JP2010122858A - 半導体回路及び信号伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】PCIエキスプレスに準拠するリンク伝送路に接続されたPHY回路を備え、L1ステートにおいて従来技術に比較して消費電力を大幅に削減できる半導体回路を提供する。
【解決手段】
クロックコントローラ53は、L0ステートにおいて基準クロック信号発生回路3からの基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力する一方、L1ステートにおいて発振回路54からのクロック信号CL2をPHY回路52に出力するようにスイッチSWを制御するとともに基準クロック信号発生回路3の動作を停止する。また、リンクコントローラ51は、L1ステートにおいてPLL回路55の動作を停止する。PHY回路52は、L1ステートにおいて、クロック信号CL2を用いてルートコンプレックスデバイス2からのデータパケットを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PCIエキスプレス(PCI Express)規格に準拠するリンク伝送路に接続されたPHY回路(PCIエキスプレスの物理層のフィジカルコーディングサブレイヤの信号を伝送するインターフェース回路をいう。)を備えた半導体回路及び当該半導体回路を用いた信号伝送システムに関する。
近年、PCボード上のLSI間の通信、PCボード間の通信及び比較的短いケーブルを介する装置間の通信などの通信において、第3世代のPC用インターフェース規格であるPCIエキスプレスが採用されている(非特許文献1参照。)。図9は、PCIエキスプレスを採用した従来技術に係るPCボード500の構成を示すブロック図である。図9において、PCボード500はCPU501と、CPU501をPCIエキスプレスリンク507に接続するルートコンプレックスデバイス502と、ルートコンプレックスデバイス502にPCIエキスプレスリンク507を介して接続されたエンドポイントデバイス504と、基準クロック信号発生回路506とを備えて構成される。ここで、エンドポイントデバイス504は、グラフィックスカード又はUSBホストコントローラなどの半導体回路である。また、PCIエキスプレスリンク507は、少なくとも1組の片方向の差動伝送路を含むデュアルシンプレックス方式のリンク伝送路である。
図9において、基準クロック信号発生回路506は、例えば100メガヘルツの周波数を有する基準クロック信号REFCLKを発生して、ルートコンプレックスデバイス502のPLL回路503及びエンドポイントデバイス504のPLL回路505に出力する。PLL回路503及び505はそれぞれ、入力される基準クロック信号REFCLKに基づいて2.5ギガヘルツの周波数を有する信号伝送用クロック信号を発生し、発生された信号伝送用クロック信号に従ってデータをデータパケットにパケット化し、PCIエキスプレスリンク507を介して通信相手のデバイスに送信する。
PCIエキスプレスでは、ソフトウェアの補助なしにハードウェアでPCIエキスプレスリンク507のステートを制御して電力管理を行うASPM(Active State Power Management)が用いられる。図10は、従来技術に係るPCIエキスプレスにおけるLTSSM(Link Training and Status State Machine)のステート図である。図10において、L0ステートはPCIエキスプレスリンク507がアクティブである通常の動作状態であって、PCIエキスプレスリンク507を介して制御パケットやデータパケットを送受信できる動作状態である。また、L1ステートにおいてPCIエキスプレスリンク507は電気的なアイドル状態であり、デバイス502,504内のPLL回路503,505の停止が許可されている。ASPMにおいて、L0ステートからL1ステートに遷移したときには、PCIエキスプレスリンク507の復旧を行うためのリカバリステートを経てL0ステートに遷移する。L1ステートにおいてPLL回路506,507の動作を停止する場合には、例えば、PCボード500の消費電力をL0ステートにおける消費電力の10%〜20%程度にできるので、PCボード500を搭載するラップトップのパーソナルコンピュータなどの消費電力を削減できる。
特開2006−338380号公報。 "PCI Express Base Specification Revision 1.1", Peripheral Component Interconnect-Special Interest Group, March 2005. "PHY Interface for the PCI Express Architecture", Version 1.00, Intel, June 2003.
