JP2010129707A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】電気的な絶縁性を必要とする2本の電極配線の間にある層間絶縁膜の段差部にバリアメタルの残渣が残らない半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】温度検出用ダイオードを形成するポリシリコン端面のテーパー角θ1を45°以下とすることで、ポリシリコン18上の層間絶縁膜段差部の外角θ2を90°以上にすることができて、電気的に絶縁性を必要とする箇所にバリアメタル残渣を残さないようにできる。その結果、温度検出用ダイオードを有する半導体素子において、温度検出用ダイオードのアノード電極配線とカソード電極配線間の電気的な絶縁性を確保できて、正確な温度の検出ができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電力変換装置などに用いられる半導体装置であって、温度検出用ダイオードなどを内蔵した半導体装置およびその製造方法に関する。
電力変換装置用のパワー半導体装置においては、使用中の異常動作等により半導体装置の温度が上昇して破壊にいたることがまれに起こり得る。そこで、半導体装置を構成する半導体チップの温度を検出することができれば、温度が異常に上昇した時に、例えばMOSゲート型の半導体装置であれば、ゲート電圧を下げるなどの手段を講じることにより、半導体装置の破壊を回避することができる。
このような温度を検出する機能は、多結晶シリコン(以下、ポリシリコンと称す)で形成されたダイオードを備えることにより実現できる。このように温度検出を目的として、ポリシリコンで形成したダイオードを備え、その電気的特性を用いて温度を検出する素子は、例えば、特許文献1により一般的に知られている。半導体装置では、ダイオードに定電流を通流したときの順方向電圧が温度により変化する特性を利用し、温度に換算する方法を用いることが多い。
図13および14は、従来の温度検出用ダイオードを有する一般的なパワー半導体装置の要部構成図であり、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のX−X線で切断した断面図であり、図14(a)は図13(a)のY−Y線で切断した断面図、図14(b)は図14(a)のJ部拡大図である。この例では、活性領域のセル構造がトレンチゲート型MOSFETの場合を示すが、活性領域に形成する素子はMOSデバイス(MOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))でもpn接合からなるダイオードであってもよく、トレンチ構造以外にプレーナー構造であってもよい。
図13に示す温度検出用ダイオードを有するトレンチゲート型MOSFETの製造方法について説明する。
まず、活性領域に形成されるトレンチゲート型MOSFETの製造方法について説明する。
n半導体基板1の表面にチャネルpウェル領域2を形成し、このチャネルpウェル領域2を貫通してn半導体基板1に達するトレンチ19を形成する。トレンチ19の側壁にゲート絶縁膜3を介してポリシリコンでゲート電極4を形成する。チャネルpウェル領域2の表面にトレンチ19の側壁に接するようにnソース領域5を形成し、ゲート電極4上に層間絶縁膜6を形成する。層間絶縁膜6上とnソース領域5上とチャネルpウェル領域2上にバリアメタル7を形成し、その上にソース電極8を形成する。図示しないがn半導体基板1の裏面側全面にはnドレイン領域とドレイン電極を形成する。
n半導体基板の裏面側全面にpコレクタ領域となるp層とコレクタ電極となる金属膜を形成すればIGBTになる。また、n半導体基板1としては、高濃度のn基板にn層をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウェハやn基板の裏面からn型不純物のドーパントを気相拡散させた、拡散ウェハを用いることもある。
つぎに、温度検出用ダイオードの製造方法について説明する。
まず、温度検出用ダイオードを形成するn半導体基板1の領域にpウェル領域14を形成する。このpウェル領域14は、チャネルpウェル領域2と同じイオン注入・拡散工程で形成してもよい。また、pウェル領域14は、ソース電極8に電気的に接続されることが多い。
