JP2011184663A - 熱伝導シート、その製造方法及びこれを用いた放熱装置 - Google Patents

熱伝導シート、その製造方法及びこれを用いた放熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱伝導性を維持する一方で、柔軟性等の追加特性を有する電気絶縁性の熱伝導シートを提供する。
【解決手段】非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を含む樹脂組成物からなる熱伝導シートを、前記非球状粒子(A)が、前記熱伝導シート内部で該熱伝導シートの厚み方向に対して前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シートとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導シート、その製造方法及びこれを用いた放熱装置に関する。
近年、多層配線板及び半導体パッケージにおける配線密度や電子部品の搭載密度が高まり、また半導体素子の高集積化が進み、そのような発熱体の単位面積あたりの発熱量は大きくなってきている。そのため、発熱体からの熱放散効率を向上させる技術が望まれている。
熱放散の一般的な方法として、半導体パッケージのような発熱体とアルミや銅からなる放熱体との間に熱伝導グリース又は熱伝導シートを挟み密着させて、外部に熱を伝達する方法が採用されている。放熱装置を組み立てる際の作業性の観点では、熱伝導グリースよりも熱伝導シートの方が優れている。そのため、熱伝導シートに向けた様々な開発が検討されている。
例えば、熱伝導性を向上させる目的で、マトリックス材料中に、熱伝導性の無機粒子を配合した様々な熱伝導性複合材料組成物及びその成形加工品が提案されている。熱伝導性の無機粒子として使用される物質は、カーボン、銀及び銅等の電気伝導性を有する物質と、アルミナ、シリカ、窒化アルミ及び窒化ホウ素等の電気絶縁性の物質と、に大別される。しかし、電気伝導性の物質は、それらを配線の近傍に使用すると回路をショートさせる可能性があるため、多くの場合、電気絶縁性の物質が使用される。
そのような電気絶縁性且つ熱伝導性の無機粒子をマトリックス材料中に配合させた熱伝導性複合材料組成物から構成されるシートとして、例えば、粒子厚みが1.4μm超で、且つ比表面積が2.6m/g未満の窒化ホウ素粉末をシリコーンゴムに配合した組成物からなる絶縁放熱シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、窒化ホウ素粉末が充填された高分子組成物からなる熱伝導性シートであって、窒化ホウ素粉末が一定方向に磁場配向した熱伝導性シートも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、バインダー樹脂と無機充填材の粒子との混練物から成形した複数枚の一次シートを積層し、その得られた積層体を積層面に対して垂直な方向にスライシングすることによって得られる熱伝導性シートが提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。
近年、熱伝導シートは様々な放熱装置に適用されており、高い熱伝導性だけでなく、凹凸の吸収及び応力緩和等の性能を熱伝導シートに追加する必要性が生じてきている。例えば、ディスプレイパネルのような大面積の発熱体からの放熱に適用する場合、熱伝導シートに発熱体及び放熱体の各表面の歪みや凹凸の吸収、熱膨張率の違いによって生じる熱応力を緩和する機能が要求されている。その他、ある程度の厚膜として構成した場合にも伝熱可能な高い熱伝導性、また発熱体及び放熱体の各表面に密着可能な高い柔軟性も要求されている。しかし、従来の熱伝導シートでは、柔軟性と強度、並びに熱伝導性とを高いレベルで両立することは困難であるため、さらなる開発が必要とされている。
特許第3209839号公報 特開2002−080617号公報 特開2002−026202号公報 特開2008−280496号公報
特許文献1に開示された放熱伝導シートでは、熱伝導性の無機粒子をマトリックス材料中に配合する手段のみで熱伝導率を向上させている。そのため、そのような手段によって高い熱伝導率を達成するためには、熱伝導性の無機粒子の配合量を最密充填に近い量まで多くして、充分な熱伝導パスを形成しなければならない。しかし、無機粒子の配合量を高めるにつれ、熱伝導シートの柔軟性が失われ、その結果、凹凸の吸収、熱応力緩和の機能が損なわれてしまう傾向がある。
これに対し、特許文献2に開示された熱伝導性シートでは、上述の手段に加えて、窒化ホウ素粉末を一定方向に磁場配向させる手段を採用しているため、より少ない熱伝導性の無機粒子の配合量で高い熱伝導性を達成できる可能性はある。しかし、シート製造時の生産性、コスト、エネルギー効率等について、改善の余地がある。
また、特許文献3に開示された熱伝導性シートでは、上述の手段と比較して、シート製造時の生産性、コスト、エネルギー効率等の点でより優位にあるが、柔軟性に関する配慮が必ずしも充分ではない。特に、シート製造時に柔軟なシート積層体をスライスすることに向けた配慮に欠け、可塑剤を後から含浸する等の非効率な生産方法を採用しており、改善の余地がある。
特許文献4に開示された熱伝導性シートでは、特許文献3に記載の手段と比較して、柔軟性や生産性に優れているが、シートの強度に関する配慮が十分ではない。特に樹脂組成物の検討が必ずしも十分ではなく、改善の余地がある。
上述のように、熱伝導シートに向けて様々な検討がなされているが、高い熱伝導性だけでなく、シートに柔軟性、強度及び応力緩和等の特性を簡便且つ確実に追加するという観点では、いずれの方法も満足のいくものではない。
本発明は、このような状況に鑑みて、高い熱伝導性を維持する一方で、柔軟性、強度等の追加特性を有する電気絶縁性の熱伝導シートを提供することを目的とする。また、そのような熱伝導シートを簡便且つ確実に製造する方法、さらにそのような熱伝導シートを使用して、高い放熱能力を持ち、且つ近傍の回路をショートさせるリスクの少ない放熱装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を含む樹脂組成物からなる熱伝導シートであって、