しかしながら、PCIエキスプレスではL1ステートにおいてルートコンプレックスデバイス502及びエンドポイントデバイス504内部の各PLL回路503,505の動作を停止することが許可されているにもかかわらず、実際には、各デバイス502及び504の動作を安定させるために、PLL回路503,505の動作は停止されていないことが多い。具体的には、ルートコンプレックスデバイス502とエンドポイントデバイス504との相性によってはL1ステートからL0ステートに安定して復帰させることができず、その結果、L1ステートにおいてPLL回路503,505の各動作を停止させない場合に比較して、PCIエキスプレスリンク507の初期化に伴って消費電力が増加してしまうことがあった。このため、例えば、特許文献1においては、所定の条件の下ではL0ステートからL1ステートへの遷移を行わないように制御していた。さらに、一般に、基準クロック信号REFCLKは、L1ステートにおいてPCIエキスプレスリンク507の状態を検出するために用いられているので、L1ステートにおいて上記PLL回路503,505の動作を停止させた場合にも、各デバイス502及び504に対する基準クロック信号REFCLKの供給は停止されない。
従って、従来はL1ステートにおいて、エンドポイントデバイス504のPLL回路505の動作を停止させないのみならず、基準クロック信号発生回路506の動作も停止させないので、PCボード500の消費電力を削減できず、ASPMを用いることによる消費電力削減の効果を十分に発揮することができないという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、PCIエキスプレスに準拠するリンク伝送路に接続されたインターフェース回路を備えた入出力機能を有する半導体回路であって、特にL1ステートにおいて従来技術に比較して消費電力を大幅に削減できる半導体回路とそれを用いた信号伝送システムを提供することにある。
第1の発明に係る半導体回路は、PCIエキスプレス規格に準拠し、リンク伝送路がアクティブであるL0ステートと、上記リンク伝送路が電気的なアイドル状態であるL1ステートとを有するリンク伝送路に接続されたインターフェース回路を備え、入出力機能を有する半導体回路において、上記半導体回路の外部に設けられた基準クロック信号発生手段によって発生された基準クロック信号と、上記基準クロック信号とは別のクロック信号とのうちの1つのクロック信号を選択して上記インターフェース回路に出力するスイッチ手段と、上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力し、上記L1ステートにおいて上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御するクロック制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記半導体回路において、上記クロック制御手段は、上記リンク伝送路のステートが上記L0ステートから上記L1ステートに遷移するときに、上記基準クロック信号の上記インターフェース回路への出力を所定の第1の時間期間だけ停止した後に上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御し、上記リンク伝送路のステートが上記L1ステートから上記L0ステートに遷移する前に、上記別のクロック信号の上記インターフェース回路への出力を所定の第2の時間期間だけ停止した後に上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御することを特徴とする。
また、上記半導体回路において、上記インターフェース回路は、上記L1ステートにおいて、上記リンク伝送路から受信されるデータパケットの有無を上記別のクロック信号を用いて検出することを特徴とする。
さらに、上記半導体回路において、上記クロック制御手段は、上記L1ステートにおいて、上記基準クロック信号の発生を停止するように上記基準クロック信号発生手段を制御することを特徴とする。
またさらに、上記半導体回路において、上記別のクロック信号を発生する発振手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記半導体回路において、上記別のクロック信号は、上記半導体回路の外部に設けられた発振手段によって発生されたことを特徴とする。
さらに、上記半導体回路において、上記別のクロック信号の周波数は上記基準クロック信号の周波数と同一であるように設定されたことを特徴とする。
またさらに、上記半導体回路において、上記半導体回路は、上記リンク伝送路のステートを上記L0ステートとL1ステートとの間で遷移させるリンク制御手段をさらに備え、上記インターフェース回路は、上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号に基づいてデータパケットを上記リンク伝送路に対して出力するための信号伝送用クロック信号を発生するPLL回路を備え、上記リンク制御手段は、上記L1ステートにおいて上記PLL回路の動作を停止するように制御することを特徴とする。
また、上記半導体回路において、上記インターフェース回路と上記リンク制御手段とは、PIPE(PHY Interface for the PCI Express Architecture)インターフェース規格に準拠する信号伝送路を介して接続されたことを特徴とする。
さらに、上記半導体回路はエンドポイントデバイスであることを特徴とする。
第2の発明に係る信号伝送システムは、上記半導体回路と、上記リンク伝送路を介して上記半導体回路のインターフェース回路に接続され、上記インターフェース回路とデータパケットを送受信する別の半導体回路と、上記基準クロック信号発生回路とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る半導体回路及び当該半導体回路を用いた信号伝送システムによれば、上記半導体回路の外部に設けられた基準クロック信号発生手段によって発生された基準クロック信号と、上記基準クロック信号とは別のクロック信号とのうちの1つのクロック信号を選択して上記インターフェース回路に出力するスイッチ手段と、上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力し、上記L1ステートにおいて上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御するクロック制御手段とを備えたので、L1ステートにおいてインターフェース回路内のPLL回路及び基準クロック信号発生手段の各動作を停止させることができ、従来技術に比較して大幅に消費電力を削減できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るPCボード100の構成を示すブロック図である。図2は、L0ステートからL1ステートへの遷移時の図1のPCボード100の動作を示すタイミングチャートであり、図3は、L1ステートからL0ステートへの遷移時の図1のPCボード100の動作を示すタイミングチャートである。
