以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施の形態に係る固体撮像装置及びその製造方法は、カラーフィルタの構成及びその製法に特徴を有するものである。本実施の形態に係るカラーフィルタの構成及びその製法は、CMOS固体撮像装置、CCD固体撮像装置のいずれにも適用できるが、これに限らない。
本実施の形態に適用されるCMOS固体撮像装置の概略構成を説明する。このCMOS固体撮像装置は、図示しないが、半導体基板例えばシリコン基板に複数の光電変換素子を含む画素が規則的に2次元的に配列された撮像領域と、周辺回路部とを有して構成される。画素は、光電変換素子となる例えばフォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタの4つのトランジスタで構成することができる、その他、例えば選択トランジスタを省略して3つのトランジスタで構成することもできる。周辺回路部は、垂直駆動回路と、カラム信号処理回路と、水平駆動回路と、出力回路と、制御回路などを有して構成される。
制御回路は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路、カラム信号処理回路及び水平駆動回路などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。これらの信号は、垂直駆動回路、カラム信号処理回路及び水平駆動回路等に入力する。
垂直駆動回路は、例えばシフトレジスタによって構成される。垂直駆動回路は、撮像領域の各画素を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線を通して各画素の光電変換素子(フォトダイオード)において受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路に供給する。
カラム信号処理回路は、画素の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素から出力される信号を画素列ごとに黒基準画素(有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によってノイズ除去や信号増幅等の信号処理を行う。カラム信号処理回路の出力段には水平選択スイッチが水平信号線との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路の各々から画素信号を水平信号線に出力させる。
出力回路は、カラム信号処理回路の各々から水平信号線を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。
画素が形成された基板の上方には、層間絶縁膜を介して多層配線層が形成され、その上に平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ、さらにその上にオンチップマイクロレンズが形成される。撮像領域の画素部以外の領域、より詳しくは、周辺回路部と撮像領域のフォトダイオード(いわゆる受光部)を除く他部領域とに遮光膜が形成される。この遮光膜は、例えば多層配線層の最上層の配線層で形成することができる。
次に、本実施の形態に適用されるCCD固体撮像装置の概略構成を説明する。CCD固体撮像装置は、図示しないが、半導体基板例えばシリコン基板に形成された複数の光電変換素子と、各光電変換素子列に対応したCCD構造の垂直転送レジスタと、水平転送レジスタと、出力部と、信号処理回路を構成する周辺回路部とを有して構成される。光電変換素子は、例えばフォトダイオードで形成され、規則的に2次元的に配置される。垂直転送レジスタは、拡散層による転送チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して転送電極を形成して構成される。各フォトダイオードとこれに対応する部分の垂直転送レジスタとで単位画素が形成される。フォトダイオードと垂直転送レジスタで撮像領域が構成される。水平転送レジスタは、垂直転送レジスタの端部に配置され、同様に拡散層による転送チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して転送電極を形成して構成される。出力部は水平転送レジスタの最終段に接続される。撮像領域の画素部以外の領域、より詳しくは、周辺回路部と、撮像領域のフォトダイオードを除く領域部と、水平転送レジスタと、出力部とに遮光膜が形成される。遮光膜は、転送電極を覆うように形成される。さらに上方には、平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ及びその上のオンチップマイクロレンズが形成される。
CCD固体撮像装置では、フォトダイオードで光電変換されて生成された信号電荷を垂直転送レジスタに読み出して、垂直方向に転送し、1ライン毎の信号電荷を水平転送レジスタに転送する。水平転送レジスタでは、信号電荷を水平方向に転送し、出力部を介して画素信号に変換して出力される。出力された画素信号は、周辺回路部の信号処理回路を通じて画像信号として取り出される。なお、上例のCCD固体撮像装置は、インターライン転送(IT)方式の固体撮像装置である。上例のCCD固体撮像装置は、その他、撮像領域と水平転送レジスタとの間にさらに垂直転送レジスタのみで形成された蓄積領域を備えたフレームインターライン転送(FIT)方式の固体撮像装置にも適用される。
そして、本実施の形態に係る固体撮像装置及びその製造方法、特にそのカラーフィルタ及びその形成方法は、上述のCMOS固体撮像装置及びCCD固体撮像装置のいずれにも適用されるものである。以下の各実施の形態の説明するカラーフィルタは、第1色目、第2色目及び第3色目のフィルタ成分を有して構成される。以下の各実施の形態では、第1色目フィルタ成分、第2色目フィルタ成分及び3色目フィルタ成分を、それぞれグリーンフィルタ成分、レッドフィルタ成分及びブルーフィルタ成分としているが、これに限らず、任意の色フィルタ成分とすることが可能である。
<第1実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図1に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第1実施の形態を示す。第1実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図1に示すカラーフィルタ1が形成されて成る。このカラーフィルタ1は、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。つまり、カラーフィルタ1は、グリーンフィルタ成分2Gが市松状に配列され、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bが線順次に配列されたパターンを有する。
このカラーフィルタ1においては、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。すなわち、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。そのうち、グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ単位フィルタ成分でみると、グリーンフィルタ成分2Gより面積が小さく、それぞれグリーンフィルタ成分2G囲まれて独立に形成される。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成されている。各フィルタ成分2R,2G,2Bを形成する材料としては、材料固形分中に感光成分を含まない材料が用いられる。フィルタ成分材料としては、顔料分散液とバインダー樹脂とモノマーと光重合開始剤と溶剤とから成る光硬化型材料で構成することができる。あるいは、フィルタ成分材料としては、顔料分散液とバインダー樹脂と熱硬化剤と溶剤とから成る熱硬化型材料で構成することができる。
バインダー樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂や、それらの共重合系樹脂を用いることができる。熱硬化剤としては、例えばメラミン系硬化剤、尿素系硬化剤、エポキシ系硬化剤などを用いることができる。溶剤としては、例えば乳酸エチル及びジメチルホルムアミドを用いることができる。
第1実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成される。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。また、各フィルタ成分2R、2G、2Bは、上述の光硬化形材料あるいは熱硬化型材料で塗布形成されるので、従来一般のリソグラフィ技術を用いたときの露光不足による剥離強度の劣化はなく、剥離されることがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
各色フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、フィルタ成分材料としては、感光成分を含む材料若しくは、感光成分を含まない材料が用いられる。感光性成分を含まない材料を用いた場合には、フィルタ膜厚を薄くすることができ、その分、感度特性を向上することができる。
[固体撮像装置の製造方法例、特にカラーフィルタの形成方法例]
次に、図2〜図7を用いて、第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ1の形成方法の実施の形態を説明する。図2〜図4の断面は、図1のa−a′線上(グリーン−レッド列)、b−b′線上(グリーン−ブルー列)の断面に対応する。
先ず、図2に示すように、第1色目のフィルタ成分を形成する。本例ではグリーンフィルタ成分2Gを形成する。
すなわち、図2Aに示すように、基板5上の全面に所要の厚み、すなわち各色のフィルタ成分の厚さに対応した厚みtのハードマスク6を成膜する。図は撮像領域を示している。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。つまり、この基板5の表面は、カラーフィルタが形成される前の光電変換素子を有する複数の画素が配列された撮像領域の表面に相当する。ハードマスク6としては、例えばポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはシリコン酸窒化膜などが用いられる。
次に、図2B(図1のa−a′線上の断面に相当)に示すように、ハードマスク6上に、形成すべきグリーンフィルタ成分に対応する部分に開口部8を有するレジストマスク7を形成する。レジストマスク7は、ハードマスク6のドライエッチング用マスクである。レジストマスク7は、フォトレジスト膜を形成し、所要パターンの光学マスクを介して露光し、現像する、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて形成される。
次に、図2Cに示すように、レジストマスク7の開口部8に臨むハードマスク6を、例えば反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性ドライエッチングにより選択的に除去する。この選択エッチングによりハードマスク6には、第1色フィルタ成分、本例ではグリーンフィルタ成分を形成すべき領域に開口部9が形成される。
次に、図2Dに示すように、不要となったレジストマスク7をアッシング処理とウェット洗浄等により除去する。
次に、図2Eに示すように、ハードマスク6の全面にグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、材料固形分中に感光成分を含まない材料であり、本例では前述した熱硬化型材料が用いられる。グリーンフィルタ成分材料11Gを塗布した後、150℃〜220℃程度のホットプレート上で、1分〜10分程度の熱処理を施して、グリーンフィルタ成分材料11Gを熱硬化する。
次に、図2Fに示すように、グリーンフィルタ成分材料11Gに対してハードマスク6の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、グリーンフィルタ材料11Gの上面を除去する。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。図5は、図2Fで形成されたグリーンフィルタ成分2Gのパターンを示す平面図である。図5から判るように、グリーンフィルタ成分2Gは、単位成分が四角形状をなして全体として市松状に配列しているが、隣接するグリーンフィルタ成分2Gの四隅部12が接触するように連続一体に形成される。残されたハードマスク6は、グリーンフィルタ成分2Gにより周囲が囲まれた状態となる。これは、後述する第2色目、第3色目のフィルタ成分であるレッド、ブルーの各色フィルタ成分の形成時にハードマスク6を各色単独でエッチングするためである。
次に、図3に示すように第2色目のフィルタ成分を形成する。図3ではレッドフィルタ成分を第2色目としたが、ブルーフィルタ成分を第2色目としても良い。
すなわち、図3Aに示すように、図2F及び図5の状態から、グリーンフィルタ成分2G及びハードマスク6を有する表面上に、形成すべきレッドフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6上に開口部13を有するレジストマスク14を形成する。グリーンフィルタ成分2G及び形成すべきブルーフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6は、レジストマスク14で被覆される。レジストマスク14は、前述と同様にフォトリソグラフィー法を用いて形成される。ここで、レジストマスク14は、その開口部13のエッジ部がハードマスク6より内側となるようなパターンに形成する。すなわち、開口部13の幅w1はハードマスク6の幅w2より小さく(w1<w2)形成する。この開口部13をハードマスク6より内側に形成するのは、次に行うドライエッチングからグリーンフィルタ成分2Gを保護するためである。
次に、図3Bに示すように、レジストマスク14を介して、開口部13に露出したハードマスク6を等方性ドライエッチングにより除去する。このとき用いるエッチング装置は、CDE(Chemical Dry Etch)装置を用いる。このエッチング装置を用いることで、ハードマスク6より内側に形成されたレジストマスク14の下側にもエッチングガスが回り込み易くなりハードマスク6を全てエッチング除去することができる。エッチングガスとしては、CF4+O2ガスあるいはCF4+O2+N2などを用いることができる。ハードマスク6の除去により開口部15が形成される。
次に、図3Cに示すように、不要になったレジストマスク14を、有機溶剤を用いて除去する。このレジストマスク14の除去工程では、グリーンフィルタ成分2Gへのダメージを考慮する必要がある。ハードマスク6のドライエッチンでは、レジストマスク14の表面に硬化層(変質層)が形成され易い。従って、この場合、この硬化層などの影響により、有機溶剤での除去が困難であれば、フロロカーボン系のガスと酸素を含むガスにより硬化層を除去した後に、有機溶剤を用いてレジストマスク14を除去しても構わない。
