JP2010113054A - 偏光板 - Google Patents
偏光板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010113054A JP2010113054A JP2008284094A JP2008284094A JP2010113054A JP 2010113054 A JP2010113054 A JP 2010113054A JP 2008284094 A JP2008284094 A JP 2008284094A JP 2008284094 A JP2008284094 A JP 2008284094A JP 2010113054 A JP2010113054 A JP 2010113054A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- thermoplastic resin
- stretching
- polarizing plate
- optical film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる光学フィルムを含む偏光板とする。前記光学フィルムは、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる。前記熱可塑性樹脂は主鎖に環構造を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
一方、画像表示装置に用いられる偏光板は、特に液晶表示装置の液晶セルの両側に配置されるが、通常、ヨウ素などの二色性物質を吸着させたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸した偏光子の両面に、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの偏光子保護フィルムを積層する構成が代表的である。位相差フィルムは液晶セルと偏光板の間に位置するが、部材の削減や製造工程の短縮によるコスト削減を目的に、位相差フィルムの機能を偏光子保護フィルムに付与し、位相差フィルムと偏光子保護フィルムを一層化した複屈折性を有する光学フィルムの開発が行なわれている。
本発明の偏光板に含まれる複屈折性を有する光学フィルムは、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位(以下、単に「不飽和単量体単位」ともいう)を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる。
これらの熱可塑性樹脂を、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂とするには、特に限定されないが、例えば、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体を付加重合などで重合する手法や、グラフト重合などで側鎖に複素環構造を有するα,β−不飽和単量体を導入することが可能である。複素環構造を有するα,β−不飽和単量体との共重合性を考慮すると、これらの中では付加重合で合成される重合体が好ましい。
複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位は、負の固有複屈折を与える作用を有することが好ましい。この場合、前記光学フィルムに逆波長分散性を付与するためには、正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位と組み合わせることが必要となる。そこで、例えば、波長依存性が大きく負の固有複屈折を与える作用を有する複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位の構成単位と、波長依存性が少ない正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位を組み合わせて、正の固有複屈折を有する樹脂が得られる場合に、光学フィルムに逆波長分散性を付与することが出来る。正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位は、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂に含まれることが好ましい。このような樹脂に配向が加えられている場合、各々の構成単位に由来して生じた複屈折が互いに打ち消しあうが、ここで、複屈折が打ち消し合う程度が波長によって異なるために、複屈折の逆波長分散性が生じる。また、複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する負の固有複屈折を有する熱可塑性樹脂と、正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位を含む正の固有複屈折を有する熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドも、均一に相溶する場合には、好ましい形態のひとつである。
前記式(1)において、R1、R2およびR3は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜20の範囲の有機残基である。当前記有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
1)における有機残基として例示した基である。
前記式(5)において、R9およびR10は、互いに独立して、水素原子または式(1)における有機残基と同様の基である。
[光学フィルム]
本発明の偏光板は、可視光領域において波長が短くなるほど複屈折率が小さくなる光学フィルムを少なくとも1枚含んでなり、前記光学フィルムは複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる。前記熱可塑性樹脂からなるため、透明性、機械的強度、成型加工性などの諸特性に優れる。
なお、「位相差」はレターデーション値ともいう。ここでいう面内位相差Reは、
Re=(nx−ny)×d
で、厚さ方向位相差(Rth)は、
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
で、定義される。なお、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内でnxと垂直方向の屈折率、nzはフィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向とする。また、延伸方向の屈折率が大きくなるものを正の複屈折性があると言い、フィルム面内で延伸方向と垂直方向の屈折率が大きくなるものを負の複屈折性があると言う。
本発明に使用される光学フィルムは、ガラス転移温度が110℃〜200℃であることが好ましい。より好ましくは115℃〜200℃、さらに好ましくは120℃〜200℃、特に好ましくは125℃〜190℃、最も好ましくは130℃〜180℃である。110℃未満であると、厳しくなる使用環境に対して耐熱性が不足し、フィルムが変形して位相差のムラが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、200℃を超えると、超高耐熱性の光学フィルムとなるが、前記フィルムを得るための成形加工性が悪かったり、フィルムの可撓性が大きく低下する場合があるため好ましくない。
