JP2010135232A - 燃料電池セパレータ用チタン基材および燃料電池セパレータ - Google Patents

燃料電池セパレータ用チタン基材および燃料電池セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池セパレータに製造された場合に、低い接触抵抗を長期間維持して使用することができるという効果を有し、かつ、例えば製造ロット等が違っても、前記効果のばらつきが生じ難いチタン基材およびこれを用いた燃料電池セパレータを提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料電池セパレータ用の基材は、表面に、Au,Ptから選択される1種以上の貴金属元素に、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される1種以上の非貴金属元素を5〜65原子%含有する合金からなる貴金属合金層3を形成後、300〜800℃で熱処理されて燃料電池用のセパレータ1を構成するための、チタンまたはチタン合金からなるチタン基材2であって、表層において、X線光電子分光分析により測定された280〜284eVの範囲に結合エネルギーを有する炭素の濃度が30原子%以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に使用される燃料電池セパレータ用チタン基材およびそれを用いた燃料電池セパレータに関する。
水素等の燃料と酸素等の酸化剤を供給し続けることで継続的に電力を取り出すことができる燃料電池は、乾電池等の一次電池や鉛蓄電池等の二次電池とは異なり、発電効率が高くシステム規模の大小にあまり影響されず、騒音や振動も少ないため、多様な用途・規模をカバーするエネルギー源として期待されている。燃料電池は、具体的には、固体高分子型燃料電池(PEFC)、アルカリ電解質型燃料電池(AFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、バイオ燃料電池等として開発されている。中でも、燃料電池自動車や、家庭用コジェネレーションシステム、携帯電話やパソコン向けとして、固体高分子型燃料電池の開発が進められている。
固体高分子型燃料電池(以下、燃料電池という)は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだものを単セルとし、ガス(水素、酸素等)の流路となる溝が形成されたセパレータ(バイポーラプレートとも呼ばれる)を介して前記単セルを複数個重ね合わせたスタックとして構成される。燃料電池は、スタックあたりのセル数を増やすことにより出力を高くすることができる。
燃料電池は、その用途のため高出力化を要求されており、そのためには前記の通り、燃料電池のセル数を増やす必要があり、それに伴いセパレータの枚数も増えることになる。同時に、燃料電池は、薄型化・軽量化を要求されており、例えば、純チタンを適用したセパレータの場合には、その1枚あたりの板厚を0.3mm以下にすることが望まれている。
燃料電池用のセパレータは発生した電流を燃料電池の外部へ取り出すための部品でもあるので、その材料には、接触抵抗(電極とセパレータ表面との間で、界面現象のために電圧降下が生じることをいう。)が低く、それがセパレータとしての使用中に長期間維持されるという特性が要求される。さらに、燃料電池の内部は酸性雰囲気であるため、セパレータは高耐食性も要求される。これらの要求を満足するため、従来から、低抵抗で、さらに前記薄型化の可能な加工性および高強度を有するアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金等の金属材料を基材とし、これに金(Au)等の貴金属を被覆して耐食性および導電性を付与したセパレータが検討されている。
例えば、特許文献1には、燃料電池用セパレータについて、ステンレス鋼を基材として用い、その表面に金めっきを施して製造する旨が記載されている。また、例えば、特許文献2には、ステンレス鋼やチタン材を基材として用い、その表面に貴金属または貴金属合金を付着させる、あるいは前記基材表面の酸化皮膜を除去した後に、貴金属または貴金属合金を付着させる旨が記載されている。また、例えば、特許文献3には、チタン材を基材として用い、その表面の酸化皮膜を除去した後に、1〜100nmの島状の金めっき部を点在させる旨が記載されている。