有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等の単独溶剤又は、2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
次に、図3Dに示すように、グリーンフィルタ成分2G、ハードマスク6及び開口部15含む表面全面にレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。レッドフィルタ成分材料11Rは、材料固形分中に感光成分を含まない材料であり、本例では前述した熱硬化方材料が用いられる。レッドフィルタ成分材料11Rを塗布した後、150℃〜220℃程度のホットプレート上で、1分〜10分程度の熱処理を施して、レッドフィルタ成分材料11Rを熱硬化する。
次に、図3Eに示すように、レッドフィルタ成分材料11Rに対してハードマスク6及びグリーンフィルタ成分2Gの表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、レッドフィルタ成分材料11Rの上面を除去する。このようにして、レッドフィルタ成分2Rを形成する。図6は、図3Eで形成されたレッドフィルタ成分2Rと、先に形成されたグリーンフィルタ成分2Gのパターンを示す平面図である。図6から判るように、レッドフィルタ成分2Rは、単位成分が四角形状をなして周囲をフリーンフィルタ成分2Gで囲まれるように形成される。
ブルーフィルタ成分が形成されるべき領域には、ハードマスク6が残っている。
次に、図4に示すように、第3色目のフィルタ成分を形成する。図4ではブルーフィルタ成分2Bを第3色目としたが、レッドフィルタ成分2Rを第3色目としても良い。
すなわち、図4Aに示すように、図3E及び図6の状態から、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びハードマスク6を有する表面上に、残りのハードマスク6上に開口部16を有するレジストマスク17を形成する。グリーンフィルタ成分2G上及びレッドフィルタ成分2Rは、レジストマスク17で被覆される。レジストマスク17は、前述と同様にフォトリソグラフィー法を用いて形成される。そして、レジストマスク17は、その開口部16のエッジ部がハードマスク6の内側となるようなパターンに形成する。すなわち、前述の図3Aと同様に、開口部16の幅w1はハードマスク6の幅w2より小さく(w1<w2)形成する。この開口部16をハードマスク6より内側に形成するのは、次に行うドライエッチングからグリーンフィルタ成分2G及びレッドフィルタ成分2Rを保護するためである。
次に、図4Bに示すように、レジストマスク17を介して、開口部16に露出したハードマスク6を等方性ドライエッチングにより除去する。このとき用いるエッチング装置は前述と同様にCDE装置を用いる。ハードマスク6は全て除去され、グリーンフィルタ成分2Gに囲まれた開口部18が形成される。
次に、図4Cに示すように、不要になったレジストマスク17を、有機溶剤を用いて除去する。有機溶剤として、前述した有機溶剤を用いることができる。この時、硬化層などの影響により、レジストマスク17の有機溶剤での除去が困難であれば、フロロカーボン系のガスと酸素を含むガスにより硬化層を除去した後に、有機溶剤を用いてレジストマスク17を除去しても構わない。
次に、図4Dに示すように、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及び開口部18を含む表面全面にブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。ブルーフィルタ成分材料11Bは、材料固形分中に感光成分を含まない材料であり、本例では前述した熱硬化方材料が用いられる。ブルーフィルタ成分材料11Bを塗布した後、150℃〜220℃程度のホットプレート上で、1分〜10分程度の熱処理を施して、ブルーフィルタ成分材料11Bを熱硬化する。
次に、図4Eに示すように、ブルーフィルタ成分材料11Bに対してグリーンフィルタ成分2G及びレッドフィルタ成分2Rの表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、ブルーフィルタ成分材料11Bの上面を除去する。これによりブルーフィルタ成分2Bを形成する。
このようにして、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ1を得る。図7は、図4Eで形成されたグリーン、レッド及びブルーの各色フィルタ成分2G,2R及び2Bのパターンを示す平面図である。図7から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
上例では、各色フィルタ成分材料11G,11R,11Bとして、熱硬化材料を用いたが、前述した光硬化材料を用いることができる。この場合には光硬化材料をスピン塗布した後、紫外線などを光照射して硬化するようになす。また、光照射処理に加えて熱処理を行なっても構わない。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ1の形成方法によれば、ハードマスク6を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成している。これにより、カラーフィルタの寸法精度や重ね合わせ精度が向上し、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
また、従来用いられている顔料分散型フォトレジストは、組成中に顔料色素を含むため、半導体用途などの加工や、イオン注入用途として用いられる一般的なフォトレジストと比較して、解像度特性が劣る。これに対し、本実施の形態によれば、ハードマスクのパターニングに、高解像度レジストを用いることができ精度面で有利となる。また、顔料色素を含むレジストをステッパーでアライメントする際、色素によるアライメント光の吸収があるためにアライメント精度にも不利となる。しかし、本実施の形態により、これを解消することができる。
すなわち、従来のカラーフィルタ材料は、顔料色素を含むレジストが用いられ、i線などの紫外線でステッパーにより露光し、現像してパターン形成を行っている。露光装置のアライメント性能は、KrFやArFなどのエキシマレーザを用いたステッパーの方がよいとされている。しかし、エキシマレーザ光は、カラーフィルタ材料中の色素の影響、つまり光吸収により、露光感度が著しく低下し、良好なパターン形成ができない。本実施の形態によれば、フィルタ成分材料に感光性が不要であるので、ハードマスクのみのパターン形成ができればよく、よりアライメント精度のよい、エキシマレーザステッパーを用いることができる。このように、本実施の形態に係るカラーフィルタの形成方法は、加工精度を向上することができる。
本実施の形態では、各色フィルタ成分材料11G,11R,11Bが感光成分を含まない熱硬化方材料、あるいは光硬化方材料を用いている。このため、従来のフォトリソグラフィーを用いてパターニングする感光性材料に比べて、各色フィルタ成分2R、2G、2Bの膜厚を薄膜化することができる。これにより、固体撮像装置の感度特性の向上、輝度シェーディングの抑制が可能となる。
グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、各色フィルタ成分2G,2R、2Bは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態のカラーフィルタは、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
ハードマスク6がパターニングされ、凹凸が形成されるので(図2参照)、グリーン、レッド、ブルーの各フィルタ材料の密着性が増大する。また、各フィルタ材料は、露光によるパターニングを行う必要がなく、充分な露光や、熱処理のみで硬化される。従って、各色フィルタ成分2G、2R、2Bの密着性が向上する。
<第2実施の形態>
[カラーフィルタの構成例]
図8に、本発明の固体撮像装置に適用されるカラーフィルタの第2実施の形態を示す。本実施の形態に係るカラーフィルタ21は、各色フィルタ成分2R、2G及び2Bをいわゆる斜め配列して構成される。本実施の形態のカラーフィルタ21は、水平・垂直方向に対して45度斜めに傾斜するように、一列置きにグリーンフィルタ成分2Gの列が配置され形成される。また、この列と直交するように即ち水平・垂直方向に対して−45度に斜めに傾斜するように、一列置きにグリーンフィルタ成分2Gが配置される。さらに各交叉するグリーンフィルタ成分2Gに囲まれた空間領域に配置されるように、それぞれ垂直方向に沿って一行置きに交互にレッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bが形成される。
[カラーフィルタの形成方法例]
第2実施の形態のカラーフィルタ21の形成は、前述した第1実施の形態に係るカラーフィルタ形成方法を用いて形成することができる。このカラーフィルタ21及びその形成方法においても、前述した第1実施の形態と同様の効果を奏する。
<第3実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図9に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第3実施の形態を示す。第3実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図9に示すカラーフィルタ23が形成されて成る。このカラーフィルタ23は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ23は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2Gの表面及び側面、さらに各独立するレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bの底面に連続するように、可視光領域に実質的に透明な無機膜24が形成される。無機膜24としては、例えば低温プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸炭化(SiOC)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、膜厚は、200nm以下程度が適当である。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成されている。グリーンフィルタ成分2Gを形成する材料は、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料もしくは、含まない材料が用いられる。一方、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bを形成する材料は、感光性フィルタ材料が用いられる。
第3実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成される。また、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gの膜厚にほぼ揃うように、精度よく平滑化することができる。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
各フィルタ成分2Rと2Gの境界、各フィルタ成分2Bと2Gの境界に、無機膜24が形成されるので、各色素の相互拡散が防止され、且つ各フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、グリーンフィルタ成分材料として、感光成分を含まない材料を用いた場合には、カラーフィルタの膜厚を薄くすることができ、感度特性を向上することができる。
グリーンフィルタ成分2G上に無機膜24が形成される。グリーンフィルタ成分を分光特性に優れる染料系の色素を含むフィルタ材料で形成するときは、上面に無機膜24が形成されているので、グリーンフィルタの耐光性が向上する。レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、染料を含むフィルタ材料に比べて耐光性に優れた顔料系の色素を含むフィルタ材料で形成することができる。
[固体撮像装置の製造方法例、特にカラーフィルタの形成方法例]
次に、図10〜図15を用いて、第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ23の形成方法の実施の形態を説明する。図10〜図12の断面は、図9のa―a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図10に示すように、第1色目のフィルタ成分を形成する。本例ではグリーンフィルタ成分2Gを形成する。この第1色目フィルタ成分の形成工程は、第1実施の形態で説明したと同様である。
すなわち、図10Aに示すように、基板5上の全面にカラーフィルタの厚さに対応した厚みtのハードマスク6を成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。ハードマスク6としては、例えばポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはシリコン酸窒化膜などの無機膜が用いられる。
次に、図10Bに示すように、ハードマスク6上に、形成すべきグリーンフィルタ成分に対応する部分に開口部8を有するレジストマスク7を形成する。レジストマスク7は、フォトリソグラフィー法を用いて形成される。
次に、図10Cに示すように、レジストマスク7の開口部8に臨むハードマスク6を、例えば反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性ドライエッチングにより選択的に除去する。この選択エッチングによりハードマスク6には、グリーンフィルタ成分を形成すべき領域に開口部9が形成される。
次に、不要となったレジストマスク7をアッシング処理とウェット洗浄等により除去した後、図10Dに示すように、ハードマスク6の全面にグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布は、スピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、材料固形分中に感光成分を含まない材料を用いた場合には、本例では前述した熱硬化型材料が用いられる。グリーンフィルタ成分材料11Gを塗布した後、150℃〜220℃程度のホットプレート上で、1分〜10分程度の熱処理を施して、グリーンフィルタ成分材料11Gを熱硬化する。また、フィルタ成分に感光成分を含む場合には、紫外線照射により光硬化する。
次に、図10Eに示すように、グリーンフィルタ成分材料11Gに対してハードマスク6の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、グリーンフィルタ材料11Gの上面を除去する。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。図13は、図10Eで形成されたグリーンフィルタ成分2Gのパターンを示す平面図である。グリーンフィルタ成分2Gは、単位成分が四角形状をなして全体として市松状に配列しているが、隣接するグリーンフィルタ成分2Gの四隅部12が接触するように連続一体に形成される。残されたハードマスク6は、グリーンフィルタ成分2Gにより周囲が囲まれた状態となる。
