JP2010229326A - コーティング剤およびコーティングシート - Google Patents

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Abstract

【課題】再生コラーゲン粉末を含有するコーティング剤およびコーティングシートにおいて、ホルムアルデヒド吸着性と、アンモニア、酢酸などの吸着性(消臭性)を併せ持つコーティング剤およびコーティングシートを提供する。
【解決手段】(A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むことを特徴とするコーティング剤およびコーティングシート。このコーティング剤およびコーティングシートは、ホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸などに対する優れた吸着性を発揮する。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生コラーゲン粉末を含有するコーティング剤およびコーティングシートに関する。
近年、天然系有機微粉末を含有する樹脂製品、繊維製品に関する研究が行われている。天然系有機微粉末としては、皮革粉(コラーゲン微粉末)、シルク微粉末、卵殻膜の微粉末などが挙げられる。これらの有機微粉末を樹脂に混ぜ込んだり、繊維表面に付着させたりすることによって、従来の合成樹脂では困難であった、しっとりとした触感、吸放湿性、透湿性など、天然有機物に由来する特長を付与することが出来る。
天然系有機微粉末を含有する樹脂製品、繊維製品に関して、住宅資材、自動車材、への応用が検討されている。当該用途では、消臭性(悪臭の除去)や、ホルムアルデヒド吸着性、およびVOC吸着性が求められている。具体的な悪臭成分としては、例えば、タバコ臭の場合、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒド、ピリジン、硫化水素が挙げられ、生ゴミ臭の場合、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アンモニアが挙げられる。
ホルムアルデヒドの吸着・除去に関する検討として、アミン系化合物であるヒドラジン化合物や尿素誘導体が検討されているが、毒性の面でより安全性の高い天然物由来のキトサン、緑茶ポリフェノール(カテキン)への関心が高まっている。
一方、コラーゲンの場合、皮革の架橋にホルムアルデヒドが用いられるなど、ホルムアルデヒド吸着性を示すことは古くから知られているが、キトサン、緑茶ポリフェノールが、ホルムアルデヒドと反応し得る官能基を豊富に具備しているのに対して、コラーゲンの場合、リジン、ヒドロキシリジンに起因する僅かな遊離アミノ基や、僅かな末端アミノ基しか持っていないこともあって、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性ガス、酢酸、イソ吉草酸などの酸性ガスに対して高い消臭性(吸着性)を示すものの、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド系ガスに対する吸着性は高くない。
特許文献1では、コラーゲン粉末を含有するコーティングシートが検討されている。特許文献2では、アミノ変性シリコーンとポリヒドロキシルアミンを併用した、しわ取り消臭剤組成物が検討されている。
特許文献3では、耐摩耗性や手触り感の改良のために熱可塑性エラストマー、天然有機微粉末及びシリコーンを含有する樹脂組成物が検討されている。
しかし、これらはいずれも、塩基性ガス、酸性ガス、アルデヒドに対する吸着性を同時に発揮するものではなかった。
特開平5−69503号公報 特開2007−291540号公報 特開平9−278939号公報
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、再生コラーゲン粉末を含有するコーティング剤およびコーティングシートにおいて、ホルムアルデヒド吸着性と、アンモニア、酢酸などを吸着して消臭性を併せ持つコーティング剤およびコーティングシートを提供することである。
本願発明は以下の構成を有するものである。
1). (A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むコーティング剤であって、(B)再生コラーゲン粉末が、(b−1)有機化合物および/または(b−2)金属塩を含有する処理液で架橋されたコラーゲンからなる再生コラーゲン粉末であることを特徴とするコーティング剤。
2). (b−1)有機化合物が単官能エポキシ化合物であり下記一般式(1):
Figure 2010229326
(式中、Rは、R1−、R2−O−CH2−またはR2−COO−CH2−で表される置換基を示し、R1は炭素数2以上の炭化水素基またはCH2Clであり、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示す。)で表される化合物であることを特徴とする1)に記載のコーティング剤。
3). (b−2)金属塩が次の式で表される塩基性塩化アルミニウム又は塩基性硫酸アルミニウムである1)または2)に記載のコーティング剤。
Al(OH)nCl3-n、又はAl2(OH)2n(SO43-n
(式中、nは0.5〜2.5である)
4). (A)マトリックス樹脂が、ウレタン系樹脂であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のコーティング剤。
