JP2010134353A - カラーフィルタの製造方法及び固体撮像装置 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法及び固体撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】微細なブラックマトリクスを形成したカラーフィルタをローコストに提供する。
【解決手段】支持体上に形成した黒色遮光層46には、ドライエッチングにより隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の開口部50が形成されている。黒色遮光層46上及び開口部50に埋め込まれるようにフォトレジスト層65が形成され、フォトレジスト層65には、開口部50に対して所定ピッチ分ずれた配列で、隣合う開口部50の中間に位置する市松模様状の開口部66からなるパターンが形成される。フォトレジスト層65をマスクとして黒色遮光層46がドライエッチングされると、開口部50に対して所定ピッチ分ずらした開口部が形成され、着色層の境界に合わせた箇所を残したブラックマトリクスが形成される。
【選択図】図14

Description

本発明は、支持体上に2色以上の着色層が配列されるカラーフィルタアレイの異なる着色層間の境界に、ブラックマトリックスを形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法及びこの製造方法により製造されたカラーフィルタを用いた固体撮像装置に関する。
近年、固体撮像装置では、撮像画素数の増加が顕著であり、これに伴って従来と同じサイズの有効画素領域では1画素当たりの面積の縮小化が進み、現在では、画素サイズ1.7μmの固体撮像装置がデジタルカメラやカメラ付き形成電話に組み込まれている。このような画素サイズの面積縮小に伴い、特に固体撮像装置に設けられるカラーフィルタは、受光部面積が縮小化するにつれて各画素間の混色が顕著となることから、色分離の性能を維持すること要求されている。カラーフィルタの製造方法としては、フォトリソ法やドライエッチング法が広く知られている。
フォトリソ法は、製造工程が半導体製造のフォトリソプロセスに準じているため、初期投資の抑制が可能である。これにより、従来はカラーフィルタの製造方法として広く利用されていた。このフォトリソ法を用いたカラーフィルタの製造方法では、基板上に着色硬化性組成物等の感放射線性組成物を塗布し乾燥させて形成した塗膜をパターン露光・現像・ベーク処理することによって着色画素を形成し、この操作を各色ごとに繰り返し行なってカラーフィルタを製造する。
一方、フォトリソ法を利用するカラーフィルタの製造方法に対して、より薄膜で、かつ微細パターンの形成に有効な方法としてドライエッチング法が用いられている。ドライエッチング法は、色素の蒸着薄膜に対してパターン形成する方法として従来から採用されており(例えば、特許文献1参照)、薄膜形成に関してはフォトリソ系に比べ、分光特性を同じ程度としながら膜厚が1/2以下の薄膜の形成も可能である。また、フォトリソ法とドライエッチング法を組みわせたパターン形成法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ドライエッチング法でパターン形成された第1色のカラーフィルタ(着色層)の上に、第1色とは異なるカラーフィルタ材料(着色剤含有組成物)を塗布して第2色のカラーフィルタ(着色層)を形成し、CMP(化学機械研磨)法、又はエッチバック法を用いて、第2色のカラーフィルタの表面を平坦化して、第1色のカラーフィルタの隙間に第2色のカラーフィルタが配列されるようにする方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、カラーフィルタの性能は、固体撮像装置の重要な特性維持に関わるため、薄型化や矩形化、各画素間の混色(色同士が重なり合うオーバーラップ)防止など様々な性能の向上が求められている。
カラーフィルタの性能要求対策として、特許文献4には、各カラーフィルタを互いに分離するためのフィルタ分離層を支持体上に形成した後、このフィルタ分離層に対してドライエッチングによりカラーフィルタを形成する領域を開口して着色層を埋め込み、CMP(化学的機械研磨)などの平坦化処理によって開口に埋め込まれた領域以外の着色層の除去を行なってカラーフィルタを製造する方法が提案されている。
特開昭55−146406号公報 特開2001−249218号公報 特開2006−351786号公報 特開2006−351775号公報
上記特許文献4に記載された製造方法では、カラーフィルタ層と屈折率の異なる材料からフィルタ分離層を形成して、カラーフィルタとフィルタ分離層との屈折率差により、斜めからの入射光を反射させ混色を抑制することを目的としているが、反射効率が悪く、混色抑制効果を十分に得られない場合がある。そこで、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイでカラーフィルタの発色効果やコントラストを上げるために、3色カラーフィルタ間の境界部分に形成されているような遮光性のブラックマトリックス(遮光壁)を固体撮像装置のカラーフィルタに適用することが考えられている。従来の遮光壁の形成方法としては、着色層が配列されたカラーフィルタアレイ上にフォトレジスト層を形成し、i線露光ステッパーを使用して着色層の境界線に合わせたパターンを形成し、このフォトレジスト層をマスクとしてカラーフィルタアレイに遮光壁用の開口部を形成する。そしてこの遮光壁用の開口部に黒着色剤を含有させた組成物を埋め込むようにしてブラックマトリックス(遮光壁)を形成する。
このようなブラックマトリクスを形成する場合、従来の製造工程で使用されているi線露光ステッパーを用いたパターン形成では、0.5μmより大きい線幅となる。しかしながら、カラーフィルタのさらなる微細化に対応しつつ要求性能を満たすためには、遮光壁を従来より狭い0.5μm以下の線幅に形成しなければならない。そこで、より狭い線幅のパターンを形成できるKrF露光ステッパーを用いることも考えられるが、i線露光ステッパーに代えてKrF露光ステッパーを導入すると設備投資するコストがかかる為、製品自体のコスト上昇の原因となる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、遮光壁のさらなる微細化が可能なカラーフィルタの製造方法及び固体撮像装置をローコストに提供することを目的とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、少なくとも2色以上の着色層を配列するとともに、前記着色層の境界に合わせた箇所に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を配してなるカラーフィルタの製造方法であって、支持体上に前記黒色斜光層を形成する黒色遮光層形成工程と、ドライエッチング処理によって、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の第1の開口部を前記黒色斜光層に形成する第1の開口部形成エッチング工程と、前記第1の開口部に対して前記所定ピッチずらした位置の市松模様状の第2の開口部を前記黒色斜光層に形成して、前記着色層の境界に合わせた箇所を残してブラックマトリクスを形成する第2の開口部形成エッチング工程とを少なくとも有することを特徴とする。
