JPH06313266A - 抗菌性繊維及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性繊維及びその製造方法

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JPH06313266A
JPH06313266A JP9974193A JP9974193A JPH06313266A JP H06313266 A JPH06313266 A JP H06313266A JP 9974193 A JP9974193 A JP 9974193A JP 9974193 A JP9974193 A JP 9974193A JP H06313266 A JPH06313266 A JP H06313266A
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JP
Japan
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antibacterial
fiber
silver
fibers
washing
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JP9974193A
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Toshimasa Yasuhara
利正 安原
Sadatoshi Sakuma
貞俊 佐久間
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Meiji Dairies Corp
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Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ケラチンを主成分とする繊維と抗菌性金属イ
オンとを結合させてなる抗菌性繊維及びその製造方法。 【効果】 細菌類、微生物等に対し広範な抗菌作用を有
し、しかも皮膚刺激性がないため、医療用品、日常用品
等に幅広く応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性繊維及びその製造
方法に関し、さらに詳しくは、洗浄によっても抗菌性が
失なわれることのない抗菌性繊維及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】今日、
メチリシン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を原因菌と
する医療機関での院内感染が大きな社会問題となってい
る。このMRSA対策としては、耐生菌に対しても有効
な抗生物質の創製、耐生菌の出現を抑制する抗生物質の
適切な選択と使用等が挙げられるが、同時に感染経路を
遮断することも重要である。かかる状況下において、抗
菌機能を有する白衣、タオル、リンネル類等が、上記感
染経路を遮断する有力な手段として期待されている。
【0003】一方、広範な抗菌スペクトルを有する抗菌
剤が、種々の病原菌による感染症の予防・治療、例えば
水虫、床ずれ等の治療、細菌の増殖による悪臭の防止等
に使用されている。抗菌剤としては、毒性の低い銀を種
々の担体に保持したものが知られており、なかでもゼオ
ライトに銀を担持させた抗菌性ゼオライトが広く使用さ
れている。これらの抗菌剤は、繊維に編み込んで抗菌性
繊維とすることが可能であり、白衣等に応用されてい
る。
【0004】しかし、これら従来の抗菌性繊維は、いず
れも洗浄により、抗菌性成分の多くが脱落してしまい、
その抗菌性が失なわれるという欠点を有していた。
【0005】そこで、優れた抗菌性を有し、しかも洗浄
によってもその効果が失なわれることのない抗菌性繊維
の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、動物毛の主成分であるケラ
チンと抗菌性金属イオンとを結合させて得られる繊維が
優れた抗菌性を有し、しかも洗浄等によって容易に消失
しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、第一に、ケラチンを
主成分とする繊維と抗菌性金属イオンとを結合させてな