5). (C)アミノ変性シリコーンのアミノ当量が800〜10000g/molであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のコーティング剤。
6). (A)マトリックス樹脂100重量部に対して、(B)再生コラーゲン粉末50〜200重量部、(C)アミノ変性シリコーン10〜50重量部を含有することを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のコーティング剤。
7). (A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むコーティング剤であって、(B)再生コラーゲン粉末が、(b−1)有機化合物および/または(b−2)金属塩を含有する処理液で架橋されたコラーゲンからなる再生コラーゲン粉末であることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
8). 7)に記載のコーティング剤組成物を基材上に塗布したコーティングシート。
本発明のコーティング剤およびコーティングシートは、ホルムアルデヒド吸着性および、アンモニア、酢酸などの吸着性(消臭性)に優れている。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のコーティング剤は、(A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むコーティング剤であって、(B)再生コラーゲン粉末が、(b−1)有機化合物および/または(b−2)金属塩を含有する処理液で架橋された再生コラーゲンからなる再生コラーゲン粉末であることを特徴とする。
本発明の(B)再生コラーゲン粉末について以下に説明する。
本発明の再生コラーゲンは、牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚などの動物の皮膚、骨、腱などから可溶化コラーゲン溶液を製造し、架橋処理することにより製造される。特に、可溶化コラーゲン水溶液を紡糸し、コラーゲン繊維とする繊維化工程において、コラーゲンの徹底的な精製と、緻密な架橋を行うことが可能であり、従来のコラーゲン粉末が有していた品質問題を解決しうる全く新規なコラーゲン粉末を提供しうるものである。
上記コラーゲンの製造方法としては、例えば特開2002−249982号公報に開示されているように、原料は床皮の部分を用いるのが好ましい。床皮は、たとえば牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚等の動物から得られるフレッシュな床皮や塩漬けした生皮より得られる。これら床皮は、大部分が不溶性コラーゲン繊維からなるが、通常網状に付着している肉質部分を除去し、腐敗・変質防止のために用いた塩分を除去したのちに用いられる。また、前記動物の骨、腱など他の材料も同様に用いることができる。
この不溶性コラーゲン繊維には、グリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸等の脂質、糖タンパク質、アルブミン等のコラーゲン以外のタンパク質等、不純物が存在している。これらの不純物は、粉末化するにあたって光沢や強度等の品質、臭気等に多大な影響を及ぼす。したがって、たとえば石灰漬けにして不溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲン繊維を解きほぐした後、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶剤処理等のような一般に行われている皮革処理を施し、予めこれらの不純物を除去しておくことが好ましい。
前記のような処理の施された不溶性コラーゲンは、架橋しているペプチド部を切断するために、可溶化処理が施される。前記可溶化処理の方法としては、一般に採用されている公知のアルカリ可溶化法や酵素可溶化法等を適用することができる。前記アルカリ可溶化法を適用する場合には、たとえば塩酸等の酸で中和することが好ましい。なお、従来から知られているアルカリ可溶化法の改善された方法として、特公昭46−15033号公報に記載された方法を用いても良い。
前記酵素可溶化法は、分子量が均一なコラーゲンを得ることができるという利点を有するものであり、本発明において好適に採用しうる方法である。かかる酵素可溶化法としては、たとえば特公昭43−25829号公報や特公昭43−27513号公報等に記載された方法を採用することができる。さらに、前記アルカリ可溶化法及び酵素可溶化法を併用しても良い。
このように可溶化処理を施したコラーゲンにpHの調整、塩析、水洗や溶剤処理等の操作をさらに施した場合には、品質等の優れたコラーゲンを得ることが可能なため、これらの処理を施すことが好ましい。得られた可溶化コラーゲンは、たとえば1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%程度の所定濃度の原液になるように塩酸、酢酸、乳酸等の酸でpH2〜4.5に調整した酸性溶液を用いて溶解される。
なお、得られたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧攪拌下で脱泡を施し、水不溶分である細かいゴミを除去するために濾過を行ってもよい。得られる可溶化コラーゲン水溶液には、さらに必要に応じてたとえば機械的強度の向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、防腐等を目的として安定剤、水溶性高分子化合物等の添加剤が適量配合されてもよい。