本発明の偏光板は、可視光領域において波長が短くなるほど複屈折率が小さくなる複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる光学フィルムを含む。本発明の偏光板は、本発明に使用される前記光学フィルムを少なくとも1枚含んでいれば良く、偏光子の片面あるいは両面に本発明に使用される光学フィルムを積層することが出来る。本発明に使用される光学フィルム以外は、公知の構成が可能で有り、公知の製法を用いて製造が可能である。本発明の偏光板の好ましい実施形態としては、例えば、ポリビニルアルコール系脂フィルムを二色性物質(ヨウ素や二色性染料など)で染色して一軸延伸した偏光子の片面あるいは両面に、接着剤層あるいは易接着層を介して光学フィルムを接着してなる形態である。
前記架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜35重量部、より好ましくは10〜25重量部である。一方、耐久性をより向上させるには、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、架橋剤を30重量部を超え46重量部以下の範囲で配合することができる。特に、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合には、架橋剤の使用量を30重量部を超えて用いるのが好ましい。架橋剤を30重量部を超え46重量部以下の範囲で配合することにより、耐水性が向上する。
本発明の偏光板は、表面性、耐傷付き性を向上させる為に、少なくとも一層以上のハードコート層を積層することが出来る。前記ハードコート層としては、例えばシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、紫外線硬化型樹脂、ウレタン系ハードコート剤等よりなるハードコート層が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン、紫外線硬化型エポキシアクリレート、紫外線硬化型(ポリ)エステルアクリレート、紫外線硬化型オキセタン等から選ばれる一種類以上の紫外線硬化樹脂が挙げられる。ハードコート層の厚みは、0.1〜100μmである。また、ハードコート層の間にプライマー処理をすることもできる。また、反射防止や低反射処理など公知の防眩処理を行うこともできる。
本発明の偏光板は種々の画像表示装置への使用が可能である。本発明の偏光板を用いた画像形成素子を、表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の画像表示装置を作製することが出来る。本発明の偏光板が適用可能な画像表示装置の具体例としては、反射型、透過型、半透過型LCDあるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示装置(LCD)で好ましく用いられ、また、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)の各種画像表示装置にも好ましく用いられる。
VA型の液晶表示装置に適用する場合、本発明の偏光板に用いられる光学フィルムは589nmにおける面内位相差Reが50〜300nm、位相差Rthが10〜300nmの一軸延伸フィルムであることが好ましい。この時、前記光学フィルムはポジティブAプレートとして機能することが可能であり、ネガティブCプレートやポジティブCプレートと組み合わせて用いることが考えられる。また、Reが20〜70nm、位相差値Rthが70〜400nmの二軸延伸フィルムも好ましい形態のひとつである。
共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。測定に用いた装置及び測定条件は以下の通りである。
カラム:TSK−GEL superHZM−M 6.0×150 2本直列
TSK−GEL superHZ−L 4.6×35 1本
リファレンスカラム:TSK−GEL superH−RC 6.0×150 2本直列
溶離液:クロロホルム 流量 0.6mL/分
カラム温度:40℃
[ガラス転移温度]
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して求めた。具体的には、示差操作熱量計(リガク社製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、中点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
[5%重量減少温度]
樹脂の5%重量減少温度(樹脂を一定の速度で昇温したときに、その重量が5%減少した時点の温度)は、示差熱量天秤(リガク社製、TG−8120)を用いて、サンプル質量が10mg、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下の条件で評価した。
[面内位相差Re]
光学フィルムの面内位相差(厚さ100μmあたり)は、全自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA−21ADH)を用いて評価した。
(製造例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)25重量部、メタクリル酸メチル(MMA)68重量部、ビニルカルバゾール7重量部、トルエン90重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、105℃まで昇温し、還流開始したところで重合開始剤として、t−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.04重量部を添加すると同時に、トルエン10重量部にt−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.08重量部を溶解した溶液を3時間かけて滴下しながら、還流下、約105℃〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間加温し続けた。
得られた重合体溶液に、リン酸オクチル/ジオクチル混合物0.9重量部を添加し、80℃〜105℃の還流下で2時間環化縮合反応を行った。さらに、オートクレーブ中で240℃、90分間加熱した後、得られた重合体溶液を減圧下240℃で1時間乾燥し、主鎖にラクトン環構造を有する透明な重合体の固体(A−1)を得た。重合体(A−1)の重量平均分子量は14万であり、ガラス転移温度は143℃、5%重量減少温度は375℃であった。
(製造例2)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10重量部、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、トルエン50重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、105℃まで昇温し、還流開始したところで重合開始剤として、t−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルパゾール570、アルケマ吉富社製)0.03重量部を添加すると同時に、トルエン3.34重量部にt−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.06重量部を溶解した溶液を3時間かけて滴下しながら、還流下、約105℃〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間加温し続けた。
