JP2009275084A - カップリング用流体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度でありながら、耐摩耗性と極圧性に優れ、かつシャダー防止機能を長期間に亘って保持するカップリング用流体を提供する。
【解決手段】実質的に合成油のみからなる潤滑油基油を主成分として含み、またアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートから選ばれる少なくとも1種をアルカリ土類金属の含有量として0.01質量%未満含み、かつ100℃における動粘度が4.0〜6.0mm/s、−40℃におけるブルックフィールド粘度が5000mPa・s以下であるカップリング用流体。潤滑油基油は合成油としてポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物と分子内にエステル結合を少なくとも1つ有するエステル化合物を含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、動力を流体によって伝達するカップリング用の流体に関し、特には、駆動力を前後輪に最適配分する四輪駆動(4WD)車用の電子制御4WDカップリングに好適に用いることができるカップリング用流体に関する。
電子制御4WDカップリングとは四輪駆動(4WD)タイプの自動車において、車両の前後輪及び左右輪のトルク分配を電子制御により走行状況や路面状況に応じて最適化する装置である。電子制御4WDカップリングは主体となるペーパー系湿式多板クラッチと鉄系電磁クラッチとそれに付随する回転をサポートする摺動部材やシール機構で構成されており、これらを収容するケーシングに充填された共通の流体で潤滑と動力の伝達をしている。このような構造上及び利用上の特徴から、従来は類似する自動変速機油(ATF)が流用されていた。
近年、更なる制御性の向上や車両の低燃費化の要望に応えるために、流体粘度を下げて撹拌抵抗を低減させ低燃費化を図るなど、制御性を向上した電子制御4WDカップリング専用の流体の開発が望まれている。また、充填された流体はATFと同様に自動車の使用中に劣化したら交換することが好ましいが、自動車製造時に充填された流体が廃車まで交換されないことが現実的には多いため、長期に亘って良好な性能を維持することも求められている。
例えば、潤滑油基油に、リン化合物、アルカリ土類金属系清浄剤を特定量含有した動力伝達装置用の潤滑油組成物が提案されている(特許文献1)。この潤滑油組成物は電子制御4WDカップリング用流体を対象とするものであり、耐摩耗性やスティックスリップ防止性を長期に亘って維持することを目的としている。しかしながら、この潤滑油組成物は、低温において粘度が十分に低くない為に撹拌抵抗が大きくなって引きずりトルクが発生し、カム機構を経て増幅され、装置のメインクラッチ部分での作動制御を不安定化させることが懸念される。また清浄剤に由来するアルカリ土類金属の含有量が多い分スティックスリップ防止寿命が短く、特に電子制御4WDカップリング用流体として、装置の構造上、無交換が望ましいが、十分長寿命を有しているとは見られない。
特開2006-152092号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低粘度でありながら良好な耐摩耗性と極圧性を有し、かつスティックスリップ現象による自励振動(シャダー)などの不安定動作を長期間に亘って防止できる性能を有するカップリング用流体を提供することを課題とする。
本発明者らは、電子制御4WDカップリングに好適に用いることのできる作動流体を開発すべく、鋭意研究、検討を進めてきた。その結果、特定の潤滑油基油と用いて調製された、特定の物性を有するカップリング流体は、低粘度でありながら良好な耐摩耗性、極圧性を有し、しかも長いシャダー防止寿命を有することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は次のとおりのカップリング用流体である。
(1) 実質的に合成油のみからなる潤滑油基油を主成分として含み、またアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートから選ばれる少なくとも1種をアルカリ土類金属の含有量として0.01質量%未満含み、かつ100℃における動粘度が4.0〜6.0mm/s、−40℃におけるブルックフィールド粘度が5000mPa・s以下であることを特徴とするカップリング用流体。
(2) 潤滑油基油が合成油としてポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物と分子内にエステル結合(−COO−)を少なくとも1つ有するエステル化合物を含む(1)に記載のカップリング用流体。
