JP2010126893A - コンクリート壁の型枠用間隔保持部材、コンクリート壁の施工構造、及びその施工方法 - Google Patents

コンクリート壁の型枠用間隔保持部材、コンクリート壁の施工構造、及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート型枠工法によるコンクリート壁の施工に際し、型枠と同様に使用する部材を繰り返し利用でき、且つ断熱性能にも優れたコンクリート壁を施工できるコンクリート壁の型枠用間隔保持部材、コンクリート壁の施工構造、及びその施工方法を提供する。
【解決手段】本発明は、一方側及び他方側の型枠1A,2間の間隔を保持してコンクリート壁4を施工するための型枠用間隔保持部材3Aであって、コンクリート打設空間40内で分離可能であって、螺合手段で接続されている複数の間隔保持部材5A,6Aにて構成され、一方側に配される間隔保持部材5Aは、少なくとも棒状部材51aを備え、一方側の端部が型枠兼用パネル1Aに保持され、他方側に配される間隔保持部材6Aは、コンクリート打設空間40内に位置する部分が筒状部材62Aで包囲され、コンクリート4打設後に抜き取り可能であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート型枠工法によるコンクリート壁の施工に際し、使用する部材を繰り返し利用でき、且つ断熱性能にも優れたコンクリート壁を施工できるコンクリート壁の型枠用間隔保持部材、コンクリート壁の施工構造、及びその施工方法に関する。
従来、コンクリート型枠工法(断熱層を形成したものを含む)は、合板等で型枠を形成してコンクリート打設空間を形成するものであり、この打設空間を維持するために、各種の間隔保持材が用いられている。
例えば特許文献1は、型枠の対向面に貫通孔を対向状に複数設けて保持部材(コーン)を配置し、この保持部材の前面と後面に異なる径の螺子孔を設け、その内側には間隔保持部材(セパレーター)を、その外側にはフォームタイと称されるボルト材を配した状態でコンクリートを打設している。
登録実用新案公報第3063628号
しかしながら、前記特許文献1などでは、打設後のコンクリート内に埋設される間隔保持部材(ボルト等)は、一本のボルト部材がそのままコンクリートを貫通した状態で埋設されているため、これらの支持箇所を一般的に数箇所/m2設けることにより、前記ボルト部材が無駄になるという問題があった。
また、前記ボルトは、コンクリート壁に埋設されるため、ヒートブリッジ又はクールブリッジとして働き、断熱性能が損なわれる問題をも引き起こしていた。
さらに、構築されたコンクリート躯体(断熱層)の表面を下地として、例えば何等かの外装材を施工する場合には、養生させて硬化したコンクリート躯体にアンカーを打ち込む必要があるが、アンカーを打ち込む作業は、墨出しを行わなければならないため、作業性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、使用する部材を繰り返し利用でき、且つ断熱性能にも優れたコンクリート壁を施工できるコンクリート壁の型枠用間隔保持部材、及びそれを用いたコンクリート壁の施工構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、一方側及び他方側の型枠間の間隔を保持してコンクリート壁を施工するための型枠用間隔保持部材であって、コンクリート打設空間内で分離可能であって、螺合手段で接続される複数の間隔保持部材にて構成され、一方側に配される間隔保持部材は、少なくとも棒状部材を備え、一方側の端部が型枠兼用パネルに保持され、他方側に配される間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する部分が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に抜き取り可能であることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材に関するものである。
また、本発明は、前記型枠用間隔保持部材において、一方側に配される間隔保持部材は、型枠兼用パネル内に位置する部分とコンクリートに埋設される部分との2部材からなることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材をも提案する。
また、本発明は、前記型枠用間隔保持部材において、一方側に配される間隔保持部材は、他方側に棒状部材より大径又は広幅な膨出部を備えることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材をも提案する。
また、本発明は、前記型枠用間隔保持部材において、一方側に配される間隔保持部材は、一方側の型枠内面側に当接又は埋設する規制部を備えることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材をも提案する。
また、本発明は、前記型枠用間隔保持部材において、一方側に配される間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する部分がカバー材で包囲されていることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材をも提案する。
また、本発明は、前記型枠用間隔保持部材において、他方側に配される間隔保持部材は、コンクリート内に位置する部分と他方側の型枠の外側に位置する部分との1部材からなることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材をも提案する。
さらに、本発明は、一方側及び他方側の型枠間に前記構成の型枠用間隔保持部材を配して施工したコンクリート壁の施工構造であって、前記型枠間に、前記型枠用間隔保持部材を配してコンクリートを打設し、該コンクリートの硬化後に他方側に配された間隔保持部材を抜き出したことを特徴とするコンクリート壁の施工構造をも提案する。
さらに、本発明は、一方側及び他方側の型枠間に前記構成の型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリート壁を施工するコンクリート壁の施工方法であって、前記型枠間に前記型枠用間隔保持部材を取り付ける工程と、コンクリートを打設する工程と、コンクリートの硬化後に、他方側に配された間隔保持部材を抜き出す工程と、からなることを特徴とするコンクリート壁の施工方法をも提案する。