特開平10−228914号公報 特開2001−6713号公報 特開2006−97088号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたセパレータは、強酸性、高温、高圧といった燃料電池内部の厳しい酸性雰囲気中に曝された場合、表面の金めっき層等が剥落するおそれがある。その結果、ステンレス鋼やチタンからなる基材が酸性雰囲気中に曝されて、その基材表面に形成される酸化皮膜等により導電性が著しく劣化することになる。したがって、これらのセパレータは燃料電池に使用された場合、使用当初の接触抵抗を低くすることは可能であるが、これを長期間維持することができず、経時的に接触抵抗が上昇して電流損失を生じ、燃料電池の性能が低下するおそれがある。また、基材が腐食して、溶出した金属イオンによって固体高分子電解質膜を劣化させるおそれがある。
また、特許文献2や特許文献3に記載されたセパレータは、導電性を高めるために、基材の表面の酸化皮膜を除去した後、再度酸化皮膜の形成が起こらないように、例えば真空雰囲気や還元雰囲気等の所定の条件下で、貴金属や導電性樹脂等の導電層を形成しているが、煩雑な工程が必要となる等、生産性が低下するという問題がある。
このような状況の下、本発明者らは、特に軽量化に好適なチタンまたはチタン合金を基材として、接触抵抗を長期間維持できるセパレータを研究したところ、このチタン基材の表面に金等の貴金属からなる導電層を形成し、これを300〜800℃で熱処理することによって、チタン基材表面の酸化チタンを結晶化して、燃料電池に使用しても低い接触抵抗を長期間維持し得ることを見出すに至った。ここで、本発明者らがこのようにして製造したセパレータを検査したところ、製造ロット等によって前記効果の程度にばらつきが生じるため、さらなる改良の余地があることがわかった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、低い接触抵抗を長期間維持して使用することができるという効果を有する燃料電池セパレータ、および燃料電池セパレータ用チタン基材、さらに、例えば製造ロット等が異なっても、前記効果のばらつきが生じ難い燃料電池セパレータ用チタン基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、製造等におけるばらつきについて調査した結果、以下のことがわかった。通常、チタンまたはチタン合金製の基材は、表面が大気と接触することにより不可避的に酸化されるため、表層に酸化チタンを主体とする酸化皮膜が形成され、このような酸化皮膜(以下、適宜、自然酸化膜という)で被覆されることで、基材は耐酸性が得られる。しかし、基材を製造する際の冷間圧延に用いられる潤滑油には炭素が含まれており、この炭素がメカノケミカル的に基材の表面に結合して炭化チタンが形成される。さらに、一般的に冷間圧延の後工程に真空焼鈍が施されるが、圧延板の表面に付着した潤滑油とチタンが反応することでも炭化チタンが形成される。炭化チタンは、酸化チタンと比較して耐酸性に劣る上、炭化チタンが多く形成されると相対的に酸化チタンの形成が減少し、酸化皮膜による効果が低下することになる。このような基材を用いて燃料電池セパレータとすると、経時的に炭化チタンが腐食や酸化(以下、腐食等という)を生じ、進行すると基材表面の導電層との界面も腐食等を生じ、導電性が劣化する。
さらに、このような炭化チタンが表面に多く形成された基材を、燃料電池セパレータとして、前記したように表面に貴金属からなる層を形成して、300〜800℃で熱処理されても、結晶化した酸化チタンは形成されず、導電性を向上させることができない上、前記貴金属が凝集し易くなって導電層が島状に点在した状態になる。このように、基材表面の炭化チタンの形成量が多い基材は、低い接触抵抗を長時間維持することができないことがわかった。
本発明者らは、前記課題を解決するため、燃料電池に用いられるセパレータを製造するための基材およびその表面に形成する導電層について鋭意研究した結果、導電層を形成する前の基材の表層における炭素濃度を特定の数値以下に制限すると共に、導電層をある特定の組成範囲を有する貴金属合金で形成することで、燃料電池セパレータとして低い接触抵抗を長期間維持する効果が得られ、かつ、例えば製造ロット等が異なっても前記効果にばらつきが生じ難くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決した本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材は、表面が、Au,Ptから選択される1種以上の貴金属元素に、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される1種以上の非貴金属元素を5〜65原子%含有する合金からなる貴金属合金層で被覆されて燃料電池セパレータを構成するための、チタンまたはチタン合金からなるチタン基材であって、表層において、X線光電子分光分析により測定された280〜284eVの範囲に結合エネルギーを有する炭素の濃度が30原子%以下であることを特徴とする。
