JP2010107849A - 電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたって画像濃度の低下を抑制し、安定して高画質な画像を形成できる電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法を実現する。
【解決手段】有機感光体を具備する画像形成装置に用いられ、少なくとも結着樹脂を含むトナー母粒子に外添剤が添加された電子写真用トナーにおいて、当該電子写真用トナーに含まれる全粒子中における、粒子径が4.0μm以下である粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、体積分布の標準偏差(SD)が1.25以下であり、外添処理トナー中、粒子径が3.0μm以下であり、かつ、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上である粒子の比率が5.0%以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電子写真法、静電記録法、静電印刷法等により形成される静電潜像の現像に用いられ、非磁性トナーまたは磁性トナーとして好適な電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法に関する。
一般的に、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等においては、光導電性感光体や誘電体等よりなる潜像担持体(感光体)の表面をコロナ帯電等により帯電せしめ、さらにレーザやLED等を照射して感光体表面を露光することで形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて可視化して、または静電潜像を反転現像により可視化して、感光体上にトナー薄層を形成し、これを被転写体に転写することで高品質な画像を得ている。
感光体としては、有機感光体(OPC)が一般的である。有機感光体を用いて画像形成を行う場合、帯電、露光、現像(反転現像)、転写、クリーング、除電といった各工程を順次行うことで、画像を形成する。
このような画像形成に用いられるトナーとしては、通常、バインダー(結着樹脂)としての熱可塑性樹脂に、着色剤、帯電制御剤としての染料や顔料、離剥剤としてのワックス等を混合し、さらに得られるトナーを磁性トナーとして用いる場合には磁性材料を加え、混練、粉砕、分級を行い、平均粒子径が5〜15μmの粒子(トナー母粒子)としたものが用いられる。そして、トナーに流動性を付与したり、トナーの帯電制御を行なったり、クリーニング性を向上させたりする目的で、シリカ等の無機微粉末や酸化チタン等の無機金属微粉末が、トナー母粒子に外添される場合が多い。
近年、高画質化への高まりから、トナーには小粒子径化が求められている。トナーを小粒子径にすることで、文字散りや細線再現性は向上する傾向にある。しかし、特に粉砕トナーにおいては、小粒子径に粉砕する際に発生する粒子径3μm以下の超微粉粒子が、キャリアや現像ローラを汚染することがあった。例えば、超微粉粒子は付着力が強いため、現像ローラに超微粉粒子が付着すると、現像時に感光体へ現像されず、現像ローラに残留しやすい。これが繰り返されると現像ローラ上に付着力の強い超微粉粒子が偏在し、その結果、現像ローラへのトナー薄層形成が不十分となり、現像性が低下し、画像濃度の低下を引き起こすこととなる。
一方、キャリアにトナーが付着すると、長期の使用によってカブリが発生したり、トナー飛散を引き起こしたりしやすかった。
現像ローラへのトナーの付着対策としては、例えば特許文献1には、現像ローラと供給ローラのバイアス電圧を制御する現像装置が開示されている。特許文献1に記載の現像装置によればトナーの現像ローラへの付着を抑制できるが、これは装置側の対策であって、トナー側の対策は行われていない。
また、超微粉粒子は、他の粒子径のものに比べて比表面積が大きいため、特に、高温高湿環境(H/H環境)で水分を吸着しやすい。その結果、トナーの帯電量が低下し、画像を形成する場合にカブリが発生しやすくなる。
ところで、現在、実用化されている乾式現像法としては、トナー(非磁性トナー)と鉄粉などのキャリアからなる2成分現像剤を用いる2成分現像方式と、キャリアを用いずに、磁性材料を含有するトナー(磁性トナー)を現像剤として用いる磁性1成分現像方式が知られている。
また、静電潜像の現像方法としては、例えは特許文献2に記載の磁気ブラシ法、特許文献3に記載のカスケード法、パウダークラウド法、ファーブラシ現像法など、多数の現像方法が知られている。これらの中でも、特に2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。
また、2成分現像剤を用いるカラー複写機においては、現像剤を保持する磁気ローラと、該磁気ローラに保持された現像剤からトナーのみが移され、表面にトナー薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられた感光体とを備えた画像形成装置を用い、現像ローラの表面に形成されたトナー薄層から感光体にトナーを飛翔させて、感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する、いわゆるタッチダウン現像方式(ハイブリッド現像方式)が知られている。
タッチダウン現像方式においては、高速の画像形成方式の現像として、感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式が検討されてきた。この方式では、感光体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能で、カラーの高画質化に対応できる。
さらに、近年、トナーの色に対応した複数の感光体を用いて、転写部材の送りに同期させてカラー画像を形成し、転写部材上で色重ねを行うタンデム方式が注目されている。この方式では、高速性に優れる利点があるものの、各色に対応した電子写真プロセス部材を並べて配置しなければならないため、画像形成装置が大型化になるといった問題があった。
そこで、この問題の対策として、感光体同士の間隔を狭くして小型化された画像形成ユニットを配置した小型タンデム画像形成装置が提案されている。
小型タンデム画像形成装置においては、画像形成ユニットの幅方向の大きさを極力小さくするため、現像器を縦型とすることが有利である。すなわち、感光体の上部方向に現像器を配置することが望ましい。
このような画像形成装置としては、例えば現像装置や転写装置などを効率よく装置内部に配置した画像形成装置が知られているが、このような画像形成装置は、小型化が可能になるものの、現像装置や転写装置をスライドさせて装脱着する必要があり、構造上、複雑になりやすかった。
小型タンデム画像形成装置のうち、タッチダウン現像方式を採用した画像形成装置は、感光体がトナー薄層を形成した現像ローラから一定の間隔をあけて設けられているので、非接触型である。そのため、接触型に比べて感光体へのトナー成分、キャリア等の付着や、磁気ブラシ等による感光体の損傷が少なく、高画質化が可能である。また、現像器内での帯電方式として、キャリアとの混合による2成分方式を採用しており、特に高濃度印字や連続印字において素早くトナーを所望の帯電量に帯電できる。従って、小型化により現像器の容積が小さい機種において特に有効である。
しかし、タッチダウン現像方式を採用する場合、小型化を実現するには現像ローラが磁気ローラの下側に配置されることが多く、現像剤がストレスを受けやすかった。その結果、長期にわたる印刷(耐刷)によりトナー母粒子の表面に外添剤が埋没し、トナーがチャージアップして現像ローラにトナーが付着するといった問題があった。現像ローラにトナーが付着すると、現像性が低下し、その結果、画像濃度が低下しやすくなる。このような現象は以下によるものと考えられる。
すなわち、例えばタッチダウン現像方式を採用した、小型タンデム型ページプリンタの場合、磁気ローラと現像ローラとの間では、所望の帯電量に帯電したトナーを磁気ローラから現像ローラに供給すると同時に、現像ローラから感光体に飛翔せずに現像ローラに残留したトナーは磁気ローラに回収され、現像ローラには常にフレッシュなトナーが供給されるようになっている。しかし、装置を小型化にする上では現像ローラは磁気ローラの下側に配置されるため、重力に逆らって現像ローラに残留したトナーを磁気ローラに回収することになり、回収が困難になりやすい。さらに、トナーがチャージアップすると、現像ローラへの鏡像力が増加するためトナーが付着しやすくなり、トナーの回収がより困難となる。その結果、現像ローラには常に同じトナーが滞留し、チャージアップがさらに加速され現像ローラへのトナーの付着が強固となる。上述したように、近年、高画質化への高まりから、トナーの粒子径を小さくする傾向にあり、粒子径が小さくなるほど、現像ローラへの付着は顕著になる。
現像ローラへのトナーの付着対策としては、特許文献1に記載のように現像ローラと供給ローラ(磁気ローラ)のバイアス電圧を制御する方法が知られているが、特許文献1では、供給ローラは現像ローラと圧接するように設けられており、またトナーを現像剤として用いる1成分現像剤を使用しているため、タッチダウン現像方式を採用した画像形成装置には適用が困難である。
このように、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の場合、初期の段階では比較的安定して高画質な画像を形成することが可能であるが、長期にわたる使用の結果、現像ローラにトナーが付着して画像濃度が低下したり、キャリアにトナーが付着してカブリが発生したりして、高画質な画像が得られにくくなることがあった。