前記非球状粒子(A)が、前記熱伝導シート内部で該熱伝導シートの厚み方向に対して前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シート。
(2)前記非球状粒子(A)が窒化ホウ素粒子であることを特徴とする上記(1)に記載の熱伝導シート。
(3)前記非球状粒子(A)が板状窒化ホウ素粒子であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の熱伝導シート。
(4)前記有機高分子化合物(B)が、50℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の熱伝導シート。
(5)前記有機高分子化合物(B)が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の熱伝導シート。
(6)前記硬化剤(C)の硬化性反応基の量が、前記有機高分子化合物(B)のカルボキシル基の量に対して、0.01〜3当量であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の熱伝導シート。
(7)前記樹脂組成物中に、難燃剤(D)を組成物の5〜50体積%の範囲で含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の熱伝導シート。
(8)前記難燃剤(D)がリン酸エステル系難燃剤であることを特徴とする上記(7)に記載の熱伝導シート。
(9)前記非球状粒子(A)が、シートの厚み方向に対し前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シートの製造方法であって、
(a)少なくとも、前記非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を混合し、樹脂組成物を調製する工程と、
(b)前記樹脂組成物を用いて、前記非球状粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程と、を有する熱伝導シートの製造方法。
(10)前記非球状粒子(A)が、シートの厚み方向に対し前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シートの製造方法であって、
(a)少なくとも、前記非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を混合し、樹脂組成物を調製する工程と、
(b)前記樹脂組成物を用いて、前記非球状粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−2)前記一次シートを、前記非球状粒子(A)の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程と、を有する熱伝導シートの製造方法。
(11)前記一次シートを形成する工程が、圧延、プレス、押出及び塗工からなる群から選択される少なくとも1つの成形方法を用いて実施されることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の熱伝導シートの製造方法。
(12)前記一次シートを形成する工程が、少なくとも圧延又はプレスのいずれかの成形方法を用いて実施されることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の熱伝導シートの製造方法。
(13)前記スライスする工程が、有機高分子化合物(B)のTg+50℃(ガラス転移温度よりも50℃高い温度)〜Tg−20℃(ガラス転移温度よりも20℃低い温度)の温度範囲で実施されることを特徴とする上記(9)〜(12)のいずれか一つに記載の熱伝導シートの製造方法。
(14)発熱体と放熱体との間に上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の熱伝導シートを介在させた構造を有することを特徴とする放熱装置。
本発明の熱伝導シートは、高い熱伝導性と高い柔軟性、優れたシート強度とを併せ持ち、且つ電気絶縁性であるため、それらを例えば電気・電子回路近傍の放熱用途に適用して、発熱部からの効率の良い放熱を実現することが可能となる。また、必要に応じて難燃性等の性能を容易に追加することが可能である。
また、本発明の熱伝導シートの製造方法によれば、従来法と比較して、生産性、コスト、エネルギー効率及び確実性の点で有利に、高い熱伝導性と高い柔軟性、優れたシート強度とを併せ持った熱伝導シートを提供することが可能となる。
さらに、本発明の放熱装置によれば、回路近傍でショートを起こす可能性が極めて低くなり、完全且つ効率の良い放熱を実現することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<熱伝導シート>
本発明の熱伝導シートは、非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を含む樹脂組成物からなる熱伝導シートであって、前記非球状粒子(A)が、前記熱伝導シート内部で該熱伝導シートの厚み方向に対して前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向していることを特徴とする。
本発明において、非球状粒子(A)を用いることで熱伝導シートの熱伝導性に十分効果がある。非球状粒子とは具体的には、長軸方向と短軸方向の比率が1.5以上のものを、本発明において「非球状」とする。
なお、「長軸」とは、粒子端における任意の2点を結ぶ線のうち最も長い部分のことであり、「短軸」とは、長軸に直交する線のうち最も長い部分のことである。
本発明において、この範囲の非球状粒子を含有していればよく、必要に応じてこの範囲外の粒子を添加することも可能である。非球状粒子のアスペクト比の高い方がより配向に有利なため、粒子形状としては針状もしくは板状が好ましい。さらに、球状粒子を粉砕、解砕等により非球状粒子として用いることも可能である。
