JP5701630B2 - 潤滑油添加剤及びそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

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本発明は、潤滑油に添加剤として使用した場合に、従来の摩耗防止剤と比較して摩耗を防止する効果が高い潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有した潤滑油組成物に関する。
自動車や工作機械等の機械類は近年高機能化が進んでおり、こうした機械類に使用される潤滑油の要求性能も高まっている。潤滑油に求められる機能や効果は様々であるが、機械類の高速化や高圧力化が進んでおり、摩耗防止に対する要求性能が非常に大きい。摩耗防止には、通常、添加剤として摩耗防止剤を潤滑油に添加するが、こうした摩耗防止剤は昔からよく知られた添加剤であり、一般的にリン系や硫黄系の化合物、またはこれらの組み合わせで摩耗防止に対応していた。
例えば、特許文献1には、潤滑油基油(鉱油・合成油)に対して、清浄剤として全塩基価(TBN)165mgKOH/gを有するカルシウム・アルキサリチレート(カルシウム(Ca)含有量6.0質量%)を質量%で5.8〜8.3、酸化防止剤兼摩耗防止剤としてプライマリアルキル型ジンク・ジチオホスフェートを亜鉛(Zn)の質量%で0.09〜0.13、摩擦調整剤兼摩耗防止剤として油溶性オキシモリブデン・ジアルキルジチオホスフェートを、モリブデン(Mo)の質量%で0.02〜0.04を配合したことを特徴とする排気ガス還流装置付エンジン用ディーゼルエンジンオイルが開示されている。
また、特許文献2には、次の化学構造
Figure 0005701630
[ここで、R及びR’は水素またはアルキルであってよく、このさいRまたはR’の少なくとも一つはアルキルであり、ここでR’’はアルキル、またはR’’OCOCH、またはR’’’OCOCHCH(ここで、R’’’はアルキルであり、そしてXはSである)である]を有する組成物からなる低リン潤滑剤用の摩耗防止剤が開示されている。
更に、特許文献3には、スーパートラクターオイルユニバーサル潤滑組成物であり、a)粘度指数が少なくとも約95であり、i)少なくとも一つの金属清浄剤と、ii)少なくとも一つのリンベースの摩耗防止剤と、iii)少なくとも一つの油溶性モリブデン化合物を含む添加剤成分で調合された潤滑粘度のオイルを含み、b)潤滑組成物の総重量を基にした金属の含有量(ppm)と潤滑組成物の全塩基価(mg KOH/g)の比率が約210から約450(ppm/mg KOH/g)であることを特徴とし、c)潤滑油組成物の総重量を基にした金属の含有量(ppm)と潤滑組成物の総重量を基にしたリンの含有量(ppm)の比率が約5.0から約20.0(ppm/ppm)であり、また、d)潤滑組成物の総重量を基にしたリンの含有量(ppm)と潤滑組成物の総重量を基にしたモリブデンの含有量(ppm)の比率が約0.5から約80.0(ppm/ppm)である、スーパートラクターオイルユニバーサル潤滑組成物が開示されている。
特開平7−207290号公報 特開2003−183247号公報 特開2008−174742号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたいずれの摩耗防止剤も、摩耗防止効果は不十分であり、市場ではより効果の高い潤滑油添加剤が求められている。
従って、本発明が解決しようとする課題は、従来知られている摩耗防止剤と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油、並びに当該潤滑油添加剤を配合した潤滑油組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表される化合物であって、一般式(1)におけるnの平均(平均重合度)が1.1〜2.0である化合物(X)を必須成分として含有する潤滑油添加剤、及び当該潤滑油添加剤を配合した潤滑油組成物である:
Figure 0005701630
(式中、Aは、下記の一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表し、nは、1〜10の数を表す。)
Figure 0005701630
本発明の効果は、従来知られている摩耗防止剤と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油添加剤、及び当該潤滑油添加剤を配合した潤滑油組成物を提供したことにある。
本発明の潤滑油添加剤は、下記の一般式(1)で表される化合物であって、一般式(1)のnの平均(平均重合度)が1.1〜2.0である化合物(X)を必須成分として含有するものである:
Figure 0005701630
(式中、Aは炭素原子数2〜20の炭化水素基を表し、nは1〜10の数を表す。)
一般式(1)において、Aは、炭素原子数2〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を一つ以上含有する炭化水素基などが挙げられ、アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、オクタデシレン基、イコサレン基などが挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、ジシクロペンチレン基、トリシクロペンチレン基などが挙げられる。
アリーレン基を一つ以上含有する炭化水素基としては、例えば、以下の一般式(2)で表される基、一般式(3)で表される基、一般式(4)で表される基、ナフチレン基、1,2−ジフェニルエチレン基等が挙げられ、一般式(2)で表される基の場合、結合する箇所によってオルト体、メタ体及びパラ体の3つの構造になるが、いずれの構造であってもよく、これらの違いによって性能は変わらない。
これらの中でも、摩耗防止効果が高いことからAはアリーレン基を一つ以上含有する炭化水素基が好ましく、一般式(2)、一般式(3)または一般式(4)で表される基がより好ましく、一般式(2)または一般式(3)で表わされる基が更に好ましく、一般式(2)で表わされる基が最も好ましい。
Figure 0005701630
