JP5597378B2 - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハの製造プロセスにおいて施される熱処理方法関する。
近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導体基板材料であるシリコンウェーハの高品質化が求められている。このため、シリコンウェーハの製造プロセスにおいて、水素アニール、Arアニール、アンモニアアニール、酸化性ガス雰囲気下でのアニール等の高温熱処理が行われている。また、シリコンウェーハを用いたデバイス形成プロセスにおいても、不純物導入後の活性化アニール処理や酸化処理等の高温熱処理が行われている。
上記のようなシリコンウェーハの製造プロセスにおいて、又は、デバイス形成プロセスにおいて施される高温熱処理は、一般的に、縦型拡散炉が使用されている。この縦型拡散炉は、複数枚のシリコンウェーハを同時に処理することができるという利点を有しており、特に、結晶欠陥の低減化等の所望の効果を得るために、長時間熱処理が必要となる場合には、枚葉式熱処理装置よりも、スループットの面で非常に有利である。
前記縦型拡散炉による熱処理は、シリコンウェーハをボートと呼ばれる保持具に複数枚積載し、外部ヒータ加熱により、数百度から千数百度の高温で熱処理することにより行われる。
このような縦型拡散炉による熱処理は、シリコンウェーハの面内温度差から生じる熱応力やボート支持位置での自重応力が複合的に加わり、シリコンウェーハの塑性変形が生じやすい。特に、縦型拡散炉において、非酸化性雰囲気下でシリコンウェーハを熱処理する場合、シリコンウェーハに含まれる転位の固着作用を有する酸素が外方拡散し、ウェーハの強度が低下するため、塑性変形がさらに加速される。
また、非酸化性雰囲気下でのシリコンウェーハの熱処理において、仮に、シリコンウェーハの製造プロセスにおける熱処理で塑性変形が生じない場合であっても、この熱処理によってウェーハの強度が低下するため、その後のデバイス形成プロセスにおける熱処理で塑性変形が生じやすくなる。このような塑性変形が生じると、デバイス特性を悪化させてしまうという課題を有していた。
そのため、上記のような塑性変形を抑制する対策として、例えば、転位の移動を阻害する作用がある酸素析出物の密度を向上させる手段が検討されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、酸素析出物は、周辺に歪を生じながら析出しており、酸素析出物のサイズが大きい場合は、逆に、転位が高密度で導入されやすくなり、塑性変形の発生源となる問題がある。
また、その他の対策としては、1100℃〜1300℃の温度範囲において低速で昇温する手段(例えば、特許文献2)やボート形状の適正化等による手段(例えば、特許文献3)が検討されている。
しかしながら、1100℃〜1300℃の温度範囲において低速で昇温する手段は、サイズが大きい酸素析出物が残存する可能性があり、塑性変形の発生源となる問題がある。また、ボート形状の適正化等については、開発に要する時間やコスト等の面から、実用化が困難な場合が多い。
一方、熱処理の初期工程において、700〜1000℃の温度範囲を15℃/分以上の昇温速度で加熱昇温することで、超微小酸素析出物の密度を制御し、また、850〜980℃の温度範囲で0.5〜60分間保持することにより析出核を再度制御しつつ成長させる手段が検討されている(例えば、特許文献4)。
特開2008−160069号公報 特開平8−264549号公報 特開2005−51187号公報 特許第3172389号公報
しかしながら、上記特許文献4に記載されているような熱処理では、初期の昇温レートが大きいため、シリコンウェーハの面内温度差から生じる熱応力が大きくなりウェーハの塑性変形を抑制することが難しい。また、このような手段であってもサイズが大きい酸素析出物が残存する可能性があるため、塑性変形の発生源となる問題がある。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、サイズが大きい酸素析出物の形成を抑制すると共に、適正なサイズの酸素析出物の密度を増加させ、かつ、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することができるシリコンウェーハの熱処理方法提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法により、引上げ時の冷却過程において1100℃から900℃までの温度範囲を40分以内で通過させて育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを熱処理する方法であって、600℃以下の第1の温度T1で保持された処理室内に前記シリコンウェーハを搬入した後、前記第1の温度T1から700℃以上800℃以下の第2の温度T2(T1<T2)まで昇温速度3.1℃/分以下で昇温する第1の昇温過程と、前記第2の温度T2から1150℃以上1300℃以下の最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温すると共に、前記第2の温度T2と前記最高到達温度T3との間の850℃以上1100℃以下の温度範囲における一定温度T4で30分以上240分以下保持する過程を含む第2の昇温過程と、前記最高到達温度T3で一定時間保持する最高到達温度保持過程と、前記最高到達温度T3から前記シリコンウェーハを処理室外に搬出する温度まで降温する降温過程とを備えていることを特徴とする。
