JP6123314B2 - 熱伝導シートおよび熱伝導シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導シートおよび熱伝導シートの製造方法 Download PDF

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本発明は、熱伝導シートおよび熱伝導シートの製造方法に関する。
発熱体(半導体チップなど)と放熱体(ヒートシンクなど)との間などのように、高い熱伝導性が要求される接合界面に設けられる熱伝導シートが知られている。
特許文献1には、厚み方向に絶縁性を有する熱伝導シートについて記載されている。この熱伝導シートは、層Aと層Bとを含む2つ以上の層をシート厚み方向において積層することにより構成されている。層Aは、絶縁性非球状粒子および有機高分子化合物を含む組成物からなり、絶縁性非球状粒子が層Aの厚み方向に配向されている。また、層Bは絶縁性樹脂組成物からなる。
特開2011−230472号公報
しかしながら、何らかの理由(例えば異物の混入など)により熱伝導シートの面方向において局所的に欠陥が発生し、その欠陥部分における絶縁性が損なわれている場合、熱伝導シートは、その表裏の面が互いに短絡(ショート)した構造となってしまい、熱伝導シートの厚み方向における絶縁性が得られない。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、厚み方向において十分な熱伝導性を有するとともに、厚み方向の絶縁性に関する不良率が低減された構造の熱伝導シートおよびその製造方法を提供する。
本発明は、薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートと、
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートと、
を有し、
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとが相互に積層され且つ一体化されており、
前記第1熱伝導性フィラーは、黒鉛粒子を含み、
前記第2熱伝導性フィラーは、黒鉛粒子を含む熱伝導シートを提供する。
この熱伝導シートは、第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとが相互に積層され且つ一体化されることにより構成されている。このため、熱伝導シートは、厚み方向において十分な熱伝導性および絶縁性を有するものとなる。以下、その理由を説明する。
先ず、第1熱伝導シートの厚み方向における第1熱伝導性フィラーの寸法が、第1熱伝導シートの面方向における第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい。すなわち、第1熱伝導シート内において、第1熱伝導性フィラーが第1熱伝導シートの厚み方向に配向されている。よって、第1熱伝導シートの厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。
同様に、第2熱伝導シートの厚み方向における第2熱伝導性フィラーの寸法が、第2熱伝導シートの面方向における第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい。すなわち、第2熱伝導シート内において、第2熱伝導性フィラーが第2熱伝導シートの厚み方向に配向されている。よって、第2熱伝導シートの厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。
更に、第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとが相互に積層され且つ一体化されて、熱伝導シートが構成されている。このため、第1熱伝導性フィラーおよび第2熱伝導性フィラーが熱伝導シートの厚み方向に配向されている。よって、熱伝導シートの厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。すなわち、第1熱伝導シートにおける第2熱伝導シート側とは反対側の面と、第2熱伝導シートにおける第1熱伝導シート側とは反対側の面と、の相互間に亘り、熱を好適に伝達することができる。
ここで、第1熱伝導シートの面方向において局所的に欠陥が発生し、その欠陥部分における絶縁性が損なわれている場合を考える。この場合、第1熱伝導シートは、局所的に、その表裏の面が互いに短絡した構造である。ただし、第1熱伝導シートには、第2熱伝導シートが積層されている。よって、第1熱伝導シートにおける短絡部分が、第2熱伝導シートにより覆われる。このため、第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとを含む熱伝導シートの全体では、当該熱伝導シートの厚み方向において十分な絶縁性が得られる可能性が高い。換言すれば、第1熱伝導シートにおける短絡部分と、第2熱伝導シートにおける短絡部分とが、上下に重ならない限りは、熱伝導シートの厚み方向における十分な絶縁性が得られると考えられる。
仮に、単層の熱伝導シート(第1熱伝導シートおよび第2熱伝導シートの各々)において、その表裏の面が互いに短絡する可能性が1%であるとする。この場合、単層の熱伝導シートの不良率は1%である。
更に、この場合に、短絡が生じている単層の熱伝導シート(第1熱伝導シートおよび第2熱伝導シートの各々)において、表裏の面が短絡している部分(短絡部分と称する)の面積割合が1%であるとする。この場合、それぞれ短絡が生じている第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとを積層したときに、第1熱伝導シートにおける短絡部分と第2熱伝導シートにおける短絡部分とが上下に重なる確率は1%となる。
第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとを含む熱伝導シートが不良品となる条件は、(1)第1熱伝導シートに不良が発生し、(2)第2熱伝導シートに不良が発生し、且つ、(3)第1熱伝導シートにおける短絡部分と第2熱伝導シートにおける短絡部分とが上下に重なることである。このため、この場合、第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとを含む熱伝導シートの不良率は、1%×1%×1%=0.0001%となる。
このように、熱伝導シートを第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとの積層構造とすることにより、熱伝導シートが単層の構造の場合と比べて、厚み方向における絶縁性の確保に関する不良率を著しく低減することができる。一例として、上記モデルの場合、不良率を1/10000に低減できる。
このように、この熱伝導シートによれば、厚み方向において十分な熱伝導性が得られるとともに、厚み方向の絶縁性に関する不良率が低減された構造を実現することができる。
また、本発明は、薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートを作製する工程と、
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートを作製する工程と、
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを相互に積層し且つ一体化する工程と、
を有し、
前記第1熱伝導フィラーは、黒鉛粒子を含み、
前記第2熱伝導フィラーは、黒鉛粒子を含む熱伝導シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、熱伝導シートの厚み方向において十分な熱伝導性が得られるとともに、厚み方向の絶縁性に関する不良率が低減された構造の熱伝導シートを実現することができる。