一方、磁性1成分現像方式としては、例えば特許文献4には、導電性磁性トナーによる現像方法が開示されている。特許文献4に記載の現像方法は、内部に磁性を有する円筒状の導電性現像ローラ上に導電性磁性トナーを保持し、該導電性磁性トナーを感光体表面に形成された静電潜像に接触させてトナー像を現像する方法である。現像の際には、感光体表面と現像ローラ表面の間に、トナーにより導電路が形成され、該導電路を経て現像ローラよりトナーに電荷が導かれ、静電潜像の画像部との間のクーロン力によりトナーが画像部に付着してトナー像を形成する。
特許文献4に記載の方法では、トナーが導電性であるため、感光体上に形成されたトナー像を被転写体(例えば紙など)に電界を利用して静電気的に転写することが困難であった。また、画像形成における各工程で、導電性トナーに由来する不具合が発生しやすく、長期にわたって高画質な画像を形成することが困難であった。さらに、感光体が電気的にリーク破壊されることがあった。
また、磁性1成分現像方式としては、例えば特許文献5には、絶縁性トナーによる現像方法が開示されている。特許文献5に記載の現像方法は、通常、磁性1成分ジャンピング現像方式と呼ばれるもので、感光体に対向し、かつ一定の間隔をあけて現像ローラが設けられている。現像ローラは、磁石ローラを内蔵したスリーブを有し、該スリーブの回転によりトナーを搬送し、スリーブと磁性ブレードとの隙間を通過させることで、現像ローラの表面にトナー薄層を形成させる。そして、帯電したトナーが感光体表面に形成された静電潜像に飛翔してトナー像を現像する。
磁性1成分ジャンピング現像方式は、長期間使用してもカブリの発生を抑制できるので、長期にわたって高画質な画像を形成できる。また、該現像方式を採用することで、画像形成装置に備わる現像器の小型化が可能となり、簡単な構成とすることができる。
近年、電子写真法や静電印刷法等によるコピー機、プリンタ等の市場では、印刷の高速化や装置の小型化が著しく進んでいる。印刷速度の高速化により、印刷速度に合わせた画像特性、すなわち帯電特性は、より安定化したものであることが望まれる。また、装置の小型化が進む中低速機は、電源を入れた後のウォーミングアップ時間が短いため、初期帯電が良好で、かつ帯電特性が長期にわたり安定して維持できることが求められる。つまり、長期間、安定して現像ローラ上に均一なトナー薄層を形成することが求められる。
また、プリンタ、複写機などの事務機器が、更なる高速化・小型化の方向に進む中、高解像度、高画質、高耐久性が当然の性能として求められるようになった。高解像度、高画質、高耐久や、環境変動への対応などは、現像ローラ上のトナー薄層形成が重要となる。特に、磁性1成分ジャンピング現像方式を採用し、スリーブの十点平均粗さ(Rz)が比較的小さい現像ローラでは、トナー薄層形成が高画質、高耐久性に影響を与える。
しかし、磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した高速機、小型機などでは、現像ローラ上へのトナー薄層形成の長期安定性を確保することが、長期使用、環境変動(特に低温低湿環境)、素早いウォームアップタイムなどの要因で困難であった。そのため、現像ローラ上のトナー薄層に乱れが生じたり、縦筋状にトナー薄層抜けが発生したりするなどの不具合が生じ、長期にわたって安定した画像を形成すること、すなわち、高解像度、高画質、高耐久性を実現できないという問題があった。
例えば特許文献6には、長期にわたって安定した画像を形成できるトナーが開示されているが、必ずしも満足するものではなかった。
特開2001−109242号公報 米国特許第2874063号明細書 米国特許第2618552号明細書 米国特許第3909258号明細書 特開昭55−18656号公報 特開2006−184748号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長期にわたって画像濃度の低下を抑制し、安定して高画質な画像を形成できる電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法の実現を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、粒子径が4.0μm以下の粒子の個数分布の比率、および粒子径が3.0μm以下の粒子の比率、ならびに体積分布の標準偏差を規定することで、トナーの現像性が向上すると共に、高温高湿環境でも水分の吸着を抑制できることを見出した。このようなトナーは、1成分現像剤、または2成分現像剤として好適に使用でき、かつ1成分ジャンピング現像方式やタッチダウン現像方式を採用し、高速化や小型化の要求に対応した画像形成装置に用いても、長期にわたって安定して高画質な画像を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、有機感光体を具備する画像形成装置に用いられ、少なくとも結着樹脂を含むトナー母粒子に外添剤が添加された電子写真用トナーにおいて、当該電子写真用トナーに含まれる全粒子中における、粒子径が4.0μm以下である粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、体積分布の標準偏差(SD)が1.25以下であり、外添処理トナー中、粒子径が3.0μm以下である粒子の比率が5.0%以下であり、かつ、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーは、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する磁気ローラと、穂立ちした現像剤と接して、表面に非磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から非磁性トナーを飛翔させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーとして好適である。
また、本発明の電子写真用トナーは、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する現像ローラと、該現像ローラに対向して設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、前記現像ローラの表面に形成された現像剤の穂立ちに前記有機感光体を接触させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーとして好適である。
さらに、前記現像剤100質量%中の非磁性トナーの含有量が1〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明の電子写真用トナーは、表面に磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から磁性トナーを飛翔させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記磁性トナーとして好適である。
また、本発明の画像形成方法は、有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して磁気ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、穂立ちした現像剤と接して現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成し、該薄層から有機感光体の表面に非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、前記非磁性トナーとして本発明の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して現像ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、現像剤の穂立ちに有機感光体を接触させて静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、前記非磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成方法は、有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、現像ローラの表面に形成された磁性トナーの薄層から、有機感光体の表面に磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、前記磁性トナーとして本発明の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
また、前記現像ローラは、表面における十点平均粗さ(Rz)が2.0〜8.0μmであるスリーブを有し、該スリーブがステンレス鋼製であることが好ましい。
本発明の電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法によれば、長期にわたって画像濃度の低下を抑制し、安定して高画質な画像を形成できる。
また、本発明の電子写真用トナーは、1成分現像剤、または2成分現像剤として好適に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という。)は、有機感光体を具備する画像形成装置に用いられる。トナーには、後述するトナー母粒子と、該トナー母粒子に外添剤が付着した粒子と、トナー母粒子に付着せずに遊離した状態の外添剤が含まれる。また、本発明において、「外添処理トナー」は、トナー母粒子に外添剤が付着した粒子と、外添剤が付着していない粒子(トナー母粒子)の総称とする。
