JP5959775B1 - セパレーターによる熱橋の除去工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレーターによる熱橋をより効果的に除去する。【解決手段】セパレーター主軸11を、断熱材支持具22を通じてセパレーター主軸12と取り外し可能に接続する。セパレーター主軸11は、コンクリート層52及び断熱材41の両方を貫通して断熱材支持具22と連結させる。コンクリート打設後、セパレーター主軸11をコンクリート層52から引き抜く。【選択図】図6
Description
本発明は、セパレーターによる熱橋の除去工法に関する。
断熱材を挟んでその両側に外壁用のコンクリートを打設する際に、型枠と断熱材との間にコンクリート打設用の空間を形成するためのセパレーター構造が用いられることがある。このセパレーター構造に用いられるセパレーター軸は金属製であることが多い。このため、外壁完成後にコンクリート内に残存したセパレーター構造が、外壁の外側と内側との間で熱伝導を引き起こす熱橋となるおそれがある。特許文献1の技術によると、コンクリートの打設後にセパレーター軸の一部を除去することで、セパレーター構造が熱橋となるのを抑制している。
空調等のエネルギー消費の抑制や寒冷地における断熱性の向上の観点から、より効果的な熱橋除去への要望が高まっている。
本発明の目的は、セパレーターによる熱橋をより効果的に除去可能なセパレーターによる熱橋の除去工法を提供することにある。
特許文献1の構造では、外壁の施工後、断熱材を跨いで両側のコンクリートを繋ぐようにセパレーター軸が外壁内に残存することになる。したがって、外壁内に残存するセパレーター軸が一方側のコンクリートから断熱材を跨いで他方側のコンクリートへと熱伝導させるのを十分に抑制できない。
そこで、本発明のセパレーターによる熱橋の除去工法に用いられるセパレーター構造は、断熱材を挟んでその両側に外壁用のコンクリートを打設する際に用いられるセパレーター構造であって、前記断熱材の両側のうちの一方側に前記外壁用のコンクリートを打設するために設置される第1のセパレーター軸と、前記断熱材の両側のうちの他方側に前記外壁用のコンクリートを打設するために設置され、前記断熱材を貫通して前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続する第2のセパレーター軸と、前記第2のセパレーター軸とコンクリートとの間に配置され、前記第2のセパレーター軸とコンクリートとを隔てることで前記第2のセパレーター軸とコンクリートとが互いに固着するのを抑制する筒部材とを備えている。
本発明のセパレーターによる熱橋の除去工法に用いられるセパレーター構造によると、断熱材の両側のうちの他方側にコンクリートを打設するための第2のセパレーター軸が、断熱材を貫通しつつ第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続する。したがって、外壁用のコンクリートの他方側を打設後に第2のセパレーター軸を第1のセパレーター軸から取り外し、コンクリートから引き抜くことで、セパレーター構造が断熱材を跨いで両側のコンクリートを繋ぐ熱橋となることを防ぐことができる。よって、特許文献1と比べて効果的にセパレーターによる熱橋を除去することが可能である。
また、本発明においては、前記第2のセパレーター軸に第1の螺子部が形成されており、前記断熱材の両側のそれぞれにおいて前記外壁用のコンクリート内に設置される、前記第1の螺子部と噛み合う第2の螺子部をさらに備えているが好ましい。これによると、第2のセパレーター軸を取り外し可能に第2の螺子部に取り付けることができる。また、第2の螺子部が断熱材の両側のそれぞれに設けられている。したがって、第2のセパレーター軸をコンクリートから引き抜く際に、断熱材の一方側に設置された第2の螺子部から第2のセパレーター軸が離れても、断熱材の他方側に設置された第2の螺子部と第1の螺子部とが噛み合った状態を取ることができる。よって、第2のセパレーター軸を回転させつつ着実に引き抜いていくことができる。
また、本発明においては、前記筒部材が弾性材料から構成されていることが好ましい。これによると、弾性部材から構成された筒部材が押し潰されるようにコンクリートの荷重を受ける。したがって、筒部材が第1の螺子部を挟み込むように支持することになる。よって、第2のセパレーター軸を回転させつつ着実に引き抜いていくことができる。
また、本発明においては、前記断熱材の両側の前記外壁用のコンクリートと前記断熱材とを支持する支持部材をさらに備えていることが好ましい。これによると、第2のセパレーター軸をコンクリートから引き抜いても、断熱材と両側のコンクリートとを支持部材に支持させることができる。