このような熱処理を行うことにより、サイズが大きい酸素析出物の形成を抑制すると共に、適正なサイズの酸素析出物の密度を増加させ、かつ、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することができる。
前記一定温度T4は、850℃以上950℃以下であることが好ましい。
このような範囲内の一定温度で保持することにより、第1の昇温過程で形成された酸素析出核を、T4を超える温度における消滅臨界サイズ以上に成長させやすくすることができる。
上記熱処理方法においては、前記第2の温度T2から最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温する際の昇温速度は1℃/分以上であることが好ましい。また、前記降温過程における降温速度も1℃/分以上であることが好ましい。
このような昇降温速度として熱処理時間の短縮化を図ることにより、前記第2の温度T2から最高到達温度T3までの昇温時や、前記最高到達温度T3からの降温時において、前記第1の昇温過程で形成された酸素析出物の消滅を抑制することができる。
さらに、上記熱処理方法においては、前記最高到達温度保持過程における保持時間が1分以上180分以下であることが好ましい。
このような条件とすることにより、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における結晶欠陥の低減等の効果を効率的に得ることができる。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法によれば、サイズが大きい酸素析出物の形成を抑制すると共に、適正なサイズの酸素析出物の密度を増加させ、かつ、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することができる。
また、本発明に係るシリコンウェーハは、後のデバイス形成プロセスにおいて施される熱処理において塑性変形を抑制することができるため、デバイス形成プロセスにおける歩留向上に大きく寄与することができる。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法を説明するための熱処理シーケンスの概要図である。 本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法の他の態様を説明するための熱処理シーケンスの概要図である。 実施例3〜8、比較例3における昇温速度と熱処理後のシリコンウェーハのウェーハバルク部における酸素析出物密度との関係を示したプロット図である。 実施例3〜8、比較例3における昇温速度と熱処理後のシリコンウェーハのウェーハバルク部における酸素析出物のサイズとの関係を示したプロット図である。
以下、本発明について、図面を参照して、より詳細に説明する。
図1に、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法を説明するための熱処理シーケンスの概要図を示す。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法により育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを、600℃以下の第1の温度T1で保持された処理室内に搬入した後、図1に示すような熱処理シーケンスにより熱処理を行う。
本発明に係る熱処理方法における熱処理シーケンスは、図1に示すように、大きく分けて、昇温過程S1と、最高到達温度保持過程S2と、降温過程S3とを経るものである。また、昇温過程S1は、第1の昇温過程S1aと、第2の昇温過程S1bとからなる。
第1の昇温過程S1aにおいては、前記第1の温度T1から700℃以上800℃以下の第2の温度T2(T1<T2)まで昇温速度3.1℃/分以下で昇温する。
次に、第2の昇温過程S1bにおいては、前記第2の温度T2から最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温すると共に、前記第2の温度T2と前記最高到達温度T3との間の800℃以上1100℃以下の温度範囲における一定温度T4で30分以上240分以下保持する過程を含む。
そして、最高到達温度保持過程S2においては、前記最高到達温度T3を一定時間保持する。