次に、図11に示すように、第2色目フィルタ成分を形成する。図11ではレッドフィルタ成分を第2色目としたが、ブルーフィルタ成分を第2色目としても良い。
すなわち、図11Aに示すように、図10E及び図13の状態から、グリーンフィルタ成分2G及びハードマスク6を有する全面上に、ハードマスク6に対応する部分に開口部13を有するレジストマスク14を形成する。そして、レジストマスク14を介して等方性ドライエッチングにより、ハードマスク6を除去する。開口部13の幅w1はハードマスク6の幅w2より小さく(w1<w2)形成する。この開口部13をハードマスク6より内側に形成するのは、ドライエッチングからグリーンフィルタ成分2Gを保護するためである。
次に、図11Bに示すように、不要になったレジストマスク14を、有機溶剤を用いて除去する。有機溶剤は第1実施の形態で説明した溶剤を用いる。図11A〜図11Bまでの工程は、第1実施の形態で説明したと同様である。
次に、図11Cに示すように、グリーンフィルタ成分2Gの上面及び側面、ハードマスク6が除去された開口部15の底面を含む全面に無機膜24を形成する。この無機膜24はフィルタ成分の膜厚より薄い200nm以下の薄膜であり、成膜温度は150℃〜250℃程度が好ましい。無機膜24は、例えば低温プラズマ成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。図14は、図11Cで形成された無機膜24及びグリーンフィルタ成分2Gのパターンを示す平面図である。
次に、図11Dに示すように、開口部15内に埋め込むように、無機膜24が形成されたグリーンフィルタ成分2G及び開口部15を含む表面全面にレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。レッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
次に、図11Eに示すように、レッドフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、レッドフィルタ成分材料11Rに対して、露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部15の面積より少し広い領域を露光する。従って、レッドフィルタ成分2Rは、無機膜24を介して一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図12に示すように、第3色目のフィルタ成分であるブルーフィルタ成分を形成する。図12ではブルーフィルタ成分を第3色目としたが、レッドフィルタ成分を第3色目としても良い。
すなわち、図12Aに示すように、残りの開口部15内に埋め込むように、無機膜24が形成されたグリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及び残りの開口部15を含む表面全面にブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。ブルーフィルタ成分材料11Bは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
次に、図12Bに示すように、ブルーフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、ブルーフィルタ成分材料11Bに対して、露光し、現像してブルーフィルタ成分2Bを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部15の面積より少し広い領域を露光する。従って、ブルーフィルタ成分2Bは、無機膜24を介して一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図12Cに示すように、レッドフィルタ成分材料2R及び、ブルーフィルタ成分材料2Bを、無機膜24の表面が露出するまで、エッチバックあるいは化学機械研磨(CMP)法を用いて、平滑化する。
このようにして、無機膜24を有し、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ23を得る。図15は、図12Cで形成されたグリーン、レッド及びブルーの各色フィルタ成分2G,2R及び2Bのパターンを示す平面図である。図15から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ23の形成方法によれば、ハードマスク6を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成している。また、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bの形成前に全面に無機膜24を形成し、レッド及びブルーのフィルタ成分2R及び2Bを形成した後、両フィルタ成分2R、2Bを無機膜24をストッパ膜として平坦化している。これにより、カラーフィルタの寸法精度や重ね合わせ精度が向上し、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、グリーンフィルタ成分2Gは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態のカラーフィルタは、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
ハードマスク6がパターニングされ、凹凸が形成されるので(図10参照)、グリーンフィルタ成分2Gは、第1実施の形態と同様に、密着性が向上する。レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、フリーンフィルタ成分2Gの形成後に開口部15に埋め込まれる。このため、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、その底面、側面に密着面が存在し、接着面積が増大するので、密着性が向上する。
上述の第3実施の形態のストッパ機能を有する無機膜24は、ベイヤー配列のカラーフィルタ23に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第4実施の形態>
[固体撮像装置、特にカラーフィルタの構成例]
図16に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第4実施の形態を示す。第4実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図16に示すカラーフィルタ26が形成されて成る。このカラーフィルタ26は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ26は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bの表面及び側面、さらにグリーンフィルタ成分底面に連続するように、可視光領域に実質的に透明な無機24が形成される。無機膜24としては、第3実施の形態で説明した通り、例えば低温プラズマCVD成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸炭化(SiOC)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、膜厚は、200nm以下程度が適当である。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、グリーンフィルタ成分は、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bに対してセルファライメントで形成されている。グリーンフィルタ成分2Gを形成する材料は、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料が用いられる。一方、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bを形成する材料は、感光性フィルタ材料が用いられる。
第4実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してグリーンフィルタ成分2Gがレッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bに対してセルファライメントで形成される。また、グリーンフィルタ成分2Gは、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bの膜厚にほぼ揃うように精度よく平滑化することができる。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
各色フィルタ成分2Rと2Gの境界、各色フィルタ成分2Bと2Gの境界に、無機膜24が形成されるので、各色素の相互拡散が防止され、且つ各色フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、グリーンフィルタ成分材料として、感光成分を含まない材料が用いられるので、カラーフィルタの膜厚を薄くすることができ、感度特性を向上することができる。
[固体撮像装置の製造方法、特にカラーフィルタの形成方法]
次に、図17〜図18を用いて、第4実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ26の形成方法の実施の形態を説明する。図17〜図18の断面は、図16のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図17Aに示すように、基板5上の全面にカラーフィルタの厚さに対応した厚みtのハードマスク6を成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。ハードマスク6としては、前述と同様の、例えばポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはシリコン酸窒化膜などの無機膜が用いられる。
次に、図17Bに示すように、ハードマスク6上に、形成すべきグリーンフィルタ成分に対応する部分に開口部8を有するレジストマスク7を形成する。レジストマスク7は、フォトリソグラフィー法を用いて形成される。
次に、図17Cに示すように、レジストマスク7の開口部8に臨むハードマスク6を、例えば反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性ドライエッチングにより選択的に除去する。この選択エッチングによりハードマスク6には、グリーンフィルタ成分を形成すべき領域に開口部9が形成される。
次に、図17Dに示すように、不要となったレジストマスク7をアッシング処理とウェット洗浄等により除去し、グリーンフィルタ成分を形成すべき部分に開口部9を有するハードマスク6を得る。
次に、図18Aに示すように、開口部9内に埋め込むように、ハードマスク6の全面に第3色目となる例えばブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。このブルーフィルタ成分材料11Bは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
そして、ブルーフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、ブルーフィルタ成分材料11Bに対して、露光し、現像してブルーフィルタ成分2Bを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部9の面積より少し広い領域を露光する。従って、ブルーフィルタ成分2Bは、一部ハードマスク6上にオーバーラップして形成される。
次に、図18Bに示すように、残りの開口部9内に埋め込むように、ハードマスク6及びブルーフィルタ成分2Bを含む全面に第2色目となる例えばレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。このレッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
そして、レッドフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、レッドフィルタ成分材料11Rに対して、露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部9の面積より少し広い領域を露光する。従って、レッドフィルタ成分2Rは、一部ハードマスク6上にオーバーラップして形成される。
次に、図18Cに示すように、ブルーフィルタ成分2B及びレッドフィルタ成分2Rに対してハードマスク6の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、ブルーフィルタ成分2B、レッドフィルタ成分2Rを平滑化する。このようにして、ブルーフィルタ成分2B及びレッドフィルタ成分2Rを形成する。
次に、図18Dに示すように、ハードマスク6を除去する。ハードマスク6の除去は、図示しないが、前述と同様に、レジストマスクを介して等方性ドライエッチングにて行う。そして、ブルーフィルタ成分2B及びレッドフィルタ成分2Rの上面及び側面、ハードマスク6が除去された開口部15の底面を含む全面に無機膜24を形成する。この無機膜24はフィルタ成分の膜厚より薄い200nm以下の薄膜である。無機膜24は、前述と同様に、例えば低温プラズマ成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。
次に、図18Eに示すように、開口部15内に埋め込むように、全面に第1色目となるグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、前述と同様の、材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料である。
次に、図18Fに示すように、グリーンフィルタ材料成分11Gを無機膜24の表面が露出するまでエッチバックあるいは化学機械研磨(CMP)法を用いて、平滑化する。
このようにして、無機膜24を有し、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ26を得る。図16から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ26の形成方法によれば、ハードマスク6を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成している。また、ブルー、レッドのフィルタ成分2B、2Rを形成した後に全面に無機膜24を形成し、グリーンフィルタ成分材料11Gを形成した後、グリーンフィルタ成分材料11Gを無機膜24が露出するまで平坦化している。これにより、カラーフィルタの寸法精度や重ね合わせ精度が向上し、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
