JP2010132866A - 熱伝導シート、この熱伝導シートの製造方法及び熱伝導シートを用いた放熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が、50℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)と、20℃以上30℃以下の温度域において液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を含む熱伝導シートであって、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向していることを特徴とする熱伝導シートとする。
【選択図】 なし
Description
特許文献1では、それを回避するためにスライシング後に可塑剤を含浸させる工程を設けているが、それによってバインダ樹脂が軟化しタック性は向上するものの、シートの強度が低下する問題が生じる、また、可塑剤又はそれによって軟化したバインダ樹脂が表面を覆ってしまい、熱流路を切断してしまう影響で熱抵抗が上がってしまう傾向がある。
また、一般にこのようなシートの場合、長期間にわたり熱がかかると可塑剤が揮発したり、バインダ樹脂が老化する影響によりシートが固く脆くなり、タック性も失われていく傾向がある。シートが固く脆くなってタック性が失われると、最悪の場合、シートが周辺にちぎれ落ちて短絡の原因になったり、シートの密着性が保てなくなって放熱性を維持できなくなったりする恐れがある。
また、本発明の目的は、高い熱伝導性と高い柔軟性及びタック性、更に柔軟性及びタック性の耐熱性に優れる熱伝導シートを得られる製造方法を提供することである。
更に本発明の目的は、高い放熱能力を持ち且つ信頼性の高い放熱装置を提供することである。
<1>鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が50℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)と、20℃以上30℃以下の温度域において液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を含む熱伝導シートであって、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向していることを特徴とする熱伝導シート。
<4>前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が、膨張黒鉛であり、シート中に25体積%以上80体積%以下含まれる上記<1>乃至<3>の何れか一項に記載の熱伝導シート。
<6>前記ポリブテン(C)が、少なくとも一方の面に塗布されている上記<1>、<3>乃至<5>の何れか一つに記載の熱伝導シート。
(1a)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程、
(2)前記一次シートを積層して成形体を得る工程、
(3)前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と硬化剤(b)とを反応させる工程、
(4)前記一次シート面から出る法線に対し0度以上30度以下の角度でスライスしてシートを得る工程、を有する熱伝導シートの製造方法。
(1b)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程、
(2)前記一次シートを積層して成形体を得る工程、
(3)前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と硬化剤(b)とを反応させる工程、
(4)前記一次シート面から出る法線に対し0度以上30度以下の角度でスライスしてシートを得る工程、
(5)前記シートの少なくとも一方の面に、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)を塗布又は含浸させる工程、とを有する熱伝導シートの製造方法。
<9>上記<1>乃至<6>の何れか一つに記載の熱伝導シート、又は、上記<7>若しくは<8>に記載される製造方法により得られた熱伝導シートを、発熱体と放熱体の間に介在させた放熱装置。
また、<3>記載の熱伝導シートは、前記<1>又は<2>記載の発明の効果に加えて更に高い柔軟性及びタック性を達成できる。
また、<4>記載の熱伝導シートは、前記<1>乃至<3>の何れか一つに記載の発明の効果に加えて更に高い熱伝導性を達成できる。
また、<5>記載の熱伝導シートは、前記<1>乃至<4>の何れかに記載の発明の効果に加えて難燃性を付与できる上、更に高い柔軟性も達成できる。
<6>記載の熱伝導シートは、前記<1>乃至<5>の何れかに記載の発明の効果に加えて、一方の面のみに強いタックを有することが出来、両面の被着体を付けたり、はずしたりする際に強いタック面側に固定されるので、ハンドリング性に優れる。
また、前記<8>記載の熱伝導シートの製造方法は、一方の面のみに強いタックを有することが出来、両面の被着体を付けたり、外したりする際に強いタック面側に固定されるので、ハンドリング性に優れる熱伝導シートを製造できる。
更に、前記<9>記載の放熱装置は、高い放熱能力を長期間にわたり有する。
本発明の熱伝導シートは、鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が50℃以下である有機高分子化合物(B)と、及び、20℃以上30℃以下の温度域において液状であるポリブテン(C)とを含有する組成物を含み、前記黒鉛及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向していることを特徴とする。
本発明の熱伝導シートは、組成物中にポリブテン(C)を含む代わりに、ポリブテン(C)がシートの少なくとも一方の面に塗布されていることも好ましい。また、組成物中にポリブテン(C)を含み、且つシートの少なくとも一方の面にポリブテン(C)が塗布されてもよい。