さらに、降温過程S3においては、前記最高到達温度T3から前記シリコンウェーハを処理室外に搬出する温度まで降温する。
上述したような昇温過程を含む本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法によれば、高温熱処理において酸素濃度が減少した場合であっても、酸素析出物密度を適正なサイズで増加させることができるため、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することが可能となる。
本発明に係る熱処理方法では、特に、第1の昇温過程S1aにおいて、酸素析出核が形成される800℃以下の温度領域の昇温速度を3.1℃/分以下とすることにより、小サイズの酸素析出核を高密度で形成することができる。
前記800℃以下の温度領域での昇温速度が3.1℃/分を超える場合には、酸素析出核のサイズが増加するため、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することが難しい。
前記第1の昇温過程S1aにおける第1の温度T1から700℃以上800℃以下の第2の温度T2(T1<T2)までの昇温速度は、より小サイズの酸素析出核をより高密度で得る観点から、2.0℃/分以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、0.7℃/分以下である。
なお、第1の温度T1から700℃以上800℃以下の第2の温度T2(T1<T2)までの昇温速度の下限値は、生産性の観点から、0.2℃/分以上であることが好ましい。
また、前記第1の温度T1は600℃以下とすることにより、処理室内への搬入時のシリコンウェーハの割れや塑性変形、パーティクル付着等の不具合を防止することができる。
なお、前記第1の温度T1の下限値は、生産性の観点から、300℃以上とすることが好ましい。
また、本発明に係る熱処理方法では、第2の昇温過程S1bにおいて、酸素析出核が成長する800℃以上1100℃以下の温度範囲における一定温度T4で30分以上240分以下(t1)保持することにより、形成された酸素析出核を消滅臨界サイズ以上に成長させることができ、最高到達温度T3までの昇温時及び最高到達温度T3における保持過程おいて、酸素析出核が消滅することを抑制することができる。
前記一定温度T4は、850℃以上950℃以下であることが好ましい。
このような温度範囲内の一定温度で保持することにより、第1の昇温過程S1aで形成された酸素析出核が、一定温度T4を超える温度における消滅臨界サイズ以上に成長しやすくなる。
前記保持時間(t1)が30分未満である場合には、第1の昇温過程S1aで形成された小サイズの酸素析出核が、最高到達温度T3までの昇温時及び最高到達温度T3における保持過程において消滅する可能性があるため、小サイズの酸素析出核を高密度で形成することが難しい。
一方、前記保持時間(t1)が240分を超える場合には、生産性が悪くなると共に、酸素析出核のサイズが大きく成長し、塑性変形の発生源となる可能性があるため好ましくない。
また、前記第2の温度T2から最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温する際の昇温速度は1℃/分以上であることが好ましい。また、前記降温過程における降温速度も1℃/分以上であることが好ましい。
このような昇降温速度とすることにより、熱処理時間の短縮化を図ることができ、前記第2の温度T2から最高到達温度T3までの昇温時や、前記最高到達温度T3からの降温時において、前記第1の昇温過程S1aで形成された酸素析出物の消滅を抑制することができる。
前記第2の温度T2から最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温する際の昇温速度の上限値は、5.0℃/分以下であることが好ましい。前記昇温速度の上限値が5.0℃/分を超える場合には、シリコンウェーハに働く熱応力が大幅に増加し、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することができない。
また、前記降温過程における降温速度の上限値は、6.0℃/分以下であることが好ましい。前記降温速度の上限値が6.0℃/分を超える場合には、昇温時と同様の理由から、ウェーハの塑性変形を効果的に抑制することができないため好ましくない。
また、前記最高到達温度T3は1150℃以上1300℃以下であり、前記最高到達温度保持過程における保持時間(t2)が1分以上180分以下であることが好ましい。
このような条件とすることで、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における結晶欠陥の低減等の効果を効率的に得ることができる。
前記最高到達温度T3が1150℃未満である場合には、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における結晶欠陥がほとんど消滅しないため好ましくない。