本発明において「熱伝導シートの厚み方向に対して前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向」とは、熱伝導シート断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて任意の粒子50個について観察した際に、非球状粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度(90度以上となる場合は補角を採用する)の平均値が70度〜90度の範囲となる状態を意味する。
本発明では、非球状粒子が上述のような配向を示さなければ、充分な熱伝導性を得ることができない。上述のような配向を示すようにするためには、本発明の熱伝導シートの製造方法により作製すればよい。詳細は後述する。
本発明の熱伝導シートに使用可能な非球状粒子の具体例としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化珪素等が挙げられる。特に限定するものではないが、本発明では、人体に対する有害性の低さの観点から、窒化ホウ素及びアルミナからなる群から選択される粒子の少なくとも1種を使用することが好ましい。さらには、それらの形状は板状であることが好ましく、特に絶縁性非球状粒子としては、板状窒化ホウ素粒子が好ましい。
非球状粒子の配合量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の体積を基準として、30〜80体積%の範囲が好ましい。配合量が30体積%を下回ると、熱伝導性率が低くなる傾向があり、配合量が80体積%を超えると、組成物の凝集力低下する傾向があり、熱伝導シートの強度が低下する可能性が高い。
本発明において、熱伝導シートの樹脂組成物における非球状粒子の配合量(体積%)は次式により求めた値である。
非球状粒子(A)の含有量(体積%)=(Aw/Ad)/((Aw/Ad)+(Bw/Bd)+(Cw/Cd)+(Dw/Dd)+…)×100
Aw:非球状粒子(A)の質量組成(質量%)
Bw:有機高分子化合物(B)の質量組成(質量%)
Cw:硬化剤(C)の質量組成(質量%)
Dw:その他の任意成分(D)の質量組成(質量%)
Ad:非球状粒子(A)の比重(本発明において窒化ホウ素粒子の場合Adは2.3で計算する。その他、アルミナ:3.97、窒化アルミ:3.26、窒化珪素:3.2で計算する。)
Bd:有機高分子化合物(B)の比重(本発明においてBdは1.2で計算する)
Cd:硬化剤(C)の比重(本発明においてCdは1.2で計算する)
Dd:その他の任意成分(D)の比重
本発明における非球状粒子は、板状窒化ホウ素粒子の場合、平均粒径が10μm超60μm以下であることが好ましい。例えば、凝集体のようなものを、粉砕、解砕等により非球状粒子として得ることも可能である。また、平均粒径が10μm超60μm以下の範囲外の場合は、粉砕する、篩にかける等で大きすぎる粒子や小さすぎる粒子を取り除くことによって、特定の平均粒径の範囲内に調整することが可能である。
平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定したときのD50の値とする。
本発明において、非球状粒子(A)として好ましく用いられる板状窒化ホウ素粒子の具体例としては、特に限定するものではないが、「PT−110(商品名)」(モーメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製、平均粒径:45μm、長軸方向と短軸方向の比率:20)、「HP−1CAW(商品名)」(水島合金鉄(株)製、平均粒径:16μm、長軸方向と短軸方向の比率:13)、「PT−110 Plus(商品名)」(モーメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製、平均粒径45μm、長軸方向と短軸方向の比率:20)、「HP−1CA(商品名)」(水島合金鉄(株)製、平均粒径16μm、長軸方向と短軸方向の比率:13)等が挙げられる。
また、板状の窒化アルミ粒子としては、「トーヤルナイトFLX(商品名)」(東洋アルミ(株)製、平均粒子径16μm、長軸方向と短軸方向の比率:1.7)等が挙げられる。
本発明の熱伝導シートの有機高分子化合物(B)は、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有していれば、特に限定なく使用することが可能である。上記有機高分子化合物の具体例としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を主要な原料成分としたポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(いわゆるアクリルゴム)、ポリジメチルシロキサン構造を主構造に有する高分子化合物(いわゆるシリコーン樹脂)、ポリイソプレン構造を主構造に有する高分子化合物(いわゆるイソプレンゴム、天然ゴム)、クロロプレンを主要な原料成分とした高分子化合物(ポリクロロプレン、いわゆるネオプレンゴム)、ポリブタジエン構造を主構造に有する高分子化合物(いわゆるブタジエンゴム)等、一般に「ゴム」と総称される柔軟な有機高分子化合物が挙げられる。これらの中では、特に、アクリル酸ブチル、又はアクリル酸2−エチルヘキシル等を主な原料成分としたポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物が、高い柔軟性を得やすく、化学的安定性及び加工性に優れ、比較的廉価であるため好ましい。
有機高分子化合物は(B)、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下であることが好ましい。
上記有機高分子化合物のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置(DMA)で測定できる。動的粘弾性測定装置(DMA)としては、例えば、TAインストゥルメンツ社製のARES−2KSTDを用いることができる。測定条件としては、昇温速度:5℃/分、測定周波数:1.0Hzとする。