このように、基材の表層における炭素濃度を所定値以下に制限することにより、酸化チタンよりも耐酸性に劣る炭化チタンの形成量を相対的に少なくして、十分な酸化皮膜が形成されるようにすることができる。また、導電層である貴金属を含有する層を、炭素と結合し易い特定の非貴金属元素と合金化した貴金属合金層とすることにより、炭化チタンが基材表層に存在する場合でも、これらの非貴金属元素が、炭化チタン中の一部の炭素と結合するため、導電層の形成後に熱処理を行っても貴金属が凝集し難くすることができる。
本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材は、厚さが0.05〜0.3mmの純チタンからなることが好ましい。このような厚さとすることにより、燃料電池セパレータの軽量化・薄型化に寄与し、純チタンを用いることによって比較的容易に前記の厚さを具現することができ、かつ基材としての強度やハンドリング性を備えることができる。
本発明に係る燃料電池セパレータは、前記燃料電池セパレータ用チタン基材の表面に、前記貴金属合金層を形成後、300〜800℃で熱処理を施して製造されることを特徴とする。このように、表層の炭化チタンが少ない基材に、さらに炭素と結合し易い特定の非貴金属元素を含有する存在する貴金属合金層を被覆して熱処理されることで、貴金属が凝集せず、また基材と貴金属合金層との界面に、耐酸性および導電性に優れる結晶化された酸化チタン層を形成することができる。
本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材によれば、表層における炭素濃度を制御することにより、低い接触抵抗を長時間維持することができる効果を有する燃料電池セパレータとなる基材を安定して製造することができる。そして、本発明に係る燃料電池セパレータによれば、前記燃料電池セパレータ用チタン基材を用いて、前記効果を有する燃料電池セパレータを安定して製造することができる。すなわち、本発明によれば、製造ばらつきを抑え、歩留りが向上して、コスト低減が実現できる。
本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材および燃料電池セパレータについて詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池セパレータの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材(以下、適宜チタン基材という)2は、表面が貴金属合金層3で被覆されて、本発明に係る燃料電池セパレータ(以下、適宜セパレータという)1を構成する。以下、各要素について詳細に説明する。
〔チタン基材〕
チタン基材2は、純チタンまたはチタン合金で形成され、例えば、JIS H 4600に規定される1〜4種の純チタンや、Ti−Al,Ti−Ta,Ti−6Al−4V,Ti−Pd等のチタン合金を適用でき、中でも薄型化に特に好適な純チタンが好ましい。ただし、本発明において適用できる純チタンまたはチタン合金としては、これらに限定されることはなく、他の金属元素等を含有してなる前記した純チタン相当またはチタン合金相当の組成を有するものであれば、好適に用いることができる。
チタン基材2の厚さは特に限定されるものではないが、燃料電池用のセパレータ1の基材としては、0.05〜0.3mmにすることが好ましい。チタン基材2の厚さをこのような範囲とすれば、セパレータ1の軽量化・薄型化の要求を満足し、かつ、かかる厚さに加工することが比較的容易であり、板材としての強度やハンドリング性を備えることができる。
(チタン基材の表層の炭素濃度)
チタン基材2は、大気と接触することにより不可避的に表面のチタンが酸化されて、酸化チタンを主体とする酸化皮膜(自然酸化膜)が形成され、この酸化皮膜により耐酸性を付与される。しかし、チタン基材2の表層において炭素濃度が増大すると、炭化チタンが多く形成されて相対的に酸化チタン(自然酸化膜)が減少する。さらに、炭化チタンが多く形成された基材に貴金属を被覆して熱処理すると、炭化チタンにより貴金属が凝集する。本発明においては、後記するように、所定の非貴金属元素を含有する貴金属合金層3を被覆することにより、チタン基材2の表面の炭化チタンを減少させる。しかし、チタン基材2の表層(図1参照)において炭素濃度が30原子%を超えると、貴金属合金層3をもってしても炭化チタンが過剰となり、酸化皮膜が不足して耐酸性が得られず、また、被覆した貴金属合金層3の貴金属が熱処理で凝集する。したがって、チタン基材2の表層における炭素濃度は30原子%以下とし、好ましくは23原子%以下、さらに好ましくは17原子%以下である。なお、本発明において、炭素濃度(以下、C濃度)は、X線光電子分光分析により測定された280〜284eVの範囲に結合エネルギーを有する炭素の原子濃度とする。また、C濃度を前記範囲に制御する方法については後記する。
