JP7119557B2 - 固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法 - Google Patents
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Description
固体撮像素子は、光電変換素子と一対の色フィルターパターンを有し、カラー化を図っている。また、固体撮像素子の光電変換素子が光電変換に寄与する領域(開口部)は、固体撮像素子のサイズや画素数に依存する。その開口部は、固体撮像素子の全面積に対し、20~50%程度に限られている。開口部が小さいことはそのまま光電変換素子の感度低下につながることから、固体撮像素子では感度低下を補うために光電変換素子上に集光用のマイクロレンズを形成することが一般的である。
このような色フィルターパターンを固体撮像素子上に形成する方法としては、通常はフォトリソグラフィプロセスによりパターンを形成する手法が用いられる(例えば特許文献1)。
また、近年、800万画素を超える高精細CCD撮像素子への要求が大きくなり、これら高精細CCDにおいて付随する色フィルターパターンの画素サイズとして1.4μm×1.4μmを下回るレベルの撮像素子への要求が大きくなっている。しかしながら、画素サイズを小さくすることにより、フォトリソグラフィプロセスにより形成された色フィルターパターンの解像性が不足し、固体撮像素子の特性に悪影響を及ぼすという問題が生じている。一辺が1.4μm以下、あるいは1.1μmや0.9μm近傍の固体撮像素子では、解像性の不足がパターンの形状不良に起因する色むらとなって現れる。
また、隣接画素との間に隙間があると、光が画素の上面から垂直に入射した際に、隙間のところで光路が曲げられ、隣接画素に入射してしまい、本来光が入るべき画素の感度は低下する。また、隣接画素に光が入射することで混色が起き、分光感度特性が低下し、ノイズが大きく、画質劣化といった問題が起こる。また、隣接部の厚みが薄くなり色特性が悪くなる。従って、パターン上部の形状を角型にした矩形性の良い断面形状が求められている。
上述のように、従来の色フィルター材料に感光性を持たせてフォトリソグラフィにより形成される色フィルター層のパターン形成は、画素の寸法の微細化が進むにつれて、色フィルター層の膜厚の薄膜化も求められる。この場合、色フィルター材料中の顔料成分の含有割合が増えることから、感光性成分を十分な量含有できず、解像性が得られない、矩形性が悪い、分光感度特性が低下しやすいという問題があり、固体撮像素子の特性を低下させる課題があった。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、各色フィルター形成時の針状結晶の発生を抑制し、各色フィルター材の混色を抑制し、高精細で感度の良い固体撮像素子を提供することを目的とする。
的に配置された色フィルター層と、前記複数色の色フィルターと前記半導体基板との間に形成された平坦化層と、前記複数色の色フィルター間に配置された隔壁と、前記色フィルター層上に形成され、前記複数色の色フィルターのそれぞれに対応させて二次元的に配置されたマイクロレンズと、前記複数色から選択した第1色の色フィルターと前記マイクロレンズとの間のみに配置された透明保護層と、を備え、前記平坦化層は錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有し、前記平坦化層の膜厚は0nmを超過し200nm以下の範囲内であり、且つ前記透明保護層の膜厚は5nm以上20nm以下の範囲内であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の他の一態様による固体撮像素子は、二次元的に配置された複数の光電変換素子を有する半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の光電変換素子に対応させて複数色の色フィルターが予め設定した規則パターンで二次元的に配置された色フィルター層と、前記複数色の色フィルターそれぞれの下層に形成され、前記複数色から選択した第1色の色フィルター以外の色フィルターの下層において膜厚が変化している平坦化層と、前記複数色の色フィルター間に配置された隔壁と、前記色フィルター層上に形成され、前記複数色の色フィルターのそれぞれに対応させて二次元的に配置されたマイクロレンズと、前記第1色の色フィルターと前記マイクロレンズとの間のみに配置された透明保護層と、を備え、前記平坦化層は錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする。
ここで、図面は模式的なものであり、色フィルター等の各層の厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(固体撮像素子の構成)
本発明の第1実施形態について、図1から図8を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る固体撮像素子1は、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、半導体基板10の上方に配置された複数のマイクロレンズ18と、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられた色フィルター層100及び隔壁30とを備えている。色フィルター層100は、複数色の色フィルターで構成されている。具体的には、色フィルター層100は、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16が所定の規則パターンで配置されて構成される。また、隔壁30は、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16のそれぞれの間に形成される。また、固体撮像素子1において、色フィルター層を構成する複数色の色フィルターの内、第1の色フィルター14の上面にのみ、透明保護層13が構成されている。
(光電変換素子及び半導体基板)
図1に示すように、本実施形態による固体撮像素子1における半導体基板10には、画素位置に対応させて複数の光電変換素子11が二次元的に配置されている。複数の光電変換素子11は、光を電気信号に変換する機能を有している。
光電変換素子11が形成されている半導体基板10は、通常、表面(光入射面)の保護及び平坦化を目的として、最表面に保護膜が形成されている。半導体基板10は、可視光を透過して、少なくとも300℃程度の温度に耐えられる材料で形成されている。ここで、半導体基板10に用いられる材料としては、例えば、Si、SiO2等の酸化物及びSiN等の窒化物、並びにこれらの混合物等のSiを含む材料等が挙げられる。
固体撮像素子1における各マイクロレンズ18は、半導体基板10の上方において、画素位置に対応する位置に配置されている。すなわち、マイクロレンズ18は、複数の光電変換素子11のそれぞれに対応する位置に設けられる。マイクロレンズ18は、マイクロレンズ18に入射した入射光を光電変換素子11のそれぞれに集光させることにより、光電変換素子11の感度低下を補うことができる。マイクロレンズ18は、レンズトップからレンズボトムの高さが300nm以上800nm以下の範囲であることが好ましい。
固体撮像素子1における平坦化層12は、半導体基板10の表面保護及び平坦化のために、半導体基板10の最表面上に設けられた層である。平坦化層12は、光電変換素子11の作製によって生じる半導体基板10の上面の凹凸を低減し、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16を形成するためのカラーフィルタ用材料の半導体基板10に対する密着性を向上させることができる。
また、本実施形態による固体撮像素子1において、平坦化層12は、当該平坦化層12を構成する材料によっては隔壁30の形成に用いられる隔壁形成用材料の供給源としても機能する。詳しくは後述するが、平坦化層12は、後述する第1の色フィルターのドライエッチング時において、ドライエッチングガスと反応して隔壁30となる反応生成物を形成するための隔壁形成用材料を供給することができる。
