JP2010121063A - 農業機械用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期の動摩擦係数を長期間にわたり維持し、耐摩耗性に優れ、しかも水がオイルタンクに混入した場合でも錆の発生や油圧不良につながるエマルションの生成を抑えることが可能な農業機械用潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】潤滑油基油と、(A)下記一般式(1)で表される炭素数が3〜6の第2級アルキル基(R〜R)を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を全量に対する亜鉛量換算で0.1〜0.4質量%と、(B)塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムスルホネート及び塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を全量に対するカルシウム量換算で0.1〜0.5質量%と、(C)塩基価が50mgKOH/g以下のカルシウムスルホネートを全量に対するカルシウム量換算で0.05〜0.3質量%と、を含有することを特徴とする農業機械用潤滑油組成物。
Figure 2010121063

【選択図】なし

Description

本発明は、農業機械用潤滑油組成物に関する。詳しくは、変速機に湿式クラッチ機構を有する農業機械に関し、長期にわたり湿式クラッチの良好な動摩擦特性を維持することができ、更に摩耗防止性と抗乳化性にも優れる農業機械用潤滑油組成物に関する。
農業機械は、整地用作業機としてのトラクター、育成管理用作業機としての田植え機、収穫用作業機としてのバインダー、コンバインなどがある。
このような農業機械では、油圧ポンプ部、変速装置部、PTOクラッチ部、差動歯車装置部、湿式ブレーキ部など多くの潤滑箇所を1種類の農業機械用潤滑油で潤滑する場合が多い。このため農業機械用潤滑油には摩耗防止性、酸化安定性、さび止め性、摩擦特性、有機材料適合性など多機能の役割が要求される。これらの性能を確保し、さらに高めるために、現在のところ、選定された基油に種々の添加剤を配合して農業機械用潤滑油組成物として供給している(例えば、特許文献1〜3等参照)。
特開昭59−25890号公報 特開平3−20396号公報 特開2004−59930号公報
ところで、このような農業機械用潤滑油は、ブレーキ鳴きの防止など湿式ブレーキ部への適合性を重視して摩擦調整剤を配合するケースが多いため、摩擦係数が低い傾向にある。しかしながら、上述のように、通常、農業機械用潤滑油は1種類の潤滑油で複数の潤滑箇所を潤滑するため、高い制御力や動力伝達が求められるコンバインや一部のトラクターでは、十分な性能が得られない場合がある。高い制御力や高い動力伝達のためには、湿式クラッチ部の摩擦材の摩擦係数が高いことが求められるためである。
そのため、このような湿式ブレーキ部への適合性よりも湿式クラッチ部における高い摩擦係数を付与できるような潤滑油であることが望ましく、特に変速時間を短くし良好な走行性能を発揮できるという観点から高い動摩擦係数を付与できるものが望ましい。また、それとともに長期にわたり高い動摩擦係数を維持できること、すなわち、動摩擦係数の耐久性が良好であることが望ましい。
さらに農業機械の中には雨季に水田にて使用されるものがあり、そのような機械では油圧タンクへの水分混入が避けられない環境にある。水分がオイルに混入すると錆の発生や、オイルと水分とで生成するエマルションが、油圧ポンプのサクションフィルター部におけるスムーズな通油を阻害し、フィルター機能を低下させることがある。そのため、水分が混入してもエマルション形成を起こしにくい、水分離性(抗乳化性)が高いことが望ましく、さらには防錆性が高いことも望まれている。
また、トラクターの高出力化に伴い、ギヤ部等における負荷が増しているため、このような農業機械に用いる潤滑油は、より一層高い摩耗防止性を有することが望まれている。
本発明は、特に農業機械の変速装置に装着された湿式クラッチの摩擦材に対し、初期の動摩擦係数を長期間にわたり維持し、耐摩耗性に優れ、しかも水がオイルタンクに混入した場合でも錆の発生や油圧不良につながるエマルションの生成を抑えることが可能な農業機械用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決することを意図して研究を重ねた結果、潤滑油基油に、2種類の金属型清浄剤を特定の割合で併用し、更に特定のジチオリン酸亜鉛を特定量配合することで上記課題を解決できることを見出し、この知見にもとづいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の農業機械用潤滑油組成物を提供する。
<1> 農業機械用潤滑油組成物であって、
潤滑油基油と、
(A)下記一般式(1)で表される炭素数が3〜6の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を、該潤滑油組成物の全量に対する亜鉛量換算で0.1〜0.4質量%と、
Figure 2010121063
(一般式(1)において、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して炭素数が3〜6の第2級アルキル基を表す。)
(B)塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムスルホネート及び塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を、該潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.1〜0.5質量%と、
(C)塩基価が50mgKOH/g以下のカルシウムスルホネートを、該潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.05〜0.3質量%と、
