JP5516034B2 - 絶縁性の高い熱伝導シート及びこれを用いた放熱装置 - Google Patents
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また、そのような電気絶縁性の問題を根本的に解決するため、熱伝導性の無機粒子に電気絶縁性の物質を用いる方法が挙げられる。例えば、窒化ホウ素等の無機粒子粉末を配合した組成物からなる絶縁放熱シートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、熱伝導シートの中間層に絶縁性の合成樹脂フィルム層を設けることで絶縁性を高めている提案がなされている(例えば、特許文献4参照)。
また、特許文献4に開示された熱伝導シートでは、中間層の合成樹脂フィルム層により高い電気絶縁性は確保できるが、熱伝導性の低い中間層を設けているため高い熱伝導性を確保することは難しい。
本発明は、このような状況に鑑みて、高い熱伝導性を維持し、且つ高い電気絶縁性を有する熱伝導シートを提供することを目的とする。また、そのような熱伝導シートを使用して、高い放熱能力を持ち、且つ近傍の回路をショートさせるリスクの少ない放熱装置を提供することを目的とする。
(1)層(A)と層(B)を含む二層以上の多層構造をシート厚み方向で積層するように有する熱伝導シートにおいて、前記層(A)が、109Ω・m以上の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子及び有機高分子化合物を含む組成物からなる層であり、且つ前記絶縁性非球状粒子が前記層(A)の厚み方向に対し長軸方向で配向しており、
前記層(B)が、10kV/mm以上の絶縁性樹脂組成物からなる層であることを特徴とする熱伝導シート。
(3)前記絶縁性非球状粒子が板状窒化ホウ素粒子であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の熱伝導シート。
(5)前記層(B)が、前記樹脂組成物中に体積抵抗率109Ω・m以上且つ熱伝導率10W/mK以上の粒子を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の熱伝導シート。
(a)少なくとも前記絶縁性非球状粒子と前記有機高分子化合物とを混合して層(A)用の組成物を調製する工程と、
(b)前記組成物を用いて、前記絶縁性非球状粒子が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程。
(a)少なくとも前記絶縁性非球状粒子と前記有機高分子化合物とを混合して層(A)用の組成物を調製する工程と、
(b)前記組成物を用いて、前記絶縁性非球状粒子が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−2)前記絶縁性非球状粒子の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の熱伝導シートを発熱体と放熱体との間に介在させた構造を有することを特徴とする放熱装置。
さらに、本発明の放熱装置によれば、回路近傍でショートを起こす可能性が極めて低くなり、完全且つ効率の良い放熱を実現することが可能となる。
本発明の熱伝導シートは、層(A)と層(B)を含む二層以上の多層構造をシート厚み方向で積層するように有する熱伝導シートであって、前記層(A)が、109Ω・m以上の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子及び有機高分子化合物を含む組成物からなる層であり、且つ前記絶縁性非球状粒子が前記層(A)の厚み方向に対し長軸方向で配向しており、前記層(B)が、10kV/mm以上の絶縁性樹脂組成物からなる層であることを特徴とする。
本発明における層(A)は、109Ω・m以上の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子及び有機高分子化合物を含む組成物からなる層である。
本発明において、109Ω・m以上の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子を用いることで層(A)の熱伝導性に十分効果がある。
本発明における絶縁性非球状粒子は、体積抵抗率が109Ω・m以上であり、さらには1011Ω・m以上であることがより好ましい。なお、上記範囲の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子を適宜選択して用いることができる。
また、非球状粒子の好ましい熱伝導率は、10W/mK以上である。
本発明で、層(A)に用いることが可能な体積抵抗率109Ω・m以上の絶縁性非球状粒子としては、下記のものが挙げられる。
アルミナ(109〜1012Ω・m、21〜40W/mK)、酸化マグネシウム(1012〜1013Ω・m、60W/mK)、酸化ベリリウム(>1010Ω・m、130W/mK)、窒化アルミ(1011〜1012Ω・m、70〜200W/mK)、窒化ホウ素(1012〜1014Ω・m、40〜60W/mK)、窒化珪素(1012〜1014Ω・m、25〜155W/mK)。
絶縁性非球状粒子(A)の含有量(体積%)=
(Aw/Ad)/((Aw/Ad)+(Bw/Bd)+(Cw/Cd)+・・・)×100