所定のパターンにより色フィルター層100を構成する各色フィルター(第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)は、入射光を色分解する各色(グリーン、ブルー及びレッド)に対応するフィルターである。図1に示すように、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16は、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられ、複数の光電変換素子11のそれぞれに対応するように、画素位置に応じて予め設定された規則パターンで配置されている。
色フィルター層100を構成する各色フィルターは、所定の色の顔料(着色剤)と、熱硬化成分または光硬化成分とを含んでいる。例えば、第1の色フィルター14は着色剤としてグリーン顔料を含み、第2の色フィルター15はブルー顔料を含み、第3の色フィルター16はレッド顔料を含んでいる。
また、固体撮像素子1において色フィルター層100を薄膜化するため、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16に含有する顔料(着色剤)の濃度は、50質量%以上であることが好ましい。
透明保護層13は、第1の色フィルター14の表面保護、平坦化及び、ドライエッチング方式で形状加工する際のダメージ低減(帯電(チャージアップ)等によるプラズマダメージ低減や洗浄工程でのダメージ低減)のために設けられた層である。また透明保護層13は、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16を形成する際の混色の影響を低減するための保護層として設けられた層でもある。すなわち、透明保護層13は、第1の色フィルター14をドライエッチング方式で形成する際、及び第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16を形成する際に、各色フィルター用材料へのダメージを低減するための保護層となる。この透明保護層13により、第1の色フィルター14に用いられる材料の自由度が向上する。
また透明保護層13は、有機化合物以外でも、例えば珪素、炭素、酸素、水素、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム、銀及びフッ素のうち少なくとも1種類を含有する化合物、酸化物または窒化物により形成されても良い。これらの材料の化合物としては、例えばITO、ZnO、TiO2及びHfO2等を用いることができる。また、透明保護層13は、これらの材料の単体で形成されても良い。このように、透明保護層13は、これらの材料のうち少なくとも1種類を含有する化合物で形成されても良いし、これらの材料の単体で形成されても良い。また、透明保護層13は、これらの材料により、単層又は多層で形成される。
また、詳しくは後述するが、透明保護層13は、第1の色フィルター14を形状加工(パターン形成)の工程において、最初にドライエッチングによりエッチングされ、透明保護層13のエッチング後、下層の第1の色フィルター14がドライエッチングによりエッチングされる。ここで、本実施形態において、第1の色フィルター14のパターン形成時におけるドライエッチングで使用するガスとしては、フッ素、酸素、硫黄、炭素、臭素、塩素、アルゴン、ヘリウム、キセノン及びクリプトンのうち少なくとも1種類を含有するガスを用いられる。
本実施形態による固体撮像素子1において隔壁30は、色フィルター層100を構成する複数色の色フィルター(第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)のそれぞれの間に構成される。本実施形態では、第1の色フィルター14の側壁部(外周囲)に設けられた隔壁30により、第1の色フィルター14と、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16のそれぞれとを分け隔てることができる。隔壁30は、第1の色フィルター14に含まれる第1の色フィルター用材料及び平坦化層12に含まれる材料と、第1の色フィルター14を形成する際に用いるドライエッチングガスとの反応生成物を含んでいる。
すなわち、隔壁30の材料には、第1の色フィルター14用材料及び平坦化層12の材料が含まれている。具体的には、隔壁30の材料は、例えば亜鉛、銅、ニッケル、珪素、炭素、酸素、水素、窒素、臭素及び塩素のうち少なくとも一種を含む化合物を含有している。また、平坦化層12に含まれる有機化合物が、隔壁30に微量に含まれることがある。
本実施形態に置いて、第1の色フィルター14の膜厚A(nm)は、200nm以上700nm以下に形成する。好ましくは、膜厚Anmは、400nm以上600nm以下である。より好ましくは、膜厚Aは、500nm以下である。
また、透明保護層13の膜厚B(nm)は、前述した値である0nmを超過し200nm以下の範囲で形成する。好ましくは、膜厚Bは、5nm以上50nm以下である。より好ましくは、膜厚Bは、30nm以下である。
また、本実施形態において、第1の色フィルター以外の色フィルター(第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)の膜厚をC(nm)とした場合、膜厚Cは、下記式(1)を満足する膜厚として形成する。
A+B-300(nm)≦C≦A+B+300(nm)・・・(1)
また、色フィルター層100を構成する複数色の色フィルターのそれぞれの間に形成される隔壁30幅(横方向の厚み)が200nmより大きくなると、隔壁30によって光電変換素子11に入射する光が大幅に低減されて受光感度が低減してしまうおそれがある。したがって、隔壁30は、幅が200nm以下に形成されている。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図3から図8を用いて本実施形態による固体撮像素子の製造方法について説明する。
(平坦化層の形成工程)
図3-1(a)に示すように、複数の光電変換素子11を有する半導体基板10を準備し、その表面の色フィルター層形成位置全面に、平坦化層12を形成する。平坦化層12は、例えば上述したアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スチレン系樹脂及びケイ素系樹脂等の樹脂を一又は複数含んだ樹脂を塗布して硬化させることで形成する。本実施形態では、平坦化層12に有機系樹脂を用いることで、第1の色フィルター以外の色フィルター(第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)の下層に平坦化層12がほぼ無い構造となる。
ここで、本実施形態による固体撮像素子1の製造方法は、従来の製造方法、例えば感光性色フィルター用材料を用いたフォトリソグラフィによって色フィルターを構成する各色フィルターを直接パターニングする製造法とは異なる。
(第1の色フィルターの形成工程)
まず、半導体基板10上に形成した平坦化層12の表面に、第1の色フィルター14を形成する工程(第1の工程の一例)について、図3-1(a)~図3-3(j)を用いて説明する。第1の色フィルター14は、固体撮像素子で最も占有面積の広い色の色フィルターが好ましい。
第1の色フィルター用材料の樹脂材料としては、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる。樹脂材料として熱硬化性樹脂を多く用いることで、光硬化性樹脂を用いる従来手法と異なり、第1の色フィルター14の顔料含有率を高くすることが可能となり、膜厚が薄く且つ固体撮像素子1の所望の分光特性を得られる第1の色フィルター14を形成し易くなる。ただし、固体撮像素子1の所望の分光特性を得られる膜厚で硬化するのであれば、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを用いた混合樹脂を第1の色フィルター用材料として用いてもよい。