第1の実施形態に係る熱伝導シートの模式的な断面図である。 図2(a)〜(i)の各図は、第1の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。 第2の実施形態に係る熱伝導シートの模式的な断面図である。 第3の実施形態に係る熱伝導シートの模式的な断面図である。 図5(a)〜(c)の各図は、第4の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA部の拡大断面図である。 図6(a)〜(k)の各図は、第4の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。 図7(a)〜(c)の各図は、第5の実施形態に係る熱伝導シートを示す模式図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA部の拡大断面図である。 図8(a)〜(h)の各図は、第5の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る熱伝導シート40の模式的な断面図である。
本実施形態に係る熱伝導シート40は、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを有している。熱伝導シート40は、その厚み方向において絶縁性を有する。
第1熱伝導シート40aは、薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた有機樹脂11(第1有機樹脂)中に、鱗片状、楕球状又は棒状の熱伝導性フィラー12(第1熱伝導性フィラー)を含んでなる。
第1熱伝導シート40aの厚み方向(図1における上下方向)における熱伝導性フィラー12の寸法は、第1熱伝導シート40aの面方向(図1における左右方向)における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きい。すなわち、熱伝導性フィラー12は、第1熱伝導シート40aの厚み方向(図1における上下方向)に配向されている。
ここで、第1熱伝導シート40aの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法とは、第1熱伝導シート40a内のある熱伝導性フィラー12を第1熱伝導シート40aの面方向(厚み方向に対して直交する方向)に投影したときの最大寸法である。また、第1熱伝導シート40aの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法とは、第1熱伝導シート40a内のある熱伝導性フィラー12を第1熱伝導シート40aの厚み方向(面方向に対して直交する方向)に投影したときの最大寸法である。
なお、ここで言う熱伝導性フィラー12の配向は、必ずしも第1熱伝導シート40a内のすべての熱伝導性フィラー12について、第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されていることを意味する訳ではない。例えば、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12の60%以上が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されていること、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12の70%以上が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されていること、或いは、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12の80%以上が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されていることなど、第1熱伝導シート40a内のある一定割合以上(ただし過半数以上)の熱伝導性フィラー12が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されていることを意味する。
例えば、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12のアスペクト比(第1熱伝導シート40aの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法/第1熱伝導シート40aの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法)の平均値が、2以上、好ましくは5以上となるように、熱伝導性フィラー12の形状の選択と、熱伝導性フィラー12の配向性の設定とがなされていることが望ましい。
第2熱伝導シート40bは、第1熱伝導シート40aと同様のものである。すなわち、第2熱伝導シート40bは、薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた有機樹脂11(第2有機樹脂)中に、鱗片状、楕球状又は棒状の熱伝導性フィラー12(第2熱伝導性フィラー)を含んでなる。
第2熱伝導シート40bの厚み方向(図1における上下方向)における熱伝導性フィラー12の寸法は、第2熱伝導シート40bの面方向(図1における左右方向)における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きい。すなわち、熱伝導性フィラー12は、第2熱伝導シート40bの厚み方向(図1における上下方向)に配向されている。
ここで、第2熱伝導シート40bの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法とは、第2熱伝導シート40b内のある熱伝導性フィラー12を第2熱伝導シート40bの面方向(厚み方向に対して直交する方向)に投影したときの最大寸法である。また、第2熱伝導シート40bの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法とは、第2熱伝導シート40b内のある熱伝導性フィラー12を第2熱伝導シート40bの厚み方向(面方向に対して直交する方向)に投影したときの最大寸法である。
なお、ここで言う熱伝導性フィラー12の配向は、必ずしも第2熱伝導シート40b内のすべての熱伝導性フィラー12について、第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されていることを意味する訳ではない。例えば、第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12の60%以上が第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されていること、第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12の70%以上が第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されていること、或いは、第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12の80%以上が第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されていることなど、第2熱伝導シート40b内のある一定割合以上(ただし過半数以上)の熱伝導性フィラー12が第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されていることを意味する。
