JPH07179875A - 駆動油圧系潤滑油組成物 - Google Patents

駆動油圧系潤滑油組成物

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JPH07179875A
JPH07179875A JP5347700A JP34770093A JPH07179875A JP H07179875 A JPH07179875 A JP H07179875A JP 5347700 A JP5347700 A JP 5347700A JP 34770093 A JP34770093 A JP 34770093A JP H07179875 A JPH07179875 A JP H07179875A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦特性や耐摩耗性等を損なうことなく、ノ
イズの発生を抑制でき、特に、混入する水との反応によ
る沈澱物の生成を抑制した駆動油圧系潤滑油組成物を提
供すること。 【構成】 潤滑油基油に、組成物全量基準で、下記一般
式(1) 【化1】 (式中、R1は、牛脂脂肪酸から誘導される炭化水素基
であり、nは、2〜10の整数である。)で表されるN
−アルキル・ポリアルキレン・ジアミンと炭素数10〜
20の炭化水素基を有するカルボン酸との塩0.01〜
5.0重量%、及びアルコキシりん酸エステル0.05
〜7.0重量%を含有させてなることを特徴とする駆動
油圧系潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動油圧系潤滑油組成
物に関し、さらに詳しくは、トラクタ、建設機械等にお
ける湿式ブレーキ、及び自動変速機等における湿式クラ
ッチの潤滑に好適な駆動油圧系潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】湿式ブレーキまたは湿式クラッチは、従
来の乾式ブレーキまたは乾式クラッチに比べて安定した
制動力または動力が得られ、しかも潤滑油を介しての放
熱性や摩擦材の耐久性に優れるという特徴を有してい
る。そこで、湿式ブレーキは、トラクタなどの農業機械
やフォークリフトなどの建設機械等の分野で、また、湿
式クラッチは、自動変速機、無段変速機等の分野で、そ
れぞれ採用されることが多くなってきている。
【0003】湿式ブレーキまたは湿式クラッチ用の潤滑
油は、作動媒体、伝達媒体などの機能を兼ねるため、粘
度特性、酸化安定性、耐摩耗性、摩擦特性、低温流動性
等の性能に優れていることが必要であるが、それに加え
て、ブレーキノイズやクラッチノイズ等のノイズを防止
する性能をも有することが要求されている。即ち、湿式
ブレーキ及び湿式クラッチにおいては、各種の摩擦材と
各種組成の潤滑油が使用されているが、摩擦材と潤滑油
の組み合わせによって摩擦特性が異なることが多く、し
かもブレーキやクラッチの作動時にスティックスリップ
に起因するブレーキノイズやクラッチノイズを発生する
ことが多い。
【0004】湿式ブレーキでは、車両と共に回転してい
るディスクフェースにディスクプレートを押し付けて制
動する際に、摩擦面で発生するスティックスリップが原
因でノイズが発生するものと考えられているため、潤滑
油には適度の摩擦特性を備えていることが求められる。
したがって、湿式ブレーキ用潤滑油としては、適度の制
動力(ブレーキトルク特性)を発揮すると同時に、制動
時にノイズの発生のないことが要求されている。また、
ロックアップ機構を備えた湿式クラッチでは、ロックア
ップ作動時にスティックスリップによるシャダーやノイ
ズを発生しやすい。湿式ブレーキ用潤滑油の摩擦係数を
低下させると、変速ショックを小さくすることができる
が、クラッチのききや耐久性が損なわれやすい。
【0005】従来、潤滑油に摩擦調整剤を添加すること
により、ノイズの発生を防止することが提案されている
(特開昭63−66299号、特開昭63−25419
6号など)。しかし、湿式ブレーキ及び湿式クラッチ用
潤滑油においては、摩擦調整剤を使用することにより各
種ノイズの発生を防止することができるものの、その反
面、摩擦特性が低下するため、トルクが減少して、ブレ
ーキまたはクラッチの本来の機能である制動力または動
