JP7310130B2 - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
固体撮像素子は、画素のそれぞれに配置された光電変換素子と、所定の色パターンからなる色フィルター層とによってカラー化を図っている。また、各光電変換素子が光電変換に寄与する領域(開口部)は、固体撮像素子のサイズや画素数に依存する。その開口部は、固体撮像素子の全面積に対し、20~50%程度に限られている。開口部が小さいことはそのまま光電変換素子の感度低下につながることから、固体撮像素子では感度低下を補うために、光電変換素子上に集光用のマイクロレンズを形成することが一般的である。
また、他のパターン形成の方法として、特許文献2には、固体撮像素子上に、1色目の色フィルター層をドライエッチング工程によりパターニングして形成し、2色目以降の色フィルター層をフォトリソグラフィ工程によりパターニングして形成する方法が記載されている。
更に、特許文献3には、全ての色の色フィルターをドライエッチングによりパターニングして形成する方法が記載されている。
上述のように、従来の、色フィルター用材料に感光性を持たせてフォトリソグラフィにより形成される色フィルター層のパターン形成は、画素の寸法の微細化が進むにつれて、色フィルター層の膜厚の薄膜化も求められる。この場合、色フィルター用材料中の顔料成分の含有割合が増えることから、感光性成分を十分な量含有できず、解像性が得られない、残渣が残りやすい、画素剥がれが生じやすいという問題があり、固体撮像素子の特性を低下させる課題があった。
ここで、図面は模式的なものであり、色フィルターなどの厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態に係る固体撮像素子1は、図1及び図2に示すように、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、半導体基板10の上方に配置された複数のマイクロレンズ30からなるマイクロレンズ群と、半導体基板10とマイクロレンズ30との間に設けられた色フィルター層及び隔壁200とを備えている。色フィルター層は、複数色の各色フィルター14、15、16が所定の規則パターンで配置されて構成される。隔壁200は、複数色の各色フィルターのそれぞれの間に構成される。
更に隔壁200は、第1の色の色フィルター14の側壁に形成されており、図1のように、少なくとも半導体基板10では、隔壁200の厚さ方向に、第1の色の色フィルター14側から第1の隔壁13、次いで第2の隔壁18の2層が積層した隔壁となっている。その積層した隔壁は、隔壁200の厚さ方向に、屈折率の異なる2種類以上の材料からなる。隔壁200の全体が、上記の積層した隔壁の構造となっていてもよい。積層した隔壁の積層数は3層以上でも良い。
隔壁200が第1の色の色フィルター14の側壁に形成されることで、第1の色の色フィルター以外の色の各色フィルターは、それぞれ異なる隔壁200によって囲まれて、平面視で矩形の閉断面構造となっている。そして、第1の色の色フィルター14の側壁における、第1の色の色フィルター14とは反対側の側壁の面(隣り合う他の色の色フィルター側の外面)が、上記断面視で、半導体基板10に対して垂直形状となっている。
本実施形態に係る固体撮像素子1では、第1の色の色フィルター14には、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂が含まれている。光硬化性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂の含有量よりも少ない。また本実施形態では、色フィルター層が、複数色のグリーン、ブルー、レッドの3色から構成され、ベイヤー配列の配置パターンで配置される場合で例示する。4色以上からなる色フィルター層であってもよい。
以下、固体撮像素子の各部について詳細に説明する。
半導体基板10は、画素に対応させて複数の光電変換素子11が二次元的に配置されている。複数の光電変換素子11は、光を電気信号に変換する機能を有している。
光電変換素子11が形成されている半導体基板10は、通常、表面(光入射面)の保護及び平坦化を目的として、最表面に保護膜が形成されている。半導体基板10は、可視光を透過して、少なくとも300℃程度の温度に耐えられる材料で形成されている。このような材料としては、例えば、Si、SiO2等の酸化物及びSiN等の窒化物、並びにこれらの混合物等、Siを含む材料等が挙げられる。