例えば、第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12のアスペクト比(第2熱伝導シート40bの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法/第2熱伝導シート40bの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法)の平均値が、2以上、好ましくは5以上となるように、熱伝導性フィラー12の形状の選択と、熱伝導性フィラー12の配向性の設定とがなされていることが望ましい。
第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとが、相互に積層され且つ相互に一体化されることにより、熱伝導シート40が構成されている。
例えば、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとは、接着層50を介して相互に接着されることにより一体化されている。なお、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとの間には、界面が存在している。例えば、接着層50と第1熱伝導シート40aとの間の界面と、接着層50と第2熱伝導シート40bとの間の界面と、が第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとの間に存在している。
熱伝導性フィラー12は、熱伝導性が良好で、有機樹脂11の硬化処理を経ても所定の形状に維持されるものであるとともに、絶縁性のものである。
熱伝導性フィラー12は、鱗片状、楕球状又は棒状の形状のものである。より具体的には、例えば、熱伝導性フィラー12は、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の軸方向に配向している六方晶窒化ホウ素粒子又は黒鉛粒子である。或いは、熱伝導性フィラー12は、鱗片状のアルミナであっても良い。熱伝導性フィラー12の粒径(熱伝導性フィラー12の個々の粒子の最大寸法)の平均は、例えば、1μm以上150μm以下とすることができる。
なお、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12と、第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12とは、互いに同じ種類のものであっても良いし、互いに異なる種類のものであっても良い。
有機樹脂11は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンであることが挙げられる。エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型の何れでも良い。エポキシ樹脂は、硬化剤として、イミダゾール、アミン又はフェノール化合物を含有している。
なお、第1熱伝導シート40aを構成する有機樹脂11と、第2熱伝導シート40bを構成する有機樹脂11とは、互いに同じ種類のものであっても良いし、互いに異なる種類のものであっても良い。
接着層50は、例えば、硬化剤を含有するエポキシ樹脂又はポリイミドなどからなる。
熱伝導シート40の厚さは、例えば、50μm以上250μm以下とすることができ、好ましくは、180μm程度とすることができる。なお、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bの厚さは、それぞれ熱伝導シート40の厚さの半分程度とすることができる。ただし、第1熱伝導シート40aの厚さと第2熱伝導シート40bの厚さとが互いに異なっていても良い。
熱伝導シート40は、例えば、発熱体(半導体チップなど)と放熱体(ヒートシンクなど)との間などのように、高い熱伝導性が要求される接合界面に設けられ、発熱体から放熱体への熱伝導を促進する。なお、熱伝導シート40を有する具体的な半導体装置構造の一例としては、例えば、半導体チップが配線基板(インターポーザ)上に搭載され、且つ、この配線基板がヒートシンク上に搭載されており、半導体チップと配線基板との接合界面、並びに、配線基板とヒートシンクとの接合界面に、それぞれ熱伝導シート40を設けた構造が挙げられる。この場合、半導体チップと配線基板とが熱伝導シート40により相互に絶縁されるとともに、配線基板とヒートシンクとが熱伝導シート40により相互に絶縁される。
次に、上記のような構造の熱伝導シート40を製造する方法の一例を説明する。
図2(a)〜(i)の各図は、第1の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。
この製造方法は、以下の(1)〜(3)の工程を有する。
(1)薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂(有機樹脂11)中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラー(熱伝導性フィラー12)を含んでなる第1熱伝導シート40aを作製する工程(図2(a)〜(d))
ここで、第1熱伝導シート40aの厚み方向における第1熱伝導性フィラーの寸法が、第1熱伝導シート40aの面方向における第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きくなるように、第1熱伝導性フィラーを配向する。
(2)薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂(有機樹脂11)中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラー(熱伝導性フィラー12)を含んでなる第2熱伝導シート40bを作製する工程(図2(e)〜(h))
ここで、第2熱伝導シート40bの厚み方向における第2熱伝導性フィラーの寸法が、第2熱伝導シート40bの面方向における第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きくなるように、第2熱伝導性フィラーを配向する。
(3)第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを相互に積層し且つ相互に一体化する工程(図2(i))
以下、詳細に説明する。
先ず、第1シート10(図2(a))の材料である熱伝導性フィラー12と有機樹脂11とを準備する。
次に、硬化前、且つ半硬化前の有機樹脂11と多数の熱伝導性フィラー12とを混合し、有機樹脂11中に熱伝導性フィラー12が均一に存在するように混練する。以下、有機樹脂11と多数の熱伝導性フィラー12とを混練することにより得られたものを混練物と称する。
次に、第1シート10を作製する。第1シート10は、上記混練物、すなわち熱伝導性フィラー12を含有する有機樹脂11を薄膜形状に成形した後、当該有機樹脂11を半硬化させることにより得られる。有機樹脂11として、エポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂11を薄膜形状に成形した後、当該有機樹脂11をBステージにすることにより、第1シート10が得られる。
ここで、プレス成形などによって上記混練物を薄膜形状に成形する。これにより、第1シート10の厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも、第1シート10の面方向における熱伝導性フィラー12の寸法の方が大きくなるように、第1シート10内の熱伝導性フィラー12が配向される。以下、このような向きに熱伝導性フィラー12を配向することを、面方向に配向する、などという。
