JP2010098208A - シリコンウェーハの熱処理方法及び熱処理装置、並びに、シリコンウェーハ - Google Patents

シリコンウェーハの熱処理方法及び熱処理装置、並びに、シリコンウェーハ Download PDF

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Abstract

【課題】複雑なヒータや特殊なボートを使用することなく、シリコンウェーハへのキズの発生を抑制可能な熱処理方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェーハ30が保持されたボート20を炉心管11内にロードし、シリコンウェーハ30を1100℃以上の温度でアニールする。アニール工程を行った後、炉心管11内でシリコンウェーハ30の温度を500℃以下に降温する。降温工程を行った後、ボート20を炉心管11から取り出す際、ボート20の取り出し速度を45cm/min以下とする。これにより、アンロード時におけるシリコンウェーハ30の冷却速度が緩やかとなることから、熱処理によって生じるシリコンウェーハへのキズを抑制することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウェーハの熱処理方法及び熱処理装置に関し、特に、シリコンウェーハの変形や強度低下を抑制可能なシリコンウェーハの熱処理方法及び熱処理装置に関する。また、本発明は、このような熱処理が施されたシリコンウェーハに関する。
ICデバイスの作製に用いられるシリコンウェーハは、チョクラルスキー法(CZ法)などによって引き上げられたシリコン単結晶のインゴットをスライスし、鏡面加工などを施すことによって製造される。
しかしながら、CZ法によって引き上げられた直後(as-grown)のシリコン単結晶には結晶成長導入欠陥(grown-in欠陥)が含まれており、このような欠陥がシリコンウェーハの表層に存在するとICデバイスが正しく動作しないおそれがある。grown-in欠陥の一つとしては、COP(Crystal Originated Particle)が挙げられる。COPは正八面体の空洞欠陥であり、酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させることから、少なくともデバイス形成領域からはCOPを除去する必要がある。COPを除去するためには、酸素濃度が不飽和となる条件でシリコンウェーハを高温熱処理(アニール)する必要がある。このような高温熱処理を行えば、シリコンウェーハの表面から20μm程度の範囲にあるCOPが消滅するため、シリコンウェーハの表層部に無欠陥層を作ることができる。
このような高温熱処理は、複数のシリコンウェーハが保持されたボートを炉心管内にロードし、1100℃以上の温度に加熱することにより行われる。この時、シリコンウェーハはボートに設けられたサポートピンによって支持されるため、シリコンウェーハの裏面はサポートピンとの接触部において僅かなダメージを受け、キズが生じる。このようにして生じたキズはシリコンウェーハの強度を低下させることから、できるだけキズが小さくなる条件で熱処理を行うことが望ましい。
また、キズが生じている部分には転位クラスタが発生している。シリコンウェーハの裏面における転位クラスタ自体は実害がないが、熱処理によって転位クラスタに強い熱応力がかかると、転位クラスタが拡大してスリップ転位となる。スリップ転位は熱処理中にも徐々に伸展する。
特に、近年広く用いられている直径300mmの大口径シリコンウェーハでは、自重による応力も大きいことから、小径のシリコンウェーハと比べると、スリップ転位の伸展が顕著である。もちろん、直径450mmといったより大口径のシリコンウェーハにおいては、自重によるスリップ転位の伸展がいっそう顕著となる。
このようにしてシリコンウェーハの裏面にスリップ転位が形成されると、シリコンウェーハの強度がさらに低下したり、シリコンウェーハに反りが生じたりする。また、スリップ転位はICデバイスにおけるリーク電流の原因ともなることから、ICデバイスの歩留まりを低下させるという問題も生じる。このため、スリップ転位の起点となるキズをできるだけ小さくすることは、熱処理プロセスにおいて重要である。