図1において、PCボード100はCPU1と、CPU1をPCIエキスプレスリンク4に接続するルートコンプレックスデバイス2と、ルートコンプレックスデバイス2にPCIエキスプレスリンク4を介して接続されたエンドポイントデバイス5と、エンドポイントデバイス2の外部に設けられた基準クロック信号発生回路3とを備えて構成される。ここで、エンドポイントデバイス5は、例えば、メモリーカードコントローラの半導体回路であり、PCIエキスプレスリンク4を介してデータパケットを入出力する機能を有する。また、PCIエキスプレスリンク4は、1組の片方向の差動伝送路を含むデュアルシンプレックス方式のリンク伝送路であり、PCIエキスプレスリンク4がアクティブであるL0ステートと、PCIエキスプレスリンク4が電気的なアイドル状態であるL1ステートとを有する。また、ルートコンプレックスデバイス2は、エンドポイントデバイス5のPHY回路52とデータパケットを送受信する半導体回路である。
本実施形態に係るエンドポイントデバイス5は、エンドポイントデバイス5の外部に設けられた基準クロック信号発生回路3によって発生された基準クロック信号REFCLKと、基準クロック信号REFCLKとは別のクロック信号CL2とのうちの1つのクロック信号を選択してPHY回路52に出力するスイッチSWと、L0ステートにおいて基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力し、L1ステートにおいてクロック信号CL2をPHY回路52に出力するようにスイッチSWを制御するクロックコントローラ53とを備えたことを特徴としている。
基準クロック信号発生回路3は、詳細後述するように、ローレベルの基準クロック信号要求信号CLKREQ#に応答して、100メガヘルツの周波数で繰り返すパルス形状を有する基準クロック信号REFCLKを発生してルートコンプレックスデバイス2のPLL回路21及びエンドポイントデバイス5のスイッチSWの接点cに出力する。また、基準クロック信号発生回路3は、ハイレベルの基準クロック信号要求信号CLKREQ#に応答して、基準クロック信号REFCLKの発生を停止する。
エンドポイントデバイス5は、リンクコントローラ51と、PHY回路52と、クロックコントローラ53と、発振回路54と、スイッチSWと、終端抵抗Rtとを備えた回路モデルで構成される。ここで、リンクコントローラ51は、PCIエキスプレスの物理層のMAC層(Media Access Layer)の信号を伝送するLSIであって、PCIエキスプレスリンク4のステートを図10のステート図に従って遷移させる。また、PHY回路52は、PCIエキスプレスの物理層のフィジカルコーディングサブレイヤの信号を伝送するインターフェース回路のLSIである。さらに、リンクコントローラ51及びPHY回路52はそれぞれ、IP(Intellectual Property)ベンダによって提供されるIPコアであって、PIPEインターフェース規格(非特許文献2参照。以下、PIPEという。)に準拠する信号伝送路を介して互いに接続されている。
L1ステートにおいて、リンクコントローラ51は、ルートコンプレックスデバイス2からのデータパケットを受信したことを示す検出信号SRxをPHY回路52Aから受信すると、L1ステートからL0ステートへの遷移を予告するためのステート遷移予告信号SL10を発生してクロックコントローラ53に出力する。さらに、リンクコントローラ51は、PCIエキスプレスリンク4のステートをL1ステートからL0ステートに切り換えるときに、L0ステート通知信号SL0を発生してPHY回路52に出力する。また、リンクコントローラ51は、PCIエキスプレスリンク4のステートをL0ステートからL1ステートに切り換えるときに、L1ステート通知信号SL1を発生してPHY回路52及びクロックコントローラ53に出力する。
PHY回路52は、PLL回路55と、ルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを送信するための送信端子Txと、ルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを受信するための受信端子Rxと、スイッチSWからクロック信号CL1を入力するためのクロック端子CLとを備える。PHY回路52は、リンクコントローラ51からのL0ステート通知信号SL0に応答してPLL回路55の動作を開始し、スイッチ回路SWからのクロック信号CL1に基づいて、PLL回路55を用いて2.5ギガヘルツの周波数を有する信号伝送用クロック信号を発生し、当該信号伝送用クロック信号に従ってデータをデータパケットにパケット化し、送信端子Tx及びPCIエキスプレスリンク4を介してルートコンプレックスデバイス2に送信する一方、受信端子Rxを介してルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを受信する。また、PHY回路52は、リンクコントローラ51からのL1ステート通知信号SL1に応答してPLL回路55の動作を停止する。さらに、PHY回路52は、L1ステートにおいて、スイッチ回路SWからのクロック信号CL1を用いて、ルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxを介して入力されるデータパケットの有無を検出し、ルートコンプレックスデバイス2からのデータパケットを検出すると、当該検出結果を示す検出信号SRxを発生してリンクコントローラ51に出力する。
さらに、メモリーカードコントローラであるエンドポイントデバイス5が一般的に備えている発振回路である発振回路54は例えば水晶発振回路であって、30メガヘルツの周波数で繰り返すパルス形状を有するクロック信号CL2を発生して、スイッチSWの接点aに出力する。ここで、一般に、メモリーカードコントローラであるエンドポイントデバイスの発振回路54の動作は、当該エンドポイントデバイスを搭載するPCボード500にメモリーカードが接続されていないときには停止されるように制御されるが、本実施形態において、発振回路54は、PCボード100にメモリーカードが接続されているか否かに関係なく動作するように設定されている。
図1において、クロック信号要求信号CLKREQ#を伝送するためのオープンドレイン信号線である信号線6は、プルアップ抵抗Rpを介して正の電圧源Vddに接続されており、ルートコンプレックスデバイス2の出力端子CR及びエンドポイントデバイス5の出力端子CRは信号線6にワイヤードオア接続されている。ルートコンプレックスデバイス2及びエンドポイントデバイス5がPCIエキスプレスリンク4を介して通信を行わないときには、ルートコンプレックスデバイス2及びエンドポイントデバイス5の各出力端子CRはそれぞれハイインピーダンスになっており、このとき電圧源Vddはクロック信号要求信号線506の電圧レベルを電源電圧Vddであるハイレベルにプルアップしている。すなわち、ルートコンプレックスデバイス2及びエンドポイントデバイス5の各出力端子CRがそれぞれハイインピーダンスにされることにより、ハイレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#が発生されて基準クロック信号発生回路3に出力される。