支持体上に、少なくとも2色以上の着色層を配列するとともに、前記着色層の境界に合わせた箇所に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を配してなるカラーフィルタの製造方法であって、前記支持体層上に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を形成する黒色遮光層形成工程と、前記黒色遮光層上に第1のフォトレジスト層を形成して、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の第1のパターンを形成する第1のパターニング工程と、ドライエッチング処理によって、前記第1のフォトレジスト層をマスクとして市松模様状の第1の開口部を形成する第1の開口部形成エッチング工程と、前記黒色斜光層及び前記第1の開口部を埋めるように第2のフォトレジスト層を形成して、前記第1の開口部に対して前記所定ピッチずらした位置の市松模様状の第2のパターンを形成する第2のパターニング工程と、ドライエッチング処理によって、前記第2のフォトレジスト層をマスクとして前記第1の開口部に対して前記所定ピッチずらした位置の市松模様状の第2の開口部を形成して、前記着色層の境界に合わせた箇所を残したブラックマトリクスを形成する第2の開口部形成エッチング工程とを少なくとも有することを特徴とする。
前記黒着色剤は、チタンブラックであることが好ましい。また、前記ドライエッチング処理は、少なくともハロゲン化合ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いることが好ましい。
また、本発明の固体撮像装置は、請求項1ないし4いずれかに記載のカラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の第1の開口部、及び第1の開口部に対して所定ピッチずらした位置の市松模様状の第2の開口部を形成して着色層の境界に合わせた箇所を残したブラックマトリクス(遮光壁)を形成するので、微細な線幅のブラックマトリクスを形成しつつ、ローコスト化を図ることが可能なカラーフィルタの製造方法及び固体撮像装置を提供することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明について具体的に説明する。図1において、本実施形態の固体撮像装置10は、フォトダイオード11R,11G,11Bを備えた半導体基板12と、半導体基板12のフォトダイオード11R,11G,11Bへの入射側に設けられたカラーフィルタ13R,13G,13Bと、各カラーフィルタ13R,13G,13Bの境界に形成され、各カラーフィルタ間を互いに隔離する遮光壁14と、カラーフィルタ13R,13G,13B及び遮光壁14を覆って平坦化する平坦化層15と、平坦化層15の上にカラーフィルタ13R,13G,13Bの形成領域に対応するように設けられたマイクロレンズ16とを備える。カラーフィルタ13R,13G,13Bは、それぞれ赤、緑、青色の光を透過させる。また、更に、半導体基板12には、フォトダイオード11R,11G,11Bの部分のみが開口する不図示の遮光膜が設けられており、この遮光膜はタングステン等で形成されている。
図2は、固体撮像装置10を半導体基板の上方(法線方向)からみた平面図であり、破線は各カラーフィルタ13R,13G,13Bの境界を示す。固体撮像装置10は、画素を構成するカラーフィルタ13R,13G,13B及びそれに対応するフォトダイオード11R,11G,11Bが、ベイヤー配列、すなわち、奇数ラインがカラーフィルタ13G,13Rの繰り返し、偶数ラインがカラーフィルタ13B,13Gの繰り返しで配置されている。マイクロレンズ16及びカラーフィルタ13R,13G,13Bを通ってフォトダイオード11R,11G,11Bへ入射した光が、光電変換により各色の光量に応じた信号電荷に生成されて蓄積される。
遮光壁14は、各カラーフィルタ13R,13G,13Bの間を互いに隔離するため、マイクロレンズ16及びカラーフィルタ13R,13G,13Bを通って入射した光のうち、特に斜め入射光を吸収してマイクロレンズ16及び平坦化層15を通過して隣接する画素へ光漏れ(混色)することを防止する。
遮光壁14は、可視光を吸収する黒色材含有組成物で構成されており、斜め光が入射したときには光を吸収するようになっている。遮光壁14は、後述するように、ドライエッチング法によりその壁面が半導体基板12の法線方向と略平行になるように加工形成されている。
なお、固体撮像装置はカラーフィルタ以外にマイクロレンズが設けられた形態が一般的であるが、例えばカラーフィルタ層の下層として光電変換層を設けることによりマイクロレンズを設けない構成としてもよい。この場合、光電変換層としては、MCP(マイクロチャネルプレート)、ITO(Indium Tin Oxide)膜などを挙げることができる。
本発明を適用した固体撮像装置10のブラックマトリクス(遮光壁)14は、カラーフィルタ5R,5G,5Bの画素ピッチをP、膜厚方向と直交する画素方向におけるブラックマトリクス6の線幅をDとすると、D=(1/5〜1/15)Pとなるように形成することが好ましく、遮光性の観点からD=(1/7〜1/10)Pで形成されることが好ましい。また、ブラックマトリクス6の膜厚は、カラーフィルタの平坦性の観点から、カラーフィルタ層と同等であることが好ましい。
このような固体撮像装置10を構成するカラーフィルタは、特にドライエッチング法を適用して製造する場合に好適である。以下、本発明に係るカラーフィルタの製造方法について具体的に説明する。
図3に示すように、カラーフィルタ製造工程19は、ブラックマトリクス形成工程20、第1色カラーフィルタ形成工程21、第2色カラーフィルタ形成工程22、第3色カラーフィルタ形成工程23とからなり、さらにブラックマトリクス形成工程20は、エッチングストッパー層形成工程24、黒色遮光層形成工程25、第1のパターニング工程26、第1のエッチング工程27(第1の開口部形成エッチング工程)、第1のフォトレジスト除去工程28、第2のパターニング工程29、第2のエッチング工程30(第1の開口部形成エッチング工程)、第2のフォトレジスト除去工程31、からなる。