力が充分に得られない場合が生じたり、あるいは経時変
化により潤滑油が劣化してノイズが発生するようになる
場合があった。このように、駆動油圧系潤滑油におい
て、摩擦特性を低下させずにノイズの発生を防止するこ
とは極めて困難であった。
【0006】さらに、トラクタ用駆動油圧系潤滑油は、
水陸両用の装置で使用されるため、水が混入する場合が
あるが、混入した水によって添加剤が分離沈澱したり、
摺動面への添加剤の吸着が阻害されて、充分な潤滑性能
を維持することができないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、摩擦
特性や耐摩耗性等を損なうことなく、ノイズの発生を抑
制できる駆動油圧系潤滑油組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、混入する水との反応による沈
澱物の生成を抑制した駆動油圧系潤滑油組成物を提供す
ることにある。
【0008】本発明者は、前記従来技術の問題点を解決
するために鋭意検討を重ねた結果、潤滑基油に、牛脂ア
ミン(即ち、N−アルキル・ポリアルキレン・ジアミ
ン)のカルボン酸塩及びアルコキシりん酸エステルを必
須成分とし含有せしめた潤滑油組成物が、湿式ブレーキ
や湿式クラッチなどの駆動油圧系の潤滑油組成物として
優れた性能を示し、耐摩耗性及び摩擦特性を高水準に維
持しながらノイズの発生を防止できることを見いだし
た。本発明の潤滑油組成物は、水が混入しても、添加剤
の沈殿が抑制され、上記諸性能が阻害されない。
【0009】また、本発明の潤滑油組成物に、硫化オレ
フィン、ジチオりん酸亜鉛、スルホン酸アルカリ土類金
属塩、及びりん酸エステルアミン塩からなる群より選択
される少なくとも一種の化合物を添加すると、耐摩耗性
(極圧性)と摩擦特性がさらに良好で、かつ、ノイズ防
止性が改善される。本発明は、これらの知見に基づいて
完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、潤滑油
基油に、組成物全量基準で、下記一般式(1)
【0011】
【化2】 (式中、R1は、牛脂脂肪酸から誘導される炭化水素基
であり、nは、2〜10の整数である。)で表されるN
−アルキル・ポリアルキレン・ジアミンと炭素数10〜
20の炭化水素基を有するカルボン酸との塩0.01〜
5.0重量%、及びアルコキシりん酸エステル0.05
〜7.0重量%を含有させてなることを特徴とする駆動
油圧系潤滑油組成物が提供される。
【0012】以下、本発明について詳述する。潤滑油基油 本発明において用いる基油は、潤滑油組成物の主成分で
あって、通常の潤滑油に用いられる基油であれば特に制
限はなく、各種の鉱油、合成油、これらの混合油を用い
ることができる。基油は、100℃における動粘度が3
〜50mm2/sの範囲内にあるものが好ましい。
【0013】本発明で使用する基油の具体例には、鉱油
としては、潤滑油原料のフェノール、フルフラール等の
溶剤を用いた溶剤精製により得られたラフィネート、ま
たはコバルト、モリブデン等の水素化処理用触媒を用い
た水素化処理により得られた水素化処理油から誘導され
る60ニュートラル油、100ニュートラル油、150
ニュートラル油、300ニュートラル油、500ニュー
トラル油、ブライトストックなどが挙げられる。合成油
としては、ポリα−オレフィン、ポリブテン、二塩基酸
とアルコールとのエステル、ポリオールと脂肪酸とのエ
ステル、ポリグリコールエーテル、ポリグリコールエス
テル、りん酸エステル、シリコーンオイル、アルキルジ
フェニル、アルキルジフェニルエーテルなどが挙げられ
る。これらの中でも、水素化処理油が特に好ましい。
【0014】基油としては、これらの鉱油及び合成油
を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して用い
ることができる。鉱油と合成油を混合して基油として用
いる場合は、鉱油:合成油の重量割合を80:20〜2
0:80、好ましくは、70:30〜30:70の範囲
に設定することができる。特に好ましい混合油は、水素
化処理油と二塩基酸エステルまたはポリオールエステル
との混合油、溶剤精製油とポリα−オレフィンとの混合
油、ポリα−オレフィンと二塩基酸エステルまたはポリ