次に、絶縁膜9を形成する。この絶縁膜9はゲート酸化膜3と同じ工程で形成してもよいが、ソース電極8に対する温度検出ダイオードの絶縁性の観点からは、より厚い絶縁膜9の方が望ましく、0.1μmから0.5μm程度の厚さであることが多い。この絶縁膜9は、熱酸化膜でも、CVD(Chemical Vapor Deposition)による堆積酸化膜でもよい。
つぎに、絶縁膜9上に温度検出用ダイオードを形成するために、0.5μm〜1.0μm程度の厚さのポリシリコン18を堆積する。ゲート電極4もポリシリコンを用いることが多いが、このゲート電極4には、低抵抗化するために高濃度にn型またはp型ドーパントをドープしたポリシリコンを用いることが多い。そのため、このポリシリコンに温度検出用ダイオードのpn接合を形成することが難しい。温度検出用ダイオード用のポリシリコン18は、ドープされないポリシリコンをゲート電極4のポリシリコンとは別に堆積することが多い。
温度検出用ダイオードのpn接合を形成するために、フォトレジストをマスクにして、選択的にp型不純物およびn型不純物のドーパントをポリシリコン18にイオン注入する。その後、1000℃以上の熱処理によりドーパントを活性化し、pアノード領域10となるp領域とnカソード領域11となるn領域を形成する。ダイオードを形成する箇所にのみポリシリコン18を残すためのフォトリソグラフィー工程は、これらp領域、n領域を形成する前でも後でもよい。
ドーパント活性化後に層間絶縁膜6を形成する。この層間絶縁膜6には、厚さ1μm程度のPSG(Phospho Silicate Glass)などが用いられる。フォトリソグラフィーにより、層間絶縁膜6にコンタクトホールを形成し、その後に、アノード電極配線12とカソード電極配線13およびソース電極8となる金属膜(厚さ3μm〜5μm程度)をスパッタ法により形成する。
この際、金属膜の母材には一般的にAl、または、Siを数wt%程度含んだAl−Siが用いられる。Alは3百数十℃程度の熱処理中でもSi基板と相互反応しやすく、アロイスパイクを発生しやすい。そのため、相互反応を防止するためにTi、TiN、Ta、TaNiおよびWN等の高融点材料のバリアメタル7(厚さ数百nm)をAl(−Si)膜形成直前にスパッタ形成することが多い。
また、近年はn半導体基板1を最終工程付近で200μm以下に薄く加工して、半導体素子の性能を向上させる技術が広く用いられている。この場合、n半導体基板1の両面の膜構造が異なるために応力が発生し、n半導体基板1が数mm以上反ってしまうことがある。基板1が反ってしまうと、その後の工程やウェハ状態での電気特性測定時等に、装置内でのウェハ搬送ができなくなる。適切な膜厚のバリアメタル7(例えば、Ti/TiN/Tiなど)を採用することにより、基板1を研削した後の両面の応力をバランスさせ、基板1の反りを小さくすることができるため、バリアメタル7を使用することがある。
これら金属膜を形成後、フォトリソグラフィーにより、アノード電極配線12、カソード電極配線13およびソース電極8を形成する。この時、Al母材は膜厚が厚いため、ウェットエッチングを行うことが多い。一方、バリアメタル7は高融点材料であるためにウェットエッチングではエッチングできないため、RIE(Reactive Ion Etching)による指向性の高いエッチングを行う。
また、特許文献2には、ゲート電極をポリシリコンで形成し、端部を円弧状にして、ゲート電極上面を鈍角に傾斜させて、層間絶縁膜の被覆性を向上させる例が開示されている。
また、特許文献3には、半導体層上に絶縁膜および導電膜が積層された構造を含む回路素子であって、上記半導体層で、平面視したときに導電膜と交差する端面の垂直方向の傾斜角度を45°以上70°以下とすることで、回路素子内に発生する寄生素子の影響を低減でき、素子特性を向上できるとともに、半導体層と導電膜の間の絶縁耐圧を確保できることが開示されている。
特開平7−153920号公報 特許第4061751号公報 特開2007−142287号公報
ポリシリコン端面のテーパー角θ1が大きいと、このテーパー部15を被覆している層間絶縁膜の段差部は図14のJ部に示すようにオーバーハング形状になる。そうすると、層間絶縁膜6を真上から見るとオーバーハング部は陰になるので、このオーバーハング部に形成されたバリアメタルは、RIEによる指向性の高いエッチング法ではエッチングされず、バリアメタル7の残渣30として残ってしまう。