例えば、第1シート10内の熱伝導性フィラー12のアスペクト比(第1シート10の厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法/第1シート10の面方向における熱伝導性フィラー12の寸法)の平均値が、1/2以下、好ましくは1/5以下となるように、熱伝導性フィラー12の形状の選択と、熱伝導性フィラー12の配向性の設定とを行うことが望ましい。
なお、ここで言う熱伝導性フィラー12の配向は、必ずしも第1シート10内のすべての熱伝導性フィラー12について、面方向に配向されていることを意味する訳ではない。例えば、第1シート10内の熱伝導性フィラー12の60%以上が面方向に配向されていること、第1シート10内の熱伝導性フィラー12の70%以上が面方向に配向されていること、或いは、第1シート10内の熱伝導性フィラー12の80%以上が面方向に配向されていることなど、第1シート10内のある一定割合以上(ただし過半数以上)の熱伝導性フィラー12が面方向に配向されていることを意味する。
なお、上記混練物を薄膜形状に成形する方法は、プレス成形に限らず、圧延成形、押出成形、又は塗布成形であっても良い。
上記混練物を薄膜形状に成形する際に、或いは、上記混練物を薄膜形状に成形した後で、第1シート10を構成する有機樹脂11を第1所定温度に加熱することにより、当該有機樹脂11を半硬化状態にする。すなわち、有機樹脂11として、エポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂11をBステージにする。具体的には、例えば、加熱しながらプレス加工を行うことなどにより、上記混練物を薄膜形状に成形しつつ、第1シート10を構成する有機樹脂11を半硬化状態にすることができる。これにより、第1シート10が得られる(図2(a))。この際に、第1シート10の平坦性を良好にするため、例えば、平坦な一対の加熱加圧板を用いて第1シート10を加熱加圧成形することが好ましい。第1シート10の厚さは、例えば、50μm以上2mm以下とすることができる。
次に、複数の第1シート10を積層する(図2(b))。
次に、積層された第1シート10を、それらの積層方向にプレス加工(加熱加圧成形)する。この際に、有機樹脂11を上記第1所定温度よりも高温の第2所定温度に加熱する。これにより、第1シート10を構成する有機樹脂11を硬化させる。すなわち、有機樹脂11として、エポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂11をCステージにする。これにより、隣り合う第1シート10同士が相互に一体化して、直方体形状の第1積層体30aが成形される(図2(c))。
次に、第1積層体30aを構成する第1シート10の積層方向(図2(c)の上下方向)に第1積層体30aを切断(スライス)することにより、第1熱伝導シート40aを作製する(図2(d))。ここで、第1積層体30aをスライスする方法としては、カンナを用いてスライスする方法や、その他の切断刃によりスライスする方法が挙げられる。
これにより、第1熱伝導シート40aの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法が、第1熱伝導シート40aの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きくなるように、第1熱伝導シート40a内における熱伝導性フィラー12が配向された状態となる。すなわち、熱伝導性フィラー12が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向された状態となる。
一方、第1積層体30aを作製する工程(図2(a)〜(c))と同様に、図2(e)〜(g)の工程を行うことにより、第1積層体30aと同様の第2積層体30bを作製する。
次に、第2積層体30bを構成する第1シート10の積層方向(図2(g)の上下方向)に第2積層体30bを切断(スライス)することにより、第2熱伝導シート40bを作製する(図2(h))。第2積層体30bをスライスする方法は、第1積層体30aをスライスする方法と同様である。こうして、第1熱伝導シート40aと同様の構成の第2熱伝導シート40bが得られる。
次に、図2(i)に示すように、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを相互に積層して一体化させる。具体的には、例えば、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを接着層50を介して相互に接着することにより一体化する。これにより、熱伝導シート40が得られる。
なお、ここでは、第1熱伝導シート40aを得るための第1積層体30aと、第2熱伝導シート40bを得るための第2積層体30bとを別個に作製する例を説明したが、同一の積層体(例えば第1積層体30a)から第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bの双方を得ても良い。
以上のような第1の実施形態によれば、熱伝導シート40は、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとが相互に積層され且つ一体化されることにより構成されている。このため、熱伝導シート40は、厚み方向において十分な熱伝導性および絶縁性を有するものとなる。以下、その理由を説明する。
先ず、第1熱伝導シート40aの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法が、第1熱伝導シート40aの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きい。すなわち、第1熱伝導シート40a内において、熱伝導性フィラー12が第1熱伝導シート40aの厚み方向に配向されている。よって、第1熱伝導シート40aの厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。
同様に、第2熱伝導シート40bの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法が、第2熱伝導シート40bの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きい。すなわち、第2熱伝導シート40b内において、熱伝導性フィラー12が第2熱伝導シート40bの厚み方向に配向されている。よって、第2熱伝導シート40bの厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。
更に、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとが相互に積層され且つ一体化されて、熱伝導シート40が構成されている。このため、第1熱伝導シート40a内の熱伝導性フィラー12および第2熱伝導シート40b内の熱伝導性フィラー12が熱伝導シート40の厚み方向に配向されている。よって、熱伝導シート40の厚み方向における良好な熱伝導性が得られる。すなわち、第1熱伝導シート40aにおける第2熱伝導シート40b側とは反対側の面と、第2熱伝導シート40bにおける第1熱伝導シート40a側とは反対側の面と、の相互間に亘り、熱を好適に伝達することができる。