オールエステルとの混合油である。
【0015】N−アルキル・ポリアルキレン・ジアミン
のカルボン酸塩 本発明において用いるN−アルキル・ポリアルキレン・
ジアミンのカルボン酸塩は、前記一般式(1)で表され
るN−アルキル・ポリアルキレン・ジアミンとカルボン
酸とを反応させて得られるモノカルボン酸塩、ジカルボ
ン酸塩、またはこれらの混合物である。
【0016】一般式(1)において、R1は、牛脂脂肪
酸から誘導される炭化水素基であるが、牛脂脂肪酸は、
炭化水素基として、通常、炭素数14〜18のアルキル
基またはアルケニル基を有する。特に好ましい炭化水素
基は、炭素数16〜18のアルキル基であり、その中で
も第1級アルキル基がより好ましく、異性体を含んでい
てもよい。nは、3程度が好ましい。このN−アルキル
・ポリアルキレン・ジアミンは、分子中に一級アミンと
二級アミンを含んでおり、強いカチオン活性を示し、カ
ルボン酸と反応して塩を形成する。
【0017】カルボン酸としては、炭素数10〜20の
炭化水素基を有するカルボン酸を挙げることができる。
カルボン酸の具体例としては、デカン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペン
タデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタ
デカン酸、ノナデカン酸、イサコン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸などが挙げられる。これらの中で
も、特にオレイン酸が好ましい。
【0018】N−アルキル・ポリアルキレン・ジアミン
のカルボン酸塩には、N−アルキル・ポリアルキレン・
ジアミン分子中のアミンの半量が中和されたモノ置換塩
とアミンの全量が中和されたジ置換塩がある。モノ置換
塩は、カルボン酸が一級アミンと反応する場合、下記一
般式(2)で表される塩が形成される。
【0019】
【化3】 (式中、R1は、牛脂脂肪酸から誘導される炭化水素基
であり、R2は、炭素数10〜20の炭化水素基であ
る。) ジ置換塩は、カルボン酸が一級アミンと二級アミンの両
方と反応する場合、下記一般式(3)で表される塩が形
成される。
【0020】
【化4】 (式中、R1は、牛脂脂肪酸から誘導される炭化水素基
であり、R2は、炭素数10〜20の炭化水素基であ
る。)
【0021】このようなN−アルキル・ポリアルキレン
・ジアミンの具体例としては、例えば、ライオン・アク
ゾ社がデュオミン(DUOMEEN)Tの商品名で販売
しているN−アルキル・トリメチレン・ジアミンを挙げ
ることができる。デュオミンTは、牛脂脂肪酸から誘導
された牛脂アミンとアクリロニトリルを反応させ、水素
添加することにより得ることができ、通常、ジアミン成
分(有効成分)を83%程度含有している。カルボン酸
として、例えば、オレイン酸を使用して塩を形成させる
と、デュオミンT・モノオレートまたはデュオミンT・
ジオレートを得ることができる。
【0022】N−アルキル・ポリアルキレン・ジアミン
のカルボン酸塩は、基油に対して、組成物全量基準で
0.01〜5.0重量%の範囲で配合する。この配合割
合は、好ましくは0.05〜3.0重量%、より好まし
くは0.1〜2.0重量%である。この配合割合が少な
過ぎると、潤滑油組成物に水が混入した場合、添加剤成
分が沈殿して、耐摩耗性、摩擦特性及びノイズ防止性等
が低下する。この配合割合が多過ぎると、耐摩耗性が低
下し、また、経済的でない。
【0023】アルコキシりん酸エステル 本発明で使用するアルコキシりん酸エステルは、下記一
般式(4)及び(5)で表される化合物である。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】 (式中、R3及びR4は、炭化水素基であり、好ましくは
炭素数8〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール
基、またはアルキル置換アリール基であり、互いに同一
または異なっていてもよい。R5は、炭素数1〜5のア
ルキレン基である。x及びyは、1〜20の整数であ
る。)