また、デバイスプロセス中には、シリコンウェーハに非常に高い応力負荷のかかる急速昇降温熱処理(フラッシュランプアニール(FLA)処理やレーザースパイクアニール(LSA)処理)が導入されることがある。つまり、LSIのデザインルールが小さくなると、CMOS拡散領域の極浅接合形成に求められる条件がその分厳しくなるため、より高温かつ短時間でアニールを行うことが求められる。このため、従来用いられていたラピッドサーマルアニール(RTA)のように数秒のアニール時間は許容されず、より加熱時間の短いFLAやLSAが多用されることになる。加熱時間の短いアニールは、シリコンウェーハにかかる応力負荷もその分大きいことから、シリコンウェーハにキズがあると、処理中にそのキズが起点となりシリコンウェーハが割れる可能性が高くなる。つまり、抵抗加熱によるアニールやRTAでは問題とならなかったキズが、FLAやLSAが行われるシリコンウェーハにおいては大きな問題を引き起こしてしまう。このような理由から、FLAやLSAが行われる近年においては、キズが少ないシリコンウェーハを作製することが特に望まれる。
熱処理によってキズが生じる大きな原因は、シリコンウェーハの面内又は上下方向(厚み方向)に生じる温度差によってシリコンウェーハが変形するからである。シリコンウェーハに変形が生じると、ボートに設けられたサポートピンとシリコンウェーハとが擦れ合い、これによる物理的なダメージがシリコンウェーハにキズを生じさせるのである。
熱処理によるキズの発生を抑制する方法としては、特許文献1,2に記載された方法が知られている。特許文献1には、ヒータをゾーンごとに分割し、これによって温度傾斜を制御する方法が記載されている。また、特許文献2には、ボートの支持部として、中空部を有する弾性体を用いることが記載されている。
特開2006−100303号公報 再表2004−001835号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ヒータの構造や制御が複雑になるという問題がある。また、特許文献2に記載された方法では、特殊なボートを使用しなければならないという問題がある。
したがって、本発明の目的は、複雑なヒータや特殊なボートを使用することなく、シリコンウェーハへのキズの発生を抑制可能な熱処理方法及び熱処理装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、このような熱処理が施されることによって、強度の低下が抑制されたシリコンウェーハを提供することである。
本発明によるシリコンウェーハの熱処理方法は、シリコンウェーハが保持されたボートを炉心管内にロードし、シリコンウェーハを1100℃以上の温度で熱処理するアニール工程と、アニール工程を行った後、炉心管内でシリコンウェーハの温度を500℃以下に降温する降温工程と、降温工程を行った後、ボートを炉心管から取り出すアンロード工程とを備え、アンロード工程においては、ボートの取り出し速度を45cm/min以下とすることを特徴とする。また、本発明によるシリコンウェーハは、このような熱処理が施されたことを特徴とする。
また、本発明によるシリコンウェーハの熱処理装置は、炉心管と、炉心管を加熱するヒータと、シリコンウェーハを保持可能なボートを炉心管にロード及びアンロードするロード/アンロード機構と、ヒータの出力を調節することによってシリコンウェーハの温度を制御する温度制御部とを備え、温度制御部は、シリコンウェーハを1100℃以上の温度で熱処理した後、シリコンウェーハの温度を500℃以下に降温し、ロード/アンロード機構は、シリコンウェーハの温度が500℃以下に降温された後、ボートを45cm/min以下の速度で炉心管から取り出すことを特徴とする。
本発明によれば、シリコンウェーハを炉心管内で500℃以下に降温し、アンロード時におけるボートの取り出し速度を45cm/min以下としていることから、アンロード時におけるシリコンウェーハの冷却速度が緩やかとなる。これにより、シリコンウェーハの面内及び上下方向(厚み方向)に生じる温度差が小さくなることから、シリコンウェーハの変形が抑えられ、ボートに設けられたサポートピンによる物理的なダメージが軽減される。したがって、複雑なヒータや特殊なボートを使用することなく、熱処理によって生じるシリコンウェーハへのキズを抑制することが可能となる。具体的には、サポートピンとの接触部におけるキズの最大サイズを100μm以下とし、10μm以上のキズの個数を1mm当たり50個以下とすることが可能となる。