そうすると、電気的に絶縁性を必要とするアノード電極配線12とカソード電極配線13がこの箇所(図13のH部)にあるバリアメタル7の残渣30によって電気的な絶縁性が不十分となり、正確な温度検出用ダイオードの電気特性を発揮することが出来なくなる。その結果、温度検出用ダイオードによる正確な温度検出が困難になる。
尚、図14(b)に示すように、層間絶縁膜の表面において、平坦な面(点線)と段差部の面(点線)が交差する箇所の角度をここでは層間絶縁膜段差部の外角θ2と定義する。交差する箇所の付近が丸みを帯びる場合には、平坦な面の延長と段差部の平坦な面の延長の交差する箇所の角度とする。これは交差する箇所の角度(外角θ2)が90°以上となる場合などである。
また、前記特許文献2および特許文献3においては、バリアメタルの残渣を層間絶縁膜の段差部に残さないようにする方策については記述されていない。
この発明の目的は、前記の課題を解決して、電気的な絶縁性を必要とする2本の電極配線の間にある層間絶縁膜の段差部にバリアメタルの残渣が残らないようにできる半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1記載の発明によれば、半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置であって、前記ポリシリコンの厚さが1.2μm以下で該ポリシリコンの端面のテーパー角が45°以下であるようにする。
また、特許請求の範囲の請求項2記載の発明によれば、半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置であって、前記ポリシリコンの厚さが0.4μm〜0.6μmで該ポリシリコンの端面のテーパー角が50°以下であるようにする。
また、特許請求の範囲の請求項3記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明において、前記ポリシリコンの直下を含む前記半導体基板の表面に該半導体基板と逆の導電型の半導体領域を形成するようにする。
また、特許請求の範囲の請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ポリシリコンに温度検出用ダイオードもしくは抵抗を形成するようにする。
また、特許請求の範囲の請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記ポリシリコンのテーパー部上の層間絶縁膜段差部の外角が90°以上であるようにする。
また、特許請求の範囲の請求項6記載の発明によれば、半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置の製造方法であって、前記絶縁膜上に形成されたポリシリコンは、所定の大きさのポリシリコンとされ、
該ポリシリコンの端部となる領域付近に希ガスイオンを注入し、該希ガスイオンの注入箇所を含む前記ポリシリコンの周囲をドライエッチングして該ポリシリコンの端面に30°以上50°以下のテーパー角を付ける製造方法とする。
この発明によれば、ポリシリコン端面のテーパー角を45°以下とすることで、ポリシリコン上の層間絶縁膜段差部の外角を90°以上にすることができて、電気的に絶縁性を必要とする箇所にバリアメタル残渣を残さないようにできる。
その結果、温度検出用ダイオードを有する半導体素子において、温度検出用ダイオードのアノード電極配線とカソード電極配線間の電気的な絶縁性を確保できて、正確な温度の検出ができる。
また、ポリシリコンで形成した抵抗を有する半導体素子において、ポリシリコン抵抗の両端で電極配線間の電気的な絶縁性が確保できて、正確な抵抗値を得るごとができる。
また、温度検出用ダイオードを有するプレーナ型のMOSデバイスにおいて、ゲート電極を形成するポリシリコンのテーパー角を30°以上で45°以下とすることで、温度検出用ダイオードのアノード電極配線とカソード電極配線間の電気的な絶縁性を確保できて、正確な温度の検出ができる。またゲート閾値電圧を低く抑制することができる。