透明保護層13の材料は、上述したとおりの有機化合物もしくは無機化合物が用いられ、当該材料をスプレー法、塗布法及びCVD法等の化学的作製法と、真空蒸着法、イオンプレーティング法及びスパッタ法等の物理的作製方法とで形成する。ここで、化学的作製方法は、塩化物の加水分解や、有機化合物の熱分解反応により透明保護層13を作製する方法である。また、透明保護層13は、上述の材料を含んだ物質の塗布、加熱硬化などで形成してもよい。透明保護層13は、第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16の分光特性に影響を与えないことが好ましい。例えば、波長が400nm以上700nm以下、または380nm以上780nm以下の可視光に対して透過率90%以上であり、より好ましくは透過率95%以上となるように形成されることが好ましい。
次に、図3-2(e)から図3-2(g)に示すように、前工程(図3-1(b)~図3-1(d)参照)で形成した第1の色フィルター14及び透明保護層13上に開口部を有するエッチングマスクパターンを形成する。
エッチングマスクパターン形成にあたり、まず、第1の色フィルター14の表面に、感光性樹脂材料を塗布して乾燥し、エッチングマスク20を形成する(図3-2(e)参照)。
次に、現像によりエッチングマスク20の不要部(露光部)20aを除去する。これにより、開口部20bを有するエッチングマスク20がパターン形成される(図3-2(g)参照)。開口部20bの位置には、第1の色フィルター形成工程の後の工程において、第2の色フィルター15又は第3の色フィルター16が形成される。
また、感光性樹脂材料としては、高解像で高精度なパターンを作製するために、一般的なフォトレジストを用いることが望ましい。フォトレジストを用いることで、感光性を持たせた色フィルター用材料でパターンを形成する場合と異なり、形状制御が容易で、寸法精度の良いパターンを形成することが出来る。
また、ここで用いるフォトレジストとしては、ポジ型レジスト又は、ネガ型レジストのどちらでも問題はない。しかしながら、エッチング後のフォトレジスト除去を考慮すると、外部要因によって化学反応が進んで硬化する方向に変化するネガ型レジストよりも、化学反応が進んで溶解する方向に化学反応が起こりやすいポジ型レジストの方が望ましい。
以上のようにして、エッチングマスク20がパターン形成される。
ドライエッチングの手法としては、例えば、ECR、平行平板マグネトロン、DRM、ICP、又は2周波タイプのRIE(Reactive Ion Etching)等が挙げられる。エッチング方式については特に制限されないが、幅が数mm以上の大面積パターンや、幅が数百nmの微小パターン等、線幅や面積が異なっても、エッチングレートやエッチング形状が変わらないように制御できるエッチング方式が望ましい。また100mm以上450mm以下程度のサイズのウエハ全面で、面内均一にドライエッチングできる制御機構のドライエッチング手法を用いることが望ましい。
ドライエッチングガスに希ガスを多く用いることで、希ガスイオンの物理的衝撃による効果により、垂直にエッチングが進行する異方性エッチングが進行し易くなる。そのため、第1の色フィルター14のドライエッチングの初期においては、希ガスが多い条件下でエッチングを実施する。
具体的には、まず希ガスの単体又は反応性ガスと希ガスとの混合ガスが全ガス流量の90%以上の状態で、開口部20bに露出する透明保護層13及び第1の色フィルター14の一部をエッチングする。このとき、半導体基板10へのダメージを低減するためにエッチングを途中で止め、物理的にエッチングを行う希ガスの割合を低減した後、エッチングを再開しても良い。このようなドライエッチングガスの使用条件では、第1の色フィルター14の膜厚の50%から95%程度をエッチングした段階でエッチングを止める(図3-3(h)参照)。
また、図3-3(i)に示すように、透明保護層13、第1の色フィルター14及び平坦化層12をドライエッチングする際に生成される反応生成物により、隔壁30が第1の色フィルター14の側壁に形成される。隔壁30は、最終的に色フィルター層100を構成する複数色の色フィルター(第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)のそれぞれを分け隔てる構成となる。隔壁30は、第1の色フィルター用材料及び平坦化層材料と、ドライエッチングガスとの反応生成物により形成される。ここで、第1の色フィルター14のドライエッチング時において異方性のあるエッチングを行う場合は、ドライエッチングによる反応生成物が第1の色フィルター14の側壁へ付着することで形成される側壁保護層の制御が重要となる。また、ドライエッチング条件により、反応生成物の第1の色フィルター14の側壁(外周囲)への付着の仕方及び付着の量は変化する。
本実施形態では、Ar、He等の反応性の少ない元素を含む希ガスを全ガス流量の90%以上にして、フッ素系又は酸素系等の反応性を有するガス種が1種類以上混合されたドライエッチングガスを用いる。これにより、物理的衝撃に加えて化学反応を用いてエッチングレートを向上させ、且つ第1の色フィルター14の側壁に付着する反応生成物の量を制御することができる。このようにして、第1の色フィルター14の側壁に付着させた反応生成物が隔壁30として形成される。
次に、残存しているエッチングマスク20のパターンの除去を行う(図3-3(j)参照)。エッチングマスク20の除去には、例えば薬液や溶剤を用いる。薬液や溶剤を用いることで、第1の色フィルター14に影響を与えずにエッチングマスク20を溶解、剥離することができる。エッチングマスク20を除去する溶剤としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等の有機溶剤を単独で、又は、複数を混合した混合溶剤として用いる。また、エッチングマスク20の除去に用いる溶剤は、各色フィルター用材料に影響を与えないものであることが望ましい。各色フィルター用材料に影響を与えないのであれば、酸系の薬品を用いた剥離方法でも問題ない。
以上の工程により、第1の色フィルター14の上部に形成された透明保護層13及び隔壁30のパターニング形成が完了する。
次に、第1の色フィルター14とは異なる色を含む第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16をパターン形成する工程(第3の工程)について、図1から図3-3を参照しつつ図4及び図5を用いて説明する。第3の工程は、第1の色フィルター14及び隔壁30のパターンをガイドパターンとすると共に、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16を、光硬化性樹脂を含んだ感光性色フィルター用材料を用いて形成し、従来手法で選択的に露光してパターン形成を行う手法である。
まず、第1の色フィルター14と、その上部の透明保護層13及び隔壁30をパターン形成した半導体基板10上の全面(図3-3(j)参照)に、第2の色フィルター用材料として感光性色フィルター用材料を塗布、乾燥を行い第2の色フィルター15を形成する(図4(a)参照)。このとき用いられる感光性色フィルター用材料は、光照射により硬化するネガ型の感光性成分を含有する。
次に、露光・現像を行ったパターン領域の第2の色フィルター15と半導体基板10との密着性向上、及び実デバイス利用での耐熱性向上のために、高温加熱での硬化処理を行うことで、第2の色フィルター15を硬化させる。これにより、第2の色フィルター15のパターン形成が完了する。このとき、第2の色フィルター15の熱硬化に用いる温度は、200℃以上が好ましい。
第1の色フィルター14の膜厚をA(nm)、透明保護層13の膜厚をB(nm)、第2の色フィルター15の膜厚をC1(nm)、平坦化層12の膜厚をD(nm)とした場合に、下記(1)式~(4a)式を満足するように、第2の色フィルター15の膜厚C1を設定する。