そして、前述と同様に、グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、グリーンフィルタ成分2Gは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態のカラーフィルタは、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、ハードマスク6の開口部9の底面、側面に密着面が存在するので、密着性が向上する。グリーンフィルタ成分2Gは、レッド及びブルーのフィルタ成分2R及び2B間の開口部15内に無機膜24を介して埋め込まれる。従って、グリーンフィルタ成分2Gは、底面、側面に密着面が存在し、密着面積が増大する。加えて、グリーンフィルタ成分2Gは、露光によるパターニングを行う必要がなく、充分な露光で硬化するので、密着性が向上する。
上述の第4実施の形態の無機膜24は、ベイヤー配列のカラーフィルタ26に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第5実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図19に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第5実施の形態を示す。第5実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図19に示すカラーフィルタ28が形成されて成る。このカラーフィルタ28は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ28は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に、遮光膜29を有して構成される。遮光膜29は、オンチップマイクロレンズにより集光され、各色フィルタ成分2R、2G、2Bに入射する光が、隣接するフィルタ成分へ入射するのを防ぐものである。遮光膜29は、例えばW、Al、Ru、Mo、Ir、Rh、Cr、Co等の反射性、遮光性に優れた金属膜が用いられる。金属膜の成膜温度としては、基板温度が100℃以下となるように基板ステージ温度をコントロールする。また、加工的にはタングステン(W)が好ましく、光反射性の観点からはアルミニウム(Al)が好ましい。遮光膜29の膜厚としては、100nm以下が適当である。遮光膜29を金属膜で形成した場合、各色イフィルタ成分2R、2G、2Bは、金属膜により囲まれていわゆる反射型導波路としての機能を有する。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成されている。各フィルタ成分2R,2G,2Bを形成する材料としては、第1実施の形態で説明したと同様に、材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料が用いられる。
第5実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成される。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
各色フィルタ成分2Rと2Gの境界、各色フィルタ成分2Bと2Gの境界に、遮光膜29が形成されるので、この遮光膜29、例えば金属膜の反射、遮光により各色フィルタ成分2R、2G、2Bに入射する光の隣接するフィルタ成分への入射が防止される。すなわち、遮光膜29により隣接画素への混色を防ぐことができる。
各色フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、グリーンフィルタ成分材料として、感光成分を含まない材料が用いられるので、カラーフィルタの膜厚を薄くすることができ、感度特性を向上することができる。
[固体撮像装置の製造方法、特にカラーフィルタの形成方法]
次に、図20〜図22を用いて第5実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ28の形成方法の実施の形態を説明する。図20〜図22の断面は、図19のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図20に示すように、第1色目フィルタ成分となるグリーンフィルタ成分2Gを形成する。
すなわち、図20Aに示すように、前述と同様の方法により、基板5上の全面にグリーンフィルタ成分を形成すべき部分に開口部9を有するハードマスク6を形成する。
次に、図20Bに示すように、ハードマスク6及び開口部9を含む表面全面に遮光膜29を成膜する。遮光膜29としては、前述した金属膜を用いる。遮光膜29の膜厚は100nm以下程度の薄膜とする。
次に、図20Cに示すように、遮光膜29に対して異方性ドライエッチングを施し、ハードマスク6の開口部9の内壁面のみに遮光膜29を残す。
次に、図20Dに示すように、開口部9内に埋め込むように、ハードマスク6の全面にグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布は、スピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含まない材料を用いる。
次に、図20Eに示すように、グリーンフィルタ成分材料11Gに対してハードマスク6の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、グリーンフィルタ材料11Gの上面を除去する。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。グリーンフィルタ成分2Gは、単位成分が四角形状をなして全体として市松状に配列しているが、隣接するグリーンフィルタ成分2Gの四隅部が接触するように連続一体に形成される。
次に、図21に示すように、第2色目フィルタ成分となるレッドフィルタ成分2Rを形成する。なお、ブルーフィルタ成分を第2色目フィルタ成分としても良い。レッドフィルタ成分2Rの形成は、前述の第1実施の形態と同様である。
すなわち、図21Aに示すように、グリーンフィルタ成分2G及びハードマスク6を有する表面上に、形成すべきレッドフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6上に開口部13を有するレジストマスク14を形成する。開口部13の幅はハードマスク6の幅より小さく形成する。
次に、図21Bに示すように、レジストマスク14を介して、開口部13に露出したハードマスク6を等方性ドライエッチングにより除去し、開口部15を形成する。
次に、不要になったレジストマスクを除去し、図21Cに示すように、開口部15内に埋め込むように、グリーンフィルタ成分2G、ハードマスク6の全面にレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。レッドフィルタ成分材料11Rは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含まない材料を用いる。
次に、図21Dに示すように、レッドフィルタ成分材料11Rを、ハードマスク6及びグリーンフィルタ成分2Gの表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)する。このようにして、レッドフィルタ成分2Rを形成する。レッドフィルタ成分2Rは、単位成分が四角形状をなして周囲をフリーンフィルタ成分2Gで囲まれるように形成される。
次に、図22Aに示すように、第3色目フィルタ成分となるブルーフィルタ成分2Bを形成する。なお、レッドフィルタ成分を第3色目フィルタ成分としても良い。ブルーフィルタ成分2Bの形成は、前述の第1実施の形態と同様である。
すなわち、図22Aに示すように、グリーン、レッドの各フィルタ成分2G、2R及びハードマスク6を有する表面上に、形成すべきブルーフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6上に開口部16を有するレジストマスク17を形成する。開口部17の幅はハードマスク6の幅より小さく形成する。
次に、図22Bに示すように、レジストマスク17を介して、開口部16に露出したハードマスク6を等方性ドライエッチングにより除去し、開口部15を形成する。
次に、不要になったレジストマスク17を除去し、図22Cに示すように、開口部18内に埋め込むように、グリーン、レッドの各フィルタ成分2G、2R及びハードマスク6の全面にブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。ブルーフィルタ成分材料11Bは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含まない材料を用いる。
次に、図22Dに示すように、ブルーフィルタ成分材料11Bを、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及び遮光膜29の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)する。これにより、ブルーフィルタ成分2Bを形成する。ブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲をフリーンフィルタ成分2Gで囲まれるように形成される。
このようにして、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に、遮光膜29を有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ28を得る。図19から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲が遮光膜29を介して、グリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法によれば、ハードマスク6を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成している。また、開口部9を有するハードマスク6を形成した後、遮光膜29を形成し、エッチバックして開口部9の側壁面のみに遮光膜29を残し、その後に各色フィルタ成分2G、2R、2Bを形成するようにしている。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に遮光膜29を形成するので、各色フィルタ成分に入射した光が隣接する色フィルタ成分へ入射されることがない。これにより、カラーフィルタの寸法精度や重ね合わせ精度が向上し、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
そして、前述と同様に、グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、各色フィルタ成分2G、2R、2Bは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態のカラーフィルタは、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
上述の第5実施の形態の遮光膜29は、ベイヤー配列のカラーフィルタ28に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第6実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図23に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第6実施の形態を示す。第6実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図23に示すカラーフィルタ31が形成されて成る。このカラーフィルタ31は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ31は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に中空部、すなわちエアーギャップ32を形成して構成される。さらに、このエアーギャップ32を被覆するように、各色フィルタ成分2R、2G、2Bの全面上に可視光領域に実質的に透明な無機膜33が形成される。エアーギャップ32で囲まれた各色イフィルタ成分2R、2G、2Bは、いわゆるエアーギャップ型導波路としての機能を有する。すなわち、中空型の光全反射導波路が構成される。光全反射導波路のクラッド部(低屈折率領域)を構成するエアーギャップ32の幅は、例えば100nm程度のごく僅かな寸法でも可能である。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成されている。各フィルタ成分2R,2G,2Bを形成する材料としては、第1実施の形態で説明したと同様に、材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料が用いられる。
第6実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成される。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタ31は加工精度が向上する。
各フィルタ成分2Rと2Gの境界、各フィルタ成分2Bと2Gの境界に、エアーギャップ32が形成され、屈折率差が生じることで、各色フィルタ成分2R、2G、2Bに光全反射導波路を構成することができる。これにより、オンチップマイクロレンズで集光され、各色フルタ成分2R、2G、2Bに入射する光は、隣接する色フィルタ成分へ入射されないので、混色を防ぐことができる。
また、各フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、グリーンフィルタ成分材料として、感光成分を含まない材料が用いられるので、カラーフィルタの膜厚を薄くすることができ、感度特性を向上することができる。
各色フィルタ成分2R、2G、2Bの表面に無機膜33が形成されるので、各色フィルタ成分が、色素として染料あるいは顔料を含むフィルタ材料のいずれかで形成されていても、各色フィルタ成分の耐光性を向上することができる。
[固体撮像装置の製造方法例、特にそのカラーフィルタの形成方法例]
次に、図24〜図26を用いて、第6実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法の実施の形態を説明する。図24〜図26の断面は、図23のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図24に示すように、第1色目フィルタ成分となるグリーンフィルタ成分2Gを形成する。
すなわち、図24Aに示すように、前述と同様の方法により、基板5上の全面にグリーンフィルタ成分を形成すべき部分に開口部9を有するハードマスク6を形成する。
次に、図24Bに示すように、ハードマスク6及び開口部9を含む表面全面に無機膜35を成膜する。無機膜35としては、低温プラズマCVD成膜法で成膜した、例えばSiN、SiO2、SiONなどの膜を用いることができる。ハードマスク6を例えばポリシリコンやアモルハスシリコンなどで形成するときは、無機膜35をSiN膜で形成することができる。無機膜35の膜厚は、100nm程度が好ましい。
次に、図24Cに示すように、無機膜35に対して異方性ドライエッチングを施し、ハードマスク6の開口部9の内壁面のみに無機膜35を残す。