Aw:絶縁性非球状粒子(A)の質量組成(質量%)
Bw:有機高分子化合物(B)の質量組成(質量%)
Cw:その他の任意成分(C)の質量組成(質量%)
Ad:絶縁性非球状粒子(A)の比重(本発明において窒化ホウ素粒子の場合Adは2.3で計算する。その他、アルミナ:3.97、窒化アルミ:3.26、窒化珪素:3.2で計算する。)
Bd:有機高分子化合物(B)の比重
Cd:その他の任意成分(C)の比重
平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定したときのD50の値とする。
また、板状の窒化アルミ粒子としては、「トーヤルナイトFLX(商品名)」(東洋アルミ製、平均粒子径16μm、体積抵抗率1012Ω・m)等が挙げられる。
本発明において「層(A)の厚み方向に対して長軸方向で配向」とは、熱伝導シート断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて任意の粒子50個について観察した際に、非球状粒子の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度(90度以上となる場合は補角を採用する)の平均値が70度〜90度の範囲となる状態を意味する。
本発明では、絶縁性非球状粒子が上述のような配向を示さなければ、充分な熱伝導性を得ることができない。上述のような配向を示すようにするためには、本発明における層(A)の製造工程により作製すればよい。詳細は後述する。
さらに、有機高分子化合物は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下であることが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置(DMA)で測定できる。動的粘弾性測定装置(DMA)としては、例えば、TAインストゥルメンツ社製のARES−2KSTDを用いることができる。測定条件としては、昇温速度:5℃/分、測定周波数:1.0Hzとする。
上記有機高分子化合物の配合量は、10〜40体積%が好ましい。10体積%以上であると、充分なシート強度が得られる傾向がある。40体積%以下であれば、充分な量の非球状粒子を含有することができ、充分な熱伝導性が得られる傾向がある。
層(A)の具体的製法については、後述する。
本発明において、層(B)は10kV/mm以上の絶縁性樹脂組成物からなることを特徴としている。
10kV/mm以上とするための粒子としては、例えば、層(A)で用いられる絶縁性非球状粒子が挙げられるが、形状は非球状に限定されない。
層(B)に使用する絶縁性樹脂組成物には、絶縁性樹脂が含まれていることが好ましい。
ここで「絶縁性樹脂」とは、10kV/mm以上のものであり、具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、NBR樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
本発明における絶縁性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤、ゴム系エラストマ、難燃剤としてのリン系化合物、無機充填剤、カップリング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、イオントラップ剤等を配合してもよい。
保存性、生産性及び作業性の観点からは、層(B)上に、更に保護フィルムを積層させ、保存することが好ましい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、離型紙等が例示でき、マット処理、エンボス加工、離型処理が施されていてもよい。支持体と保護フィルムの剥離は、層(B)等を他の層へ積層する前に行ってもよく、積層後に行ってもよい。
本発明の熱伝導シートは、前記層(A)と前記層(B)を含む二層以上の多層構造をシート厚み方向で積層するように有していることを特徴としている。多層構造を形成する方法は、特に制限はない。具体例としては、それぞれシート状にした層(A)と層(B)を重ね合わせてプレス機やラミネート機を用いて圧着する方法、シート状にした層(A)に層(B)の樹脂組成物溶液を塗工する方法等が挙げられる。
また、多層構造を形成する際に、層(A)、層(B)以外の層を含むことも可能である。層(A)、層(B)以外の層の層としては、例えば、シート強度を強化する層、シートの総厚みを調整する層等が挙げられる。
層(A)と層(B)を交互にする必要はないが、熱伝導性と絶縁性のバランスの観点から交互にすることが好ましい。層(A)や層(B)が最外層である必要はないが、接着性の観点から層(B)が最外層であることが好ましい。
上記層(A)の製造工程に関しても本発明の範囲内である。本発明の熱伝導シートは、層(A)が下記工程を含む製造方法で得られることを特徴とする。
(a)絶縁性非球状粒子と前記有機高分子化合物とを混合し、層(A)用の組成物を調製する工程と、
(b)前記組成物を用いて、前記絶縁性非球状粒子が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程。