200nm≦A≦700nm ・・・(1)
0nm<B≦200nm ・・・(2)
0nm<D≦200nm ・・・(3)
A+B-300(nm)≦C1≦A+B+300(nm)・・・(4a)
図4(a)から図4(c)に示す第2の色フィルターの形成工程は、A+B+D=C1の条件を満たす膜厚C1を有する第2の色フィルターを形成する場合を例示しているが、(4a)式に示すように、膜厚C1は、(A+B)±300(nm)の範囲に収まっていればよい。
ここで、第1の色フィルター14の上部が透明保護層13に覆われていない場合、この第2の色フィルター15の硬化の際に、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15とが混色し、針状結晶が発生するおそれがあった。これに対し、本実施形態に示すように、第1の色フィルターの上部を透明保護層13で覆うことで、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15との混色や、針状結晶の発生を防止することができる。これにより、本実施形態において、第1の色フィルター材料と第2の色フィルター材料との混色や針状結晶の発生を考慮せずとも色フィルターの形成が可能となる。
第2の色フィルター15のパターン形成が完了すると、次に、第3の色フィルター用材料を半導体基板10上に塗布、乾燥を行う(図5(a)参照)。より詳細には、第1の色フィルター14とその上部の透明保護層13、隔壁30及び、第2の色フィルター15をパターン形成した半導体基板10の表面全面(図4(c)参照)に、第3の色フィルター用材料を塗布して、第3の色フィルター16を形成する。
次に、半導体基板10上に形成した第3の色フィルター16のうち、第3の色フィルター16を形成するパターン領域の第3の色フィルター16に対し、フォトマスク(不図示)を用いて選択的に露光し(図5(b)参照)、露光した第3の色フィルター16を選択的に光硬化させて第3の色フィルター16を形成する。さらに、現像によって露光されていない(光硬化していない)パターン領域外の第3の色フィルター16を除去する(図4(c)参照)。
なお、この第2の色フィルター15以降のパターン形成工程を繰り返すことで、所望の色数の色フィルターを形成することが可能である。
本実施形態では、第3の色フィルター16の膜厚をC2(nm)とした場合に、下記(1)式~(4b)式を満足するように、第3の色フィルター16の膜厚C2を設定する。
200(nm)≦A≦700(nm)・・・(1)
0(nm)<B≦200(nm) ・・・(2)
0(nm)<D≦200(nm) ・・・(3)
A+B-300(nm)≦C2≦A+B+300(nm)・・・(4b)
膜厚C2が上述の(4b)式の範囲であれば、硬化に十分な熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含みながら、本実施形態による固体撮像素子1の所望の分光特性が得られる顔料濃度を有する色フィルターとして、第3の色フィルター16を形成することができる。
図3-1から図5を用いて色フィルター層100を構成する3色の色フィルターの形成工程を説明したが、色フィルター層100を構成する色フィルターは3色に限られない。例えば、色フィルター層100は、4色以上の色フィルターによって構成されてもよい。4色以上の複数色による色フィルターを製造する場合は、第1の色フィルターのパターン形成時に、4色以上の色フィルターの形成箇所に対応する開口が設け、第3の色フィルターの形成以降の工程として、上述した第2の色フィルター15の形成工程と同様の処理を繰り返す。また、色フィルター層100を構成する最後の色フィルターを形成する工程では、上述した第3の色フィルター16の形成工程と同様の処理を行う。これにより、4色以上の複数色の色フィルターを作製して、色フィルター層100を構成することができる。
次に、固体撮像素子1の製造工程の最後の工程として、マイクロレンズ18を形成する工程(第4工程)について、図6から図8を用いて説明する。マイクロレンズ18は、ドライエッチングを用いたマイクロレンズ転写方法(エッチバック方式)、熱フローを用いた作製方法及びグレートーンマスクによるマクロレンズ作製方法等のうちいずれかにより形成される。
ここで、ドライエッチングによるパターニング技術(マイクロレンズ転写方法)を用いて本実施形態による固体撮像素子1のマイクロレンズ18を形成する例を、図6を用いて説明する。本例では、マイクロレンズ形成材料上にドライエッチングマスクを形成し、ドライエッチングによりマイクロレンズ形状をマイクロレンズ形成材料に転写するエッチバック方式を用いてマイクロレンズ18を形成する。
次に、フォトマスク(不図示)を用いてマイクロレンズ母型層19aを露光し、熱フロー法によってマイクロレンズ母型層19aを半球形状のレンズ形状に形成する(図6-2(c)参照)。
熱フローを用いた作製方法を用いる場合、まず色フィルター層100の各色フィルターを形成した半導体基板10の上方を覆うように平坦化膜19bを形成する(図7-1(a)参照)。このとき形成する平坦化膜19bは、第1の色フィルター14の下部に形成した平坦化層12の材料及び第1の色フィルター14の上部に形成した透明保護層13と同様の材料でよい。また、少なくとも、平坦化膜19bの材料は、上部に形成されるマイクロレンズ18の作製に問題のない材料であれば良い。
ここで、本実施形態におけるマイクロレンズ材料層18aの形成に採用可能な材料としては、紫外線(g線、h線及びi線)及びエキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビーム及びX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジストにとして好適なポジ型レジスト樹脂が使用できる。このポジ型レジスト樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂及びポリビニルフェノール樹脂等が例示できる。
次に、フォトマスク21を用いて、露光現像を実施する(図7-1(b)参照)。さらに、露光現像に次いで現像処理を行うことによって、色フィルター層100上において、マイクロレンズ材料層18aによりマイクロレンズの母型形状が形成される(図7-2(c)参照)。
上述のように図7(a)から図7(d)に示す工程を行うことで、熱フロー法を用いてマイクロレンズ18を形成することができる。
この方法では、グレートーンマスクという特殊な露光用マスク(フォトマスク)を使用してマイクロレンズ18を形成する。グレートーンマスクは、作製対象のレンズ要素に対応するように光透過率を可変した遮光膜を、石英基板上に形成したものである。遮光膜に濃淡のグラデーション(階調)が付されたマスクということができる。グレートーンマスクにおける階調の濃淡は、露光に用いる光では解像しない小さな径のドットの、単位面積当たりの個数(粗密)の部分的な差によって達成される。グレートーンマスクを用いた露光法によれば、所望のマイクロレンズの形状を制御することが容易となる。具体的には、グレートーンマスクを用いた露光法により表面荒れを抑制することができるため、レンズ表面の光散乱が少なく、且つ滑らかなマイクロレンズを得ることが出来る。グレートーンマスクを用いて形成されるマイクロレンズ形状としては、球面形状、放物線形状、Sin形状、三角錐等があるが、集光効率の観点より、放物線形状が好ましい。また、本実施形態では、グレートーンマスクを用いてマイクロレンズ材料層を露光する際は、一般的なステッパーと呼ばれる露光装置を用いる。この露光装置における露光には紫外光が用いられ、波長は365nmが好適である。
次に、グレートーンマスク22を用いて、マイクロレンズ材料層18aの露光を実施する(図8-2(c)参照)。さらに、露光に次いで現像処理を行うことによって、色フィルター層100上にマイクロレンズの母型形状が形成される。グレートーンマスクを用いることで、現像処理の段階でマイクロレンズ材料層18aが所望のマイクロレンズ形状に形成される。