黒鉛粒子及び六方晶窒化ほう素粒子(A)の結晶中の六角平面の配向方向は、具体的には以下の方法で確認する。
先ず、黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、シート又はフィルムの面方向に対して実質的に平行に配向した測定用サンプルシートを作製する。測定用サンプルシート調製の具体的な方法としては、10体積%以上の黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子と樹脂との混合物をシート化する。ここで用いる「樹脂」とは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)に相当する樹脂を使用できるが、非晶質樹脂のようなX線回折の妨げになるピークが現れない材料、また、形状を作ることが可能である材料であれば、樹脂でなくても用いることができる。この混合物のシートが、元の厚みの1/10以下となるようにプレスし、プレスしたシートを積層し、この積層体を更に1/10以下まで押しつぶす操作を3回以上繰り返す。この操作により、調製した測定用サンプルシート中では、黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、測定用サンプルシートの面方向に対し実質的に平行に配向した状態になる。
このことより、本発明において、「結晶中の六角平面が鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している」とは、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)及びポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物等を含有した組成物をシート化したものの表面に対し、X線回折測定を行い、黒鉛粒子、六方晶窒化ほう素粒子いずれの場合も、2θ=77°付近に現れる黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子の(110)面に対応するピークの高さを、2θ=27°付近に現れる黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子の(002)面に対応するピークの高さで割った値が0〜0.02となる状態をいう。
なお、本発明において、「長径の平均値」とは、熱伝導シートの厚み方向の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の黒鉛粒子又は六方晶窒化ほう素粒子について見えている方向から長径を測定し、平均値を求めた結果をいう。
黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の含有量(体積%)=(Aw/dA)/((Aw/Ad)+(Bw/Bd)+(Cw/Cd)+(Dw/Dd)+・・・)×100
Aw:黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量組成(質量%)
Bw:ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)の質量組成(質量%)
Cw:ポリブテン(C)の質量組成(質量%)
Dw:りん酸エステル系難燃材等のその他の任意成分(D)の質量組成(質量%)
Ad:黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の比重(本発明においてAdは黒鉛の場合:2.1、六方晶窒化ほう素の場合:2.3で計算する。)
Bd:ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)の比重
Cd:ポリブテン(C)の比重
Dd:りん酸エステル系難燃材等のその他の任意成分(D)の比重
(Bw/Bd)=(B’w/B’d)+(bw/bd)
B’w:ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)の質量組成(質量%)
bw:硬化剤(b)の質量組成(質量%)
B’d:ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)の比重
bd:硬化剤(b)の比重
なお、ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量装置(DSC)により測定する。
本発明におけるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)を、硬化剤(b)で硬化させることにより得られる。
これを硬化する硬化剤(b)としては、多官能エポキシ、多官能イソシアネート、多官能アミン、イミダゾール、フェノール性水酸基を複数有する化合物等が挙げられる。
本発明において、「20℃以上30℃以下の温度域において液状」とは、具体的には、40℃における動粘度が2000000cSt以下となる状態が対応する。
本発明において、ポリブテン(C)の40℃における動粘度の測定は、JIS K2283に準処して行う。
また、40℃において20000〜2000000cStとなるポリブテンは、市販品では例えば、日油株式会社製のニッサンポリブテン200N(数平均分子量:2650、40℃における動粘度:140000cSt)やニッサンポリブテン30N(数平均分子量:1350、40℃における動粘度:240000cSt)、新日本石油株式会社製の日赤ポリブテンHV−1900(数平均分子量:2900、40℃における動粘度:160000cSt)等が挙げられる。
また、内部添加によりシート材全体に存在させ、且つシートの少なくとも一方の面にもポリブテンを塗布する構成とすることも可能である。
赤りん系難燃剤としては、純粋な赤りん粉末の他に、安全性や安定性を高める目的で種々のコーティングを施したもの、マスターバッチになっているもの等が挙げられ、具体的には、例えば、燐化学工業株式会社製、商品名:ノーバレッド、ノーバエクセル、ノーバクエル、ノーバペレット等が挙げられる。