本発明のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材は、型枠間の間隔を保持する部材であって、コンクリート打設空間内で分離可能であって、螺合手段で接続されている複数の間隔保持部材にて構成され、コンクリート打設後には、一方側の間隔保持部材が型枠兼用パネルを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、さらに、他方側に配された間隔保持部材を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもないものである。
また、他方側に配される間隔保持部材は、筒状部材で包囲したので、コンクリートと接触することなく配され、コンクリートの打設、硬化後に間隔保持部材を容易に抜き出すことができる。
さらに、他方側に配された間隔保持部材を抜き出すため、一方側の間隔保持部材をつたって冷熱が他方側へ伝熱されても、それ以上の冷熱の伝わり(冷熱橋)が遮断されて断熱性能が高い。
また、一方側に配される間隔保持部材は、型枠兼用パネル内に位置する部分とコンクリートに埋設される部分との2部材からなる場合、型枠兼用パネルとして予め外装材(外装パネル)を取り付け一体化したものを型枠として用いるので、コンクリートが打設、硬化(養生)した時点で外壁が構築されるものとなる。
また、一方側に配される間隔保持部材は、他方側に棒状部材より大径又は広幅な膨出部を備える場合、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができる。
また、一方側の間隔保持部材が、型枠内面側に当接又は埋設する規制部を備える場合には、型枠として断熱材を用いても、断熱材が規制部によって内側にずれることがない。
また、一方側の間隔保持部材が、コンクリート打設空間内に位置する部分がカバー材で包囲されている場合、コンクリートと接していないため、冷熱がコンクリートをつたって伝熱することも抑制され、より一層、冷熱橋を遮断して断熱性能の高いものとなる。
また、他方側に配される間隔保持部材は、コンクリート内に位置する部分と他方側の型枠の外側に位置する部分との1部材からなる場合、他方側の型枠の外側に配されるフォームタイと称される締め付け具と一体化したものとなり、締め付け具などと共に繰り返し使用することができる。
また、本発明のコンクリート壁の施工構造は、前記構成の型枠保持用棒状部材を用いたので、一方側の間隔保持部材が、型枠兼用パネルを保持する(アンカー材の役目を果たす)ので、コンクリートが打設、硬化(養生)した時点で外壁が構築されるものとなる。さらに、他方側に配した間隔保持部材を抜き出すため、断熱性能が高いものである。
さらに、本発明のコンクリート壁の施工方法は、前記構成の型枠保持用棒状部材を用いたので、一方側の間隔保持部材が、
型枠兼用パネルを保持する(アンカー材の役目を果たす)ので、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れている。さらに、他方側に配した間隔保持部材を抜き出すため、この部材を繰り返して使用することができる。
本発明の型枠用間隔保持部材は、一方側及び他方側の型枠間に配してコンクリート壁を施工するための部材であって、コンクリート打設空間内で分離可能であって、螺合手段で接続されている複数の間隔保持部材にて構成される。
各間隔保持部材は、前記のように螺合手段で接続され、何れか一方の端部に雌螺子部を形成し、他方の端部に雄螺子部を形成すればよい。雌螺子部としては、例えば六角ナット、高ナット、異径ナット等のナット類、ボルト等の棒状部材の頭部に雌ねじを切った特殊ボルトなどを使用してもよく、例えば雄螺子部としては、前記雌螺子部に螺合するボルトの先端を使用すればよい。
そして、コンクリートの打設時には、各間隔保持部材は、上記の螺合手段により一体状に接続(連結)され、一方側及び他方側の型枠間が均一な間隔となるように配設される。コンクリートの打設、硬化後には、これらの間隔保持部材を分離して他方側に配された間隔保持部材のみを抜き出す。
一方側の間隔保持部材の他方側に、棒状部材より大径又は広幅な膨出部を設けた場合には、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができる。
このような膨出部としては、例えば六角ナット、高ナット、異径ナット等の大径部分、雌ねじ加工を施したプレート類などを使用してもよい。
特に膨出部に隣接するカバー材や筒状部材よりも大径である場合には、例えば火災等に際してカバー材や筒状部材が実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部がこれらの空間よりも大きいために抜け落ちが防止されるものとなる。
また、一方側の間隔保持部材が、型枠内面側に当接又は埋設する規制部を備える場合には、型枠として断熱材を用いても、断熱材が規制部によって内側にずれることがない。
このような規制部と同様に型枠(断熱材)の位置規制を目的とするものとしては、後述する実施例では、第2調整金具(14)、スペーサ(16)、断熱材(1)のコンクリート側に位置するナット(52f,52g)も断熱材(1)が内側にずれないための位置規制となる。
このように一方側に配される間隔保持部材は、コンクリートの打設後もコンクリート壁内に残存して埋設され、型枠兼用パネルを保持する機能を果たし、他方側に配される間隔保持部材は、コンクリートの打設、硬化後に抜き出して繰り返し利用することができる。なお、この他方側の間隔保持部材の抜き出し時期は、打設したコンクリートが加熱養生されて十分な特性を発揮する時点まで待つ必要はなく、フロー(流動変形)などが生じない程度に硬化していればよい。
断熱性の観点では、前述のように他方側に配された間隔保持部材を抜き出すため、一方側の間隔保持部材をつたって冷熱が他方側へ伝熱されても、それ以上の冷熱の伝わり(冷熱橋)が遮断されて断熱性能が高いものである。