上述のように、図8-1(a)から図8-2(d)に示す工程を行うことで、グレートーンマスクを用いてマイクロレンズを形成することができる。
以上の工程により、本実施形態の固体撮像素子1が完成する。
本実施形態では、上述したように、第1の色フィルター14を、最も占有面積の広い色フィルターとすることが好ましい。そして、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16は、感光性を有したカラーレジストを用いてフォトリソグラフィによりそれぞれ形成する。
また、本実施形態では、第1の色フィルター14の上部に、透明保護層13が形成されていることにより、第1の色フィルター14の形成時におけるエッチングマスク除去プロセスや、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16の形成時における材料混色のおそれを低減でき、針状結晶の発生を抑制することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図9を用いて説明する。
(固体撮像素子の構成)
図9に示すように、本実施形態に係る固体撮像素子2は、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、半導体基板10の上方に配置された複数のマイクロレンズ18とを備えている。また、半導体基板10とマイクロレンズ18との間には、色フィルター層100と、隔壁30とが設けられている。色フィルター層100は、複数色の色フィルター(第1の色フィルター14、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16)が所定の規則でパターン形成されて構成される。また、隔壁30は、複数色の色フィルターのそれぞれの間に形成される。また、複数色の色フィルターの内、第1の色フィルター14の上面にのみ透明保護層13が構成されている。複数色の色フィルターそれぞれの下層には、平坦化層12が形成されている。平坦化層12は、一部膜厚が変化している。具体的には、平坦化層12は、第2の色フィルター15及び第3の色フィルター16の下層においてのみ、後述するドライエッチング工程により膜厚が変化している。
本実施形態では、複数の光電変換素子11を有する半導体基板10を準備し、半導体基板10の表面全面、すなわち色フィルター層100の形成位置全面に、平坦化層12を形成する。本実施形態における平坦化層12は、後述するドライエッチング工程でのエッチングストッパーの役割を担う。平坦化層12は上記第1実施形態と同様に、珪素、炭素、酸素、水素、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム、銀及びフッ素等の材料のうちを一又は複数含有する化合物や、酸化化合物、窒化化合物等により形成してもよい。これらの材料を用いる平坦化層12は、スプレー法、塗布法、CVD法等の化学的作製法と、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等の物理的作製方法とで形成する。化学的作製方法は、塩化物の加水分解や、有機化合物の熱分解反応により平坦化層12を作製する方法である。また、平坦化層12は、これらの材料を含んだ物質の塗布、加熱硬化などで形成しても良い。
本実施形態において、平坦化層12上に第1の色フィルター14、透明保護層13及び、エッチングマスクを形成する工程は、第1の実施形態と同様である。
多段階エッチングの場合、希ガスの割合を低減する段階では、平坦化層12及び半導体基板10をエッチングし難いガス、すなわち酸素系ガスやフッ素系ガスを用いて、開口部20bに露出する第1の色フィルター14を全てエッチングする。この段階におけるドライエッチングにおいては、平坦化層12のエッチング速度が遅いため、第1の色フィルター14を残渣なくエッチングし、且つ平坦化層12がエッチングにより無くならない(残存する)範囲の時間で行う。
なお、第2の色フィルターの形成工程においても、ドライエッチングの工程は第1の実施形態と同様である。
なお、第2の色フィルター15及び第3の色フィルターの形成工程(第3工程)、マイクロレンズ形成工程(第4工程)は、上記第1実施形態と同様である。
以下、本発明の固体撮像素子及び従来法による固体撮像素子について、実施例1により具体的に説明する。本実施例では、上記第1実施形態に係る固体撮像素子1(図1参照)の製造方法を用いて固体撮像素子を得た。
(平坦化層の形成)
二次元的に配置された光電変換素子11を備える半導体基板10上に、アクリル系樹脂を含む塗布液を回転数3000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて230℃で6分間の加熱処理を施して、樹脂を硬化し、平坦化層12を形成した。この際の平坦化層12の膜厚は50nmで可視光の透過率は98%であった。
次に、色フィルター層100を構成する複数色の色フィルターのうち1色目であるグリーンの顔料を含む第1の色フィルター用材料として、熱硬化性樹脂を含ませたグリーン顔料分散液を平坦化層12上に1000rpmの回転数でスピンコートした。この1色目の色フィルター用材料のグリーンの顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、その顔料濃度は70質量%、膜厚は500nmであった。
次に、第1の色フィルター用材料(グリーンフィルター用材料)の硬化を実施するため、ホットプレートにおいて温度230℃により6分間ベークを行い、第1の色フィルター14の熱硬化を行った。
次に、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)上に、アクリル樹脂を含む塗布液の粘度を調整して回転数3000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて温度230℃で6分間の加熱処理を施して樹脂を硬化し、透明保護層13を形成した。この際の透明保護層13の膜厚は20nmであり、透明保護層13の可視光の透過率は99%であった。また、この際に用いたアクリル樹脂を含む塗布液は、後述するマイクロレンズ18を転写する材料を希釈して粘度を調整したものである。
次に、このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリソグラフィを行った。フォトリソグラフィには、i線の波長の紫外線を照射可能な光源を有する露光装置を用いた。ポジ型レジストは、紫外線照射によって化学反応を起こし、現像液に溶解するようになった。
ポジ型レジストを用いる際には、現像後脱水ベークを行い、ポジ型レジストの硬化を行うことが多い。しかしながら、本実施例においてはドライエッチング後のエッチングマスクの除去を容易にするため、ベーク工程を実施しなかった。これにより、レジストが硬化せず選択比の向上が見込めないため、ポジ型レジストの膜厚をグリーンフィルターである第1の色フィルター14の膜厚の2倍以上である、1.5μmの膜厚で形成した。この際のエッチングマスクの開口部パターンは、1.1μm×1.1μmで形成した。
本実施例では、このようにして、ポジ型レジストを用いたエッチングマスクパターンを形成した。
多段階ドライエッチングにおける最初のガス種としては、CF4、O2及びArガスの三種を混合したガスを用いてエッチングを実施した。CF4及びO2のガス流量を各5ml/minとし、Arのガス流量を200ml/minとした。すなわち、全ガス流量中、Arのガス流量が95.2%であった。また、この際のドライエッチング条件は、ドライエッチング装置におけるチャンバー内の圧力を1Paの圧力とし、RFパワーを500W、コイルパワーを1000Wとして設定した。
本実施例では、このドライエッチング条件を用いて、第1の色フィルター14の膜厚を540nmと仮定したことにより、第1の色フィルター14の膜厚の内370nmをドライエッチングした段階で、次のドライエッチング条件に変更した。