本発明において、チタン基材2の表層とは、チタン基材2(貴金属合金層3の形成前)の両面のそれぞれの最表面から100nm程度の深さまでの領域とすることが好ましく、最表面から200nm程度の深さまでの領域とすることがさらに好ましい。かかる領域におけるC濃度が、チタン基材2の表面に形成される酸化チタンの状態や、後記するセパレータ1を製造する際の熱処理によって生じる貴金属合金層3の貴金属の凝集の多少に大きく影響する。さらに燃料電池用のセパレータの基材として、所定値以下の低い接触抵抗を長期間(所定期間以上)維持することができるか否か、例えば製造ロット等にかかわらず、前記所定値以下の接触抵抗を所定期間以上維持することができるという効果のばらつきを少なく得られるか否かに影響する。
X線光電子分光分析による測定条件としては、例えば、X線源:単色化Al−Kα、X線出力:43.7W、X線ビーム径:200μm、光電子取出し角:45°、Ar+スパッタ速度:SiO2換算で約4.6nm/分という条件でX線光電子分光分析法を行って、例えば、最表面から100nmまたは200nmまでの深さのTi,O,C,Nの4元素の組成を測定し、これら4元素の合計からCの濃度(原子%)を求めることができる。なお、X線光電子分光分析法は通常、深さ数nmまでしか測定することができないため、100nm、200nmの深さまで測定する場合は、前記の通りAr+スパッタでチタン基材2の表面を削りながら測定するとよい。なお、このような測定は、後記するチタン基材2の製造条件、特に圧延条件を設定した際の確認として行うことが好ましい。
ここで、規定される濃度の炭素の対象とする結合エネルギーの範囲について説明する。
図2および図4は、燃料電池セパレータ用チタン基材の表層(最表面〜深さ100nm)の構成元素を示し、X線光電子分光分析により測定された、深さ方向における(最表面からの深さ方向距離)に対するTi(Ti2p)、C(C1s)、O(O1s)、N(N1s)の組成分布を示すグラフである。図2は本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材、図4は従来の燃料電池セパレータ用チタン基材である。X線光電子分光分析の測定条件は、X線源:単色化Al−Kα、X線出力:43.7W、X線ビーム径:200μm、光電子取出し角:45°、Ar+スパッタ速度:SiO2換算で約4.6nm/分である。図2および図4に示すように、C(C1s)の原子濃度は、最表面(0nm)で突出して多く、それ以外の深さ領域ではほぼ均一に分布する。ここで、深さ位置別の炭素が有する結合エネルギーとして、図5に、図4に示すグラフにおけるC(C1s)ピークのモンタージュスペクトルを示す。図5に示すように、燃料電池セパレータ用チタン基材の表層におけるC(C1s)ピークには、結合エネルギーが280〜284eVの範囲と、284〜290eVの範囲の2つのピークが見られる。そして、結合エネルギーが280〜284eVのピークは最表面以外のすべての深さ領域で検出されるのに対して、284〜290eVのピークは最表面での検出に限定される。
284〜290eVにおける結合エネルギーのピークは、C−C結合およびC−H結合(284.6eV付近)、ならびにO=C−O結合(288.0eV付近)等によるもので、潤滑油等に含有される炭素に由来する。したがって、このような炭素においては、チタン基材2の表面への潤滑油等の付着量によって測定強度や濃度が増減したり、チタン基材2の表面粗さ等によって深さ方向における測定可能範囲が変動したりするため、定量的な測定をすることが困難である。また、図2および図4に示すように、この炭素は、チタン基材2の最表面のみにおいて高濃度に検出されることから、潤滑油等はチタン基材2の最表面のみに付着しているだけで、チタン基材2の深い位置では潤滑油等に含有される炭素の影響がほとんどないといえる。
これに対して、280〜284eVにおける結合エネルギーのピークは、Ti−C結合(281.6eV付近)によるもので、炭化チタンにおける炭素に由来する。すなわち、潤滑油等に含有される炭素がチタン基材2の母材のチタンとメカノケミカル的に結合したことによるもので、測定強度や濃度がチタン基材2の表面の状態に依存せず、定量的な測定が可能である。さらに、炭化チタンにおける炭素も、チタン基材2の表面への潤滑油等の付着量に比例して濃度が変化するという相関があるため、この炭素の濃度をもってC濃度を規定することができる。