得られた重合体溶液に、リン酸オクチル/ジオクチル混合物0.045重量部を添加し、80℃〜105℃の還流下で2時間環化縮合反応を行った。さらに、オートクレーブ中で240℃、90分間加熱した後、アクリロニトリル−スチレン共重合体5重量部を混合した。得られた重合体溶液を減圧下240℃で1時間乾燥し、主鎖にラクトン環構造を有する透明な重合体の固体(B−1)を得た。
(製造例3)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、メタクリル酸メチル(MMA)90重量部、ビニルカルバゾール10重量部、トルエン90重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、105℃まで昇温し、還流開始したところで重合開始剤として、t−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.1重量部を添加すると同時に、トルエン10重量部にt−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.2重量部を溶解した溶液を3時間かけて滴下しながら、還流下、約105℃〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間加温し続けた。二軸押出機の各温調ゾーンの設定温度を250℃、スクリュー回転数70rpmの条件下、樹脂溶液を500g/hrで供給しながら、同時にモノメチルアミンを樹脂に対して9重量%/hrの速度で供給し、主鎖にグルタルイミド環構造を有する透明な重合体の固体(C−1)を得た。
(製造例4)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)25重量部、メタクリル酸メチル(MMA)69重量部、ビニルカルバゾール6重量部、トルエン90重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、105℃まで昇温し、還流開始したところで重合開始剤として、t−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.04重量部を添加すると同時に、トルエン10重量部にt−アミルパーオキシイソノナノエート(商品名:ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.08重量部を溶解した溶液を3時間かけて滴下しながら、還流下、約105℃〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間加温し続けた。
得られた重合体溶液に、リン酸オクチル/ジオクチル混合物0.9重量部を添加し、80℃〜105℃の還流下で2時間環化縮合反応を行った。さらに、オートクレーブ中で240℃、90分間加熱した後、得られた重合体溶液を減圧下240℃で1時間乾燥し、主鎖にラクトン環構造を有する透明な重合体の固体(D−1)を得た。重合体(D−1)の重量平均分子量は14万であり、ガラス転移温度は141℃、5%重量減少温度は382℃であった。
(製造例5)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置に、15重量部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、35重量部のメタクリル酸メチル(MMA)、および重合溶媒として50重量部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.03重量部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、3.3重量部のトルエンに前記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.06重量部を溶解した溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の加温、熟成を行った。次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、0.1重量部のリン酸オクチル/ジオクチル混合物を加え、約80〜105℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた。次に、オートクレーブにより、240℃で90分間さらに加熱した後、得られた重合溶液を減圧下240℃で1時間乾燥させて、主鎖にラクトン環構造を有する透明な重合体(E−1)を得た。重合体(E−1)の重量平均分子量は10万であり、ガラス転移温度は140℃、5%重量減少温度は365℃であった。
(製造例6:偏光子の製造)
ケン化度99%、厚み75μmのポリビニルアルコール未延伸フィルムを室温の水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。このフィルムをヨウ素0.5重量%、ヨウ化カリウム5重量%からなる水溶液に浸漬し二色性色素を吸着させた。更に、ホウ酸10重量%とヨウ化カリウム10重量%からなる50℃の水溶液で5分間架橋処理し偏光子を得た。
(実施例1)
製造例1で作製した重合体(A−1)を、プレス成形機により250℃でプレス成形して厚さ約190μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、延伸倍率が2倍となるように延伸温度148℃で自由端一軸延伸して、厚さ130μmの延伸フィルム(FA−1)を得た。得られた延伸フィルム(FA−1)における位相差(面内位相差Re)の波長分散性を、全自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA−21ADH)を用いて評価した。波長分散性の評価結果を以下の表1に示す。なお、表1では、測定波長を589nmとしたときの位相差を基準(R0)として、その他の波長における位相差RとR0との比(R/R0)を併せて示す。各表に示す位相差は、フィルム厚100μmあたりに換算した値である。
表1に示すように、延伸フィルム(FA−1)は、光の波長が短くなるほど位相差が小さくなる逆波長分散性を示し、その変化は大きかった。
これとは別に、製造例2で作製した重合体(B−1)を、プレス成形機により250℃でプレス成形して厚さ約160μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、延伸倍率が2倍となるように延伸温度150℃で同時二軸延伸して、厚さ40μmの延伸フィルム(FB−1)を得た。得られた延伸フィルム(FB−1)の面内位相差Reおよび厚さ方向の位相差Rthはいずれも10nm以下であった。
次に、1枚の延伸フィルム(FA−1)を、製造例6で作製した偏光子の片面に接着剤としてポリビニルアルコールの7.5重量%水溶液を用いてウェットラミネーションにより貼り合わせた。さらに、偏光子のもう一方の面に1枚の延伸フィルム(FB−1)を同様にして貼り合わせた。貼合した積層体を熱風乾燥機で60℃、10分間乾燥させて、偏光板(PA―1)を得た。作製した偏光板(PA−1)を、鏡の上に置いたところ黒色となり、広帯域円偏光板として機能していることが確認できた。
(実施例2)
