示す構造の製造装置1のタンク5に、上述で得た可溶化コラーゲン水溶液4000gを収容し、長さが3m、幅10cmの第1溶媒槽3に有機溶媒としてイソプロパノール18Lを収容した。ギアポンプ9を作動させて、水平方向に向けられたノズル7の吐出孔(孔径:0.10mm、孔数:1000)から可溶化コラーゲン水溶液を38g/分の割合(吐出速度:4.8m/分)で有機溶媒に吐出させた。イソプロパノール中で紡糸された可溶化コラーゲン繊維の束は、巻き取りロール11によって5m/分の巻き取り速度で巻き上げ、イソプロパノール5.0Lを収容した第2溶媒槽13に浸漬した。
乾燥工程
(ア)前記一定の条件下に紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を連続的に乾燥させる際に、ニップロールを通してアルコール濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束を乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の20℃、55%RHの空気(238L/min)を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により可溶化コラーゲン繊維束を、3.5m/分の速度でチューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、膠着することなく可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させた。
乾燥処理の工程で各部分での可溶化コラーゲン繊維束の計測結果は以下の通りである。
ニップロール供給前の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は21重量%、残留アルコール濃度76重量%、
ニップロール供給後の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は29重量%、残留アルコール濃度67重量%、及びチューブ出口の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度86重量%、残留アルコール濃度3.0重量%であった。
(イ)他の一例として、ローラー速度を2m/minに変えた他は、(ア)と同じ条件で乾燥した場合の乾燥処理の工程で各部分での可溶化コラーゲン繊維束の計測結果は以下の通りである。
ニップロール供給前の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は20重量%、残留アルコール濃度74重量%、
ニップロール供給後の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度は30重量%、残留アルコール濃度66重量%、
チューブ出口の可溶化コラーゲン繊維束などの固形分濃度87重量%、残留アルコール濃度1.5重量%。
得られた可溶化コラーゲン繊維束を自動開繊機を用いて開繊して可溶化コラーゲン繊維を得た。
上記可溶化コラーゲン繊維は、可溶化コラーゲン81重量%、乳酸ナトリウム3重量%、イソプロピルアルコール1.5%、水分11.5重量%、灰分が3重量%(合計100重量%)からなる成分により構成され、平均繊度6dtx、長さ10〜35mmであり、ウェーブがかけられている形状よりなる可溶化コラーゲン繊維を得た。
以上の可溶化コラーゲン繊維を、繊維ボール製造装置を用いて綿球可溶化コラーゲン繊維を製造した。
簡単に製造装置の条件は以下の通りである。
池上製作所製の繊維ボール成型機を使用した。溝の全長(投入口から出口まで)は1980cmで、投入口から180cmの溝幅は16mmに、次の120cmの溝幅は15mmに、次の60cmの溝幅は14mmに、最も出口側の1620cmは13mmに設定した。
意図した綿球の進行速度を得るには、円筒と綿球の間に適度な摩擦抵抗が必要であるため、円筒内面に滑り止め加工をした樹脂テープを貼り付けた。この方法によれば、意図した進行速度を得られるとともに、綿球コラーゲン繊維との摩擦で脱落して異物が発生することがない。螺旋状溝の転動数は108回/分とし、可溶化コラーゲン繊維は72cm/秒の移動速度で螺旋状溝に沿って移送された。
上記の可溶化コラーゲン繊維を15mg電子天秤で量りとって、繊維ボール製造装置に投入し、上記の条件で綿球を製造した。得られた綿球は、直径15mmであった。