また、温度検出用ダイオードなどを形成するポリシリコンの端部付近にアルゴンなどの希ガスイオンを注入した後で、ポリシリコン端部付近をドライエッチングすることで、ポリシリコン端面に所定のテーパー角(35°〜45°)を付けることができる。所定のテーパー角を付けることで、ポリシリコンの端部を被覆する層間絶縁膜の段差部の外角を90°以上にすることができる。その結果、層間絶縁膜の段差部にバリアメタルの残渣を残さないようにできる。
実施の形態を以下の実施例で説明する。尚、図の説明において、従来と同一部位には同一の符号を付した。
図1および図2は、この発明の第1実施例の半導体装置の要部構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のX−X線で切断した断面図、図2(a)は図1(a)のY−Y線で切断した断面図、図2(b)は図2(a)のB部拡大図である。この半導体装置は温度検出用ダイオードを有するトレンチゲート型MOSFETを例に挙げた。
ここでは活性領域に形成されるMOSFETは、図13で説明したので、ここでは温度検出用ダイオードの説明をする。
n半導体基板1の表面に形成されるpウェル領域14と、このpウェル領域14上に形成される絶縁膜9と、この絶縁膜9上に形成されるポリシリコン18で形成されたpnダイオードと、このpnダイオード上に形成される層間絶縁膜6と、pnダイオードのpアノード領域10上およびnカソード領域11上の層間絶縁膜6にそれぞれ形成されたコンタクトホール16(図の左側を第1コンタクトホール、図の右側を第2コンタクトホールと称する)と、pアノード領域10上およびnカソード領域11上の層間絶縁膜6上およびコンタクトホール16の側壁と底面(pアノード領域10およびnカソード領域11の露出面)に形成されpアノード領域10側とnカソード領域11側で分離して形成されるバリアメタル7(アノード電極配線12下の第1バリアメタルとカソード電極配線13下の第2バリアメタル)と、このバリアメタル7上に形成されバリアメタル7を介してpnダイオードのpアノード領域10と接続するアノード電極配線12およびnカソード領域11と接続するカソード電極配線13とで構成される。尚、温度検出用ダイオード(ポリシリコン18)とn半導体基板1の間に印加される電圧が低い場合にはpウェル領域14の形成は必ずしも必要ない。
層間絶縁膜6の厚みを0.9μm〜1.2μm好ましくは1.0μm〜1.2μmとした場合には、pnダイオードを形成したポリシリコン端面のテーパー角θ1を45°以下に設定することで、この端部を被覆している層間絶縁膜段差部の外角θ2を90°以上にすることができる。外角θ2が90°以上になることで、ポリシリコン18の端部を被覆している層間絶縁膜6の段差部の面にはエッチングによるバリアメタル7の残渣がなく、図1(a)のA部の箇所でバリアメタル7の残渣によるアノード電極配線12とカソード電極配線13が短絡するのを防止できて、両電極配線12、13の間の絶縁性が確実に確保される。
層間絶縁膜6の厚みは機種により異なり、層間絶縁膜6の膜厚が0.4μm〜0.6μm程度であった場合にはポリシリコン端面のテーパー角θ1が50°超で外角θ2は90°未満となるので、外角θ2を90°以上とするためには、ポリシリコン端面のテーパー角θ1は50°以下にするのがよい。また、層間絶縁膜6やポリシリコン18の厚みのばらつきによる外角θ2のばらつきを考慮するとテーパー角θ1を45°以下にするとさらに好ましい。
図3は、ポリシリコン端面のテーパー角θ1とアルゴン(Ar)のイオン注入量との相関図である。ポリシリコン18には温度検出用ダイオードが形成され、ポリシリコン18の厚さは0.4μm〜0.6μmである。また横軸のイオン注入量はドーズ量である。ポリシリコン18の端面にテーパーを付けるためにアルゴンイオンを注入し、フォトリソグラフィーでポリシリコン18をエッチングした。ポリシリコン18のエッチングは、プラズマによるドライエッチング法で行った。アルゴンイオンのドーズ量1×1014cm−2で30°のテーパー角にすることができる。
このアルゴンイオンなどの希ガスイオンのイオン注入は、デバイス特性へ影響しにくく、かつイオン注入された表面付近にはダメージが導入され、表面近傍のエッチングレートを大きくするのに有効である。
本データはアルゴンイオン注入のものであるが、アルゴンよりも質量数の大きい他の希ガス、例えば、AsやSeなどでも、同様の効果が期待できる。しかし、AsおよびSeは、シリコンに導入されるとn型不純物となり、ダイオード特性や抵抗値が変るので、ポリシリコン端面にのみ導入し、その場合もpn接合付近には導入しない方がよい。