を含有することを特徴とする農業機械用潤滑油組成物。
本発明によれば、特に農業機械の変速装置に装着された湿式クラッチの摩擦材に対し、初期の動摩擦係数を長期間にわたり維持し、耐摩耗性に優れ、しかも水がオイルタンクに混入した場合でも錆の発生や油圧不良につながるエマルションの生成を抑えることが可能な農業機械用潤滑油組成物が提供される。
<基油>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、基油として、鉱物系潤滑油基油、合成系潤滑油基油、又はこれらの混合物を含有する。
鉱油系潤滑油基油としては、様々な製造法により得られたものが使用できるが、例えば、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋または水素化脱蝋などの処理を施した、高度に精製されたパラフィン系鉱油等が好ましく使用される。また、上記以外にも様々な製造法により得られる鉱物系基油が使用できる。例えば、潤滑油基油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油などが挙げられる。特に、水素化分解工程や異性化工程によって得られる高粘度指数鉱油が好適なものとして挙げることができる。
合成油系基油としては、例えば、メタン等のガスを原料としてフィッシャー・トロプシュ反応により合成される基油、ポリ−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、ポリエチレンプロピレン類、ヒンダードエステル類、二塩基酸エステルなどを挙げることができる。なお少量であればリン酸エステル、シリコーン油も使用できる。これらの基油は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、鉱油系潤滑油基油と合成系潤滑油基油とを混合して使用してもよい。
これらの基油は、JIS K2283動粘度試験方法による100℃における動粘度が、好ましくは2.0〜9.0mm/sである。
<(A)成分>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、(A)成分として、下記の一般式(1)で表される炭素数が3〜6の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛(以下、「ZnDTP」と略する場合がある。)を含有する。
Figure 2010121063
上記一般式(1)において、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して炭素数が3〜6の第2級アルキル基を表す。R、R、R、及びRのいずれか1つでも第1級アルキル基の場合は耐摩耗性に劣ってしまうが、全て炭素数が3〜6の第2級アルキル基であれば、耐摩耗性を効果的に向上させることができる。
この(A)成分の添加量は、潤滑油組成物の全量に対する亜鉛量換算で0.1〜0.4質量%、好ましくは0.15〜0.3質量%、より好ましくは0.2〜0.25質量%である。(A)成分の添加量が0.1質量%未満では摩耗防止性が不十分となり、0.40質量%を超えて添加しても添加量に見合った摩耗防止性の向上効果はえられず、コストが増加してしまう。
<(B)成分>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、(B)成分として、塩基価150mgKOH/g以上のカルシウムスルホネート及び塩基価150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を含有する。
上記カルシウムスルホネートとカルシウムフェネートの構造としては、例えば、下記一般式(2)〜(4)で表されるものを、カルシウムの炭酸塩又はホウ酸塩を炭酸ガス存在下で反応させることにより過塩基化したものなどが挙げられる。
Figure 2010121063
一般式(2)及び一般式(3)は、塩基性カルシウムスルホネートであり、一般式(4)は、塩基性カルシウムフェネートである。上記式(2)〜(4)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、好ましくは6〜18のアルキル基であり、それらが複数存在する場合は、それぞれ同一であっても、異なってもよい。nは1〜4の整数であり、Sxのxは1又は2であり、好ましくは1である。
(B)成分として添加するカルシウムスルホネートとカルシウムフェネートは、JIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価が150mgKOH/g以上である。塩基価が150mgKOH/g未満では、動摩擦係数の耐久性が低下する。一方、塩基価の上限値は特に限定はないが、通常入手しやすいものは500mgKOH/g程度までのものである。
(B)成分の添加量は、潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.1〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.3質量%、より好ましくは0.1〜0.2質量%である。(B)成分の添加量が0.1質量%未満の場合では動摩擦係数の耐久性が低下し、0.5質量%を超えた場合は配合量に見合う効果が得られないばかりか、コストアップとなってしまう。
なお、カルシウム以外のアルカリ金属やアルカリ土類金属、例えばマグネシウム、バリウム、ナトリウムなどのスルホネートやフェネートも少量であれば、上記カルシウムスルホネートやカルシウムフェネートと混合使用しても差し支えないが、水混入時にエマルションを形成しやすくなってしまうため、本発明においてはカルシウム系以外のスルホネート及びフェネートを使用することは望ましくない。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属のサリシレートも少量であれば混合使用できるが、これも水混入時にエマルションを形成しやすくなってしまうことから使用することは望ましくない。