本発明においては、アンロード工程においてボートの取り出し速度を5cm/min以上とすることが好ましい。これは、ボートの取り出し速度が5cm/min未満であると、無視できない程度に生産性が低下するからである。これに対し、ボートの取り出し速度を5cm/min以上とすれば、生産性の大幅な低下をもたらすことがない。
本発明においては、シリコンウェーハの温度が900℃から500℃まで低下する温度範囲において8℃/min以下の降温レートで降温することが好ましい。これによれば、シリコンウェーハに生じる温度差がより小さくなることから、熱処理によって生じるシリコンウェーハへのキズをより効果的に抑制することが可能となる。
この場合、シリコンウェーハの温度が900℃から500℃まで低下する温度範囲において2℃/min以上の降温レートで降温することがより好ましい。これは、降温レートが2℃/min未満であると、無視できない程度に生産性が低下するからである。これに対し、降温レートを2℃/min以上とすれば、生産性の大幅な低下をもたらすことがない。
本発明においては、降温工程においてシリコンウェーハの温度を490℃以下に降温することが好ましい。これによれば、シリコンウェーハに生じる温度差がより小さくなることから、熱処理によって生じるシリコンウェーハへのキズをより効果的に抑制することが可能となる。
この場合、降温工程においてシリコンウェーハの温度を490℃以下200℃以上に降温することがより好ましい。これは、200℃未満まで降温させると、炉心管を再び加熱するのに時間がかかり、無視できない程度に生産性が低下するからである。これに対し、降温工程におけるシリコンウェーハの温度を490℃以下200℃以上とすれば、生産性の大幅な低下をもたらすことがない。
このように、本発明によれば、複雑なヒータや特殊なボートを使用することなく、シリコンウェーハへのキズの発生を抑制することが可能となる。したがって、強度の高いシリコンウェーハを低コストで提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による熱処理装置の構造を示す模式図である。
本実施形態による熱処理装置10はいわゆる縦型炉であり、図1に示すように、炉心管11と、炉心管11を加熱するヒータ12と、炉心管11にボート20をロード及びアンロードするロード/アンロード機構13と、ヒータ12を制御することによって温度を調整する温度調節部14とを備えている。
炉心管11は、上端が閉塞され下端が開放された円筒形状を有しており、開放された下端側からボート20がロード又はアンロードされる。開放された下端側にはシャッタ11aが設けられており、炉心管11にボート20をロード又はアンロードする際にシャッタ11aが開放される。特に限定されるものではないが、炉心管11の材料としては石英や炭化珪素(SIC)が用いられる。
ボート20は、複数のシリコンウェーハ30を保持するための保持部材であり、ロード/アンロード機構13によって炉心管11に挿入又は排出される。特に限定されるものではないが、ボート20の材料についても石英や炭化珪素(SIC)が用いられる。ボート20にはサポートピンが設けられており、シリコンウェーハ30はサポートピンによって支持される。
ヒータ12は、炉心管11の内部に収容されるシリコンウェーハ30を均等に加熱できるよう、炉心管11の外側全周に亘って設けられている。ヒータ12の出力は、温度調節部14によって調節される。
炉心管11の内部には、ガス導入口15を介して酸素ガス供給され、これにより、炉心管11の内部は所定の酸素雰囲気に保たれる。また、炉心管11の内部の酸素ガスは、ガス排出口16を介して排出され、これにより、炉心管11の内部は所定の圧力に保たれる。炉心管11の内部は、酸素濃度が不飽和となる雰囲気に調節される。このような条件で熱処理を行うと、シリコンウェーハ30に含まれているCOPの内壁を構成する酸化膜(SiO)が溶解するとともに、熱酸化によって生じた格子間シリコンがシリコンウェーハの内部に拡散してCOPが埋め込まれる。これにより、シリコンウェーハの表面から20μm程度の範囲にあるCOPが消滅するため、シリコンウェーハの表層部に無欠陥層が形成される。
図2は、シリコンウェーハ30とサポートピンとの接触位置を説明するための模式図である。