本発明のカップリング用流体によれば、基油と合成油を含有し、低粘度かつ低ブルックフィールド粘度を有することから、幅広い温度での安定した動作を発揮できる十分な粘度特性を有しつつも、低粘度化において懸念される装置の摺動部での摩耗を十分に防止できる耐摩耗性と極圧性を有し、かつスティックスリップ現象による自励振動(シャダー)のような不安定動作を更に長期間に亘って防止できる十分な性能を持ち合わせており、特に電子制御4WDカップリングにおいて優れた性能を発揮するという格別な効果を奏する。
〔潤滑油基油〕
本発明のカップリング用流体は潤滑油の範疇に分類される。一般的に潤滑油の基油としては各種の原油を精製して得た潤滑油留分、鉱油系の潤滑油基油が広く用いられていれるが、本発明のカップリング用流体には、実質的に合成油のみを含む潤滑油基油を用いる。鉱油系の潤滑油基油については、低温特性に劣るため、好ましい粘度特性を得ることができず、カップリング用流体には適さない。
本発明で用いることができる合成油としては、ポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物、ポリブテン及び/又はその水素化物、アルキル芳香族、分子内にエステル結合(−COO−)を少なくとも1つ有するエステル化合物、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、及びポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。また、例えば、ポリ−α−オレフィンであっても、α−オレフィンの種類あるいは重合度などが異なる複数のポリ−α−オレフィンを組み合わせて用いることもできる。これらのなかでも、ポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物、エステル化合物が好ましく、特にポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物とエステル化合物との混合物を潤滑油基油として用いることが好ましい。エステル化合物をポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物に配合することによって、潤滑油基油のブルックフィールド粘度を下げて、低温特性を更に向上することができる。
ポリ−α−オレフィンは、C6〜C14のα−オレフィンの低重合によって得られる。水素化物はα−オレフィンの低重合によって得られたポリ−α−オレフィン(α−オレフィンオリゴマー)の2重結合部に、公知の水素化法を用いて水素を添加して安定性を向上させたものである。
分子内にエステル結合(−COO−)を少なくとも1つ有するエステル化合物は、カルボン酸エステルのことであり、カルボン酸とアルコールとをエステル化して得ることができる。モノカルボン酸とモノアルコールから得られ、1個のエステル結合を有するモノエステル、ジカルボン酸とモノアルコールから得られ、2個のエステル結合を有するジエステル、多価アルコール(ポリオール)とモノカルボン酸から得られ、2個以上のエステル結合を有するポリオールエステル、ジカルボン酸、多価アルコール(ポリオール)及びモノカルボン酸又はモノアルコールから得られ、複数のエステル結合を有するコンプレックスエステルなどが挙げられ、本発明においてジエステル、ポリオールエステルを好ましく用いることができる。なお、エステル化の方法は特に限定するものでなく、カルボン酸とアルコールは便宜上代表させたもので、それらの誘導体を用いても良いし、エステル交換反応で合成してもかまわない。
本発明で用いるエステルは、安定性を確保し腐食を防止する上で、カルボキシル基或いは水酸基を含有しないものが好ましく、また、未反応のカルボン酸やアルコールが残存していないことが好ましい。
ポリ−α−オレフィン、エステル化合物の物性を特に限定するものではないが、潤滑油基油全体として100℃における動粘度が2.0〜5.0mm/s、更には2.5〜4.5mm/sとなることが好ましい。本発明のカップリング用流体は、上記の潤滑油基油に各種の添加剤を配合して調製されるが、その際に粘度指数向上剤、流動点降下剤など比較的粘度の高い添加剤の配合を見越して、潤滑油基油全体の動粘度を予め上記の範囲に調整しておくことが好ましい。したがって、潤滑油基油を調製した段階でその粘度が上記の範囲に含まれていればよく、潤滑油基油の原料である個々のポリ−α−オレフィンやエステル化合物の動粘度は、潤滑油基油と同じ上記の粘度範囲内が好ましいが、上記の範囲を外れていてかまわない。
潤滑油基油として上記のようにポリ−α−オレフィンとエステル化合物との混合物が好ましいが、ポリ−α−オレフィン/エステル化合物の混合比(質量比)は、100/0〜50/50が好ましく、より好ましくは95/5〜70/30、更に好ましくは85/15〜75/25である。ポリ−α−オレフィンは、鉱油よりはるかに優れた低温特性を有しているが、エステル化合物を配合することによって、ブルックフィールド粘度を下げ、更に低温特性を向上することができる。更に、エステル化合物を配合することによって、添加剤の溶解性が高まるため、添加剤の析出などが避けられる。