【0026】R3及びR4の具体例としては、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、
テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデ
シル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエ
イコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、トリ
アコンティル等のアルキル基;オクテン、ノネン、デセ
ン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、ペンタデセ
ン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナ
デセン、エイコセン、ヘンエイコセン、ドコセン、トリ
コセン、オレイル、リノレイル等のアルケニル基;キシ
ルル、ナフチル等のアリール基;ノニルフェニル等のア
ルキルアリール基が挙げられる。
【0027】R5の具体例としては、メチレン、エチレ
ン、プロピレン、ブテン等のアルキレン基が挙げられ、
それらの中でも特にエチレン基が好適である。アルコキ
シりん酸エステルの具体例としては、例えば、エトキシ
オレイルりん酸エステル、エトキシステアリルりん酸エ
ステル、エトキシパルミチルりん酸エステル、エトキシ
ミリスチルりん酸エステル、これらの2種以上の混合物
等を挙げることができる。
【0028】アルコキシりん酸エステルは、基油に対し
て、組成物全量基準で0.05〜7.0重量%の割合で
配合する。この配合割合は、好ましくは0.1〜5.0
重量%、より好ましくは0.5〜4.0重量%である。
この配合割合の範囲内において、他の添加剤成分と組み
合わせた場合に、良好な摩擦特性と耐摩耗性が得られ
る。
【0029】任意成分 本発明の駆動油圧系潤滑油組成物には、必須成分のN−
アルキル・ポリアルキレン・ジアミンのカルボン酸塩と
アルコキシりん酸エステル以外に、硫化オレフィン、ジ
チオりん酸亜鉛、スルホン酸アルカリ土類金属塩、及び
りん酸エステルアミン塩からなる群より選択される少な
くとも一種の化合物を配合することができる。これらの
化合物をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することにより、耐摩耗性やノイズ防止性など
をより向上させることができる。これらの化合物の配合
割合は、組成物全量基準で各々7.0重量%以下、好ま
しくは0.05〜7.0重量%、より好ましくは0.5
〜5.0重量%である。この配合割合の範囲内におい
て、これらの化合物は併用効果を効果的に発揮する。硫
化オレフィンとしては、極圧添加剤として一般に使用さ
れているものが使用できる。ジチオりん酸亜鉛は、下記
一般式(6)で表される化合物である。
【0030】
【化7】 (式中、R6〜R9は、水素原子、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜26のシクロアルキル基、炭素数6
〜26のアリール基、アルキルアリール基またはアリー
ルアルキル基であり、互いに同一または異なっていても
よい。)
【0031】R6〜R9は、好ましくは炭素数2〜12の
アルキル基、炭素数8〜18のシクロアルキル基、また
は炭素数8〜18のアルキルアリール基であり、さらに
好ましくは、炭素数3〜8の第1級アルキル基、炭素数
3〜6の第2級アルキル基または第1級アルキル基が全
アルキル基の50%以上である。ジチオりん酸亜鉛は、
極圧剤、酸化防止剤、腐蝕防止剤等の機能を有する。ス
ルホン酸アルカリ土類金属塩(即ち、アルカリ土類金属
スルホネート)としては、例えば、過塩基性カルシウム
スルホネート、過塩基性マグネシウムスルホネート、過
塩基性バリウムスルホネートなどが挙げられる。
【0032】これらのスルホネートは、アルキル芳香族
化合物をスルホン化剤(例えば、発煙硝酸、SO2ガス
など)によりスルホン化した後、過塩基性カルシウム、
マグネシウム、またはバリウム塩に変換することにより
製造される。原料となるスルホン酸としては、鉱油の潤
滑油留分、洗剤プラントより副生する直鎖または分枝ア