図2に示すように、サポートピン21は、シリコンウェーハ30の裏面31の外周近傍における3箇所にて接触している。このため、シリコンウェーハ30に変形が生じると、シリコンウェーハ30の裏面31とサポートピン21との間で擦れが生じ、これによる物理的ダメージによってキズが生じる。このようなキズは、シリコンウェーハ30が300mm以上の大口径である場合、自重による応力が大きいことからより顕著となる。シリコンウェーハ30の機械的強度は、キズが大きくなるほど低下する。また、キズが生じている部分には転位クラスタが発生しているため、スリップ転位の起点ともなる。
図3は、熱処理装置10を用いた熱処理方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ヒータ12を用いて炉心管11を所定の温度に昇温した後、シャッタ11aを開放し、シリコンウェーハ30が保持されたボート20を炉心管11にロードする(ステップS1:ロード工程)。ボート20のロードは、ロード/アンロード機構13によって行う。特に限定されるものではないが、ロード時における炉心管11の温度は700℃程度とすることが好ましい。ボート20がロードされた炉心管11には、ガス導入口15を介して酸素ガス供給され、酸素濃度が不飽和となるような雰囲気に保たれる。
次に、温度調節部14の制御によりヒータ12の出力を上昇させ、シリコンウェーハ30を1100℃以上シリコンの融点未満の温度に加熱する(ステップS2:昇温工程)。そして、この状態を約1時間程度維持することにより、アニールを行う(ステップS3:アニール工程)。これにより、シリコンウェーハ30の表層に存在するCOPが消滅し、シリコンウェーハの表層部に無欠陥層が形成される。アニール工程時におけるシリコンウェーハ30の温度は、1100℃以上シリコンの融点未満であれば特に限定されないが、1200℃程度とすることが好ましい。これは、1100℃未満の温度ではCOPの除去が十分にできないからであり、融点を超える温度ではシリコンウェーハ30が融解するからである。そして、1200℃程度に設定すれば、最も効率よくCOPの除去を行うことが可能となる。
また、昇温工程(ステップS2)における昇温レートについては、1℃/min以上10℃/min以下に設定することが好ましい。これは、昇温レートが1℃/min未満であると昇温に要する時間が長くなりすぎ、無視できない程度に生産性が低下するからであり、昇温レートが10℃/min超であるとシリコンウェーハ30の面内及び上下方向(厚み方向)に生じる温度差が大きくなり、シリコンウェーハ30の裏面31に大きなキズが生じる可能性があるからである。
アニール工程(ステップS3)を行った後、温度調節部14の制御によりヒータ12の出力を低下させ、シリコンウェーハ30を500℃以下の温度に降温させる(ステップS4:降温工程)。シリコンウェーハ30の温度を炉心管11内で500℃以下に低下させているのは、500℃を超えたシリコンウェーハ30を炉心管11から取り出すと、急激な温度低下により、シリコンウェーハ30の裏面31に大きなキズが生じるからである。
より好ましくは、シリコンウェーハ30の温度を炉心管11の内部で490℃以下200℃以上に降温することが好適である。これは、シリコンウェーハ30を490℃以下に低下させてから取り出せば、炉心管11から取り出した際の温度低下がより緩やかとなるため、シリコンウェーハ30の裏面31に生じるキズがより効果的に抑制されるからである。一方、200℃未満まで降温させると、炉心管11を再び加熱するのに時間がかかり、無視できない程度に生産性が低下するからである。これに対し、降温工程におけるシリコンウェーハの温度を490℃以下200℃以上とすれば、生産性の大幅な低下をもたらすことなく、効果的にキズを抑制することが可能となる。
降温工程(ステップS4)においては、シリコンウェーハ30の温度が900℃から500℃まで低下する温度範囲において、10℃/min以下2℃/min以上の降温レートで降温させることが好ましく、8℃/min以下2℃/min以上の降温レートで降温させることが特に好ましい。これは、900℃を超える温度領域では、スリップ転位の伸展を防止すべく降温レートを1℃/min程度に設定する必要があるのに対し、900℃以下の温度領域にではこのような問題がなくなるため降温レートを高めることが可能となるものの、降温レートを10℃/min超であるとシリコンウェーハ30の面内及び上下方向(厚み方向)に生じる温度差が大きくなり、キズを抑制する効果が薄れてしまう可能性があるからである。一方、降温レートが2℃/min未満であると降温に要する時間が長くなりすぎ、無視できない程度に生産性が低下するため、好ましくない。また、500℃を超える温度領域でボート20を炉心管11から取り出すと、シリコンウェーハ30の上下方向(厚み方向)に生じる温度差が大きくなるため、このような温度領域での取り出しは好ましくない。