ここで、第1熱伝導シート40aの面方向において局所的に欠陥が発生し、その欠陥部分における絶縁性が損なわれている場合を考える。この場合、第1熱伝導シート40aは、局所的に、その表裏の面が互いに短絡した構造である。ただし、第1熱伝導シート40aには、第2熱伝導シート40bが積層されている。よって、第1熱伝導シート40aにおける短絡部分が、第2熱伝導シート40bにより覆われる。このため、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを含む熱伝導シート40の全体では、当該熱伝導シート40の厚み方向において十分な絶縁性が得られる可能性が高い。換言すれば、第1熱伝導シート40aにおける短絡部分と、第2熱伝導シート40bにおける短絡部分とが、上下に重ならない限りは、熱伝導シート40の厚み方向における十分な絶縁性が得られると考えられる。
仮に、単層の熱伝導シート(第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bの各々)において、その表裏の面が互いに短絡する可能性が1%であるとする。この場合、単層の熱伝導シートの不良率は1%である。
更に、この場合に、短絡が生じている単層の熱伝導シート(第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bの各々)において、表裏の面が短絡している部分(短絡部分と称する)の面積割合が1%であるとする。この場合、それぞれ短絡が生じている第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを積層したときに、第1熱伝導シート40aにおける短絡部分と第2熱伝導シート40bにおける短絡部分とが上下に重なる確率は1%となる。
第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを含む熱伝導シート40が不良品となる条件は、(1)第1熱伝導シート40aに不良が発生し、(2)第2熱伝導シート40bに不良が発生し、且つ、(3)第1熱伝導シート40aにおける短絡部分と第2熱伝導シート40bにおける短絡部分とが上下に重なることである。このため、この場合、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを含む熱伝導シート40の不良率は、1%×1%×1%=0.0001%となる。
このように、熱伝導シート40を第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとの積層構造とすることにより、熱伝導シート40が単層の構造の場合と比べて、厚み方向における絶縁性の確保に関する不良率を著しく低減することができる。つまり、一例として、ここで説明したモデルの場合、不良率を1/10000に低減できる。
このように、本実施形態によれば、熱伝導シート40の厚み方向において十分な熱伝導性が得られるとともに、厚み方向の絶縁性に関する不良率が低減された構造の熱伝導シート40を実現することができる。
〔第2の実施形態〕
図3は第2の実施形態に係る熱伝導シート40の模式的な断面図である。本実施形態に係る熱伝導シート40は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る熱伝導シート40と相違し、その他の点では、第1の実施形態に係る熱伝導シート40と同様に構成されている。
本実施形態の場合、接着層50は、熱伝導性フィラー(第3熱伝導性フィラー)51を含んでいる。この熱伝導性フィラー51の形状は任意である。熱伝導性フィラー51の形状は、例えば、球状、楕球状、棒状、又は鱗片状などとすることができる。
熱伝導性フィラー51は、熱伝導性が良好で、接着層50の硬化処理を経ても所定の形状に維持されるものであるとともに、絶縁性のものである。熱伝導性フィラー51の材質としては、例えば、シリカ又はアルミナ等の無機粒子が挙げられる。熱伝導性フィラー51の粒径(熱伝導性フィラー51の個々の粒子の最大寸法)の平均は、例えば、1μm以上150μm以下とすることができる。
本実施形態の場合、熱伝導シート40の製造する方法は、接着層50を構成する接着剤として、熱伝導性フィラー51を含むものを用いる点で、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点は、上記の第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、接着層50が熱伝導性フィラー51を含んでいるので、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとの相互間における熱伝導性を更に良好にすることができる。
〔第3の実施形態〕
図4は第3の実施形態に係る熱伝導シート40を示す模式的な要部断面図である。本実施形態に係る熱伝導シート40は、以下に説明する点で、上記の第1又は第2の実施形態に係る熱伝導シート40と相違し、その他の点では、第1又は第2の実施形態に係る熱伝導シート40と同様に構成されている。
本実施形態の場合、熱伝導シート40は、図1又は図3に示す構成に加えて、表裏の面のうちの少なくとも何れか一方に形成された絶縁層45を有している。この絶縁層45は、熱伝導シート40の厚み方向におけるより良好な絶縁性を得るために設けられる。また、この絶縁層45により、熱伝導シート40の設置面に対する熱伝導シート40の密着性を良好にすることもできる。図4には、熱伝導シート40の表裏両面にそれぞれ絶縁層45を形成した例を示している。
絶縁層45の材質としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
絶縁層45の厚さは、熱伝導シート40における絶縁層45を除く部分の厚さよりも薄い。絶縁層45の厚さは、例えば、5μm以上20μm以下とすることができ、好ましくは、10μm程度とすることができる。
本実施形態によれば、上記の第1又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。また、熱伝導シート40は、表裏の面のうちの少なくとも何れか一方に形成された絶縁層45を有しているので、熱伝導シート40の厚み方向におけるより良好な絶縁性を実現することができる。
〔第4の実施形態〕
図5(a)〜(c)の各図は、第4の実施形態に係る熱伝導シート40を示す模式図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA部の拡大断面図である。本実施形態に係る熱伝導シート40は、以下に説明する点で、上記の第1乃至3の実施形態に係る熱伝導シート40と相違し、その他の点では、第1乃至3の実施形態に係る熱伝導シート40と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとのうちの少なくとも何れか一方は、面方向において複数の領域(後述する四角柱形状部41)に仕切られており、複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部(後述する接着剤15からなる接着層)が形成されている。
第1熱伝導シート40aは、熱伝導性フィラー12を含む有機樹脂11からなる複数の四角柱形状部41を有する。
複数の四角柱形状部41は、各々の軸方向(四角柱形状における底面の中心と上面の中心とを結ぶ方向)に長尺である。複数の四角柱形状部41は、互いに並列となるように第1熱伝導シート40aの面方向に沿って(図5(a)〜(c)における左右方向に)配置され、且つ、隣り合う四角柱形状部41の側面同士が接着剤15からなる接着層を介して接合されて、一枚のシート形状をなしている。
接着剤15は、例えば、硬化剤を含有するエポキシ樹脂又はポリイミドなどからなる。接着層の内部には、熱伝導性フィラー12が存在していないことが好ましい。
なお、四角柱形状部41の軸方向に対して直交する方向で、且つ、第1熱伝導シート40aの面方向における四角柱形状部41の寸法(図5(a)〜(c)の左右方向における四角柱形状部41の寸法)は、例えば、100μm以上2mm以下とすることができる。