可溶化コラーゲン水溶液を、たとえば紡糸ノズルやスリットを通して無機塩水溶液に吐出することにより再生コラーゲンが形成される。無機塩水溶液としては、たとえば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム等の水溶性無機塩の水溶液が用いられ、通常これらの無機塩の濃度は10〜40重量%に調整される。無機塩水溶液のpHは、たとえばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等の金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウム等を配合することにより、通常pH2〜13、好ましくはpH4〜12となるように調整することが好ましい。
pHが高すぎても低すぎても、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくなり、目的とする再生コラーゲン粉末が得られにくくなる傾向がある。また、無機塩水溶液の温度は特に限定されないが、通常35℃以下であることが望ましい。温度が35℃より高い場合、可溶性コラーゲンが変性を起こすため、強度が低下し、安定した製造が困難となる。なお、温度の下限は特に限定されないが、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整することができる。
前記コラーゲンの遊離アミノ基を、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数主鎖が2〜20のアルキル基で修飾する。前記炭素数主鎖とは、アミノ基に結合したアルキル基の連続した炭素鎖を示すものであり、他の原子を介在して存在する炭素数は考慮しないものとする。遊離アミノ基を修飾する反応としては、通常知られているアミノ基のアルキル化反応を用いることが出来る。反応性、反応後の処理の容易さ等から前記β―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2〜20のアルキル基が下記一般式(2)で表わされる化合物であることが好ましい。
―CH2―CH(OX)―R (2)
(式中、Rは、R1−、R2−O−CH2−又はR2−COO−CH2−で表される置換基を示し、前記置換基中のR1は炭素数2以上の炭化水素基又はCH2Clであり、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示し、Xは水素又は炭化水素基を示す。)。
一般式(2)の好ましい例としては、グリシジル基、1−クロル―2―ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基が挙げられる。加えて、グリシジル基がコラーゲン中の遊離アミノ基に付加した構造が挙げられる。さらには、前述の好ましい基に記載されたアルキル基に含まれる水酸基を開始点として、用いたエポキシ化合物が開環付加、及び又は開環重合した構造が挙げられ、このときの付加及び又は重合の末端構造として、前述のアルキル基の構造を有しているものが挙げられる。
前記コラーゲンの遊離アミノ基を構成するアミノ酸としては、リジン及びヒドロキシリジンが挙げられる。さらに、本来コラーゲンを構成するアミノ酸としてはアルギニンで存在するものの、前記コラーゲンを得るために、アルカリ条件下で加水分解を行う際に、一部加水分解が進行して生じたオルニチンのアミノ基もアルキル化反応される。加えて、本発明においてはヒスチジンに含まれる2級アミンにおいても反応が進行する。
遊離アミノ基の修飾率は、アミノ酸分析により測定することが可能であり、アルキル化反応前のコラーゲン繊維のアミノ酸分析値、又は原料として用いたコラーゲンを構成する遊離アミノ酸の既知組成を基準に算出することができる。尚、本発明におけるアミノ基の修飾では、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のアルキル基で修飾された構造が、遊離アミノ基の50%以上あることが好ましい。
その他の部分は遊離アミノ基のままでもよいし他の置換基で修飾された構造であっても良い。再生コラーゲンの遊離アミノ基の修飾率は50%以上であることが好ましく、より好ましくは、65%以上、更に好ましくは80%以上である。修飾率が低い場合、耐熱性で良好な特性が得られ難い。
遊離アミノ基の修飾は、通常、遊離アミノ基1つあたり1分子のアルキル化剤が反応するが、2分子以上反応していてもよい。さらに、遊離アミノ基に結合したアルキル基のβ―位又はγ―位に存在する水酸基又はアルコキシ基又はその他の官能基を介して、分子内又は分子間での架橋反応が存在していても良い。
アルキル化反応の具体例としては、エポキシ化合物の付加反応、α―位又はβ―位に水酸基又はこの誘導体を有するアルデヒド化合物の付加反応とこれに続く還元反応、β―位又はγ―位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のハロゲン化物、アルコール及びアミン等の置換反応が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において、アルキル化反応剤として使用しうる有機化合物としては、アルデヒド類、エポキシ類、フェノール誘導体等が挙げられるが、反応性・処理条件の容易さからエポキシ化合物による修飾反応が、優れた特性を示すことから好ましく、単官能エポキシ化合物が特に好ましい。
