JP2010104707A - 姿勢矯正用サポーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実質的に両肩甲骨の内側で後ろ身頃を形成する程度に広い面積を備えたプレート状の本体でなる背面支持部11と、前記背面支持部の下端から水平方向に延びてアンダーバストの位置に回り込む本体ベルト21と、該背面支持部の上端から延出して身体前面に回り込み、下方へ向かって延びる弾性伸縮性を備えた一対の補助ベルト31,31と、前記本体ベルトの両側部に設定され、前記補助ベルトを係止する係止手段とを備える。
【選択図】図3
Description
そこで、特許文献2のようなサポーターが提案されている。
このサポーターは、図1、図4に示すように、水平に延びる胸ベルト3を有し、該胸ベルト3の背面側に一端が固定され、互いに交差して延びる弾性を備えた一対の肩ベルト2を有しており、他端は、身体の前面(正面)に互いに平行に垂下されて、胸ベルト3に固定されるものである。
このようなサポーターでは、胸ベルト3はバストラインに沿って延びているから肩ベルト2は腋の下に食い込むことがなく、装着中に腋の下が痛くなることが無いという利点を有する。
図10は、肩ベルトを身体の正面の位置でベルトに固定した様子を示す。
この場合には、使用者の肩部は、肩ベルトの伸縮力により矢印に示すように下方に引っ張られることから、背中の方向に引き上げて前屈みの姿勢を矯正する作用が十分発揮されない。
そればかりでなく、装着者の体型に関して、胸や腹の箇所に特に「厚み」がある場合には、肩部が前方に引っ張られて、所謂「猫背」を助長する結果となるという欠点がある。
さらに、前記本体ベルトはアンダーバストの位置で延びているので、補助ベルトの引っ張り力が伝えられた際に、装着者の腋の下に食い込むことがないので、装着に際して痛みを伴うことがない。ここで、「アンダーバストの位置に回り込む」とは、少なくともバスト位置より低い位置で、胴回り方向に配置されることを言う。
また、背面支持部の上端から延びて、身体の前面に回される補助ベルトは、その先端が前記本体ベルトの両側部に係止されるから、装着者の肩部の前面に当たる補助ベルトが、該肩部を前記背面支持部の方へ引っ張るので、身体の前面上部が引き起こされ、前屈みの姿勢が効果的に矯正される。
すなわち、補助ベルトが身体前面にほぼ垂直に導かれて本体ベルトのようなベルトに固定される場合には、補助ベルトの引っ張り力によって、肩部がかえって下方向に引っ張られて、姿勢を悪くする場合があるが、本発明ではそのような弊害がない。
上記構成によれば、補助ベルトの引っ張り力を襷掛け状態で背面支持部に伝えることができるので、背中上部の筋肉を補助して、装着者の肩部を効果的に引き起こすことができ、前屈姿勢を好適に矯正することができる。
上記構成によれば、補助ベルトの全長が伸縮する場合と比べると、装着者の肩部から背中にかけての部位をより効果的に引っ張ることができる。
また、補助ベルトは、肩部の頂部において、折り返されていることから、該補助ベルトの全長が伸縮すると、この折り返し箇所にテンションが集中してしまうが、補助ベルトが、肩部から背中部にかけて伸縮するようにすれば、そのような事態を防止して、姿勢矯正に効果的なテンションを得ることができる。
上記構成によれば、補助ベルトを容易に装着者の身体の両側部(体側)に導くことができるため、補助ベルトが腋の下に食い込むことがなく、補助ベルトにより形成される肩周りのループが広く装着者が腕を通しやすく、さらに補助ベルトの先端側は、係止用リングに通すことで、身体両側部から、前方に折り返され、前記本体ベルトの延びる方向と重ねられることにより、前記補助ベルトの先端部に形成された係止部を、前記本体ベルトの表面に形成した被係止部に対して係止して、前記補助ベルトの引っ張り力を容易に調整しつつ固定することができる。
上記構成によれば、本体ベルトの締め付け力を容易に適宜調整することができ、装着者の身体サイズに適合させやすい。
上記構成によれば、前記本体ベルトの長さ方向に沿った広い範囲で形成した被係止部に対して係止可能とされているので、前記補助ベルトのテンション調整が広い範囲で可能となる。
上記構成によれば、背面支持部は、装着者の身体の背面に対して位置ずれしにくいので、補助ベルトのテンションが緩むことなく、効果的に矯正力を作用させることができる。