〔清浄剤〕
本発明のカップリング用流体は、清浄剤としてアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートから選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩化合物をアルカリ土類金属の含有量として0.01質量%未満含有する。
アルカリ土類金属スルホネートは、代表的には、アルキル芳香族化合物を発煙硫酸や硫酸などを用いスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩である。アルカリ土類金属フェネートは、アルキルフェノールサルファイド又はこのアルキルフェノールとホルムアルデヒドを反応させて得られるアルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物のアルカリ土類金属塩である。また、アルカリ土類金属サリシレートは、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩である。塩を形成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)などが挙げられ、Mg、Caが好ましく、特にCaが好ましい。また、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートには、中性塩だけでなく、さらにアルカリ土類金属塩を付加した過塩基性金属塩であってもよい。
本発明のカップリング用流体において、有機酸金属塩化合物をアルカリ土類金属として0.01質量%未満含有されるよう配合する。配合量が少ないと所望の清浄作用を得ることができないことがあり好ましくなく、逆に、0.01質量%以上配合してもその増量に見合う清浄作用を得ることができないばかりでなく、シャダー防止寿命を低下することがある。より好ましい有機酸金属塩化合物の配合量はアルカリ土類金属として30〜90質量ppmである。
〔粘度指数向上剤〕
本発明のカップリング用流体は、温度変化に依存する粘度変化を低減するために粘度指数向上剤を更に含有することができる。粘度指数向上剤として、分散型あるいは非分散型のいずれも用いることができ、具体的には、ポリメタクリレート類、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン共重合体、ポリイソブチレン、ポリスチレン、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−ジエステル共重合体などが挙げられる。中でも、分散型及び非分散型ポリメタクリレート、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。ポリメタクリレートは、その重量平均分子量が1,000〜100,000のものが好ましくは、より好ましくは5,000〜50,000である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の場合、その重量平均分子量は、800〜150,000が好ましくは、より好ましくは3,000〜12,000である。これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが望ましい。
粘度指数向上剤は、上記のうちの1種を単独で用いることも、また、2種以上を組み合わせて用いることもできる。粘度指数向上剤は、カップリング用流体全量を基準として、0.1〜20.0質量%含有されるよう配合することが好ましい。
〔カップリング用流体〕
本発明のカップリング用流体は、上記の潤滑油基油、清浄剤及び粘度指数向上剤、更にその他の添加剤を適宜の割合で配合して調製することができる。本発明のカップリング用流体は、100℃における動粘度が4.0〜6.0mm/sであり、かつ−40℃におけるブルックフィールド粘度が5000mPa・s以下であることを特徴とする。動粘度が6.0mm/sを超えると、引きずりトルク増大によるメインクラッチ部分での作動制御が不安定化する。一方、4.0mm/s未満になると、耐摩耗性の低下やシール漏れが危ぶまれ、また摺動部において潤滑のための油膜が確保できなくなり、装置の損傷が懸念される。好ましいカップリング用流体の100℃における動粘度は4.5〜5.5mm/sである。
また、ブルックフィールド粘度が5000mPa・sより高いと、引きずりトルク増大によるメインクラッチ部分での作動制御が不安定化する。ブルックフィールド粘度は4000mPa・s以下が好ましく、更に好ましくは3500mPa・s以下である。