ルキルベンゼン、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル
化したもの、ジアルキルナフタレンなど平均分子量が通
常200〜700、好ましくは350〜600の範囲の
アルキル芳香族化合物をスルホン化することにより得ら
れる石油スルホン酸、合成スルホン酸及びそれらの混合
物が使用される。また、過塩基性カルシウム塩として
は、カルシウム塩化物または酸化物の存在下に炭酸ガス
を吹き込んで、2〜15倍量の無機炭酸塩を分散させた
ものが使用できる。なお、マグネシウム塩、バリウム塩
についても、ほぼ同様のものが使用される。りん酸エス
テルアミン塩は、下記一般式(7)で表わされる化合物
が使用できる。
【0033】
【化8】 (式中、R10及びR11は、炭素数1〜30の炭化水素基
であり、mは、1〜3の整数であり、nは、1または2
である。)
【0034】炭化水素基は、好ましくは炭素数が4〜3
0であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
ルキル置換アリール基などが挙げられる。これらの炭化
水素基は、それぞれ同一または異なっていてもよい。炭
化水素基の具体例としては、ブチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パル
ミチル基、ステアリル基、オレイル基、フェニル基、ク
レジル基などが挙げられる。
【0035】その他の添加剤 本発明の潤滑油組成物には、潤滑油としての性能向上の
ために一般に使用されている粘度指数向上剤、酸化防止
剤、消泡剤、流動点降下剤、金属不活性剤、金属清浄
剤、無灰清浄分散剤、防錆剤などを配合することができ
る。粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレート、エ
チレン・プロピレンコポリマー、ポリイソブチレン、ス
チレン−ブタジエン水添共重合体等が挙げられ、これら
は、通常、3〜35重量%の範囲で使用される。
【0036】酸化防止剤としては、フェノール系化合物
やアミン系化合物など一般的に使用されているものが使
用できる。具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−エチル−フェノール、4,4′−メチレンビ
ス(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)など
のフェノール系酸化防止剤;フェニル−α−ナフチルア
ミン、ジアルキルジフェニルアミン、アルキル化−α−
ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、ジアミルジ
チオカルバミン酸亜鉛、五硫化ピネンなどを挙げること
ができる。これらは、通常、0.05〜2.0重量%の
範囲で使用される。
【0037】消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサン、ポリアクリレートなどが挙げられ、適宜微量
の割合で使用される。金属清浄剤としては、Ca−フェ
ネート、Ba−フェネートなどが挙げられ、通常、0.
1〜5.0重量%の範囲で使用される。無灰清浄分散剤
としては、こはく酸イミド系、こはく酸アミド系、ベン
ジルアミン系、エステル系などがあり、通常、0.5〜
7.0重量%の範囲で使用される。防錆剤としては、ア
ルケニルこはく酸またはその部分エステルなどが挙げら
れる。
【0038】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。
【0039】[実施例1〜3、比較例1〜9]表1に示
す基油成分と、各種添加剤成分を混合して潤滑油組成物
を調製した。各成分の配合割合は、組成物全量基準(重
量%)である。ただし、消泡剤は、少量なので外部添加
剤成分(100重量%外成分)として表記した。また、
潤滑油組成物に水が混入した場合の特性を評価するため
に、調製した潤滑油組成物に水を0.5容量%添加した
例を示した。
【0040】各成分は、次の通りである。 (1)基油:動粘度が4.0mm2/s(100℃)の
溶剤精製による鉱油 (2)デュオミンT・ジオレート:ライオン・アクゾ社
製のN−アルキル・トリメチレン・ジアミンとオレイン