図5(c)に示すように、複数の四角柱形状部41の各々において、熱伝導性フィラー12が第1熱伝導シート40aの厚み方向(図5(c)における上下方向)に配向されている。
このように、第1熱伝導シート40aは、面方向において複数の領域(四角柱形状部41)に仕切られており、複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部(接着剤15からなる接着層)が形成されている。
例えば、第2熱伝導シート40bも第1熱伝導シート40aと同様に、面方向において複数の領域(四角柱形状部41)に仕切られており、複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部(接着剤15からなる接着層)が形成されている。
次に、上記のような構造の熱伝導シート40を製造する方法の一例を説明する。
図6(a)〜(k)の各図は、第4の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。
先ず、上記の第1の実施形態と同様に複数枚の第1シート10を作製する(図6(a))。ただし、本実施形態の場合、第1シート10を構成する有機樹脂11は、半硬化状態ではなく硬化状態となっている。つまり、有機樹脂11としてエポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂11を薄膜形状に成形した後(或いは薄膜形状に成形するのと同時に)、当該有機樹脂11をCステージにすることにより、第1シート10が得られる。
次に、第1シート10に接着剤15を塗布する(図6(b))。ここで、第1シート10の片面の全面に接着剤15を塗布しても良いし、第1シート10の両面の全面に接着剤15を塗布しても良い。或いは、第1シート10の片面又は両面の複数箇所にスポット的に接着剤15を塗布しても良い。或いは、予めシート状に形成された接着剤15を第1シート10の片面又は両面に貼り付けても良い。なお、第1積層体30aの最上層又は最下層となる第1シート10については、接着剤15を塗布(或いは貼り付け)しなくても良い。接着剤15としては、例えば、硬化剤を含有するエポキシ樹脂又はポリイミドを用いる。
次に、複数の第1シート10を、隣り合う第1シート10同士の間に接着剤15が位置するように積層する(図6(c))。
次に、積層された第1シート10を、それらの積層方向にプレス加工(加熱加圧成形)することにより、接着剤15を硬化させる。これにより、隣り合う第1シート10同士を、接着剤15を介して相互に一体化させて、直方体形状の第1積層体30aを成形する(図6(d))。
次に、第1積層体30aを第1シート10の積層方向に切断(スライス)することにより、第1熱伝導シート40aを作製する(図6(e))。これにより、第1熱伝導シート40a内において熱伝導性フィラー12が厚み方向に配向された状態となる。なお、四角柱形状部41は、第1シート10の一部分からなる。
一方、第1積層体30aを作製する工程(図6(a)〜(d))と同様に、図6(f)〜(i)の工程を行うことにより、第1積層体30aと同様の第2積層体30b(図6(i))を作製する。
次に、第2積層体30bを構成する第1シート10の積層方向(図6(i)の上下方向)に第2積層体30bを切断(スライス)することにより、第2熱伝導シート40bを作製する(図6(j))。こうして、第1熱伝導シート40a(図6(e))と同様の構成の第2熱伝導シート40bが得られる。
次に、図6(k)に示すように、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを相互に積層して一体化させる。具体的には、例えば、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを接着層50を介して相互に接着することにより一体化する。これにより、熱伝導シート40が得られる。なお、接着層50は、第2の実施形態と同様に、熱伝導性フィラー51を含んでいても良い。また、熱伝導シート40は、第3の実施形態と同様の絶縁層45を有していても良い。
以上のような第4の実施形態によれば、上記の第1乃至3の実施形態と同様の効果が得られる他に、以下の効果が得られる。
本実施形態の場合、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとのうちの少なくとも何れか一方は、面方向において複数の領域(四角柱形状部41)に仕切られており、複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部(接着剤15からなる接着層)が形成されている。このような構成の熱伝導シート40は、個々の四角柱形状部41内において熱伝導性フィラー12が熱伝導シート40の厚み方向に配向されているため、厚み方向において良好な熱伝導性を示す製品を、製造安定性良く、高歩留まりで製造することが可能な構造であるといえる。また、仕切部は、四角柱形状部41の熱伝導性フィラー12が隣の四角柱形状部41側に移動することによる熱伝導性フィラー12の配向の乱れを規制することで、熱伝導性フィラー12の配向性を維持する機能を担う。これにより、熱伝導シート40における熱伝導性フィラー12の配向性を良好に維持することができる。
また、本実施形態の場合、硬化状態の有機樹脂11中に熱伝導性フィラー12を含む第1シート10を、接着剤15を介して積層して相互に一体化させることにより、第1積層体30aおよび第2積層体30bをそれぞれ作製し、その第1積層体30aおよび第2積層体30bをそれぞれスライスして第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bを作製する。
このため、第1積層体30aおよび第2積層体30bを作製する段階において、硬化状態の第1シート10の内部において熱伝導性フィラー12の配向性を維持できる。
これにより、第1積層体30a内および第2積層体30b内における熱伝導性フィラー12の配向性を良好にできる。その結果、第1積層体30aおよび第2積層体30bをそれぞれ積層方向にスライスすることにより得られる第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bにおける熱伝導性フィラー12の配向性も良好にでき、第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bの厚み方向において、十分な熱伝導性が得られる。
よって、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを有する熱伝導シート40の厚み方向において、十分な熱伝導性が得られる。
〔第5の実施形態〕
図7(a)〜(c)の各図は、第5の実施形態に係る熱伝導シート40を示す模式図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA部の拡大断面図である。本実施形態に係る熱伝導シート40は、以下に説明する点で、上記の第4の実施形態に係る熱伝導シート40と相違し、その他の点では、第4の実施形態に係る熱伝導シート40と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第4の実施形態とは異なり、隣り合う四角柱形状部同士が直接接着されている。すなわち、本実施形態に係る熱伝導シート40は、第4の実施形態における接着層(仕切部)を有していない。
本実施形態の場合、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとのうちの少なくとも何れか一方は、四角柱形状部41と四角柱形状部42とを交互に有している。四角柱形状部41の構造については、第4の実施形態で説明したとおりである。