本発明のカップリング用流体は、各種の流体継手、乗用車や鉄道用の自動変速機、無段変速機、トルクコンバータ、各種の動力分配・調整機構などに用いる流体として有効に使用することができる。特に、100℃における動粘度が比較的低く、ブルックフィールド粘度も極めて低いことから、4WD車の駆動力を前後輪に最適配分する電子制御4WDカップリングに好適に用いることができる。すなわち、低動粘度と低ブルックフィールド粘度から摺動部においてスティックスリップが起こりにくくなり、スティックスリップにより発生するシャダーを防止することができることから、電子制御4WDカップリングの寿命(特に耐シャダー寿命)の長寿命化を図ることができる。
〔その他の添加剤〕
本発明のカップリング用流体には、本発明の目的が阻害されない範囲で、所望により、上記以外の添加剤をさらに配合することができる。このような添加剤として、例えば、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、モリブデン錯体等の摩耗防止剤、及び脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、脂肪族イミド系、脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩等の無灰摩擦調整剤やモリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の金属系摩耗防止剤;コハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化合物誘導体、コハク酸エステル、ベンジルアミン(マンニッヒ化合物)などの分散剤;ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリレート、アルキル化芳香族化合物、エチレン−酢ビ共重合体などの流動点降下剤;オレフィンポリサルファイド、硫化油脂、ジベンジルジサルファイドなど極圧剤;高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アミンなどの油性向上剤;フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、金属ジチオカルバメートなど酸化防止剤;非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤、ステアリン酸などの脂肪酸、ジカルボン酸、金属石鹸、脂肪酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩などの防錆剤;トリアゾール又はその誘導体、チアジアゾール誘導体、ピリミジン誘導体、およびメルカプトベンズイミダゾールなどの腐食防止剤ないし金属不活性化剤;シリコーン油やアルキルメタクリレート重合体などの消泡剤などを挙げることができる。これらの添加剤の配合量は、特に限定するものではなく、本発明の効果を阻害することがない量で添加できる。通常0.01〜20質量%程度の量を適宜配合すればその機能を発揮する。また、粘度指数向上剤、清浄分散剤、流動点降下剤、酸化防止剤、摩耗防止剤など複数の添加剤を含有するパッケージ添加剤を用いることもできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のように実施すれば実現できるが、かかる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜5、比較例1〜4〕
実施例1〜5及び比較例1〜4として、それぞれ以下に示す潤滑油基油と添加剤を用い、表1の上部に示す割合(質量%)で配合して、表1の中段に示す動粘度、粘度指数、ブルックフィールド粘度、及びカルシウム含有量を有する供試油(カップリング用流体)を調製した。
〔潤滑油基油〕
基油A1:水素化分解鉱油(100℃における動粘度:3.00mm/s、粘度指数:107)
基油B1:ポリ−α−オレフィン(100℃における動粘度:3.86mm/s、粘度指数:122)
基油B2:ポリ−α−オレフィン(100℃における動粘度:6.01mm/s、粘度指数:147)
基油C1:ジオクチルアジペート(100℃における動粘度:2.30mm/s、粘度指数:118)
基油C2:ネオペンチルグリコールジオクテート(100℃における動粘度:2.22mm/s、粘度指数:132)
〔添加剤〕
添加剤D1:摩耗防止剤、分散剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、及び消泡剤を含有する添加剤パッケージ。主な元素成分の含有量は硫黄分:1.09質量%、窒素分:2.54質量%、ホウ素分:0.08質量%、リン分:0.24質量%、カルシウム分:0.13質量%であった。