このことから、結合エネルギーが280〜284eVの範囲の炭素に限定して、従来品および本発明のそれぞれに係る燃料電池セパレータ用チタン基材の表層におけるC濃度(最大値)を比較すると、図4、図2より、従来品の33原子%に対して、本発明品は3原子%とC濃度が低い。さらに、図2、図4に示すように、本発明に係るチタン基材2は、チタン基材の深さ10nm程度までの領域における酸素(O)濃度が従来品より高く、これはC濃度を低く抑えることにより、表面に厚さ10nm程度の自然酸化膜が広い領域で形成されることを示す。
なお、図2および図4ではチタン基材の深さ100nmまでの領域におけるC濃度を測定した結果を示しているが、チタン基材中の炭素は表面から浸入したものであるから、それ以上の深さ、例えば200nmまでの深さにおいても、炭素は深さ位置100nmと同等またはより低い濃度であると推定される。そして、この深い領域においても、存在する炭素は280〜284eVの結合エネルギーを有する炭化チタンに由来するものと推定される。
(チタン基材の製造方法)
次に、本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材の製造方法について、その一例を説明する。前記した純チタンまたはチタン合金のインゴットを分塊圧延した後、板厚3.5mm程度まで熱間圧延し、焼鈍・酸洗処理により脱スケールを行う。次に、板厚1.0mm程度まで冷間圧延を実施後、700℃で数分間の大気焼鈍を行い、ソルト浸漬および酸洗を行う。その後、さらに冷間でリバース圧延を行い、所望の厚さ、例えば0.15mmまで圧延して、脱脂洗浄したもの、あるいはさらに必要に応じて真空焼鈍を行ったものをプレス加工等でガス流路となる溝を形成することにより製造することができる。ここで、前記した厚さを1.0mmから0.15mmに圧延するリバース圧延時の圧延条件として、1パスあたりの圧下率を5〜15%、全圧下量を90%以下の範囲で調整することが好ましい。この場合、1パスならびに合計の加工量(圧下量)が大きくなるにしたがい、圧延材の表面において潤滑油の炭素とチタンとの反応が進行してチタン基材2の表層に炭化チタンが形成され易くなる。また、同じ圧下率および全圧下量の場合であっても、ワークロール表面に傷が多い場合等はチタン基材2の表層におけるC濃度が高くなる傾向があるため、前記圧延条件と併せてワークロールの表面性状も管理することが好ましい。
また、前記のリバース圧延で得られた圧延材(チタン基材)の表層におけるC濃度が30原子%を超える場合は、圧延材の表面を機械的または化学的に除去することによって、新たな表層におけるC濃度を、本発明の範囲とすることができる。機械的除去としては、エメリー紙やダイヤモンドペースト等を用いた研磨や、アルミ粉やガラス粉等の研磨粒子を吹き付けるブラスト等の手法が挙げられる。化学的除去としては、炭化チタンやチタン自体を溶解する溶液、例えばフッ酸と硝酸の混合溶液等に圧延材を浸漬する手法が挙げられる。
また、圧延材の比較的深い領域まで炭素が浸入している場合があるので、機械的除去または化学的除去においては、除去前の圧延材の表面から、深さ方向に片面あたり2μm以上除去するとよい。このような除去を行うことにより、除去前の圧延材の表層(最表面〜深さ200nmの領域)におけるC濃度が30原子%を超える場合であっても、除去後の圧延材(チタン基材2)の表層のC濃度を3〜5原子%、あるいはさらに低くすることができる。なお、圧延材の表面からの除去厚さの上限は特に限定されないが、過剰に厚く除去するとチタン基材2の歩留りが低下するため、片面あたり20μm程度以下とするのが好ましい。以上の製造方法により、本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材を安定して製造することができる。
〔燃料電池セパレータ〕
図1に示すように、本発明に係る燃料電池セパレータ1は、前記した本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材2の表面に貴金属合金層3を形成し、その後300〜800℃で熱処理を施してなる。以下、セパレータを構成するチタン基材以外の各要素について、詳細に説明する。
(貴金属合金層)