一方、第1〜3色カラーフィルタ形成工程21〜23は、パターニング工程34,39、エッチング工程35,40、フォトレジスト除去工程36,41、着色層形成工程32,37,42、平坦化工程33,38,43からなる。なお、第1色カラーフィルタ形成工程21には、パターニング工程、エッチング工程、フォトレジスト除去工程が無い。
固体撮像装置10の場合は、これらの工程20〜23の前に支持体としての半導体基板12を形成する工程があり、さらにこれらの工程の後には、カラーフィルタ13B,13Gを覆う平坦化層15と、平坦化層15の上に配されるマイクロレンズ16とを形成する工程が少なくともある。
カラーフィルタ製造工程19は、ブラックマトリクス形成工程20から開始する。ブラックマトリックス形成工程20では、先ず、エッチングストッパー層形成工程24を行う。このエッチングストッパー層形成工程24は、後述する支持体44の破損抑制役割を担うとともに、ブラックマトリクス(遮光壁)の形成後は除去される観点から、本発明では酸化シリコンを含む組成物からエッチングストッパー層が形成され、例えば、4MS(ラサ工業社製)をスピンコーター(SCWC80A 大日本スクリーン社製)を用いて支持体44上に塗布し、次にホットプレートを用いて、雰囲気温度が200℃〜250℃で、5〜10分加熱処理し、塗布膜を乾燥・硬化させてエッチングストッパー層45(図4参照)を形成し、このエッチングストッパー層45上に後述する黒色遮光層46を形成する。エッチングストッパー層45の膜厚は、50〜200mmの範囲内で形成され、さらには、70〜150mmの範囲内で形成されることが好ましい。なお、スピンコート法に限らず、CVD法、スパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法を用いてもよい。なお、エッチングストッパー層を形成するには、上記の他にも、OCD Type−12(東京応化社製)、CERAMATE−LNT(触媒化成工業社製)を用いてもよい。
[黒色遮光層形成工程]
エッチングストッパー層形成工程24の次は、黒色遮光層形成工程25を行う。黒色遮光層形成工程25では、図4に示すように、支持体44の上にスピンコーター(SCWC80A 大日本スクリーン社製)を用いて、黒色遮光層46を形成する黒着色剤が分散された組成物を塗布する。次にホットプレートを用いて、雰囲気温度が200℃〜250℃、5〜10分間加熱処理し、塗布膜を硬化させて黒色遮光層46を形成する。この加熱処理は組成物塗布後の乾燥と同時であってもよく、また塗布乾燥後に別途熱硬化の工程を設けてもよい。本発明では、黒色遮光層46を形成する組成物は、黒着色剤として金属顔料が分散されたものを使用し、黒着色剤として使用される金属顔料としては特にチタンブラックを用いることが好ましい。
[支持体]
本発明で使用される支持体44としては、用途に応じて選択すればよく、例えば、固体撮像装置を製造する場合は半導体基板(光電変換素子基板)、例えばシリコン基板、酸化膜、窒化シリコン等を、液晶表示装置を製造する場合は、ガラス基板、例えばソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものを用いることができる。また、これら支持体と着色層との間には本発明を損なわない限り中間層などを設けても良い。
[i線フォトレジストのパターニング]
次に、黒色遮光層46上にポジ型のフォトレジスト(FHi622BC:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を、スピンコーターを用いて塗布する。ホットプレートで、80〜100℃の範囲で、60秒プリベークを実施して、フォトレジスト層47を形成する。続いて、フォトレジスト層47の上方から、フォトマスクを用いて、着色層が形成される領域に、i線(波長365nm)の紫外線を、ステッパーを用いて露光する。次に、ホットプレートで、100〜120℃の範囲で、90秒PEB処理を行なう。その後、現像液でパドル現像処理を行ない、更にホットプレートでポストベーク処理を実施し、後述する第1〜第3の着色層70,74,76が形成される領域のフォトレジストを除去する(第1のパターニング工程26)。図5は、第1〜第3の着色層70,74,76が形成される領域のフォトレジストを除去した状態、すなわち第1〜第3の着色層70,74,76の境界に対応する箇所を残した状態であり、符号48は、フォトレジストを除去した開口部を示す。この第1のパターニング工程26では、図6に示すように、矩形状の開口部48が、隣合う配列同士を画素ピッチPだけ縦横にずらした市松模様状となるようにに配列されたパターンをフォトレジスト層47に形成する。
フォトレジストは、公知のポジ型フォトレジストを使用することができる。ポジ型フォトレジストとしては、紫外線(g線、i線)、KrF,ArFなどのエキシマレーザー等を含む遠紫外線、電子線などに感応するポジ型の感光性樹脂組成物を使用することができる。
露光に用いる光源としては、カラーフィルタパターンの形成が1.0μm程度の解像力を有していればよいとの理由から、i線であることが好ましい。現像液としては、黒色遮光層46には影響を与えず、ポジレジストの露光部およびネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
[第1のエッチング工程]
次に、フォトレジスト層47をマスクとしてドライエッチングする第1のエッチング工程27について説明する。使用するドライエッチング装置としては、日立ハイテクノロジーズ社製のリアクティブイオンエッチング装置(RIE;U−621)、あるいは、誘導結合プラズマ(inductive coupled plasma:ICP)を利用したICPエッチャー装置(NE500:アルバック社製)を用いることが好ましい。RIE装置49は、公知な平行平板型や容量結合型、電子サイクロトロン共鳴型で、RF、マイクロ波、VHF放電を用いてドライエッチングを行うことができる。このRIE装置49(図7参照)を用いて、フォトレジスト層47をマスクとして黒色遮光層46にドライエッチング処理するエッチング工程を行う。これにより、着色層が形成される領域の黒色遮光層46を除去する。なお、図8は、第1のエッチング工程27によって黒色遮光層46がエッチングされた状態を示し、符号50は、第1のエッチング工程27によって除去された黒色遮光層46の開口部である。
図7は、ドライエッチング装置の構成の概略を示す。本実施形態では、このRIE装置49を用いて各種ドライエッチング処理を行う。このRIE装置49は、チャンバー51と、平面電極(カソード)52と、対向電極(アノード)53と、RF発振器54と、ブロッキングコンデンサ55と、エッチングガス供給部56と、これらを制御する制御部57とを備える。