また、本発明においては、前記支持部材が、金属部材の表面に断熱効果を有する塗料が塗布された部材であることが好ましい。これによると、支持部材が熱伝導体となることを抑制できる。
本発明のセパレーターによる熱橋の除去工法は、断熱材を挟んでその両側に外壁用のコンクリートを打設する際に上記セパレーター構造を使用するに当たって、セパレーターによる熱橋を除去する工法であって、前記第2のセパレーター軸より短い第3のセパレーター軸を、前記断熱材を貫通させて前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続すると共に、第1の板部材を、前記第1のセパレーター軸とは反対側から前記断熱材を支持するように前記第3のセパレーター軸に取り付ける工程と、前記断熱材との間に間隙を形成するように前記第1のセパレーター軸に取り付けられた第2の板部材と前記断熱材との間に前記外壁用のコンクリートのうちの一方側を打設する第1の打設工程と、前記第1の板部材を前記第3のセパレーター軸から取り外すと共に、前記第3のセパレーター軸を前記第1のセパレーター軸から取り外す工程と、前記第2のセパレーター軸を、前記断熱材を貫通させて前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続すると共に、第3の板部材を、前記断熱材との間に間隙を形成するように前記第2のセパレーター軸に取り付ける工程と、前記外壁用のコンクリートのうちの他方側を前記第3の板部材と前記断熱材との間に打設する第2の打設工程と、前記第3の板部材を前記第2のセパレーター軸から取り外すと共に、前記第2のセパレーター軸を前記第1のセパレーター軸から取り外す工程とを備えている。これによると、コンクリートの打設後に第2のセパレーター軸を第1のセパレーター軸から取り外し、コンクリートから引き抜くことで、セパレーター構造が断熱材を跨いで両側のコンクリートを繋ぐ熱橋となることを防ぐことができる。また、第1の打設工程においては、第3のセパレーター軸に取り付けられた第1の板部材によって断熱材を支持しつつ断熱材と第2の板部材との間にコンクリートを打設する。したがって、コンクリートの荷重による圧力は第1の板部材と第2の板部材とによって支持される。また、第2の打設工程においては、第2のセパレーター軸に取り付けられた第3の板部材と断熱材との間にコンクリートを打設する。断熱材は、第1の打設工程において打設済みのコンクリートによって支持されている。したがって、コンクリートの荷重による圧力は、打設済みのコンクリートと断熱材とによって支持される。このように、コンクリートの打設を2段階に分けると共に、第3のセパレーター軸と第2のセパレーター軸とを取り換えて使用することで、コンクリートの荷重による圧力を支持する構造を各段階で適切に構築することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るセパレーター構造について図1を参照しつつ説明する。図1(a)に示すセパレーター構造1は、断熱材を挟んでその両側に外壁用のコンクリートを打設する際に用いられる。セパレーター構造1は、セパレーター主軸11及びセパレーター主軸12、チューブ21(筒部材)、2つの断熱材支持具22、コーン31及び32、並びに、2本の型枠取付軸33を含んでいる。これらの部材は、使用時、各部材の中心軸が図1(a)のA−A線に沿うように一列に配置される。
セパレーター主軸11及び12は、円柱状の棒部材であり、いずれも金属製である。セパレーター主軸11には雄螺子部11a(第1の螺子部)が形成されている。雄螺子部11aの形成範囲は、セパレーター主軸11の右端部から左端部に向かってセパレーター主軸11の途中まで延びている。セパレーター主軸12には雄螺子部12a及び12bが形成されている。雄螺子部12aはセパレーター主軸12の左端部に、雄螺子部12bはセパレーター主軸12の右端部に形成されている。雄螺子部12aの形成範囲及び雄螺子部12bの形成範囲は、A−A線に沿った方向に関して互いに同じ長さを有している。雄螺子部12a及び雄螺子部12bの各形成範囲は雄螺子部11aの形成範囲より短い。