貴金属合金層3は、Au,Ptから選択される1種以上の貴金属元素に、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される1種以上の非貴金属元素を5〜65原子%含有する合金からなる。Au,Ptは互いに類似する性質を有する貴金属元素であり、不働態皮膜を形成しなくとも耐酸性に優れ、また遷移金属であるので導電性に優れている。したがって、これらの貴金属元素を含有する層を被覆することにより、セパレータ1に、耐酸性および導電性を付与することができる。一方、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される非貴金属元素は、不働態皮膜を形成することで耐食性を有する。また、チタン基材2の表層において、C濃度が25原子%を超えると炭化チタンが過剰に形成されるものの、これらの非貴金属元素はCと結合して炭化物を形成し易いため、このような炭化チタンが表面に存在するチタン基材2に貴金属合金層3として被覆させると炭化チタン中の一部の炭素と結合して炭化チタンの余剰を解消する。したがって、熱処理において貴金属元素が凝集し難く、また、チタン基材2との密着性が向上する。非貴金属元素によるこれらの効果を十分なものとするため、非貴金属元素の含有量は5原子%以上とし、好ましくは15原子%以上である。一方、非貴金属元素の含有量が増大すると、これらの非貴金属元素の不働態皮膜により導電性が低下するため、非貴金属元素の含有量は65原子%以下とし、好ましくは55原子%以下である。
チタン基材2表面への貴金属合金層3の形成は、常温でも形成できるPVD法により行うことが、チタン基材2へのダメージ(反りや強度低下等)を少なくできる上、比較的広い面積に成膜することができて生産性が向上するので好ましい。PVD法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられ、特にスパッタリング法によれば貴金属合金層3の厚さを制御し易く好適である。貴金属合金層3の厚さは特に限定されるものではないが、燃料電池用のセパレータ1に十分な導電性および耐食性を付与するためには、2nm以上が好ましく、一方、厚すぎても効果が飽和してコスト高となるため、200nm以下が好ましい。
(燃料電池セパレータの製造方法)
本発明に係る燃料電池セパレータは、前記の燃料電池セパレータ用チタン基材を製造し、このチタン基材の表面に前記貴金属合金層を形成した後、300〜800℃で熱処理を施して製造される。このような温度範囲で熱処理を施すことにより、貴金属合金層3の貴金属元素とチタン基材2のチタン元素とが相互に拡散して、貴金属合金層3とチタン基材2との密着性が向上し、また、貴金属合金層3からチタン基材2中に貴金属元素が拡散して、導電性が向上する。また、貴金属合金層3のピンホールに露出したチタンを酸化させて耐酸性を向上させることができる。さらに、チタン基材2の表面に形成されている酸化チタン(自然酸化膜)を結晶化して高温酸化チタンとして、後記するように酸化皮膜21(図1参照)の接触抵抗を低減することができる。
熱処理において温度が低いと、酸化皮膜21の結晶化等に時間を要して生産性が低下する上、貴金属合金層3の貴金属元素とチタン基材2のチタン元素との相互拡散が十分に行われない場合がある。したがって、熱処理温度は300℃以上とし、好ましくは350℃以上である。一方、熱処理温度が高すぎると、前記元素の相互拡散が速すぎて過剰に相互拡散し、セパレータ1の最表面において、貴金属元素が減少して非貴金属元素の不働態皮膜の面積割合が増え、接触抵抗が高くなる。したがって、熱処理温度は800℃以下とし、好ましくは700℃以下である。また、このような温度範囲であっても長時間熱処理を施すと、前記元素の相互拡散が過剰になるため、熱処理の時間を熱処理の温度に対して適宜調整することが好ましい。
チタン基材2の表面(チタン基材2と貴金属合金層3との界面)に形成されている酸化皮膜21は、チタン基材2の製造時の自然酸化膜としては導電性に劣るが、300〜800℃で熱処理が施されることによって一部または全部が結晶化する。この結晶化の際に、貴金属合金層3直下の自然酸化膜は、酸素の供給が貴金属合金層3によって遮断されるため、自然酸化膜中の酸素がチタン基材2中に拡散して、酸化欠乏型の(酸素欠乏傾斜構造を有する)酸化チタンに変化する。結晶化した酸化チタンは、化学量論比よりも酸素が欠乏すると導電性が高くなるn型半導体となるため、熱処理によってチタン基材2の表面に形成されている酸化皮膜21の導電性を向上させることができる。なお、このような結晶化した酸化チタンの結晶構造は、ルチル型結晶やブルッカイト型結晶となる。ルチル型結晶およびブルッカイト型結晶とは、それぞれルチル結晶、ブルッカイト結晶と同じ結晶構造を有する結晶である。このような酸化欠乏型の結晶化した高温酸化チタンは、熱処理における酸素分圧を低くするほど得られ易く、貴金属合金層3で被覆されて気相との接触を遮断された領域等はさらに得られ易い。具体的には、0.01Pa以下で熱処理を行うことが好ましい。このような減圧下で熱処理を実施すると、チタン基材2の自然酸化膜を導電性に優れた酸化欠乏型の結晶化した高温酸化チタンとすることができ、さらに熱処理により酸化され得る非貴金属元素を含有する貴金属合金層3であっても、当該非貴金属元素が酸化され難くなるため、耐酸性および導電性に優れ、低い接触抵抗を長期間維持する燃料電池用のセパレータ1を製造できる。