上記有機高分子化合物(B)のカルボキシル基の量は0.1〜2.0mmol/gの範囲内であれば良い。本発明において、この範囲の有機高分子化合物を含有していればよく、必要に応じてこの範囲外の有機高分子化合物と混合して使用することも可能である。その場合、混合した後に計算されるカルボキシルル基の量が0.1〜2.0mmol/gの範囲内であることが好ましい。有機高分子化合物のカルボキシル基の量が0.1mmol/g以下のときは熱伝導シートの強度が不十分となる傾向があり、2.0mmol/g以上のときは柔軟性が不十分となる傾向がある。
有機高分子化合物(B)のカルボキシルル基の量は、有機高分子化合物を適当な溶媒、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に溶解させた有機高分子化合物溶液をアルコール性水酸化カリウム溶液によって滴定して、その滴定量と樹脂質量とから計算する。
上記有機高分子化合物(B)の重量平均分子量(Mw)は1万〜100万であることが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
特に限定するものではないが、本発明で好適に使用できる有機高分子化合物(B)として、例えば、ナガセケムテックス(株)製のアクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811A改3DR(商品名)」(アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量0.69mmol/g、Mw:55万、Tg:−41℃、固形)、ナガセケムテックス(株)製のアクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−280DR(商品名)」(アクリル酸ブチル/アクリロニトリル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量1.07mmol/g、Mw:90万、Tg:−37℃、30質量%トルエン/酢酸エチル=1:1溶液)等が挙げられる。
上記有機高分子化合物(B)の配合量は、樹脂組成物中10〜40体積%が好ましい。10体積%以上であると、充分なシート強度が得られる傾向がある。40体積%以下であれば、充分な量の非球状粒子(A)を含有することができ、充分な熱伝導性が得られる傾向がある。
本発明に用いられる硬化剤(C)は、特に限定はしないが、カルボキシル基との反応性等の観点からエポキシが好ましい。上記硬化剤(C)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、スチルベン型エポキシ、及びナフタレン型エポキシ等が挙げられるが、グリシジル基を有するのが好ましい。上記特性を有する硬化剤(C)としては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ(商品名:YDF−170、東都化成(株)製、2官能、エポキシ当量:156g/eq.)や(商品名:EX−211、ナガセケムテックス(株)製、2官能、エポキシ当量:138g/eq.)等が入手可能である。
上記硬化剤(C)の含有量は、有機高分子化合物(B)におけるカルボキシル基の量に対して、0.01〜3当量、好ましくは0.1〜2当量、より好ましくは0.2〜1当量である。上記硬化剤(C)の含有量が、0.01当量以上であると膜強度及び圧縮復元性に優れ、3当量以下であると柔軟性に優れる傾向がある。
本発明の熱伝導シートを構成する組成物は必要に応じて、各種添加剤を追加することも可能である。
本発明の好ましい形態では、熱伝導シートの難燃性を向上させる目的で、難燃剤(D)を使用することが好ましい。特に限定するものではないが、リン酸エステル系難燃剤を含有する樹脂組成物から構成される熱伝導シートは、難燃性及び柔軟性の観点だけでなく、生産性及びコスト面でも有利である。
難燃剤の含有量は、樹脂組成物中、5〜50体積%の範囲とすることが好ましく、10〜40体積%の範囲とすることがより好ましい。難燃剤の含有量が5体積%以上であれば、熱伝導シートにおいて充分な難燃性を得ることができる。50体積%以下であれば、シートの強度が低下することを防ぐことができる傾向がある。
その他、本発明の熱伝導シートを構成する樹脂組成物には、必要に応じて、ウレタンアクリレート等の靭性改良剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及び酸無水物等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤、ならびに無機イオン交換体等のイオントラップ剤といった各種添加剤を添加することも可能である。
本発明の熱伝導シートの形状は、先に説明した所望の非球状粒子の配向を達成できる範囲内で、熱伝導シートが適用される各種用途に応じた形状に成形することが可能である。特に限定するものではないが、本発明では、熱伝導シートを、多層構造を有する成形体から形成することが好ましい。熱伝導シートを多層構造の成形体から形成することによって、非球状粒子の配向に有利となり、また非球状粒子の密度が向上することによって熱伝導効率を向上させることが可能となる。本発明の熱伝導シートの製造方法については後述する。
上述の樹脂組成物から構成される、本発明の熱伝導シートは、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下の有機高分子化合物(B)を含有するためにその多くが粘着力を有する。そのため、本発明では熱伝導シートの使用に先立ち、粘着面を保護しておくことが好ましい。粘着面の保護は、例えば、上述の樹脂組成物を使用して熱伝導シートを形成する際に、その粘着面に保護フィルムを設けることによって実施される。
保護フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルナフタレート、メチルペンテンフィルム等の樹脂、コート紙、コート布、アルミ等の金属が挙げられる。これら保護フィルムは、2種以上のフィルムから構成される多層フィルムであってもよく、フィルムの表面がシリコーン系、シリカ系等の離型剤等で処理されたものが好ましく使用される。
<熱伝導シートの製造方法>
上記の熱伝導シートの製造方法に関しても本発明の範囲内である。
前記非球状粒子(A)が、シートの厚み方向に対し前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している本発明の熱伝導シートの製造方法は、