コーン31及び32は円錐台形状を有する部材である。コーン31及び32のそれぞれには型枠取付軸33の端部が固定されている。型枠取付軸33におけるコーン31又は32と固定された端部とは反対側の端部には雄螺子部33aが形成されている。コーン31の右端部にはセパレーター主軸11の左端部が固定されている。コーン32にはA−A線に沿った穴が形成されている。この穴はコーン32の左端に開口している。穴内には雌螺子部32aが形成されている。コーン32の穴には左方からセパレーター主軸12の右端部が差し込まれると共に、雄螺子部12bと雌螺子部32aとが噛み合わされる。なお、コーン32を通じて互いに接続されたセパレーター主軸12及び型枠取付軸33が本発明における第1のセパレーター軸に対応する。また、コーン31を通じて互いに接続されたセパレーター主軸11及び型枠取付軸33が本発明における第2のセパレーター軸に対応する。
チューブ21は、合成樹脂等の弾性材料からなる円筒状の部材(筒部材)である。断熱材支持具22は、円盤部22aと、円盤部22aより径の大きい円盤部22bと、円盤部22a及び22b同士をA−A線に沿った方向に繋ぐ円筒部22cとからなる。円盤部22a及び22b並びに円筒部22cの内部には、A−A線に沿った方向にこれらを貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔内には雌螺子部22d(第2の螺子部)が形成されている。断熱材支持具は2つ設けられ、後述の通り、円盤部22bが断熱材を挟んで互いに向かい合うように配置される。
セパレーター主軸11の右端部は、チューブ21を貫通して1つ目の断熱材支持具22(図4中上側の断熱材支持具22)の貫通孔に左方から差し込まれる。セパレーター主軸11の雄螺子部11aは、1つ目の断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合わされる。セパレーター主軸11の右端部は、さらに、1つ目の断熱材支持具22の貫通孔を貫通すると共に、2つ目の断熱材支持具22(図4中下側の断熱材支持具22)の貫通孔に左方から差し込まれる。そして、セパレーター主軸11の雄螺子部11aは、2つ目の断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合わされる。
また、本実施形態に係る後述のコンクリートの打設方法において、図1(b)に示す型枠取付軸13(第3のセパレーター軸)及び図1(c)に示す支持部材15が用いられる。型枠取付軸13は、両端に雄螺子部13a及び13bが形成された円柱状の金属製の棒部材である。型枠取付軸13はセパレーター主軸11より短い。支持部材15は、鉄筋等の金属製の棒部材がコの字型に折り曲げられて構成されている。支持部材15の表面には断熱効果を有する塗料が塗布されている。例えば、日進産業社製の塗料であるガイナ(登録商標)等が用いられてよい。
以下、セパレーター構造1を用いて断熱材の両側にコンクリートを打設する方法(セパレーターによる熱橋の除去工法)について、図2〜図7を参照しつつ説明する。
まず、貫通孔41aが形成された断熱材41と貫通孔42aが形成された合板42(第1の板部材)とを、図2に示すように、貫通孔41a及び42aが水平方向に沿って並ぶように重ね合わせて配置する。次に、断熱材41の表面に形成された貫通孔41aの開口と重なるように断熱材支持具22を配置する。次に、型枠取付軸13に貫通孔41a及び42aの両方を貫通させる。そして、型枠取付軸13の雄螺子部13bを断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合わせることで型枠取付軸13を断熱材支持具22と連結させる。次に、セパレーター主軸12の雄螺子部12aを断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合わせることでセパレーター主軸12を断熱材支持具22と連結させる。これによって、セパレーター主軸12と型枠取付軸13とが断熱材支持具22を通じ、取り外し可能に互いに接続される。そして、断熱材41を左方から支持するように合板42が型枠取付軸13に取り付けられた状態となる。なお、型枠取付軸13に貫通孔41aを貫通させ、型枠取付軸13とセパレーター主軸12とを接続してから、型枠取付軸13に合板42を取り付けてもよい。
次に、コーン32の雌螺子部32aをセパレーター主軸12の雄螺子部12bと噛み合わせることでコーン32をセパレーター主軸12と連結させる。次に、図3(a)に示すように、断熱材41と重なった合板42の表面に沿って複数本の単管パイプ43を縦横に組み合わせると共に、パイプ固定具44を使用して単管パイプ43を合板42に固定する。パイプ固定具44の先端部44aには雌螺子部が形成されている。この雌螺子部を型枠取付軸13の雄螺子部13aと噛み合わせると共に、反対側からナット45を締め付けることで、パイプ固定具44の頭部44bと合板42との間に単管パイプ43を固定する。これによって、断熱材41の図中左側に型枠2Lが構築される。断熱材41の図中右側にもこれと同様に型枠2Rを構築する。このとき、合板42を断熱材41との間に間隙が形成されるように型枠取付軸33に取り付ける。また、型枠2Rにおいて、パイプ固定具44の先端部44aに形成された雌螺子部は型枠取付軸33の雄螺子部33aと噛み合わされる。型枠2Rの合板42は、本発明における第2の板部材に対応する。