本発明のトナーは、当該トナーに含まれる全粒子中、粒子径が4.0μm以下である粒子(以下、「微粉粒子」という。)の個数分布の比率が8.0%以下であり、7.5%以下であることが好ましい。微粉粒子の個数分布の比率が8.0%以下であれば、トナーの帯電量分布がブロードになるのを抑制でき、長期にわたる印刷(耐刷)においても現像性を良好に維持でき、画像濃度の低下を抑制できる。
本発明のトナーは、体積分布の標準偏差(SD)が1.25以下であり、1.24以下が好ましい。SDが1.25以下であれば、トナーの粒度分布や帯電量分布がブロードになるのを抑制でき、耐刷においても現像性を良好に維持でき、画像濃度の低下を抑制できる。
微粉粒子の個数分布の比率、およびトナーのSDは、以下のようにして求めることができる。
ベックマンコールター社製の粒度分布測定装置「コールターカウンターマルチマイザー3」を使用して、電解液としてベックマンコールター社製のアイソトンIIを用い、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて、トナーの粒度分布(個数分布または体積分布)を測定する。
具体的には、電解液中に界面活性剤を少量添加した溶液中に、測定試料(トナー)を10mg加え、超音波分散器にて分散処理を行い、測定試料が分散した溶液を粒度分布測定装置にて測定して、試料粒径の個数分布、または体積分布を得る。得られた個数分布から粒子径が4.0μm以下の粒子の比率を求める。一方、体積分布からトナーのSDを求める。
本発明のトナーは、外添処理トナー中、粒子径が3.0μm以下である粒子(以下、「超微粉粒子」という。)の比率が5.0%以下であり、4.0%以下であることが好ましい。超微粉粒子の比率が5.0%以下であれば、超微粉粒子の影響を軽減できるので、トナーのチャージアップ現象を抑制でき、現像ローラ上でトナーが帯電凝集するのを防げる。従って、現像ローラ上でトナー薄層を良好に形成でき、その結果、特にベタ画像を印刷する際に発生しやすいとされる画像ムラを軽減でき、画像欠陥を抑制できる。
なお、超微粉粒子は、他の粒子径の粒子に比べて比表面積が大きいため、空気中に存在する水分と吸着しやすい。特に、高温高湿環境の場合、水分を吸着しやすく、その結果、トナーの帯電量が低下すると共に帯電量分布がブロードになりやすくなり、カブリが発生したり画像濃度が低下したりして画像欠陥を引き起こしやすい。しかし、本発明のトナーであれば、超微粉粒子の比率が5.0%以下であるため、トナー全体における水分の吸着量を軽減できる。よって、高温高湿環境であってもトナーの帯電量の低下を抑制できるので、カブリの発生や画像濃度の低下を防げる。
また、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いことで、画像形成装置に用いたときに、現像ローラの鏡像力の増加を抑制できる。従って、現像ローラへのトナー付着を軽減できる。特に、トナーをキャリアと混合して2成分現像剤とし、タッチダウン現像方式を採用した、小型化のタンデム画像形成装置に用いた場合、現像ローラ上の残留トナーを効率よく磁気ローラへ回収できるので、現像ローラへのトナー付着を抑制でき、画像濃度の低下を抑制できる。
さらに、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いことで、キャリアへのトナーの付着力を軽減できる。従って、長期にわたってカブリの発生やトナー飛散を抑制できる。
超微粉粒子の比率は、以下のようにして求めることができる。
走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真と、さらに走査型電子顕微鏡に付属しているX線マイクロアナライザー(XMA)などの元素分析によってマッピングされたトナーの写真とを対照し、1視野に観察される外添処理トナーの個数を測定して、粒子径が3.0μm以下と測定される超微粉粒子の個数をカウントする。ランダムに選択した外添処理トナー1000個について観察し、粒子径が3.0μm以下の超微粉粒子の個数をカウントして、超微粉粒子の比率を求める。
なお、マッピングされたトナーのうち、外添剤と思われる粒子はカウントしないものとする。
本発明のトナーは、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であり、0.951以上であることが好ましい。平均円形度が0.950以上であれば、トナーの形状が真球に近づくため、感光体との接触摩擦係数の増加を抑制できる。従って、トナー像の転写時における感光体からトナーが剥がれる際に、トナーが容易に剥がれるようになり、転写中抜け等の発生を抑制でき、転写効率を向上できる。
粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度は、以下のようにして求めることができる。
シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を使用して、温度23℃、湿度60RH%の環境下で、円相当径0.60〜400μmの範囲内の粒子について測定する。そして測定された粒子の円形度を下記式(1)より求め、さらに、円相当径3〜10μmの粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を円形度とする。1000〜1500個の粒子について測定を行い、算出した値を平均円形度とする。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長/粒子の投影像の周囲長 ・・・(1)
このようなトナーを得るためには、各成分の種類や配合量、製造条件などを調整すればよい。以下、各成分について説明する。
本発明のトナーは、トナー母粒子に外添剤を添加してなる。トナー母粒子は、少なくとも結着樹脂を含有する。また、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、離型剤などを含有する。
<トナー母粒子>
(結着樹脂)
結着樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリスチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。他の共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させてもよい。
ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものが挙げられる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
アルコール成分としては、2価または3価以上のアルコール成分が好ましく、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類を例示できる。
一方、カルボン酸成分としては、2価または3価以上のカルボン酸成分が好ましく、具体的には、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが挙げられる。このようなカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示できる。
また、ポリエステル系樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜140℃である。
また、結着樹脂として、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂は、一部架橋構造を有しているが、架橋構造を導入することにより、トナーの定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、結着樹脂として熱可塑性樹脂を100質量部使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、熱硬化性樹脂を一部併用したりしてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が挙げられ、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃であることが好ましく、より好ましくは50〜60℃である。Tgが50℃以上であれば、得られたトナー同士が現像器内で融着するのを防げるので、保存安定性を維持できる。また、樹脂強度を保持できるので、感光体へのトナー付着を抑制できる。一方、Tgが65℃以下であれば、トナーの低温定着性が低下するのを抑制できる。
なお、結着樹脂のTgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計「DSC−6200」を用い、吸熱曲線を測定することで求める。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分の条件で常温常湿下にて測定し、得られた吸熱曲線よりTgを求める。
(着色剤)
着色剤は、トナーの色調を調整するものであり、カーボンブラックなどの顔料や、アシッドバイオレットなどの染料等、公知の着色剤を用いることができる。また、着色剤として、公知のカラートナー用の顔料を用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかどうかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等をトナーに付与するために配合されるものである。
トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加すればよく、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加すればよい。