<(C)成分>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、(C)成分として塩基価が50mgKOH/g以下のカルシウムスルホネートを含有する。
カルシウムスルホネートの構造としては、上記(B)成分と同様の構造のもの(一般式(2)又は一般式(3)で表されるもの)が挙げられるが、過塩基化は行っていないか、行っていてもその塩基価が50mgKOH/gを超えないものである。
(C)成分としてのカルシウムスルホネートの塩基価が50mgKOH/gを超えると、水混入時にエマルションを形成しやすくなってしまい、また十分な防錆性も得られない。
(C)成分の添加量は、潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.05〜0.3質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%である。(C)成分の添加量が0.05質量%未満の場合では、水混入時にエマルションが形成しやすくなっていまい、また、十分な防錆性も得られない。一方、0.3質量%を超えた場合では、添加量に見合う効果が得られないばかりか、コストアップとなる。
本発明の農業機械用潤滑油組成物には、(B)成分と(C)成分の両方が前記所定量でそれぞれ添加されていることが必要である。(B)成分単独ではエマルション形成抑制と防錆性が不十分であり、(C)成分単独では動摩擦係数の耐久性が低下してしまう。
<その他の成分>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、潤滑油基油と、上記(A)〜(C)の3つの必須成分の他に、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、着色剤、トラクター作動油用パッケージ添加剤、あるいはこれらのうち少なくとも1種を含有する各種潤滑油用パッケージ添加剤などを添加することができる。ただし、本発明の潤滑油組成物は、湿式ブレーキへの適合性よりも湿式クラッチ部における高い摩擦係数を重視したものであるため、摩擦係数の低下につながる油性剤及び摩擦調整剤は配合しないことが好ましい。なお、摩擦調整剤を配合しない場合には潤滑部分の摩耗が懸念されるが、本発明においては(A)成分として炭素数が3〜6の第二級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有するため、十分な摩耗防止剤を確保することができる。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、高級アルコール、アミン、エステル、硫化油脂、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルなどが挙げられる。
摩耗防止剤としては、チオリン酸金属塩、硫黄化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩などが挙げられる。
極圧剤としては、炭化水素硫化物、硫化油脂、リン酸エステル、亜リン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。
さび止め剤としては、カルボン酸やそのアミン塩、エステル、スルホン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。
摩擦調整剤としては、有機モリブテン化合物、多価アルコール部分エステル、アミン、アミド、硫化エステル、リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩、ジオールなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、アルケニルコハク酸エステルなどが挙げられる。
粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体系、又はポリイソブチレン系などが挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどを挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコン化合物、フルオロシリコン化合物、エステル系などが挙げられる。
<調製方法>
本発明の農業機械用潤滑油組成物の調製方法としては、前記基油及び必須成分(A)〜(C)、さらに必要に応じて各種添加剤を適宜混合すればよい。それらの混合順序は特に制限されるものではなく、基油に必須成分(A)〜(C)を順次混合してもよいし、必須成分(A)〜(C)を予め混合してもよい。さらに、各種添加剤についても、予め基油に添加してもよいし、必須成分(A)〜(C)のいずれかに予め添加してもよい。
<用途>
本発明の農業機械用潤滑油組成物は、湿式ブレーキにおける適合性よりも、湿式クラッチにおける高い摩擦係数が重視されるタイプの農業機械に対して好適に使用することができる。
一方、本発明の農業機械用潤滑油組成物は、焼結金属製摩擦材に対しても使用することができるが、焼結金属製摩擦材で負荷が大きい場合には、十分な動摩擦係数の耐久性が得られない場合がある。従って、本発明の潤滑油組成物は、変速装置等にかかる負荷が大きい農業用機械で焼結金属製の摩擦材を有する機械よりも、変速装置等にかかる負荷が小さい小型の農業用機械に対して好適に使用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例および比較例では、基油と各成分の添加剤を配合して、トラクター用作動油組成物を調製し、それぞれの性能を評価した。各実施例、各比較例において組成物の調製に用いた基油と添加剤の成分は次の通りである。
(1)基油
下記基油Aと基油Bを、基油Bが1〜10容量%となる範囲で混合し、組成物の100℃動粘度がおよそ7.0mm/sになるように調合した。