また、クロックコントローラ53は、エンドポイントデバイス5のリンクコントローラ51からのステート遷移予告信号SL10に応答して、クロックコントローラ53の出力端子CRをローインピーダンスにすることにより、接地電位であるローレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して信号線6を介して基準クロック信号発生回路503に出力する。一方、ルートコンプレックスデバイス2は、エンドポイントデバイス5にデータを送信するときに、ルートコンプレックスデバイス2の出力端子CRをローインピーダンスにすることにより、接地電位であるローレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して信号線6を介して基準クロック信号発生回路3に出力する。すなわち、クロックコントローラ53の出力端子CR及びルートコンプレックスデバイス2の出力端子CRのうちの少なくとも一方がローインピーダンスにされたときに、ローレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#が発生されて、基準クロック信号発生回路3に出力される。
さらに、クロックコントローラ53は、リンクコントローラ51からのL1ステート通知信号SL1及びステート遷移予告信号SL10に応答して、詳細後述するようにスイッチSWを接点a,b,cのうちの1つの接点を選択するように制御する。
ルートコンプレックスデバイス2は、基準クロック信号発生回路3からの基準クロック信号REFCLKに基づいて、PLL回路21を用いて2.5ギガヘルツの周波数を有する信号伝送用クロック信号を発生し、当該信号伝送用クロック信号に従ってデータをパケット化し、PCIエキスプレスリンク4を介してエンドポイントデバイス5に送信する。
次に、図2を参照して、PCIエキスプレスリンク4のステートがL0ステートからL1ステートに遷移するときのPCボード100の動作を説明する。図2において、タイミングt1より前のL0ステートの期間において、クロックコントローラ53は、スイッチSWを接点cを選択するように制御するとともに、ローレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して基準クロック信号発生回路3に出力する。これに応答して、基準クロック信号発生回路3は基準クロック信号REFCLKを発生し、スイッチSWの接点cを介してクロック信号CL1としてPHY回路52に出力する。PHY回路52は、基準クロック信号REFCLKであるクロック信号CL1に基づいて、PLL回路55を用いて2.5ギガヘルツの周波数を有する信号伝送用クロック信号を発生し、当該信号伝送用クロック信号に従ってデータをデータパケットにパケット化し、PCIエキスプレスリンク4を介してルートコンプレックスデバイス2に送信する一方、ルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを受信する。
図2のタイミングt1において、リンクコントローラ51は、PCIエキスプレスリンク4のステートをL0ステートからL1ステートに切り換えるとともに、L1ステート通知信号SL1を発生して、PHY回路52及びクロックコントローラ53に出力する。これに応答して、PHY回路52はPLL回路55の動作を停止する。さらに、タイミングt1より後であって基準クロック信号REFCLKの3回目の立ち下がりエッジのタイミングt2において、クロックコントローラ53は、スイッチSWを接点bを選択するように制御することにより、PHY回路52へのクロック信号CL1の出力を停止する。次に、タイミングt2より後であって基準クロック信号REFCLKの4回目の立ち下がりエッジのタイミングt3において、クロックコントローラ53はハイレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して基準クロック信号発生回路3に出力する。これに応答して、基準クロック信号発生回路3は基準クロック信号REFCLKの発生を停止する。さらに、タイミングt3より後であってクロック信号CL2の次の立ち上がりエッジのタイミングt4において、クロックコントローラ53はスイッチSWを接点aを選択するように制御する。これにより、発振回路54からのクロック信号CL2は、スイッチSWの接点aを介してクロック信号CL1としてPHY回路52に出力される。タイミングt4以降のL1ステートの期間において、PHY回路52は、発振回路54からのクロック信号CL2であるクロック信号CL1を用いて、ルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxを介して入力されるデータパケットの有無を検出する。
次に、図3を参照して、PCIエキスプレスリンク4のステートがL1ステートからL0ステートに遷移するときのPCボード100の動作を説明する。図3において、タイミングt5より前のL1ステートの期間において、クロックコントローラ53は、スイッチSWを接点aを選択するように制御するとともに、ハイレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して基準クロック信号発生回路3に出力する。これに応答して、基準クロック信号発生回路3は基準クロック信号REFCLKの発生を停止している。また、発振回路54からのクロック信号CL2は、スイッチSWの接点aを介してクロック信号CL1としてPHY回路52に出力されている。さらに、PLL回路55の動作は停止されている。PHY回路52は、クロック信号CL1を用いて、ルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxを介して入力されるデータパケットの有無を検出し、ルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを受信したことを検出すると、検出信号SRxを発生してリンクコントローラ51に出力する。これに応答して、リンクコントローラ51は、ステート遷移予告信号SL10を発生してクロックコントローラ53に出力する。