チャンバー51は、側面から内部へエッチングガスが導入される導入口51aが設けられ、内部には、平面電極52と対向電極53とが配置されている。平面電極52及び対向電極53は、RF発振器54と直列に接続されている。さらに、平面電極52とRF発振器54の間にはブロッキングコンデンサ55が接続され、対向電極53とRF発振器54との間ではアース58に接続されている。カラーフィルタが形成される支持体44は、平面電極(カソード)52の上にセットされる。
本発明では、黒色遮光層46にドライエッチング処理するエッチング工程27では、図9に示すように、開口部形成ドライエッチング処理61、残渣除去ドライエッチング処理62、及び下層除去ドライエッチング処理63を順次行う。エッチング工程27では先ず、開口部形成ドライエッチング処理61を行う。
[開口部形成ドライエッチング処理]
この開口部形成ドライエッチング処理61では、黒色遮光層46に異方性加工をする観点から、CFガスと、C数が2以上から選択されるCxFyガス(フロロカーボンガス;x=2〜6、y=4〜8)と、酸素ガスとの混合ガス(第1の混合ガス)をエッチングガスとして用いる。この第1の混合ガスは、エッチングの速さと異方性加工を求める点から、CFを1とした場合、CxFyガスを2〜20、酸素ガスを1〜10の範囲内で混合することが好ましい。そして、開口部形成ドライエッチング処理61では、RIE装置49を使用し、平面電極(カソード)52の上に支持体44をセットしたチャンバー51の内部へ、第1のエッチングガスを導入する。そしてこの第1のエッチングガスが導入された状態で、RF発振器54によって、平面電極52と対向電極53との間に高周波電圧が印加されると、陰極効果により黒色遮光層46に異方性を有するエッチングが施される。
以上の条件で、黒色遮光層46に開口部形成ドライエッチング処理61が施されると、図8(A)に示すように、黒色遮光層46には、フォトレジスト層47でマスクされていない箇所に開口部50が形成されるが、上述したように黒着色剤として金属顔料を使用しているため、エッチングされた開口部50の内部に残渣59が付着する。
[残渣除去ドライエッチング処理]
エッチング工程27では、上述した開口部形成ドライエッチング処理61を先に行い、続いて残渣除去ドライエッチング処理62を行う。この残渣除去ドライエッチング処理では、開口部50に付着される残渣59を除去する観点から、少なくとも酸素ガスを含む混合ガスを用いる。酸素ガスのほかに含まれるガスとしては、不活性ガス(Ar、He、Xeなど希ガス)や窒素ガスが好ましい。この第2の混合ガスは、残渣除去とエッチングの速さを求める点から、酸素ガスと他のガスとの混合比(酸素ガス/他のガス)を1/1〜1/4とすることが好ましい。
以上の条件で、開口部形成ドライエッチング処理61の後に残渣除去ドライエッチング処理62を行うことで、開口部形成ドライエッチング処理62で黒色遮光層46に形成された開口部50に付着される残渣59が、残渣除去ドライエッチング処理62によって除去される。よって、黒色遮光層46はフォトレジスト層47によるマスキングに対して精度良くエッチングされることとなり、高い矩形性を有する開口部50を形成することができる。
[下層除去ドライエッチング処理]
残渣除去ドライエッチング処理62の次は、黒色遮光層46の下層にあるエッチングストッパー層45を除去する下層除去ドライエッチング処理63を行う。この下層除去ドライエッチング処理63は、エッチングストッパー層45である酸化シリコン層を除去する観点から、C数が2以上から選択されるCxFyガス(フロロカーボンガス;x=2〜6、y=4〜8)と、酸素ガスとの混合ガス(第3の混合ガス)を用いる。この第3の混合ガスは、異方性加工とエッチングの速さを求める点から、CxFyガスと酸素ガスとの混合比(CxFyガス/酸素ガス)を1/2〜5/1とすることが好ましい。以上の条件で、開口部形成、残渣除去及び下層除去ドライエッチング処理61〜63を順次行うことで、開口部形成及び残渣除去ドライエッチング処理61,62の間は、エッチングストッパー層45で保護されているため、支持体44が破損することなく、高い精度でエッチングして開口部50を形成することが可能であり、開口部50の形成後は下層除去ドライエッチング処理63でエッチングストッパー層45を除去することができる。なお、符号60は、下層除去ドライエッチング処理で除去されたエッチングストッパー層45の開口部である。
このエッチング工程27では、図10に示すように、黒色遮光層46に、隣合う配列同士を画素ピッチP分ずらした市松模様状に配列された開口部50が形成され、さらに開口部50は幅寸法Wとなるように形成される。この幅寸法Wは、画素ピッチの幅寸法Pよりもやや小さい寸法で形成され、例えば画素ピッチPが1.0μmの場合、開口部50の幅寸法Wは0.9μmで形成することができる。
[その他のエッチング条件]
その他の条件としては、エッチング工程における条件は黒色遮光層の材質や層厚等によって異なるが、上記以外の好ましい条件について以下に説明する。
1)本発明における混合ガスの圧力としては、0.1〜6Paが好ましい。
2)RF発振器54の発生電力、対向電極に印加される電力、平面電極(基板)に印加される電力の関係としては、RF発振器の発生電力/平面電極に印加される電力/平面電極(基板)基板に印加される電力がそれぞれ、400〜800W/100〜500W/100〜800Wであることが好ましい。
3)支持体の温度は−5°Cから80°Cが好ましい。
[第1のフォトレジスト除去工程]
エッチング工程27の次は、溶剤もしくはフォトレジスト剥離液を使用して、フォトレジスト剥離処理を実施し、黒色遮光層46上に残存するフォトレジスト層47の除去を行なう(第1のフォトレジスト除去工程28)。その後、脱溶剤、脱水処理の脱水ベーク処理を行なうことができる。以上のように、着色層を形成しようとする領域の黒色遮光層46をエッチングで除去し、フォトレジスト層47を剥離する。図11にフォトレジスト剥離後の形状を示す。フォトレジスト層上に、剥離液または溶剤を付与してフォトレジスト層47を除去可能な状態にする工程と、洗浄水を用いてフォトレジスト層47を除去する工程とを含むことが好ましい。第1のフォトレジスト除去工程28の後は、第2のパターニング工程29を行う。
[第2のパターニング工程]
第2のパターニング工程29では、図12に示すように、黒色遮光層46上、及び開口部50を埋めるようにフォトレジスト層65を形成し、図13及び図14に示すように、エッチング工程27で形成された市松模様配列の開口部50に対して画素ピッチP分ずれた配列で開口部50の中間に位置する、新たな市松模様配列の開口部66を形成するようにフォトレジスト層65にパターニングする(パターニング工程29)。なお、フォトレジスト層65を形成する条件、パターニングの条件はパターニング工程26と同様である。
[第2のエッチング工程]