次に、図24Dに示すように、開口部9内に埋め込むように、ハードマスク6の全面にグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布は、スピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料を用いる。
次に、図24Eに示すように、グリーンフィルタ成分材料11Gに対してハードマスク6の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、グリーンフィルタ材料11Gの上面を除去する。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。グリーンフィルタ成分2Gは、単位成分が四角形状をなして全体として市松状に配列しているが、隣接するグリーンフィルタ成分2Gの四隅部が接触するように連続一体に形成される。
次に、図25に示すように、第2色目フィルタ成分となるレッドフィルタ成分2Rを形成する。なお、ブルーフィルタ成分を第2色目フィルタ成分としても良い。レッドフィルタ成分2Rの形成は、前述の第1実施の形態と同様である。
すなわち、図25Aに示すように、グリーンフィルタ成分2G及びハードマスク6を有する表面上に、形成すべきレッドフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6上に開口部13を有するレジストマスク14を形成する。開口部13の幅はハードマスク6の幅より小さく形成する。
次に、図25Bに示すように、レジストマスク14を介して、開口部13に露出したハードマスク6のみを等方性ドライエッチングにより除去し、開口部15を形成する。無機膜35はエッチングされずに残るように選択エッチングがなされる。このエッチングは、酸素ガスとCF4などのフロロカーボン系ガスを混合したもの、あるいはこのガスに窒素を混合したガスを用いたケミカルドライエッチ(CDE)法を用いる。
次に、不要になったレジストマスクを除去し、図25Cに示すように、開口部15内に埋め込むように、グリーンフィルタ成分2G、ハードマスク6の全面にレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。レッドフィルタ成分材料11Rは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料を用いる。
次に、図25Dに示すように、レッドフィルタ成分材料11Rを、ハードマスク6及びグリーンフィルタ成分2Gの表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)する。このようにして、レッドフィルタ成分2Rを形成する。レッドフィルタ成分2Rは、単位成分が四角形状をなして周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるように形成される。
次に、図26Aに示すように、第3色目フィルタ成分となるブルーフィルタ成分2Bを形成する。なお、レッドフィルタ成分を第3色目フィルタ成分としても良い。ブルーフィルタ成分2Bの形成は、前述の第1実施の形態と同様である。
すなわち、図26Aに示すように、グリーン、レッドの各色フィルタ成分2G、2R及びハードマスク6を有する表面上に、形成すべきブルーフィルタ成分の領域に対応するハードマスク6上に開口部16を有するレジストマスク17を形成する。開口部17の幅はハードマスク6の幅より小さく形成する。
次に、図26Bに示すように、レジストマスク17を介して、開口部16に露出したハードマスク6を等方性ドライエッチングにより除去し、開口部15を形成する。
次に、不要になったレジストマスク17を除去し、図26Cに示すように、開口部18内に埋め込むように、グリーン、レッドの各色フィルタ成分2G、2R及びハードマスク6の全面にブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布は、例えばスピンコーティングで行う。ブルーフィルタ成分材料11Bは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料を用いる。
次に、図26Dに示すように、ブルーフィルタ成分材料11Bを、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及び遮光膜29の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)する。これにより、ブルーフィルタ成分2Bを形成する。ブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるように形成される。
次に、図26Eに示すように、無機膜35をドライエッチングにより選択的に除去し、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に、エアーギャップ32を形成する。このときのエッチングは、酸素ガスとCF4などのフロロカーボン系ガスの混合ガスや、これに窒素ガスを加えた混合ガスを用いたケミカルドライエッチ(CDE)法を用いる。
次に、図26Fに示すように、各色フィルタ成分2R、2G、2Bを含む全面上に無機膜33を成膜する。無機膜33は、エアーギャップ32を塞ぐので、可視光領域の光を実質的に透過する透明な膜で形成する。この無機膜33としては、低温プラズマ法で成膜した、例えばSiO2、SiN、SiONなどの膜を用いることができる。そのときの成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、膜厚は200nm以下程度が適当である。
このようにして、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に、エアーギャップ32が形成された原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ31を得る。図23から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲がエアーギャップ32を介して、グリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法によれば、ハードマスク6を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成している。また、開口部9を有するハードマスク6を形成した後、無機膜33を形成し、各色フィルタ成分2G、2R、2Bを形成した後に、無機膜33を除去することにより、エアーギャップ32を形成し、各色フィルタ成分に光全反射導波路を形成するようにしている。これにより、カラーフィルタの寸法精度や重ね合わせ精度が向上し、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
そして、前述と同様に、グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、各色フィルタ成分2G、2R、2Bは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態のカラーフィルタは、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
上述の第6実施の形態のエアーギャップ32は、ベイヤー配列のカラーフィルタ31に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第7実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図27に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第7実施の形態を示す。第7実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図27に示すカラーフィルタ37が形成されて成る。このカラーフィルタ37は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ37は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2G囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2Gとレッドフィルタ成分2Rとの境界、グリーンフィルタ成分2Gとブルーフィルタ成分2Bとの境界に、遮光膜38が形成され、グリーンフィルタ成分2Gと遮光膜38上に無機膜39が形成される。遮光膜38としては、後述の製法で示すハードマスクとなる金属膜を利用して形成することが好ましい。この金属の遮光膜38は、例えばW、Al、Ru、Mo、Ir、Rh、Cr、Co等が用いられ、反射膜として機能する。遮光膜38は、有機膜で形成することも可能である。無機膜39は、後述の平滑化工程でのストッパ膜として機能する。無機膜39としては、例えば低温プラズマCVD成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸炭化(SiOC)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下である。無機膜39の膜厚は、200nm以下程度が適当である。
さらに、後述の製法で明らかなように、ハードマスクを利用して、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成されている。グリーンフィルタ成分2Gを形成する材料は、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料が用いられる。一方、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bを形成する材料は、感光性フィルタ材料が用いられる。
第7実施の形態に係る固体撮像装置によれば、ハードマスクを利用してレッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、グリーンフィルタ成分2Gに対してセルファライメントで形成される。また、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、グリーンフィルタ成分2Gの膜厚にほぼ揃うように、精度よく平滑化することができる。このため、各レッドフィルタ成分2R、グリーンフィルタ成分2G及びブルーフィルタ成分2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
各色フィルタ成分2Rと2Gの境界、各色フィルタ成分2Bと2Gの境界に、遮光膜38が形成されるので、それぞれのフィルタ成分に入射した光が隣接する色フィルタ成分へ入ることがなく、かつ各色素の相互拡散が防止される。また、各フィルタ成分2R,2G、2Bがセルファライメントで形成されるので、各色フィルタ成分2R,2G,2B相互間での重なり合いがない。従って、混色の発生が抑制される。さらに、グリーンフィルタ成分材料として、感光成分を含まない材料を用いた場合、カラーフィルタの膜厚を薄くすることができ、感度特性を向上することができる。
グリーンフィルタ成分2G上に無機膜39が形成されるので、グリーンフィルタ成分を染料含有フィルタ材料で形成したとき、グリーンフィルタの耐光性が向上する。レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、染料を含むフィルタ材料に比べて耐光性に優れた顔料系の色素を含むフィルタ材料で形成することができる。
[固体撮像装置の製造方法例、特にカラーフィルタ形成方法例]
次に、図28〜図30を用いて、第7実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ37の形成方法の実施の形態を説明する。図28〜図30の断面は、図27のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図28Aに示すように、基板5上の全面にカラーフィルタの厚さに対応した厚みtのハードマスク41を成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。本例のハードマスク41は金属膜で形成する。
次に、図28Bに示すように、ハードマスク41上に、形成すべきグリーンフィルタ成分に対応する部分に開口部8を有するレジストマスク7を形成する。レジストマスク7は、フォトリソグラフィー法を用いて形成される。
次に、図28Cに示すように、レジストマスク7の開口部8に臨むハードマスク41を、異方性ドライエッチングにより選択的に除去する。この選択エッチングによりハードマスク6には、グリーンフィルタ成分を形成すべき領域に開口部42が形成される。
次に、不要となったレジストマスク7を除去する。次いで、図28Dに示すように、開口部42内に埋め込むように、ハードマスク41の全面にグリーンフィルタ成分材料11Gを塗布する。塗布は、スピンコーティングで行う。グリーンフィルタ成分材料11Gは、前述と同様の材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料が用いられる。グリーンフィルタ成分材料11Gを塗布し、硬化する。
次に、図28Eに示すように、グリーンフィルタ成分材料11Gに対してハードマスク41の表面が露出する迄、全面エッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)して、グリーンフィルタ材料11Gの上面を除去する。このようにして、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。グリーンフィルタ成分2Gは、単位成分が四角形状をなして全体として市松状に配列しているが、隣接するグリーンフィルタ成分2Gの四隅部が接触するように連続一体に形成される。残されたハードマスク41は、グリーンフィルタ成分2Gにより周囲が囲まれた状態となる。
次に、図29Aに示すように、グリーンフィルタ成分2G及びハードマスク41の表面全面に、無機膜39を成膜する。無機膜39は、前述した、例えば低温プラズマCVD成膜法で成膜したSiO2、SiN、SiONなどの膜を用いる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下とする。無機膜39の膜厚は、200nm以下程度となる。
次に、図29Bに示すように、無機膜39上に、ハードマスク41に対応する領域に開口部43を有するレジストマスク44を形成する。各開口部43は、後工程で形成される遮光膜の幅dに相当する分だけ各ハードマスク41の面積より狭く形成する。
次に、図29Cに示すように、レジストマスク44を介して、異方性ドライエッチングにより、無機膜39及びハードマスク41を選択的に除去し、開口部45を形成する。この選択エッチングにより、グリーフィルタ成分2Gの側壁に遮光膜38が形成される。すなわち、選択エッチングで残った金属によるハードマスク41が遮光膜38となる。
次に、図30Aに示すように、開口部45内に埋め込むように、全面に第2色目のレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。このレッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