特に望ましくは、一方側の間隔保持部材が、樹脂製のカバー材で包囲されている場合であって、この場合には、一方側の間隔保持部材(棒状部材)がコンクリートと接しないため、冷熱がコンクリートをつたって伝熱することも抑制され、冷熱橋を遮断して断熱性能の高いものとなる。
一方側及び他方側の型枠としては、合板(木質)、FRP等の強化プラスチックボードや断熱材兼用(取り外さない)などを適宜に用いることができる。
他方側の型枠として、FRP等の強化プラスチックボード等を用いた場合には、コンクリート打設後に取り外して再利用することができる。
また、一方側の型枠としては、型枠兼用パネルを用いるが、この型枠兼用パネルは、コンクリート打設後に取り外すことなく外壁もしくは外壁の一部として利用するものであって、断熱材のみでもよいし、断熱材と化粧材(外装材)との組み合わせでもよいし、断熱材と桟部材(縦、横)との組み合わせでも、例えば後述する図示実施例のような断熱材と桟部材と化粧材(外装材)との組み合わせなどでもよく、特にその具体的構成を特定するものではない。また、外装材は、金属、非金属、窯業系、合成樹脂性、セメント板、ケイ酸カルシウム板等の公知のものであればよく、さらにモルタル、吹きつけ塗装等であってもよく、壁面を仕上げる公知の方法であれば特に問わない。さらに、外装材は断熱材に直接張設するものでも、桟部材等を介するものでもよい。
また、前述のように一方側の間隔保持部材がカバー材にて包囲されている場合には、型枠用間隔保持部材の一方側から他方側までカバー材、筒状部材が直列状に連結され、これらで形成される貫通孔に一方側の間隔保持部材、他方側の間隔保持部材の2つの棒状部材が貫通している形態となる。
これらのカバー材、筒状部材は、予め一体に連結しておいてもよいし、施工時に一体的に連結する(組み付ける)ようにしてもよい。これらのカバー材と筒状部材は、何れも各棒状部材を挿通させるものであるから、例えば樹脂製パイプ材のような廉価品をそのまま又は端部にリング状の成形品を取り付けて使用できるため、製造コストが低く、実用的価値が極めて高いものとなる。
次に、本発明のコンクリート壁の施工方法を構成する各工程(1)〜(3)について、以下に説明する。
(1)一方側及び他方側の型枠間に前記構成の型枠用間隔保持部材を取り付ける工程
この工程では、前記型枠用間隔保持部材を一方側の型枠から他方側の型枠の間に架け渡して配し、一方側の間隔保持部材の他方端と、他方側の間隔保持部材の一方端とを螺合させて連結し、各間隔保持部材の端縁を予め型枠に形成した通孔から突出させた状態で固定する。この固定は、例えば一方側の突出先端に各種構成の押え具を螺着し、この押え具によって、一方側の縦バタ,横バタ等の押え具を一方側型枠に当てがった状態に固定すればよい。また、他方側の突出先端についても同様に行えばよく、コーン状の保持部材を介して他方側の型枠に当接(貫通)するようにしてもよい。
なお、型枠の内面には、断熱材を配するようにしてもよいし、また型枠を兼ねる断熱材を配してもよい。
(2)コンクリートを打設する工程
一方側及び他方側の型枠間は、コンクリートの打設空間であり、この打設空間には、前記(1)の工程にて説明したように型枠用間隔保持部材が配設されているため、一方側及び他方側の型枠間が均一な間隔となる。そして、コンクリートの打設圧力などにより、型枠用間隔保持部材がズレ動いたりすることがなく、所定の位置に保持されるものとなる。
(3)コンクリートの硬化後に、他方側の間隔保持部材を抜き出す工程
前述のように前記構成の型枠用間隔保持部材は、コンクリートに埋設されるが、そのうちの他方側の間隔保持部材は、筒状部材に包囲されてコンクリートと接触することなく配されているため、これを抜き出す工程には特別な治具や特に強い力を必要とすることなく容易に抜き出すことができる。具体的には、フォームタイを取り外し、バタ(縦、横)を取り外し、型枠の撤去した後、他方側の間隔保持部材を抜き出す。一方側の間隔保持部材は、型枠兼用パネルを保持した状態で、そのままコンクリート内に埋設される。
このように、本発明のコンクリート壁の施工方法では、コンクリート打設後には、一方側の間隔保持部材が型枠兼用パネルを保持するため、コンクリートが打設、硬化(養生)した時点で外壁が構築されるものとなる。この一方の間隔保持部材がそのまま外装材等を保持するので作業性がよい。さらに、他方側に配された間隔保持部材を抜き出すため、伝熱が寸断され、断熱性能が高いものである。
そして、得られる本発明のコンクリート壁の施工構造では、一方側の間隔保持部材が型枠兼用パネルを保持するので、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れている。さらに、他方側に配した間隔保持部材を抜き出すため、この部材(及び他方側の型枠の外側に配した締め付け具など)を繰り返して使用することができる。
図1及び図2に示すコンクリート壁の施工構造は、一方側及び他方側の型枠1A,2間に型枠用間隔保持部材3Aを配して施工したものであって、前記型枠用間隔保持部材3Aは、コンクリート打設空間40内にて分離可能であって、螺合手段で接続されている複数の間隔保持部材5A,6Aにて構成される。なお、一方側の型枠1Aとしては、型枠兼用パネルを用いる。
前記型枠兼用パネル1Aは、断熱材11を貫通させて保持した前記一方側の間隔保持部材5A(雄螺子棒状材51a)の突出部分(外側突出部分)に、調整金具18を介して垂木12を取り付け、該垂木12に外装材13を取り付けた構成である。なお、この調整金具18は、断熱材兼用型枠1を雄螺子棒状材51aに取り付け、外装材13や垂木12を固定する部材であり、外装材13や垂木12が雄螺子棒状材51aに取り付け可能であれば、ナットでも代用できる。すなわち間隔保持部材5Aに断熱材11を取り付ける(押さえる)部材である。
前記型枠用間隔保持部材3Aは、一方側の間隔保持部材5Aが型枠兼用パネル1Aに保持された雄螺子棒状材51aであり、異径ナット52aを介して他方側の間隔保持部材6Aである雄螺子棒状材61aと螺合して接続されている構成である。これらのコンクリート打設空間40内に位置する雄螺子棒状材51a、異径ナット52a、及び雄螺子棒状材61aは、それぞれカバー材53a,筒状部材62aにて包囲されており、これらのカバー材53a,筒状部材62aもコンクリート組成物が内部に侵入しないように接続されている。