そして、パターニング工程29の次は、フォトレジスト層65をマスクとしてドライエッチングするエッチング工程30を行う。このエッチング工程30では、図15に示すように、上述したエッチング工程27と同様、開口部形成ドライエッチング処理、残渣除去ドライエッチング処理、及び下層除去ドライエッチング処理を順次行う。すなわち、開口部形成ドライエッチング処理によって、黒色遮光層46には、フォトレジスト層65でマスクされていない箇所に開口部67が形成されるとともに、エッチングされた部分に残渣68が形成され(図15(A)に示す状態)、開口部形成ドライエッチング処理の後に残渣除去ドライエッチング処理を行うことで、開口部67に付着される残渣68が除去され(図15(B)に示す状態)、下層除去ドライエッチング処理でエッチングストッパー層45が除去される(図15(C)に示す状態)。なお、符号69は、エッチング工程30で黒色遮光層46とともに除去されたエッチングストッパー層45の開口部である。このエッチング工程30で形成された開口部67は、上述のエッチング工程27で形成された開口部50に対して画素ピッチP分ずれた配列で開口部50の中間に位置する市松模様状に形成され、且つ開口部50と同じ幅寸法Wとなるように形成される。これにより、図16に示すように、黒色遮光層46は、着色層が形成される領域に開口部50,67が形成された状態、すなわち第1〜第3の着色層の境界に対応する箇所を残した状態となる。なお、エッチング工程30の後は、第2のフォトレジスト除去工程31で、黒色遮光層46上、及び開口部50に残ったフォトレジスト層65を除去する。図17にフォトレジスト剥離後の形状を示す。
[第1色カラーフィルタ形成工程]
フォトレジスト除去工程31の後は、第1〜第3カラーフィルタ形成工程21〜23が順次行われる。第1色カラーフィルタ形成工程21は、先ず、第1の着色層形成工程32を行う。黒色遮光層46の形成方法と同様に、スピンコータを用いて、黒色遮光層46上全体、及び開口部50,67を埋めるように、第1色(例えばグリーン(G))に着色した着色剤含有組成物を塗布する。次に、ホットプレートを用いてポストベーク処理し、第1の着色層70を形成する(図18に示す状態)。
[平坦化工程]
次に、図19に示すように、少なくとも酸素ガスと窒素ガスとを混合した混合ガス(エッチングガス)を用いて、異方性エッチング処理を実施し、黒色遮光層46が露出するまで第1の着色層70を全面エッチング(エッチバック)処理で平坦化する(平坦化工程33)。黒色遮光層46は、あらかじめ第1の着色層70の設定膜厚と同じになるように形成されているため、黒色遮光層46が露出するまで第1の着色層70を平坦化処理すると、第1の着色層70を設定膜厚に形成することができる。
[エッチバック条件]
平坦化工程33で使用するドライエッチング装置としては、RIE装置49または上述したICPエッチャー装置を用いることが好ましい。また、フルオロカーボンガス、または塩素ガスのいずれかを含む混合ガス(プラズマガス)を用いて事前に設定したエッチング条件により、第1の着色層70を全面エッチング(エッチバック)する。そして、黒色遮光層46の表面が露出し、第1の着色層70と黒色遮光層46の膜厚が均一になった地点を終点として、エッチバック処理を完了する。
なお、平坦化工程33としてはこれに限らず、化学的機械研磨法(CMP法)を用いてもよい。研磨剤には、シリカ微粒子を分散したスラリーを使用し、研磨装置には、スラリー流量:100〜250ml/min、ウエハ圧:0.2〜5.0psi、ウエハ及び研磨パッド回転数:50〜300rpm、リテーナーリング圧:1.0〜2.5psi、研磨布からなる装置を使用することができる。研磨終了後、純水洗浄及び脱水ベーク処理を行うことで、次工程の塗布不良,剥がれなどの影響を排除することができる。
[第2色カラーフィルタ形成工程]
第2色カラーフィルタ形成工程21では、先ず、黒色遮光層46及び第1の着色層70上全体にフォトレジスト層71(図20参照)を形成する。次に、露光機のフォトマスクを用いて、第2の着色層74(第2色目;例えばブルー(B);図23参照)が形成されるべき領域を、パターニングしてフォトレジストを除去する(パターニング工程34)。図21は、このパターニング工程34を行った状態を示し、符号72は、パターニングで形成されたフォトレジスト層71の開口部である。
そして、第2の着色層74が形成されるべき領域を除去するエッチング工程35を行う。図22の符号73は、エッチングによって除去された第1の着色層70の開口部である。エッチング工程35の次は、残ったフォトレジスト層71の除去(フォトレジスト除去工程36)を行う。
フォトレジスト除去工程36の次は、図23に示すように、黒色遮光層46及び第1の着色層70上全体を覆うと共に、開口部73に埋め込むようにして、第2の着色層74(第2色目;例えばブルー(B))を形成する(着色層形成工程37)。次に、図24に示すように、平坦化工程33と同様の方法で、黒色遮光層46及び第1の着色層70が露出するまで第2の着色層74の全面を平坦化する(平坦化工程38)。平坦化工程38の後、続いて第3色カラーフィルタ形成工程23を行う。
[第3色カラーフィルタ形成工程]
第3色カラーフィルタ形成工程23は、上述した第2色カラーフィルタ形成工程22と同様のパターニング工程39、エッチング工程40、フォトレジスト除去工程41、着色層形成工程42、平坦化工程43を行う。先ず、黒色遮光層46、第1及び第2の着色層70,74上全体にフォトレジスト層(図示せず)を形成する。次に、フォトマスクを用いて、第3の着色層76(第3色目;例えばレッド(R);図25参照)が形成されるべき領域を、パターニングしてフォトレジストを除去する(パターニング工程39)。そして、第3の着色層76を形成しようとする領域を除去するエッチング工程40を行う。図25の符号75は、エッチングによって除去された第1及び第2の着色層70,74の開口部である。
エッチング工程40の次は、フォトレジスト層の除去工程(フォトレジスト除去工程41)で、フォトレジスト除去工程41の次は、第1及び第2の着色層70,74上全体を覆うと共に、開口部75に埋め込むようにして、第3の着色層(第3色目;例えばレッド(R))76を形成する(着色層形成工程42)。次に、図25に示すように、第1及び第2の着色層70,74が露出するまで第3の着色層76を平坦化する(平坦化工程43)。以上の工程により、第1〜第3の着色層70,74,76が配列され、境界線となる箇所に黒色遮光層46が形成されたカラーフィルタが製造される。
以上で説明したように、カラーフィルタ製造工程20では、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の開口部50を形成する第1のエッチング工程27、及び開口部50に対して所定ピッチ分ずれた配列で市松模様状の開口部67を形成して着色層の境界に合わせた箇所を残したブラックマトリクス(遮光壁)を形成する第2のエッチング工程30を行っているので、微細な遮光壁を形成することが可能であり、例えば画素ピッチPが1.0μm、開口部50,67の幅寸法Wが0.9μmの場合、ブラックマトリクスの線幅Dを0.1μmに形成することができる。