そして、レッドフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、レッドフィルタ成分材料11Rを露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部45の面積より少し広い領域を露光する。従って、レッドフィルタ成分2Rは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図30Bに示すように、残りの開口部45内に埋め込むように、全面に第3色目のブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。塗布はスピンコーティングで行う。このブルーフィルタ成分材料11Bは、感光性フィルタ材料である。この感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
そして、ブルーフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、ブルーフィルタ成分材料11Bを露光し、現像してブルーフィルタ成分2Bを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部45の面積より少し広い領域を露光する。従って、ブルーフィルタ成分2Bは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図30Cに示すように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを、無機膜39の表面が露出するまでエッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)を用いて平滑化する。
このようにして、各色フィルタ成分の境界に金属による遮光膜38を有し、グリーンフィルタ成分2G上に無機膜39を有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタを得る。図27から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなして周囲が遮光膜38を介して、グリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ37の形成方法によれば、金属のハードマスク41を基準に、グリーンフィルタ成分2G,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成することができる。また、無機膜39を形成した後、選択エチングによりグリーンフィルタ成分2Gの側壁にハードマスク41を一部残して、遮光膜38を形成することができる。このようにして、反射型導波路構造の各色フィルタ成分2R、2G、2Bを形成することができ、固体撮像装置における混色等を抑制することができる。
そして、前述と同様に、グリーンフィルタ成分2Gは互いの四隅部が接続されて全体として連続一体となっているので、下地との接着面積が大きい。また、グリーンフィルタ成分2Gは、熱硬化材料、あるいは光硬化材料を用いて形成するので、従来の顔料分散型フォトレジストを用いた場合に比べて、剥離し難い。従って、本実施の形態は、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
各グリーンフィルタ成分2Gの表面に無機膜39が形成されるので、グリーンフィルタ成分2Gの耐光性を上げることができる。これにより、グリーンフィルタ成分2Gを分光特性に優れた染料含有のフィルタ成分材料で形成することができる。
上例では、各フィルタ成分の境界、つまり色フィルタ成分の側壁に、金属の遮光膜38を形成したが、有機膜による遮光膜を形成することも可能である。このとき、有機膜をカラーフィルタよりも屈折率の低い膜、あるいは光吸収性を有する膜で形成することができる。この場合のカラーフィルタの形成方法は、図28〜図30で示す形成方法と同様である。ただし、金属膜のハードマスク41を有機膜によるハードマスクに置き換える。屈折率の低い有機膜としては、フッ素含有樹脂、例えばフッ素含有アクリル系樹脂、フッ素含有シロキサン樹脂などを用いることができる。さらにはそれらの樹脂中に多孔質シリカ微粒子を分散させた樹脂を用いることで、更に低屈折率化が可能となる。光吸収性の有機膜としては、カーボンブラック含有アクリル系樹脂などを用いることができる。
このような有機膜を用いた場合にも、第7実施の形態の金属膜を用いた例で説明したと同様の効果を奏する。
上述の第7実施の形態の遮光膜38及び無機膜39は、ベイヤー配列のカラーフィルタ37に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第8実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図31に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第8実施の形態を示す。第8実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図31に示すカラーフィルタ47が形成されて成る。このカラーフィルタ47は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ47は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2G上に可視光領域が実質的に透明な無機膜48が形成される。無機膜48としては、例えば低温プラズマCVD成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸炭化(SiOC)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下である。無機膜48の膜厚は、200nm以下程度が適当である。
さらに、後述の製法で明らかなように、第1色目例えばグリーンのフィルタ成分に対して第2色目及び第3色目、例えばレッド及びブルーのフィルタ成分がセルファライメントで形成されている。グリーンフィルタ成分2Gは感光性フィルタ材料、もしくは感光性成分を含まないフィルタ材料で形成され、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、感光性フィルタ材料で形成される。
第8実施の形態に係る固体撮像装置によれば、グリーンフィルタ成分2Gに対してレッド及びブルーのフィルタ成分2R及び2Bがセルファライメントで形成される。このため、各色フィルタ成分2R、2G、2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
グリーンフィルタ成分2G上に無機膜48が形成されるので、グリーンフィルタ成分2Gを染料含有フィルタ材料で形成したとき、グリーンフィルタの耐光性が向上する。レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、染料を含むフィルタ材料に比べて耐光性に優れた顔料系の色素を含むフィルタ材料で形成することができる。
[固体撮像装置の製造方法例、特にそのカラーフィルタの形成方法例]
次に、図32を用いて、第8実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法の実施の形態を説明する。図32の断面は、図31のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図32Aに示すように、基板5上に所要の膜厚を有する第1色目例えばグリーンのフィルタ成分材料膜11Gmを成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。グリーンフィルタ成分材料は、例えば感光性フィルタ材料を用いることができる。感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型を用いることができるが、本例ではネガ型を用いる。なお、グリーンフィルタ材料膜11Gmは、前述した材料固形分中に感光成分を含まない材料で成膜することもできる。
このグリーンフィルタ成分材料膜11Gmは、基板5の全面、すなわちチップに切断する前の半導体ウェハの全面にわたって形成する。
次に、図32Bに示すように、グリーンフィルタ成分材料膜11Gm上に全面にわたって無機膜48を成膜する。無機膜48は、上述したように、例えば低温プラズマ成膜法で形成されるSiO2、SiN、SiONなどの膜を用いる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下とする。無機膜48の膜厚は、200nm以下程度とする。
次に、図32Cに示すように、無機膜48上に、第2色目、第3色目、例えばレッド、ブルーのフィルタ成分を形成すべき領域に開口部49を有するレジストマスク51を形成する。
次に、図32Dに示すように、レジストマスク51を介して、異方性ドライエッチングにより、無機膜48及びグリーンフィルタ成分材料膜11Gmを選択的に除去し、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。レッド及びブルーのフィルタ成分を形成するべき領域に開口部52が形成される。
次に、図32Eに示すように、開口部52内に埋め込むように、全面に第2色目のレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。レッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。
そして、レッドフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、レッドフィルタ成分材料11Rを露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部52の面積より少し広い領域を露光する。従って、レッドフィルタ成分2Rは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図32Fに示すように、残りの開口部52内に埋め込むように、全面に第3色目のブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。このブルーフィルタ成分材料11Bは、感光性フィルタ材料である。
そして、ブルーフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、ブルーフィルタ成分材料11Bを露光し、現像してブルーフィルタ成分2Bを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部52の面積より少し広い領域を露光する。従って、ブルーフィルタ成分2Bは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図32Gに示すように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを、無機膜48の表面が露出するまでエッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)を用いて平滑化する。
このようにして、グリーンフィルタ成分2G上に無機膜48を有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ47を得る。図31から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなしてグリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
なお、上述の各色フィルタ成分材料となる感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光が照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ47の形成方法によれば、グリーンフィルタ成分2Gを基準に,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成することができる。このため、各色フィルタ成分2R、2G、2Bは、相互に重なり合うことがなく、精度よくカラーフィルタを形成することができる。グリーンフィルタ成分2Gは、各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがなく、信頼性の高いカラーフィルタを形成することができる。下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
各グリーンフィルタ成分2Gの表面に無機膜48が形成されるので、グリーンフィルタ成分2Gの耐光性を上げることができる。これにより、グリーンフィルタ成分2Gを分光特性に優れた染料含有のフィルタ成分材料で形成することができる。
上述の第8実施の形態の無機膜48は、ベイヤー配列のカラーフィルタ47に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第9実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図33に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第9実施の形態を示す。第9実施の形態に係る固体撮像装置は、前述したように撮像領域が形成された後、平坦化膜を介して図33に示すカラーフィルタ54が形成されて成る。このカラーフィルタ54は、第1実施の形態で説明したと同様に、レッドフィルタ成分2Rと、グリーンフィルタ成分2Gと、ブルーフィルタ成分2Bが、いわゆるベイヤー配列されて構成される。
カラーフィルタ54は、第1実施の形態と同様に、各レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bが、周囲をグリーンフィルタ成分2Gで囲まれるようなパターンに形成される。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、それぞれ正四角形状に形成される。グリーンフィルタ2Gに関しては、隣接する四隅部3が接触して全体として連続一体に形成さされる。従って、レッドフィルタ成分2Rとブルーフィルタ成分2Bは、それぞれグリーンフィルタ成分2Gに囲まれて独立に形成される。
そして、本実施の形態においては、グリーンフィルタ成分2Gの上面、側面と、レッドフィルタ成分2Rの底面、ブルーフィルタ成分2Bの底面とに連続する、可視光領域が実質的に透明な無機膜55が形成される。無機膜55としては、例えば低温プラズマCVD成膜法で形成されるシリコン酸化(SiO2)膜、シリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などが用いられる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下である。無機膜48の膜厚は、200nm以下程度が適当である。
さらに、後述の製法で明らかなように、第1色目例えばグリーンのフィルタ成分に対して第2色目及び第3色目、例えばレッド及びブルーのフィルタ成分がセルファライメントで形成されている。グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、感光性フィルタ材料で形成される。