正帯電性の電荷制御剤としては、例えばピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示できる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性の電荷制御剤として好適である。
また、正帯電性の電荷制御剤として、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、あるいはカルボキシル基を官能基として有する樹脂またはオリゴマーなどを用いることができる。具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、正帯電性の電荷制御剤として最適である。この場合において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が好適であり、具体的には、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等が挙げられ、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体またはその塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
電荷制御剤の含有量は、トナー母粒子100質量%中、0.5〜15.0質量%が好ましく、0.5〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜7.0質量%が特に好ましい。電荷制御剤の含有量が0.5質量%以上であれば、所定の極性のトナーを安定して帯電することができ、静電潜像の現像を行って画像形成を行う際に、画像濃度の低下や、画像濃度の耐久性の低下を抑制できる。また、電荷制御剤の分散不良を防げるので、カブリの発生や感光体汚染を抑制できる。一方、電荷制御剤の含有量が15.0質量%以下であれば、耐環境性、特に高温高湿環境での帯電不良や画像不良を防ぐことができ、感光体汚染を抑制できる。
(離型剤)
離型剤は、トナーの定着性やオフセット性を向上させるために配合されるものである。離型剤としては、ワックス類が好適であり、具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリ4フッ化エチレン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。上述したワックス類を配合することで、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止できる。
離型剤の含有量は、トナー母粒子100質量%中、1.0〜5.0質量%が好ましい。離型剤の含有量が1.0質量%以上であれば、オフセット性や像スミアリングを効率的に防止できる。一方、離型剤の含有量が5.0質量%以下あれば、トナー同士の融着を防止でき、トナーの保存安定性の低下を抑制できる。
(磁性粉)
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合、トナー母粒子には、上述した各成分以外に、磁性粉を含有させる。なお、磁性粉を含有させる場合は、該磁性粉によりトナーは着色されるため、上述した着色剤は含有させなくてもよい。
磁性粉としては、公知のものを使用でき、例えばフェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1.0μm、特に0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で、上述した結着樹脂中に均一に分散されるのが好ましい。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
磁性粉の含有量は、トナー母粒子100質量%中、35〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。磁性粉の含有量が35質量%以上であれば、画像濃度の耐久性を維持でき、カブリの発生を抑制できる。一方、磁性粉の含有量が60質量%以下であれば、画像濃度の耐久性を維持できると共に、定着性の低下を抑制できる。
磁性粉は、体積固有の抵抗値が1×10〜1×10Ω・cmであることが好ましく、1×10〜1×10Ω・cmであることがより好ましい。磁性粉の抵抗値が1×10Ω・cm以上であれば、トナーに十分な正帯電性を付与でき、画像濃度を維持できる。一方、磁性粉の抵抗値が1×10Ω・cm以下であれば、トナーの帯電量が必要以上に高くなるのを抑制でき、また、耐久性においてチャージアップを抑制できるので、画像濃度の低下や耐久性の悪化を防げる。
磁性粉の体積固有の抵抗値は、磁性粉の形状(球形、六面体、八面体等)を変化させたり、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、各種脂肪酸等の表面処理剤の種類や処理量を変化させたり、磁性粉の表面にスズ/アンチモン、フランシウム等からなる導電性の被覆層を形成するたりすることにより調整できる。
なお、磁性粉の体積固有の抵抗値は、アドバンテスト社製の微小電流計「R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、印加電圧DC10Vにて求めることができる。
(トナー母粒子の調製)
トナー母粒子は、結着樹脂と必要に応じて上述した各成分とを混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。この際、粉砕工程では機械式粉砕機を、分級工程では気流式分級機を用いるのが一般的であるが、これらの粉砕機や分級機の設定条件を調整することで、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を制御できる。例えば分級工程の場合、分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)の分級エッジ角を変更することで粒度分布を調整でき、具体的には分級機の微粉側に分級されるゾーン(微粉ゾーン、ゾーン幅:ΔF)と、粗分側に分級されるゾーン(粗分ゾーン、ゾーン幅:ΔM)を調節して粒度分布を調整することで、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を制御する。より具体的には、ΔFを大きくすると、微粉粒子の個数分布の比率は低くなり、SDの値は小さくなる傾向にある。
トナー母粒子は、通常、平均粒子径が5〜10μm程度になるように、分級および粒度調整される。
<外添剤>
本発明のトナーには、上述したトナー母粒子に、外添剤が添加されてなる。外添剤を添加することで、感光体表面に付着する帯電生成物等を研磨除去できる。
外添剤としては、無機金属酸化物が挙げられる。具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられ、中でも酸化チタンが好ましい。これら無機金属酸化物の平均粒子径は0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤として無機金属酸化物を添加する場合、その添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜5.0質量部が好ましい。無機金属酸化物の添加量が0.5質量部以上であれば、感光体を十分に研磨でき、特に高温高湿環境において像流れの発生を抑制でき、画像欠陥を防げる。一方、無機金属酸化物の添加量が5.0質量部以下であれば、トナーの流動性を維持できるので、画像濃度の低下や耐久性の悪化を防げる。
なお、無機金属酸化物の体積固有の抵抗値は、無機金属酸化物表面に酸化スズおよび酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、形成される被覆層の厚みを変化させることや、酸化スズおよび酸化アンチモンの含有比を変更すること等により調整できる。
また、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を維持する目的で、上述した無機金属酸化物以外の外添剤をトナー母粒子に添加し、トナー母粒子の表面を処理してもよい。このような外添剤としては、例えばコロイダルシリカ、疎水性シリカ、炭化珪素などが挙げられる。また、これら外添剤は、必要に応じて、アミノシラン、シコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤等で表面処理をした後に、トナー母粒子に添加することもできる。これら外添剤は、上述した無機金属酸化物と併用して用いてもよい。
これら外添剤の平均粒子径は1.0μm以下が好ましい。また、添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.2〜10.0質量部が好ましい。
<トナーの調製>
本発明のトナーは、上述したトナー母粒子と外添剤とを乾式で撹拌混合することで得られる。撹拌混合の際は、外添剤がトナー母粒子に埋め込まれないように、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのが好ましい。
このようにして得られる本発明のトナーは、粒子径が4.0μm以下の粒子の個数分布の比率、および粒子径が3.0μm以下の粒子の比率、ならびに体積分布の標準偏差を規定しているので、トナーの現像性が向上すると共に、高温高湿環境でも水分の吸着を抑制できる。