ここで用いられる単官能エポキシ化合物の具体例としては、たとえば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化イソブチレン、酸化オクテン、酸化スチレン、酸化メチルスチレン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール等のオレフィン酸化物類、グリシジルメチルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ポリエチレンオキシドグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、蟻酸グリシジル、酢酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、安息香酸グリシジル等のグリシジルエステル類、グリシジルアミド類等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
単官能エポキシ化合物のなかでも、コラーゲンの耐水性が向上することから、下記一般式(1)で表される単官能エポキシ化合物を用いて処理することが好ましい。なお、式中、Rは前記と同じである。
Figure 2010229326
このようにして得られた再生コラーゲンは、水又は無機塩の水溶液で膨潤した状態になっている。この膨潤はコラーゲンの重量に対して4〜15倍の水又は無機塩の水溶液を含有した状態が良い。水又は無機塩の水溶液の含有量が少ないと再生コラーゲン中の金属塩の含有量が少なく、耐水性が不充分であり、また多い場合には強度が弱くなって取扱いが困難となりやすい。
膨潤した再生コラーゲンは、次いで金属塩の水溶液に浸漬することで架橋することができる。架橋に用いる金属塩としては、アルミニウム塩、クロム塩、ジルコニウム塩、チタン塩を用いることができる。中でも着色が無く、耐水性が良好であることから、アルミニウム塩、またはジルコニウム塩であることが好ましい。特にはアルミニウム塩が好ましい。
このアルミニウム塩水溶液のアルミニウム塩としては、次の式、Al(OH)nCl3-n、又はAl2(OH)2n(SO43-n(式中、nは0.5〜2.5である)で表される塩基性塩化アルミニウム又は塩基性硫酸アルミニウムが好ましい。具体的には、例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバン等が用いられる。これらのアルミニウムは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
金属塩水溶液の金属塩濃度としては、当該金属の酸化物に換算して0.3〜5重量%であることが好ましい。この金属塩の濃度が低いと再生コラーゲン繊維中の金属塩含有量が少なく、耐水性が不充分であり、また高い場合には処理後硬くなって風合いを損ねてしまう。
この金属塩水溶液のpHは、例えば塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いて通常2.5〜5に調整することが好ましい。このpHは、低すぎるとコラーゲンの構造を壊して変性させる傾向があり、また高すぎると金属塩の沈殿を生じるようになり、浸透し難くなる。
このpHは、上記範囲内であれば特に問題ないが、浸漬中一定でなくてもかまわない。最初のpH調整だけで反応による変化による変動を上記範囲におさめるようにしてもよく、連続的あるいは段階的に変更しても構わない。pHを変更する場合、具体的には例えば、最初は低く保ち、その後高くする方法が適用される。
pHを低くすることで金属塩の水溶液をコラーゲン内に浸透させることが出来好ましい。その様な場合の最初の低いpHとしては2.5〜3.5、その後に、3.5〜5に調整して処理することが好ましい。pHの調整には水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を添加して行うことができる。塩基性の高い金属塩を用いる場合には、2.5〜5の最初の pH調整だけでもかまわない。
金属塩水溶液の液温は特に限定されないが、50℃以下が好ましい。この液温が50℃を超える場合には、コラーゲンが変性する傾向がある。
この金属塩水溶液にコラーゲンを浸漬する時間は、3時間以上、さらには6〜25時間が好ましい。この浸漬時間は、短いと金属塩の反応が進み難く、コラーゲンの耐水性が不充分となる。また、浸漬時間の上限には特に制限はないが、あまり長いと処理時間がかかり経済的に不利となる。通常は25時間以内で金属塩の反応は充分に進行し、耐水性も良好となる。なお、金属塩がコラーゲン中に急激に吸収されて濃度むらを生じないようにするため、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩を適宜前記金属塩の水溶液に添加しても良い。
このように金属塩で処理された架橋された再生コラーゲンは、次いで水洗、オイリング、乾燥を行う。こうして得られた再生コラーゲン繊維は、従来法のクロム塩で処理されたような着色がほとんどなく、かつ、耐水性に優れているので、本発明の利点が多大であることは明らかである。一般にコラーゲンの変性(ゼラチン化)を防ぐため、加工時の温度履歴には注意が必要である。