(a)少なくとも、前記非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、アミノ基を有する添加剤(D)と、を混合し、樹脂組成物を調製する工程と、
(b)前記樹脂組成物を用いて、前記非球状粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程と、を有する。
上記(c−1)工程に代えて、(c−2)前記一次シートを前記非球状粒子の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程とすることも可能である。
以下、各工程について説明する。
上記(a)工程において、熱伝導シートを構成する樹脂組成物の調製は、所定の非球状粒子を樹脂組成物中に均一に混合することが可能であれば、いかなる方法を用いて実施してもよい。特に限定されるものではないが、例えば、予め有機高分子化合物を溶剤に溶かして溶液を形成し、その溶液に前記非球状粒子、硬化剤及び難燃剤等その他の添加剤を加え、それらを混合、攪拌した後に乾燥する方法、又はロール混練、ニーダー、ブラベンダ、あるいは押出機を使用して各成分を混合する方法等で、樹脂組成物を調製することが可能である。
使用する溶剤としては、混合、攪拌後の乾燥で除去できるものであれば特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記(b)の一次シートを形成する工程には、慣用の成膜技術を適用することが可能であるが、圧延、プレス、押出及び塗工からなる群から選択される少なくとも1つの成形方法を用いて実施することが好ましい。成形方法として、少なくとも圧延及びプレスのいずれかを選択することによって、非球状粒子をより確実に、主たる面に対してほぼ平行な方向に配向させることが可能となる。また、それらの方法を選択した場合、一次シート成形時に圧力が加わることによって、非球状粒子同士が接触しやすくなり、高い熱伝導性を実現し易くなる傾向がある。なお、成形される各一次シートの厚さは、熱伝導性の観点から、より薄い方が好ましい。一次シートの厚みが、厚くなると粒子の配向が不充分となり、最終的に得られる熱伝導シートの熱伝導性が悪くなる傾向がある。
なお、前記非球状粒子が一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向した状態とは、前記非球状粒子が一次シートの主たる面に関して寝ているように配向した状態をいう。一次シート面内での非球状粒子の向きは、前記樹脂組成物を成形する際に、樹脂組成物の流れる方向を調整することによってコントロールされる。つまり、樹脂組成物を圧延ロールに通す方向、組成物をプレスする方向、組成物を押出す方向、組成物を塗工する方向を調整することで、非球状粒子の向きがコントロールされる。前記非球状粒子は、基本的に異方性を有する粒子であるため、樹脂組成物を圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工することにより、通常、非球状粒子の向きは揃って配置される。
「前記非球状粒子が一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向した状態」の確認は、前述の「熱伝導シートの厚み方向に対して長軸方向で配向」の確認方法と同様に、一次シート断面をSEMを用いて任意の粒子50個について観察することにより行う。具体的には、一次シート断面をSEMを用いて観察し、任意の粒子50個について、非球状粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度(90度以上となる場合は補角を採用する)の平均値が0〜20度の範囲となっているか確認する。
上記(c−1)又は(c−2)の多層構造を有する成形体を形成する工程は、先の工程で得られた一次シートを積層することによって実施することが可能である。積層の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、独立した複数の一次シートを順に重ね合わせる形態に限らず、一枚の一次シートをその端を切断せずに折りたたむ形態であってもよい。また、積層の別の形態として、1枚の一次シートを捲回させて成形体を形成することも可能である。捲回の形態は成形体の形状が円筒形となるものに限らず、角筒形等、他の形状となるものであってもよい。成形体の形状は、後の(d)工程で、主面からでる法線に対し、0度〜30度の角度で成形体をスライスする際に不都合が生じなければ、いかなる形状であってもよい。例えば、各一次シートの形状を円形に成形し、それらを積層することによって円柱状の成形体を作製し、その後の(d)工程でのスライスを「かつら剥き」のような方法で実施することも可能である。
上記(c−1)又は(c−2)工程における積層時の圧力や捲回時の引っ張り力は、後に実施される(d)スライス工程において、成形体のスライス面が潰れて非球状粒子の配向が崩れない程度に弱く、且つ成形体における各一次シート同士が適度に接着する程度に強くなるように調整することが望ましい。通常、成形体を形成時の圧力や引っ張り力を調整することによって、各一次シート間の充分な接着を得ることが可能である。しかし、各一次シート間の接着力が不足する場合、溶剤又は接着剤等を一次シート表面に薄く塗布した後に積層又は捲回を実施してもよい。
上記(d)の成形体をスライスする工程は、成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度で、熱伝導シートが所定の厚さを有するようにスライスすることによって実施される。スライス時に使用可能な切断具は、特に限定されるものではないが、鋭利な刃を備えたスライサー及びカンナ等を使用することが好ましい。鋭利な刃を備えた切断具を使用することによって、スライス後に得られる熱伝導シートの表面近傍の非球状粒子配向が乱れ難く、且つ厚みの薄い熱伝導シートを容易に作製することが可能となる。