また、本発明のトナーは、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いので、画像形成装置に用いたときに、現像ローラの鏡像力の増加を抑制できる。従って、現像ローラへのトナー付着を軽減できる。また、現像ローラ上でトナーが帯電凝集するのを防げるので、現像ローラ上でトナー薄層を良好に形成できる。さらに、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いことで、キャリアへのトナーの付着力も軽減できるので、長期にわたってカブリの発生やトナー飛散を抑制できる。
また、本発明のトナーは、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であるため、感光体との接触摩擦係数の増加を抑制できるので、転写効率が向上する。
本発明のトナーは、そのまま1成分現像剤として用いることができる。特に、トナー母粒子に磁性粉を含有させれば磁性トナーが得られるため、磁性1成分現像剤として用いることができる。
また、本発明のトナーとキャリアとを混合し、2成分現像剤として用いることができる。特に、磁性粉を含有しないトナー母粒子を用いたトナーは非磁性トナーであるため、非磁性2成分現像剤として用いることができる。その際、キャリアとしては磁性キャリアを用いるのがよい。
磁性キャリアとしては、キャリアコア材が表面コート剤で表面処理されたものが挙げられる。
キャリアコア材としては、例えば鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属およびそれらの合金、あるいは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライトなどのソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物、およびそれらの混合物等の磁性体材料を焼結およびアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子の表面を樹脂被覆したものなどが挙げられる。
一方、表面コート剤としては、フッ素系結着樹脂が好ましく、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
キャリアの粒子径は、通常、電子顕微鏡法による粒径で表して、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましい。
また、キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は、磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に、2.4〜3.0g/cmが好ましい。
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤100質量%中、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。トナーの含有量が1質量%以上であれば、適度な画像濃度を維持できる。一方、トナーの含有量が20質量%以下であれば、現像装置内におけるトナー飛散の発生を抑制でき、機内の汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着するのを防げる。
上述したように、本発明のトナーは、1成分現像剤、または2成分現像剤として好適に使用できる。また、本発明のトナーは、感光体として有機感光体を搭載した一般の画像形成装置において好適に使用できるが、その特性から、非磁性2成分現像剤として用いる場合には接触型の現像方式を採用した画像形成装置はもちろんのこと、非接触型の現像方式であるタッチダウン現像方式を採用した画像形成装置の使用に特に適している。また磁性1成分現像剤として用いる場合には非接触型の現像方式である1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置の使用に特に適している。
タッチダウン現像方式を採用した画像形成装置は、非磁性2成分現像剤を撹拌し、表面に非磁性2成分現像剤の穂立ちを形成する磁気ローラと、穂立ちした非磁性2成分現像剤と接して、表面に非磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備えている。
なお、タッチダウン現像方式とは、「磁気ローラの表面に形成された非磁性2成分現像剤の穂立ちと接触することで、磁気ローラから現像ローラの表面に非磁性トナーのみを転移させて、現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成させ、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記薄層から非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
本発明のトナーは、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いので、画像形成装置に用いたときに、現像ローラの鏡像力の増加を抑制できる。従って、現像ローラへのトナー付着を軽減できる。従って、本発明によれば、タッチダウン現像方式を採用した画像形成装置において、現像ローラ上の残留トナーを効率よく磁気ローラへ回収できるので、現像ローラへのトナー付着を抑制でき、画像濃度の低下を抑制できる。また、本発明は、小型化の画像形成装置にも対応できる。
接触型の現像方式を採用した画像形成装置は、非磁性2成分現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する現像ローラと、該現像ローラに対向して設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備えている。
なお、接触型の現像方式とは、「現像ローラの表面に形成された非磁性2成分現像剤の穂立ちに、静電潜像が形成された有機感光体を接触させ、有機感光体表面に非磁性トナーを転移させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
接触型の現像方式の場合、感光体へのトナー成分、キャリア等の付着や磁気ブラシ等による感光体の損傷が問題となる場合があるが、本発明のトナーは、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であるため、適度な研磨性を発揮できる。従って、感光体から被転写体へ転写されずに残留する非磁性トナーを回収する際に、回収されたトナーを利用して感光体表面を研磨して、感光体に付着したトナー成分、キャリア等を容易に除去できる。
磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置は、内部に磁石ローラを内蔵したスリーブを表面に有し、表面に磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備えている。
なお、磁性1成分ジャンピング現像方式とは、「磁力を有する現像ローラの表面に、磁性トナーの薄層を形成させ、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記薄層から磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
本発明のトナーは、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いので、超微粉粒子の影響を軽減でき、トナーのチャージアップ現象を抑制でき、現像ローラ上でトナーが帯電凝集するのを防げる。従って、現像ローラ上でトナー薄層を良好に形成できる。従って、本発明によれば、磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置において、トナー薄層形成の長期安定性を確保できるので、長期にわたって安定した画像を形成でき、高解像度、高画質、高耐久性の要求を満足できる。また、本発明は、小型化の画像形成装置にも対応できる。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、タッチダウン現像方式、接触型の現像方式、または磁性1成分ジャンピング現像方式により画像を形成することを特徴とする。これらの画像形成方法においては、画像形成装置として、上述したタッチダウン現像方式、接触型の現像方式、または磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置を使用する。
<タッチダウン現像方式>
タッチダウン現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。また、この画像形成方法では、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアからなる非磁性2成分現像剤を使用し、非磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。また、磁性キャリアとしては、上述したキャリアが挙げられる。
帯電工程は、有機感光体の表面を帯電させる工程である。
露光工程は、有機感光体の表面を露光して、静電潜像を形成する工程である。
現像工程は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して磁気ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、穂立ちした現像剤と接して現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成し、該薄層から有機感光体の表面に非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する工程である。