酸とのジ置換塩 (3)アルコキシりん酸エステル:エトキシオレイルり
ん酸エステル (4)硫化オレフィン:ポリオレフィンサルファイド (5)ジチオりん酸亜鉛:sec−C3/C4ジアルキル
基混合ジチオりん酸亜鉛 (6)金属清浄剤:カルシウムスルフォネート (7)りん酸エステルアミン塩:オレイルアッシドホス
フェートアミン塩 (8)粘度指数向上剤:ポリメタクリレート (9)酸化防止剤:ジアルキルジフェニルアミン (10)消泡剤:ジメチルシロキサン
【0041】潤滑油組成物の性能試験法は、次の通りで
ある。 <極圧性>シェル四球式耐摩耗性試験にしたがって、焼
付時の荷重(焼付荷重:Kgf)を測定した。 回転数: 1760rpm 油 温: 18〜35℃ 時 間: 10秒 <ブレーキノイズ防止性>調製した潤滑油組成物をトラ
クタに給油して、実車によるブレーキングテストを行
い、ノイズの有無を判定した。 <摩擦特性>摩擦特性は、SAE No.2試験機を用
い、摩擦材に燒結合金、面圧10kgf/cm2、回転
数0.5rpm、油温100℃にて、調製した潤滑油組
成物の静摩擦係数を測定した。潤滑油組成物の組成、水
混入の有無、性能試験の結果を表1に一括して示す。
【0042】
【表1】 (*1)ライオン・アクゾ社製のN−アルキル・トリメ
チレン・ジアミンとオレイン酸とのジ置換塩
【0043】実施例1〜3の結果から明らかなように、
本発明の潤滑油組成物は、水の存在の有無にかかわらず
(特に、実施例2と3の対比)、優れた耐摩耗性と摩耗
特性を有し、ノイズの発生もない。また、実施例1と実
施例2〜3とを対比すると、硫化オレフィンやジチオり
ん酸亜鉛等の任意成分を添加することにより、耐摩耗性
が向上し、ノイズの発生もない。
【0044】これに対して、N−アルキル・トリメチレ
ン・ジアミンのオレイン酸塩を添加しない場合には、水
の不存在下で良好な特性を示す潤滑油組成物もあるが
(比較例3)、水が混入すると(比較例2)、耐摩耗性
や摩擦特性が低下し、しかもノイズが発生する。また、
その他の比較例からも明らかなように、N−アルキル・
トリメチレン・ジアミンのオレイン酸塩またはアルコキ
シりん酸エステルのいずれか一方の成分を欠く場合に
は、満足できる特性を有する潤滑油組成物を得ることが
できない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、摩擦特性や耐摩耗性等
を損なうことなく、ノイズの発生を抑制できる駆動油圧
系潤滑油組成物が提供される。また、本発明の駆動油圧
系潤滑油組成物は、水の混入した状態でも、極圧性、ブ
レーキノイズ防止性、及び摩擦特性が良好であるため、
トラクタや建設機械等の湿式ブレーキ及び自動変速機等
の湿式クラッチ用の潤滑油として好適に使用することが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 135:04 137:10 A 135:10 137:08) C10N 10:02 10:04 30:00 C Z 30:04 40:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に、組成物全量基準で、下記
    一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、牛脂脂肪酸から誘導される炭化水素基
    であり、nは、2〜10の整数である。)で表されるN
    −アルキル・ポリアルキレン・ジアミンと炭素数10〜
    20の炭化水素基を有するカルボン酸との塩0.01〜
    5.0重量%、及びアルコキシりん酸エステル0.05
    〜7.0重量%を含有させてなることを特徴とする駆動
    油圧系潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、硫化オレフィン、ジチオりん酸
    亜鉛、スルホン酸アルカリ土類金属塩、及びりん酸エス
    テルアミン塩からなる群より選択される少なくとも一種
    の化合物を組成物全量基準で各々7.0重量%以下の割
    合で含有させてなる請求項1記載の駆動油圧系潤滑油組
    成物。
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