各マイクロレンズ30は、画素位置に対応させて、半導体基板10の上方に配置されている。すなわち、マイクロレンズ30は、半導体基板10に二次元配置された複数の光電変換素子11毎に設けられる。マイクロレンズ30は、マイクロレンズ30に入射した入射光を光電変換素子11のそれぞれに集光させることにより、光電変換素子11の感度低下を補う。マイクロレンズ30は、レンズトップからレンズボトムの高さが300nm以上800nm以下の範囲であることが好ましい。
下層平坦化層12は、半導体基板10の表面保護及び平坦化のために、半導体基板10の最表面上に設けられた層である。下層平坦化層12は、光電変換素子11の作製によって生じる半導体基板10の上面の凹凸を低減し、第1の色の色フィルター14、第2の色の色フィルター15及び第3の色の色フィルター16を形成するためのカラーフィルタ用材料の半導体基板10に対する密着性を向上させることができる。
下層平坦化層12は、可視光が通過可能な層である。
下層平坦化層12は、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スチレン系樹脂及びケイ素系樹脂等のうち一又は複数を含む樹脂により形成される。
本実施形態では、下層平坦化層12の膜厚を、0[nm]より大きく200[nm]以下に形成する。下層平坦化層12の膜厚は、透過率、混色防止の観点からは薄いほど好ましく、5nm以上80nm以下がより好ましい。
所定パターンで色フィルター層を構成する各色フィルター14,15,16は、入射光を色分解する各色に対応するフィルターである。各色フィルター14,15,16は、半導体基板10とマイクロレンズ30との間に設けられ、画素位置に応じて、複数の光電変換素子11のそれぞれに対応するように予め設定された規則パターンで配置されている。
ここで、第1の色の色フィルター14は、第1の色の色フィルター14の厚さ方向での断面視において、少なくとも半導体基板10側で、第1の色の色フィルター14の幅が上部側から下部側に向かって小さくなるような逆テーパー形状で形成されている。
このように逆テーパー形状に形成することで、色同士の混色を防ぐために有効な隔壁を形成する領域を、第1の色の色フィルター内における、少なくとも半導体基板10側に確保でき、第1の色の色フィルター14と下層平坦化層12の隙間領域に第2の隔壁18を形成することが可能となる。
各色フィルター14,15,16は、所定の色の顔料(着色剤)と、熱硬化成分や光硬化成分を含んでいる。例えば、第1の色の色フィルター14は着色剤としてグリーン顔料を含み、第2色の色フィルター15はブルー顔料を含み、第3の色の色フィルター16はレッド顔料を含んでいる。
ここで、硬化成分を熱硬化成分のみとする場合には、固形分中の硬化成分は5質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上15質量%以下の範囲とする。
一方、硬化成分を光硬化成分のみとする場合には、固形分中の硬化成分は10質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上20質量%以下の範囲とする。
隔壁200は、隣り合う色フィルター14、15、16のそれぞれの間に構成される。第1の色の色フィルター14の側壁に設けられた隔壁200により、第1の色の色フィルター14と、第2、第3の色の色フィルター15、16とのそれぞれを分けることができる。
本実施形態の隔壁200の第2の隔壁18は、第1の色の色フィルター14を形成する1画素の領域において、第1の色の色フィルター14が備える逆テーパー形状の領域と上記下層平坦化層12との隙間を埋める形状を備えている。隔壁200は、色フィルター14側で最内面を形成する第1の隔壁13と、色フィルター14から離れた側で最外面を形成する第2の隔壁18で構成されている。そして、上記最外面が、断面視で、半導体基板10に対して垂直形状となっている。
また、第2の隔壁18は、色フィルターよりも高い屈折率を有する高屈折材料を用いて形成される。色フィルター層の内、最も低い屈折率は、1.85程度である。高屈折材料の屈折率は1.8~3.0が好ましい。
上記のように、第1の隔壁13と第2の隔壁18からなる積層の隔壁構成とすることで、色フィルターとの屈折率差を複数設けることができる。この結果、入射光に対して反射する効果を得やすくなり、効果的な隔壁とすることができる。