また、上記実施形態では、カラーフィルタアレイ形成工程(カラーフィルタ形成工程21〜23)において、ドライエッチング法を用いてカラーフィルタアレイを形成しているが、これに限らず、フォトリソ法を用いて、具体的には、特願2006−196622、特願2006−283454、特願2007−011291、特願2006−284363、特願2006−350428、特願2006−346108、特願2006−350429、特願2007−033576。に記載されている方法を用いて、これらの先行特許文献に記載された感光性組成物、もしくは熱硬化性組成物から形成することが好ましい。
なお、上記実施形態では、一回のエッチング工程につき3回のエッチング処理で、黒色遮光層の開口部形成、開口部の残渣除去、エッチングストッパー層の除去をそれぞれ行っているが、本発明はこれに限らず、一度のエッチング処理で、開口部の残渣除去、及びエッチングストッパー層の除去を同時に行い、1回分のエッチング処理を省略してもよい。この場合、開口部形成ドライエッチング処理は上記実施形態と同様に行い、残渣除去兼下層除去のドライエッチング処理で用いるエッチングガスとして、上述した第3の混合ガス、すなわち、C数が2以上から選択されるCxFyガス(フロロカーボンガス;x=2〜6、y=4〜8)と、酸素ガスとの混合ガスを用いる。また、混合比も上記で説明した第3の混合ガスと同様である。この第3の混合ガスを用いることで、残渣除去兼下層除去のエッチング処理で、黒色遮光層の開口部に形成された残渣と、エッチングストッパー層を同時に除去することが可能であり、高い精度でブラックマトリクスを形成することができる。
[黒色材含有組成物]
(1)組成物
本発明の組成物は、(A)着色剤、(B)熱硬化性化合物、(C)有機溶剤、を含有する着色剤である。なお、上記(A)〜(C)に加えて、添加剤として他の成分を含有してもよい。
前記(A)としては、以下の着色剤を挙げることができる。
(a)チタンブラック
本発明は、黒着色剤として、チタンブラックを含有する。
チタンブラックは、従来感光性樹脂組成物、特に遮光膜用感光性樹脂組成物に分散、溶解されている顔料・染料と比較して、赤外光領域の遮光能力が高いため、遮光膜の重ね合わせでは遮光できない、赤外光領域の遮光を確実に行うことができる。特に、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した遮光膜は赤外光領域の遮光性が高く、これを備える固体撮像素子の暗電流によるノイズを抑制することができる。また、チタンブラックは、黒着色剤として一般的に使用されるカーボンブラックと比較して、パターン形成のために照射するi線の吸収が小さいため、少ない露光量で硬化することができ、生産性の向上に寄与することができる。
チタンブラックは、チタン原子を有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性の向上や凝集性の抑制などの目的で必要に応じ、表面を化学修飾することが可能である。具体的には、チタンブラックの表面を酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質による表面処理も可能である。また、前記チタンブラックは、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を1種あるいは2種以上の組み合わせて含有してもよい。また、所望とする波長の遮光性を制御する目的で、既存の赤、青、緑、黄色、シアン、マゼンタ、バイオレット、オレンジ等の顔料、又は染料などの着色剤を添加することも可能である。
前記チタンブラックの市販品の例としては、(株)ジェムコ製(三菱マテリアル(株)販売)チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、赤穂化成(株)製ティラック(Tilack)Dなどが挙げられる。
前記チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタン又は水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)などがあるが、これらに限定されるものではない。
前記チタンブラックの粒子の粒子径に特に制限は無いが、分散性、着色性の観点、及び、固体撮像素子における歩留まりへの影響の観点から、平均粒子径(平均一次粒子径)が10〜150nmであることが好ましく、15〜100nmであることがより好ましく、20−80nmであることが特に好ましい。平均粒子径は、チタンブラックを適当な基板へ塗布し、走査型電子顕微鏡により観察することによって測定することができる。前記チタンブラックの比表面積は、特に限定がないが、チタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET法にて測定した値が約5〜150m2/gであることが好ましく、約20〜100m2/gであることがより好ましい。
(b)カーボンブラック
本発明では、黒着色剤として、チタンブラック単独での使用の他に、チタンブラックとカーボンブラックとを併用してもよい。カーボンブラックは、炭素の微粒子を含む黒色の微粒子であり、好ましい粒子は直径約3〜1,000nmの炭素の微粒子を含んでなるものである。また、該微粒子の表面には様々な炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン、無機原子などを含有する官能基を有することができる。また、カーボンブラックは目的とする用途に応じて、粒子径(粒の大きさ)、ストラクチャー(粒子のつながり)、表面性状(官能基)をさまざまに変えることにより特性を変化させることができる。黒度や樹脂との親和性を変えたり、導電性を持たせたることも可能である。
前記カーボンブラックの具体例としては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイ ヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP。キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908。旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、 PrintexV、Printex140U、Printex140V等を挙げることができる。
また、前記カーボンブラックは、絶縁性を有することが好ましいことがある。