架橋後においても変性を防ぐためには、製造時、粉末化加工時・製品保管時の水分と温度の管理をコラーゲンの変性条件以下に保持することが必須である。大部分がゼラチン化したものは特性が変化しているため、目的であるコラーゲンの特性を発現することは困難である。変性防止の点において前記のコラーゲンを使用することは有利である。
また、コラーゲン溶液から紡糸する場合には、溶液中又は紡出直前に顔料や染料を混合して着色することも公知の方法により容易である。使用する顔料や染料は用途に応じて、紡糸工程や粉末化工程での溶出分離が無いこと、また使用製品の要求品質に対応して種類や色相を選択することができる。また必要に応じて、充填剤、老化防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することもできる。このようなコラーゲン繊維製造工程で、スリットノズルを用いてフィルムを同様の方法で製造して、これを粉末化することもできる。
本発明においては、上記の方法により得られた再生コラーゲンを、粉砕することで架橋されたコラーゲンからなる再生コラーゲン粉末とすることができる。再生コラーゲンの形状が繊維あるいはフィルムの場合には、粉砕に適した繊維長もしくはサイズに細断(粗粉砕)し、この細断したものをさらに粉砕するか、もしくは、繊維やフィルムを直接粉砕することができる。
本発明においてコラーゲンを粉末化するために細断(粗粉砕)する時にはカッターを使用することができる。使用できるカッターは特に制限は無いが、繊維のカットに通常使われる、回転刃カッター、ベルトカッター、シャーリングマシン、カッターミル等で0.1mm〜数mm程度に細断して用いることができる。
さらに、この綿細断された再生コラーゲンを、ローラーミル、ロッドミル、ボールミル(乾式、湿式)、ジェットミル、ピンミル、振動ミル、セントリフューガル(CF)ミル、遊星型ボールミル、グラインダーミル等せん断型ミル等の粉砕機を用いて微粉砕、また媒体攪拌型超微粉砕機等を用い超微粉砕することでさらに細かい粉末を得ることができる。ボールミルを使用する場合、ボールの素材は、硬度の面でアルミナ、ジルコニアを用いることが好ましい。中でもジルコニア製ボール等の硬質のボールを使用することで粉末へのボール素材の混入を防ぐ点及び粉砕効率の点から好ましく使用することができる。
上記粉砕機の種類や粉砕時間により、得られる再生コラーゲン粉末の粒子径を適宜調節することも可能であり、例えば振動ミルを使用した場合、1時間〜数十時間で、平均粒径5〜80μm程度のものが得ることができる。また、0.01〜10μmの平均粒径のものを得る場合には粉砕した再生コラーゲン粉末をさらに分級してもよい。
(B)再生コラーゲン粉末の平均粒径は、0.01〜80μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。大きすぎると、フィルムを形成した後の表面触感がざらついたものとなり、好ましくない。小さすぎると、有機溶剤やポリウレタン塗料への分散性が悪く好ましくない。平均粒径は、例えば、レーザー回折法の1つである、マイクロトラック法により求めることができる。
本発明の再生コラーゲン粉末は、接触冷温感に優れている。そのため、再生コラーゲン粉末を用いた成形体に触ったときに、ひんやりとした冷たい触感を得ることができる。手が触れたときに、「冷たく」感じるか、「温かく」感じるかは、手から物体への熱の移動量に依存する。表面示差熱QMAXが指標として用いられ、QMAXが大きいほど「冷たく」、小さいほど「温かい」といえる。
また、本発明の再生コラーゲン粉末は、「さらっと」した触感、「スベスベ」した触感を示す。「さらっと」、「スベスベ」は、感性因子に関する表現である。近年、触感の定量化に関する研究が行われている((社)自動車技術会,学術講演会前刷集,No.87−99,p19−22(1999),河津健司ら)。それによると、触感は、乾湿感(さらっと、しっとり)、粗滑感(すべすべ、ガサガサ)、温冷感(温かい、冷たい)、硬軟感(硬い、軟らかい)の4つの感性因子で構成され、感性因子は、アンケート法により、アンケート結果を集計・得点化し、求めることができる。
本願発明において用いることができる再生コラーゲン粉末の量は特に限定はないが、後述するマトリックス樹脂100重量部あたり50〜200重量部、さらには60〜150重量部、特には70〜120重量部用いることが好ましい。再生コラーゲン粉末の配合量が少ないと、アンモニアに対する消臭性が低下し、多いと、配合物の強度が低下し、それぞれ好ましくない。
(A)マトリックス樹脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、合成ゴムなどを用いることができる。
この中でも、機械強度や、柔軟性、耐擦傷性等の点で、ウレタン系樹脂であることが好ましい。ウレタン系樹脂としては、硬化性、あるいは熱可塑性いずれのウレタン系樹脂を用いることができる。具体的にはポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、フッ素変性ウレタン樹脂、ポリアミノ酸系ウレタン樹脂などが挙げられる。この中で、強度と透湿性のバランスから、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
また、ウレタン系樹脂としては、市販のウレタン塗料を用いることで容易にコーティング剤と成すことができるので好ましい。