転写工程は、トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する工程である。
従来、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の場合、初期の段階では比較的安定して高画質な画像を形成することが可能であるが、長期にわたる使用の結果、現像ローラにトナーが付着して画像濃度が低下したり、キャリアにトナーが付着してカブリが発生したりして、高画質な画像が得られにくくなることがあった。特に、タッチダウン現像方式の場合、現像ローラ上に残留するトナーを磁気ローラへ回収することが困難であった。
しかし、本発明であれば、微粉粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、SDが1.25以下であるトナーを用いるので、耐刷においても現像性を良好に維持でき、画像濃度の低下を抑制できる。また、超微粉粒子の比率が5.0%以下であるトナーを用いるので、現像ローラの鏡像力の増加を抑制でき、現像ローラへのトナーの付着を軽減できる。従って、現像ローラ上の残留トナーを効率よく磁気ローラへ回収できるので、現像ローラへのトナー付着を抑制でき、画像濃度の低下を抑制できる。さらに、キャリアへのトナーの付着を軽減できるので、カブリの発生を抑制できる。
<接触型の現像方式>
接触型の現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。また、この画像形成方法では、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアからなる非磁性2成分現像剤を使用し、非磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。また、磁性キャリアとしては、上述したキャリアが挙げられる。
帯電工程、露光工程、および転写工程は、タッチダウン現像方式による画像形成方法の場合と同様である。
現像工程は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して現像ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、現像剤の穂立ちに有機感光体を接触させて静電潜像をトナー像として現像する工程である。
接触型の現像方式の場合、感光体へのトナー成分、キャリア等の付着や磁気ブラシ等による感光体の損傷が問題となる場合がある。
しかし、本発明であれば、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であるトナーを用いるので、感光体から被転写体へ転写されずに残留する非磁性トナーを回収する際に、回収されたトナーを利用して感光体表面を研磨して、感光体に付着したトナー成分、キャリア等を容易に除去できる。
<磁性1成分ジャンピング現像方式>
磁性1成分ジャンピング現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。この画像形成方法では、現像剤として磁性トナーからなる磁性1成分現像剤を使用し、磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。
帯電工程、露光工程、および転写工程は、タッチダウン現像方式による画像形成方法の場合と同様である。
現像工程は、現像ローラの表面に磁性トナーの薄層を形成し、該薄層から有機感光体の表面に磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する工程である。
また、磁性1成分ジャンピング現像方式による画像形成方法においては、現像ローラとして、表面における十点平均粗さ(Rz)が2.0〜8.0μmであるスリーブを有する現像ローラを用いるのが好ましい。Rzが2.0μm以上であれば、トナー搬送力の低下を抑制できるので、適度な画像濃度を維持できる。一方、Rzが8.0μm以下であれば、高画質な画像を形成できると共に、スリーブ表面の突起部から有機感光体へのリーク発生を抑制できるので、黒点の発生を防止し、画像品質を維持できる。
Rzは、小坂研究所社製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
スリーブに用いる材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼(SUS)等を用いることができる。高耐久性を考慮する場合、スリーブ材質としてSUSを使用することが好ましく、具体的には「SUS303」、「SUS304」、「SUS305」、「SUS316」等が挙げられる。また、磁性が弱く、かつ加工しやすい点で、「SUS305」を使用することがより好ましい。
従来、磁性1成分ジャンピング現像方式の場合、特に高速機や小型機などでは、現像ローラ上へのトナー薄層形成の長期安定性を確保することが困難であった。そのため、現像ローラ上のトナー薄層に乱れが生じたり、縦筋状にトナー薄層抜けが発生したりするなどの不具合が生じ、長期にわたって安定した画像が得られにくかった。
しかし、本発明であれば、微粉粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、SDが1.25以下であるトナーを用いるので、耐刷においても現像性を良好に維持でき、画像濃度の低下を抑制できる。また、超微粉粒子の比率が5.0%以下であるトナーを用いるので、超微粉粒子の影響を軽減でき、トナーのチャージアップ現象を抑制でき、現像ローラ上でトナーが帯電凝集するのを防げる。従って、現像ローラ上でトナー薄層を良好に形成できる。従って、トナー薄層形成の長期安定性を確保できるので、長期にわたって安定した画像を形成でき、高解像度、高画質、高耐久性の要求を満足できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1]
<ポリエステル系樹脂の調製>
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1,960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770gの原料モノマー、および酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、235℃で8時間かけて反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、180℃で無水トリメリット酸を所望の酸価になるように反応系に添加し、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、反応させ、ポリエステル系樹脂を得た。
<非磁性トナーの製造>
結着樹脂として先に調製したポリエステル系樹脂100質量部と、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、「MA100」)5質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)2質量部と、離型剤としてカルナバワックス(加藤洋行社製、「カルナバワックス1号」)5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子に、外添剤として疎水性シリカ(日本アエロジル社製、「REA200」)と酸化チタン(チタン工業社製、「EC−100」)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間5分の条件で撹拌混合し、ブラックトナー(非磁性トナー)を得た。なお、各外添剤の添加量は、トナー100質量%中、疎水性シリカが1.8質量%、酸化チタンが1.0質量%となるようにした。
<測定・評価>
(トナー母粒子の体積平均粒子径の測定)
ベックマンコールター社製の粒度分布測定装置「コールターカウンターマルチマイザー3」を使用して、電解液としてベックマンコールター社製のアイソトンIIを用い、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて、トナー母粒子の粒度分布(体積分布)を測定した。
具体的には、電解液100gに界面活性剤(7質量%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)を10g添加した溶液中に、測定試料(トナー母粒子)を10mg加え、超音波分散器にて分散処理を行い、測定試料が分散した溶液を粒度分布測定装置にて測定して、試料粒径の体積分布を得た。得られた体積分布からトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を求めた。結果を表1に示す。
(微粉粒子の個数分布の比率の測定)
トナー母粒子の体積平均粒子径の測定と同様にして、粒度分布測定装置を使用し、測定試料としてブラックトナー10mgを用いて、ブラックトナーの粒度分布(個数分布)を測定した。得られた個数分布から粒子径が4.0μm以下の粒子の比率を求めた。結果を表1に示す。
(SDの測定)
トナー母粒子の体積平均粒子径の測定と同様にして、粒度分布測定装置を使用し、測定試料としてブラックトナー10mgを用いて、ブラックトナーの粒度分布(体積分布)を測定した。得られた体積分布からブラックトナーのSDを求めた。結果を表1に示す。
(超微粉粒子の比率の測定)