このようにしてシリコンウェーハ30を500℃以下の温度に降温させた後、ボート20を炉心管11から取り出す(ステップS5:アンロード工程)。この時、ボート20の取り出し速度は45cm/min以下とする必要がある。これは、45cm/minを超える速度でボート20を取り出すと、アンロード時におけるシリコンウェーハ30の温度低下が急速となるため、シリコンウェーハ30の裏面31に大きなキズが生じるからである。これに対し、45cm/min以下の速度でボート20を取り出すことにより、アンロード時におけるシリコンウェーハの冷却速度が緩やかとなる。アンロード時にはシリコンウェーハ30の厚み方向にボート20が移動することから、上記の速度でボート20を取り出せば、シリコンウェーハ30の面内及び上下方向(厚み方向)に生じる温度差が小さくなることから、シリコンウェーハ30の変形が抑えられ、ボート20に設けられたサポートピン21による物理的なダメージが軽減される。
ボート20の取り出し速度は、5cm/min以上とすることが好ましい。これは、ボートの取り出し速度が5cm/min未満であると、シリコンウェーハ30の温度低下についてはより緩やかとなるものの、取り出し速度が遅すぎる結果、無視できない程度に生産性が低下するからである。これに対し、ボートの取り出し速度を5cm/min以上とすれば、生産性の大幅な低下をもたらすことがない。
このように、本実施形態によれば、降温工程(ステップS4)における降温レート、アンロード工程(ステップS5)開始時におけるシリコンウェーハの温度、さらには、アンロード工程(ステップS5)におけるボート20の取り出し速度をそれぞれ最適化していることから、シリコンウェーハの変形が抑えられ、ボート20に設けられたサポートピン21による物理的なダメージが軽減される。これにより、複雑なヒータや特殊なボートを使用することなく、シリコンウェーハ30へのキズの発生を効果的に抑制することが可能となる。具体的には、サポートピン21との接触部におけるキズの最大サイズを100μm以下とし、10μm以上のキズの個数を1mm当たり50個以下とすることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では熱処理装置10としていわゆる縦型炉を用いているが、本発明がこれに限定されるものではなく、横型炉であっても構わない。横型炉であっても、アンロード時には、シリコンウェーハ30の厚み方向にボート20が移動することから、縦型炉を用いた場合と同様、シリコンウェーハ30の面内及び上下方向(厚み方向)に生じる温度差を小さくすることが可能となる。
また、上記実施形態では、COPを除去するための熱処理を例に説明したが、本発明の対象となる熱処理がこれに限定されるものではなく、他の熱処理、例えば、シリコンウェーハ30の表面にエピタキシャル層を形成するための熱処理に適用することも可能である。また、as-grownの状態で実質的にCOP等の結晶欠陥を含まない無欠陥ウェーハに対する熱処理であっても構わない。さらには、ICデバイスの製造プロセスに含まれる熱処理に適用することも可能である。
評価用のシリコンウェーハとして、直径200mm、酸素濃度[Oi]=12〜15×1017atoms/cm、抵抗率10Ω・cmのpシリコンウェーハを複数枚用意し、図1に示した熱処理装置10と同様の構造を有する装置を用いて熱処理を行った。熱処理は、図3に示したフローチャートに沿って行い、導入するガスは酸素とした。
熱処理の条件は、ロード工程(ステップS1)、昇温工程(ステップS2)、アニール工程(ステップS3)については全ての評価用のシリコンウェーハに対して共通とした。具体的には、ロード前の炉心管の温度を500℃に設定し、ロード工程におけるボートの挿入速度を10cm/minとし、昇温工程における昇温レートを10℃/minとし、アニール工程は1200℃で2時間保持することにより行った。