前記スライスする角度が30度以下の場合、得られた熱伝導シートの熱伝導率が良好である。前記成形体が積層体である場合は、一次シートの積層方向とは垂直もしくはほぼ垂直となるように(上記角度の範囲内で)スライスすればよい。また、前記成形体が捲回体である場合は捲回の軸に対して垂直もしくはほぼ垂直となるように(上記角度の範囲内で)スライスすればよい。上述したように、円形状の一次シートを積層した円柱状の成形体の場合は、上記角度の範囲内でかつら剥きのようにスライスしてもよい。
(d)スライス工程は、有機高分子化合物(B)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)よりも50℃高い温度(Tg+50℃)〜Tgよりも20℃低い温度(Tg−20℃)の範囲で実施することが好ましい。スライス時の温度がTg+50℃以下であると、成形体が柔軟になってスライスが実施し難くなることを防ぐだけでなく、熱伝導シート内の非球状粒子の配向が乱れることも防ぐ。一方、スライス時の温度がTg−20℃以上であると、成形体が固く脆くなり、スライスが実施し難くなることもなく、スライス直後に熱伝導シートが割れることを回避しやすい。スライスを実施するより好ましい温度は、Tg+40℃〜Tg−10℃の温度範囲である。
なお、好ましい熱伝導シートの厚みとしては、含まれる非球状粒子の平均粒径以上、平均粒径の200倍以下(好ましくは100倍以下)である。平均粒径以上の場合、非球状粒子が熱伝導シートからの脱落を防ぐことが可能になると考えられる。平均粒径の200倍以下の場合、非球状粒子を介するパス数が少なくなるため、熱伝導性が良好になる。
<放熱装置>
本発明は放熱装置も範囲内である。本発明の放熱装置は、発熱体と放熱体との間に本発明の熱伝導シートを介在させた構造を有する。
本発明の放熱装置に使用可能な発熱体としては、少なくともその表面温度が200℃を超えないものであり、本発明の熱伝導シートを好適に使用できる温度は−10℃〜120℃の範囲である。発熱体の表面が200℃を超える可能性が高い、例えば、ジェットエンジンのノズル近傍、窯陶釜内部周辺、溶鉱炉内部周辺、原子炉内部周辺、宇宙船外殻等における放熱装置への適用は、シート内の有機高分子化合物が分解してしまう可能性が高いので適さない傾向がある。本発明の放熱装置に好適な発熱体としては、例えば、半導体パッケージ、ディスプレイ、LED、電灯等が挙げられる。
一方、本発明の放熱装置に使用可能な放熱体は、特に限定されるものではなく、放熱装置に適用される代表的なものであってよい。例えば、アルミや銅製のフィン又は板等を利用したヒートシンク、ヒートパイプに接続されているアルミや銅製のブロック、内部に冷却液体をポンプで循環させているアルミや銅製のブロック、ペルチェ素子及びこれを備えたアルミや銅製のブロック等が挙げられる。
アルミや銅に代わって、熱伝導率10W/mK以上の素材、例えば、銀、鉄、インジウム等の金属、黒鉛、ダイヤモンド、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミ等の素材を利用したものも好ましい。
本発明の放熱装置は、上述の発熱体と放熱体との間に本発明の熱伝導シートを設置し、各々の面を接触させて固定することによって成立する。熱伝導シートの固定は、各接触面を十分に密着させた状態で固定できる方法であれば、特に限定されずに、如何なる方法を用いてもよい。但し、各接触面の十分な密着を持続させる観点から、押し付け力が持続するような方法が好ましい。例えば、ばねを用いてねじ止めする方法、クリップを用いて挟み込む方法が挙げられる。本発明の放熱装置によれば、高い放熱効率を達成することが可能であり、且つ近傍の回路をショートさせるリスクが少ない。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例において、熱伝導率及び引張強度は、以下の方法により求めた。
(熱伝導率の測定)
測定する熱伝導シートを1cm×1cmの大きさにカッターで切断し、その切断片を一方の面がトランジスタ(2SC2233)、他方の面がアルミニウム放熱ブロックに接するように配置し、試験サンプルを作製した。次いで、トランジスタを押し付けながら、試験サンプルに電流を通じ、トランジスタの温度(T1、単位℃)及び放熱ブロックの温度(T2、単位℃)を測定し、測定値及び印可電力(W、単位W)から、下式に沿って、熱抵抗(X、単位℃/W)を測定した。
Figure 2011184663
得られた熱抵抗(X)、切断片の膜厚(d、単位μm)、及び熱伝導率の既知試料による補正係数Cから、下式に沿って、熱伝導率(Tc、単位W/mK)を見積もった。
Figure 2011184663
(引張強度の測定)
熱伝導シートを、一次シート面から出る法線に対して垂直な方向に5cm、一次シート面から出る法線に対して平行な方向に1cmとなるように切り抜き、引張試験機(R&A(株)製、商品名:RTM−100型テンシロン)を用い、一次シート面から出る法線に対して垂直な方向が3cm幅になるよう、両末端から1cmの箇所をつまみ、20〜30℃で、一次シート面から出る法線に対して垂直な方向に、5mm/分の引張速度で引っ張り、熱伝導シートの破断強度(引張強度)を測定した。
(実施例1)
(A)非球状粒子として板状の窒化ホウ素粒子「PT−110(商品名)」(モーメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製、平均粒径45μm、長軸方向と短軸方向の比:20)13.1gと、(B)有機高分子化合物としてアクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811A改3DR(商品名)」(ナガセケムテックス(株)製、アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量0.69mmol/g、Mw:55万、Tg:−41℃、固形)2.31gと、(C)硬化剤としてビスフェノールF型エポキシ(東都化成(株)製、商品名:YDF−170、2官能、エポキシ当量:156g/eq.)0.25gと、(D)リン酸エステル系難燃剤「CR−741(商品名)」(大八化学工業(株)製)1.99gとを、120℃に加熱して混練することによって樹脂組成物を調製した。
原料の比重から計算される組成物の配合比は、(A)窒化ホウ素粒子60.0体積%、(B)アクリル酸エステル共重合樹脂20.3体積%、及び(C)ビスフェノールF型エポキシ2.2体積%、(D)リン酸エステル系難燃剤17.5体積%であった。