(C)アミノ変性シリコーンは、シリコーンオイルのメチル基の一部をアミノアルキル基に置換えた構造をもつシリコーンである。代表的なアミノ変性シリコーンは、ポリジメチルシロキサンのメチル基をアミノ基に置き換えたもので、側鎖型、両末端型、片末端型などがある。
25℃における動粘度は、20,000mm2/s以下であることが好ましく、5,000mm2/s以下であることがより好ましい。動粘度が20,000mm2/sを超えると、有機溶剤への混和性およびハンドリングの点で好ましくない。アミノ当量は、600〜50,000g/molであることが好ましく、800〜10,000g/molであることが好ましい。
尚、動粘度は、オストワルト型粘度計を用いて求めることができる。また、アミノ当量は、窒素原子1つ当たりの分子量で、アミノ当量=分子量/窒素原子数で表され、元素分析法によって求められる窒素の重量%から求めることができる。
(C)アミノ変性シリコーンの製造方法は公知であり、アミノアルキルメチルポリシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとの平衡重合法としては、特公昭36−8598号公報に記載の方法があり、また、クロロアルキルメチルポリシロキサンと有機アミンとの脱塩化水素反応法としては、特公昭40−1185号公報に記載の方法があり、シラノール基末端ジオルガノポリシロキサンとアミノアルキルアルコキシシランとの縮合法としては、特公昭46−28090号公報記載の方法がある。
本発明で用いることができる(C)アミノ変性シリコーンとしては、信越化学工業株式会社製のKF−868(25℃における動粘度90mm2/s、アミノ当量8,800g/mol)、KF−865(25℃における動粘度110mm2/s、アミノ当量5,000g/mol)、KF−864(25℃における動粘度1,700mm2/s、アミノ当量3,800g/mol)、KF−859(25℃における動粘度60mm2/s、アミノ当量6,000g/mol)などが挙げられる。
本願発明において用いることができるアミノ変性シリコーンの量は特に限定はないが、後述するマトリックス樹脂100重量部あたり10〜50重量部、さらには15〜45重量部用いることが好ましい。アミノ変性シリコーンの配合量が少ないと、ホルムアルデヒド吸着性が低下し、多いと配合物からブリードアウトし、それぞれ好ましくない。
本発明のコーティング剤は、必要に応じて、有機溶剤または水、シリカ微粉末、顔料、老化防止剤などを加えることができる。混合条件については公知の方法であれば良く、特に限定はない。
本発明のコーティング剤を基材上に塗布することによりコーティングシートを作成することができる。基材としては、板、シート、フィルムが好ましい。また、平面ではなく3次元の成形体上であっても構わない。好ましくは平面上の基材が好ましく、シートあるいはフィルム上が好ましい。基材の材質としては特に限定はないが、合成樹脂、金属に適用できる。合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、TPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)樹脂、PET樹脂、PP樹脂、PE樹脂、ABS樹脂、AES樹脂などを用いることができる。
金属としては、アルミ、ステンレス、銅、鉄などを用いることができる。
基材上にコーティングする方法は特に限定されず、例えば、グラビアコーター法、ロールコーター法、リバースコーター法、ドクターナイフ法、スプレー法、刷毛塗り法、ディッピング法等を用いることができる。
また、本発明のコーティング剤を離型紙上にコーティングし、離型紙を取り除くことによって、再生コラーゲンを含有するフィルム(膜)を作製することもできる。得られた膜は、コーティングシートと同様に、ホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸に優れた吸着性を示す。また、本発明のコーティング剤を用い、繊維表面を処理(コーティング)することによって、消臭繊維、あるいは消臭性を有する不織布を作製することもできる。
本発明のコーティング剤の塗布場所としては、病院、老人ホーム、養護施設、学校、幼稚園、公民館、体育館、駅、住宅、マンションなどの内部または内装、自動車、車両、船舶、飛行機などの内部または内装、バス(風呂)、トイレなど、消臭性、ホルムアルデヒド吸着性が必要な場所に好適である。また、衣料、手袋、靴、スポーツシューズ、ソファーや椅子などの家具、自動車用シートなどに使用する合成皮革、人工皮革、ポリ塩化ビニルレザーなどの表面、あるいは自動車内装材、家庭調度品、携帯電話、カーテン、シャワーカーテン、スリッパ、スポーツ用品、ゴルフクラブのグリップ、車椅子のグリップ、階段の手摺、デスクマット、マウスパッド、マウスなどの外装が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(製造例1)再生コラーゲン繊維の製造方法
牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片1200kg(コラーゲン分180kg)に30重量%に希釈した過酸化水素水溶液30gを投入後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、固形分7.5重量%に調整した原液を作製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機(株式会社ダルトン製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置し、脱泡を行った。かかる原液をピストンで押し出した後、ギアポンプで定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで濾過後、孔径0.275mm、孔長0.5mm、孔数300の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出した。