綿球可溶化コラーゲン繊維を配置している容器部分43と綿球可溶化コラーゲン繊維を溶解する水を収容する容器部分44が同一容器内で一体に構成され、綿球可溶化コラーゲン繊維を配置する容器部分は容器の側部壁から底部に向かって湾曲して形成される構造45をしており、容器の頂部は水平状の鍔部46が形成され、前記鍔部は上蓋用シート41により頂部は閉ざされる構造である容器中に綿球可溶化コラーゲン繊維を配置した(図4)。
容器の材質は、容器本体の材料は、遮光性があり酸素及び水分の透過を防ぐことを可能にするための材料であり、例えばPBP(ポリプロピレンの間にエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂:EVOHがサンドイッチされている。)を用いた。容器の形状は、縦30mm、横25mm、及び深さ20mmである。フタの材質はアルミにPETを重層に設けた構造とした。蓋は容器本体に溶着することにより密閉することができる。
綿球可溶化コラーゲン繊維10mgを容器内に保存した。
25℃条件に50日間保存した。
容器内に水1ccを添加して、人差し指で混合することによって、20秒間で瞬間的に均一に溶解することができた。
[実施例3]
化粧料用の水性液の調整
1,2−ペンタンジオール5.0質量%、グリセリン5.0質量%、1,3−ブチレングリコール3質量%、クエン酸ナトリウム0.66質量%、クエン酸0.03質量%及び残部が滅菌水からなる化粧料用の水性液(pH約6.6)を調製した。
コラーゲンサンプル(以下の表1の説明に記載)を手のひら上で、コラーゲンサンプル10mgに上記水性液1CCを加えて指先で馴染ませて溶かし、コラーゲンサンプルが完全に溶解するまでの時間を計測した。各サンプルについて、計測は5回繰り返し、得られた計測値から最小値、最大値、平均値及び中央値を求めた。結果を表1に示す。
各サンプルは、本発明の可溶化コラーゲン繊維束1、綿球可溶化コラーゲン繊維(3例)、従来の可溶化コラーゲン繊維(比較例)である。
Figure 0005827947
コラーゲン繊維束1:本発明のコラーゲン繊維束を溶解させる場合である。綿球にすることなく、コラーゲン繊維の段階のコラーゲン繊維1cm(重量10mg)を用いて、溶解させた場合の結果である。
綿球1:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径3mm、重量5mg、平均繊度3dtxの形状である。
綿球2:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径10mm、重量10mg、平均繊度7dtxの形状である。
綿球3:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径25mm、重量20mg、平均繊度10dtxの形状である。
比較例1
従来の特開2006−342472号によるコラーゲン繊維を用いた場合(従来のコラーゲン繊維の製造工程の中の乾燥工程をクリーンベンチ内で吊り下げ送風乾燥を行って製造し、他の工程は本発明と同じである。)
綿球可溶化コラーゲン繊維1,2及び3の溶解時間は、平均値及び中央値とも10〜13秒の範囲にある。本発明のコラーゲン繊維束の溶解時間は、各々30秒及び29秒である。綿球可溶化コラーゲン繊維1,2及び3は、良好な結果である。以上より綿球とした効果は十分に確認できる。また、コラーゲン繊維束についても、溶解時間は綿球可溶化コラーゲン繊維には及ばないものの、用事調整型の化粧料として充分使用できる範囲にある。
従来の特開2006−342472号によるコラーゲン繊維を用いる場合の結果は、各々82秒及び85秒であるいずれも本発明のコラーゲン繊維束及び綿球1,2及び3の各結果と比較して長時間を要していることを示している。
比較例1では、繊維が膠着した部分があり、膠着のない部分は比較的早く溶けるものの、膠着した部分が塊状になって溶解に時間がかかるため、全体としては本発明のコラーゲン繊維、綿球に比べて溶解時間が遅い結果になっている。
実施例4
試料2
可溶化コラーゲン水溶液の調製
試料1と同様にブタの塩蔵皮を皮片に裁断して石灰漬けした。得られた皮片
コラーゲン繊維束1:本発明のコラーゲン繊維束を溶解させる場合である。綿球にすることなく、コラーゲン繊維の段階のコラーゲン繊維1cm(重量10mg)を用いて、溶解させた場合の結果である。
綿球1:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径3mm、重量5mg、平均繊度3dtxの形状である。
綿球2:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径10mm、重量10mg、平均繊度7dtxの形状である。