このような熱処理は、少なくとも300〜800℃以下の熱処理温度で熱処理を行うことができ、好ましくは雰囲気調整ができる熱処理炉であれば、電気炉、ガス炉等、どのような熱処理炉でも用いることができる。
以上、本発明に係る燃料電池セパレータおよびそのチタン基材について、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と比較して説明する。なお、本発明はこの実施例および前記最良の形態に限定されるものではなく、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
(チタン基材の作製)
燃料電池セパレータの試験材は、次のようにして作製した。まず、JIS H 4600に相当する純チタン材の冷間圧延コイル(板厚0.6mm、1mm)を、表1に示す条件で冷間圧延を施し、20×50mmに切断し、アセトンで超音波洗浄を施してチタン基材No.1〜6とした。なお、チタン基材No.6は、冷間圧延後、フッ酸と硝酸の混合溶液で酸洗して冷間圧延板表面を片面あたり5μm除去した。得られたチタン基材で、燃料電池セパレータの試験材の作製と、表層におけるC濃度の測定とを行った。C濃度を表1に示す。
(チタン基材の表層におけるC濃度の測定)
全自動走行型X線光電子分光分析装置(Physical Electronics社製 Quantera SXM)を用いてX線光電子分析を行い、チタン基材の最表面から深さ100nmまでの表層におけるC(結合エネルギー:280〜284eV)濃度を測定した。X線光電子分光分析の測定条件は、X線源:単色化Al−Kα、X線出力:43.7W、X線ビーム径:200μm、光電子取出し角:45°、Ar+スパッタ速度:SiO2換算で約4.6nm/分である。C濃度は、Ti,O,C,Nの4元素について、チタン基材の最表面から深さ100nmまでの深さ組成を分析し、C濃度分析値のうち280〜284eVの範囲に結合エネルギーを有するCの最高値をチタン基材の表層のC濃度(原子%)とした。
(貴金属合金層の形成、熱処理)
得られたチタン基材No.1〜6を用いて、燃料電池セパレータの試験材に作製した。マグネトロンスパッタリング装置の貴金属合金層の形成用ターゲットとして貴金属元素のAuターゲットと非貴金属元素のTaターゲットとを別々の電極に取り付け、チャンバー内のAuターゲットとTaターゲットの法線が交わる高さ位置にチタン基材を載置した後、チャンバー内を0.0013Pa以下の真空に排気した。次に、Arガスをチャンバー内に導入してチャンバー内の圧力が0.27Paとなるように調整した。その後、貴金属元素と非貴金属元素のターゲットに直流電源にて、それぞれ所定出力を印加してArプラズマを発生させることによってスパッタリングを行い、チタン基材の表面に、チタン基材毎に組成を変化させて膜厚20nmの貴金属合金層を形成した。さらにチタン基材を裏返して同様に貴金属合金層を形成した。なお、AuターゲットとTaターゲットのそれぞれの出力(スパッタ速度)を変えることで組成(含有比)を制御し、成膜時間を変えて膜厚を制御した。また、貴金属合金層の形成においては、チタン基材の加熱を行わなかった。両面に貴金属合金層を形成したチタン基材を、0.00665Paの真空雰囲気で、400℃で5分間、熱処理して燃料電池セパレータの試験材No.1〜14を得た。得られた燃料電池セパレータの試験材について、導電性および耐食性の評価を行った。
(貴金属合金層の組成の測定)
貴金属合金層の非貴金属元素(Ta)含有量を、チタン基材への成膜と同じターゲットおよび成膜条件でPC基板に成膜したサンプルを用いて測定した。貴金属合金層を溶解できる加熱した酸溶液を用いて貴金属合金層を溶解させ、得られた溶解液中のAuとTaの各濃度をICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析法で測定した。Au濃度とTa濃度の和に対するTa濃度の百分率を貴金属合金層の非貴金属元素(Ta)の含有量(原子%)として算出した。Ta含有量を表2に示す。