次に、得られた再生コラーゲン繊維(300本、20m)を、エピクロロヒドリン1.7重量%、水酸化ナトリウム0.0246重量%、及び硫酸ナトリウム17重量%を含有した水溶液1.32kgに25℃で4時間浸漬した後、さらに反応液温度を43℃に昇温して2時間含浸した。
反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。この後、硫酸アルミニウム5重量%、クエン酸三ナトリウム塩0.9重量%、水酸化ナトリウム1.2重量%を含有した水溶液1.32kgに30℃で含浸し、反応開始から2時間後、3時間後及び4時間後にそれぞれ5重量%水酸化ナトリウム水溶液13.2gを反応液に添加し、合計6時間反応させた。反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。
ついで、作製した繊維の一部をプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。50℃に設定した熱風対流式乾燥機内部で繊維束の一方の端を固定し、他方の端に繊維1本に対して2.8gの重りを吊り下げ2時間緊張下で乾燥させ、60dtexの再生コラーゲン繊維を得た。
(製造例2)再生コラーゲン粉末−Aの製造方法
再生コラーゲン粉末−Aは製造例1に示したコラーゲン繊維を物理的に粉砕することにより調製した。すなわち、まず再生コラーゲン繊維30kgをカッターミルSF−8(株式会社三力製作所製)にて1mm前後の長さに細断し、同社製サイクロンCYC−600型にて回収した。次に、振動ミルFV−100(中央化工機株式会社製)を用い粉砕を行った。
粉砕条件としては、容量283Lのアルミナ製容器に同じアルミナ製のボール(径20mm)を充填容量80%、細断したコラーゲン繊維を充填容量として50kgで入れ、24時間粉砕処理を実施した。その結果、平均粒径11.0μmの粉末を得ることができた。この粉末を乾式分級機ミクロンセパレータMS−1H(ホソカワミクロン株式会社製)とパルスジェット式集塵機CP−16−6(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、風量12m3/min(2次風量3m3/min)、回転数5000rpmで分級し、平均粒径5.0μmの粉末(以下、再生コラーゲン粉末−Aとする。)を得た。粉末の粒径は、湿式レーザー回折・散乱法により測定した。マイクロトラックMT3300(日機装株式会社製)を用い、分散媒としてメタノールを用いた。
(実施例1)
表1の配合(重量部)によりコーティング剤を作成し、作成したコーティング剤をフィルムアプリケータ(クリアランス200μm)を用いて50μm厚のPETフィルム上に均一厚みに塗布した。室温で30分間乾燥し、さらに100℃で10分間乾燥させ、コーティングシートを得た。
(実施例2)
基材を0.4mm厚の軟質PVCシートに変えた以外は実施例1と同様にしてコーティングシートを得た。
(実施例3)
基材を0.7mm厚のTPOシートに変えた以外は実施例1と同様にしてコーティングシートを得た。
(実施例4)
表1の配合(重量部)によりコーティング剤を作成した以外は実施例1と同様にしてコーティングシートを得た。
(比較例1〜3)
表1に示す配合割合によりコーティング剤組成物を実施例1と同じ操作を行い、コーティングシートを得た。
(1)ホルムアルデヒド吸着性
バッグ法により測定した。容量3Lのテドラーバッグの中に面積10cm×10cmのコーティングシートを入れ、ヒートシールした後、窒素1.5Lを注入した。ホルムアルデヒドのメタノール溶液をホルムアルデヒド濃度が20ppmとなるように加えた。24時間後のホルムアルデヒド濃度を測定した。ホルムアルデヒド濃度の測定には、ガス検知管No.91(株式会社ガステック製)を使用した。
(2)アンモニア吸着性
バッグ法により測定した。容量3Lのテドラーバッグの中に面積10cm×10cmのコーティングシートを入れ、ヒートシールした後、窒素1.5Lを注入した。アンモニアのメタノール溶液をアンモニア濃度が30ppmとなるように加えた。6時間後のアンモニア濃度を測定した。アンモニア濃度の測定には、ガス検知管No.3L(株式会社ガステック製)を使用した。
(3)酢酸吸着性
バッグ法により測定した。容量3Lのテドラーバッグの中に面積10cm×10cmのコーティングシートを入れ、ヒートシールした後、窒素1.5Lを注入した。酢酸のメタノール溶液を酢酸濃度が10ppmとなるように加えた。6時間後の酢酸濃度を測定した。酢酸濃度の測定には、ガス検知管No.81(株式会社ガステック製)を使用した。
(4)触感(タッチ感)
触感は、シートの表面を手で撫でたときの感じを下記の基準でモニター20人が次の基準で評価した結果の平均値である。5点:さらっとしていて、触感が非常に良い。4点:さらっとしていて、触感が良い。3点:普通。2点:べたつき感があり、触感が悪い。1点:べたつき感があり、触感が非常に悪い。
Figure 2010229326