製造例3で作製した重合体(C−1)を、プレス成形機により250℃でプレスし成形して厚さ約155μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、延伸倍率が2倍となるように延伸温度148℃で自由端一軸延伸して、厚さ110μmの延伸フィルム(FC−1)を得た。得られた延伸フィルム(FC−1)に対して、その位相差(面内位相差Re)の波長分散性を実施例1と同様に評価した結果を以下の表2に示す。
次に、延伸フィルム(FA−1)の代わりに延伸フィルム(FC−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光板(PC−1)を得た。作製した偏光板(PC−1)を、鏡の上に置いたところ黒色となり、広帯域円偏光板として機能していることが確認できた。
(実施例3)
製造例4で作製した重合体(D−1)を、プレス成形機により250℃でプレスし成形して厚さ約170μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、延伸倍率が2倍となるように延伸温度171℃で固定端一軸延伸して、厚さ85μmの延伸フィルムを得た。さらに延伸方向が一段目の延伸方向と直行する方向に延伸倍率が2倍となるように延伸温度146℃で自由端一軸延伸して、厚さ60μmの延伸フィルム(FD−1)を得た。得られた延伸フィルム(FD−1)に対して、その位相差(面内位相差Re)の波長分散性を実施例1と同様に評価した結果を以下の表3に示す。
表3に示すように、延伸フィルム(FD−1)は、光の波長が短くなるほど位相差が小さくなる逆波長分散性を示し、その変化は大きかった。
次に、延伸フィルム(FA−1)の代わりに延伸フィルム(FD−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光板(PD−1)を得た。作製した偏光板(PD−1)を、鏡の上に置いたところ黒色となり、広帯域円偏光板として機能していることが確認できた。
(比較例1)
製造例5で作製した重合体(E−1)を、プレス成形機により250℃でプレスし成形して厚さ約90μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、延伸倍率が2倍となるように延伸温度145℃で自由端一軸延伸して、厚さ60μmの延伸フィルム(FE−1)を得た。得られた延伸フィルム(FE−1)に対して、その位相差(面内位相差Re)の波長分散性を実施例1と同様に評価した結果を以下の表4に示す。
次に、延伸フィルム(FA−1)の代わりに延伸フィルム(FE−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光板(PE−1)を得た。作製した偏光板(PE−1)を、鏡の上に置いたところ濃い青色となり、広帯域円偏光板には適していないことを確認した。
液晶セル4を挟んで配置された偏光板9、10
バックライト部8(光源、反射シート、導光板、拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度向上フィルム、等を含む)
偏光子2、6
偏光子を挟んで配置された偏光子保護フィルム1、3,5,7
Claims (6)
- 可視光領域において波長が短くなるほど複屈折率が小さくなる光学フィルムを少なくとも1枚含んでなる偏光板であって、
前記光学フィルムが複素環構造を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する熱可塑性樹脂からなる偏光板。 - 前記熱可塑性樹脂が主鎖に環構造を含む熱可塑性樹脂である請求項1に記載の偏光板。
- 前記熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂である請求項1または2に記載の偏光板。
- 前記光学フィルムが延伸フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
- 前記延伸フィルムが一軸延伸フィルムである請求項4に記載の偏光板。
- 前記延伸フィルムが二軸延伸フィルムである請求項4に記載の偏光板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008284094A JP2010113054A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 偏光板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008284094A JP2010113054A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 偏光板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010113054A true JP2010113054A (ja) | 2010-05-20 |
Family
ID=42301669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008284094A Pending JP2010113054A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 偏光板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010113054A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012017639A1 (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-09 | 株式会社日本触媒 | 位相差フィルムの製造方法および位相差フィルムロール |
JP2012031332A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学フィルムの製造方法 |
JP2012093703A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 易接着層を有する位相差フィルムの製造方法および位相差フィルムロール |
JP2013068954A (ja) * | 2010-06-22 | 2013-04-18 | Toyobo Co Ltd | 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム |
JP5472464B2 (ja) * | 2011-05-18 | 2014-04-16 | 東洋紡株式会社 | 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム |
US10054816B2 (en) | 2009-11-12 | 2018-08-21 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Method for improving visibility of liquid crystal display device, and liquid crystal display device using same |
US10175494B2 (en) | 2011-05-18 | 2019-01-08 | Toyobo Co., Ltd. | Polarizing plate suitable for liquid crystal display device capable of displaying three-dimensional images, and liquid crystal display device |