先に調製した樹脂組成物1gを離型処理したPETフィルムで挟み込み、5cm×10cmのツール面を有するプレスを用いて、ツール圧10MPa、ツール温度120℃の条件下で、10秒間にわたってプレスすることにより、厚さが0.3mmの一次シートを得た。この操作を繰り返すことによって、多数枚の一次シートを作製した。
なお、一次シートにおいて、「非球状粒子(A)が一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向した状態」の確認は、以下のようにして行った。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の非球状粒子について見えている方向から非球状粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ5度であり、非球状粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた各一次シートを2cm×2cmの寸法にカッターで切り出し、その37枚を積層し、手で軽く押さえて各一次シートの層間を接着させることにより、厚さ1.1cmの成形体を得た。この成形体をドライアイスで冷却した後、−10℃の温度において、1.1cm×2cmの積層断面をカンナで削り(一次シート面から出る法線に対し5度の角度でスライス)、サイズが1.1cm×2cm×0.51mmの実施例1の熱伝導シートを得た。
得られた熱伝導シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から非球状粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ85度であり、非球状粒子の長軸方向は熱伝導シートの厚み方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率10W/mK、引張強度0.57MPaと良好な値を示した。
(実施例2)
原料として(A)板状の窒化ホウ素粒子13.1g(60.0体積%)、(B)アクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−280DR(商品名)」(アクリル酸ブチル/アクリロニトリル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量1.07mmol/g、Mw:90万、Tg:−37℃、固形)2.19g(19.3体積%)、(C)ビスフェノールF型エポキシ0.37g(3.2体積%)、及び(D)リン酸エステル系難燃剤1.99g(17.5体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様の条件により、実施例2の熱伝導シートを得た。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ3度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ88度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は熱伝導シートの厚み方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率11W/mK、引張強度0.44MPaと良好な値を示した。
(実施例3)
原料として(A)板状の窒化ホウ素粒子13.1g(60.0体積%)、(B)アクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811A改3DR(商品名)」(ナガセケムテックス(株)製、アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量0.69mmol/g、Mw:55万、Tg:−41℃、固形)2.51g(22.1体積%)、(C)ビスフェノールF型エポキシ0.05g(0.4体積%)、及び(D)リン酸エステル系難燃剤1.99g(17.5体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様の条件により、実施例3の熱伝導シートを得た。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ5度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ84度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は熱伝導シートの厚み方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率10W/mK、引張強度0.28MPaと良好な値を示した。
(比較例1)
(A)球状の窒化ホウ素粒子(商品名:「FS−3」(水島合金鉄(株)製、平均粒径:50μm、長軸方向と単軸方向の比:1)を用いた以外は、実施例1と同様の条件により、比較例1の熱伝導シートを得た。
得られた熱伝導シートの引張強度は0.51MPaと良好であったが、熱伝導率は5W/mKと低かった。
(比較例2)
(A)板状の窒化ホウ素粒子13.1g(60.0体積%)、(B)アクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811DR(商品名)」(アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、カルボキシル基の量0mmol/g、Mw:42万、Tg:−43℃、固形)2.56g(22.5体積%)、及び(D)リン酸エステル系難燃剤1.99g(17.5体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様の条件により、比較例2の熱伝導シートを得た。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ2度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ87度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は熱伝導シートの厚み方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率は18W/mKと良好であったが、引張強度は0.03MPaと低かった。