上記構成によれば、背面支持部および本体ベルトの双方に関して、位置ずれしにくいものとすることができる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
背面支持部11は、本実施形態では、好ましくは、少なくとも、表面部と裏面部の二枚の素材を重合してプレート状とされている。
なお、背面支持部11は、2枚以上の素材を重合して形成してもよい。例えば、上記表面材と裏面材に加えて、これらの間に比較的剛性の高い芯材を配置してもよい。
本体ベルト21は、図1、図2に示すように、背面支持部11との関係で、サポーター10の装着時に、装着者のアンダーバスト付近に配置されることができる位置に形成されることが必要であり、アンダーバストより低ければよいが、それより高い位置は好ましくない。
これに対して、図4に示すように、ベルト23裏面の先端部には、面ファスナーの雄部材により係止部25が形成されている。
また、各ベルト22,23が延出している個所で、その基端部にあたる背面支持部11の身体側には、符号34,34で示すように、滑り止め部が形成されている。この実施形態では、短冊状のゴム材料を配置することで、滑り止め部34,34を形成しているが、例えば、表面を粗面とすることなどにより滑り止め部を形成してもよい。
具体的には、補助ベルト31,31は、それぞれの背面支持部側の下端が図3の符号13,13の箇所で縫着などにより固定され、該背面支持部11内部(表面材11aと裏面材11bの間)で交差して延びており、その延出側が切り込み14,14から外部に延びている。
補助ベルト31,31は、弾性伸縮性を備えており、この実施形態では、全体が弾性伸縮性に富んだパイルゴムで形成されている。
図3に示すように、各補助ベルト31,31の先端部には係止部36,36が形成されている。係止部36,36は、裏面に面ファスナーの雄部材が配置され、表面に面ファスナーの雌部材が配置されており、上述した本体ベルト21の表面の被係止部24,24に着脱もしくは、係止部36,36同士が着脱できるようにされている。
係止用リング32は、例えば、長円形の樹脂製リングであり、補助ベルト31を通すことができる輪状の部分を備えている。この係止用リング32,32は、図3に示すように、その外側を、やや上方に向けるように傾けて、本体ベルト21,21に固定されている。
すなわち、図4の符号35,35に示すように、補助ベルト31,31は上述のように全体を伸縮素材で形成し、これら補助ベルト31,31の先端側の一定長さ範囲に、伸縮しない素材35,35を固定することにより形成されている。
このようにすることで、サポーター10の補助ベルト31,31について、肩周りの近傍から背面だけが伸縮し、先端側は伸縮しないようにする構造を容易に実現できるだけでなく、その伸縮範囲の調整も容易である。
これらの図を参照して、本実施形態のサポーター10の作用を説明する。
図6は背中の浅い箇所の筋肉組織を図示しており、ここに示す僧帽筋という筋肉が肩こりに深く関係している。
僧帽筋は、図示のように肩から背中にかけて形成されている大きな筋肉で、左右一対のものである。
この僧帽筋は、左右あわせて10キロ程度にもなる左右の腕の重さも、それぞれ各僧帽筋が支えている。その状態で、猫背等の姿勢の悪化があると、僧帽筋にかかる負担が増大し、筋肉が疲労することによって肩こりが発生する。
図5に示すように、サポーター10は、後述する作用により、補助ベルト31が、矢印に示すように、効果的に肩部を引き起こして、前傾姿勢を矯正することで、肩こりを防止することができるものである。
そこで、サポーター10では、図7に示すように、背面支持部11において、補助ベルト31,31を交差状態で収容することにより、板状の該背面支持部11を背中上部に押し付けて、弱った筋肉の働きを補助して、前屈みの姿勢を防止し、ひいては腰痛が生じるのを防止するものである。
この場合、本体ベルト21はアンダーバスト部に沿って水平方向に長さ調節可能に着脱される構成であるから、該本体ベルト21の締め付け力を容易に適宜調整することができ、装着者の身体サイズに適合させやすい。
すなわち、補助ベルトが身体前面にほぼ垂直に導かれて本体ベルトのようなベルトに固定される場合、すなわち、図10で示すような状態では、補助ベルトの引っ張り力によって、肩部がかえって下方向に引っ張られて、姿勢を悪くする場合があるが、サポーター10ではそのような弊害がない。
