JP2010132223A - 車両のランバーサポート機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ランバーサポート機構100は、バックシートの内側に一端が支持され他端が伸縮自在なダンパ120と、該ダンパ120の伸縮する他端に一端が連結され、中間部をバックシート23Cの内側に揺動支点で支持され、他端がバックシート23Cの幅方向に延びて該揺動支点を中心に揺動するシーソー式リンク130と、シーソー式リンク130に連結され、その揺動に連動し、前後方向に昇降自在なパンタグラフ式リンク140とを備え、ロック解除レバーの操作によりダンパ120のロック機構を解除し、ダンパ120の伸縮力を、シーソー式リンク130を介してパンタグラフ式リンク140に伝え、パンタグラフ式リンク140によりバックシート23Cに設けたパッド150を前後方向に移動可能にした。
【選択図】図6
Description
この摩擦ロック機構は、シリンダと、このシリンダの軸方向に移動自在に挿入されたロッドと、ロッドに巻き付いた状態においてはロッドの移動を阻止し、巻き付けを緩める方向に操作された状態においてはロッドの移動を許容する制動部材と、この制動部材のロッドへの巻き付けを緩める方向に操作可能なロック解除用の操作部材とを備えて構成されている。
また、ロック機構はリンク機構をロックするが、ばねはロックしないので、ロック状態でも力のかかり方によりパッドが傾く等の安定して保持されない場合がある。すなわち、パッドをリンク部材に揺動自在に連結し、このパッドを一対のばねで付勢する構成のため、パッドの一部に力が作用するとパッドが簡単に揺動してしまう。さらに、ベースがシートバックフレームに溶接されるため、機構の脱着作業が繁雑である。
この発明によれば、ダンパがロックされると、シーソー式リンクおよびパンタグラフ式リンクの作動が固定されてパンタグラフ式リンクに支持されたパッドも固定されるので、ロック時にパッドが動いてしまうことを防止することができ、また、各リンクの薄型化や幅狭化によりランバーサポート機構の小型化が可能である。
また、上記構成において、前記ランバーサポート機構はシート底板に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、シートを備えた車両が通常有するシート底板を利用する分、取り付けに要する部品を減らすことができ、また、どのような車両にも適用可能である。
また、上記構成において、前記ランバーサポート機構はパッセンジャーシートのバックシートに設けられ、前記ロック解除レバーはグラブレール近傍に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、パッセンジャーシートの乗員が着座したままロック解除レバーを操作できる。
また、ランバーサポート機構はベースプレートに支持され、該ベースプレートは、車両に対して着脱自在に取り付けられるので、ランバーサポート機構の構成部品の組み付け、および、車両からの着脱が容易になる。
また、ランバーサポート機構はシート底板に設けられるので、取り付けに要する部品を減らすことができ、どのような車両にも取り付け可能である。
また、ランバーサポート機構はトランクの前壁の前方に設けられるので、レイアウトスペースの少ない自動二輪車等の小型・軽量の車両にも取り付けることができる。
また、ランバーサポート機構はパッセンジャーシートのバックシートに設けられ、ロック解除レバーはグラブレール近傍に設けられるので、パッセンジャーシートの乗員が着座したままロックを解除し、自らの腰でサポート位置を調整でき、優れた操作性を確保することができる。
図1は本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図を示し、図2は自動二輪車の上面図を示している。図1および図2に示すように、この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたエンジン17と、エンジン17に排気管(不図示)を介して連結された排気マフラー18と、車体フレーム11の後下部に通されたピボットシャフト19に上下に揺動自在に支持されたスイングアーム20と、このスイングアーム20の後端部に回転自在に支持された後輪21と、スイングアーム20と車体フレーム11との間に介挿されるリヤクッション(不図示)とを備えている。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から左右に分岐して後方斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム24と、メインフレーム24の後部に接続される左右一対のピボットプレート25と、ピボットプレート25の上部から後方斜め上方に延びる左右一対のシートレール26と、シートレール26の後端部とピボットプレート25の中間部との間を連結しシートレール26を支持するミドルフレーム27とを備えている。