走査型電子顕微鏡により拡大撮影したブラックトナーの写真と、さらに走査型電子顕微鏡に付属しているX線マイクロアナライザー(XMA)などの元素分析によってマッピングされたブラックトナーの写真とを対照し、1視野に観察される外添処理トナーの個数を測定して、粒子径が3.0μm以下と測定される超微粉粒子の個数をカウントした。ランダムに選択した外添処理トナー1000個について観察し、粒子径が3.0μm以下の超微粉粒子の個数をカウントして、超微粉粒子の比率を求めた。なお、マッピングされたブラックトナーのうち、外添剤と思われる粒子はカウントしないものとする。結果を表1に示す。
(平均円形度の測定)
シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を使用して、温度23℃、湿度60RH%の環境下で、円相当径0.60〜400μmの範囲内の粒子について測定した。次いで、測定された粒子の円形度を下記式(1)より求め、さらに、円相当径3〜10μmの粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を円形度とした。1000個の粒子について測定を行い、算出した値を平均円形度とした。結果を表1に示す。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長/粒子の投影像の周囲長 ・・・(1)
(画像濃度の測定)
ブラックトナーとキャリア(パウダーテック社製、「フェライトキャリア」、平均粒子径:35μm)を混合して、非磁性2成分現像剤を調製した。トナー(T)とキャリア(C)の質量比は、T:C=1:10となるようにした。
得られた非磁性2成分現像剤を、タッチダウン現像方式を採用した、有機感光体搭載の評価機(京セラミタ社製、「FS−C5016」)にセットし、評価機の電源を入れ安定直後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力し、これを初期画像とした。
ついで、印字率4%原稿で5000枚出力した後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力し、これを耐刷画像とした。
初期画像と耐刷画像のソリッド画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「RD−914」)を用いて、それぞれ画像濃度(ID)を測定した。結果を表2に示す。
(転写性の評価)
画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像(細線画像)を出力した。
得られた細線画像について、細線中の中抜け具合をルーペで目視観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:中抜けが発生していない。
4:中抜けが非常に軽微に発生している。
3:中抜けが多く発生している。
2:中抜けが顕著に発生している。
1:中抜けが広範囲にわたって顕著に発生している。
(高温高湿環境(H/H環境)におけるカブリの評価)
評価機を高温高湿環境(温度:35℃、湿度:85RH%)に一晩放置した以外は、画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力した。
得られたソリッド画像について、カブリの発生具合を目視観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:カブリが発生せず、画像品質が良好である。
4:カブリが非常に軽微に発生しているが、画像品質は良好である。
3:カブリが多く発生し、画像品質に影響がある。
2:カブリが顕著に発生し、画像品質に影響があり、問題となるレベルである。
1:カブリが広範囲にわたって顕著に発生し、画像品質としては問題となるレベルであり、実使用に耐えない。
(画像品質の評価)
画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、印字率4%原稿で5000枚出力した後、ベタ画像・50%ハーフ画像を出力した。その後の現像ローラの状態、およびベタ画像・50%ハーフ画像について目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:現像ローラ上にトナーが付着せず、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
4:現像ローラ上にトナーがわずかに付着しているが、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
3:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が発生している。
2:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が多く発生し、かつ、耐刷の途中で現像ローラへのトナーの付着が発生し、問題となるレベルである。
1:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が多く発生し、かつ、耐刷の初期から現像ローラへのトナーの付着が発生し、問題となるレベルであり実使用に耐えない。
[実施例1−2〜1−4、比較例1−1〜1−5]
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表1に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例1−1と同様にして、ブラックトナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010107849
Figure 2010107849
表2から明らかなように、各実施例で得られたブラックトナーは、5000枚の印刷(耐刷)を行っても、画像濃度に殆ど変化がなく、画像濃度の低下を抑制できた。また、転写性、カブリ、画像品質の結果も良好であった。
一方、比較例1−1で得られたブラックトナーは、SDが1.28と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例1−2で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.8%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例1−3で得られたブラックトナーは、超微粉粒子の比率が5.5%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
比較例1−4、1−5で得られたブラックトナーは、平均円形度が0.950未満であったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性が各実施例に比べて劣っていた。
[実施例2−1]
結着樹脂として、実施例1−1で調製したポリエステル系樹脂100質量部と、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、「MA100」)5質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)2質量部と、離型剤としてカルナバワックス(加藤洋行社製、「カルナバワックス1号」)5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子に、外添剤として疎水性シリカ(日本アエロジル社製、「REA90」)と酸化チタン(石原産業社製、「MPT240」)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間2分の条件で撹拌混合し、ブラックトナー(非磁性トナー)を得た。なお、各外添剤の添加量は、トナー100質量%中、疎水性シリカが1.8質量%、酸化チタンが1.0質量%となるようにした。
<測定・評価>
得られた磁性トナーについて、実施例1−1と同様にして微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を測定した。結果を表3に示す。
また、得られたブラックトナーとキャリア(パウダーテック社製、「フェライトキャリア」、平均粒子径:75μm)を、トナー(T)とキャリア(C)の質量比がT:C=1:19となるように混合して調製した非磁性2成分現像剤を用い、接触型の現像方式を採用した、有機感光体搭載の評価機(京セラミタ社製、「DC−4045」)を使用した以外は、実施例1−1と同様にして、初期画像および耐刷画像の画像濃度を測定し、転写性、高温高湿環境におけるカブリ、および画像品質の評価を行った。結果を表4に示す。
[実施例2−2〜2−4、比較例2−1〜2−5]
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表3に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例2−1と同様にして、ブラックトナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2010107849
Figure 2010107849
表4から明らかなように、各実施例で得られたブラックトナーは、5000枚の印刷(耐刷)を行っても、画像濃度に殆ど変化がなく、画像濃度の低下を抑制できた。また、転写性、カブリ、画像品質の結果も良好であった。
一方、比較例2−1で得られたブラックトナーは、SDが1.28と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例2−2で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.8%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例2−3で得られたブラックトナーは、超微粉粒子の比率が5.5%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