一方、降温工程(ステップS4)における降温レート、アンロード工程(ステップS5)開始時におけるシリコンウェーハの温度(取り出し開始温度)、アンロード工程(ステップS5)におけるボートの取り出し速度については、評価用のシリコンウェーハごとに異ならせた。サンプルごとの降温レート、取り出し開始温度、取り出し速度は、表1の通りである。
Figure 2010098208
このようにして全てのシリコンウェーハに対して熱処理を行った後、シリコンウェーハの裏面を光学顕微鏡で確認したところ、いずれのシリコンウェーハにもサポートピンとの接触部にキズの発生が認められた。そして、最も大きいキズのサイズと、10μm以上のキズの1mm当たりの個数を測定した。測定はいずれの実施例及び比較例に対しても10枚のシリコンウェーハに対して行い、その平均値を当該実施例又は比較例の測定値(最大キズ及びキズ個数)とした。結果は表1に示されている。表1に示すように、実施例1〜9においては、いずれも最大キズが100μm以下、キズ個数が50個以下であった。これに対し、比較例1〜4においては、いずれも最大キズが100μm超、キズ個数が50個超であった。また、いずれのシリコンウェーハも、表面から20μmの範囲にはCOPが存在しなかった。
次に、キズによる強度の低下を評価すべく、三点曲げ試験法によってシリコンウェーハの破壊荷重を測定した。三点曲げ試験においては、側面図である図4(a)及び上面図である図4(b)に示すように、互いに平行な2本の支持棒41,42及び1本のポンチ43を用い、シリコンウェーハ30の裏面31側を支持棒41,42で支持し、表面32側をポンチ43で押圧することにより行った。支持棒41,42は、シリコンウェーハの中心から70mm離れた点を通る位置に設定した。一方、ポンチ43は、シリコンウェーハの中心及びキズ33の上部を通る部分に設定した。また、ポンチ43の下降速度は、5mm/minに設定した。
測定はいずれの実施例及び比較例に対しても10枚のシリコンウェーハに対して行い、その平均値を当該実施例又は比較例の測定値(破壊荷重平均値)とした。結果は表1に示されている。
表1に示すように、基準となる比較例1のサンプル(降温レート:10℃/min、取り出し開始温度:500℃、取り出し速度が:50cm/min)では、10枚のシリコンウェーハの平均値が260.5Nであった。
これに対し、比較例1よりも取り出し速度が遅い実施例1のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値が321.8Nであり、強度が大幅に改善された。また、実施例1よりも取り出し速度が遅い実施例2,3では、10枚のシリコンウェーハの平均値がそれぞれ363.2N、405.1Nであり、強度がさらに改善された。これにより、取り出し速度が遅いほど強度が改善されることが確認された。また、表1に示すように、取り出し速度が遅いほど最大キズが短くなるとともに、キズ個数が減少することも確認された。
また、実施例1よりも降温レートが遅い実施例4〜6のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値がそれぞれ343.5N、360.4N、389.8Nであり、強度がさらに改善された。これにより、降温レートが小さいほど強度が改善されることが確認された。また、表1に示すように、降温レートが小さいほど最大キズが短くなるとともに、キズ個数が減少することも確認された。一方、実施例1よりも降温レートは遅いが(8℃/min)、取り出し速度が50cm/minである比較例2のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値が311.8Nであり、実施例1ほど高い強度は得られなかった。これにより、単に降温レートを遅くするよりも、取り出し速度を遅くする方が高い強度が得られることが確認された。
さらに、実施例1よりも取り出し開始温度が低い実施例7〜9のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値がそれぞれ339.9N、372.3N、394.6Nであり、強度がさらに改善された。これにより、取り出し開始温度が低いほど強度が改善されることが確認された。また、表1に示すように、取り出し開始温度が低いほど最大キズが短くなるとともに、キズ個数が減少することも確認された。一方、実施例1よりも取り出し開始温度は低いが(490℃)、取り出し速度が50cm/minである比較例3のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値が316.7Nであり、実施例1ほど高い強度は得られなかった。これにより、単に取り出し開始温度を低くするよりも、取り出し速度を遅くする方が高い強度が得られることが確認された。