図4は、層間絶縁膜段差部の外角θ2とポリシリコン端面のテーパー角θ1の相関図である。層間絶縁膜6にBPSGを用いることで層間絶縁膜段差部の外角θ2を大きく出来るが、バリアメタル7との密着性が悪いためバリアメタル7を用いる場合はBPSGを使用出来ない。
そのため、層間絶縁膜6には厚さが0.9μm〜1.2μmのPSGを用いた。ポリシリコン端面のテーパー角θ1が小さく(緩やか)なるほど層間絶縁膜段差部の外角θ2が大きくなる。層間絶縁膜段差部の外角θ2が90°以上になれば、ポリシリコン18の上面から見たときに陰になる部分ができないため、RIEのような指向性の強いエッチング方法でもバリアメタル7の残渣を残すことなくエッチングできる。図4からは、ポリシリコン端部のテーパー角θ1が45°以下で、層間絶縁膜段差部の外角θ2を90°以上にすることができる。つまり、層間絶縁膜6の厚さが1.2μm以下の場合、端部のテーパー角θ1を45°以下とすればよい。
図5は、図1の半導体装置において、温度検出ダイオードを形成したポリシリコンをマスクに絶縁膜をパターニングした場合の図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した断面図である。
これは、温度検出用ダイオードを形成したポリシリコン18のエッチング後に、その下の絶縁膜9をポリシリコン18をマスクとしてエッチングすることにより作成した場合である。絶縁膜9をエッチングするためのフォトリソグラフィーが不要なため、工程を簡略化できる利点がある。ポリシリコン18の厚みと絶縁膜9の厚みが重畳されるため、層間絶縁膜6のオーバーハングが発生しやすい(外角θ2が90°以下になりやすい)傾向になるが、絶縁膜9の厚さがポリシリコン18の厚さの半分以下であれば、図4の相関関係がほぼ成り立つ。
また、n半導体基板1の厚さが200μm以下で基板研削後の反りが数mm以上と大きくなると、その後の素子形成工程での移送が困難となるため、Ti/TiN/Tiを用いたバリアメタル7でそり量を緩和する必要がある。本発明は、このように基板を研削して薄くし反りが発生するのを防ぐためにバリアメタルを用いた場合に、エッチング残りが発生するのを防げるため、バリアメタル7を採用しないとデバイス作製が困難な場合に有効である。
尚、実施例では、MOS型デバイスについて説明したが、ダイオードやサイリスタのようなバイポーラ型デバイスやICなどの半導体素子に対しても本発明は適用できる。
図6および図7は、この発明の第2実施例の半導体装置の要部構成図であり、図6(a)は平面図、図6(b)はX−X線で切断した断面図、図7は図6(a)のY−Y線で切断した断面図である。
図1との違いは、ポリシリコンの厚さとポリシリコンに形成される温度検出用ダイオードのnカソード領域をpアノード領域が囲んでいる点である。この場合は、ポリシリコンの厚さが0.4μm〜0.6μmなのでポリシリコン端面のテーパー角θ1を50°以下とすることで、層間絶縁膜段差部の外角θ2を90°以上とすることができる。また、層間絶縁膜6やポリシリコン18の厚みのばらつきによる外角θ2のばらつきを考慮するとテーパー角θ1を45°以下にするとさらに好ましい。
その結果、図7のD部の層間絶縁膜段差部にはバリアメタル7の残渣が残らなくなり、図6(a)のC部の箇所でアノード電極配線12とカソード電極配線13の絶縁性が確実に確保される。
図8および図9は、この発明の第3実施例の半導体装置の要部構成図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のX−X線で切断した断面図、図9は図8(a)のY−Y線で切断した断面図である。この半導体装置は電流検出用やゲート電圧抑制用の抵抗20を有するパワー半導体素子であり、ここでは、ポリシリコン18で形成した抵抗20を示した。
n半導体基板1の表面に形成されるpウェル領域14と、このpウェル領域14上に形成される絶縁膜9と、この絶縁膜9上に形成されるポリシリコン18で形成された抵抗20と、この抵抗20上に形成される層間絶縁膜6と、抵抗20の一端上および他端上の層間絶縁膜6に形成されたコンタクトホール16と、一端上および他端上の層間絶縁膜6上およびコンタクトホール16の側壁および底部に形成され一端上側と他端上側で分離して形成されるバリアメタル7と、このバリアメタル7上に形成される抵抗20の一端と接続する一方の端子配線21および他端と接続する他方の端子配線22とで構成される。