本実施例における多段階ドライエッチングでの次のガス種としては、O2ガスを用いた。また、ドライエッチング条件は、O2ガス流量を150ml/min、チャンバー内圧力を2Pa、RFパワーを100W、コイルパワーを1000Wの条件とした。このドライエッチング条件を用いて、残存している平坦化層12の膜厚50nmのドライエッチングを行った。
次に、ドライエッチング工程においてエッチングマスクとして用いたポジ型レジストの除去を行った。ポジ型レジストの除去方法は、溶剤を用いた方法であり、具体的には、剥離液104(東京応化工業株式会社製)を用いてスプレー洗浄装置によりポジ型レジストの除去を行った。
次に第2の色フィルター15の形成工程を行った。第2の色フィルター15を設けるべくブルー顔料分散液を含有し、感光性を有したブルーレジストを半導体基板10上の全面に塗布した。このとき、ブルーレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PB156、C.I.PV23であり、顔料濃度は50質量%であった。また、第2の色フィルター15(本実施例ではブルーフィルター)の膜厚は570nmであった。また、ブルーレジストの主成分である樹脂としては、感光性を持たせたアクリル系の樹脂を用いた。また、半導体基板10上へのブルーレジスト塗布前に、半導体基板10に対する密着性を向上させるためにHMDS処理を行ってもよい。
次に、フォトリソグラフィによりブルーレジストを選択的に露光して、現像を行い、第2の色フィルター15のパターンを形成した。
また、本実施例において、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)の上部には透明保護層13が形成されており、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15(ブルーフィルター)とは物理的に接触しない構成となっている。このため、本実施例では、第2の色フィルター15の加熱工程を経ても、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15との間での混色及び反応による針状結晶は確認されなかった。
次に、第3の色フィルター16の形成工程を行った。第3の色フィルター16を設けるべく、レッド顔料分散液を含有し感光性を有するレッドレジストを半導体基板10上の全面に塗布した。このとき、レッドレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PR254、C.I.PY139であり、顔料濃度は60質量%であった。また、第3の色フィルター16(本実施例ではレッドフィルター)の膜厚は570nmであった。
次に、第3の色フィルター16を強固に硬化させるため、ホットプレートで、温度230℃で6分間ベークを行った。また、第3の色フィルター16は周囲を矩形性のよい第1の色フィルター14(グリーンフィルター)及び隔壁30に覆われており、矩形性良く形成される。このため、底面(例えば半導体基板10の表面)及び周囲(例えば隔壁30)との間で、密着性良く硬化することが確認された。
本実施例では、上述の工程により、グリーン顔料を含む第1の色フィルター14の膜厚A(500nm)と、第1の色フィルター14の下層の平坦化層12の膜厚(50nm)、第1の色フィルター14の上層の透明保護層13の膜厚B(20nm)、第2の色フィルター15及び第3の色フィルターの膜厚C(570nm)は、上記第1実施形態による固体撮像素子1に基づく膜厚となっている。また、本実施例では、第2の色フィルター15及び第3の色フィルターの下層は半導体基板10であって、平坦化層12は存在しない構成である。
次に、このマイクロレンズ転写層19の上に、アルカリ可溶性・感光性・熱リフロー性を有する樹脂を塗布して感光性犠牲層を形成した。その後、感光性犠牲層を、フォトマスクを使用してフォトリソグラフィのプロセスによりパターン化した後、温度250℃で熱処理して、マイクロレンズ母型層19aを形成した。マイクロレンズ母型層19aは、厚さ約0.5μmのスムースな半球形状であった。
また、本実施例では、第1の色フィルター14であるグリーンフィルターの硬化性、溶剤耐性を向上させるため、第1の色フィルター材料として熱硬化樹脂材料を用いたが、所望の分光特性によっては、顔料濃度や、経時特性などを重視して、光硬化性樹脂のみ又は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂を併用した材料で第1の色フィルターを形成してもよい。
以下、本発明の固体撮像素子及び従来法による固体撮像素子について、実施例2により具体的に説明する。実施例2では、上記第2実施形態に係る固体撮像素子2(図9参照)の製造方法を用いて固体撮像素子を得た。
まず、二次元的に配置された光電変換素子11を備える半導体基板10上に、平坦化層12としてITO膜を成膜した。平坦化層12としてのITO膜は、マグネトロンスパッタリング法を用いて、30nmの膜厚で成膜した。ITO膜の成膜温度は常温付近とし、加工を容易な非結晶膜になるようにITO膜を形成した。
次に、このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリソグラフィを行った。フォトリソグラフィには、i線の波長の紫外線を照射可能な光源を有する露光装置を用いた。ポジ型レジストは、紫外線照射により、化学反応を起こして現像液に溶解するようになった。
次に、半導体基板10のウェットエッチングにおいてエッチングマスクとして用いたポジ型レジストの除去を行った。ポジ型レジストの除去方法は、溶剤を用いた方法であり、剥離液104(東京応化工業株式会社製)を用いてスプレー洗浄装置によりポジ型レジストの除去を行った。
次に、色フィルター層100を構成する複数色の色フィルターのうち1色目であるグリーンの顔料を含む第1の色フィルター用材料として、熱硬化性樹脂を含ませたグリーン顔料分散液を平坦化層12上に1000rpmの回転数でスピンコートした。この1色目の色フィルター用材料のグリーンの顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、その顔料濃度は70質量%、膜厚は500nmであった。
次に、第1の色フィルター用材料の硬化を実施するため、ホットプレートにおいて温度230℃により6分間ベークを行い、第1の色フィルター14ーの熱硬化を行った。
次に、第1の色フィルター14(本実施例では、グリーンフィルター)上に、アクリル樹脂を含む塗布液の粘度を調整して回転数3000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて温度230℃で6分間の加熱処理を施して樹脂を硬化し、透明保護層13を形成した。この際の透明保護層13の膜厚は20nmであり、透明保護層13の可視光の透過率は99%であった。また、この際に用いたアクリル樹脂を含む塗布液は、後述するマイクロレンズ18を転写する材料を希釈して粘度を調整したものである。
次に、このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリソグラフィを行った。フォトリソグラフィには、i線の波長の紫外線を照射可能な光源を有する露光装置を用いた。ポジ型レジストは、紫外線照射により、化学反応を起こして現像液に溶解するようになった。
本実施例では、このようにして、ポジ型レジストを用いたエッチングマスクパターンを形成した。
多段階ドライエッチングにおける最初のガス種としては、CF4、O2、及びArガスの三種を混合したガスを用いてエッチングを実施した。CF4、O2のガス流量を各5ml/minとし、Arのガス流量を200ml/minとした。すなわち、全ガス流量中、Arのガス流量が95.2%であった。また、この際のドライエッチング条件はドライエッチング装置におけるチャンバー内の圧力を1Paの圧力とし、RFパワーを500W、コイルパワーを1000Wとして設定した。