(比較例3)
(B)アクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811改3DR(商品名)」(ナガセケムテックス(株)製、アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体、カルボキシル基の量0.69mmol/g、Mw:55万、Tg:−41℃、固形)を用いた以外は、比較例2と同様の条件により、比較例3の熱伝導シートを得た。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ5度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ85度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は熱伝導シートの厚み方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率は12W/mKと良好であったが、引張強度は0.13MPaと低かった。
Figure 2011184663
本発明によれば、高い熱伝導性と高い柔軟性、優れたシート強度とを併せ持ち、且つ電気絶縁性である熱伝導シートを提供することができる。

Claims (14)

  1. 非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を含む樹脂組成物からなる熱伝導シートであって、
    前記非球状粒子(A)が、前記熱伝導シート内部で該熱伝導シートの厚み方向に対して前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シート。
  2. 前記非球状粒子(A)が窒化ホウ素粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記非球状粒子(A)が板状窒化ホウ素粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記有機高分子化合物(B)が、50℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  5. 前記有機高分子化合物(B)が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  6. 前記硬化剤(C)の硬化性反応基の量が、前記有機高分子化合物(B)のカルボキシル基の量に対して、0.01〜3当量であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  7. 前記樹脂組成物中に、難燃剤(D)を組成物の5〜50体積%の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
  8. 前記難燃剤(D)がリン酸エステル系難燃剤であることを特徴とする請求項7に記載の熱伝導シート。
  9. 前記非球状粒子(A)が、シートの厚み方向に対し前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シートの製造方法であって、
    (a)少なくとも、前記非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を混合し、樹脂組成物を調製する工程と、
    (b)前記樹脂組成物を用いて、前記非球状粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
    (c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
    (d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程と、を有する熱伝導シートの製造方法。
  10. 前記非球状粒子(A)が、シートの厚み方向に対し前記非球状粒子(A)の長軸方向で配向している熱伝導シートの製造方法であって、
    (a)少なくとも、前記非球状粒子(A)と、0.1〜2.0mmol/gのカルボキシル基を有する有機高分子化合物(B)と、硬化剤(C)と、を混合し、樹脂組成物を調製する工程と、
    (b)前記樹脂組成物を用いて、前記非球状粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
    (c−2)前記一次シートを、前記非球状粒子(A)の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
    (d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程と、を有する熱伝導シートの製造方法。
  11. 前記一次シートを形成する工程が、圧延、プレス、押出及び塗工からなる群から選択される少なくとも1つの成形方法を用いて実施されることを特徴とする請求項9又は10に記載の熱伝導シートの製造方法。
  12. 前記一次シートを形成する工程が、少なくとも圧延又はプレスのいずれかの成形方法を用いて実施されることを特徴とする請求項9又は10に記載の熱伝導シートの製造方法。
  13. 前記スライスする工程が、有機高分子化合物(B)のTg+50℃(ガラス転移温度よりも50℃高い温度)〜Tg−20℃(ガラス転移温度よりも20℃低い温度)の温度範囲で実施されることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の熱伝導シートの製造方法。
  14. 発熱体と放熱体との間に請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱伝導シートを介在させた構造を有することを特徴とする放熱装置。
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