タイミングt5において、クロックコントローラ53は、ステート遷移予告信号SL10に応答して、ローレベルのクロック信号要求信号CLKREQ#を発生して基準クロック信号発生回路3に出力する。これに応答して、基準クロック信号発生回路3は基準クロック信号REFCLKを発生して、PLL回路21及びスイッチSWの接点cに出力する。次に、タイミングt5より後であってクロック信号CL2の次の立ち下がりエッジのタイミングt6において、クロックコントローラ53は、スイッチSWを接点bを選択するように制御することにより、PHY回路52へのクロック信号CL1の出力を停止する。さらに、タイミングt6より後であってクロック信号CL2の2回目の立ち下がりエッジのタイミングt7において、クロックコントローラ53はスイッチSWを接点cを選択するように制御する。これにより、基準クロック信号発生回路3からの基準クロック信号REFCLKは、クロック信号CL1としてPHY回路5に出力される。ここで、基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力するタイミングt7は、リンクコントローラ51からのL0ステート通知信号を受信するタイミングt8よりも前のタイミングに設定される。さらに、タイミングt8において、PHY回路52は、リンクコントローラ51からのL0ステート通知信号に応答して、PLL回路55の動作を開始し、基準クロック信号REFCLKであるクロック信号CL1に基づいて、PLL回路55を用いて2.5ギガヘルツの周波数を有する信号伝送用クロック信号を発生し、当該信号伝送用クロック信号に従ってデータをデータパケットにパケット化し、PCIエキスプレスリンク4を介してルートコンプレックスデバイス2に送信する一方、ルートコンプレックスデバイス2からデータパケットを受信する。
図2において、クロックコントローラ53は、L0ステートからL1ステートに遷移した後にスイッチSWを接点cから接点bを経由して接点aを選択するように制御することにより、基準クロック信号REFCLKのPHY回路52への出力を時間期間T1(=t4−t2)だけ停止した後にクロック信号CL2をPHY回路52に出力するように制御する。また、図3において、クロックコントローラ53は、L1ステートからL0ステートに遷移する前に、スイッチSWを接点aから接点bを経由して接点cを選択するように制御することにより、クロック信号CL2のPHY回路52への出力を時間期間T2(=t7−t6)だけ停止した後に基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力するように制御する。従って、クロックコントローラ53に出力されるクロック信号CL1に基準クロック信号REFCLK及びクロック信号CL2のパルス幅よりも非常に小さいパルス幅を有するひげ状のノイズが重畳せず、PHY回路52の動作は不安定にならない。なお、上記時間期間T1及びT2において、PHY回路52にはパルス形状を有するクロック信号が出力されないが、L1ステートにおいてPHY回路52は、クロック信号CL2を用いてルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxを介して受信されるデータパケットの有無のみを検出するだけでよく、当該データパケットの内容を検出する必要はないので、PHY回路52の動作は不安定にならない。また、基準クロック信号REFCLKがクロック信号CL1としてPLL回路55に入力されるタイミングt7において、PLL回路55はロック動作を開始するので、当該開始より前からクロック信号CL1が連続している必要はなく、時間期間T2においてパルス形状を有するクロック信号がPLL回路55に入力されなくてもPHY回路52の動作は不安定にならない。
本実施形態によれば、L0ステートにおいて基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力し、L1ステートにおいてクロック信号CL2をPHY回路52に出力し、L1ステートにおいてPHY回路52内のPLL回路55及び基準クロック信号発生回路3の動作を停止させるので、L1ステートにおいて従来技術に比較して大幅に消費電力を削減できる。
なお、図1において、発振回路54としては、PCIエキスプレスに準拠するPCIエキスプレスリンクに接続された一般的なエンドポイントデバイスに内蔵されている発振回路であって、メガヘルツからキロヘルツのオーダーの周波数を有するクロック信号を発生する発振回路を用いればよい。すなわち、新たに発振回路54を追加して設けることなく、本実施形態に係るエンドポイントデバイス5を実現できる。本実施形態において、L1ステートにおいて発振回路54の動作は停止されない。しかしながら、発振回路54によって発生されるクロック信号CL2の周波数はメガヘルツからキロヘルツのオーダーであり、PLL回路55によって発生される信号伝送用クロック信号の周波数2.5ギガヘルツに比較して十分に小さいので、L1ステートにおいて発振回路54が動作していることによる消費電力の増加量は、L1ステートにおいてPLL回路55を動作させたままに設定することによる消費電力の増加量に比較して十分に小さい。
一般に、PCIエキスプレスにおいて、PHY回路52は100メガヘルツの周波数を有する基準クロック信号REFCLKを用いてルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxに入力されるデータパケットの有無を検出するように設定されている。このため、L1ステートにおいてPHY回路52に出力されるクロック信号CL2の周波数は基準クロック信号REFCLKの周波数である100メガヘルツであることが望ましい。しかしながら、L1ステートにおいてPHY回路52は、クロック信号CL2を用いてルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxに入力されるデータパケットの有無のみを検出するだけでよく、当該データパケットの内容を検出する必要はないので、実際には、クロック信号CL2の周波数は基準クロック信号REFCLKの周波数よりも小さくてもよい。また、一般に、L1ステートではL0ステートよりもPCIエキスプレスリンク4に対するノイズの影響が大きいが、クロック信号CL2の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも小さくても、上記ノイズに対するマージンを持たせることはできる。ただし、クロック信号CL2の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも大きい場合には、エンドポイントデバイス5の動作マージンが小さいときにエンドポイントデバイス5が誤動作する可能性があるので、好ましくない。
また、PCボード100の動作は図2及び図3に示した各動作に限られない。L0ステートからL1ステートに遷移した後又はL1ステートからL0ステートに遷移する前に、PHY回路52に入力されるクロック信号CL1を基準クロック信号REFCLKと発振回路54からのクロック信号CL2との間で切り換えるように、エンドポイントデバイス5を構成すればよい。また、L0ステートからL1ステートに遷移した後のタイミングであって、スイッチSWが接点bに切り換えられている期間中のタイミングにおいて、基準クロック信号REFCLKの発生を停止するように構成すればよい。さらに、L1ステートにおいてステート遷移予告信号SL10を受信した後のタイミングであって、スイッチSWを接点aから接点bに切り換える前のタイミングにおいて、基準クロック信号発生回路3の動作を開始させて基準クロック信号REFCLKを発生させるように構成すればよい。
第2の実施形態.