一般式(1)のnは重合度を表わし、本発明の潤滑油添加剤において、摩耗防止効果を充分に発揮させるためには、nは1〜10の数であり、好ましくは、1〜5の数である。また、nの平均、すなわち、平均重合度は、一般式(1)で表される化合物のモル比から計算され、例えば、n=1の化合物が50モル%、n=2の化合物が50モル%の組成ならば、平均重合度は1.5となる。なお、nの値は高速液体クロマトグラフィーの測定結果から算出できる。
本発明の潤滑油添加剤には、一般式(1)のnがゼロである化合物(リン酸トリフェニル)や、nが11以上の化合物が不純物として混入することもあるが、これらの含有量は本発明の潤滑油添加剤100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。これらの化合物の含有量が10質量部を超えると、本発明の潤滑油添加剤の摩耗防止効果が劣化するために好ましくない。
本発明の潤滑油添加剤の摩耗防止効果を高めるためには、一般式(1)のnの平均、すなわち平均重合度は、1.1〜2.0の範囲内にあることが必要であり、1.1〜1.8が好ましく、1.1〜1.6がより好ましく、1.1〜1.5が更に好ましい。nの平均が1.1未満の場合や2.0を超える場合は摩耗防止効果が低くなる場合や、基油に対する溶解性が劣る場合があるために好ましくない。なお、一般式(1)のnがゼロである化合物や、nが11以上の化合物が混入している場合、本発明の潤滑油添加剤のnの平均、すなわち、平均重合度を算出する際に、これらの化合物のnの値を含めないものとする。
また、nは上記の平均、すなわち平均重合度を満たせば、nの組成比の制限は特にないが、十分な効果を得るためには、モル比で、nが1の化合物が30〜90%且つnが2〜10の化合物が10〜70%が好ましく、nが1の化合物が70〜90%、且つnが2〜10の化合物が10〜30%がより好ましい。nが1の化合物が10%未満の場合や90%より多い場合は、基油への溶解が困難になる場合や摩耗防止効果が低くなる場合があるために好ましくない。
一般式(1)で表される化合物を製造する方法としては、公知の方法のいずれの方法を使用してもよく、例えば、Aが一般式(2)で表される化合物の場合は以下の方法により目的物を得ることができる:
方法1
Aが一般式(2)で表され、一般式(1)のnの値が1〜5の化合物を製造する場合には、1モルの1,3−ベンゼンジオールと2モルのオキシ塩化リンとを反応させた後に、4モルのフェノールを反応させればよい。この場合、各原料のモル比を変えることによってnの値の異なった化合物を製造することができるが、通常いずれのモル比で合成しても、精製を行わなければnの値が異なった化合物の混合物が得られる。
方法2
Aが一般式(2)で表され、一般式(1)のnの値が1の化合物を製造する場合には、1モルの1,3−ベンゼンジオールと2モルのクロロリン酸ジフェニルとを反応させることにより得られる。
Aが一般式(3)または一般式(4)で表される化合物を製造する場合は、Aが一般式(2)の場合と同様に上記方法1または2に準じて製造することが可能である:
方法1’
Aが一般式(3)または一般式(4)で表され、一般式(1)のnの値が1〜5の化合物を製造する場合には、それぞれ1モルの4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノールまたは4,4’−ビフェノールと2モルのオキシ塩化リンとを反応させた後に、4モルのフェノールを反応させればよい。この場合もAが一般式(2)の場合と同様に各原料のモル比を変えることによってnの値の異なった化合物を製造することができるが、通常いずれのモル比で合成しても、精製を行なわなければnの値が異なった化合物の混合物が得られる。
方法2’
Aが一般式(3)または一般式(4)で表され、一般式(1)の値が1の化合物を製造する場合には、それぞれ1モルの4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノールまたは4,4’−ビフェノールと2モルのクロロリン酸ジフェニルとを反応させることにより得られる。
本発明の潤滑油添加剤は、方法1または1’により製造した化合物をそのまま使用してもよいし、方法1により製造した化合物と方法2により製造した化合物または方法1’により製造した化合物と方法2’により製造した化合物を混合して使用しても良い。
次に、本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油添加剤を基油100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.05〜5質量部配合したものである。配合量が少なすぎると摩耗防止剤としての効果が発揮できない場合があり、配合量が多すぎると不溶解物がでてくる場合や配合量に見合った効果を得られない場合があるために好ましくない。
使用できる基油としては、例えば、鉱油、合成油及びこれらの混合物が挙げられ、より具体的には、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、芳香族エステル、ペンタエリスリトール骨格を持つヒンダードエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油、GTL等の合成油;パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油類等が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独で用いてもよく、混合物で用いてもよい。これらの基油の中でも、摩耗改善効果が高いことから、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、芳香族エステル、ヒンダードエステル、二塩基酸エステル、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLが好ましく、ポリ−α−オレフィン、芳香族エステル、ヒンダードエステル、二塩基酸エステル、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、GTLがより好ましく、芳香族エステル、二塩基酸エステル、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ポリ−α−オレフィンが更に好ましい。