本発明の熱伝導シートの製造方法は、一次シートを作製する工程、この一次シートを積層して成形体を得る工程、この成形体をスライスする工程とを含む。
第1の方法:
(1a)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程。
(2)前記一次シートを積層して成形体を得る工程。
(3)前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と硬化剤(b)とを反応させる工程。
(4)前記一次シート面から出る法線に対し0度以上30度以下の角度でスライスしてシートを得る工程。
(1b)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程。
(2)〜(4)工程は上記と同じである。
(5)前記シートの少なくとも一方の面に、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)を塗布又は含浸させる工程。
(1a)一次シートの作製工程
まず、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、ポリブテン(C)とを含有する組成物を得る。組成物は、これらを混合することにより得られるが、混合方法は特に制限されない。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)を溶剤に溶かしておいて、そこに黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)及び他の成分を加え、攪拌した後に乾燥する方法、又は、ロール混練、ニーダーによる混合、ブラベンダによる混合、押出機による混合等を用いることができる。
組成物を成形する際の厚みは、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下、好ましくは0.2〜2倍とする。この厚みが前記黒鉛又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍を超える場合は、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の配向が不充分になり、結果として、最終的に得られる熱伝導シートの熱伝導性が悪くなる傾向がある。
質量平均径の好ましい範囲は、最終的に得られるシートの厚みにより異なるが、最終的に得られるシートの厚みの1/100〜10倍の範囲が好ましく、1/10〜7倍がより好ましく、1〜4倍がさらに好ましい。質量平均径が上記範囲よりも小さい場合、伝熱パスに影響を及ぼす黒鉛粒子又は六方晶ほう素粒子間の界面が増すため熱伝導性が悪化する傾向がある。一方、上記範囲よりも大きくなると効率的にスライスすることが難しくなったり、シートが不均質になったりする傾向がある。
黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が、シートの主たる面に関して平行な方向に配向した状態とは、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が、シートの主たる面に関して寝ているように配向した状態をいう。シート面内での黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の向きは、前記組成物を成形する際に、組成物の流れる方向を調整することによってコントロールされる。つまり、組成物を圧延ロールに通す方向、組成物を押出す方向、組成物を塗工する方向、組成物をプレスする方向を調整することで、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の向きがコントロールされる。黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)は、基本的に異方性を有する粒子であるため、組成物を圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工することにより、通常、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の向きは揃って配置される。
(1b)の場合は、ポリブテン(C)を組成物に含まず組成物を得る以外は、前記(1a)工程と同様に一次シートを得る。
次いで、前記一次シートを積層して成形体を得る。一次シートを積層する方法は特に限定されず、例えば、複数枚の一次シートを積層する方法、一次シートを折り畳む方法等が挙げられる。積層する際は、シート面内での黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の向きを揃えて積層する。積層する際の一次シートの形状は特に限定されず、例えば矩形状の一次シートを積層した場合は角柱状の成形体が得られ、円形状の一次シートを積層した場合は円柱状の成形体が得られる。
複数の一次シートを積層する方法、一次シートを折り畳む方法に代えて、一次シートを捲回して成形体を得ることも可能である。一次シートを捲回する方法も特に限定されず、前記一次シートを黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の配向方向を軸にして捲回すればよい。捲回の形状は特に限定されず、例えば円筒形でも角筒形でもよい。
次いで、前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させうる硬化剤(b)とを反応させ、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)とする。
好適な加熱(硬化)条件は、具体的にはポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)との種類や濃度によって異なるが、硬化反応後の弾性率変化が、15%以下となるような加熱条件とすればよい。硬化反応後の弾性率変化が、15%を越える場合、使用時の加熱により反応が再発し弾性率が顕著に上昇するため、得られるシートの使用時耐熱性が悪くなる傾向がある。