また、第1の隔壁13及び第2の隔壁18からなる隔壁200の形成幅は、200nm以下で形成されている。ここで、隔壁200の幅を200nm以下としているのは、隔壁200の幅が200nmより大きくなると、隔壁200によって光電変換素子11に入射する光が大幅に低減されて受光感度が低減してしまうおそれがあるためである。
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態の固体撮像素子の製造方法について説明する。
固体撮像素子の製造方法は、複数の光電変換素子11が二次元的に配置された半導体基板10上全面に、可視光を透過する層(下層平坦化層12)を形成する工程と、可視光を透過する層の上に第1の色の色フィルター材を塗布し硬化させる工程と、第1の色以外の他の色フィルターパターン形成箇所に位置する、ドライエッチングで可視光を透過する層及びその上の第1の色の色フィルターを開口し、その際、第1の色の色フィルター形状を、色フィルターの厚さ方向に切断した断面視で逆テーパー形状とする第1の工程と、第1の工程で第1の色の色フィルターの層をドライエッチングする際に生じる色フィルター層とドライエッチングガスの副生成物を、第1の色の色フィルターの側壁に第1の隔壁として形成する工程と、上記形成した第1の隔壁の上に、色フィルターよりも屈折率の高い材料を成膜する工程と、を備える。色フィルターよりも屈折率の高い材料を成膜の際に、第1の色の色フィルターを囲む隔壁の外面形状を断面視で矩形とする。
以下、製造方法について詳説する。
図3(a)に示すように、複数の光電変換素子11を有する半導体基板10を準備し、その表面の色フィルター層形成位置全面に、下層平坦化層12を形成する。
下層平坦化層12は、例えば上述したアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スチレン系樹脂及びケイ素系樹脂等の樹脂を一又は複数含んだ樹脂を塗布して硬化させることで形成する。本実施形態では、下層平坦化層12に有機系樹脂を用いることで、第1の色の色フィルター14以外の色フィルター(第2の色の色フィルター15及び第3の色の色フィルター16)の下層に下層平坦化層12がほぼ無い構造となる。
複数の光電変換素子11が二次元的に配置された半導体基板10上に形成した下層平坦化層12の表面に、図3(b)に示すように、樹脂材料を主成分とし第1の顔料(着色剤)を分散させた第1の樹脂分散液からなる第1の色の色フィルター用材料を塗布し、第1の色の色フィルター14を形成する。
次に、第1の色の色フィルター14の全面に紫外線を照射して、第1の色の色フィルター14を光硬化する(図3(c))。本実施形態では、従来手法のように色フィルター用材料に感光性を持たせて露光することで所望のパターンを直接形成する場合と異なり、第1の色の色フィルター14の全面を硬化するため、感光性成分の含有量を低下させても硬化が可能となる。第1の色の色フィルター用材料に光硬化性樹脂を混合しない場合は、この露光工程を実施しなくても良い。
次に、図3(d)に示すように、第1の色の色フィルター14の表面に、感光性樹脂材料を塗布して乾燥し、感光性樹脂層17を形成する。
次に、図4(f)に示すように、現像により感光性樹脂層17の不要部(露光部)を除去する。これにより、開口部を有するエッチングマスク17aが形成される。開口部の位置には、後の工程で第2の色の色フィルター又は第3の色の色フィルターが形成される。
次に、ドライエッチングガスを用いたドライエッチングにより、図5(g)(h)に示すように、開口部から露出する第1の色の色フィルター14以外の部分を除去すると共に、第1の隔壁13を形成する。
またこのとき、図5(g)(h)に示すように、第1の色の色フィルター14及び下層平坦化層12をドライエッチングする際に生成される反応生成物を、最終的に各色フィルター14,15,16のそれぞれの間に設けられる隔壁200の内、最内層である第1の隔壁13を第1の色の色フィルター14の側面に形成する。第1の隔壁13は、第1の色の色フィルター用材料及び下層平坦化層材料とドライエッチングガスとの反応生成物により形成される。この際、異方性のあるエッチングを行う場合は、ドライエッチングによる反応生成物が第1の色の色フィルター14の側壁へ付着して形成される側壁保護層の制御が重要となる。