この場合も、ポリシリコンの厚さが0.4μm〜0.6μmなのでポリシリコン端面のテーパー角θ1を50°以下とすることで、層間絶縁膜段差部の外角θ2を90°以上とすることができる。また、層間絶縁膜6やポリシリコン18の厚みのばらつきによる外角θ2のばらつきを考慮するとテーパー角θ1を45°以下にするとさらに好ましい。
その結果、図9のF部の層間絶縁膜段差部にはバリアメタル7の残渣がなくなり、図8(a)のE部において、一方の端子配線21と他方の端子配線22同士がバリアメタル7の残渣を介して短絡するのが防止される。
図10は、この発明の第4実施例の半導体装置の要部構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した断面図である。この半導体装置は、例えば、温度検出用ダイオードを有するプレーナ型MOSFETである。
n半導体基板1の表面に形成したチャネルpウェル領域2と、チャネルpウェル領域2の表面に形成したnソース領域5と、nソース領域5とn半導体基板1に挟まれたチャネルpウェル領域2上にゲート絶縁膜3を介して形成したポリシリコン18のゲート電極4と、ゲート電極4上に形成した0.9μm〜1.2μmの厚さの層間絶縁膜6と、nソース領域5と接続するソース電極8と、図示しないnドレイン領域およびドレイン電極で構成される。
ゲート電極4となるポリシリコン端面のテーパー角θ3が小さくなると、図11に示すようにチャネルを形成するチェネルpウェル領域2の表面にボロンイオンなどの不純物イオンがゲート電極4となるポリシリコン18のテーパー部15を通してイオン注入され不純物濃度が高くなる。その結果、プレーナ型MOSデバイスのゲート閾値電圧Vthが上昇するという不都合を生じる。尚、チャネルpウェル領域2はゲート電極4となるポリシリコン18をマスクとしてボロンをイオン注入し熱拡散して形成されるので、通常はポリシリコン18下のn半導体基板1にはボロンが打ち込まれないようにする。このときは、絶縁膜9はn半導体基板1上を被覆している。
図12は、プレーナIGBTの場合の閾値電圧Vthとポリシリコン端面のテーパー角θ1の相関図である。層間絶縁膜6の厚さは0.9μm〜1.2μmの場合である。
図12から分かるように、ポリシリコン端面のテーパー角θ3を30°以上とすることで、閾値電圧Vthを実用できるまで低い値にすることができる。
前記のことから、ポリシリコン端面のテーパー角θ3はプレーナ型MOSデバイスのゲート閾値電圧Vthを適正な値とするためには、30°以上とする。好ましくは、35°以上とするとよい。
プレーナ型MOSデバイスの場合でゲート電極4のポリシリコン18と温度検出用ダイオードのポリシリコン18を同時に形成する場合が多く、その場合は、本発明のようにポリシリコン端面のテーパー角θ3を30°以上で45°以下(好ましくは35°以上で45°以下)とすることで、ゲート閾値電圧Vthを大きくせずに、ダイオード箇所の層間絶縁膜段差部の角度θ2を90°以上の緩やかな形状とすることができて、オーバーハングを防止することができる。
その結果、アノード電極配線12とカソード電極配線13の間にある層間絶縁膜段差部(図10のG部)上にバリアメタル7の残渣が残らなくなり、温度検出用ダイオードによる正確な温度の検出ができる。
この発明の第1実施例の半導体装置の要部構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図 この発明の第1実施例の半導体装置の要部構成図であり、(a)は図1(a)のY−Y線で切断した断面図、(b)は(a)のB部拡大図 ポリシリコン端面のテーパー角θ1とアルゴン(Ar)のイオン注入量との相関図 層間絶縁膜段差部の外角θ2とポリシリコン端面のテーパー角θ1の相関図 図1の半導体装置において、温度検出ダイオードを形成したポリシリコンをマスクに絶縁膜をパターニングした場合の図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図 この発明の第2実施例の半導体装置の要部構成図であり、(a)は平面図、(b)はX−X線で切断した断面図 