本実施例では、このドライエッチング条件を用いて、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)の膜厚を540nmと仮定したことにより、第1の色フィルター14の膜厚の内370nmをドライエッチングした段階で、次のドライエッチング条件に変更した。
上述のドライエッチング条件では、グリーンフィルター(第1の色フィルター14に相当)を500nm、透明保護層13を20nm、さらに平坦化層12を5nmほどドライエッチングしたが、ドライエッチングに基づくこれらの反応生成物により形成された隔壁30の寸法は30nmであった。
次に、ドライエッチング工程においてエッチングマスクとして用いたポジ型レジストの除去を行った。ポジ型レジストの除去方法は、溶剤を用いた方法であり、具体的には、剥離液104(東京応化工業株式会社製)を用いてスプレー洗浄装置によりポジ型レジストの除去を行った。
次に第2の色フィルター15の形成工程を行った。第2の色フィルター15を設けるべくブルー顔料分散液を含有し、感光性を有したブルーレジストを半導体基板10上の全面に塗布した。このとき、ブルーレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PB156、C.I.PV23であり、顔料濃度は50質量%であった。また、第2の色フィルター15(本実施例ではブルーフィルター)の膜厚は570nmであった。また、ブルーレジストの主成分である樹脂としては、感光性を持たせたアクリル系の樹脂を用いた。また、半導体基板10上へのブルーレジスト塗布前に、半導体基板10上に対する密着性を向上させるためにHMDS処理を行ってもよい。
次に、フォトリソグラフィによりブルーレジストを選択的に露光して、現像を行い、第2の色フィルター15のパターンを形成した。
また、本実施例において、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)の上部には透明保護層13が形成されており、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15(ブルーフィルター)とは物理的に接触しない構成となっている。このため、本実施例では、第2の色フィルター15の加熱工程を経ても、第1の色フィルター14と第2の色フィルター15との間での混色及び反応による針状結晶は確認されなかった。
次に、第3の色フィルター16の形成工程を行った。第3の色フィルター16を設けるべくレッド顔料分散液を含有し、感光性を有するレッドレジストを半導体基板10上の全面に塗布した。このとき、レッドレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PR254、C.I.PY139であり、顔料濃度は60質量%であった。また、第3の色フィルター16(本実施例ではレッドフィルター)の膜厚は570nmであった。
次に、フォトリソグラフィによりレッドレジストを選択的に露光して、現像を行い、第3の色フィルター16のパターンを形成した。
また、本実施例において、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)の上部には透明保護層13が形成されており、第1の色フィルター14と第3の色フィルター16(レッドフィルター)とは物理的に接触しない構成となっている。このため、本実施例では、第3の色フィルター16の加熱工程を経ても、第1の色フィルター14と第3の色フィルター16との混色及び反応による針状結晶は確認されなかった。
また、本実施例において、最後に上記実施例1と同様の方法でレンズトップからレンズボトムまでの高さを500nmとするマイクロレンズ18を形成した。これにより、実施例2の固体撮像素子を完成した。
また、本実施例による固体撮像素子においては、半導体基板10上にITO膜で形成した平坦化層12があるため、エッチング時においてエッチングストッパー層の役割を果たす。また、ITO膜は導電性があるため、第1の色フィルター14(グリーンフィルター)のドライエッチング時におけるプラズマダメージを逃す効果がある。このため、半導体基板10に形成した複数の光電変換素子11に対して、ドライエッチングの影響は観測されなかった。
特許文献1に記載の従来法に基づき、フォトリソグラフィプロセスによって複数色の色フィルターパターンを形成した。
但し、グリーンフィルター、ブルーフィルター、レッドフィルターの3色の膜厚を700nmと薄膜に設定し、複数色の色フィルター全部の下層には平坦化層(100nm)を設けた。またフォトリソグラフィプロセスを用いているため、グリーンフィルターの上部には透明保護層は存在しない。
その他は、上記実施例1と同様にして、従来法により固体撮像素子を従来例1として製造した。
上記の実施例1及び実施例2との比較に用いるため、第1の色フィルター上に透明保護層を形成しないサンプルを作製した。作製方法はグリーンフィルターを形成後、グリーンフィルター上に透明保護層を形成せずに、そのままポジ型レジストを用いてエッチングマスクを形成する。またエッチングの際には、グリーンフィルターの膜厚は500nmで想定してエッチング時間を調整して実施する。それ以外は、上記実施例1と同様の条件により、従来のドライエッチング法で従来例2の固体撮像素子を製造した。
上記実施例1及び実施例2の固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度を、従来法のフォトリソグラフィでグリーン、ブルー、レッドの三色の膜厚を700nmで分光特性を合わせた構造で作製した従来例1の固体撮像素子と、透明保護層が無い従来の構造である従来例2の固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度と比較評価を行った。
以下の表1には、図1に示す上記第1実施形態に係る固体撮像素子に対応する実施例1による固体撮像素子、及び図9に示す第2の実施形態に係る固体撮像素子2に対応する実施例2による固体撮像素子における、各色の信号強度の評価結果が示されている。表1に示す数値は、従来例2、実施例1及び実施例2に係る固体撮像素子における各色の信号強度を、従来例1による固体撮像素子における各色の信号強度で規格化された値である。すなわち、表1に示す数値は、従来例1による固体撮像素子における各色の信号強度と、従来例2、実施例1及び実施例2に係る固体撮像素子のそれぞれにおける各色の信号強度との比を示している。
これは、実施例1及び実施例2による固体撮像素子は、隔壁30を有することにより、画素の斜め方向からの入射光が一の色フィルターを通過して他の色フィルターに向かう場合に、隔壁30により入射が遮られるか、又は光路が変わるためである。これにより、実施例1及び実施例2による固体撮像素子では、一の色フィルターから他の色フィルターに向かう光が、他の色フィルターに対応する光電変換素子11に入射することが抑制され、混色が抑制される。
実施例1及び実施例2と、従来ドライエッチング法により製造した透明保護層の形成の無い従来例2との分光特性の評価をした結果、実施例1、2では、従来例2と比較してグリーンの信号強度の増加が確認された。これは従来のドライエッチング法では、グリーンフィルター上に透明保護層が無いため、グリーンフィルターの表面にブルーフィルター及びレッドフィルター形成時において混色による針状結晶がわずかであるが発生している影響である。これは、従来例2では、色フィルターを薄膜化するために顔料濃度を向上させているため、グリーンフィルター用材料が不安定化しており、他色の色フィルター形成時の高温工程で混色が生じているためである。
10 半導体基板
11 光電変換素子
12 平坦化層
13 透明保護層
14 第1の色フィルター
15 第2の色フィルター
16 第3の色フィルター
18 マイクロレンズ
19 マイクロレンズ転写層
19a マイクロレンズ母型層
20 エッチングマスク
30 隔壁
Claims (19)
- 二次元的に配置された複数の光電変換素子を有する半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の光電変換素子に対応させて複数色の色フィルターが予め設定した規則パターンで二次元的に配置された色フィルター層と、