ドライエッチングにおいてイオンによる物理的衝撃を用いた反応により、反応生成物の側壁への堆積量(付着量)を増加させることが可能となる。例えば使用するドライエッチング用ガスとしては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)等の希ガスが考えられ、特にArやHeが望ましい。
次に、残存しているエッチングマスク17aの除去を行う(図5(i)参照)。エッチングマスク17aの除去には、例えば薬液や溶剤を用いることで第1の色の色フィルター14に影響を与えず、エッチングマスク17aを溶解、剥離する除去方法が挙げられる。
エッチングマスク17aを除去する溶剤としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤を単独又は、複数を混合した混合溶剤が用いられる。また、この際用いる溶剤は、色フィルター用材料に影響を与えないものであることが望ましい。色フィルター用材料に影響を与えないのであれば、酸系の薬品を用いた剥離方法でも問題ない。
次に、図6(j)に示すように、第2の隔壁18を形成するために、高屈折材料18aとして、窒化シリコン、タングステン、アルミニウム、銅等の金属もしくはその酸化膜を、スプレー法、塗布法、CVD法などの化学的作製法と真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法などの物理的作製方法で形成する。化学的作製方法は、塩化物の加水分解や、有機化合物の熱分解反応により作製する方法である。また、高屈折材料18aはこれらの材料を含んだ物質の塗布、加熱硬化などで形成しても良い。
高屈折材料18aの部分的な除去方法としては、ドライエッチングやウェットエッチングなどの除去方法を用いることや、リフトオフ法などの事前に除去可能な材料で埋めておく方法などの公知の方法が使用できる。本形態ではドライエッチングを用いて除去する。第2の隔壁18は、高屈折材料18aとドライエッチングガスとの反応生成物が、第1の隔壁の側壁へ付着して形成される。第2の隔壁形成において、側壁保護層の制御が重要となる。
また、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四フッ化炭素(CF4)、フッ化硫黄(SF6)、フッ化窒素(NF3)、トリフルオロメタン(CHF3)など)、臭化水素(HBr)、酸素(O2)、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガスを添加したガス、などを用いることができる。
また、高屈折率を有する第2の隔壁18により光閉じ込め効果を発揮し、更に第1の隔壁13は、第2の隔壁18の保護膜としての機能と、第2の隔壁18の吸収を抑制する効果を発揮する。このように、隔壁200を低屈折と高屈折の2層構成とすることで他色からの漏れ光及び移染を抑制することによって、混色抑制効果となる。
次に、図7、図8に示すように、第1の色の色フィルター14とは異なる色を含む第2、第3の色の色フィルター15、16を形成する。
第1の色の色フィルター14及び隔壁200のパターンをガイドパターンとすると共に、第2、第3の色の色フィルター15、16に光硬化性樹脂を含んだ感光性色フィルター用材料を用いて形成し、従来手法で選択的に露光してパターンを形成する手法である。
まず図7(a)に示すように、第1の色の色フィルター14及び隔壁200をパターン形成した半導体基板10の表面全面に、第2の色の色フィルター用材料として感光性色フィルター用材料を塗布、乾燥を行い第2の色の色フィルター層15aを形成する。この際用いる感光性色フィルター用材料は、光照射により硬化するネガ型の感光性成分を含有する。
なお、この第2の色の色フィルター15以降のパターン形成工程を繰り返すことで、所望の色数の色フィルターを形成することが可能である。
次いで、図9(a)に示すように、形成された色フィルター14,15,16及び隔壁200上に上層平坦化層19を形成する。上層平坦化層19は、例えばアクリル系樹脂等の樹脂材料を一つ又は複数含んだ樹脂を用いて形成することができる。複数色の各色フィルター14,15,16及び隔壁200上に樹脂材料を塗布して加熱により硬化することで、上層平坦化層19を形成することができる。また、上層平坦化層19は、例えば酸化物又は窒化物等の化合物を用いて形成することができる。この場合、上層平坦化層19は、蒸着、スパッタ、CVD等の各種の成膜方法により形成することができる。