前記カバー材53aは、合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側には拡径して型枠に当接又は埋設する規制部511を備え、他方側には異径ナット52aの大径部分を収容可能な受部を備える。また、前記筒状部材62aも合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側に、異径ナット52aの小径部分を収納可能な受部を備えると共に、前記カバー材53aに嵌挿されるフランジ部を備える。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Aにより、コンクリート壁を施工する一例を図示実施例を用いて説明する。
まず、前記型枠用間隔保持部材3Aとして、前述のように雄螺子棒状材51aと異径ナット52aと雄螺子棒状材61aとを螺合させて一体化し、その周囲にカバー材53a,筒状部材62aを配置させた状態で型枠兼用パネル1Aと予め通孔を穿設しておいた他方側の型枠2間の所定位置に取り付ける。その際、他端側の間隔保持部材6A(雄螺子棒状材61a)は、コーン状の保持部材20を介して型枠2と当接するように配設した。型枠2の外側には図示しないバタ(縦・横)、フォームタイ等の型枠用部材が用いられている。
そして、型枠用間隔保持部材3Aの長さを微調整して規制部511を断熱材11の内面に当接させてコンクリート打設空間40が形成される。
この状態で前記コンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記他方側の間隔保持部材6Aである雄螺子棒状材61aを抜き出し、他方側の型枠2及びコーン状の保持部材20を取り外して図2に示すコンクリート壁を得た。なお、図示しないが、雄螺子棒状部材61aとコーン状の保持部材20を取り出した孔には断熱材等からなる目地材を充填する。
このように本発明の型枠用間隔保持部材3Aは、一方側の間隔保持部材5Aが型枠兼用パネル1Aを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れている。また、この一方の間隔保持部材5Aがそのまま外装材等を保持するので作業性がよい。
さらに、他方側に配された間隔保持部材6A(61a)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
さらに、他方側に配された間隔保持部材6A(61a)を抜き出すため、一方側の間隔保持部材5A(5a)をつたって冷熱が他方側へ伝熱されても、それ以上の冷熱の伝わり(冷熱橋)が遮断されて断熱性能が高く、特に図示実施例では一方側の雄螺子棒状材51aを樹脂製のカバー材51bにて包囲したので、雄螺子棒状材51aとコンクリート4とが接していないため、冷熱がコンクリート4をつたって伝熱することも抑制され、より一層、冷熱橋を遮断して断熱性能の高いものとなる。
また、図示実施例では、一方側に配される型枠兼用パネル1Aとして、予め断熱材11に外装材13を取り付け一体化したものを用いたので、コンクリート4が打設、硬化(養生)した時点で外壁が構築されるものとなる。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Aに、膨出部として異径ナット52aの大径部分を備えているので、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、さらにこの膨出部(異径ナット52aの大径部分)は、隣接するカバー材53aや筒状部材62aよりも大径であるため、例えば火災等に際してカバー材53aや筒状部材62aが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部がこれらの空間よりも大きいために外側方向へも内側方向へも抜け落ちが防止される。
さらに、図示実施例では、一方側の間隔保持部材5Aが、断熱材11内面側に当接する規制部511を備えているので、断熱材11の位置規制が果たされ、断熱材11が規制部511によって内側にずれることがない。
図3〜図5は、様々な態様の型枠用間隔保持部材3B〜3Dを用いたコンクリート壁の施工構造を示すものであって、図3(a)〜図5(a)は前記図1と同様にコンクリート4の打設状態を示し、図3(b)〜図5(b)は前記図2と同様に施工されたコンクリート壁の構造を示している。なお、後述する型枠用間隔保持部材3B〜3D以外の構成並びに施工の手順は、前記図1及び図2の実施例と同様であり、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
図3における型枠用間隔保持部材3Bは、一方側の間隔保持部材5Bが型枠兼用パネル1Bに保持された雄螺子棒状材51bであり、その先端付近(外周)にはナット52bが取り付けられ、その先端面には雌ネジが切られてあり、該雌ネジに他方側の間隔保持部材6Bである雄螺子棒状材61bが螺合して接続されている構成である。これらのコンクリート打設空間40内に位置する雄螺子棒状材51b、ナット52b、及び雄螺子棒状材61bは、それぞれカバー材53b,筒状部材62bにて包囲されており、これらのカバー材53b,筒状部材62bもコンクリート組成物が内部に侵入しないように接続されている。
前記カバー材53bは、合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側には拡径して型枠に当接又は埋設する規制部511を、他方側にはナット52bを収容可能な受部を備える。また、前記筒状部材62bも合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側に、前記カバー材53bに嵌挿されるフランジ部を備える。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Bは、前記図1及び図2の実施例と同様な手順にてコンクリート壁の施工に利用することができる。
まず、前記型枠用間隔保持部材3Bとして、前述のように雄螺子棒状材51bと雄螺子棒状材61bとを螺合させて一体化し、その周囲にカバー材53b,筒状部材62bを配置させた状態で型枠兼用パネル1Bと予め通孔を穿設しておいた他方側の型枠2間の所定位置に取り付ける。その際、他端側の間隔保持部材6B(雄螺子棒状材61b)はコーン状の保持部材20を介して型枠2と当接するように配設した。