比較例2−4、2−5で得られたブラックトナーは、平均円形度が0.950未満であったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性が各実施例に比べて劣っていた。
[実施例3−1]
<結着樹脂の調製>
温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応器中に、キシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン845質量部、アクリル酸n−ブチル155質量部の混合モノマーとジ−tert−ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部と、キシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂を得た。
<磁性トナーの製造>
このようにして得られた結着樹脂49質量部と、磁性粉(マグネタイト、796kA/m印加時に保持力4.5kA/m、飽和磁化82Am/kg、残留磁化4.5Am/kgであり、個数平均粒子径0.25μm)45質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)3質量部と、離型剤としてワックス(サゾール社製、「サゾールワックスH1」)3質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100質量部に、外添剤としてシリカ(日本アエロジル社製、「RA200−H」)1質量部と、酸化チタン(チタン工業社製、「EC−100」)2質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間5分の条件で撹拌混合し、磁性トナーを得た。
<測定・評価>
得られた磁性トナーについて、実施例1−1と同様にして微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を測定した。結果を表5に示す。
また、得られた磁性トナーを磁性1成分現像剤として用い、評価機として、磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した、有機感光体搭載ページプリンタ(京セラ社製、「FS−1020D」、20ppm)を使用した以外は、実施例1−1と同様にして、初期画像および耐刷画像の画像濃度を測定し、転写性、高温高湿環境におけるカブリ、および画像品質の評価を行った。結果を表6に示す。
[実施例3−2〜3−4、比較例3−1〜3−5]
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表5に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例3−1と同様にして、磁性トナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2010107849
Figure 2010107849
表6から明らかなように、各実施例で得られた磁性トナーは、5000枚の印刷(耐刷)を行っても、画像濃度に殆ど変化がなく、画像濃度の低下を抑制できた。また、転写性、カブリ、画像品質の結果も良好であった。
一方、比較例3−1で得られた磁性トナーは、SDが1.28と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例3−2で得られた磁性トナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.8%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例3−3で得られた磁性トナーは、超微粉粒子の比率が5.5%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
比較例3−4、3−5で得られた磁性トナーは、平均円形度が0.950未満であったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性が各実施例に比べて劣っていた。

Claims (9)

  1. 有機感光体を具備する画像形成装置に用いられ、少なくとも結着樹脂を含むトナー母粒子に外添剤が添加された電子写真用トナーにおいて、
    当該電子写真用トナーに含まれる全粒子中における、粒子径が4.0μm以下である粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、
    体積分布の標準偏差(SD)が1.25以下であり、
    外添処理トナー中、粒子径が3.0μm以下である粒子の比率が5.0%以下であり、かつ、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.950以上であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する磁気ローラと、穂立ちした現像剤と接して、表面に非磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から非磁性トナーを飛翔させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する現像ローラと、該現像ローラに対向して設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、前記現像ローラの表面に形成された現像剤の穂立ちに前記有機感光体を接触させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記現像剤100質量%中の非磁性トナーの含有量が1〜20質量%であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真用トナー。
  5. 表面に磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成される有機感光体とを備え、静電潜像が形成された有機感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から磁性トナーを飛翔させて、有機感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  6. 有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
    有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
    非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して磁気ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、穂立ちした現像剤と接して現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成し、該薄層から有機感光体の表面に非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
    トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
    前記非磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  7. 有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
    有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
    非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して現像ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、現像剤の穂立ちに有機感光体を接触させて静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
    トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
    前記非磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  8. 有機感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
    有機感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
    現像ローラの表面に形成された磁性トナーの薄層から、有機感光体の表面に磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
    トナー像を有機感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
    前記磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記現像ローラは、表面における十点平均粗さ(Rz)が2.0〜8.0μmであるスリーブを有し、該スリーブがステンレス鋼製であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
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