(c−2)前記一次シートを前記絶縁性非球状粒子の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程とすることも可能である。
上記(a)工程において、層(A)を構成する組成物の調製は、所定の絶縁性非球状粒子を組成物中に均一に混合することが可能であれば、いかなる方法を用いて実施してもよい。特に限定されるものではないが、例えば、予め有機高分子化合物を溶剤に溶かして溶液を形成し、その溶液に前記絶縁性非球状粒子及び難燃剤等その他の添加剤を加え、それらを混合、攪拌した後に乾燥する方法、又はロール混練、ニーダー、ブラベンダ、あるいは押出機を使用して各成分を混合する方法等で、組成物を調製することが可能である。
上記(b)の一次シートを形成する工程には、慣用の成膜技術を適用することが可能であるが、圧延、プレス、押出及び塗工からなる群から選択される少なくとも1つの成形方法を用いて実施することが好ましい。成形方法として、少なくとも圧延及びプレスのいずれかを選択することによって、非球状粒子をより確実に、主たる面に対してほぼ平行な方向に配向させることが可能となる。また、それらの方法を選択した場合、一次シート成形時に圧力が加わることによって、絶縁性非球状粒子同士が接触しやすくなり、高い熱伝導性を実現し易くなる傾向がある。なお、成形される各一次シートの厚さは、熱伝導性の観点から、より薄い方が好ましい。一次シートの厚みが、厚くなると絶縁性非球状粒子の配向が不充分となり、最終的に得られる熱伝導シートの熱伝導性が悪くなる傾向がある。
例えば、各シートの形状を円形に成形し、それらを積層することによって円柱状の成形体を作製し、その後の(d)工程でのスライスを「かつら剥き」のような方法で実施することも可能である。
本発明は放熱装置も範囲内である。本発明の放熱装置は、発熱体と放熱体との間に本発明の熱伝導シートを介在させた構造を有する。
本発明の放熱装置に使用可能な発熱体としては、少なくともその表面温度が200℃を超えないものであり、本発明の熱伝導シートを好適に使用できる温度は−10℃〜120℃の範囲である。発熱体の表面が200℃を超える可能性が高い、例えば、ジェットエンジンのノズル近傍、窯陶釜内部周辺、溶鉱炉内部周辺、原子炉内部周辺、宇宙船外殻等における放熱装置への適用は、シート内の有機高分子化合物が分解してしまう可能性が高いので適さない傾向がある。本発明の放熱装置に好適な発熱体としては、例えば、半導体パッケージ、ディスプレイ、LED、電灯等が挙げられる。
本発明の放熱装置は、上述の発熱体と放熱体との間に本発明の熱伝導シートを設置し、各々の面を接触させて固定することによって成立する。熱伝導シートの固定は、各接触面を十分に密着させた状態で固定できる方法であれば、特に限定されずに、如何なる方法を用いてもよい。但し、各接触面の十分な密着を持続させる観点から、押し付け力が持続するような方法が好ましい。例えば、ばねを用いてねじ止めする方法、クリップを用いて挟み込む方法が挙げられる。本発明の放熱装置によれば、高い放熱効率を達成することが可能であり、且つ近傍の回路をショートさせるリスクが少ない。
なお、各実施例において熱伝導性の指標とした熱伝導率と、絶縁性の指標にした絶縁破壊電圧は、以下の方法により求めた。
測定する熱伝導シートを1cm×1cmの大きさにカッターで切断し、その切断片を一方の面がトランジスタ(2SC2233)、他方の面がアルミニウム放熱ブロックに接するように配置し、試験サンプルを作製した。次いで、トランジスタを押し付けながら、試験サンプルに電流を通じ、トランジスタの温度(T1、単位℃)及び放熱ブロックの温度(T2、単位℃)を測定し、測定値及び印可電力(W、単位W)から、下式に沿って、熱抵抗(X、単位℃/W)を測定した。
評価基準として、10W/mK以上を○とし、10W/mK未満を×とした。
ASTM D149、JIS C2110に準拠した。
測定する熱伝導シートを5cm×5cmの大きさにカッターで切断し、一方の面にφ20mmの円形の銅層、他方の面に全面銅層を有するように試験サンプルを作製した。試験サンプルを挟みこむように電極を配置し、電気絶縁油中で試験サンプルに電圧を0から平均10〜20秒で絶縁破壊が起こるような一定の速度で上昇させた。絶縁破壊が起きたときの電圧(単位kV)を、熱伝導シートの膜厚(単位mm)で除することで、絶縁破壊電圧(単位kV/mm)を求めた。
評価基準として、10kV/mm以上を○とし、10kV/mm未満を×とした。
板状の窒化ホウ素粉末「PT−110(商品名)」(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製、平均粒径:45μm、体積抵抗率:1012〜1014Ω・m、長軸方向と短軸方向の比率:20)457.8g、アクリル酸エステル共重合樹脂「HTR−811DR(商品名)」(ナガセケムテックス(株)製、アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、Mw:42万、Tg:−29.4℃)89.6g、及びリン酸エステル系難燃剤「CR−741(商品名)」(大八化学工業(株)製)69.7gを、120℃に加熱して混練することによって組成物を調製した。
先に調製した組成物を離型処理したPETフィルムで挟み込み、プレス機を用いて、ツール圧10MPa、ツール温度120℃の条件下で、10秒間にわたってプレスすることにより、厚さが1.0mmの一次シートを得た。この操作を繰り返すことによって、多数枚の一次シートを作製した。