EP3412449A4 (en) * | 2016-02-05 | 2019-08-07 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | TEMPERED MULTILAYER THERMOPLASTIC RESIN FILM |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0611615A (ja) * | 1992-02-26 | 1994-01-21 | Kuraray Co Ltd | 位相差板 |
JP2001235622A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-31 | Fuji Photo Film Co Ltd | 位相差板 |
JP2003315550A (ja) * | 2002-04-25 | 2003-11-06 | Teijin Ltd | 位相差フィルム及びその製造方法 |
JP2006071966A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 |
WO2007024463A1 (en) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | Nitto Denko Corporation | Control of birefringence dispersion utilizing nanocomposites |
JP2007063541A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-03-15 | Nippon Shokubai Co Ltd | 低複屈折共重合体 |
JP2007513799A (ja) * | 2003-10-27 | 2007-05-31 | 日東電工株式会社 | 光学多層 |
WO2007075264A1 (en) * | 2005-12-29 | 2007-07-05 | Nitto Denko Corporation | Optical compensator film with controlled birefringence dispersion |
WO2007078507A1 (en) * | 2005-12-29 | 2007-07-12 | Nitto Denko Corporation | Optical films having reverse dispersion |
JP2008009378A (ja) * | 2006-02-28 | 2008-01-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 位相差フィルム |
WO2009084663A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | 光学フィルムとそれを備える画像表示装置 |
-
2008
- 2008-11-05 JP JP2008284094A patent/JP2010113054A/ja active Pending
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0611615A (ja) * | 1992-02-26 | 1994-01-21 | Kuraray Co Ltd | 位相差板 |
JP2001235622A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-31 | Fuji Photo Film Co Ltd | 位相差板 |
JP2003315550A (ja) * | 2002-04-25 | 2003-11-06 | Teijin Ltd | 位相差フィルム及びその製造方法 |
JP2007513799A (ja) * | 2003-10-27 | 2007-05-31 | 日東電工株式会社 | 光学多層 |
JP2006071966A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 |
JP2007063541A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-03-15 | Nippon Shokubai Co Ltd | 低複屈折共重合体 |
WO2007024463A1 (en) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | Nitto Denko Corporation | Control of birefringence dispersion utilizing nanocomposites |
WO2007075264A1 (en) * | 2005-12-29 | 2007-07-05 | Nitto Denko Corporation | Optical compensator film with controlled birefringence dispersion |
WO2007078507A1 (en) * | 2005-12-29 | 2007-07-12 | Nitto Denko Corporation | Optical films having reverse dispersion |
JP2009520239A (ja) * | 2005-12-29 | 2009-05-21 | 日東電工株式会社 | 逆分散を有する光学フィルム |
JP2008009378A (ja) * | 2006-02-28 | 2008-01-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 位相差フィルム |
WO2009084663A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | 光学フィルムとそれを備える画像表示装置 |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10054816B2 (en) | 2009-11-12 | 2018-08-21 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Method for improving visibility of liquid crystal display device, and liquid crystal display device using same |
US10948764B2 (en) | 2009-11-12 | 2021-03-16 | Keio University | Method for improving visibility of liquid crystal display device, and liquid crystal display device using the same |
US9798189B2 (en) | 2010-06-22 | 2017-10-24 | Toyobo Co., Ltd. | Liquid crystal display device, polarizer and protective film |
US10503016B2 (en) | 2010-06-22 | 2019-12-10 | Toyobo Co., Ltd. | Liquid crystal display device, polarizer and protective film |