この状態で前記コンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記他方側の間隔保持部材6Bである雄螺子棒状材61bを抜き出し、他方側の型枠2及びコーン状の保持部材20を取り外して図3(b)に示すコンクリート壁を得た。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Bも、前記図1及び図2の実施例における型枠用間隔保持部材3Aと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Bが型枠兼用パネル1Bを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6B(61b)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Bに、膨出部としてナット52bを取り付けているので、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部55bは、隣接するカバー材53bや筒状部材62bよりも大径であるため、例えば火災等に際してカバー材53bや筒状部材62bが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部55bがこれらの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
図4における型枠用間隔保持部材3Cは、一方側の間隔保持部材5Cが型枠兼用パネル1Cに保持された雄螺子棒状材51cであり、その先端付近が拡径(膨出部)し、その先端面には雌ネジが切られた特殊ボルトを用いている。この特殊ボルトの前記雌ネジに他方側の間隔保持部材6Cである雄螺子棒状材61cが螺合して接続されている構成である。これらのコンクリート打設空間40内に位置する雄螺子棒状材51c、及び雄螺子棒状材61cは、それぞれカバー材52c,筒状部材62cにて包囲されており、これらのカバー材52c,筒状部材62cもコンクリート組成物が内部に侵入しないように接続されている。
前記カバー材52cは、合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側には拡径して型枠に当接又は埋設する規制部511を備え、他方側には筒状部材62cの受部を包囲する拡径受部を備える。また、前記筒状部材62cも合成樹脂製であって、円筒状の筒体の一方側に、前記先端付近の拡径部分を収容可能な受部を備えると共に前記カバー材52cに嵌挿されるフランジ部を備える。
なお、前記特殊ボルトを用いる代わりに雄螺子棒状材を高ナット(長ナット)に組み合わせて用いてもよい。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Cは、前記図1及び図2の実施例と同様な手順にてコンクリート壁の施工に利用することができる。
まず、前記型枠用間隔保持部材3Cとして、前述のように雄螺子棒状材51cと雄螺子棒状材61cとを螺合させて一体化し、その周囲にカバー材52c,筒状部材62cを配置させた状態で型枠兼用パネル1Cと予め通孔を穿設しておいた他方側の型枠2間の所定位置に取り付ける。その際、他端側の間隔保持部材6C(雄螺子棒状材61c)はコーン状の保持部材20を介して型枠2と当接するように配設した。
この状態で前記コンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記他方側の間隔保持部材6Cである雄螺子棒状材61cを抜き出し、他方側の型枠2及びコーン状の保持部材20を取り外して図4(b)に示すコンクリート壁を得た。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Cも、前記実施例における型枠用間隔保持部材3A,3Bと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Cが型枠兼用パネル1Cを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6C(61c)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Cに、膨出部として特殊ボルトの先端付近の拡径部分があるため、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部が隣接するカバー材52cや筒状部材62cよりも大径であるため、例えば火災等に際してカバー材52cや筒状部材62cが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部がこれらの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
図5における型枠用間隔保持部材3Dは、一方側の間隔保持部材5Dが型枠兼用パネル1Dに保持された雄螺子棒状材51dであり、異径ナット52dを介して他方側の間隔保持部材6Dである雄螺子棒状材61dと螺合して接続されている構成である。そして、前記異径ナット52dの小径部分及び雄螺子棒状材61dは、筒状部材62dにて包囲されている。
なお、この実施例における型枠兼用パネル1Dは、断熱材11を貫通させて保持した前記一方側の間隔保持部材5D(雄螺子棒状材5d)の突出部分に、調整金具18を介して垂木12を取り付け、該垂木12に外装材13を取り付け、断熱材11の内面側には第2調整金具14を取り付けた構成である。なお、前記調整金具18は、断熱材11を雄螺子棒状材51dに取り付け、外装材13や垂木12を固定する部材であり、外装材13や垂木12が雄螺子棒状材51dに取り付け可能であれば、ナットでも代用できる。すなわち間隔保持部材5Dに断熱材11を取り付ける(押さえる)部材である。また、前記第2調整金具14は、前述のように前記規制部511と同様に断熱材11が内側にずれないための位置規制の役割を果たす。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Dは、前記図1及び図2の実施例と同様な手順にてコンクリート壁の施工に利用することができる。