上層平坦化層19の膜厚は、例えば1[nm]以上300[nm]以下である。好ましくは100[nm]以下、より好ましくは60[nm]以下である。
以上の工程により、本実施形態の固体撮像素子1が完成する。
珪素系樹脂を含む塗布液を回転数2000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で20分間の加熱処理を施して樹脂を硬化した。これにより、半導体基板上に下層平坦化層を形成した。この際の下層平坦化層の膜厚は100nmで、可視光の透過率は91%、屈折率は1.50であった。
次に、1色目であるグリーンの顔料を含む第1の色の色フィルター用材料として、感光性硬化樹脂と熱硬化性樹脂を含ませたグリーン顔料分散液を1000rpmの回転数でスピンコートした。この1色目の色フィルター用材料のグリーンの顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、その顔料濃度は70質量%、膜厚は500nmであった。
次に、ポジ型レジスト(OFPR-800:東京応化工業株式会社製)を、スピンコーターを用いて1000rpmの回転数でスピンコートした後、90℃で1分間プリベークを行った。これにより、エッチングマスクとなるポジ型レジストを膜厚1.5μmで塗布したサンプルを作製した。
このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリゾグラフィーを行った。露光装置は光源にi線の波長を用いた露光装置を用いた。ポジ型レジストは、紫外線照射により、化学反応を起こして現像液に溶解するようになった。
これにより、ポジ型レジストを用いたエッチングマスクパターンを形成した。
また、上記ドライエッチングの際に、グリーンフィルターパターンの側壁にグリーンフィルター用材料及び下層平坦化層である珪素系樹脂と、ドライエッチングガスとの反応生成物を含んだ第1の隔壁を形成した。第1の隔壁はドライエッチング条件の時間調整で、隔壁の寸法(横幅)を制御可能である。反応生成物による第1の隔壁の寸法は25nmであった。また、SEMを用いて断面形状を確認したところ、逆テーパー形状となっていた。
次に、上記第1の隔壁を備えるグリーンフィルター上に、高屈折材料として屈折率1.9を有する酸化アルミニウム膜をマグネトロンスパッタリング法によって、50nmの膜厚で成膜した。次に半導体基板の電極部分及び第2、3に該当する箇所を開口するために、塩素と三塩化ホウ素の混合を用いて、ドライエッチングを実施して、上記グリーンフィルターの逆テーパー形状の隙間領域を埋めるように第2の隔壁を形成した。SEMを用いて1画素の断面形状を確認したところ、グリーンフィルター及び第1及び第2の隔壁を有する画素は垂直形状となっていた。このとき、第2に隔壁幅の画素底辺部(下側)は75nmであった。
次に第2の色の色フィルター形成工程を行った。第2の色の色フィルターを設けるべく顔料分散ブルーを含有している感光性を有したブルーレジストを半導体基板全面に塗布した。 次に、フォトリソグラフィによりブルーレジストを選択的に露光して、現像を行い、ブルーフィルターパターンを形成した。このとき、ブルーレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PB156、C.I.PV23であり、顔料濃度は50質量%であった。また、ブルーフィルターの膜厚は550nmであった。また、ブルーレジストの主成分である樹脂としては、感光性を持たせたアクリル系の樹脂を用いた。
次に、ブルーフィルター層を強固に硬化させるため、ホットプレートを用いて230℃で6分間ベークを行い、硬化した。この加熱工程を経た後は、第3の色の色フィルター形成工程等の工程を経ても、剥がれや、パターンの崩れ等が確認されなかった。ブルーフィルターは周囲を矩形性の良いグリーンフィルター及び隔壁に覆われており、矩形性良く形成されるため、底面及び周囲との間で密着性良く硬化することが確認された。
次に第3の色の色フィルター形成工程を行った。第3の色の色フィルターを設けるべく顔料分散レッドを含有している感光性を有したレッドレジストを半導体基板全面に塗布した。
次に、フォトリソグラフィによりレッドレジストを選択的に露光して、現像を行い、レッドフィルターパターンを形成した。このとき、レッドレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PR254、C.I.PY139であり、顔料濃度は60質量%であった。また、レッドフィルターの膜厚は550nmであった。