また、車体後部には、後部補強用の車体フレームを設けられており、具体的には、シートレール26の後部とミドルフレーム27との間を連結してシートレール26の後部を支持する左右一対のシートステー31と、シートレール26の後部から斜め下方に延びた後に前方水平に延びてミドルフレーム27に連結される左右一対の補助ステー32と、シートステー31と補助ステー32との間に架橋される補強ステー33とが設けられている。
トランク58の背面には、左右一対のテールランプユニット62が配設され、サドルバック60の背面には、リヤウインカー64が各々配設され、トランク58の右側部には、この自動二輪車10が内蔵するオーディオユニットのラジオ放送受信アンテナとして機能するロッドアンテナ66が取り付けられている。
また、前シート23Aと後シート23Bとの間には、運転者用のバックシート(バックレストとも称する)23Dが設けられている。この運転者用のバックシート23Dは、前シート23Aに着座した運転者の背中を支える背もたれ部として機能する程の大型バックシートではなく、運転者の腰部を後方から支持可能な小型バックシートである。
同乗者用のバックシート23Cは、トランク58の前壁58Bに沿って後上がりに傾斜し、トランク58よりも若干高い位置まで延在して同乗者の背もたれ部として機能する大型バックシートであり、同乗者の腰部および腰部上方を含めた背中の略全体を後方から支えるものである。
このバックシート23Cは、当該バックシート23Cのフレームとして機能するシート底板71を有し、このシート底板71をトランク58の前壁58Bにボルト等の締結部材で取り付けることによって、トランク58の前壁58Bに固定される。
このシート底板71には、クッション材72を介して表皮73が張られ、これによってバックシート23Cの外表面全体が表皮73で覆われ、この表皮73が水を通さない材料で形成されることによってバックシート23C内部に雨水が浸入しないように構成される。なお、図中、符号70は、前シート23Aおよび後シート23Bのシート底板である。
また、ランバーサポート機構100と中間層ウレタン72Bとの間には、他のクッション材72(72A〜72C)とは別体の分割ウレタン(分割クッション)72Dが配置されている。この分割ウレタン72Dを配置したことで、ランバーサポート機構100と表皮73との間についても3層の積層クッション構造にでき、また、ランバーサポートに好適なクッション特性にすることができる。
なお、バックシート23C以外のシート23A、23Bおよび23Dについても、ランバーサポート機構100を内蔵する点を除いてバックシート23Cと略同構造に形成されている。
ランバーサポート機構100は、車両に着脱自在に取り付けられるベースプレート110と、このベースプレート110に上端が支持され下端が伸縮自在なダンパ120と、ダンパ120の下端に連結されてダンパ120の伸縮に応じて上下に揺動する左右一対のシーソー式リンク130と、各シーソー式リンク130に連結され、シーソー式リンク130の揺動に連動して車体前後方向に伸縮する左右一対のX字型のパンタグラフ式リンク140と、パンタグラフ式リンク140に4隅を支持されたパッド150とを備えている。これら図に示すように、ランバーサポート機構100の各構成部品は、ベースプレート110の表面側(車体前側の面)に取り付けられて一つのユニット、つまり、ランバーサポートユニットに構成されている(特に図6参照)。このユニットは、ベースプレート110をバックシート23Cのシート底板71に後方からボルト等の締結部材(不図示)で固定することによってバックシート23Cに容易に着脱自在に固定されている。
ダンパ120は、当該ダンパ120の伸縮をロックするロック機構(不図示)を内蔵しており、このロック機構に連動して作動するロック作動部材121がダンパ120の上部で外観に露出している(図7および図8(A))。このロック作動部材121には、図5に示すように、ケーブル122を介して車両左側のトランクポケット61の前面蓋61A下方に操作自在に設けられたロック解除レバー123が連結されている。
図7に示すように、ダンパ120は、シリンダとして機能する筒状ケース125内にロッド(不図示)を収容する長尺シリンダ構造を有し、この筒状ケース125内に、ロッドをケース外に付勢する付勢ばね等のばね機構(不図示)と、ロッドの位置を任意の位置でロック可能なロック機構とを収容するフリーロックダンパである。
このベースプレート110は、図7に示すように、左右中央を上下に延びてダンパ120の一部(筒状ケース125)が嵌ってダンパ120を位置決めするダンパ用凹部113と、左右中央上部でダンパ120の上端をボルト支持するダンパ上端支持部115と、ダンパ120の伸縮する下端の左右位置に設けられ、シーソー式リンク130を構成するシーソー式リンク部材131を揺動自在に支持する左右一対のシーソー式リンク支持部117と、パンタグラフ式リンク140を作動自在に支持する左右一対のパンタグラフ式リンク支持部119とを一体に備えている。