得られた一次シートの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、任意の50個の板状窒化ホウ素粒子について見えている方向から板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の一次シート表面に対する角度を測定し、その平均値を求めたところ5度であり、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向は一次シートの主たる面に関してほぼ平行な方向に配向していることが認められた。
得られた熱伝導シートの熱伝導率は13W/mK、絶縁破壊電圧は40kV/mmとであった。
実施例1で得られた層(A)のBNシート層の両面に、層(B)として接着剤樹脂溶液(商品名:KS6003、日立化成工業(株)製、絶縁破壊電圧:95kV/mm、アルミナ(109〜1012Ω・m、21〜40W/mK)含有)を塗布し、120〜140℃の熱風乾燥機で15分乾燥させ、層(A)の両面に0.012mmの層(B)を形成し、140℃、2時間及び190℃、2時間の熱処理によって硬化物を作成し、実施例2の熱伝導シートを得た。得られた熱伝導シートの概略断面図は、実施例1と同様(図1)である。
得られた熱伝導シートの熱伝導率は10W/mK、絶縁破壊電圧は35kV/mmと良好な値を示した。
実施例1で得られた層(A)のみを比較例1の熱伝導シートとして評価した。
得られた熱伝導シートの熱伝導率は14W/mKと良好であったが、絶縁破壊電圧は8kV/mmと低い値を示した。
実施例2で用いた層(B)の接着剤樹脂溶液(商品名:KS6003、日立化成工業(株)製、絶縁破壊電圧:95kV/mm、アルミナ(109〜1012Ω・m、21〜40W/mK)含有)をPETフィルムに塗布し、140℃の熱風乾燥機で15分乾燥させた後、PETフィルムから剥離し、熱プレスにより両面を銅箔で挟み、150℃、1時間加熱処理し、銅箔をエッチング処理により除去し、厚み0.05mmの層(B)のみを比較例2の熱伝導シートとして得た。
得られた熱伝導シートの絶縁破壊電圧は95kV/mm、熱伝導率は0.3W/mKであった。
2:層(A)(BN層)
3a:層(B)(接着剤層)
Claims (7)
- 層(A)と層(B)を含む二層以上の多層構造をシート厚み方向で積層するように有する熱伝導シートにおいて、
前記層(A)が、109Ω・m以上の体積抵抗率を有する絶縁性非球状粒子及び有機高分子化合物を含む組成物からなる層であり、且つ前記絶縁性非球状粒子が前記層(A)の厚み方向に対し長軸方向で配向しており、
前記層(B)が、10kV/mm以上の絶縁性樹脂組成物からなる層であり、
前記絶縁性樹脂組成物が、ポリアミドイミド樹脂とエポキシ樹脂との少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする熱伝導シート。 - 前記絶縁性非球状粒子が窒化ホウ素粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導シート。
- 前記絶縁性非球状粒子が板状窒化ホウ素粒子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
- 前記絶縁性樹脂組成物が、体積抵抗率109Ω・m以上且つ熱伝導率10W/mK以上の粒子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
- 前記層(A)が、下記(a)〜(d)工程を含む製造方法により得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
(a)前記絶縁性非球状粒子と前記有機高分子化合物とを混合し層(A)用の組成物を調製する工程と、
(b)前記組成物を用いて、前記絶縁性非球状粒子が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−1)前記一次シートを積層して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程。 - 前記層(A)が、下記(a)〜(d)工程を含む製造方法により得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導シート。
(a)前記絶縁性非球状粒子と前記有機高分子化合物とを混合し層(A)用の組成物を調製する工程と、
(b)前記組成物を用いて、前記絶縁性非球状粒子が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成する工程と、
(c−2)前記絶縁性非球状粒子の配向方向を軸にして捲回して多層構造を有する成形体を形成する工程と、
(d)前記成形体をその主面から出る法線に対して0度〜30度の角度でスライスする工程。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱伝導シートを発熱体と放熱体との間に介在させた構造を有することを特徴とする放熱装置。
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