四角柱形状部42は、四角柱形状部41と同様のものである。四角柱形状部42は、熱伝導性フィラー12を含む有機樹脂21からなり、四角柱形状部41と同形状に形成されている。有機樹脂21は、有機樹脂11と同様のものである。
図7(c)に示すように、複数の四角柱形状部42の各々において、熱伝導シート40の厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法が、熱伝導シート40の面方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きくなるように、熱伝導性フィラー12が配向されている。すなわち、複数の四角柱形状部42の各々において、熱伝導性フィラー12が熱伝導シート40の厚み方向に配向されている。
複数の四角柱形状部41と複数の四角柱形状部42とが、互いに並列となるように熱伝導シート40の面方向に沿って配置され、且つ、隣り合う四角柱形状部41、42の側面同士が直接に接着されて、一枚のシート形状をなしている。
四角柱形状部41と四角柱形状部42との境界には、例えば、平坦な接合界面43が形成されている。
次に、本実施形態の構造の熱伝導シート40を製造する方法の一例を説明する。
図8(a)〜(h)の各図は、第5の実施形態に係る熱伝導シートの製造方法における各工程による成型物を示す模式図である。
先ず、上記の第4の実施形態と同様に第1シート10を作製する(図8(a))。つまり、本実施形態の場合、第1シート10を構成する有機樹脂11は、半硬化状態ではなく硬化状態となっている。有機樹脂11として、エポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂11を薄膜形状に成形した後、当該有機樹脂11をCステージにすることにより、第1シート10が得られる。
一方、第2シート20(図8(b))は、上記の第1の実施形態における第1シート10と同様のものである。すなわち、第2シート20を構成する有機樹脂21は、硬化状態ではなく半硬化状態となっている。有機樹脂21として、エポキシ樹脂やポリイミドを用いる場合、有機樹脂21を薄膜形状に成形した後、当該有機樹脂21をBステージにすることにより、第2シート20が得られる。
以上にようにして、第1シート10(図8(a))と第2シート20(図8(b))とをそれぞれ複数枚ずつ作製する。
第1シート10及び第2シート20の厚さは、例えば、それぞれ50μm以上2mm以下とすることができる。
次に、第1シート10と第2シート20とを交互に積層する(図8(c))。ここで、第1積層体30a(図8(d))の最上層と最下層がそれぞれ第1シート10となるように、第1シート10と第2シート20とを交互に積層する。
次に、積層された第1シート10及び第2シート20を、それらの積層方向にプレス加工(加熱加圧成形)することにより、第2シート20を構成する有機樹脂21を硬化させる。これにより、隣り合う第1シート10同士を、第2シート20を介して相互に一体化させて、直方体形状の第1積層体30aを成形する(図8(d))。ここで、第2シート20を構成する有機樹脂21は、第1シート10同士を接着する接着剤として機能する。
次に、第1積層体30aを第1シート10及び第2シート20の積層方向に切断(スライス)することにより、第1熱伝導シート40aを作製する(図8(e))。
これにより、第1熱伝導シート40aの厚み方向における熱伝導性フィラー12の寸法が、第1熱伝導シート40aの面方向における熱伝導性フィラー12の寸法よりも大きくなるように、第1熱伝導シート40a内における熱伝導性フィラー12が配向される。すなわち、熱伝導性フィラー12が厚み方向に配向される。なお、四角柱形状部41は、第1シート10の一部分からなり、四角柱形状部42は、第2シート20の一部分からなる。
一方、第1積層体30aを作製する工程(図8(a)〜(d))と同様の工程(図示略)を行うことにより、第1積層体30aと同様の第2積層体30b(図8(f))を作製する。
次に、第2積層体30bを構成する第1シート10および第2シート20の積層方向(図8(f)の上下方向)に第2積層体30bを切断(スライス)することにより、第2熱伝導シート40bを作製する(図8(g))。こうして、第1熱伝導シート40a(図8(e))と同様の構成の第2熱伝導シート40b(図8(g))が得られる。
次に、図8(h)に示すように、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを相互に積層して一体化させる。具体的には、例えば、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを接着層50を介して相互に接着することにより一体化する。これにより、熱伝導シート40が得られる。なお、接着層50は、第2の実施形態と同様のものであっても良い。また、熱伝導シート40は、第3の実施形態と同様の絶縁層45を有していても良い。
以上のような第5の実施形態によれば、上記の第1乃至3の実施形態と同様の効果が得られる他に、以下の効果が得られる。
本実施形態の場合、硬化状態の有機樹脂11中に熱伝導性フィラー12を含む第1シート10と、半硬化状態の有機樹脂21中に熱伝導性フィラー12を含む第2シート20とを交互に積層した後で、第2シート20の有機樹脂21を硬化させることにより隣り合う第1シート10同士を第2シート20を介して相互に一体化させて第1積層体30aおよび第2積層体30bを作製し、その第1積層体30aおよび第2積層体30bをそれぞれスライスして第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bを作製する。
このため、第1積層体30aおよび第2積層体30bを作製する段階において、硬化状態の第1シート10の内部において熱伝導性フィラー12の配向性を維持できるだけでなく、各第1シート10は、第2シート20の内部の熱伝導性フィラー12の配向性を維持する機能も兼ねる。すなわち、各第1シート10は、第2シート20の内部の熱伝導性フィラー12が有機樹脂21の流動につられて隣接する第1シート10側に移動することによる熱伝導性フィラー12の配向の乱れを規制することで、第2シート20内の熱伝導性フィラー12の配向性を維持する。
これにより、第1積層体30a内および第2積層体30b内における熱伝導性フィラー12の配向性を良好にできる。その結果、第1積層体30aおよび第2積層体30bをそれぞれ積層方向にスライスすることにより得られる第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bにおける熱伝導性フィラー12の配向性も良好にでき、第1熱伝導シート40aおよび第2熱伝導シート40bの厚み方向において、十分な熱伝導性が得られる。
よって、第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとを有する熱伝導シート40の厚み方向において、十分な熱伝導性が得られる。
なお、上記においては、熱伝導シート40が第1熱伝導シート40aと第2熱伝導シート40bとの2層の熱伝導シートの積層構造である例を説明したが、熱伝導シート40は3層以上の熱伝導シートの積層構造であっても良い。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートと、
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートと、
を有し、
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとが相互に積層され且つ一体化されている熱伝導シート。
2.