このダンパ120の下端、つまり、ロッドの先端部126には、ダンパ120の伸縮をシーソー式リンク130に伝えるリンク連結部材164(図7参照)がフランジボルト165およびナット166を介して固定される。このリンク連結部材164は、ボルト165が挿通されるボルト挿通部164Aの左右にピン挿通部164Bを一体に形成した樹脂部品であり、各ピン挿通部164Bには、略車体前後方向に挿通されたピン167を介してシーソー式リンク部材131の一端に形成されたピン挿通部131Aが連結される。
シーソー式リンク部材131は、その中間部131Bを、揺動支点となるピン(略車体前後方向に挿通されたピン)171を介して左右のシーソー式リンク支持部117に各々揺動自在に支持される樹脂部品であり(図7参照)、これによって、ダンパ120の伸縮に応じ、上記ピン171を揺動支点として車体上下方向に揺動するシーソー式リンク130が構成される。
このリンク連結部材172は、下側ピン挿通部172Aからベースプレート110に沿って上方に延び、下側ピン挿通部172Aのピン挿通方向(車体前後方向に相当)に対して直交する方向(車体左右方向に相当)に長軸のピン175を挿通自在な上側ピン挿通部172Bを一体に備えた縦長の樹脂部品である。
ここで、ダンパ120からシーソー式リンク部材131までの作動部品は、いずれも車体前後方向に挿通されたピン167、171、173を回動支点或いは揺動支点として作動するものであり、車体前後方向へは移動しない。このため、ダンパ120からシーソー式リンク部材131までの部分に前後移動する部材がなく、パッド150をその分、ベースプレート110側に寄せて近接配置でき、ランバーサポート機構100の薄型化が可能である。
ベースプレート110に設けられるパンタグラフ式リンク支持部119は、図7に示すように、ベースプレート110の左右縁部近傍に設けられる上下一対のリンク支持部(以下、上側を上側リンク支持部119Aと言い、下側を下側リンク支持部119Bと言う)で構成されている。
上側リンク支持部119Aは、ベースプレート110に対して車体前側に突出し、ベースプレート110の幅方向に沿ってピン176を挿通自在な略真円の孔部119Cを有するピン挿通部に形成され、パンタグラフ式リンク140を構成するピン連結された一対の棒状リンク部材141、142の一方の基端部(車体後側に位置する端部)141Aを該ピン176を支点に回動自在に支持する(図8(A)(B)参照)。
また、図7に示すように、下側リンク支持部119Bは、ベースプレート110に対して車体前側に突出し、ベースプレート110の幅方向に沿ってピン175を挿通自在であって上下方向に延在する長孔119Dを有する左右一対のピン挿通部に形成され、この左右のピン挿通部の間に、他方の棒状リンク部材142の基端部(車体後側に位置する端部)142Aと、上述したシーソー式リンク部材131にピン連結されたリンク連結部材172の上側ピン挿通部172Bとを介挿し、これら基端部142Aおよび上側ピン挿通部172Bを、該長孔119Dに通された1本のピン175で上下動かつ回動自在に支持する(図8(A)(B)参照)。
すなわち、ダンパ120が伸びて他方の棒状リンク部材142の基端部142Aが、ピン175を介して長孔119D内の下位置(図8(B)参照)から上位置(図10(B)参照)へと移動すると、パンタグラフ式リンク140がベースプレート110に対して車体前方向に伸び(図10(B)参照)、これとは逆に、ダンパ120が縮んで他方の棒状リンク部材142の基端部142Aが、ピン175を介して長孔119D内の上位置(図10(B)参照)から下位置(図8(B)参照)へと移動すると、パンタグラフ式リンク140がベースプレート110に対して車体後方向に縮む(図8(B)参照)。
この上下一対のリンク連結部151、152は、いずれもベースプレート110側に突出し、上側のリンク連結部151は、上述した上側リンク支持部119Aと略同様に、ベースプレート110の幅方向に沿ってピン181を挿通自在なピン挿通部に形成されており、他方の棒状リンク部材142の先端部142Bが該ピン181を支点に回動自在に連結される。
また、下側のリンク連結部152は、上述した下側リンク支持部119Bと略同様に、ベースプレート110の幅方向に沿って延びるピン182をベースプレート110の上下方向(車体上下方向に相当)に移動自在な長孔152Dを有するピン挿通部に形成されており、一方の棒状リンク部材141の先端部141Bが該長孔152Dに挿通されたピン182を介して上下動かつ回動自在に連結される。
なお、一対の棒状リンク部材141、142の長さおよびピン連結される位置は上記位置に限定されるものではなく、一対の棒状リンク部材141、142の互いの長さを変更したり、ピン連結される位置を調整したりすることによって、パッド150の傾きを変更したり、前後移動に伴って傾きが変わるようにしたりすることが可能である。