る抗菌性繊維を提供するものである。
【0008】本発明は、第二に、ケラチンを主成分とす
る繊維を還元処理した後、該繊維に抗菌性金属イオンを
結合させる上記抗菌性繊維の製造方法を提供するもので
ある。
【0009】本発明に使用されるケラチンを主成分とす
る繊維の由来としては、いずれの動物毛も考えられ、羊
毛、モヘア、カシミヤ、ラクダ、アルパカ、アンゴラ等
をはじめ種々のものが挙げられる。なかでも羊毛は、最
も入手し易い原料として重要である。
【0010】動物毛ケラチンは、α−アミノ酸の結合に
よるポリペプチド鎖状分子からなり、シスチンを構成ア
ミノ酸中10〜13重量%(以下、単に「%」という)
の高率で含有してポリペプチド鎖を−S−S−結合によ
り架橋することから、動物毛の機械的性質を決定づける
ものである。
【0011】例えば羊毛の場合、羊毛の表面はクチクル
またはスケールと呼ばれる、りん片組織が樹皮のように
被っている。クチクルの形状は、羊毛の品種、外観に影
響を与えているが、塩素処理等を行うと弱体化、脱落が
引き起こされる。羊毛の皮質は紡錘状細胞が細胞間物質
を介して集合し繊維を形作っており、組織化学的にオル
ソコルテックス、パラコルテックスの2つに区別され
る。クチクル、皮質の両部分ともシスチンに富むが、と
りわけクチクルを構成するケラチンはシスチン含量が高
い。シスチンは、抗菌性金属との結合において重要な役
割を荷うため、上記のような塩素処理等を施すことは、
本発明の目的には不都合であり、避けることが好まし
い。
【0012】動物毛は酸化剤等の処理を施さないものが
好ましいが、繊維表面の脂質成分は抗菌性金属のケラチ
ンへの接触を妨げるため、アルコール、エーテル等の有
機溶媒により脱脂処理を施して表面脂質を除いたものが
好ましい。
【0013】本発明の製造方法においては、ケチランを
主成分とする繊維に抗菌性金属イオンを結合させる前処
理として行われる還元処理は、抗菌性金属イオンの結合
量を増加させる。この還元処理により、本発明抗菌性繊
維の光による変色性が著しく抑制され、色彩・性状を格
段に向上させることができる。上記処理において用いら
れる還元剤としては、S−S結合を開裂し、−SH基に
効能を有するものであれば何れでもよく、2−メルカプ
トエタノール、チオグリコール、システイン等が選ばれ
る。上記前処理により、ケラチン中のシスチンが開裂し
て遊離の−SHが生成する。
【0014】上記S−S結合の開裂操作は、室温でも行
われるが適度の温水30〜100℃中でより効果的に行
われる。S−S結合を解離した後は処理液中の−SH化
合物を充分に洗浄する。洗浄は酸化能が無くかつ金属を
含まない溶液で行われるが、精製水が最も単純な液とし
て用いられる。S−S結合解離後は再結合を起こさない
前に酸化に注意しながら、速やかに抗菌性金属との結合
操作を行い、該繊維−金属錯体を得る。
【0015】本発明において使用される抗菌性金属イオ
ンとしては、金、銀、銅、亜鉛、錫、鉛等のイオンが挙
げられるが、これらのうち、抗菌力が強く、かつ、毒性
を有さない点で特に銀イオンが好ましい。
【0016】銀イオンの供給源としては、硝酸銀、硫酸
銀等の無機酸塩が好ましい。
【0017】前記ケラチン中のシステインは残基数で1
1%前後含まれる。これは1gケラチン当たり0.91
mmolに相当する。例えば、システインに銀が化学量論的
に結合する場合、ケラチン1gに対し98mgの銀が結合
する。銀イオン結合面が平面である2価性の錯体を形成
するため、リガンド:銀=2:1で錯体を形成すると、
ケラチン1gに対し、49mgの銀が結合する。実際に
は、抗菌性金属はシステインのほか、ヒスチジン、リジ
ン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸といっ
た解離性側鎖を持つアミノ酸残基と結合して抗菌性繊維
を形成する。
【0018】動物毛により多く抗菌性金属を結合させる
には、繊維を構成する蛋白を適度に変性させることが有
効である。しかしながら、繊維蛋白の変性は繊維の性状
変化を生じさせ、好ましくない場合が多い。したがっ
て、抗菌性金属の結合に先立つ前記繊維の前処理は性状
を損なわない適度なものとする必要がある。
【0019】本発明繊維の抗菌性金属含量はこの結合操
作時の条件により、目的に応じて調節でき、例えば0.