さらに、取り出し速度については実施例1と同じであるが、取り出し開始温度が高い(510℃)比較例4のサンプルでは、10枚のシリコンウェーハの平均値が299.6Nであり、実施例1よりも強度が低下した。これにより、取り出し速度が45cm/minであっても、取り出し開始温度が高いと、十分な強度が得られないことが確認された。
本発明の好ましい実施形態による熱処理装置10の構造を示す模式図である。 シリコンウェーハ30とサポートピン21との接触位置を説明するための模式図である。 熱処理装置10を用いた熱処理方法を説明するためのフローチャートである。 三点曲げ試験法を説明するための図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。
符号の説明
10 熱処理装置
11 炉心管
11a シャッタ
12 ヒータ
13 ロード/アンロード機構
14 温度調節部
15 ガス導入口
16 ガス排出口
20 ボート
21 サポートピン
30 シリコンウェーハ
31 シリコンウェーハの裏面
32 シリコンウェーハの表面
33 キズ
41,42 支持棒
43 ポンチ

Claims (8)

  1. シリコンウェーハが保持されたボートを炉心管内にロードし、前記シリコンウェーハを1100℃以上の温度で熱処理するアニール工程と、
    前記アニール工程を行った後、前記炉心管内で前記シリコンウェーハの温度を500℃以下に降温する降温工程と、
    前記降温工程を行った後、前記ボートを前記炉心管から取り出すアンロード工程と、を備え、
    前記アンロード工程においては、前記ボートの取り出し速度を45cm/min以下とすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記アンロード工程においては、前記ボートの取り出し速度を5cm/min以上とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記降温工程においては、前記シリコンウェーハの温度が900℃から500℃まで低下する温度範囲において、8℃/min以下の降温レートで降温することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. 前記降温工程においては、前記シリコンウェーハの温度が900℃から500℃まで低下する温度範囲において、2℃/min以上の降温レートで降温することを特徴とする請求項3に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  5. 前記降温工程においては、前記シリコンウェーハの温度を490℃以下に降温することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  6. 前記降温工程においては、前記シリコンウェーハの温度を490℃以下200℃以上に降温することを特徴とする請求項5に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  7. 表面から20μmの範囲にCOPが存在せず、裏面に生じているキズの最大サイズが100μm以下であり、10μm以上のキズの個数が1mm当たり50個以下であることを特徴とするシリコンウェーハ。
  8. 炉心管と、前記炉心管を加熱するヒータと、シリコンウェーハを保持可能なボートを前記炉心管にロード及びアンロードするロード/アンロード機構と、前記ヒータの出力を調節することによって前記シリコンウェーハの温度を制御する温度制御部とを備え、
    前記温度制御部は、前記シリコンウェーハを1100℃以上の温度で熱処理した後、前記シリコンウェーハの温度を500℃以下に降温し、
    前記ロード/アンロード機構は、前記シリコンウェーハの温度が500℃以下に降温された後、前記ボートを45cm/min以下の速度で前記炉心管から取り出すことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理装置。
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