まず、前記型枠用間隔保持部材3Dとして、前述のように雄螺子棒状材51dと異径ナット52dと雄螺子棒状材61dとを螺合させて一体化し、前記異径ナット52dの小径部分及び雄螺子棒状材61dの周囲には筒状部材62dを配置させた状態で型枠兼用パネル1Dと予め通孔を穿設しておいた他方側の型枠2間の所定位置に取り付ける。その際、他端側の間隔保持部材6D(雄螺子棒状材61d)はコーン状の保持部材20を介して型枠2と当接するように配設した。
この状態で前記コンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記他方側の間隔保持部材6Dである雄螺子棒状材61dを抜き出し、他方側の型枠2及びコーン状の保持部材20を取り外して図5(b)に示すコンクリート壁を得た。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Dも、前記実施例における型枠用間隔保持部材3A,3B,3Cと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Dが型枠兼用パネル1Dを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6D(61d)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Dに、膨出部として異径ナット52dの大径部分を備えているので、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部に隣接する筒状部材62dよりも大径であるため、例えば火災等に際して筒状部材62dが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部がこの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
さらに、この実施例では、直管状のパイプ材(筒材)である筒状部材62dとしては、例えば樹脂製パイプ材のような廉価品を選択、使用できるため、製造コストが低く、実用的価値が極めて高い。
図6に示すコンクリート壁の施工構造は、図7(a),(b)及び図8(a)に示す手順にて施工されるものであって、この実施例における一方側に配する型枠兼用パネル1Eは、図7(a)に示すように断熱材11を貫通させて保持した雄螺子棒状材51eの突出部分(外側突出部分)に、垂木12、横桟ジョイント15を取り付け、前記垂木12に外装材13を取り付けた構成である。また、前記雄螺子棒状材51eは、その先端付近が拡径し、その先端面には雌ネジが切られた特殊ボルトであって、この特殊ボルトの雌ネジには、先端がコンクリート打設空間40内に位置する雄螺子棒状材52eが接続され、該雄螺子棒状材52eの先端には、高ナット53eが取り付けられている。
なお、図中、符号16は、前記特殊ボルトの先端の拡幅部分が嵌め付けられるスペーサであり、符号54eは、コンクリート打設空間40内に位置する雄螺子棒状材52e及び高ナット53eを包囲するカバー材である。前記スペーサ16は、前述のように前記規制部511と同様に断熱材11が内側にずれないための位置規制の役割も果たす。
すなわちこの実施例における一方側の間隔保持部材5Eは、型枠兼用パネル1E内に位置する部分(特殊ボルトである雄螺子棒状材51e)とコンクリートに埋設される部分(雄螺子棒状材52e及び高ナット53e)とからなる構成である。また、前記カバー材54eは、他方側にナット53eを収容可能な受部を備える。
なお、前記特殊ボルトを用いる代わりに雄螺子棒状材を高ナット(長ナット)に組み合わせて用いてもよく、この場合には2本の雄螺子棒状材と2個の高ナットにて一方側の間隔保持部材5Eが形成されるものとなる。また、コンクリートに埋設される雄螺子棒状材52e及び高ナット53eを取り外した状態で搬送など取り扱うことにより、型枠兼用パネル1Eに出っ張りなどがなく、積み重ねた状態で搬送や保管を行うことができる。
また、この実施例における他方側に配する型枠2は、締め付け具7の取り外しと同時に図8(b)に示す他方側の間隔保持部材6E(雄螺子棒状材61e)の抜き出しを行うことができ、作業性の向上、並びに部材数が減少することでの管理面の容易さを見込める。すなわちこの実施例における他方側の間隔保持部材6Eは、一方側の先端が前記高ナット53eに螺合して接続される雄螺子棒状材61eからなり、この雄螺子棒状材61eのコンクリート打設空間40に位置する部分611は直管状のパイプ材である筒状部材62eで包囲されている。そして、雄螺子棒状材61eは、型枠2の外側に配されたフォームタイの棒状部材612と連結されている。そのため、締め付け具7の取り外しと同時に雄螺子棒状材61eの取り外しを行える。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Eにより、コンクリート壁を施工する手順を図7(a),(b)及び図8(a)にて説明する。
まず、図7(a)に示すように型枠兼用パネル1Eを配し、コンクリート打設空間40内に、雄螺子棒状材52e及び高ナット53eが突出するように取り付け配設する。
次に、図7(b)に示すように高ナット53eの他方側に、他方側の間隔保持部材6E(雄螺子棒状材61e)の一方側の先端を螺合して接続し、締め付け具7にて締め付けて型枠2を所定位置に固定してコンクリート打設空間40を形成する。
この状態で図8(a)に示すようにコンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、このコンクリート4が硬化した後、締め付け具7の取り外しと連続的に型枠2の取り外し、続いて図8(b)に示す他方側の間隔保持部材5Eである雄螺子棒状材61eの抜き出しを行うことができ、図6に示すコンクリート壁が施工される。そのため、作業性の向上、並びに部材数が減少することでの管理面の容易さを見込むことができる。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Eも、前記実施例における型枠用間隔保持部材3A,3B,3C,3Dと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Eが型枠兼用パネル1Eを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6E(61e)を抜き出して他方側の型枠2や締め付け具7と共に繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Eに、膨出部として高ナット53eを取り付けているため、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部53eに隣接するカバー材54eや筒状部材62eよりも大径であるため、例えば火災等に際してカバー材54eや筒状部材62eが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部53eがこれらの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