JP2013068954A (ja) * | 2010-06-22 | 2013-04-18 | Toyobo Co Ltd | 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム |
JP2013257579A (ja) * | 2010-06-22 | 2013-12-26 | Toyobo Co Ltd | 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム |
US9897857B2 (en) | 2010-06-22 | 2018-02-20 | Toyobo Co., Ltd. | Liquid crystal display device, polarizer and protective film |
CN103052489A (zh) * | 2010-08-02 | 2013-04-17 | 株式会社日本触媒 | 相位差膜的制造方法和相位差膜辊 |
WO2012017639A1 (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-09 | 株式会社日本触媒 | 位相差フィルムの製造方法および位相差フィルムロール |
JP2012031332A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学フィルムの製造方法 |
JP2015200902A (ja) * | 2010-09-30 | 2015-11-12 | 株式会社日本触媒 | 位相差フィルムロールおよび位相差フィルムロールの製造方法 |
JP2012093703A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 易接着層を有する位相差フィルムの製造方法および位相差フィルムロール |
JP5472464B2 (ja) * | 2011-05-18 | 2014-04-16 | 東洋紡株式会社 | 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム |
US10180597B2 (en) | 2011-05-18 | 2019-01-15 | Toyobo Co., Ltd. | Liquid crystal display device, polarizing plate, and polarizer protection film |
US10175494B2 (en) | 2011-05-18 | 2019-01-08 | Toyobo Co., Ltd. | Polarizing plate suitable for liquid crystal display device capable of displaying three-dimensional images, and liquid crystal display device |
EP3412449A4 (en) * | 2016-02-05 | 2019-08-07 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | TEMPERED MULTILAYER THERMOPLASTIC RESIN FILM |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4751312B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
TWI465463B (zh) | A polarizing element protective film, a polarizing plate, and an image display device | |
JP5272055B2 (ja) | 偏光子保護フィルム、偏光板および画像表示装置 | |
KR101701076B1 (ko) | 액정 표시 장치 | |
JP2010113054A (ja) | 偏光板 | |
US9138947B2 (en) | Method for producing polarizer, polarizer, polarizing plate, optical film, and image display device | |
CN102909903B (zh) | 光学薄膜用粘合片、其制造方法、粘合型光学薄膜及图像显示装置 | |
US20100182689A1 (en) | Thermoplastic resin composition, resin molded article and polarizer protective film each using the same, and method of producing the resin molded article | |
JPWO2006112207A1 (ja) | 偏光子保護フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
CN101487911B (zh) | 偏振板及使用其的液晶显示装置 | |
JP5557517B2 (ja) | 位相差フィルム | |
JP2008158181A (ja) | 偏光板および画像表示装置 | |
JP2004045893A (ja) | 透明フィルム、偏光子保護フィルム、および偏光板 | |
KR101042477B1 (ko) | 내열성이 우수한 투명수지 조성물 및 이에 의해 제조된광학 등방성 필름 | |
JP4895290B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
JP6920921B2 (ja) | ナノセルロース含有樹脂組成物 | |
JP2010060618A (ja) | 積層光学フィルム付き偏光板およびそれを具備する液晶表示装置 | |
JP2012133377A (ja) | 偏光子保護フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
JP2008076764A (ja) | 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
JP2012098649A (ja) | 輝度向上フィルム | |
JP5566086B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および光学フィルム | |
JP2012008557A (ja) | 偏光子保護フィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2013014125A (ja) | 輝度向上フィルム | |
JP5463020B2 (ja) | 液晶パネル及び液晶表示装置 | |
JP2011224934A (ja) | 光学フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110805 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121030 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130312 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130709 |