前記複数色の色フィルターと前記半導体基板との間に形成された平坦化層と、
前記複数色の色フィルター間に配置された隔壁と、
前記色フィルター層上に形成され、前記複数色の色フィルターのそれぞれに対応させて二次元的に配置されたマイクロレンズと、
前記複数色から選択した第1色の色フィルターと前記マイクロレンズとの間のみに配置された透明保護層と、
を備え、
前記平坦化層は錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有し、
前記平坦化層の膜厚は0nmを超過し200nm以下の範囲内であり、且つ前記透明保護層の膜厚は5nm以上20nm以下の範囲内である
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記透明保護層は、前記マイクロレンズと同一の材料で構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。 - 前記透明保護層は、珪素、炭素、酸素、水素及び窒素のうち少なくとも1種類を含有する有機化合物であって、可視光に対して90%以上の透過率であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子。 - 前記透明保護層は、珪素、炭素、酸素、水素、窒素、フッ素、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有する単層又は多層であること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記透明保護層は、アクリル樹脂を含有している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像素子。 - 前記平坦化層は、珪素、炭素、酸素、水素、窒素、フッ素、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有する単層又は多層であること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記平坦化層は、前記第1色の色フィルターと前記半導体基板との間のみに形成されていること
を特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記平坦化層は、珪素、炭素、酸素、水素及び窒素のうち少なくとも1種類を含有する有機化合物であって、可視光に対して90%以上の透過率であること
を特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記透明保護層の屈折率をT、前記マイクロレンズの屈折率をnとする場合に下記式(1)を満たすこと
を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
n-1≦T≦n+1・・・(1) - 前記隔壁は、亜鉛、銅、ニッケル、珪素、炭素、酸素、水素、窒素、臭素及び塩素のうち少なくとも1種類を含有すること
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記第1色の色フィルターの膜厚をA(nm)、前記透明保護層の膜厚をB(nm)、前記色フィルター層における前記第1色以外の色の色フィルターの膜厚をC(nm)、前記平坦化層の膜厚をD(nm)、前記透明保護層の可視光の透過率をE(%)、前記隔壁の寸法(横幅)をF(nm)とした場合に、下記式(2)~(7)を満足すること
を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
200(nm)≦A≦700(nm) ・・・(2)
0(nm)<B≦200(nm) ・・・(3)
0(nm)<D≦200(nm) ・・・(4)
A+B-300(nm)≦C≦A+B+300(nm)・・・(5)
E≧90(%) ・・・(6)
F≦200(nm) ・・・(7) - 前記第1色の色フィルターは、着色剤である顔料の濃度が50質量%以上であること
を特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記第1色の色フィルターは、熱硬化性樹脂を含有すること
を特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記複数色の色フィルターのうち、前記第1色の色フィルターの占有面積が一番広いこと
を特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記マイクロレンズは、レンズトップからレンズボトムの高さが300nm以上800nm以下の範囲内である
ことを特徴する請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 二次元的に配置された複数の光電変換素子を有する半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の光電変換素子に対応させて複数色の色フィルターが予め設定した規則パターンで二次元的に配置された色フィルター層と、
前記複数色の色フィルターそれぞれの下層に形成され、前記複数色から選択した第1色の色フィルター以外の色フィルターの下層において膜厚が変化している平坦化層と、
前記複数色の色フィルター間に配置された隔壁と、
前記色フィルター層上に形成され、前記複数色の色フィルターのそれぞれに対応させて二次元的に配置されたマイクロレンズと、
前記第1色の色フィルターと前記マイクロレンズとの間のみに配置された透明保護層と、
を備え、
前記平坦化層は錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有する
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 複数の光電変換素子を二次元的に配置した半導体基板上に平坦化層を形成し、次に前記平坦化層上に塗布した塗布液を熱硬化させて第1色の色フィルターを形成し、次に前記第1色の色フィルターの上部に透明保護層を形成し、前記透明保護層を形成した後、前記第1色の色フィルターの一部をドライエッチングによって除去して、前記透明保護層が上部に形成された前記第1色の色フィルターをパターン形成する第1の工程と、
前記第1の工程において前記第1色の色フィルターをドライエッチングする際に生じた、前記第1色の色フィルターとドライエッチングガスとの反応生成物により、前記第1色の色フィルターの外周囲に隔壁を形成する第2の工程と、
前記第2の工程後に、前記半導体基板上に前記第1色の色フィルターと異なる他の色の色フィルターを、フォトリソグラフィによってパターン形成する第3の工程と、
前記第3の工程後に、前記第1色の色フィルター及び前記他の色の色フィルターの上部にマイクロレンズを形成する第4の工程と、を備え、
前記第1の工程において、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、ハフニウム及び銀のうち少なくとも1種類を含有する前記平坦化層を形成し、前記平坦化層の膜厚は0nmを超過し200nm以下の範囲内に形成し、且つ前記透明保護層の膜厚は5nm以上20nm以下の範囲内に形成する
ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 前記第1の工程における前記第1色の色フィルターの熱硬化時の加熱温度が170℃以上270℃以下であること
を特徴とする請求項17に記載の固体撮像素子の製造方法。 - 前記第4の工程において、マイクロレンズ形成材料上にドライエッチングマスクを形成し、ドライエッチングによりマイクロレンズ形状をマイクロレンズ形成材料に転写するエッチバック方式を用いて前記マイクロレンズを形成すること
を特徴とする請求項17又は請求項18に記載の固体撮像素子の製造方法。
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