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとの間に界面が存在している1.に記載の熱伝導シート。
3.
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとが接着層を介して相互に接着されることにより一体化されている2.に記載の熱伝導シート。
4.
前記接着層は、第3熱伝導性フィラーを含む3.に記載の熱伝導シート。
5.
当該熱伝導シートの表裏の面のうちの少なくとも何れか一方に形成された絶縁層を更に備える1.乃至4.の何れか一つに記載の熱伝導シート。
6.
前記第1熱伝導性フィラーは、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の軸方向に配向している六方晶窒化ホウ素粒子又は黒鉛粒子であり、
前記第2熱伝導性フィラーは、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の軸方向に配向している六方晶窒化ホウ素粒子又は黒鉛粒子である1.乃至5.の何れか一つに記載の熱伝導シート。
7.
前記第1有機樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンであり、
前記第2有機樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンである1.乃至6.の何れか一つに記載の熱伝導シート。
8.
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとのうちの少なくとも何れか一方は、面方向において複数の領域に仕切られており、
前記複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部が形成されている1.乃至7.の何れか一つに記載の熱伝導シート。
9.
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートを作製する工程と、
薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートを作製する工程と、
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを相互に積層し且つ一体化する工程と、
を有する熱伝導シートの製造方法。
10.
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを相互に積層し且つ一体化する工程では、前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを接着層を介して相互に接着することにより一体化する9.に記載の熱伝導シートの製造方法。
11.
前記接着層を構成する接着剤として、第3熱伝導性フィラーを含むものを用いる10.に記載の熱伝導シートの製造方法。
10 第1シート
11 有機樹脂
12 熱伝導性フィラー
15 接着剤
20 第2シート
21 有機樹脂
30a 第1積層体
30b 第2積層体
40 熱伝導シート
40a 第1熱伝導シート
40b 第2熱伝導シート
41 四角柱形状部
42 四角柱形状部
43 接合界面
45 絶縁層
50 接着層
51 熱伝導性フィラー

Claims (12)

  1. 薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートと、
    薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートと、
    を有し、
    前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとが相互に積層され且つ一体化されており、
    前記第1熱伝導性フィラーは、黒鉛粒子を含み、
    前記第2熱伝導性フィラーは、黒鉛粒子を含む熱伝導シート。
  2. 前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとの間に界面が存在している請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとが接着層を介して相互に接着されることにより一体化されている請求項2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記接着層は、第3熱伝導性フィラーを含む請求項3に記載の熱伝導シート。
  5. 当該熱伝導シートの表裏の面のうちの少なくとも何れか一方に形成された絶縁層を更に備える請求項1乃至4の何れか一項に記載の熱伝導シート。
  6. 前記第1熱伝導性フィラーは、六方晶窒化ホウ素粒子をさらに含み、
    前記第2熱伝導性フィラーは、六方晶窒化ホウ素粒子をさらに含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の熱伝導シート。
  7. 前記第1熱伝導性フィラーは、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の軸方向に配向している六方晶窒化ホウ素粒子及び黒鉛粒子であり、
    前記第2熱伝導性フィラーは、結晶中の六角平面が、鱗片の面方向、楕球の長軸方向又は棒の軸方向に配向している六方晶窒化ホウ素粒子及び黒鉛粒子である請求項に記載の熱伝導シート。
  8. 前記第1有機樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンであり、
    前記第2有機樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド又はベンゾオキサジンである請求項1乃至の何れか一項に記載の熱伝導シート。
  9. 前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとのうちの少なくとも何れか一方は、面方向において複数の領域に仕切られており、
    前記複数の領域のうち互いに隣り合う領域どうしの間には、互いに隣り合う領域どうしを仕切る仕切部が形成されている請求項1乃至の何れか一項に記載の熱伝導シート。
  10. 薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第1有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第1熱伝導性フィラーを含んでなる第1熱伝導シートであって、当該第1熱伝導シートの厚み方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法が、当該第1熱伝導シートの面方向における前記第1熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第1熱伝導シートを作製する工程と、
    薄膜状に形成され且つ硬化状態とされた第2有機樹脂中に、鱗片状、楕球状又は棒状の第2熱伝導性フィラーを含んでなる第2熱伝導シートであって、当該第2熱伝導シートの厚み方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法が、当該第2熱伝導シートの面方向における前記第2熱伝導性フィラーの寸法よりも大きい第2熱伝導シートを作製する工程と、
    前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを相互に積層し且つ一体化する工程と、
    を有し、
    前記第1熱伝導フィラーは、黒鉛粒子を含み、
    前記第2熱伝導フィラーは、黒鉛粒子を含む熱伝導シートの製造方法。
  11. 前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを相互に積層し且つ一体化する工程では、前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートとを接着層を介して相互に接着することにより一体化する請求項10に記載の熱伝導シートの製造方法。
  12. 前記接着層を構成する接着剤として、第3熱伝導性フィラーを含むものを用いる請求項11に記載の熱伝導シートの製造方法。
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