ポリ−α−オレフィンを使用する場合は、炭素数8〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1つから導かれる100℃における動粘度が1〜20mm/秒のものである。また、更に好ましいエチレン−α−オレフィン共重合体としては、炭素数8〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1つから導かれる構成単位を50〜99質量%、エチレンから導かれる構成単位を1〜50質量%の量で含有する100℃における動粘度が1〜20mm/秒のものである。また、鉱油としては、水素化精製、溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化分解、硫酸洗浄、白土処理等の精製を行い、100℃における動粘度が1〜20mm/秒のものが更に好ましい。基油の100℃での動粘度が20を超えると低温粘度特性が悪化する場合があり、動粘度が1未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣る場合や金属摩耗が増加する場合があるために好ましくない。また、基油として鉱油を使用する場合は粘度指数90以上が好ましく、100以上がより好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、本発明に配合される以外の摩耗防止剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、耐荷重添加剤、消泡剤、金属不活性化剤、乳化剤、抗乳化剤、かび防止剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明の潤滑油添加剤以外の摩耗防止剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、酸性リン酸エステル金属塩、亜鉛ジチオホスフェート等の有機金属化合物などが挙げられる。これら摩耗防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%である。
摩擦調整剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら摩擦調整剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。
金属系清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー)が30〜500mgKOH/gのものがより好ましい。これらの金属系清浄剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
無灰分散剤としては、例えば、重量平均分子量約500〜3000のアルキル基またはアルケニル基が付加されたコハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。これらの無灰分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
上記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−ターシャリーブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t―ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、フェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜4質量%である。
摩擦低減剤としては、例えば、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート等の有機モリブデン化合物が挙げられる。これら摩擦低減剤の好ましい配合量は、基油に対してモリブデン含量で30〜2000質量ppm、より好ましくは50〜1000質量ppmである。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000〜1,500,000、好ましくは20,000〜500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜20質量%。より好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は1000〜100,000、好ましくは5000〜50,000程度である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、テトラアルキルチウラムジサルファイド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.01質量%である。
市販されているエンジン油等の潤滑油組成物は基油に摩耗防止剤の他に上述したような添加剤を目的に応じて適宜混合したものが使用されている。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において、「%」及び「ppm」は特に記載が無い限り質量基準である。
以下に、本発明品及び比較品の潤滑油添加剤の合成例を示す。
合成例1
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000ml4つ口フラスコに、水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、1,3−ベンゼンジオール1.0mol(110g)、オキシ塩化リン3.0mol(460g)及び塩化マグネシウム0.005mol(0.5g)を仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、温度を徐々に100℃まで5時間かけて昇温させた。同温度にて2時間熟成後、減圧の上130℃に昇温し、上記反応において消費されなかった過剰のオキシ塩化リンを留去した。この反応液にフェノール4.0mol(376g)を添加して熟成させ、反応を終了した。その後、常法により触媒を除去し、140℃にて減圧乾燥し、以下の一般式(5)で表されるX−1を得た(平均重合度1.4)。
Figure 0005701630
合成例2
上記X−1の合成において、1,3−ベンゼンジオールの代わりに4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノールを使用した他は、X−1と同様の製法で製造し、一般式(6)で表わされるX−2を得た:
Figure 0005701630
合成例3