添加剤D2:摩耗防止剤、分散剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、及び消泡剤を含有する添加剤パッケージ。主な元素成分の含有量は硫黄分:0.87質量%、窒素分:1.69質量%、ホウ素分:0.12質量%、リン分:0.25質量%、カルシウム分:0.037質量%であった。
添加剤E1:粘度指数向上剤(非分散型ポリメタクリレート、重量平均分子量:30,000)
添加剤F1:流動点降下剤(ポリメタクリレート)
Figure 2009275084
上記のようにして調製した実施例1〜5及び比較例1〜4の供試油(カップリング用流体)について、耐摩耗性、極圧性及びシャダー防止寿命の評価試験を行った。その結果を表1の下段に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜4の供試油(カップリング用流体)の粘度関連物性の測定及びカルシウム含有量の測定並びに評価試験は以下に示す方法で行った。
(1)動粘度、粘度指数
動粘度はJIS K 2283に準拠して測定し、粘度指数をA法に従って算出した。
(2)ブルックフィールド粘度(BF粘度)
ASTM D 2983に準拠して測定した。
(3)カルシウム含有量
ASTM D5185に準拠し、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)を用いて測定した。
(4)耐摩耗性(シェル四球試験)
ASTM D 2266に準拠し、回転数:1800rpm、荷重:40kgf、油温:80℃、時間:30分間の条件で摩耗試験を行い、試験後の摩耗痕径(mm)を測定した。摩耗痕径が小さい程、耐摩耗性に優れていることとなる。
(5)極圧性(シェル四球試験)
ASTM D 2596に準拠し、最大非焼付荷重(LNL)と融着荷重(WL)を測定し、荷重摩耗指数(LWI)を求めた。何れも数値が大きい程、極圧性に優れていることを示す。
(6)シャダー防止寿命
JASO M349:2001に準拠し、低速すべり摩擦試験機を用いてシャダー防止寿命を測定した。本試験開始からdμ/dVが負になるまで時間をシャダー防止寿命とした。なお、表1に示す各実施例及び比較例のシャダー防止寿命は、比較例2のシャダー防止寿命を1.0とした場合の相対値として示した。この数値が大きい程、長期に亘ってシャダーを防止する性能に優れていることとなる。
表1から、基油に合成油のみを用いた場合はBF粘度を全て満足させることが可能である(実施例1〜5、比較例2、4)が、鉱油を配合した場合はブルックフィールド粘度を満足できない(比較例1、3)。また、Ca量が0.01質量%未満の組成物(実施例1〜5、比較例1)は、Ca量が0.01質量%以上である組成物(比較例2〜4)よりもシャダー防止寿命が長いことが分かる。従って、本発明の実施例1〜5は無交換が望ましいカップリング用流体にとって重要な長期間のシャダー防止寿命を有していることから、引きずりトルク増大によるメインクラッチ部分における不安定な動作を長期間に亘って十分抑制されることが期待される。更に、ポリ−α−オレフィン合成油にエステル化合物を配合すると、BF粘度をより低くすることができ、更に優れた低温特性を付与することができる(実施例2〜5)。しかも、実施例1〜5の組成物は、100℃における動粘度が約5mm/sという低粘度でありながら、優れた耐摩耗性、極圧性を有しており、上記のシャダー防止寿命特性、BF粘度特性と相俟って優れた実用性能を有していることが分かる。

Claims (2)

  1. 実質的に合成油のみからなる潤滑油基油を主成分として含み、またアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートから選ばれる少なくとも1種をアルカリ土類金属の含有量として0.01質量%未満含み、かつ100℃における動粘度が4.0〜6.0mm/s、−40℃におけるブルックフィールド粘度が5000mPa・s以下であることを特徴とするカップリング用流体。
  2. 潤滑油基油が合成油としてポリ−α−オレフィン及び/又はその水素化物と分子内にエステル結合を少なくとも1つ有するエステル化合物を含む請求項1に記載のカップリング用流体。
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CN103146238A (zh) * 2013-02-04 2013-06-12 安徽省繁昌县皖南阀门铸造有限公司 一种含有三聚甘油单硬脂酸酯的金属防锈油
JP2014177605A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物

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