001Mから0.5Mの抗菌性金属溶液中で行われる。
反応は高温下に行うことが好ましいが、ケラチンを主成
分とする繊維及び得られる抗菌性繊維の性状変化を考慮
して設定される。抗菌性金属結合後は先ず、金属を析出
させない液で洗浄を行う。これには精製水が一般的に用
いられる。充分洗浄し、遊離の金属を除去する。次に、
塩溶液を用いて繊維に緩く吸着している金属及び塩洗浄
性の塩を形成している金属を除去する。塩溶液として
は、食塩等の溶液が一般的に用いられるが、希塩酸等の
酸によっても達成される。最終的に塩または酸を充分洗
浄し、乾燥すると抗菌性金属を結合した獣毛性繊維が得
られる。
【0020】本発明における抗菌性金属イオンの繊維へ
の結合は、紡績の前後いずれの時に行ってもよく、繊維
を種々の形態に編み、布等とした後、さらには、種々に
成形して製品または製品の一部とした後に行うこともで
きる。動物性繊維と抗菌性金属イオンとの結合は非常に
強固であるため、結合の後に染色等の処理を行ってもよ
い。動物性繊維への抗菌性金属の結合量は、反応液中の
抗菌性金属濃度等の結合反応条件を種々変更することに
より調節でき、目的及び必要とされる抗菌活性に応じて
選択すればよい。また、本発明の抗菌性繊維には、他の
種々の繊維を織り込むことにより該繊維の強度、触感、
除湿性等の性状を改良することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の抗菌性繊維は、黄色ブドウ球菌
等の細菌類、かび等の微生物に対して広範な抗菌作用を
有し、しかも皮膚刺激性がないため、その適応製品は医
療用品をはじめとして、広く日常用品におよんでおり、
例えば以下の応用が考えられる:白衣、リンネル製品、
毛布、クッション及びベッドの内容物、じゅうたん、ト
イレタリー、タオル、マスク、床ずれ用及び外傷オイ
フ、絆創膏、包帯、眼帯、上水道、保湿器、クーラー等
の抗菌性フィルターなど。また、白癬菌等の細菌に抗菌
作用を示し、いんきん、水虫等の予防、治療や細菌増殖
による悪臭防止などの目的で、マット、下着、靴下、靴
等の中敷きとしても用いることができる。本発明抗菌性
繊維は、さらに、一般の衣類またはその一部を構成する
繊維として、衣類のかび等を保護することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0023】実施例1 細断した羊毛糸、脱脂綿(1〜2mm)各1グラムを入れ
た試験チューブ(14×100mm)を各々4本用意し
た。エタノールにてリンスの後、精製水にて洗浄した。
5mlの各処理試剤溶液を加え、100℃,10分間処理
した。各処理試剤は、それぞれNo.1,ブランク,蒸
留水;No.2,精製水;No.3,2%2−メルカプ
トエタノール;No.4;8M尿酸−2% 2−メルカ
プトエタノールとした。蒸留水にて各繊維を洗浄後(5
回)、各試験管に硝酸銀溶液(0.1M,5ml)を入れ
(ブランクには精製水5ml)、室温下に45分間放置し
た。蒸留水にて洗浄後(5回)、さらに1Mの食塩水に
て5回洗浄した。再び蒸留水にて洗浄後、エタノールに
て2回洗浄し、真空乾燥した。
【0024】実施例2 細断した羊毛糸、脱脂綿、各1グラムを試験管に取り、
2.5%−メルカプトエタノールを含むかまたは含まな
い7.5mlの蒸留水で100℃にて15分間処理した。
蒸留水にて洗浄後(10回)、6mlの硝酸銀水溶液
(0.1M)に1時間浸潤した。蒸留水にて10回洗浄
の後、1M NaClにて5回洗浄した。さらに5回蒸
留水にて洗浄後、エタノールにて2回洗浄し、真空乾燥
した。
【0025】実施例3 実施例2で調製した各繊維0.1gをチューブの底を注
射針で細孔したエッペンドルフチューブに入れ、吸引瓶
に装着した。このエッペンドルフチューブにアダプター
を通じて500mlの各溶液を約15分かけて流し、各繊
維を洗浄した。各洗浄液は、No.1,蒸留水;No.