一方、前記最高到達温度T3が1300℃を超える場合には、シリコンウェーハの降伏応力が低下してスリップが発生しやすく、また、装置部材として用いられる石英が変形するため好ましくない。
また、前記最高到達温度保持過程における保持時間(t2)が1分未満である場合には、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における結晶欠陥が消滅しないため好ましくない。
一方、前記最高到達温度保持過程における保持時間(t2)が180分を超える場合には、結晶欠陥の低減等の効果は既に得られており、生産性を悪化させる。また、装置部材として用いられる石英の変形量が大きくなるため好ましくない。
また、降温過程後、前記シリコンウェーハを処理室外に搬出する温度は、700℃以下であることが好ましい。
このような構成とすることで、搬出時の急激なシリコンウェーハの温度変化を緩和する効果が得られる。
なお、前記シリコンウェーハを処理室外に搬出する温度の下限値は、生産性の観点から、300℃以上とすることが好ましい。
図2に、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法の他の態様を説明するための熱処理シーケンスの概要図を示す。
図2に示すように、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法においては、第1の温度T1から一定温度T4までの昇温速度を3.1℃/分以下の一定速度としてもよい。
このような熱処理シーケンスとすることにより、図1に示したような熱処理シーケンスよりも、小サイズの酸素析出核をより高密度で形成することができる。
本発明において熱処理するシリコンウェーハをスライスして得るためのシリコン単結晶インゴットは、チョクラルスキー法による引き上げ時の冷却過程において、1100℃から900℃までの温度範囲を40分以内で通過させて育成されたものであることが好ましい。
このようにして育成されたシリコン単結晶インゴットであれば、シリコン単結晶インゴットの育成時において、酸素析出核を高密度で形成することができるため、上記熱処理後の酸素析出物のサイズをより小さくすることができる。
上述した本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、不活性ガス雰囲気又は還元性雰囲気等の非酸化性雰囲気下で行う。下記実施例においては、100%アルゴンを雰囲気として用いた場合を代表例として挙げる。
本発明に係るシリコンウェーハは、上述したような本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法を用いて製造されるシリコンウェーハであり、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度が1個/cm2未満であり、ウェーハ表面から深さ1μm以内の酸素濃度がウェーハ表面から深さ1μm以上の酸素濃度より低く、かつ、ウェーハ表面から深さ5μm以上のウェーハバルク部は、散乱光強度が5000a.u.未満の酸素析出物が密度1×109個/cm3以上形成されているものである。
なお、前記散乱光強度は、酸素析出物のサイズに対応して変動するため、サイズを表す指標となるものであり、散乱光強度が5000a.u.未満であれば、ウェーハの塑性変形の発生源とならない小サイズの酸素析出物が形成されていると定義することができる。
上記のように、本発明に係るシリコンウェーハは、上述したような本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法を用いた際、シリコンウェーハに含まれる転位の固着作用を有する酸素が外方拡散して、ウェーハ表面から深さ1μm以内の酸素濃度がウェーハ表面から深さ1μm以上の酸素濃度より低くなるが、ウェーハ表面から深さ5μm以上のウェーハバルク部においてサイズが小さい酸素析出物が高密度で形成されているため、後のデバイス形成プロセスにおいて施される熱処理において塑性変形を効果的に抑制することができるという効果を有する。
前記ウェーハ表面から深さ1μm以内の酸素濃度は、例えば、1.0×1018atoms/cm3未満であり、ウェーハ表面から深さ1μm以上の酸素濃度は、例えば、1.2×1018atoms/cm3以上である。
なお、前記酸素濃度は、二次イオン質量分析(SIMS;Secondary Ion−microprobe Mass Spectrometry)にて評価した値である。また、前記散乱光強度を有する酸素析出物の密度は、2段階熱処理ステップ(同一熱処理内で780℃×3時間熱処理した後、1000℃×16時間熱処理)を経た後、IRトモグラフィにて評価した値である。ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度の測定は、LSTDスキャナ(Laser Scattering Topography Defect Scanner)にて波長680nmで評価した値である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