以上のように、図3(a)に示すセパレーター構造1’並びに型枠2L及び2Rが構築される。このセパレーター構造1’は、水平方向及び鉛直方向のそれぞれに関して等間隔に配列されるように複数個所に設置される。これらのセパレーター構造1’によって、断熱材41と右側の合板42との間に、コンクリートを打設するための間隙が確保される。
図3(a)に示す場所とは別の場所には、支持部材15が、図3(b)に示すように設置される。支持部材15は、重なり合った断熱材41及び合板42の両方を貫通するように配置される。この状態において、支持部材15の左端部は、断熱材41と重なった合板42より左方において下方へと湾曲している。支持部材15の右端部は、断熱材41と右側の合板42との間において下方へと湾曲している。支持部材15も、水平方向及び鉛直方向のそれぞれに関して等間隔に配列されるように複数個所に設置される。なお、鉛直方向や水平方向に複数枚のパネルを並べることで断熱材41が形成される場合には、パネル同士の継ぎ目の位置に支持部材15が配置されてもよい。この場合、隣り合うパネル同士の間に挟み込むように支持部材15を設置すればよい。
次に、図3(a)に示す断熱材41と右側の合板42との間に形成された間隙にコンクリートを打設する(第1の打設工程)。打設されたコンクリートが凝固すると、断熱材41と右側の合板42との間に図4に示すコンクリート層51が形成される。次に、型枠2Lを断熱材41から一旦取り外すと共に、図4に示すように、型枠取付軸13を断熱材支持具22から取り外す。次に、断熱材支持具22を断熱材41の図中左側に配置する。このとき、断熱材41の両側の断熱材支持具22における円盤部22b同士が互いの間に断熱材41を挟んで向かい合うように、断熱材支持具22を配置する。そして、セパレーター主軸11の右端部を、チューブ21を貫通させて断熱材支持具22の貫通孔に差し込む。雄螺子部11aと雌螺子部22dとを噛み合わせつつ、セパレーター主軸11の右端部に断熱材支持具22の貫通孔を貫通させると共に、断熱材41の右側の断熱材支持具22まで到達させる。雄螺子部11aを、断熱材41の右側の断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合わせることで、セパレーター主軸11をこの断熱材支持具22と連結する。これによって、図5に示すように、セパレーター主軸11とセパレーター主軸12とが断熱材支持具22を通じ、取り外し可能に互いに接続される。
次に、図5に示すように、コーン31の左側に再び型枠2Lを構築する。このとき、合板42(第3の板部材)が型枠取付軸33に取り付けられる。そして、パイプ固定具44の先端部44aに形成された雌螺子部は、貫通孔42aを貫通した型枠取付軸33の雄螺子部33aと噛み合わされる。以上により、図5に示すセパレーター構造1並びに型枠2L及び2Rが構築される。このセパレーター構造1は、水平方向及び鉛直方向のそれぞれに関して等間隔に配列されるように複数個所に設置される。これらのセパレーター構造1によって、断熱材41と左側の合板42との間に、コンクリートを打設するための間隙が確保される。
次に、図5に示す断熱材41と左側の合板42との間に形成された間隙にコンクリートを打設する(第2の打設工程)。打設されたコンクリートが凝固すると、断熱材41と右側の合板42との間に図6に示すコンクリート層52が形成される。次に、型枠2Lをコンクリート層52から取り外す。そして、図6に示すように、セパレーター主軸11をコーン31ごとコンクリート層52から引き抜く。このとき、セパレーター主軸11は、その先端が左側の断熱材支持具22から離れるまで、雄螺子部11aが左側の断熱材支持具22の雌螺子部22dと噛み合っている。したがって、セパレーター主軸11を回転させつつコンクリート層52から着実に引き抜いていくことができる。また、弾性部材であるチューブ21が周囲のコンクリート層52によって押し潰されるように変形している。これによって、チューブ21がセパレーター主軸11の雄螺子部11aを挟み込むように支持している。したがって、セパレーター主軸11を回転させつつコンクリート層52から着実に引き抜いていくことができる。