(導電性および耐食性の評価)
燃料電池セパレータの試験材について、その接触抵抗値を、初期値および80℃の硫酸水溶液(pH2)に500時間浸漬した後の値をそれぞれ測定した。接触抵抗の初期値および硫酸水溶液に500時間浸漬した後の値を表2に示す。導電性および耐食性の合格基準は、硫酸水溶液に500時間浸漬した後の接触抵抗値が10mΩ・cm2以下であるものとした。
試験材の接触抵抗値は、図3に示す接触抵抗測定装置を用いて測定した。なお、図3は、接触抵抗の測定方法を説明する模式図である。
図3に示すように、試験材を両面から2枚のカーボンクロスで挟み、さらにその外側を接触面積1cm2の銅電極で荷重98N(10kgf)に加圧し、直流電流電源を用いて7.4mAの電流を通電し、両カーボンクロス間に印加される電圧を電圧計で測定して接触抵抗値を算出した。
Figure 2010135232
Figure 2010135232
表2に示すように、試験材No.1〜11は、チタン基材および貴金属合金層が本発明の範囲の実施例であるので、初期における接触抵抗値が低く、さらに硫酸水溶液に500時間浸漬した後の接触抵抗値も10mΩ・cm2以下に維持され、優れた導電性および耐食性を有する燃料電池セパレータであることがわかる。特に、試験材No.9〜11は、チタン基材(No.4)の表層におけるC濃度が25原子%を超えるが、貴金属合金層中の非貴金属(Ta)の作用により、導電性および耐食性を確保することができた。そして、これらの試験材を構成するチタン基材No.1〜4,6は、前記効果を得られる燃料電池セパレータを構成することができる基材であることがわかる。
これに対して、試験材No.12は、C濃度が25原子%を超えるチタン基材No.4に、貴金属(Au)のみで導電層を形成した比較例であるため、チタン基材表面に形成された過剰な炭化チタンがそのまま存在して、酸化皮膜が不足し、また熱処理時にAuが凝集したことにより、耐食性が劣化して、初期の接触抵抗値は低く抑えることができても硫酸水溶液浸漬後の導電性が劣化した。また、試験材No.14は、用いたチタン基材No.5が表層におけるC濃度の過剰な本発明の範囲外の比較例であるため、本発明の範囲の貴金属合金層を形成しても炭化チタンの余剰を解消し切れず、耐食性が劣化して硫酸水溶液浸漬後の導電性が劣化した。一方、試験材No.13は、貴金属合金層における非貴金属(Ta)が過剰な比較例であるため、試験材表面における貴金属が不足して、初期の段階で導電性が劣化した。
本発明に係る燃料電池セパレータの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る燃料電池セパレータ用チタン基材の表層の、X線光電子分光分析により測定された深さ方向におけるTi,C,O,Nの組成分布を示すグラフである。 接触抵抗の測定方法を説明する模式図である。 従来の燃料電池セパレータ用チタン基材の表層の、X線光電子分光分析により測定された深さ方向におけるTi,C,O,Nの組成分布を示すグラフである。 従来の燃料電池セパレータ用チタン基材の表層の、X線光電子分光分析により測定されたCのピークのモンタージュスペクトルを示す図である。
符号の説明
1 セパレータ(燃料電池セパレータ)
2 チタン基材(燃料電池セパレータ用チタン基材)
3 貴金属合金層

Claims (3)

  1. 表面が、Au,Ptから選択される1種以上の貴金属元素に、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される1種以上の非貴金属元素を5〜65原子%含有する合金からなる貴金属合金層で被覆されて燃料電池セパレータを構成するための、チタンまたはチタン合金からなる燃料電池セパレータ用チタン基材であって、
    当該燃料電池セパレータ用チタン基材の表層において、X線光電子分光分析により測定された280〜284eVの範囲に結合エネルギーを有する炭素の濃度が30原子%以下であることを特徴とする燃料電池セパレータ用チタン基材。
  2. 厚さが0.05〜0.3mmの純チタンからなる請求項1に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材の表面に、貴金属合金層を形成後、300〜800℃で熱処理を施して製造される燃料電池セパレータであって、
    前記貴金属合金層は、Au,Ptから選択される1種以上の貴金属元素に、Nb,Ta,Zr,Ti,Hfから選択される1種以上の非貴金属元素を5〜65原子%含有する合金からなることを特徴とする燃料電池セパレータ。
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