さらに、この実施例では、直管状のパイプ材(筒材)である筒状部材62eとしては、例えば樹脂製パイプ材のような廉価品を選択、使用できるため、製造コストが低く、実用的価値が極めて高い。
図9における型枠用間隔保持部材3Fは、一方側の間隔保持部材5Fが型枠兼用パネル1Fに保持された雄螺子棒状材51f及び高ナット52fに、雄螺子棒状材53f及び異径ナット54fを螺合させて接続している構成であり、前記異径ナット54fに他方側の間隔保持部材6Fである雄螺子棒状材61fを螺合して接続している構成である。そして、前記異径ナット54fの小径部分及び雄螺子棒状材61fは、筒状部材62fにて包囲されている。
なお、この実施例における型枠兼用パネル1Fは、断熱材11を貫通させて保持した前記一方側の間隔保持部材5F(雄螺子棒状材51f)の突出部分に、調整金具17を介して垂木12を取り付け、該垂木12に外装材13を取り付けた構成である。前記高ナット52fは、前述のように前記規制部511と同様に断熱材11が内側にずれないための位置規制の役割も果たす。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3fは、一方側の間隔保持部材5Fを分離させて配設する点では、前記図6の実施例と同様であり、それ以外は、前記図1及び図2の実施例と同様な手順にてコンクリート壁の施工に利用することができる。
まず、コンクリートに埋設される雄螺子棒状材53f及び異径ナット54fを取り外した状態で型枠兼用パネル1Fを積み重ねた状態で搬送し、所定位置に型枠兼用パネル1Fを立設した後、雄螺子棒状材53f及び異径ナット54fを取り付け配設する。
次に、前記異径ナット54fの他方側に、他方側の間隔保持部材6F(雄螺子棒状材61f)の一方側の先端を螺合して接続し、図示しない締め付け具にて締め付けて型枠2を所定位置に固定してコンクリート打設空間40を形成する。
この状態で図9(a)に示すようにコンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記他方側の間隔保持部材6Fである雄螺子棒状材61fを抜き出し、他方側の型枠2及びコーン状の保持部材20を取り外して図9(b)に示すコンクリート壁を得た。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Fも、前記実施例における型枠用間隔保持部材3A,3B,3C,3D,3Eと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Fが型枠兼用パネル1Fを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6F(61f)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
また、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Fに、膨出部として異径ナット54fの大径部分を備えているので、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部は、隣接する筒状部材62fよりも大径であるため、例えば火災等に際して筒状部材62fが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部がこの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
さらに、この実施例では、直管状のパイプ材(筒材)である筒状部材62fとしては、例えば樹脂製パイプ材のような廉価品を選択、使用できるため、製造コストが低く、実用的価値が極めて高い。
図10における型枠用間隔保持部材3Gは、一方側の間隔保持部材5Gが型枠兼用パネル1Gに保持された雄螺子棒状材51g及び高ナット52gに、雄螺子棒状材53g及び高ナット54gを螺合させて接続している構成であり、前記高ナット54gに他方側の間隔保持部材6Gである雄螺子棒状材61gを螺合して接続している構成である。そして、前記雄螺子棒状材53g、高ナット54g、及び雄螺子棒状材61gは、カバー材56g,57g、及び筒状部材62gにて包囲されている。
なお、この実施例における型枠兼用パネル1Gは、前記図6の実施例と同様に断熱材11を貫通させて保持した一方側の間隔保持部材5G(雄螺子棒状材51g)の突出部分に、垂木12、横桟ジョイント15を取り付け、前記垂木12に外装材13を取り付けた構成である。前記高ナット52gは、前述のように前記規制部511と同様に断熱材11が内側にずれないための位置規制の役割も果たす。
このような構成を有する型枠用間隔保持部材3Gは、一方側の間隔保持部材5Gを分離させて配設する点では、前記図6の実施例と同様であり、それ以外は、前記図1及び図2の実施例と同様な手順にてコンクリート壁の施工に利用することができる。
まず、コンクリートに埋設される雄螺子棒状材53g及び高ナット54gを取り外した状態で型枠兼用パネル1Gを積み重ねた状態で搬送し、所定位置に型枠兼用パネル1Gを立設した後、雄螺子棒状材53g及び高ナット54gを取り付け配設する。
次に、前記高ナット54gの他方側に、他方側の間隔保持部材6G(雄螺子棒状材61g)の一方側の先端を螺合して接続し、雄螺子棒状材61gの他方端は、フォームタイと螺合して接続し、締め付け具7にて締め付けて型枠2を所定位置に固定してコンクリート打設空間40を形成する。
この状態で図10(a)に示すようにコンクリート打設空間40にコンクリート4を打設し、その硬化後に前記締め付け具7を取り外し、他方側の型枠2を取り外した後、雄螺子棒状材61gを抜き出し、図10(b)に示すコンクリート壁を得た。