基油A:100℃の動粘度が5.7mm/sであり、粘度指数が108の高度精製鉱油系潤滑油基油
基油B:100℃の動粘度が11.1mm/sであり、粘度指数が97の高度精製鉱油系潤滑基油
(2)ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)
ZnDTP(第2級)
一般式(1)のR〜Rが全て炭素数3または6の第2級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛。亜鉛含有量:9.0質量%。
ZnDTP(第1級)−A
一般式(1)のR〜Rが全て炭素数8の第1級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛。亜鉛含有量:9.5質量%。
ZnDTP(第1級)−B
一般式(1)のR〜Rが全て炭素数8の第1級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛。亜鉛含有量:8.9質量%。
(3)Caスルホネート(塩基価330)
一般式(2)と一般式(3)の混合物(天然系)で、JIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価が330mgKOH/gで、Ca濃度が12質量%のカルシウムスルホネート。
(4)Caスルホネート(塩基価20)
一般式(3)で表され、JIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価が20mgKOH/gで、Ca濃度が2.7質量%のカルシウムスルホネート。
(5)粘度指数向上剤
重量平均分子量が37万の非分散型ポリアルキルメタクリレート。
(6)分散剤
重量平均分子量が約1000のポリブテニル基を有し、窒素含有量が2.1質量%のモノコハク酸イミド。
<評価方法>
−動摩擦係数及び動摩擦係数の耐久試験−
社団法人 自動車技術会の自動車規格JASO M348「自動変速機油摩擦特性試験方法」で定めたSAE No.2試験装置を用いて、JASO M348試験を行ってペーパー摩擦材の摩擦特性を調べた。ここで動摩擦係数とは、フリクションディスクを3600rpmで一定回転させたのち、動摩擦試験用電動機の駆動電源を切り、同時に押し荷重を加えて、慣性円盤をフリクションディスクとスチールプレートで発生する摩擦トルクで制動させるとき、制動開始後、回転数が1800rpmに達したときの摩擦トルクTdから下記式(5)で算出される動摩擦係数値(μd)である。
Figure 2010121063
μd:動摩擦係数
T :摩擦トルク(Nm)
n :フリクションディスク枚数
re:平均摩擦有効半径
P :押し付け荷重
A :摩擦面積
JASO法で5000サイクルの試験を行い、途中500サイクル時点のμd値と、下記式(6)から算出したμd変化率を求めた。500サイクル時点のμd値が低いと湿式クラッチが滑りやすく、μd変化率が大きいほど動摩擦係数の耐久性に劣る。
Figure 2010121063
−水分離性試験−
SAE Paper972788記載のフィルタビリティー評価で示される水混合法を実施した。具体的には、試験油に水分を混入、攪拌して168時間静置、遠心分離(1000×g、1時間)を行った後に、エマルション量を測定した。エマルション量が少ないほど(抗乳化性)に優れている。
−防錆性試験−
JIS K−2246に基づく湿潤試験により評価し、100時間の試験後の錆の有無を評価した。
−摩耗防止性試験−
ASTM D4171に準拠し、以下の条件でシェル4球試験を行い、試験後の摩耗痕径を測定した。摩耗痕径の数値が小さい程、摩耗防止効果が高い。
回転数 :1800rpm
試験時間:30min
油温 :80℃
荷重 :392N
実施例1−3及び比較例1−6における配合と試験結果を表1〜3に示す。
Figure 2010121063
Figure 2010121063
*比較例1及び2での摩擦係数μd変化率の試験は、試験中の早期段階でμdが異常に高く、プレートの損傷が激しかったため、途中で試験を中止した。
Figure 2010121063
上記実施例の結果に示される通り、本発明の農業機械用潤滑油組成物は、動摩擦係数の耐久性に優れているため長期間使用しても動摩擦係数の低下が少なく良好であり、摩耗防止効果も高く、しかも、エマルション形成抑制効果及び防錆性にも優れているためトラクターなどの農業機械の潤滑油として有用であることが分かる。

Claims (1)

  1. 農業機械用潤滑油組成物であって、
    潤滑油基油と、
    (A)下記一般式(1)で表される炭素数が3〜6の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を、該潤滑油組成物の全量に対する亜鉛量換算で0.1〜0.4質量%と、
    Figure 2010121063

    (一般式(1)において、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して炭素数が3〜6の第2級アルキル基を表す。)
    (B)塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムスルホネート及び塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を、該潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.1〜0.5質量%と、
    (C)塩基価が50mgKOH/g以下のカルシウムスルホネートを、該潤滑油組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.05〜0.3質量%と、
    を含有することを特徴とする農業機械用潤滑油組成物。
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