複数の条件で架橋硬化させ作製した硬化サンプルシートをそれぞれ温度25±1℃の環境に1時間静置し、それぞれの硬化サンプルシートに対して引張弾性率試験を行い、弾性率を求める。1時間違いで硬化させて得られた2つの硬化サンプルシートの弾性率の差(「弾性率変化」ともいう)をそれぞれ求め、その差が15%以下となる硬化条件を、実際の熱伝導シート製造の際の架橋硬化条件として設定する。
このようにして、弾性率変化が15%以下となる加熱(硬化)条件を予め求めておき、その条件で成形体を加熱することで、架橋硬化条件を最適化できる。
なお、弾性率の測定は、例えば、株式会社東洋精機製作所製のSTROGRAPH E−Sを用い、温度:25℃、引張速度:5mm/分で行う。
次いで、前記成形体を一次シート面から出る法線に対し0〜30度の角度で、好ましくは0〜15度の角度でスライスして、所定の厚さを持った熱伝導シートを得る。スライスする角度が30度を超える場合は熱伝導率が低下する傾向がある。
前記成形体が積層体である場合は、一次シートの積層方向と垂直若しくはほぼ垂直となるようにスライスすればよい。また、前記成形体が捲回体である場合は捲回の軸に対して垂直もしくはほぼ垂直となるようにスライスすればよい。また、円形状の一次シートを積層した円柱状の成形体の場合は、上記角度の範囲内でかつら剥きのようにスライスしてもよい。
一次シートを上記(1a)工程で得た場合も、上記(1b)工程で得た場合も、得られたシートの少なくとも一方の面には、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)を塗布又は含浸させると、片面のみに強いタックを持つハンドリング性の良いシートが得られ好ましい。塗布又は含浸させる方法に特に制約は無い。具体的には、スプレー塗布、印刷、塗工、転写、はけ塗り等種々の方法を取ることが可能である。但し、塗布し易くするために溶剤等で希釈する場合は、シート基材が侵されないものを選択する必要がある。この観点から、この場合、水を主体にした媒体に乳化して用いるのが好ましい。また、塗布後に塗布面を上にして、50〜120℃程度に加熱する工程を行うと、塗布したポリブテンがレベリングし、基材のボイドを埋めるため、熱伝導性の点で好ましい。
本発明の放熱装置は、先に説明した本発明の熱伝導シート又は、本発明の製造方法により得られた熱伝導シートを、発熱体と放熱体の間に介在させて得られる。
発熱体としては、その表面温度が200℃を超えないものが好ましい。この表面温度が、200℃を超える可能性が高いもの、例えば、ジェットエンジンのノズル近傍、窯陶釜内部周辺、溶鉱炉内部周辺、原子炉内部周辺、宇宙船外殻等に使用すると、本発明の熱伝導シート又は本発明の製造方法により得えられた熱伝導シート中の有機高分子化合物が分解してしまう可能性が高いので適さない。
本発明の熱伝導シート又は本発明の製造方法により製造された熱伝導シートが、特に好適に使用できる温度範囲は−10〜120℃であり、半導体パッケージ、ディスプレイ、LED、電灯等が好適な発熱体の例として挙げられる。
1.0cm角の熱伝導シートを、トランジスタ(2SC2233)と、水冷銅ヒートシンクとの間に挟み、トランジスタを押し付けながら電流を通じた。トランジスタの温度:T1(℃)と、銅ヒートシンクの温度:T2(℃)を測定し、測定値と印可電力:W1(W)から、次式によって熱抵抗:X(℃・cm2/W)を算出した。
X=(T1−T2)/W1
タック性の指標としたタック力は以下の装置・条件で測定した。
使用装置:株式会社レスカ製タッキング試験機TAC2(商品名)
温度:25℃
押し込み速度:120mm/分
引き上げ速度:600mm/分
荷重:100gf
時間:10秒
引張強度は、1cm×5cmに打ち抜いたシートを用い、以下の装置・条件で測定した。
使用装置:株式会社東洋精機製作所製 STROGRAPH E−S(商品名)
温度:25℃
引張速度:5mm/分
黒鉛粒子(A)として、鱗片状の膨張黒鉛粉末(日立化成工業株式会社製、商品名:HGF−L、質量平均径450μm):485g、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)として、アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体(共重合質量比:19/76/5、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量:600000、Tg:−41℃):200g、硬化剤(b)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C):16g、ポリブテン(C)として、ニッサンポリブテン200N(日油株式会社製商品名、数平均分子量:2650、40℃における動粘度:140000cSt):108g、難燃剤としてビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(りん酸エステル系難燃剤、大八化学工業株式会社製、商品名:CR−741):190gをポリエチレン袋中で予備混合した。
組成物全体積に対する各成分の配合比を、各成分の比重から計算したところ、黒鉛粒子(A):35体積%、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’):25.3体積%、硬化剤(b):2.1体積%、ポリブテン(C):13.7体積%、及び難燃剤:24.0体積%であった。
この混練シートの一部を直径1cmの球状に丸め、小型プレスで0.5mm厚のシート状にした。これを20枚に切り分けたものを積層して再度同様にプレスした。この操作を更にもう1回繰り返して得たシートの表面を、X線回折により分析した。2θ=77°付近に黒鉛の(110)面に対応するピークが確認できず、用いた膨張黒鉛粉末が、「結晶中の6員環面が鱗片の面方向に配向している」ことを確認できた。