第9実施の形態に係る固体撮像装置によれば、グリーンフィルタ成分2Gに対してレッド及びブルーのフィルタ成分2R及び2Bがセルファライメントで形成される。このため、各色フィルタ成分2R、2G、2Bは、重ね合わせズレがなく、従って相互に重なり合うことなく高精度に形成される。しかも、グリーンフィルタ成分2Gは各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。
グリーンフィルタ成分2G上に無機膜55が形成されるので、グリーンフィルタ成分2Gを染料含有フィルタ材料で形成したとき、グリーンフィルタの耐光性が向上する。レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、染料を含むフィルタ材料に比べて耐光性に優れた顔料系の色素を含むフィルタ材料で形成することができる。
また、各フィルタ成分2Rと2Gの境界、各フィルタ成分2Bと2Gの境界に、無機膜48が形成されるので、各色素の相互拡散が防止され、混色の発生が抑制される。
[固体撮像装置の製造方法例、特にそのカラーフィルタの形成方法例]
次に、図34を用いて、第9実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法の実施の形態を説明する。図34の断面は、図33のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
先ず、図34Aに示すように、基板5上に所要の膜厚を有する第1色目例えばグリーンのフィルタ成分材料膜11Gmを成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。グリーンフィルタ成分材料は、例えば感光性フィルタ材料を用いることができる。感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型を用いることができるが、本例ではネガ型を用いる。なお、グリーンフィルタ材料膜11Gmは、前述した材料固形分中に感光成分を含まない材料で成膜することもできる。
次に、図34Bに示すように、グリーンフィルタ成分材料膜11Gm上に、第2色目、第3色目、例えばレッド、ブルーのフィルタ成分を形成すべき領域に開口部49を有するレジストマスク51を形成する。
次に、図34Cに示すように、レジストマスク51を介して、異方性ドライエッチングにより、グリーンフィルタ成分材料11Gmを選択的に除去し、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。レッド及びブルーのフィルタ成分を形成するべき領域に開口部52が形成される。
次に、レジストマスク51を除去した後、図34Dに示すように、グリーンフィルタ成分2Gの表面及び開口部52内壁面の全面にわたって無機膜55を成膜する。無機膜55は、上述したように、例えば低温プラズマCVD成膜法で形成されるSiO2、SiN、SiONなどの膜を用いる。成膜温度は、150℃〜250℃程度が好ましく、より好ましくは200℃以下とする。無機膜55の膜厚は、200nm以下程度とする。
次に、図34Eに示すように、開口部52内に埋め込むように、全面に第2色目のレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。レッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。
そして、レッドフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、レッドフィルタ成分材料11Rを露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部52の面積より少し広い領域を露光する。従って、レッドフィルタ成分2Rは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図34Fに示すように、残りの開口部52内に埋め込むように、全面に第3色目のブルーフィルタ成分材料11Bを塗布する。このブルーフィルタ成分材料11Bは、感光性フィルタ材料である。
そして、ブルーフィルタ成分を形成すべき領域のみに光透過する光学的マスクを介して、ブルーフィルタ成分材料11Bを露光し、現像してブルーフィルタ成分2Bを形成する。このとき、光学的マスクの合せずれを考慮して、開口部52の面積より少し広い領域を露光する。従って、ブルーフィルタ成分2Bは、一部グリーンフィルタ成分2G上にオーバーラップして形成される。
次に、図34Gに示すように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを、無機膜55の表面が露出するまでエッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)を用いて平滑化する。
このようにして、無機膜55を有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ54を得る。図33から判るように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bは、単位成分が四角形状をなしてグリーンフィルタ成分2Gで囲まれ、グリーンフィルタ成分2Gは全て連結されて形成される。
なお、上述の各色フィルタ成分材料となる感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型のいずれかを用いることができ、本例では、光を照射した部分が硬化するネガ型の材料を用いる。
本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタ54の形成方法によれば、グリーンフィルタ成分2Gを基準に,レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bをセルファライメントで形成することができる。このため、各色フィルタ成分2R、2G、2Bは、相互に重なり合うことがなく、精度よくカラーフィルタを形成することができる。グリーンフィルタ成分2Gは、各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがなく、信頼性の高いカラーフィルタを形成することができる。従って、本実施の形態は、下地に対して被着強度の強いカラーフィルタを形成することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
各フィルタ成分2Rと2Gの境界、各フィルタ成分2Bと2Gの境界に、無機膜55が形成されるので、各色素の相互拡散が防止され、混色の発生が抑制されるカラーフィルタを形成することができる。
各グリーンフィルタ成分2Gの表面に無機膜55が形成されるので、グリーンフィルタ成分2Gの耐光性を上げることができる。これにより、グリーンフィルタ成分2Gを分光特性に優れた染料含有のフィルタ成分材料で形成することができる。
上述の第9実施の形態の無機膜55は、ベイヤー配列のカラーフィルタ54に適用したが、その他、図示しないが、前述の第2実施の形態で示す色フィルタ成分のパターンを有するカラーフィルタにも適用することができる。
<第10実施の形態>
[固体撮像装置の製造方法例、特にそのカラーフィルタの形成方法例]
図35に、本発明に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法の第10実施の形態を示す。本実施の形態は、前述の第9実施の形態のカラーフィルタの形成方法の変形例に相当するもので、最終的に得られるカラーフィルタの構成は図33と同様である。図35の断面は、図33のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。
本実施の形態に係るカラーフィルタの形成方法は、先ず、図35Aに示すように、基板5上に所要の膜厚を有する第1色目例えばグリーンのフィルタ成分材料膜11Gmを成膜する。基板5は、この上にカラーフィルタを形成するために、最表面に平坦化膜が形成されている。グリーンフィルタ成分材料は、例えば感光性フィルタ材料を用いることができる。感光性フィルタ材料は、ネガ型、ポジ型を用いることができるが、本例ではネガ型を用いる。なお、グリーンフィルタ材料膜11Gmは、前述した材料固形分中に感光成分を含まない材料で成膜することもできる。
次に、図35Bに示すように、グリーンフィルタ成分材料膜11Gm上に、第2色目、第3色目、例えばレッド、ブルーのフィルタ成分を形成すべき領域に開口部57を有するレジストマスク58を形成する。このレジストマスク58は、次の図35Cの工程で、グリーンフィルタ成分材料膜11Gmに対する異方性ドライエッチング完了時にレジストマスクの残渣がなくなる膜厚に設定する。
次に、図35Cに示すように、レジストマスク58を介して、異方性ドライエッチングにより、グリーンフィルタ成分材料11Gmを選択的に除去し、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。このエッチング工程では、グリーンフィルタ成分材料11Gmのパターニングが完了すると同時に、レジストマスク58が完全に除去される。レッド及びブルーのフィルタ成分を形成するべき領域に開口部52が形成される。
なお、このドライエッチングでレジストマスク58が残った場合には、レジストマスクの残膜を有機溶剤で除去すればよい。
これ以後の図35D〜Gまでの工程は、前述の図34D〜Gの工程と同じであるので、対応する部分には同一符号を付して、重複説明を省略する。かくして、図33に示すカラーフィルタ54を得る。
第10実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法によれば、グリーンフィルタ成分材料11Gmのパターニング完了と同時にレジストマスク58も完全除去されるので、レジストマスクの剥離除去の工程が省略される。従って、前述の図34で示すカラーフィルタの形成方法に比べて、レジストマスクの剥離除去が省略される分、形成工程を簡略化することができる。
その他、第9実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
<第11実施の形態>
[固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法]
図36に、本発明に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法の第11実施の形態を示す。本実施の形態は、前述の第9実施の形態のカラーフィルタの形成方法の変形例に相当するもので、最終的に得られるカラーフィルタの構成は図33と同様である。図36の断面は、図33のa−a′線上(グリーンーレッド列)、b−b′線上(グリーンーブルー列)の断面に対応する。第11実施の形態は、第10実施の形態と比較して、ブルーフィルタ成分材料に前述した材料固形分中に感光成分を含まない材料を用いている点を除いて、同じである。尚、本ブルーフィルタ成分材料には、感光成分を含む材料を用いても構わない。
本実施の形態に係るカラーフィルタの形成方法は、図36A〜Eの工程は、前述図35A〜Eの工程と同じである。すなわち、先ず、図36Aに示すように、基板5上に所要の膜厚を有する第1色目例えばグリーンのフィルタ成分材料膜11Gmを成膜する。
次に、図36Bに示すように、グリーンフィルタ成分材料膜11Gm上に、第2色目、第3色目、例えばレッド、ブルーのフィルタ成分を形成すべき領域に開口部57を有するレジストマスク58を形成する。このレジストマスク58は、次の図36Cの工程で、グリーンフィルタ成分材料膜11Gmに対する異方性ドライエッチング完了時にレジストマスクの残渣がなくなる膜厚に設定する。
次に、図35Cに示すように、レジストマスク58を介して、異方性ドライエッチングにより、グリーンフィルタ成分材料11Gmを選択的に除去し、グリーンフィルタ成分2Gを形成する。このドライエッチング工程では、グリーンフィルタ成分材料11Gmのパターニングが完了すると同時に、レジストマスク58が完全に除去される。レッド及びブルーのフィルタ成分を形成するべき領域に開口部52が形成される。
なお、このドライエッチングでレジストマスク58が残った場合には、レジストマスクの残膜を有機溶剤で除去すればよい。
次に、図36Dに示すように、グリーンフィルタ成分2Gの表面及び開口部52内壁面の全面にわたって無機膜55を成膜する。
次に、図36Eに示すように、開口部52内に埋め込むように、全面に第2色目のレッドフィルタ成分材料11Rを塗布する。レッドフィルタ成分材料11Rは、感光性フィルタ材料である。次いで、レッドフィルタ成分材料11Rを露光し、現像してレッドフィルタ成分2Rを形成する。
次に、図36Fに示すように、全面に第3色目のブルーフィルタ成分材料11Bを成膜する。このときのブルーフィルタ成分材料11Bは、前述した材料固形分中に感光成分を含む材料、もしくは含まない材料を用いている。
次に、図36Gに示すように、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bを、無機膜55の表面が露出するまでエッチバックするか、または化学機械研磨(CMP)を用いて平滑化する。
このようにして、無機膜55を有する原色系ベイヤー配列のカラーフィルタ54を得る。
第11実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法、特にそのカラーフィルタの形成方法によれば、グリーンフィルタ成分材料11Gmのパターニング完了と同時にレジストマスク58も完全除去されるので、レジストマスクの剥離除去の工程が省略される。従って、前述の図34で示すカラーフィルタの形成方法に比べて、第3色目のブルーフィルタ成分に感光成分を含まない材料を用いた場合には、露光工程が省略され、レジストマスクの剥離除去が省略される分、形成工程を簡略化することができる。
その他、第9実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
上述の第8、第9、第10、第11実施の形態においては、第2色目をレッド、第3色目をブルーとしたが、形成順序は逆でもよい。
<第12実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図37に、本発明に係る固体撮像装置の第11実施の形態を示す。第12実施の形態に係る固体撮像装置61は、撮像領域62と周辺回路部63とを有し、撮像領域62上のカラーフィルタ64は、上述の各実施の形態で説明したカラーフィルタで構成される。そして、本実施の形態では、フレアを抑制するために、ブルーフィルタ成分2B、あるいはブルーフィルタ成分2Bとレッドフィルタ成分2Rの積層膜を撮像領域62から周辺回路部63上まで延長して形成される(フレア防止膜)。その際、ブルーフィルタ成分2B、あるいは上記積層膜は、その終端のコーナ部65が曲線状となるように、丸みを付けて形成される。ブルーフィルタ成分2B、あるいは上記積層膜の電極パッド66に近い部分のコーナ部も、曲線状にすることが望ましい。