直径300mmシリコンウェーハ(酸素濃度1.24×1018atoms/cm3、窒素濃度5×1014atoms/cm3、ボロン濃度2×1014atoms/cm3、リン及びカーボンはノンドープ)をボートに積載し、100%アルゴン雰囲気、600℃で保持された縦型拡散炉の処理室内に搬入した。
その後、昇温過程おいて、図1に示す第1の昇温過程S1aとして、600℃から800℃までの昇温速度を1℃/分とし、その後、第2の昇温過程S1bとして、800℃から最高到達温度T3である1200℃までの昇温速度を2〜5℃/分に制御し、途中、900℃(T4)で180分(t1)保持した。
そして、最高到達温度T3である1200℃において60分(t2)保持し、最高到達温度T3である1200℃から600℃までの昇温速度を2〜5℃/分に制御して、600℃で当該縦型拡散炉の処理室外に前記熱処理したシリコンウェーハを搬出し、アニールウェーハを作製した。
[実施例2]
実施例1と同様のシリコンウェーハをボートに積載し、100%アルゴン雰囲気、600℃で保持された縦型拡散炉の処理室内に搬入した。
その後、昇温過程おいて、図2に示す第1の昇温過程S1aとして、600℃から900℃(T4)までの昇温速度を1℃/分とし、900℃で180分(t1)保持し、その後、第2の昇温過程S1bとして、900℃から最高到達温度T3である1200℃までの昇温速度を2〜5℃/分に制御した。
そして、最高到達温度T3である1200℃において60分(t2)保持し、最高到達温度T3である1200℃から600℃までの昇温速度を2〜5℃/分に制御して、600℃で当該縦型拡散炉の処理室外に前記熱処理したシリコンウェーハを搬出し、アニールウェーハを作製した。
[比較例1]
900℃での保持を行わずに、600℃から1200℃までの昇温速度を2〜5℃/分に制御して、それ以外は、実施例1と同様な方法で、アニールウェーハを作製した。
[比較例2]
600℃から1200℃までの昇温速度を0.5℃/分に制御して、途中、900℃で300分(t1)保持して、それ以外は、実施例1と同様な方法で、アニールウェーハを作製した。
上記実施例及び比較例で得られたアニールウェーハに対して、2段階熱処理ステップ(同一熱処理内で780℃×3時間熱処理した後、1000℃×16時間熱処理)を経た後、ウェーハ表面から深さ5μm以上のウェーハバルク部における酸素析出物の密度とサイズ(散乱光強度)をIRトモグラフィ(株式会社レイテックス製 MO−411)にて測定した。また、当該熱処理におけるスリップ長をX線トポグラフィ(株式会社リガク製XRT300)にて測定した。
さらに、上記実施例及び比較例で得られたアニールウェーハを、枚葉式急速加熱・急速冷却熱処理装置(以下、RTP装置という)にて、最高到達温度1350℃、その保持時間を15秒間として急速加熱・急速冷却熱処理を施した後に、当該アニールウェーハにおけるスリップ長を上記実施例1と同様な方法にて測定した。この急速加熱・急速冷却熱処理(以下、RTPという)を、デバイス形成プロセスにおいて施される熱処理と想定した。
これらの測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005597378
表1に示したように、比較例1では、熱処理後のシリコンウェーハのウェーハバルク部における酸素析出物密度は1×109個/cm3未満と非常に低いものであった。また、散乱光強度a.u.が5000a.u.以上であり、大きいサイズの酸素析出物が形成されていることが認められた。また、アニールウェーハのボート支持位置に、スリップと呼ばれる塑性変形が発生しており、さらに、RTP後は、そのスリップ長がより大きくなった。
一方、比較例2では、ウェーハバルク部における酸素析出物密度が1×109個/cm3以上であるものの、酸素析出物のサイズを示す散乱光強度が5000a.u.以上と大きいものであった。また、熱処理後のアニールウェーハには、スリップは観察されなかったが、RTP後において、酸素析出物のサイズが大きいことに起因するスリップが観察された。
これらに対して、実施例1,2においては、散乱光強度が5000a.u.未満である小サイズの酸素析出物が1×109個/cm3以上の高密度で形成されていることが認められた。また、スリップは、熱処理後も、その後のRTP後も、観察されなかった。
また、上記実施例及び比較例で得られたアニールウェーハにおけるウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度をLSTDスキャナにて評価(波長680nm)し、かつ、ウェーハの表面から深さ方向の酸素濃度をSIMSにて評価した。
その結果、いずれのアニールウェーハにおいても、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度が1個/cm2未満であり、ウェーハ表面から深さ1μm以内の酸素濃度が1.0×1018atoms/cm3未満であり、ウェーハ表面から深さ1μm以上の酸素濃度が1.2×1018atoms/cm3以上であった。