次に、上記の工程で形成した色フィルター上にアクリル樹脂を含む塗布液を回転数1000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で30分間の加熱処理を施して、樹脂を硬化し、上層平坦化層を形成した。
最後に、上層平坦化層上に、上述した公知の技術であるエッチバックによる転写方法を用いてレンズトップからレンズボトムまでの高さを500nmとなるマイクロレンズを形成し、実施例1の固体撮像素子を完成した。
実施例1における第2に隔壁幅の画素底辺部を25nmへ変更した点以外は、実施例1と同様にして固体撮像素子を作製した。
<実施例3>
実施例1における第2に隔壁を形成する高屈折材料は屈折率2.5を有する亜鉛酸化物へ変更した点以外は、実施例1と同様にして固体撮像素子を作製した。
<実施例4>
実施例1における第1に隔壁を形成する珪素系材料の屈折率を1.5へ変更した点以外は、実施例1と同様にして固体撮像素子を作製した。
特許文献1に記載の従来法に基づき、フォトリソグラフィプロセスによって各色の色フィルターパターンを形成した。
但し、グリーン、ブルー、レッドの三色の膜厚を700nmと薄膜に設定し、各色の色フィルター全部の下層に透明樹脂層(100nm)を設けた。
その他は、第1実施例と同様にして(但し、逆テーパー形状に形成しない)、従来法による固体撮像素子を作製した。
実施例の固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度について、従来法のフォトリソグラフィでグリーン、ブルー、レッドの三色の膜厚を700nmで分光特性を合わせた構造で作製した固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度と比較評価をした。
以下の表1に実施例1から4に係る固体撮像素子における各色の信号強度の評価結果を表1に示す。表1に示す数値は、実施例1から4に係る固体撮像素子における各色の信号強度を従来法における固体撮像素子における各色の信号強度で規格化された値である。
また、隔壁により、他色からの移染も隔壁によってブロックされるため、混色が抑制される。
また、薄膜化によっても斜め方向からの入射光が色フィルターを通過して他の色フィルターパターンに向かう確率が低下し、他の色フィルターパターンに向かう光が他の光電変換素子に入射することが抑制され、混色を抑制したため信号強度が増加した。
11・・・光電変換素子
12・・・下層平坦化層
13・・・第1の隔壁
14・・・第1の色の色フィルター(GREEN)
15・・・第2の色の色フィルター(BLUE)
15a 第2の色の色フィルター層
16・・・第3の色の色フィルター(RED)
16a 第2の色の色フィルター層
17・・・感光性樹脂層
17a エッチングマスク
18・・・第2の隔壁
18a 高屈折材料
19・・・上層平坦化層
30・・・マイクロレンズ
100・・・色フィルター層
Claims (10)
- 複数の光電変換素子を二次元的に配置した半導体基板上に、光電変換素子に対応した複数の色の色フィルターを具備する固体撮像素子であって、
隣り合う異なる色の色フィルター間に隔壁を有し、
上記複数の色から選択した第1の色の色フィルターは、色フィルターの厚さ方向に切断した断面視で、逆テーパー形状を含み、
上記第1の色の色フィルターの側壁に設けられた第1の色の隔壁は、少なくとも上記半導体基板側では、隔壁の厚さ方向に、屈折率の異なる2種類以上の材料が積層され、
上記第1の色の隔壁における、上記第1の色の色フィルターに含まれる上記逆テーパー形状部とは反対側の側壁の面は、上記断面視で、上記半導体基板に対して垂直形状であり、
上記積層した隔壁は、上記第1の色の色フィルター側で最内面を形成する第1の隔壁と、上記第1の色の色フィルターから離れた側で最外面を形成する第2の隔壁とで構成されており、
上記第1の隔壁の屈折率は、1.2以上1.5以下の範囲内であり、
上記第2の隔壁の屈折率は、1.8以上3.0以下の範囲内であることを特徴とする固体撮像素子。 - 複数の光電変換素子を二次元的に配置した半導体基板上に、光電変換素子に対応した複数の色の色フィルターを具備する固体撮像素子であって、
隣り合う異なる色の色フィルター間に隔壁を有し、