2,1M NaCl;No.3,0.13%アクロン
(ライオン(株)製);No.4,0.13%アタック
(花王(株)製)とした。次いで500mlの蒸留水を流
した後、エタノールにて洗浄し、真空乾燥した。
【0026】試験例1(金属供給量の測定) 反応金属量と羊毛糸への結合量との関係を、以下のよう
に検討した。羊毛糸0.25gを試験管にとり、エタノ
ールにて洗浄の後5mlの2.5% 2−メルカプトエタ
ノールを加え100℃,10分加熱し、精製水にて洗浄
後(10回)、5mlの各濃度の金属溶液と1時間保持
し、以下実施例1と同様に洗浄、乾燥した。検討した金
属濃度は以下の通りである:AgNO3,0.02,
0.05,0.1,0.25,0.5M;CuSO4
0.1M;ZnSO4,0.1M。
【0027】(銀含量の測定方法)各調製繊維5〜10
mgに0.5〜1mlの濃硝酸を加え100℃,5分間加熱
した。10mMの硝酸にて適当濃度に希釈して測定サンプ
ルとした。原子吸光分光測定機は日立製作所(株)製
(Hitachi Z−7000)を用いた。
【0028】図1に反応液の金属濃度と羊毛糸への結合
量を検討した結果を示す。反応液中の銀濃度の増加にし
たがい結合銀量が増加し、0.05Mまでは急激な濃度
依存が見られた。0.05M以上の高濃度では緩やかな
増加であった。銅、亜鉛は銀に比べ結合量が低く銀の3
0%程度であった。
【0029】試験例2(抗菌活性の測定) 下記方法により抗菌試験片を調製し、さらに以下に示す
方法により抗菌活性を測定した。
【0030】(抗菌試験片の調製方法)上記各実施例で
調製した繊維をエッペンドルフチューブの蓋(径9mm)
にそれぞれ10mg及び20mgずつ詰め、121℃にて2
0分間オートクレーブした。オートクレーブした2%寒
天ゲルの溶解度を各繊維上に50μlずつ載せ、チュー
ブの蓋にフィットする金属棒でプレスしたまま寒天ゲル
を固化させて各繊維のディスクを作製した。
【0031】(抗菌活性の測定方法)被験菌体としてエ
シェリチア コリ〔Escherichia coli
(IF 03301)〕,バチルス スブチリス〔Ba
chillus subtilis(IF 0351
3)〕,スタフィロコックス オーレウス〔Staph
ilococcus aureus(IF 01273
2)〕,シュードモナスアエルギノサ〔Pserdom
onus aeruginosa(IF 01313
0)〕,カンディダ アルビカンス〔Candida
albicans(IF 01594)〕,サッカロマ
イセス セレビシア〔Saccharomyces c
erevisiae(IF 00304)〕,ペニシリ
ウム クリソレヌム〔Penicillium chr
ysorenum(c−1−7−2)〕,アスペルギル
ス オリザ〔Aspergillus oryzae
(JCM 2239)及びトリコフィトン メンタグロ
フィテス〔Tricophyton mentagro
phytes(JCM 1891)〕を用いた。寒天培
地作製のため、次の栄養分を1l中にそれぞれ含むオー
トクレーブ済みの各組成寒天培地12mlを9mm径のシャ
ーレに注入し、下層ゲルとした。ニュートリエント ア
ーガー(Nutrient Agar)No.2(NA
培地);バクト ペプトン(Bacto pepto
n)(10g),ミート エクストラクト(Meat
Extract)(10g),NaCl(15g),寒
天(15g),pH7.0−7.2;YM寒天(YM培
地);バクト ペプトン(Bacto pepton
e)(5g),グルコース(10g),イースト エク
ストラクト(Yeast extract)(3g),
モルト エクストラクト(Malt extract)
(3g),寒天(15g),pH6.2;GMY寒天(G
MY培地);グルコース(20g),モルト エクスト
ラクト(Maltextract)(10g),ソルブ
ル スターチ(Soluble starch)(10
g),NaCl(2g),K2HPO4(0.05g),
寒天(15g),pH7.3。上層ゲルとして、上記培地
の寒天量を7gとしたオートクレーブ済みの寒天培地を
42℃とし、各菌体の懸濁液0.25ml(1白金耳の菌
体の5mlの生理的食塩溶液懸濁液)を混合し、下層ゲル
に重層し、被験菌体−寒天培地プレートとした。各菌体
は以下の寒天培地プレートで生育、試験した。 NA培地:イー.コリ(E.coli),ビー.スブチ
リス(B.subtilis),エス.オーレウス
(S.aureus),ピー.アエルギノサ(P.ae
ruginosa); YM培地:シー.アルビカンス(C.albican
s),エス.セレビシア(S.cerevisia
e); GMY培地:ピー.クリソゲヌム(P.chrysog
enum),エー.アリザ(A.aryzae),ティ
ー.メンタグロフィテス(T.mentagrophy
tes). 被験菌体−寒天培地プレートに、実施例3で得られた各
繊維ディスクを載せ、25℃で培養し、形成した菌体生
育阻止ゾーンの径を測定した。表1に実施例1で得られ
た抗菌性繊維の銀含量を示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示す結果より明らかなように、羊毛
糸には脱脂綿よりも銀が数十から百倍以上多く結合し
た。また羊毛糸では2−メルカプトエタノール処理によ
り結合量が増加した。一方脱脂綿では増加が見られなか
った。尿素を含む2−メルカプトエタノール処理は2−
メルカプトエタノール単独よりも銀結合量が低かった。
【0034】表2に実施例1で得られた各繊維−銀錯体
の抗菌活性を示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2に示す結果より明らかなように、羊毛
糸−銀錯体、脱脂綿−銀錯体共に、イー.コリ(E.c
oli),ビー.スブチリス(B.subtili
s),エス.オーレウス(S.aureus),ピー.