図4は、本発明の第2の実施形態に係るPCボード100Aの構成を示すブロック図である。図4において、PCボード100Aは、CPU1と、CPU1をPCIエキスプレスリンク4に接続するルートコンプレックスデバイス2と、ルートコンプレックスデバイス2にPCIエキスプレスリンク4を介して接続されたエンドポイントデバイス5Aと、基準クロック信号発生回路3と、例えば水晶発振回路である発振回路54Aを備えて構成される。また、エンドポイントデバイス5Aは、リンクコントローラ51と、PHY回路52と、クロックコントローラ53と、スイッチSWと、終端抵抗Rtとを備えた回路モデルで構成される。
本実施形態に係るPCボード100Aは、第1の実施形態に係るPCボード100に比較して以下の点が異なる。
(a)30メガヘルツの周波数で繰り返すパルス形状を有するクロック信号CL2Aを発生してエンドポイントデバイス5AのスイッチSWの接点aに出力する発振回路54Aをさらに備えたこと。
(b)発振回路54からのクロック信号CL2に代えて、発振回路54Aによって発生されたクロック信号CL2AをスイッチSWの接点aに入力するエンドポイントデバイス5Aを備えたこと。
ここで、エンドポイントデバイス5Aのクロックコントローラ53は、第1の実施形態のエンドポイントデバイス5のクロックコントローラ53と同様に、L0ステートにおいて基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力し、L1ステートにおいてクロック信号CL2AをPHY回路52に出力するようにスイッチSWを制御する。
第1の実施形態では、エンドポイントデバイス5に搭載された発振回路54からのクロック信号CL2と基準クロック信号発生回路3からの基準クロック信号REFCLKとの間でクロック信号を切り換えてPHY回路52に出力するように構成した(図1参照。)。しかしながら、以下の場合には、従来技術に係るエンドポイントデバイスに追加の発振回路54をエンドポイントデバイス5に搭載する必要があり、第1の実施形態のエンドポイントデバイス5及びPCボード100を実現するためには、追加のコストが必要となる。
(1)エンドポイントデバイスに発振回路が搭載されていないとき。
(2)エンドポイントデバイスに発振回路が搭載されているときであって、当該発振回路によって発生されるクロック信号の周波数が例えば、基準クロック信号REFCLKの周波数である100メガヘルツより高く、L1ステートにおいて当該発振回路の動作を停止して消費電流を削減する必要があるとき。
本実施形態によれば、上述した2つの場合においても、PCボード100Aのエンドポイントデバイス5Aの外部に予め搭載された発振回路であってメガヘルツからキロヘルツのオーダーの周波数(好ましくは、基準クロック信号REFCLKの周波数である100メガヘルツである。)を有するクロック信号CL2Aを発生する発振回路を発振回路54Aとして用いることにより、従来技術に係るエンドポイントデバイスに新たに発振回路54Aを追加して設けることなく、エンドポイントデバイス5Aを実現できる。本実施形態において、L1ステートにおいて発振回路54Aの動作は停止されない。しかしながら、発振回路54Aによって発生されるクロック信号CL2Aの周波数はメガヘルツからキロヘルツのオーダーであり、PLL回路55によって発生される信号伝送用クロック信号の周波数2.5ギガヘルツに比較して小さいので、L1ステートにおいて発振回路54Aが動作していることによる消費電力の増加量は、L1ステートにおいてPLL回路55を動作させたままに設定することによる消費電力の増加量に比較して十分に小さい。
第3の実施形態.
図5は、本発明の第3の実施形態に係るPCボード100Bの構成を示すブロック図である。図5において、PCボード100Bは、CPU1と、CPU1をPCIエキスプレスリンク4に接続するルートコンプレックスデバイス2と、ルートコンプレックスデバイス2にPCIエキスプレスリンク4を介して接続されたエンドポイントデバイス5Bと、基準クロック信号発生回路3とを備えて構成される。また、エンドポイントデバイス5Bは、リンクコントローラ51と、PHY回路52と、クロックコントローラ53と、発振回路56a及びPLL回路56bを備えたクロック信号発生回路56と、スイッチSWと、終端抵抗Rtとを備えた回路モデルで構成される。
本実施形態に係るPCボード100Bは、第1の実施形態に係るPCボード100に比較して以下の点が異なる。
(a)発振回路54に代えて、発振回路56aによって発生されたクロック信号CL3に基づいてPLL回路56bを用いて基準クロック信号REFCLKの周波数と同一の周波数(100メガヘルツである。)を有するクロック信号CL2Bを発生し、スイッチSWの接点aに出力するクロック信号発生回路56を備えたエンドポイントデバイス5Bを備えたこと。
図5において、エンドポイントデバイス5Bのクロックコントローラ53は、第1の実施形態のエンドポイントデバイス5のクロックコントローラ53と同様に、L0ステートにおいて基準クロック信号REFCLKをPHY回路52に出力し、L1ステートにおいてクロック信号CL2BをPHY回路52に出力するようにスイッチSWを制御する。
一般に、PCIエキスプレスにおいて、PHY回路52は100メガヘルツの周波数を有する基準クロック信号REFCLKを用いてルートコンプレックスデバイス2から受信端子Rxに入力されるデータパケットの有無を検出するように設定されている。このため、L1ステートにおいてPHY回路52に出力されるクロック信号の周波数は基準クロック信号REFCLKの周波数である100メガヘルツであることが望ましい。しかしながら、第1の実施形態において、L1ステートにおいてPHY回路52に出力されるクロック信号CL2の周波数は必ずしも100メガヘルツではないので、PHY回路52によっては、L1ステートにおける動作が不安定になる可能性がある。本実施形態によれば、基準クロック信号REFCLKの周波数と同一の周波数を有するクロック信号CL2Bを発生してL1ステートにおいてPHY回路52に出力するように構成したので、第1の実施形態に比較して安定して動作する。
なお、第2の実施形態のPCボード100Aにおいて、発振回路54Aに代えてクロック信号発生回路56を備えるように構成してもよい。
第4の実施形態.