上記X−1の合成において、1,3−ベンゼンジオールの代わりに4,4’−ビフェノールを使用した他は、X−1と同様の製法で製造し、一般式(7)で表わされるX−3を得た:
Figure 0005701630
比較品のY−1は以下の製法で製造した。
比較合成例1
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000ml4つ口フラスコに、水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、1,3−ベンゼンジオール1.0mol(110g)、クロロリン酸ジフェニル2.1mol(564g、東京化成工業、製品コード:D1059)及び塩化マグネシウム0.005mol(0.5g)を仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、温度を徐々に140℃まで2時間かけ上昇させた。その後、常法により触媒を除去し、140℃にて減圧乾燥し、一般式(5)で表されるY−1を得た(平均重合度1.0)。
比較品のY−2及びY−3は以下の製法で製造した。
比較合成例2
上記X−1の合成において、1,3−ベンゼンジオールの使用量を調整(増量)した他は、X−1と同様の製法で製造し、一般式(5)で表わされ、下記表1の平均重合度で表されるY−2及びY−3を得た。
以下の表1に、X−1〜X−3並びにY−1〜Y−3の詳細を示す:
Figure 0005701630
比較品のY−4は市販品を使用した。
Y−4:リン酸トリフェニル[一般式(8)、東京化成工業製、試薬コード:P0272]
Figure 0005701630
以下の基油を試験油として使用した:
(P):ペンタエリスリトールにイソヘプタン酸、及びノルマルオクタン酸を反応させエステル化した混合物(Rのモル比は1:1)
Figure 0005701630
粘度指数:111、100℃における動粘度:5.8mm/秒
(Q):市販の鉱油[新日本石油(株)スーパーオイルN22:パラフィン系鉱油)
粘度指数:102、100℃における動粘度:4.4mm/秒)
A−1:(P)/(Q)=2/8(質量比)の混合物
粘度指数:104、100℃における動粘度:4.6mm/秒
A−2:アジピン酸ジトリデシル、粘度指数:133、100℃における動粘度:5.2mm/秒
A−3:ポリ−α−オレフィン〔(株)エクソンモービルケミカル社製、製品名:SpectraSynウルトラTM4)〕、粘度指数:126、100℃における動粘度:4.1mm/秒)
以下のエンジン油を酸化防止剤等の他の添加剤が含まれる試験油として使用した。
A−1´:鉱油系エンジン油〔(株)トヨタ社製、製品名:トヨタキャッスルSM 5W‐30)〕
耐摩耗試験
高速4球試験機を用いてASTM D4172に準拠して耐摩耗試験を行った。試験後のボールの摩耗痕径(mm)を測定した。摩耗痕径が小さいほど耐摩耗性が高いことを示す。
[試験条件]
試験機器:シェル式高速4球試験機
回転数:1200rpm
荷重:392N
試験温度:75℃
表2:試験時間15分
表3:試験時間60分
試験方法:試験油(A−1)〜(A−3)及び(A−1’)100質量部に対して潤滑油添加剤(摩耗防止剤)[(X−1)〜(X−3))、(Y−1)〜(Y−4)]を0.1質量部添加したもの。
試験結果を以下の表2、表3に示す:
Figure 0005701630
Figure 0005701630
表2及び表3記載の改善率は添加剤を使用した試験油と添加剤未使用の試験油との摩耗痕径の比較を示す。[計算式:(添加剤未使用の試験油の摩耗痕径−添加剤を使用した試験油の摩耗痕径)/添加剤未使用の試験油の摩耗痕径×100)]
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油が使用できる用途であればいずれの用途にも使用できる。これらの用途としては、例えば、エンジン油、変速機用潤滑油、ギヤー油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース、加工油等が挙げられるが、本発明の少量添加による摩耗防止効果が高いことから、エンジン油、作動油、ギヤー油、タービン油、軸受油、しゅう動面油、ロックドリル油、加工油等に使用することが好ましく、エンジン油、作動油、グリース、加工油に使用することがより好ましく、改善効果に優れることからエンジン油で使用することが更に好ましい。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)で表される化合物であって、一般式(1)におけるnの平均(平均重合度)が1.1〜2.0である化合物(X)を必須成分として含有することを特徴とする潤滑油添加剤:
    Figure 0005701630
    (式中、Aは、下記の一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表し、nは、1〜10の数を表す。)
    Figure 0005701630
  2. 基油100質量部に対して、請求項1に記載の潤滑油添加剤を0.01〜10質量部含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  3. 基油は、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、芳香族エステル、ヒンダードエステル、二塩基酸エステル、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油及びGTLにより選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
  4. 更に、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤、及び一般式(1)で表される化合物以外の摩耗防止剤からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項またはに記載の潤滑油組成物。
  5. 潤滑油組成物が、エンジン油、変速機用潤滑油、ギヤー油、タービン油、作動油、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属切削油、塑性加工油、熱処理油、グリース又は加工油であることを特徴とする、請求項ないしのいずれか1項記載の潤滑油組成物。
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