次いで、この成形体をドライアイスで−20℃に冷却した後、4cm×20cmの積層断面を、超仕上げカンナ盤(株式会社丸仲鐵工所製、商品名:スーパーメカ(スリット部からの刀部の突出長さ:0.19mm))を用いてスライスし(一次シート面から出る法線に対し0度の角度でスライス)、縦4cm×横20cm×厚さ0.25mmの熱伝導シート(I)を得た。
黒鉛粒子(A)として、鱗片状の膨張黒鉛粉末(日立化成工業株式会社製、商品名:HGF−L、質量平均径600μm):463g、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)として、アクリル酸ブチル/アクリル酸共重合体(共重合質量比:91/9、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量:540000、Tg:−41℃):197g、硬化剤(b)としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C):16g、ポリブテン(C)として、日石ポリブテンHV−1900(新日本石油株式会社製、数平均分子量2900、40℃における動粘度160000cSt):129g、難燃剤として、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(りん酸エステル系難燃剤、大八化学工業株式会社製、商品名:CR−741):194gをステンレス匙で予備混合し、以下実施例1と同様の方法で混練シートを得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が3%となる条件)。
以下実施例1と同様の方法で縦4cm×横20cm×厚さ0.25mmの熱伝導シート(II)を得た。
黒鉛粒子(A)として、鱗片状の膨張黒鉛粉末(日立化成工業株式会社製、商品名:HGF−L、質量平均径420μm):538g、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)としてアクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリロニトリル/アクリル酸共重合体(共重合質量比:10/82/3/5、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量:530000、Tg:−39℃):257g、硬化剤(b)としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C):21g、難燃剤としてビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(りん酸エステル系難燃剤、大八化学工業株式会社製、商品名:CR−741):184gをステンレス匙で予備混合し、以下実施例1及び2と同様の方法で混練シートを得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が2%となる条件)。
以下実施例1及び2と同様の方法で、縦4cm×横20cm×厚さ0.25mmのスライスシートを得た。
六方晶窒化ほう素粒子(A)として、鱗片状の窒化ほう素粉末(モーメンティブパフォーマンスマテリアル株式会社製、商品名:PT−110、質量平均径45μm):742g、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)としてアクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体(共重合質量比:19/76/5、ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量:600000、Tg:−41℃):100g、硬化剤(b)としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C):8.1g、ポリブテン(C)として、ニッサンポリブテン200N(日油株式会社製商品名、数平均分子量:2650、40℃における動粘度:140000cSt):54g、難燃剤としてビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(りん酸エステル系難燃剤、大八化学工業株式会社製、商品名:CR−741):95gをステンレス匙で予備混合し、以下実施例1と同様の方法で混練シートを得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が5%となる条件)。
以下、実施例1と同様の方法で、縦4cm×横20cm×厚さ0.25mmの熱伝導シート(IV)を得た。
実施例1においてポリブテン(C)を配合しない以外は、同様にして混練シートを得た。
組成物全体積に対する各成分の配合比を、各成分の比重から計算したところ、黒鉛粒子(A):39体積%、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’):31.7体積%、硬化剤(b):2.6体積%、及び難燃剤:26.8体積%であった。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が2%となる条件)。
以下、実施例1と同様の方法で、縦4cm×横20cm×厚さ0.25mmの熱伝導シート(V)を得た。
実施例1においてポリブテン(C)の代わりにアルキルフェノール系タッキファイヤ(昭和高分子株式会社製、商品名:CKM−9273)を用いた以外は、同様にして熱伝導シート(VI)を得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が3%となる条件)。
実施例1においてポリブテン(C)の代わりに、代表的可塑剤であるアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)を用いた以外は、同様にして熱伝導シート(VII)を得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が3%となる条件)。