この実施例における型枠用間隔保持部材3Gも、前記実施例における型枠用間隔保持部材3A,3B,3C,3D,3E,3Fと同様の効果を奏するものであり、一方側の間隔保持部材5Gが型枠兼用パネル1Gを保持することができ、墨出しを行う必要もなく、作業性が優れ、他方側に配された間隔保持部材6G(61g)を抜き出して繰り返し利用することができ、部材が無駄にならず、断熱性能が損なわれることもない。
さらに、図示実施例では、一方側に配される間隔保持部材5Gに、膨出部として高ナット54gを備えているので、不慮の脱離(抜け落ち)を防止することができ、特にこの膨出部54gに隣接するカバー材56gや筒状部材62gよりも大径であるため、例えば火災等に際してカバー材56gや筒状部材62gが実質的に消失(溶融、焼失)して空間が形成されたとしても、膨出部54gがこれらの空間よりも大きいために抜け落ちが防止される。
本発明の一実施例である型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図である。 図1に用いられた型枠用間隔保持部材から他方側の型枠を取り外して施工されたコンクリート壁を示す断面図である。 (a)他の一実施例である型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の型枠を取り外した状態を示す断面図である。 (a)他の一実施例である型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の型枠を取り外した状態を示す断面図である。 (a)他の一実施例である型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の型枠を取り外した状態を示す断面図である。 他の一実施例である型枠用間隔保持部材を用いて施工したコンクリート壁を示す断面図である。 (a)図6の型枠用間隔保持部材を構成する一方側の間隔保持部材を取り付けた状態を示す断面図、(b)他方側の間隔保持部材を接続した状態を示す断面図である。 (a)図6の型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の間隔保持部材として用いた特殊ボルトを示す側面図、(c)その一方側から見た正面図、(d)その他方側から見た正面図である。 (a)他の一実施例である型枠用間隔保持部材を用いた施工方法において、コンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の間隔保持部材を抜き出し、他方側の型枠を取り外した状態を示す断面図である。 (a)他の一実施例である型枠用間隔保持部材を用いた施工方法において、コンクリートを打設した状態を示す断面図、(b)他方側の間隔保持部材を抜き出し、他方側の型枠を取り外した状態を示す断面図である。
符号の説明
1A〜1G 型枠兼用パネル(一方側の型枠)
11 断熱材
12 垂木
13 外装材
2 (他方側の)型枠
3A〜3G 型枠用間隔保持部材
4 コンクリート
40 コンクリート打設空間
5A〜5G 一方側の間隔保持部材
6A〜6G 他方側の間隔保持部材

Claims (8)

  1. 一方側及び他方側の型枠間の間隔を保持してコンクリート壁を施工するための型枠用間隔保持部材であって、
    コンクリート打設空間内で分離可能であって、螺合手段で接続される複数の間隔保持部材にて構成され、
    一方側に配される間隔保持部材は、少なくとも棒状部材を備え、一方側の端部が型枠兼用パネルに保持され、
    他方側に配される間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する部分が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に抜き取り可能であることを特徴とするコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  2. 一方側に配される間隔保持部材は、型枠兼用パネル内に位置する部分とコンクリートに埋設される部分との2部材からなることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  3. 一方側に配される間隔保持部材は、他方側に棒状部材より大径又は広幅な膨出部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  4. 一方側に配される間隔保持部材は、一方側の型枠内面側に当接又は埋設する規制部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  5. 一方側に配される間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する部分がカバー材で包囲されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  6. 他方側に配される間隔保持部材は、コンクリート内に位置する部分と他方側の型枠の外側に位置する部分との1部材からなることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のコンクリート壁の型枠用間隔保持部材。
  7. 一方側及び他方側の型枠間に請求項1〜6の何れか一項に記載の型枠用間隔保持部材を配して施工したコンクリート壁の施工構造であって、
    前記型枠間に、前記型枠用間隔保持部材を配してコンクリートを打設し、該コンクリートの硬化後に他方側に配された間隔保持部材を抜き出したことを特徴とするコンクリート壁の施工構造。
  8. 一方側及び他方側の型枠間に請求項1〜6の何れか一項に記載の型枠用間隔保持部材を取り付けてコンクリート壁を施工するコンクリート壁の施工方法であって、
    前記型枠間に前記型枠用間隔保持部材を取り付ける工程と、コンクリートを打設する工程と、コンクリートの硬化後に、他方側に配された間隔保持部材を抜き出す工程と、からなることを特徴とするコンクリート壁の施工方法。
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