また、これら補助ベルト31,31の先端側には一定長さで非伸縮部35,35を設けている。このため、補助ベルト31,31の全長が伸縮する場合と比べると、装着者の肩部から背中にかけての部位に局所的に引っ張り力を集中させることができ、より効果的に引っ張ることができる。
つまり、補助ベルト31,31は、肩部の頂部において、折り返されていることから、該補助ベルト31,31の全長が伸縮すると、この折り返し箇所にテンションが集中してしまうが、補助ベルトが、肩部から背中部にかけて伸縮するようにすれば、そのような事態を防止して、姿勢矯正に効果的なテンションを得ることができる。
このような構成により、伸縮力を発揮する補助ベルト31,31を容易に装着者の身体の両側部に導くことができ、さらに補助ベルト31,31の下端側である先端側は、係止用リング32,32に通すことで、身体両側部から、前方に折り返され、本体ベルト21の延びる方向と重ねられることにより、補助ベルト31,31の先端部に形成された係止部36,36を、本体ベルト21の表面に形成した被係止部に対して係止して、引っ張り力を容易に調整して固定することができる。
しかも、背面支持部11の下端付近には、該背面支持部11が当接する身体側に滑り止め部34,34が形成されている。このため、背面支持部11は、装着者の身体の背面に対して位置ずれしにくいので、補助ベルト31,31のテンションが緩むことなく、効果的に矯正力を作用させることができる。
特に、滑り止め部34,34は、本体ベルト21の各延出基端位置に形成されているので、背面支持部11および本体ベルト21の両方について、位置ずれしにくいものとすることができる。
背面支持部11は、上記説明の形状に限らず、他の形状としてもよく、その素材も適宜他の材料を用いることができる。
補助ベルト31,31は伸縮性のベルトで全体を構成しなくても、伸縮性のものと、非伸縮性のものを繋いで一本のベルトとしてもよい。
Claims (8)
- 実質的に両肩甲骨の内側で後ろ身頃を形成する程度に広い面積を備えたプレート状の本体でなる背面支持部と、
前記背面支持部の下端から水平方向に延びてアンダーバストの位置に回り込む本体ベルトと、
該背面支持部の上端から延出して身体前面に回り込み、下方へ向かって延びる弾性伸縮性を備えた一対の補助ベルトと、
前記本体ベルトの両側部に設定され、前記補助ベルトを係止する係止手段と
を備えることを特徴とする姿勢矯正用サポーター。 - 前記補助ベルトは、前記背面支持部の内部または該背面支持部の身体当接面と反対の面において、交差して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記補助ベルトの先端側には一定長さで非伸縮部を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記本体ベルトの係止手段は、該本体ベルトの両側部に形成され、前記補助ベルトの下方へ向かう先端側を通すとともに、該先端側の方向を前記本体ベルトに沿った方向に導く係止用リングと、補助ベルトの先端部に形成した係止部と、前記本体ベルトの表面に形成した被係止部とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記本体ベルトはアンダーバスト部に沿って水平方向に長さ調節可能に着脱される構成としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記補助ベルトの係止部は、前記本体ベルトの長さ方向に沿って広い範囲で形成した被係止部に対して、該長さ方向の任意位置で着脱される構成としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記背面支持部下端には、該背面支持部が当接する身体側に滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の姿勢矯正用サポーター。
- 前記背面支持部下端には、両側方に向かって前記本体ベルトがそれぞれ延びており、これらの本体ベルトの各延出基端位置に、前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の姿勢矯正用サポーター。
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