綿球3:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径25mm、重量20mg、平均繊度10dtxの形状である。
比較例1 従来の特開2006−342472号によるコラーゲン繊維を用いた場合(従来のコラーゲン繊維の製造工程の中の乾燥工程をクリーンベンチ内で吊り下げ送風乾燥を行って製造し、他の工程は本発明と同じである)
綿球可溶化コラーゲン繊維1,2及び3の溶解時間は、平均値及び中央値とも10〜13秒の範囲にある。本発明のコラーゲン繊維束の溶解時間は、各々30秒及び29秒である。綿球可溶化コラーゲン繊維1,2及び3は、良好な結果である。以上より綿球とした効果は十分に確認できる。また、コラーゲン繊維束についても、溶解時間は綿球可溶化コラーゲン繊維には及ばないものの、用事調整型の化粧料として充分使用できる範囲にある。
従来の特開2006−342472号によるコラーゲン繊維を用いる場合の結果は、各々82秒及び85秒であるいずれも本発明のコラーゲン繊維束及び綿球1,2及び3の各結果と比較して長時間を要していることを示している。
比較例1では、繊維が膠着した部分があり、膠着のない部分は比較的早く溶けるものの、膠着した部分が塊状になって溶解に時間がかかるため、全体としては本発明のコラーゲン繊維、綿球に比べて溶解時間が遅い結果になっている。
実施例4
試料2
可溶化コラーゲン水溶液の調製
試料1と同様にブタの塩蔵皮を皮片に裁断して石灰漬けした。得られた皮片を孔径16mmのチョッパーにかけた後、磨砕機(マスコロイダー、増幸産業株式会社製)でペースト状にした。ペースト状のブタ皮をエタノールを用いて脱脂処理した後に乾燥した。この乾燥物から100gの分量を取分け、1900gの脱イオン水を加えて、ミキサーで攪拌しながら塩酸を加えてpHを3.0に調整した。これに酸性プロテアーゼ製剤(デナプシン2P、ナガセケムテックス株式会社製)20gを加え、25℃で24時間攪拌を続けてコラーゲンを可溶化した。得られた可溶化コラーゲン水溶液に2N水酸化ナトリウムを加えてpHを9〜10に調整した後、無水コハク酸40gをアセトンに溶解して添加し、10℃でpHを9〜10に調整しながら2時間反応(サクシニル化)させた。反応終了後、塩酸を用いて反応溶液のpHを4.5に調整してコラーゲンを沈澱させた。
これを3000Gで10分間遠心分離して沈澱物を回収し、エタノールで洗浄して乾燥することによりサクシニル化された可溶化コラーゲン乾燥物を得た。この乾燥物から60gの分量を取分けて、乳酸ナトリウム29g及び水1920gを加えて攪拌し、コラーゲン濃度が4.5質量%の可溶化コラーゲン水溶液(pH6.8、乳酸ナトリウム濃度:1.2質量%)を得た。
可溶化コラーゲン繊維の製造
上記の可溶化コラーゲン水溶液を用いて、試料1と同様の装置及び操作で可溶化コラーゲン繊維を製造したところ、平均繊度が4.1dtxの可溶化コラーゲン繊維束50g(等イオン点:pH4.5)を得た。この可溶化コラーゲン繊維を脱イオン水に溶解した0.5質量%溶液のpHは7.2であった。
前記の可溶化コラーゲン繊維の製造方法によって得たコラーゲンサンプル(以下の表2の説明に記載)について、実施例3と同様の方法で測定した溶解に要する時間を表2に示した。
Figure 0005827947
コラーゲン繊維束2:本発明のコラーゲン繊維束を溶解させる場合である。綿球にすることなく、コラーゲン繊維の段階のコラーゲン繊維1cm(重量10mg)を用いて、溶解させた場合の結果である。
綿球5:本発明により得られる綿球コラーゲン繊維であり、直径10mm、重量10mg、平均繊度7dtxの形状である。
1 製造装置
3 第1溶媒槽
5 ピストンタンク
7 ノズル
9 ギアポンプ
11 巻き取りロール
13 第2溶媒槽
S1 有機溶媒
S2 親水性有機溶媒
A 可溶化コラーゲン水溶液
F 可溶化コラーゲン繊維
21 巻取装置
23 送風
25 懸架手段
31 ニップロール
32 乾燥用チューブ(管状体)
33 空気供給装置
34 フィルタ
35 水受部
37 乾燥処理後の化粧品用コラーゲン繊維
38 乾燥処理後の化粧品用コラーゲン繊維の貯蔵部
39 空気供給部
41 上蓋シート
42 容器底部
43 綿球可溶化コラーゲン繊維を配置している容器部分
44 綿球可溶化コラーゲン繊維を溶解する水を収容する容器部分
45 側部壁から底部に向かって湾曲して形成される部分
46 容器の壁の頂部にある外側に水平に延びる鍔部