絶縁性を有するカーボンブラックとは、下記のような方法で粉末としての体積抵抗を測定した場合、絶縁性を示すカーボンブラックのことである。この絶縁性は、例えば、カーボンブラック粒子表面に、有機物が吸着、被覆又は化学結合(グラフト化)しているなど、カーボンブラック粒子表面に有機化合物を有していることに基づく。即ち、カーボンブラックをベンジルメタクリレートとメタクリル酸がモル比で70:30の共重合体(重量平均分子量30,000)と20:80重量比となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテル中に分散し塗布液を調製し、厚さ1.1mm、10cm×10cmのクロム基板上に塗布して乾燥膜厚3μmの塗膜を作製し、さらにその塗膜をホットプレート中で220℃、約5分加熱処理した後に、JISK6911に準拠している三菱化学(株)製高抵抗率計、ハイレスターUP(MCP−HT450)で印加して、体積抵抗値を23℃相対湿度65%の環境下で測定する。そして、この体積抵抗値として、105Ω・cm以上、より好ましくは106Ω・cm以上、特に好ましくは107Ω・cm以上を示すカーボンブラックが好ましい。
上述のようなカーボンブラックとして、例えば、特開平11−60988号公報、特開平11−60989号公報、特開平10−330643号公報、特開平11−80583号公報、特開平11−80584号公報、特開平9−124969号公報、特開平9−95625号公報で開示されている樹脂被覆カーボンブラックを使用することができる。
チタンブラックと併用する黒着色剤の平均粒子径(平均一次粒子径)は、異物発生の観点、固体撮像素子の製造におけるその歩留まりへの影響の観点から、その平均一次粒子径は小さいことが好ましい。平均一次粒子径が50〜100nmが好ましく、50nm以下がより好ましく、30nm以下が好ましい。平均粒子径は、黒色色材を適当な基板へ塗布し、走査型電子顕微鏡により観察することにより測定することができる。
熱硬化性樹脂組成物中のチタンブラックの含有量は、特に限定されるものではないが、形成される遮光性フィルターの可視域〜赤外域(400〜1,600nm)における、平均透過率が1%以下となることが好ましい。RGB等の色分解フィルターとほぼ同じ膜厚で2.0以上の光学濃度が得られることが好ましい。感光性樹脂組成物の固形分中のチタンブラックの配合量は、10〜95重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。
本発明において、黒着色剤として、チタンブラック及びカーボンブラックに加えて、更にチタンブラック、カーボンブラック以外の黒着色剤を更に一種類を併用してもよい。
併用できる黒着色剤としては、各種公知の黒色顔料や黒色染料を用いることができるが、特に、少量で高い光学濃度を実現できる観点から、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイト等が好ましい。
その他の組成物としては、先述の着色組成物で用いる化合物を適用することができる。
[着色熱硬化性組成物の調液]
表1に示すような3種類の着色熱硬化性組成物を調液した。いずれも質量%で調整した。
(着色熱硬化性組成物1)
着色剤)チタンブラック、固形分中比率:58.8質量%
固形分)20.0質量%
硬化性成分)12.0質量%
(着色熱硬化性組成物2)
着色剤)チタンブラックおよびカーボンブラック、混合比率=6:5
固形分中比率:66.0質量%
固形分)20.0質量%
硬化性成分)12.0%
(着色熱硬化性組成物3)
着色剤)カーボンブラック、固形分中比率:62.5質量%
固形分)20.0質量%
硬化性成分)12.0%
Figure 2010134353
[実施例1]
本発明のカラーフィルタ製造工程を適用し、以下の工程を経てカラーフィルタを形成する。
(a)支持体上に、エッチングストッパー層として酸化シリコン層を膜厚70nmで形成し(エッチングストッパー層形成工程)、酸化シリコン層上に、着色熱硬化性組成物1をスピンコート法で塗布し、ホットプレートで乾燥させて膜厚400nmの黒着色層を形成する(黒色遮光層形成工程)。
(b)次に、黒着色層上に、i線用フォトレジスト(Fhi622BC;富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚800nmで形成する。
(c) 続いて、i線ステッパーFPA―3000(キヤノン社製)を用いて、露光・現像し、フォトレジストに隣合う配列同士を画素ピッチ分ずらした市松模様状のパターンを形成する(パターニング工程)。
(d)次に、フォトレジストをエッチングマスクとして第1〜第3のドライエッチング処理からなるエッチング工程を行い、黒着色層に市松模様状で配列された縦横幅0.9μmの開口部を形成する。エッチング条件は以下の表2に記載されたものを用いる。なお、第1のエッチング処理は、黒色遮光層に矩形の開口部を形成し、第2のエッチング処理は、開口部に付着した残渣を除去し、第3のエッチング処理は、酸化シリコン層(エッチングストッパー層)を除去する。
Figure 2010134353
(e)次に、黒着色層上、及び開口部を埋めるようにi線フォトレジストを形成する。
(f)そして、i線ステッパーを用いて、露光・現像し、(d)で形成した市松模様の開口部に対して画素ピッチ分ずらした新たな市松模様配列の開口部を形成し、着色層間の境界に合わせた箇所を残すようにパターンを形成する(パターニング工程)。
(g)次に、フォトレジストをエッチングマスクとして第1〜第3のドライエッチング処理からなるエッチング工程を行い、このエッチング工程で残った黒着色層が線幅0.1μmでブラックマトリクス(遮光壁)を形成する。なお、エッチング条件は、上記(d)と同様である。
(h)フォトリソ法を用いて、開口部を埋めるように着色層を配列して形成し、画素ピッチ1.0μmで、線幅0.1μmのブラックマトリクスを有するカラーフィルタを形成する。
[比較例1]
従来のカラーフィルタ製造方法、且つKrF線露光ステッパーを用いた製造工程を適用し、以下の工程を経て従来のカラーフィルタ、すなわち、着色層と同じ層、且つ着色間の境界にブラックマトリックスを有するカラーフィルタを形成する。
(a)支持体上に、酸化シリコン層(エッチングストッパー層)を膜厚70nmで形成し、酸化シリコン層上に着色熱硬化性組成物1を塗布・加熱して、黒着色層を膜厚400nmで形成する。
(b)黒着色層上に、KrFフォトレジストを膜厚800nmで形成する。
(c)次にKrF露光ステッパーで露光・現像し、線幅0.1μmのマトリックスパターンを形成する。
(d)KrFフォトレジストをマスクとして、ドライエッチング法を用いて、黒着色層に開口部を形成し、線幅0.1μmのブラックマトリックスを形成する。なお、エッチング処理の条件としては、上記実施例1で用いた表2の条件と同様である。
(e)次いで、RGBカラーフィルタを、フォトリソ法を用いて積層し、着色層間にブラックマトリックスを有するRGBカラーフィルタを形成する。