[実施例3〜8、比較例3]
600℃から800℃までの昇温速度を0.7℃/分から最大5.0℃/分まで変化させ、それ以外は、実施例1と同様な方法で、それぞれ、アニールウェーハを作製した。
得られた各アニールウェーハについて、実施例1と同様な方法で、酸素析出物の密度とサイズ(散乱光強度)、当該熱処理におけるスリップ長を測定した。
さらに、得られたアニールウェーハを、実施例1と同様な方法で、RTP装置にて、RTPを施した後、さらに、スリップ長を評価した。
これらの昇温速度条件及び測定結果をまとめて表2に示す。
Figure 0005597378
また、表2の結果に基づいて、図3に、昇温速度と熱処理後のシリコンウェーハのウェーハバルク部における酸素析出物密度との関係を、また、図4に、昇温速度と熱処理後のシリコンウェーハのウェーハバルク部における酸素析出物のサイズとの関係をプロット図として示す。
表2、図3及び図4に示した結果から、昇温速度が3.1℃/分以下であれば、散乱光強度が5000a.u.未満である小サイズの酸素析出物が1×109個/cm3以上の高密度で形成されていることが認められた。また、スリップは、熱処理後も、その後のRTP後も、観察されなかった。
一方、比較例3では、ウェーハバルク部における酸素析出物密度が1×109個/cm3以上であるものの、酸素析出物のサイズを示す散乱光強度が5000a.u.以上と大きいものであった。また、アニールウェーハのボート支持位置に、スリップが発生しており、さらに、RTP後には、そのスリップ長がより大きくなった。
また、昇温速度が2.0℃/以下である場合には、酸素析出物のサイズを示す散乱強度が3300a.u.以下とより低い酸素析出物を2.5×109個/cm3以上の高密度で得られた。
さらに、昇温速度が0.7℃/以下である場合には、散乱強度が1995a.u.以下とさらに低い酸素析出物を1.5×1010個/cm3以上とより高密度で得られた。
また、実施例3〜8、比較例3で得られたアニールウェーハにおけるウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度をLSTDスキャナにて評価(波長680nm)し、かつ、ウェーハの表面から深さ方向の酸素濃度をSIMSにて評価した。
その結果、いずれのアニールウェーハにおいても、ウェーハ表面から深さ5μmまでの表層部における欠陥密度が1個/cm2未満であり、ウェーハ表面から深さ1μm以内の酸素濃度が1.0×1018atoms/cm3未満、ウェーハ表面から深さ1μm以上の酸素濃度が1.2×1018atoms/cm3以上であった。

Claims (5)

  1. チョクラルスキー法により、引上げ時の冷却過程において1100℃から900℃までの温度範囲を40分以内で通過させて育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハを熱処理する方法であって、
    600℃以下の第1の温度T1で保持された処理室内に前記シリコンウェーハを搬入した後、前記第1の温度T1から700℃以上800℃以下の第2の温度T2(T1<T2)まで昇温速度3.1℃/分以下で昇温する第1の昇温過程と、
    前記第2の温度T2から1150℃以上1300℃以下の最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温すると共に、前記第2の温度T2と前記最高到達温度T3との間の850℃以上1100℃以下の温度範囲における一定温度T4で30分以上240分以下保持する過程を含む第2の昇温過程と、
    前記最高到達温度T3で一定時間保持する最高到達温度保持過程と、
    前記最高到達温度T3から前記シリコンウェーハを処理室外に搬出する温度まで降温する降温過程と、
    を備えていることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記一定温度T4が850℃以上950℃以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記第2の温度T2から最高到達温度T3(T2<T3)まで昇温する際の昇温速度が1℃/分以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. 前記降温過程における降温速度が1℃/分以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  5. 前記最高到達温度保持過程における保持時間が1分以上180分以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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