この発明の第2実施例の半導体装置の要部構成図であり、図6(a)のY−Y線で切断した断面図 この発明の第3実施例の半導体装置の要部構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図 この発明の第3実施例の半導体装置の要部構成図であり、図8(a)のY−Y線で切断した断面図 この発明の第4実施例の半導体装置の要部構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図 チャネルpウェル領域を形成するためのボロンイオンがゲート電極4となるポリシリコン18のテーパー部15を通してイオン注入される様子を示す断面図 プレーナIGBTの場合の閾値電圧Vthとポリシリコン端面のテーパー角θ1の相関図 従来の温度検出用ダイオードを有する一般的なパワー半導体装置の要部構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図 従来の温度検出用ダイオードを有する一般的なパワー半導体装置の要部構成図であり、(a)は図13(a)のY−Y線で切断した断面図、(b)は(a)のJ部拡大図
符号の説明
1 n半導体基板
2 チャネルpウェル領域
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 nソース領域
6 層間絶縁膜
7 バリアメタル
8 ソース電極
9 絶縁膜
10 pアノード電極
11 nカソード領域
12 アノード電極配線
13 カソード電極配線
14 pウェル領域
15 テーパー部
16 コンタクトホール
17 pn接合
18 ポリシリコン
19 トレンチ
20 抵抗
21 一方の端子配線
22 他方の端子配線

Claims (6)

  1. 半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置であって、
    前記ポリシリコンの厚さが1.2μm以下で該ポリシリコンの端面のテーパー角が45°以下であることを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置であって、
    前記ポリシリコンの厚さが0.4μm〜0.6μmで該ポリシリコンの端面のテーパー角が50°以下であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記ポリシリコンの直下を含む前記半導体基板の表面に該半導体基板と逆の導電型の半導体領域を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ポリシリコンに温度検出用ダイオードもしくは抵抗を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記ポリシリコンのテーパー部上の層間絶縁膜段差部の外角が90°以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 半導体基板上に選択的に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたポリシリコンと、前記半導体基板上から前記ポリシリコン上にかけて形成された層間絶縁膜と、該ポリシリコン上に分離して形成された第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて形成された第1バリアメタルと、前記第2コンタクトホールの側壁および底部から前記層間絶縁膜上にかけて前記第1バリアメタルと分離して形成された第2バリアメタルと、前記第1バリアメタル上に形成される第1電極配線と、前記第2バリアメタル上に形成された第2電極配線を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記絶縁膜上に形成されたポリシリコンは、所定の大きさのポリシリコンとされ、該ポリシリコンの端部となる領域付近に希ガスイオンを注入し、該希ガスイオンの注入箇所を含む前記ポリシリコンの周囲をドライエッチングして該ポリシリコンの端面に30°以上50°以下のテーパー角を付けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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