アエルギノサ(P.aeruginosa)に対して
は、いずれの処理方法により銀を結合させても、同程度
に増殖阻止ゾーンを形成した。ピー.クリソゲヌム
(P.chrysogenum),ティー.メンタグロ
フィテス(T.mentagrophytes)に対し
ては羊毛糸−銀錯体が脱脂綿−銀錯体よりも広範な阻止
ゾーンを形成した。一方、シー.アルビカンス(C.a
lbicanns),エス.セレビシア(S.cere
visiae),エー.オリザ(A.oryzae)に
対しては両繊維とも増殖阻止ゾーンは形成しなかった。
【0037】試験例3 (繊維−銀錯体の銀含量及び抗菌活性におよぼす洗浄効
果)実施例3において洗浄した各繊維−銀錯体の残存銀
含量を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】また、その抗菌活性を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】表3及び表4に示す結果にみられるよう
に、脱脂綿−銀錯体は洗浄により含有銀量が減少し、と
りわけ1M食塩水での洗浄により、80%及び89%の
銀が失われた。蒸留水及び洗剤による洗浄でも54〜7
3%の銀が消失した。一方、羊毛糸−銀錯体は、いずれ
の洗浄によっても顕著な銀含量の低下が見られなかっ
た。結合銀含量の流出の結果、脱脂綿では顕著にその抗
菌活性が低下し、とりわけ食塩水での洗浄によりイー.
コリへの抗菌性は全く失われた。それに対して、羊毛糸
−銀錯体はいずれの洗浄によっても抗菌性をほとんど失
うことなく保持していた。
【0042】試験例4(皮膚一次刺激試験) (皮膚一次刺激試験用試験片の調製)実施例2と同様の
方法により、1.5gの羊毛糸から羊毛糸−銀錯体を調
製した。ただし、メルカプトエタノール及び硝酸銀処理
は60℃にてそれぞれ10分,1時間とした。実施例3
と同様の方法により、試験片を成形した。ただし、成形
穴は径13mmのものを用い、試験繊維量は試験片一枚当
たり0.1gとし、0.4mlの1%寒天溶液にて成形し
た。
【0043】OECD/EECガイドラインに示された
方法で皮膚一次刺激試験を実施した。被験動物として雌
白色ウサギ(Newzealand white,2.
6−2.8kg)3匹を用いた。投与の24時間前に体幹
背部の被毛を剪毛し、正常皮膚部位2箇所、擦過皮膚部
位2箇所のそれぞれに、濡れた皮膚一次刺激試験用試験
片(銀含量;3.98重量%)を適用した。リント紙さ
らにサランラップ片を重ね、非刺激性テープで止めて密
封固定した後、さらに、被験片の皮膚への接触を保つた
めに半閉鎖性包帯を使用した。24時間適用し、試験片
除去直後,30分、1、24、72時間目に適用局所の
紅斑、浮腫、出血、痂皮形成などの存否を肉眼で観察し
た。観察された皮膚反応の強さをDraize法の判定
基準に従って判定した。刺激性は0と判定された。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1で得られた反応液の金属濃度と羊毛糸
への金属結合量との関係を示す図面である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケラチンを主成分とする繊維と抗菌性金
    属イオンとを結合させてなることを特徴とする抗菌性繊
    維。
  2. 【請求項2】 抗菌性金属イオンが銀イオンである請求
    項1記載の抗菌性繊維。
  3. 【請求項3】 ケラチンを主成分とする繊維を還元処理
    した後、該繊維に抗菌性金属イオンを結合せしめること
    を特徴とする請求項1記載の抗菌性繊維の製造方法。
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