また、図中、符号178は、フランジボルト161、165とナット162、166間に配置され、或いは、ピン167、171、173、175〜177等に挿通されるワッシャを示し、符号179、180は、ピンの抜けを防止するための止め輪(E型リング)を示している。より具体的には、止め輪179はシーソー式リンク130用の比較的大径のピン167、171、173を止めるための止め輪であり、止め輪180はパンタグラフ式リンク140用の比較的小径のピン175,176、181、182を止めるための止め輪である。
これら図に示すように、バックシート23C内でパッド150が車体前方向に付勢されると、パッド150の前面位置にある分割ウレタン72Dを含むクッション材72を介して、後シート23Bに着座する同乗者へパッド150の付勢力が作用する。このため、同乗者は、座ったまま、バックシート23C側へ体を適当に押し付けることによってパッド150に反力を与えて、パッド150の位置を、パッド最後退時(図4参照)とパッド最前進時(図11参照)との各位置の間で、ランバーサポートに好適な位置へと任意に調整でき、調整した位置でロック解除レバー123の操作を止めると(手を離すと)、ダンパ120がロックされてパッド150をその位置に固定することができる。
このようにして他方の棒状リンク部材142の基端部142Aの上下位置がロックされると、一対の棒状リンク部材141、142の交差角度が一意に決まって棒状リンク部材141、142のベースプレート110に対する角度θが一意に決まるので、パンタグラフ式リンク140の伸縮を規制してパッド150の動きを規制することができる。
このため、本構成ではダンパ120がロックされると、シーソー式リンク130およびパンタグラフ式リンク140の作動が固定されるので、このパンタグラフ式リンク140に支持されたパッド150も固定でき、ロック時に強い力がパッド150に加わったとしてもパッド150が動かない。しかも、X字型のパンタグラフ式リンク140でパッド150を上下左右の4点で支持するので、パッド150の傾きも防止でき、パッド150の支持強度を十分に確保できる。
そこで、本実施形態のランバーサポート機構100では、ダンパ120を選定するのではなく、既存のダンパ120の伸縮力(以下、伸縮力Fdという)に合わせてリンク機構を設計しており、具体的には、パンタグラフ式リンク140のパンタグラフ角度(上述した角度θ)と、シーソー式リンク130のレシオとによって、ダンパ120からパッド150に伝わる力Fpを、ユーザによるパッド押し戻し荷重F(100N以下)に設定している。
シーソー式リンク130からパンタグラフ式リンク140に伝わる力Flと、パッド150に伝わる力Fpとの関係式は、Fl=Fp×tanθ・・・式(1)であり、本構成では、パンタグラフ角度θを49°(パッド最前進時)〜76.5°(パッド最後退時)に設定している。
シーソー式リンク130のレシオについては、シーソー式リンク部材131の一端(ピン167の位置)から揺動支点(ピン171)までの距離L1と、この揺動支点(ピン171)からシーソー式リンク部材131の他端(ピン173の位置)までの距離L2との比を、7:3(=L1:L2)と設定している。これによって、ダンパ120の伸縮力fdと上記力Flとの関係を、fd:Fl=7:3・・・式(2)にしている。
以上のレシオ設定により、パッド150に伝わる力Fpは、パッド最前進時の場合、Fp=3×268N/(7×tan49°)=99.8Nとなり、パッド最後退時は、Fp=3×268N/(7×tan76.5°)=27.6Nとなり、つまり、パッド150に伝わる力Fpを100N以下(27.6N〜99.8Nの範囲内)にすることができる。
なお、実際には、ダンパ120の伸縮力fdは一定値ではなく、ダンパ120の伸縮に応じて若干変動するが、上記説明では、この伸縮力fdを一定値(例えば、伸縮力fdの上限値等の値)と見なして計算している。これにより、計算量を低減しつつ所望の条件を満たすことができる。
但し、この場合に、パンタグラフ角度θの範囲が、このランバーサポート機構100に求められる仕様条件を全て満足していることは勿論必須であり、この仕様条件は、例えば、パッド150の前後移動量が予め定めた条件を満たすことや、バックシート23Cに収まる寸法であること等である。
さらに、パンタグラフ角度θとレシオ(シーソー式リンク130のレシオ)との調整だけでは、パッド150に伝わる力Fpをパッド押し戻し荷重Fの範囲内にできない場合には、シーソー式リンク130又はパンタグラフ式リンク140の各部材の寸法の見直しを行い、変更後の寸法で、パンタグラフ角度θとレシオとを調整すればよい。この寸法の見直しは、例えば、シーソー式リンク部材131の寸法変更、或いは、一対の棒状リンク部材141、142の寸法変更である。
このような作業を行うことにより、ダンパ120を選定しなくても既存のダンパ120に合わせて所望のリンク機構を構成することが可能になる。
また、この構成によれば、ダンパ120がロックされると、シーソー式リンク130およびパンタグラフ式リンク140の作動が固定されてパンタグラフ式リンク140に支持されたパッド150も固定されるので、ロック時にパッド150が動いてしまうことを防止することができる。しかも、ダンパ120を選定するのではなく、既存のダンパ120の伸縮力fdに合わせて各リンク機構の角度θおよびレシオを設定するので、市販のダンパを改造する必要がなく、また、ダンパ120を新設計する必要がない。