図6は本発明の第4の実施形態に係るPCボード100Cの構成を示すブロック図であり、図7は図6のPCIエキスプレスリンク4のステートと、パワーダウン信号POWERDOWN[1:0]の値と、PHY回路52Aのステートとの関係を示す表である。図6において、PCボード100CはCPU1と、CPU1をPCIエキスプレスリンク4に接続するルートコンプレックスデバイス2と、ルートコンプレックスデバイス2にPCIエキスプレスリンク4を介して接続されたエンドポイントデバイス5Cと、基準クロック信号発生回路3とを備えて構成される。また、エンドポイントデバイス5Cは、リンクコントローラ51Aと、PLL回路55を備えたPHY回路52Aと、クロックコントローラ53と、発振回路54と、スイッチSWと、終端抵抗Rtとを備えた回路モデルで構成される。
本実施形態に係るPCボード100Cは、第1の実施形態に係るPCボード100に比較して以下の点が異なる。
(a)L1ステート通知信号SL1をPHY回路52Aに送信してからスイッチSWを接点cから接点bに切り換えるまでの期間において、PHY回路52AのPLL回路55の動作を強制的に停止するためのパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]を発生してPHY回路52Aに出力することにより、PLL回路55の動作を強制的に停止するリンクコントローラ51Aを備えたエンドポイントデバイス5Cを備えたこと。
図8は、従来技術に係るエンドポイントデバイスにおけるPCIエキスプレスリンクのステートと、PIPEにおいて定義されているパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]の値と、PHY回路のステートとの関係を示す表である。図8に示すように、リンクコントローラは、PCIエキスプレスリンクのL0,L0s,L1及びL2ステート(図10参照。)において、PHY回路のP0,P0s、P1及びP2ステートを示す各パワーダウン信号POWERDOWN[1:0]を発生してPHY回路に出力する。PIPEでは、PHY回路は、PCIエキスプレスリンクのL1ステートに対応するP1ステートにおいて当該PHY回路内のPLL回路の動作を停止することを許可されており、PCIエキスプレスリンクのL2ステート(図9参照。)に対応するP2ステートにおいて当該PHY回路内のPLL回路の動作を強制的に停止する。一般に、PCボードをLSI化するときには、開発工期の短縮及び開発コストの削減のために、PHY回路及びリンクコントローラをIPコアとして入手し、入手したPHY回路及びリンクコントローラをIPコアをPIPEに準拠する信号伝送路を用いて互いに接続する。このとき、実際には、PHY回路のL1ステートからL0ステートへの復帰時の動作を安定させるために、L1ステートに対応するP1ステートにおいてPHY回路内のPLL回路の動作を停止させないように設計する。この場合には、第1の実施形態のエンドポイントデバイス5を実現できず、L1ステートにおいて基準クロック信号REFCLKを発生する基準クロック信号発生回路及びPHY回路内のPLL回路によって電流が消費され、消費電力を削減できない。
本実施形態において、リンクコントローラ51Aは、L1ステート通知信号SL1をPHY回路52Aに送信するタイミングt1からスイッチSWを接点cから接点bに切り換えるまでのタイミングt2までのL1ステートの期間(図2参照。)において、図7に示すように、P2ステートを示すパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]を発生してPHY回路52Aに出力する。これに応答して、PHY回路52Aは、PLL回路55の動作を強制的に停止する。その後、P2ステートを示すパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]のPHY回路52Aへの出力は、図3のタイミングt5においてステート遷移予告信号SL10が発生され、タイミングt7においてスイッチSWが接点bから接点cに切り換えられた後まで維持される。従って、本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、P1ステートにおいてPLL回路55の動作を停止しない一般的なPHY回路52を用いて、安価なエンドポイントデバイス5C及びPCボード100Cを提供できる。
なお、第1乃至第3の実施形態において、P1ステートにおいてPLL回路55の動作を停止する仕様のPHY回路52の場合には、リンクコントローラ51は、P1ステートを示すパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]をL1ステート通知信号SL1としてPHY回路52に出力しても良い。
上記各実施形態において、エンドポイントデバイス5,5A,5B,5Cはメモリーカードコントローラの半導体回路であったが、本発明はこれに限られず、PCIエキスプレスグラフィックス又はUSBホストコントローラなどのエンドポイントデバイスであって、リンク伝送路であるPCIエキスプレスリンク4に接続されたインターフェース回路であるPHY回路を備え、入出力機能を有する半導体回路であってもよい。さらに、PCIエキスプレスリンク4に接続されたインターフェース回路を備え、入出力機能を有するPCIエキスプレススイッチ、PCIエキスプレスルートコンプレックスデバイスなどの半導体回路であってもよい。例えば、ルートコンプレックスデバイス2を、エンドポイントデバイス5,5A,5B又は5Cと同様に構成してもよい。
また、上記各実施形態において、PCIエキスプレスリンク4は1組の片方向の差動伝送路を含んだが、本発明はこれに限られず、複数組の片方向の差動伝送路を含んでもよい。
以上詳述したように、本発明に係る半導体回路及び当該半導体回路を用いた信号伝送システムによれば、上記半導体回路の外部に設けられた基準クロック信号発生手段によって発生された基準クロック信号と、上記基準クロック信号とは別のクロック信号とのうちの1つのクロック信号を選択して上記インターフェース回路に出力するスイッチ手段と、上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力し、上記L1ステートにおいて上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御するクロック制御手段とを備えたので、L1ステートにおいてインターフェース回路内のPLL回路及び基準クロック信号発生手段の各動作を停止させることができ、従来技術に比較して大幅に消費電力を削減できる。