以上の条件で製造したカラーフィルタの評価は以下の表3のようになる。なお、評価項目は、生産性、微細化、寸法精度とした。評価方法としては、生産コストは、従来の製造工程に新規に加算されるコスト(装置設備費用、材料)を算出し、従来コストと比較して評価し、評価基準としては、従来コストより10%以下の増加であれば○、10%を超え、30%以下の増加であれば△、30%を超える増加の場合は×とした。また、微細化は、電子顕微鏡でマトリックスパターンの線幅を測長し評価した。評価基準は、線幅0.2μm以下であれば○、0.2μmを超え、0.5μmの場合は△、0.5μmを超える場合は×とする。、寸法精度は、電子顕微鏡で1画素の周辺を囲む縦横4辺のブラックマトリクス線幅の均一性を側長して評価した。評価基準は、4辺いずれかが所望の線幅(0.1μm)に対して0.025μm以下の差であれば○、差が0.025μを超え、0.05μm以下の場合を△、差が0.05μmを超える場合を×とした。また、総合評価は、○;良好、△;採用可、×採用不可とした。
Figure 2010134353
以上の条件で製造したカラーフィルタの黒色遮光層(ブラックマトリックス)について、上記表3に示すように、実施例1については、全ての項目で良好、または使用可の評価であるため、総合評価も良好である。よって、実施例1では、高い精度の矩形性、微細加工でブラックマトリクスが形成されつつ、ローコスト化の要求が満たされている。これに対して、比較例1では微細化、寸法精度の要求は満たされているものの生産性が悪くなり、コスト増加の原因となるため総合評価でも採用不可となっている。
固体撮像装置の要部断面図である。 カラーフィルタ及びブラックマトリックスの配列を示す平面図である。 カラーフィルタ製造工程を説明する工程図である。 黒色遮光層及びフォトレジスト層を形成した状態を示す断面図である。 黒色遮光層に第1のパターニング工程を行った状態を示す断面図である。 黒色遮光層にパターニングを行った状態を示す平面図である。 ドライエッチング装置の概略図である。 黒色遮光層に第1のエッチング工程を行った状態を示す説明図である。 エッチング工程で行われる各処理を説明する工程図である。 黒色遮光層に第1のエッチング工程を行った状態を示す平面図である。 第1のエッチング工程後、フォトレジストが除去された状態を示す断面図である。 黒色遮光層上及び開口部内にフォトレジスト層が形成された状態を示す断面図である。 黒色遮光層に第2のパターニング工程を行った状態を示す断面図である。 黒色遮光層に第2のパターニング工程を行った状態を示す平面図である。 黒色遮光層に第2のエッチング工程を行った状態を示す説明図である。 黒色遮光層に第2のエッチング工程を行った状態を示す平面図である。 第2のエッチング工程後、フォトレジストが除去された状態を示す断面図である。 第1の着色層が形成された状態を示す説明図である。 第1の着色層を形成した後、平坦化工程が行われた状態を示す説明図である。 黒色遮光層及び第1の着色層上にフォトレジスト層が形成された状態を示す断面図である。 フォトレジスト層に第2の着色層を形成しようとする領域のパターニング工程を行った状態を示す説明図である。 第2の着色層を形成する領域のエッチング工程が行われるときの状態を示す説明図である。 第2の着色層を形成した状態を示す断面図である。 第2の着色層を形成した後、平坦化工程が行われた状態を示す断面図である。 第3の着色層を形成した後、平坦化工程が行われた状態を示す説明図である。
符号の説明
10 固体撮像装置
13B B色カラーフィルタ
13G G色カラーフィルタ
13R R色カラーフィルタ
14 ブラックマトリックス
44 支持体
46 黒色遮光層
47 第1のフォトレジスト層
50 第1の開口部
65 第2のフォトレジスト層
67 第2の開口部

Claims (5)

  1. 支持体上に、少なくとも2色以上の着色層を配列するとともに、前記着色層の境界に合わせた箇所に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を配してなるカラーフィルタの製造方法であって、
    支持体上に前記黒色斜光層を形成する黒色遮光層形成工程と、
    ドライエッチング処理によって、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の第1の開口部を前記黒色斜光層に形成する第1の開口部形成エッチング工程と、
    前記第1の開口部に対して前記所定ピッチ分ずれた配列で、隣合う前記第1の開口部の中間に位置する市松模様状の第2の開口部を前記黒色斜光層に形成して、前記着色層の境界に合わせた箇所を残したブラックマトリクスを形成する第2の開口部形成エッチング工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 支持体上に、少なくとも2色以上の着色層を配列するとともに、前記着色層の境界に合わせた箇所に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を配してなるカラーフィルタの製造方法であって、
    前記支持体層上に、黒着色剤が分散された組成物からなる黒色遮光層を形成する黒色遮光層形成工程と、
    前記黒色遮光層上に第1のフォトレジスト層を形成して、隣合う配列同士を所定ピッチずらした市松模様状の第1のパターンを形成する第1のパターニング工程と、
    ドライエッチング処理によって、前記第1のフォトレジスト層をマスクとして市松模様状の第1の開口部を形成する第1の開口部形成エッチング工程と、
    前記黒色斜光層及び前記第1の開口部を埋めるように第2のフォトレジスト層を形成して、前記第1の開口部に対して前記所定ピッチ分ずれた配列で、隣合う前記第1の開口部の中間に位置する市松模様状の第2のパターンを形成する第2のパターニング工程と、
    ドライエッチング処理によって、前記第2のフォトレジスト層をマスクとして前記第1の開口部に対して前記所定ピッチずらした位置の市松模様状の第2の開口部を形成して、前記着色層の境界に合わせた箇所を残してブラックマトリクスを形成する第2の開口部形成エッチング工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記黒着色剤は、チタンブラックであることを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記ドライエッチング処理は、少なくともハロゲン化合ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載のカラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを備えたことを特徴とする固体撮像装置。
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