さらに、左右一対のパンタグラフ式リンク140の幅(バックシート23Cの幅方向の長さ)も小さく構成できるので、ランバーサポート機構100の幅狭化も図ることも可能である。
従って、自動二輪車等の比較的小型・軽量の車両(いわゆる鞍乗り型車両を含む)に好適な小型のランバーサポート機構100を提供することができる。
なお、上記した自動二輪車10以外の小型・軽量の車両としては、スクータ型やクルーザ型等の他の自動二輪車の他、ATV(不整地走行車両)、MUV(マルチ・ユーティリティ・ビークル)或いはゴルフカートに分類される三輪車両や四輪車両が含まれる。
また、本構成では、ランバーサポート機構100はシート底板71に設けられるので、シートを備えた車両が通常有するシート底板を利用する分、取り付けに要する部品を減らすことができ、また、どのような車両にも取り付け可能である。
また、本構成では、ランバーサポート機構100はトランク58の前壁58Bの前方に設けられるので、トランク58前方のスペースを利用してランバーサポート機構100を配置でき、レイアウトスペースの少ない自動二輪車等の小型・軽量の車両にも取り付けることができる。また、ランバーサポート機構100の後方がトランク58で覆われるので、車両の外観デザインへの影響が殆どない。
なお、ロック解除レバー123は、上記トランクポケット61の位置に限らず、グラブレール59近傍に設けるように構成すればよい。グラブレール59は、後シート23Bの乗員が着座状態で把持しやすい位置に設けられるので、ロック解除レバー123をグラブレール59近傍に設けておけば、乗員が着座したままロックを解除し、自らの腰でパッド150の位置を調整でき、優れた操作性を確保することができる。
さらに、本構成では、このダンパ120を車体に対して縦方向(車体上下方向)に配置し、その伸びる力をリンク機構(シーソー式リンク130、パンタグラフ式リンク140)を介して車体前後方向への力に変換するので、車体前後方向や車体幅方向のレイアウトスペースが制約された小さいスペースであっても、ダンパ120およびリンク機構をレイアウトすることができる。また、本構成のリンク機構を構成する各部材を樹脂部品で形成したため、ランバーサポート機構100の軽量化を図ることができる。
11 車体フレーム
17 エンジン(パワーユニット)
23 乗員用シート
23A 前シート(ライダーシート)
23B 後シート(パッセンジャーシート)
23C、23D バックシート
58 トランク
61 トランクポケット
70、71 シート底板
72 クッション材
100 ランバーサポート機構
110 ベースプレート
120 ダンパ
122 ケーブル
123 ロック解除レバー
130 シーソー式リンク
140 パンタグラフ式リンク
150 パッド
Claims (5)
- 乗員が着座するシートと、乗員の背部を支えるバックシートとを備え、バックシートの内側にサポート位置を調整自在なランバーサポート機構を備えた車両において、
該ランバーサポート機構は、
バックシートの内側に一端が支持され他端が伸縮自在なダンパと、該ダンパの伸縮する他端に一端が連結され、中間部をバックシートの内側に揺動支点で支持され、他端がバックシートの幅方向に延びて、該揺動支点を中心に揺動する左右一対のシーソー式リンクと、各シーソー式リンクに連結され、その揺動に連動し、前後方向に昇降自在な左右一対のX字型のパンタグラフ式リンクとを備え、
前記ダンパのロック機構を解除するロック解除レバーを備え、
前記サポート位置を調整する段階では、ロック解除レバーの操作によりダンパのロック機構を解除し、ダンパの伸縮力を、シーソー式リンクを介してパンタグラフ式リンクに伝え、パンタグラフ式リンクによりバックシートに設けたパッドを前後方向に移動させることを特徴とする車両のランバーサポート機構。 - 前記ランバーサポート機構はベースプレートに支持され、
該ベースプレートは、車両に対して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両のランバーサポート機構。 - 前記ランバーサポート機構はシート底板に設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両のランバーサポート機構。
- 前記ランバーサポート機構はトランクの前壁の前方に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両のランバーサポート機構。
- 前記ランバーサポート機構はパッセンジャーシートのバックシートに設けられ、
前記ロック解除レバーはグラブレール近傍に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両のランバーサポート機構。
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