本発明の第1の実施形態に係るPCボード100の構成を示すブロック図である。 L0ステートからL1ステートへの遷移時の図1のPCボード100の動作を示すタイミングチャートである。 L1ステートからL0ステートへの遷移時の図1のPCボード100の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るPCボード100Aの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るPCボード100Bの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係るPCボード100Cの構成を示すブロック図である。 図6のPCIエキスプレスリンク4のステートと、パワーダウン信号POWERDOWN[1:0]の値と、PHY回路52Aのステートとの関係を示す表である。 従来技術に係るエンドポイントデバイスにおけるPCIエキスプレスリンクのステートと、PIPEにおいて定義されているパワーダウン信号POWERDOWN[1:0]の値と、PHY回路のステートとの関係を示す表である。 PCIエキスプレスを採用した従来技術に係るPCボード500の構成を示すブロック図である。 従来技術に係るPCIエキスプレスにおけるLTSSMのステート図である。
符号の説明
1…CPU、
2…ルートコンプレックスデバイス、
3…基準クロック信号発生回路、
4…PCIエキスプレスリンク、
5,5A,5B,5C…エンドポイントデバイス、
21,55,56b…PLL回路、
51,51A…リンクコントローラ、
52,52A…PHY回路、
53…クロックコントローラ、
54,54A,56a…発振回路、
56…クロック信号発生回路、
100,100A,100B,100C…PCボード、
SW…スイッチ。

Claims (11)

  1. PCIエキスプレス(PCI Express)規格に準拠し、リンク伝送路がアクティブであるL0ステートと、上記リンク伝送路が電気的なアイドル状態であるL1ステートとを有するリンク伝送路に接続されたインターフェース回路を備え、入出力機能を有する半導体回路において、
    上記半導体回路の外部に設けられた基準クロック信号発生手段によって発生された基準クロック信号と、上記基準クロック信号とは別のクロック信号とのうちの1つのクロック信号を選択して上記インターフェース回路に出力するスイッチ手段と、
    上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力し、上記L1ステートにおいて上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御するクロック制御手段とを備えたことを特徴とする半導体回路。
  2. 上記クロック制御手段は、
    上記リンク伝送路のステートが上記L0ステートから上記L1ステートに遷移するときに、上記基準クロック信号の上記インターフェース回路への出力を所定の第1の時間期間だけ停止した後に上記別のクロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御し、
    上記リンク伝送路のステートが上記L1ステートから上記L0ステートに遷移する前に、上記別のクロック信号の上記インターフェース回路への出力を所定の第2の時間期間だけ停止した後に上記基準クロック信号を上記インターフェース回路に出力するように上記スイッチ手段を制御することを特徴とする請求項1記載の半導体回路。
  3. 上記インターフェース回路は、上記L1ステートにおいて、上記リンク伝送路から受信されるデータパケットの有無を上記別のクロック信号を用いて検出することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体回路。
  4. 上記クロック制御手段は、上記L1ステートにおいて、上記基準クロック信号の発生を停止するように上記基準クロック信号発生手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  5. 上記別のクロック信号を発生する発振手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  6. 上記別のクロック信号は、上記半導体回路の外部に設けられた発振手段によって発生されたことを特徴とする請求項1乃至4までのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  7. 上記別のクロック信号の周波数は上記基準クロック信号の周波数と同一であるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  8. 上記半導体回路は、上記リンク伝送路のステートを上記L0ステートとL1ステートとの間で遷移させるリンク制御手段をさらに備え、
    上記インターフェース回路は、上記L0ステートにおいて上記基準クロック信号に基づいてデータパケットを上記リンク伝送路に対して出力するための信号伝送用クロック信号を発生するPLL回路を備え、
    上記リンク制御手段は、上記L1ステートにおいて上記PLL回路の動作を停止するように制御することを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  9. 上記インターフェース回路と上記リンク制御手段とは、PIPE(PHY Interface for the PCI Express Architecture)インターフェース規格に準拠する信号伝送路を介して接続されたことを特徴とする請求項8記載の半導体回路。
  10. 上記半導体回路はエンドポイントデバイスであることを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれか1つの請求項記載の半導体回路と、
    上記リンク伝送路を介して上記半導体回路のインターフェース回路に接続され、上記インターフェース回路とデータパケットを送受信する別の半導体回路と、
    上記基準クロック信号発生回路とを備えたことを特徴とする信号伝送システム。
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