次に、コンクリート層51から型枠2Rを取り外すと共に、コーン32をコンクリート層51から取り外す。これによって、断熱材41並びにその両側のコンクリート層51及び52が図7(a)及び図7(b)に示す状態になる。セパレーター構造が設けられた位置には、取り外されたコーン31又は32の形状の穴がコンクリート層51及び52の表面に残る。この穴は、モルタルを充てんすることで埋められる。また、支持部材15が設置された位置においては、支持部材15の両端部がコンクリート層51及び52内に埋め込まれた状態で固定される。これによって、コンクリート層51及び52並びに断熱材41が互いに対して固定される。
本実施形態に係るセパレーター構造1及びこれを使用したコンクリートの打設方法は、コンクリート層52を構築するために設置されるセパレーター主軸11が断熱材41を貫通しつつ、断熱材支持具22を通じてセパレーター主軸12と取り外し可能に接続する構成を採用している。したがって、コンクリート層52の構築後にセパレーター主軸11をコンクリート層52から引き抜くことで、セパレーター構造が断熱材41を跨いでコンクリート層51とコンクリート層52とを繋ぐ熱橋となることを防ぐことができる。
また、本実施形態のコンクリートの打設方法によると、1回目のコンクリート打設においては、図3(a)に示すように、型枠取付軸13に取り付けられた合板42を含む型枠2Lによって断熱材41を支持しつつ、断熱材41と型枠2Rの合板42との間にコンクリートを打設する。したがって、コンクリートの荷重による圧力は型枠2Lと型枠2Rとによって支持される。また、2回目のコンクリート打設においては、図5に示すように、セパレーター主軸11の左側に再度構築された型枠2Lの合板42と断熱材41との間にコンクリートを打設する。このとき、断熱材41は、1回目の打設によって打設済みのコンクリート(コンクリート層51)によって右側から支持されている。したがって、2回目の打設におけるコンクリートの荷重による圧力は、打設済みのコンクリート(コンクリート層51)と型枠2Lとによって支持される。このように、コンクリートの打設を2段階に分けると共に、型枠取付軸13とセパレーター主軸11とを取り換えて使用することで、コンクリートの荷重による圧力を支持する構造を各段階で適切に構築することができる。なお、2回目の打設では、上記の通り、打設済みのコンクリート(コンクリート層51)と型枠2Lとによってコンクリートの荷重が支持される。このため、2回目の打設において型枠2Rが外されていてもよい。例えば、図4に示す段階において型枠2Rを取り外してもよい。この場合、図5及び図6において、型枠2Rが外された状態で各工程が進行する。
(変形例)
以下、上述の実施形態の変形例について説明する。例えば、上述の実施形態では、雄螺子部11aと雌螺子部22dとが噛み合うことでセパレーター主軸11と断熱材支持具22とが連結している。しかし、螺子部による連結以外の連結方法が適宜用いられてもよい。また、上述の実施形態では、チューブ21が弾性材料から構成されている。しかし、弾性材料以外、例えば金属材料等の硬質の材料から構成されていてもよい。また、上述の実施形態では、断熱材41並びにコンクリート層51及び52を支持する支持部材15が設けられている。しかし、支持部材15を設けなくても断熱材41並びにコンクリート層51及び52が互いに十分に支持される場合には、支持部材15を設けなくてもよい。なお、支持部材15は、セパレーター構造1と比べ、形状や材質、構造を比較的自由に調整可能である。また、外壁全体に用いる支持部材15の本数も適宜調整され得る。したがって、支持部材15が熱橋となるおそれは、支持部材15の形状や材質、構造、設置本数等を適宜調整することで、セパレーター構造1と比べて抑制しやすい。
以下、上述の実施形態の変形例について説明する。例えば、上述の実施形態では、雄螺子部11aと雌螺子部22dとが噛み合うことでセパレーター主軸11と断熱材支持具22とが連結している。しかし、螺子部による連結以外の連結方法が適宜用いられてもよい。また、上述の実施形態では、チューブ21が弾性材料から構成されている。しかし、弾性材料以外、例えば金属材料等の硬質の材料から構成されていてもよい。また、上述の実施形態では、断熱材41並びにコンクリート層51及び52を支持する支持部材15が設けられている。しかし、支持部材15を設けなくても断熱材41並びにコンクリート層51及び52が互いに十分に支持される場合には、支持部材15を設けなくてもよい。なお、支持部材15は、セパレーター構造1と比べ、形状や材質、構造を比較的自由に調整可能である。また、外壁全体に用いる支持部材15の本数も適宜調整され得る。したがって、支持部材15が熱橋となるおそれは、支持部材15の形状や材質、構造、設置本数等を適宜調整することで、セパレーター構造1と比べて抑制しやすい。