実施例1〜4は、ウレタン樹脂、再生コラーゲン粉末、アミノ変性シリコーンを含有するコーティング剤およびコーティングシートである。ホルムアルデヒド吸着性に優れている。また、アンモニア、酢酸の吸着性にも優れることから、これらの消臭性に共に優れている。
比較例1は、ウレタン樹脂と再生コラーゲン粉末を含有するコーティング剤およびコーティングシートである。再生コラーゲン粉末を含有するため、アンモニア、酢酸の吸着性に優れているが、ホルムアルデヒドの吸着性が不十分である。
比較例2は、ウレタン樹脂とアミノ変性シリコーンを含有するコーティング剤およびコーティングシートである。ホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸の吸着性のいずれも不十分である。
比較例3は、ウレタン樹脂のみのコーティング剤およびコーティングシートである。酢酸の吸着性に優れるが、ホルムアルデヒド、アンモニアの吸着性が不十分である。
(比較例4)
表2の配合(重量部)によりコーティング剤に変えた以外は実施例2と同様にしてコーティングシートを得た。
(比較例5)
表2の配合(重量部)によりコーティング剤に変えた以外は実施例2と同様にしてコーティングシートを得た。
(5)接触冷温感
フィンガーロボットサーモラボ(カトーテック株式会社製)を用いてコーティングシートの表面示差熱QMAXを測定し、その結果を示した。
(6)感性因子
モニター30人が、コーティングシートを指で撫で、評価した。感性因子に関する評価項目は、乾湿感(しっとり、さらっと)、冷温感(冷たい、温かい)、粗滑感(スベスベ、ザラザラ)、硬軟感(硬い、柔らかい)とした。各項目とも「どちらでもない」の評価を加えた3つの選択肢から回答を得、下記式により各因子を得点化した。
dry=(「さらっと」を選んだ人数)−(「しっとり」を選んだ人数)
warm=(「温かい」を選んだ人数)−(「冷たい」を選んだ人数)
smooth=(「スベスベ」を選んだ人数)−(「ザラザラ」を選んだ人数)
soft=(「柔らかい」を選んだ人数)−(「硬い」を選んだ人数)
(7)感触(得点)
モニターが指で触って次のように評価した結果の平均値である。5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い
Figure 2010229326
また、本発明に記載のコラーゲン粉末は、接触冷温感に優れる。比較例4は、ウレタン樹脂、再生コラーゲン粉末を含有するコーティング剤およびコーティングシートであり、表面示差熱QMAXが高い。すなわち、触れたときに、冷たい触感が得られる。本発明のコーティング剤およびコーティングシートもまた、同様に接触冷温感に優れる。
本発明の再生コラーゲン粉末を使用した比較例4のコーティングシートは、Cdry値が高く、「さらっと」した触感を示した。また、Csmooth値が高く、「スベスベ」した触感を示した。本発明のコーティング剤およびコーティングシートもまた、「さらっと」して「スベスベ」した触感を示す。

Claims (8)

  1. (A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むコーティング剤であって、(B)再生コラーゲン粉末が、(b−1)有機化合物および/または(b−2)金属塩を含有する処理液で架橋されたコラーゲンからなる再生コラーゲン粉末であることを特徴とするコーティング剤。
  2. (b−1)有機化合物が単官能エポキシ化合物であり下記一般式(1):
    Figure 2010229326
    (式中、Rは、R1−、R2−O−CH2−またはR2−COO−CH2−で表される置換基を示し、R1は炭素数2以上の炭化水素基またはCH2Clであり、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤。
  3. (b−2)金属塩が次の式で表される塩基性塩化アルミニウム又は塩基性硫酸アルミニウムである請求項1または2に記載のコーティング剤。
    Al(OH)nCl3-n、又はAl2(OH)2n(SO43-n
    (式中、nは0.5〜2.5である)
  4. (A)マトリックス樹脂が、ウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング剤。
  5. (C)アミノ変性シリコーンのアミノ当量が800〜10000g/molであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング剤。
  6. (A)マトリックス樹脂100重量部に対して、(B)再生コラーゲン粉末50〜200重量部、(C)アミノ変性シリコーン10〜50重量部を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング剤。
  7. (A)マトリックス樹脂、(B)再生コラーゲン粉末、(C)アミノ変性シリコーンを含むコーティング剤であって、(B)再生コラーゲン粉末が、(b−1)有機化合物および/または(b−2)金属塩を含有する処理液で架橋されたコラーゲンからなる再生コラーゲン粉末であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
  8. 請求項7に記載のコーティング剤組成物を基材上に塗布したコーティングシート。
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