可溶化コラーゲンの利用は食品、医療分野においても積極的行われている。これらの新しい分野においても、本発明の 綿球可溶化コラーゲン繊維をはかり、コラーゲンが瞬間的に均一に溶解させることの要望は高と考えているから十分に利用をはかることが必要である。

Claims (5)

  1. 水と親水性有機溶媒を含む可溶化コラーゲン繊維束を準備する工程、
    前記可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の30℃以下のRH70%以下の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により、可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させる工程、及び
    乾燥後の可溶化コラーゲン繊維束を開繊する工程
    を含む、綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法。
  2. (i)不溶性コラーゲン線維をアルカリ条件下で分解して、可溶化コラーゲン水溶液を製造する工程、
    (ii)前記可溶化コラーゲン水溶液を用いて紡糸延伸して、可溶化コラーゲン繊維束を製造する工程、
    (iii)前記可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させる工程、及び
    (iv)乾燥後の可溶化コラーゲン繊維束を開繊する工程を含み、
    前記(iii)の乾燥工程が、前記可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の30℃以下のRH70%以下の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により、可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより行われる、
    綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法。
  3. (i)不溶性コラーゲン線維を有する皮片をアルカリ条件下に分解して得られる生成物を中和脱塩処理し、中和脱塩された皮片を分離した後、等イオン点がpH5.0以下である可溶化コラーゲン水溶液を得、該水溶液を緩衝塩の存在下にpH6.0〜7.5として、可溶化コラーゲン水溶液を調製する工程、
    (ii)前記(i)で得た可溶化コラーゲン水溶液を有機溶媒中に糸状に吐出し、可溶化コラーゲンを繊維束として紡糸し、紡糸された可溶化コラーゲン繊維束を巻き取ることにより延伸し、延伸された前記可溶化コラーゲン繊維束を親水性有機溶媒に浸漬した状態とする工程、
    (iii)前記(ii)の可溶化コラーゲン繊維束を、ニップロールを通して、含まれる水分及び親水性有機溶媒濃度を減少させた可溶化コラーゲン繊維束として乾燥用チューブ内に導き、チューブ内に無菌の30℃以下のRH70%以下の空気を流すことにより空気の移動層を形成し、空気の移動層により、可溶化コラーゲン繊維束を、チューブ内を移動させつつ乾燥させて、チューブ外に取り出すことにより、可溶化コラーゲン繊維束を乾燥させる工程、及び
    (iv)乾燥後の可溶化コラーゲン繊維束を開繊する工程
    を含む、綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法。
  4. 前記緩衝塩は、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び燐酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載の綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法。
  5. 前記乾燥後の可溶化コラーゲン繊維束を開繊する工程において、前記綿球可溶化コラーゲン繊維は、外周部から中央部に向かって断面が半円形の渦巻き状の溝を上部に設けてある駆動手段により回転している円盤と、円盤の上部に一定のクリアランスを介して設けられた蓋により形成される平板状綿球製造装置の、円盤の外周側に設けられている可溶化コラーゲン繊維の供給口より渦巻き状の溝に投入され、溝と蓋の間に挟まれた状態で可溶化コラーゲン繊維に回転が与えられて、溝の中を中央に向かって進み、円盤中央に設けた可溶化コラーゲン繊維排出口より綿球が形成され排出されることにより形成される、請求項1〜4のいずれか1項記載の綿球可溶化コラーゲン繊維の製造方法。
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