上記複数の色から選択した第1の色の色フィルターは、色フィルターの厚さ方向に切断した断面視で、逆テーパー形状を含み、
上記第1の色の色フィルターの側壁に設けられた第1の色の隔壁は、少なくとも上記半導体基板側では、隔壁の厚さ方向に、屈折率の異なる2種類以上の材料が積層され、
上記第1の色の隔壁における、上記第1の色の色フィルターに含まれる上記逆テーパー形状部とは反対側の側壁の面は、上記断面視で、上記半導体基板に対して垂直形状であり、
上記第1の色の色フィルターと上記半導体基板との間に、平坦化層を有し、
上記平坦化層の側壁にも上記第1の色の隔壁が設けられたことを特徴とする固体撮像素子。 - 上記積層した隔壁は、上記第1の色の色フィルター側の層が上記複数の色フィルターよりも低い屈折率を有し、上記第1の色の色フィルターから一番離れた最外面の層が、上記複数の色フィルターよりも高い屈折率を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子。
- 上記積層した隔壁は、上記第1の色の色フィルターから一番離れた最外面の層を除き、少なくとも上記第1の色の色フィルター側の層が透明層であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 上記第1の色の色フィルターと上記半導体基板との間に、平坦化層を有し、
上記平坦化層は、可視光が通過する層であり、珪素、炭素、窒素、酸素、水素、錫、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ガリウム、チタン、モリブデン、タングステン、カドミウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、銀、フッ素から選ばれる少なくとも1種類を含有する化合物が単層又は複層で形成されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 上記第1の色の隔壁は、上記逆テーパー形状の外側で、隔壁の厚さ方向に、屈折率の異なる2種類以上の材料が積層されていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 上記第1の色の隔壁における、上記第1の色の色フィルターとは反対側の側壁の全面は、上記断面視で、上記半導体基板に対して垂直形状であることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 複数の光電変換素子が二次元的に配置された半導体基板上全面に、可視光を透過する層を形成する工程と、
可視光を透過する層の上に第1の色の色フィルター材を塗布し硬化させる工程と、
ドライエッチングで、上記第1の色以外の他の色フィルターパターン形成箇所に位置する、上記可視光を透過する層及びその上の第1の色の色フィルターを開口し、その際、第1の色の色フィルター形状を、色フィルターの厚さ方向に切断した断面視で逆テーパー形状とする第1の工程と、
上記第1の工程で上記第1の色の色フィルターの層をドライエッチングする際に生じる色フィルター及び上記可視光を透過する層の材料とドライエッチングガスの副生成物とを用いて、上記第1の色の色フィルターの側壁に第1の隔壁を形成する工程と、
上記形成した第1の隔壁の側壁上に、色フィルターよりも屈折率の高い材料を成膜して第2の隔壁を形成する工程と、を備え、
色フィルターよりも屈折率の高い材料を成膜の際に、第1の色の色フィルターの上記逆テーパー形状部を囲む上記第2の隔壁の外面形状を断面視で、上記半導体基板に対して垂直形状とし、
上記第1の隔壁の屈折率は、1.2以上1.5以下の範囲内であり、
上記第2の隔壁の屈折率は、1.8以上3.0以下の範囲内であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 上記第2の隔壁における、上記第1の色の色フィルターとは反対側の側壁の全面は、上記断面視で、上記半導体基板に対して垂直形状であることを特徴とする請求項8に記載の固体撮像素子の製造方法。
- 上記第1の色の色フィルターの側壁に第1の隔壁を形成する工程では、上記可視光を透過する層の側壁にも上記第1の隔壁を形成することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の固体撮像素子の製造方法。
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