前述した実施の形態において、各色フルタ成分を化学機械研磨により平滑化した際に、終端のコーナ部が例えば直角である場合には、研磨圧力がコーナ部65に集中し、図38に示すように、コーナ部65が一部削られる恐れがある。削られた場合には、ダストが発生し、固体撮像装置に悪影響を及ぼす。
第12実施の形態に係る固体撮像装置61によれば、フレア抑制のために周辺回路部63まで延長したブルーフィル成分2B、あるいは上記積層膜の終端のコーナ部65に丸みを付けることにより、研磨圧力の集中が緩和される。従って、コーナ部65が研磨されることがなく、ダストの発生を抑制し、信頼性の高い固体撮像装置を提供することができる。尚、ここまではフレア防止膜を例に説明したが、本形態はこれに限るものでは無く、撮像領域以外の領域において、コーナ部に直角な形状持つパターンに適用出来るものである。
<第13実施の形態>
本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタは、図示しないが、次のようにして形成することもできる。先ず、基板上の全面に第2色目及び第3色目の例えばレッドフィルタ成分及びブルーフィルタ成分を形成すべき部分に開口部を有するハードマスクを形成する。次に、選択的に開口部内に、第2色目のフィルタ成分材料、及び第3色目フィルタ成分材料を塗布して、第2色目のレッドフィルタ成分、及び第3色目のブルーフィルタ成分を形成する。次に、ハードマスクを除去し、除去された開口部内に第1色目の例えばグリーンフィルタ成分材料を塗布してグリーンフィルタ成分を形成する。このようにして、レッドフィルタ成分及びブルーフィルタ成分の周囲がグリーンフィルタ成分で囲まれた図1に示す原色ベイヤー配列のカラーフィルタを形成する。
第13実施の形態に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタ及びその形成方法によれば、ハードマスクを利用してグリーンフィルタ成分が、レッドフィルタ成分及びブルーフィルタ成分に対してセルファラインで形成される。このため、レッドフィルタ成分、グリーンフィルタ成分及びブルーフィルタ成分は、重ね合わせズレがなく、従って、相互に重なり合うことなく高精度に形成することができる。しかも、グリーンフィルタ成分は各四隅部が接触して連続一体に形成されるので、剥離することがない。このように、本実施の形態のカラーフィルタは加工精度が向上する。また、各フィルタ成分相互の重なり合いがないので、混色の発生が抑制される。さらに、ハードマスクの膜厚で規制されて、フィルタ膜厚を薄くすることができるので、その分、感度特性を向上することができる。
また、グリーンフルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R、ブルーフィルタ成分2Bは、第1、第3、第4の実施の形態で説明したと略同じ理由で、密着性が向上する。
<第14実施の形態>
[固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの構成例]
図39に、本発明に係る固体撮像装置、特にそのカラーフィルタの第14実施の形態を示す。本実施の形態に係るカラーフィルタ68は、グリーンフィルタ成分2G、レッドフィルタ成分2R及びブルーフィルタ成分2Bがそれぞれ独立に形成される。そして、各色フィルタ成分2G,2R及び2Bの境界に形成された、上述の第3、第4実施の形態の無機膜24、第5実施の形態の遮光膜29、第7実施の形態の遮光膜38、第9〜第11実施の形態の無機膜55が縦横に連続して形成される。カラーフィルタ68の形成方法は、第3,4実施の形態、第5実施の形態、第7実施の形態、第9〜第11実施の形態に準ずる。
第14実施の形態に係るカラーフィルタ68においても、各色フィルタ成分をセルファライメントで形成することができる。また、画素間の混色防止、無機膜が色フィルタ成分上に形成された実施の形態では、色フィルタ成分の耐光性の向上が図れるなどの効果を奏する。
上述した各実施の形態に係るカラーフィルタ形成時の共通した形成条件の一例を説明する。
グリーンフィルタ成分材料膜11Gmの成膜を含む、感光性フィルタ材料による色フィルタ成分の成膜に用いる材料には、例えば顔料内添型光重合系ネガ型レジストを用いる。成膜条件は次の通りである。ウェハ上に上記ネガ型レジストをスピン塗布した後、プリベーキングし、光源にi線を用いた縮小投影型ステッパーを用いてウェハを全面露光する。次いでポストベーキングして成膜を完了する。
レジストマスク、すなわちフォトレジストパターンの形成条件の一例を示す。フォトレジスト材料は、感光剤にナフトキノンアジドを用いたノボラック系ポジ型レジストを用いる。成膜条件は次の通りである。上記ポジ型レジストをスピン塗布した後、プリベーキングし、光源にi線を用いた縮小投影型ステッパーを用いてパターン露光する。次に、露光後のポストベーキングを行う。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38%水溶液によるパドル現像を行い、ポストベーキングを行って、成膜を完了する。なお、TMAH2.38%水溶液に界面活性剤を添加した現像液を用いてもよい。
グリーンフィルタ成分材料膜11Gmのドライエッチング条件の一例を示す。エッチング装置としては、マイクロ波プラズマ型エッチング装置、平行平板型RIE装置、高圧狭ギャップ型プラズマエッチング装置、ECR型エッチング装置、変成器結合プラズマ型エッチング装置、誘導結合プラズマ型エッチング装置等が用いられる。さらに、エッチング装置としては、ヘリコン波プラズマ型エッチング装置等の他の高密度プラズマ型エッチング装置が用いられる。例えば、誘導型プラズマ型エッチング装置を用い、エッチングガス種としては、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、CH2F2、CHF3等のフロン系ガス単独に加え、それらのガス中に、O2や、Ar,He、N2ガス等を添加してもよい。グリーンフィルタ成分材料膜11Gmを除く、各色フィルタ成分材料膜、露光、現像後の色フィルタ成分等を含む有機膜のドライエッチングによるエッチバック条件に関しては、前述の条件に他に、Cl2やBCl3、HBrハロなどのハロゲン系のガスにO2や、N2ガスなどを添加したガスを用いてもよい。この場合、ドライエッチングによるプラズマに起因した発光スペクトルを検知することにより、エッチング終点検知が可能となりより好適である。
なお、第10、第11実施の形態におけるレジストマスク(フォトレジスト膜)の膜厚設定は、ドライエッチング完了時には、前述したように、レジストマスクの残膜が無くなるように設定した。本実施の形態において、グリーンフィルタ成分のパターニング状態をSEM(Scanning Electron Microscope)写真で確認した。その結果、色素として顔料を内添した材料、及び染料を内添した材料のどちらにおいても、良好なパターニング状態であることが認められた。
レジストマスクを介してドライエッチングした後に、レジストマスクの残膜が残った場合に、この残膜を除去するための有機溶剤を、次に示す。有機溶剤は、前述と重複するも、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等の単独溶剤又は、2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
溶解除去の手法としては、これらの溶剤単独又は、2種類以上の混合溶剤を用いる事ができる。又、処理方法に関しても前述した方法に限定するものではなく、例えばディップ法なども用いる事ができる。
カラーフィル上に設置される無機膜は、前述したように、プラズマSiO(P−SiO)、プラズマSiN(P−SiN)、プラズマSiON(P−SiON)などの膜が用いられる。無機膜の成膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いる。P−SiO膜を成膜する場合には、ガス種として、SiH4、N2O,N2を用いることができる。P−SiN膜を成膜する場合には、ガス種として、SiH4、NH3、N2を用いることができる。このときに成膜された無機膜の屈折率は概ね、P−SiOで1.45程度、P−SiNで1.90程度となる。
固体撮像装置のオンチップマイクロレンズには、一般的にポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、又はそれらの重合系樹脂が用いられる。これらの材料の屈折率は概ね、1,48〜1.62程度である。また、それらの樹脂以外の有機材料系樹脂に関しても、屈折率が、1.9を超えるものは無い(樹脂中に金属酸化物微粒子を分散内添した材料を除く)。このことから、カラーフィルタ上に設置される無機膜の屈折率は、オンチップマイクロレンズと同等とした方が界面反射の低減となり好適である。その際、前述のプラズマCVD成膜法で、ガス種に、SiH4、NH3、N2O、N2を用いることで、P−SiON膜を成膜する。このP−SiON膜は、そのガス混合比を変化させることにより、屈折率を概ね、1.45〜1.90程度の範囲で調整することができる。無機膜としては、オンチップマイクロレンズ材との合わせ込みが可能なP−SiN膜を用いても良い。
これらプラズマCVD法による成膜温度は、250℃以下の条件が適用でき、好ましくは200℃以下が望ましい。膜厚は、200nm程度以下であれば良い。無機膜は、カラーフィルタの平滑化の際、化学機械研磨(CMP)法においては、ストッパとして機能し又、エッチバックにおいてはエッチング終点検知に用いることができる。さらに無機膜は、光照射におけるカラーフィルタの褪色を防止や、隣接する色フィルタ成分同士の色素拡散現象の防止などにも有効である。特に、染料内添カラーフィルタの耐光性を改善することができる。
カラーフィルタに対するCMP条件として、例えば次の条件が好適である。スラリー液のpHは7〜14、スラリー砥粒径は100nm以下、スラリー砥粒濃度は5wt%以下とする。研磨パッド種は、例えば連続発泡のウレタン樹脂などを用い、研磨圧力は5psi以下、研磨ヘッド及び研磨パッドの回転数は150rpm以下とする。これらの条件を適宜最適化して実施する。この場合、前述のように、無機膜がストッパ機能として働き好適である。
図41〜図43に、カラーフィルタ上に低温プラズマCVD成膜法により、無機膜、例えば膜厚100nmのSiON膜を例えば成膜温度180℃で形成したときの、各グリーンフィルタ、レッドフィルタ、ブルーフィルタの耐光性改善データ(分光特性)を示す。グリーンフィルタ、レッドフィルタ、ブルーフィルタは、いずれも色素として染料を用いた場合である。図41〜図43において、太実線Aは初期値、破線Bは無機膜を有した場合、細実線Cは無機膜が無い場合である。いずれも無機膜を有る場合には、耐光性の改善が認められる。
表1に、無機膜を有する場合と無機膜を有しない場合の、レッド、グリーン、ブルーの各評価結果を示す。評価条件は、太陽光に近似のキセノン光を用い、200万lx・hr(ルクス・時間)の光照射とした。評価結果は、分光平均変化量(分光変化量絶対値の平均値)で表した。尚、この評価時には、380nm以下の光をカットする光学フィルタを用い、このフルタを通過した光を試料に照射した。
表1の単位は%である。表1の破線Bの無機膜を有した場合と、細実線Cの無機膜が無い場合につき、それぞれの条件につき、太実線Aの初期値に対して、波長400nm〜700nm間での分光変化の絶対値の平均値(分光平均変化量)を示すものである。表1から判るように、各色カラーフィルタ上に無機膜(SiON膜)を形成した場合、形成しない場合に比べ、その平均変化率が向上している事が判る。尚、図、表には示していないが、カラーフィルタ上に低温プラズマCVD成膜法により、無機膜、例えば膜厚100nmのSiO2膜、SiN膜を例えば成膜温度180℃で形成した場合についても、同等な効果が確認された。
本発明は、上述のカラーフィルタ1または21を備えた、表面照射型の固体撮像装置あるいは裏面照射型の固体撮像装置のいずれにも適用することが可能である。例えばCMOS固体撮像装置の場合には、多層配線層側から光入射する表面照射型と、多層配線層とは反対側の基板裏面から光入射させる裏面照射型とに適用できる。特に裏面照射型の固体撮像装置においては、撮像領域以外の画素領域面より垂直方向に段差の高い周辺回路等が実質的に存在しないため、本発明の形態によるカラーフィルタの平滑化においてCMPを用いる場合、より好適である。
第8、第9、第10、第11の実施の形態に適用できる構成を説明する。
第1色目にグリーンフィルタ成分をドライエッチにて形成する場合、アライメント精度を向上する為に、あらかじめアライメントマーク上のグリーンフィルタ成分材料を除去しておき、その後、画素領域部の精密アライメントを行う。その後に形成されるレッドフィルタ成分や、ブルーフィルタ成分は、基本的にグリーンフィルタ成分に対してセルフアライメントで形成される。この適用は、他の実施の形態についても同様である。
更に述べるならば、図示しないが、グリーンフィルタ成分材料に対するパターニングの際に形成するレジストマスクの位置精度、すなわちアライメント精度を向上させるために、アライメントマーク上部のグリーンフィルタ成分材料膜11Gmを予め除去しておく。あるいは、グリーンフィルタ成分材料膜11Gmの成膜後、レジストマスクを介してアライメントマーク上部のグリーンフィルタ成分材料膜11Gmを除去しておく。もしくは感光成分を含む材料を用い、光学的マスクを介してグリーンフィルタに対して露光し、現像してライメントマーク上部のグリーンフィルタ成分材料膜11Gmを除去しておいてもよい。アライメンマーク上部のグリーンフィルタ成分材料膜11Gmの位置精度は、撮像領域での位置精度に比べて粗くてよい。アライメントマークは、基板5のスクライブライン上などに形成される。
<第15実施の形態>
[電子機器の構成例]
本発明に係る固体撮像装置は、固体撮像装置を備えたカメラ、カメラ付き携帯機器、固体撮像装置を備えたその他の機器、等の電子機器に適用することができる。
図40に、本発明の電子機器の一例としてカメラに適用した実施の形態を示す。本実施の形態に係るカメラ71は、光学系(光学レンズ)72と、固体撮像装置73と、信号処理回路74とを備えてなる。固体撮像装置73は、上述したカラーフィルタのいずれかを備えた固体撮像装置が適用される。光学系72は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置73の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置73の光電変換素子において一定期間信号電荷が蓄積される。信号処理回路74は、固体撮像装置73の出力信号に対して種々の信号処理を施して出力する。本実施の形態のカメラ71は、光学系72、固体撮像装置73、信号処理回路74がモジュール化したカメラモジュールの形態を含む。
本発明は、図40のカメラ、あるいはカメラモジュールを備えた例えば携帯電話に代表されるカメラ付き携帯機器などを構成することができる。
さらに、図40の構成は、光学系72、固体撮像装置73、信号処理回路74がモジュール化した撮像機能を有するモジュール、いわゆる撮像機能モジュ−ルとして構成することができる。本発明は、このような撮像機能モジュールを備えた電子機器を構成することができる。
本実施の形態に係る電子機器によれば、固体撮像装置のカラーフィルタが高精度に形成され、固体撮像装置における混色の抑制、感度特性の向上、輝度シェーディングの抑制が可能になるので、高画質が得られ、高性能の電子機器を提供することができる。