1 セパレーター構造、11a 雄螺子部、12 セパレーター主軸、12a 雄螺子部、12b 雄螺子部、13 型枠取付軸、13a 雄螺子部、13b 雄螺子部、15 支持部材、21 チューブ、22 断熱材支持具、22d 雌螺子部、33 型枠取付軸、33a 雄螺子部、41 断熱材、42 合板、51 コンクリート層、52 コンクリート層
Claims (5)
- 断熱材を挟んでその両側に外壁用のコンクリートを打設する際にセパレーター構造を使用するに当たって、セパレーターによる熱橋を除去する工法であって、
前記セパレーター構造が、
前記断熱材の両側のうちの一方側に前記外壁用のコンクリートを打設するために設置される第1のセパレーター軸と、
前記断熱材の両側のうちの他方側に前記外壁用のコンクリートを打設するために設置され、前記断熱材を貫通して前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続する第2のセパレーター軸と、
前記第2のセパレーター軸とコンクリートとの間に配置され、前記第2のセパレーター軸とコンクリートとを隔てることで前記第2のセパレーター軸とコンクリートとが互いに固着するのを抑制する筒部材とを備えており、
前記工法として、
前記第2のセパレーター軸より短い第3のセパレーター軸を、前記断熱材を貫通させて前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続すると共に、第1の板部材を、前記第1のセパレーター軸とは反対側から前記断熱材を支持するように前記第3のセパレーター軸に取り付ける工程と、
前記断熱材との間に間隙を形成するように前記第1のセパレーター軸に取り付けられた第2の板部材と前記断熱材との間に前記外壁用のコンクリートのうちの一方側を打設する第1の打設工程と、
前記第1の板部材を前記第3のセパレーター軸から取り外すと共に、前記第3のセパレーター軸を前記第1のセパレーター軸から取り外す工程と、
前記第2のセパレーター軸を、前記断熱材を貫通させて前記第1のセパレーター軸と取り外し可能に接続すると共に、第3の板部材を、前記断熱材との間に間隙を形成するように前記第2のセパレーター軸に取り付ける工程と、
前記外壁用のコンクリートのうちの他方側を前記第3の板部材と前記断熱材との間に打設する第2の打設工程と、
前記第3の板部材を前記第2のセパレーター軸から取り外すと共に、前記第2のセパレーター軸を前記第1のセパレーター軸から取り外す工程とを備えていることを特徴とするセパレーターによる熱橋の除去工法。 - 前記第2のセパレーター軸に第1の螺子部が形成されており、
前記断熱材の両側のそれぞれにおいて前記外壁用のコンクリート内に設置される、前記第1の螺子部と噛み合う第2の螺子部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のセパレーターによる熱橋の除去工法。 - 前記筒部材が弾性材料から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセパレーターによる熱橋の除去工法。
- 前記断熱材の両側の前記外壁用のコンクリートと前記断熱材とを支持する支持部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセパレーターによる熱橋の除去工法。
- 前記支持部材が、金属部材の表面に断熱効果を有する塗料が塗布された部材であることを特徴とする請求項4に記載のセパレーターによる熱橋の除去工法。
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JP2016008584A JP5959775B1 (ja) | 2016-01-20 | 2016-01-20 | セパレーターによる熱橋の除去工法 |
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CN108612218A (zh) * | 2018-04-13 | 2018-10-02 | 山东金富地新型建材科技股份有限公司 | 一种分体夹心保温墙体组合式连接件 |
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2016
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