実施例3において塗布したポリブテン(C)の代わりに、アクリルゴムラテックス(一方社油脂工業株式会社製、商品名:AE−150GFT)を用いた以外は、同様にして熱伝導シート(VIII)を得た。塗布量は、1.2mg/cm2であった。
実施例1においてポリブテン(C)の代わりに、液状NBRゴム(日本ゼオン株式会社製、商品名:Nipol DN601)を用いた以外は、同様にして熱伝導シート(IX)を得た。
なお、弾性率の変化が15%以下となるような加熱条件を決定するために実施例1と同様にサンプルシートを作製して硬化させ、加熱条件を170℃、6時間に決定した(弾性率変化が3%となる条件)。
実施例1において作製した一次シートをそのまま熱伝導シート(X)として評価した。
Claims (9)
- 鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が50℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)と、20℃以上30℃以下の温度域において液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を含む熱伝導シートであって、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向していることを特徴とする熱伝導シート。
- 鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が50℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物の架橋硬化物(B)と、を含有する組成物を含む熱伝導シートであって、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向しており、且つ20℃以上30℃以下の温度域において液状であるポリブテン(C)が、少なくともシートの一方の面に塗布されている熱伝導シート。
- 前記ポリブテン(C)の40℃における動粘度が、20000cSt以上2000000cSt以下である請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
- 前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が膨張黒鉛であり、シート中に25体積%以上80体積%以下含まれる請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱伝導シート。
- 更にりん酸エステル系難燃剤(D)を、5体積%以上50体積%以下の範囲で含有する請求項1乃至4の何れか一項に記載の熱伝導シート。
- 前記ポリブテン(C)が、少なくとも一方の面に塗布されている請求項1、3乃至5の何れか一項に記載の熱伝導シート。
- 下記工程(1a)〜(4)を含む、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向している熱伝導シートの製造方法であって、
(1a)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させ硬化剤(b)と、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程、
(2)前記一次シートを積層して成形体を得る工程、
(3)前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と硬化剤(b)とを反応させる工程、
(4)前記一次シート面から出る法線に対し0度以上30度以下の角度でスライスしてシートを得る工程、を有する熱伝導シートの製造方法。 - 下記工程(1b)〜(5)を含む、黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向が、熱伝導シートの厚み方向に配向している熱伝導シートの製造方法であって、
(1b)鱗片状、楕球状又は棒状であり、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の長軸方向に配向している黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)と、ガラス転移温度が0℃以下であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と、これを架橋硬化させる硬化剤(b)と、を含有する組成物を、前記黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)の質量平均径の20倍以下の厚みに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工し、主たる面に関して平行な方向に黒鉛粒子及び/又は六方晶窒化ほう素粒子(A)が配向した一次シートを作製する工程、
(2)前記一次シートを積層して成形体を得る工程、
(3)前記成形体を加熱して、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(B’)と硬化剤(b)とを反応させる工程、
(4)前記一次シート面から出る法線に対し0度以上30度以下の角度でスライスしてシートを得る工程、
(5)前記シートの少なくとも一方の面に、20℃以上30℃以下の温度域で液状であるポリブテン(C)を塗布又は含浸させる工程、とを有する熱伝導シートの製造方法。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の熱伝導シート、又は、請求項7若しくは8に記載される製造方法により得られた熱伝導シートを、発熱体と放熱体の間に介在させた放熱装置。
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